ユーザインタフェース

ユーザインタフェース
情報システム学科
島川 博光
目標と単位
• ユーザインタフェースの基本原理を学ぶ
– Webサイトについて
– 組込み機器について
• ユーザインタフェースの評価方法
• 単位について
– 定期試験
– 日常点
70%
30%
• 出席点のための
• 時間をかけて考えるべき問題
抜打ち小テスト
レポート
「ユーザインタフェース」はおまけか?
• 性能がよければいいのか?
• あらゆる機能が揃っていればいいのか?
• ヒット商品を見てみると、みんなシンプル
– iPhone, Wii, Googleのトップページ
• 「なんとか使ってくれる」は開発者のわがまま
• 「これは使える」と言わせないと、売れない
• 「使いやすい」から「使える」へ
– From “Easy to use” to “Usable”
ユーザビリティとは?
• Usable の名詞形 usability
– 「使える」度合い
• 学習しやすさ
– 初めてでも、使いやすい
• 効率性
– 目的の仕事を達成するまでの時間が短い
• 記憶しやすさ
– 何回使っても、使いやすい
ISO9241でのユーザビリティの定義
• 特定のコンテキストにおいて、特定のユーザによって、
ある製品が、特定の目標を達成するために用いられ
るさいの、 効果 ・ 効率 ・ 満足度 の度合い
• 効果(effectiveness)
– ユーザが目標を達成できるか。もっとも重要。
• 効率(efficiency)
– できるだけ最短経路で目標を達成できる。
• 満足度(satisfaction)
– ユーザに不愉快な思いをさせていないか。
コンテキスト
• ユーザが、その製品を使う上での状況
– どんなユーザが使うのか(女子高生が、SEが)
– どんな機能をつかうのか(メールを、エディタを)
– 何に使うのか(映画に誘うのに、プログラミングに)
など、など
• コンテキストを取り違えると、
– 使える製品も、使えない。
(例) 女子高生はメールにEmacsは使わない
Emacsでは絵文字は書けない(書かせない)
ゴムのユーザ(失敗の例)
• 使用不能なインタフェースができる原因を示した
アラン・クーパーによる指摘
①
②
③
④
いろいろなアイデア
誰かが「反対するユーザ像」でそれを否定
この繰り返しで、創造的な仕事は泥試合に
納期が迫ると、声の大きいメンバーが「なんとか
つかってくれそうなユーザ像」を作りあげる
⑤ 全員が自らのユーザ像を曲げて賛成
(ゴムだから簡単に曲げられる)
ユーザインタフェースの役割
• ユーザをゴールまで導くこと
• ユーザは、つねに、木構造をたどっている。
スタートからゴールまでに
ひとつでも通過できない
ノードがあれば、それは使
えないインタフェース
ゴール
スタート
ユーザ中心設計
(User Centered Design: UCD)
①
②
③
④
⑤
⑥
観察やインタビューにより、ユーザの 状況 を把握する
利用状況から ユーザニーズ を探索する
ユーザニーズの解決案を プロトタイプ として作る
解決案を 評価 する
結果をfeedbackして解決策を 改善 する
評価と改善を 繰り返す
• UCDとは、ユーザの要求や不満に対応することではない
① ユーザニーズ把握し、そこからプロトタイプを作成
② プロトタイプをユーザに使ってもらい、評価
③ 問題点を改善
• UCDの本質
– ユーザの行動の分析
スパイラル
ユーザの参加
UCDの参加者
• 製品やシステムの 開発者
– 製品やシステムを開発する技術者
• ユーザビリティの 専門家
– 使える製品についての原則を熟知した心理学者、
兼、人間工学者
• ユーザ
– 製品やシステムを使う人
– ユーザビリティの有効性を試す実験に参加
評価の方法
• 実施タイミング
– 総括的評価
• 開発の最初と最後に実施。成果を得点で表す
– 形成的評価
こっちのほうが重要
• 節目節目で実施。問題点を見つけ改善する。
• 結果の導出方法
– 分析的手法
• ユーザビリティの専門家がユーザの振る舞いや要求を分析
• 専門家が 原則 に基づき、考察する
– 実験的手法
• ユーザに参加してもらい、データを収集し、評価
Steve Krug, “Don’t make me think”,
Second Edition, New Riders Pub., 2006
• Web ユーザビリティの専門家で有名な Krugによ
る、よいWebユーザインタフェースの原則
• Krugは、開発者(Krugのクライアント)のWebサイ
トを調査( 分析的評価 )したり、そのサイトを
使っているユーザを観察( 実験的評価 )
• これらにはお金がかかるので、この本を執筆
– しかも、この本は薄い
• これがあれば、開発者だけでもユーザインタ
フェースをかなり改善できる。
Don’t make me think!
• ユーザビリティの第一法則
• 見ただけで、それが何か、どう使うかが分る
– Webサイト作成者の仕事は?を無くすこと
なし
SE企業の求人
サイトへのリンク
考える必要
求人
仕事の機会
あり
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• リストボックスを開いて、初めて、左の四角に
入力した語をキーワードとして検索することが
わかる
• こんなトリックで考えさせるなんて…
• 我々の集中力を削ぐひどいサイト!
• 考えさえることが続くと、使えないサイトになる