「産業連関分析」入門 • • • • • 「経済」 ⇒ お金?株?(側面) 「暮らし」(此処、外、一日、一年、地域、国) 物(衣、食、住、‥) サービス(輸送、電力、教育、医療、‥ ) 人々の分業 ⇒ 多種類の財・サービスの需要と供給 ネットワーク この「暮らし」を実現している 産業連関分析 W. Leontief, 1941 (1973 ノーベル経済賞) ※投入産出分析(略して I-O 分析)ともいう François Quesnay, Tableau économiques, ケネー「経済表」 1759 地主階級、農民階級、商工階級 による収入・支出・再生産の流れ 産業連関表 (日本、3部門、 2005年) (単位: 兆円) 需要 日本 2005年 3部門 非競争輸入型 産業連関表 中間需要 計 輸 出 計 1 9 4 0 4 13 132 48 183 131 56 187 370 2 75 149 226 346 17 363 589 6 213 198 418 481 74 554 972 輸入 0 34 14 49 24 0 24 72 計 6 248 212 466 505 74 粗付加価値 7 122 377 506 産出 13 370 589 972 従業者数 (万人) 497 1,555 4,618 6,670 供 給 二 次 三 次 一次 2 6 二次 2 三次 計 計 国 内 国 内 一 次 最終需要 578 1,044 産出モデルの導出 生産部門 暮らし 一次 二次 三次 最終 需要 計 需要計 = 供給 (産出) 4 f1 f2 187 f3 363 x1 13 x2 370 x3 589 一次 2 6 1 二次 2 132 48 三次 2 75 149 市場均衡 投入係数表 (産出1単位あたり) 一次 二次 三次 一次 0.115 0.017 0.002 産出 13 370 589 x1 供給 (産出) x2 /x1 /x2 /x3 x3 中間需要 最終需要 x1 = 0.115 x1 + 0.017 x2 + 0.002 x3 + f1 x2 = 0.187 x1 + 0.358 x2 + 0.081 x3 + f2 x3 = 0.144 x1 + 0.202 x2 + 0.253 x3 + f3 二次 0.187 0.358 0.081 三次 0.144 0.202 0.253 108部門名(日本、2005年表、中分類) 001 002 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016 017 018 019 020 021 022 023 024 025 026 027 028 029 030 031 032 033 034 035 036 耕種農業 畜産 農業サービス 林業 漁業 金属鉱物 非金属鉱物 石炭・原油・天然ガス 食料品 飲料 飼料・有機質肥料 たばこ 繊維工業製品 衣服・その他の繊維既製品 製材・木製品 家具・装備品 パルプ・紙・板紙・加工紙 紙加工品 印刷・製版・製本 化学肥料 無機化学工業製品 石油化学基礎製品 有機化学工業製品 合成樹脂 化学繊維 医薬品 化学最終製品 石油製品 石炭製品 プラスチック製品 ゴム製品 なめし革・毛皮・同製品 ガラス・ガラス製品 セメント・セメント製品 陶磁器 その他の窯業・土石製品 037 038 039 040 041 042 043 044 045 046 047 048 049 050 051 052 053 054 055 056 057 058 059 060 061 062 063 064 065 066 067 068 069 070 071 072 銑鉄・粗鋼 鋼材 鋳鍛造品 その他の鉄鋼製品 非鉄金属製錬・精製 非鉄金属加工製品 建設・建築用金属製品 その他の金属製品 一般産業機械 特殊産業機械 その他の一般機械器具及び部品 事務用・サービス用機器 産業用電気機器 電子応用装置・電気計測器 その他の電気機器 民生用電気機器 通信機械・同関連機器 電子計算機・同付属装置 半導体素子・集積回路 その他の電子部品 乗用車 その他の自動車 自動車部品・同付属品 船舶・同修理 その他の輸送機械・同修理 精密機械 その他の製造工業製品 再生資源回収・加工処理 建築 建設補修 公共事業 その他の土木建設 電力 ガス・熱供給 水道 廃棄物処理 073 074 075 076 077 078 079 080 081 082 083 084 085 086 087 088 089 090 091 092 093 094 095 096 097 098 099 100 101 102 103 104 105 106 107 108 商業 金融・保険 不動産仲介及び賃貸 住宅賃貸料 住宅賃貸料(帰属家賃) 鉄道輸送 道路輸送(除自家輸送) 自家輸送 水運 航空輸送 貨物利用運送 倉庫 運輸付帯サービス 通信 放送 情報サービス インターネット附随サービス 映像・文字情報制作 公務 教育 研究 医療・保健 社会保障 介護 その他の公共サービス 広告 物品賃貸サービス 自動車・機械修理 その他の対事業所サービス 娯楽サービス 飲食店 宿泊業 洗濯・理容・美容・浴場業 その他の対個人サービス 事務用品 分類不明 食料品(工業)部門への需要とその波及 (単位:億円) 0 飲 食 系 部 門 耕種農業 畜産 漁業 食料品 飲料 飲食店 50,000 100,000 200,000 250,000 23,202 19,770 8,131 199,159 373 0 直接需要 紙類 プラスチック類 金属類 電力ガス水道 商業 運輸 広告 金融・保険 150,000 5,678 9,408 3,788 6,113 25,623 14,945 3,345 7,725 間接需要 飲食店部門への需要とその波及 (単位:億円) 0 飲 食 系 部 門 耕種農業 畜産 漁業 食料品 飲料 飲食店 50,000 100,000 200,000 250,000 7,120 3,831 2,527 25,775 13,942 209,491 直接需要 紙類 プラスチック類 金属類 電力ガス水道 商業 運輸 広告 金融・保険 150,000 3,177 5,402 4,074 10,902 31,543 11,082 4,401 8,800 間接需要 全飲食系部門への需要とその波及 (単位:億円) 0 飲 食 系 部 門 耕種農業 畜産 漁業 食料品 飲料 飲食店 50,000 100,000 200,000 250,000 56,740 28,178 14,560 228,155 76,286 209,491 直接需要 紙類 プラスチック類 金属類 電力ガス水道 商業 運輸 広告 金融・保険 150,000 12,302 20,758 14,620 19,453 65,177 31,852 10,296 20,200 間接需要 地域間産業連関表(例:10カ国 国際表) 日・米・アジア8国 外生3地域 国際産業連関表 日本 米国 中国 域 インドネシア 韓国 内 供 台湾 供 給 マレーシア 給 タイ フィリピン シンガポール 香港 輸 EU 入 その他世界 粗付加価値 産出 中間需要 最終需要 域内最終需要 輸出 イ イ フ シ フ シ マ マ ン ン ン ン ィ ガ 日 米 中 ド 韓 台 レ タ ィ ガ 香 日 米 中 ド 韓 台 レ タ ー ー ポ 本 国 国 ネ 国 湾 シ イ リ ポ 港 本 国 国 ネ 国 湾 シ イ リ ピ ー ピ ー シ シ ア ア ン ン ル ア ア ル この赤線太枠内の 各マス目が、さらに 部門数×部門数 の表になる。 EU 2000年 7/24/76部門 需要 そ の 他 世 界 日本国内の「暮らし」のための生産(所得ベース) 対数グラフ、単位:兆円, ()内 GDP比率 0.1 1 日本 450.15(89.8%) 米国 5.91(0.6%) 中国 3.81(3.2%) インドネシア 1.31(7.4%) 韓国 1.21(2.1%) 台湾 0.96(2.9%) マレーシア 0.81(8.2%) タイ 0.60(4.3%) フィリピン 0.30(3.7%) シンガポール 0.25(2.7%) 10 100 1000 日本国内の「食」のための生産(所得ベース) 対数グラフ、単位:兆円, ()内 GDP比率 0.01 日本 27.36(5.5%) 米国 1.14(0.1%) 中国 0.44(0.4%) インドネシア 0.11(0.6%) 韓国 0.13(0.2%) 台湾 0.07(0.2%) マレーシア 0.04(0.4%) タイ 0.14(1.0%) フィリピン 0.05(0.6%) シンガポール 0.01(0.1%) 0.1 1 10 100 産業連関分析を利用できる問題 A) 経済計画: 将来の最終需要変化を予測し、それを満たす各産業の将来 市場規模から、不況化する産業やボトルネック産業の存在を検知して、その対 策を考える。 B) 景気対策: 公共投資や財政支出の影響を使途別に分析し、同じ財政規 模でより効果的な景気対策を探す。 C) 物価・コスト問題: 産業連関の「価格モデル」を用いて、為替レート変 化が輸入を通じて国内物価に与える影響や、賃金・資本コスト・間接税などの 変化が財・サービス価格に与える影響を分析する。 D) 教育労働問題: 部門別の雇用マトリックスを使って部門別技能別の労 働需要変化を求め、教育・失業・職業訓練などの動向を把握する。 E) 環境エネルギー問題: 排出やエネルギー使用の削減が生産部門 全体に与える影響を分析したり、環境税などの導入による物価上昇や消費者 の環境コスト負担を算出する。 F) 技術変化: 生産技術変化(省資源化、インフラ効率悪化などによる)が国 内資源、輸入資源、価格に及ぼす影響の分析。
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