RSA

心拍の呼吸性変動に着目した副交感神経
活動のオンライン推定
滋賀県立大学大学院 二ノ宮 創
R波
心拍間隔
心電図波形
4
2
0
−2
120
1.2
心拍間隔[秒]
1.1
(RRI)
約1秒
1
120
t1
t2
122
124
128
130
心拍の呼吸性 呼吸・血圧・体温
変動(RSA)
により変動する
t1 t
2
122
126
124
126
128
130
呼吸周期
2
呼吸波形 0
(約3~6秒) −2
120
122
124
126
128
時間 [秒]
心拍間隔は呼吸に依存して伸縮
130
研究目的
・研究目的
心拍ゆらぎの呼吸性変動(RSA)を用いて副交感神経活動を
リアルタイムに精度良く評価する
・研究方法
心拍ゆらぎの構成
心拍ゆらぎ
血圧や体温による変動(0.15Hz以下)
呼吸周期
RSA(0.15Hz~0.40Hz)
1回換気量
心拍ゆらぎから血圧・体温による変動を低減し,RSAを精度良く推定
RSAから呼吸周期の影響を低減し,副交感神経活動を精度良く推定
呼吸と心拍ゆらぎの関係
心拍間隔
1.2
リラックス時(仰臥位)
呼吸成分:大
呼気時に
心拍間隔は
長くなる
1.15
1.1
0.8
0.75
0.7
[秒] 1.05
0.65
1
0.6
3
3
2
呼気
1
2
1
呼吸 0
波形−1
−2
緊張時(立位)
0
−1
10秒
−3
吸気
−2
10秒
−3
時間 [秒]
時間 [秒]
副交感神経活動推定の流れ
心電図から心拍間隔(RRI)を測定
呼吸を測定
従来の手法
1呼吸分のRRIの最大値と
最小値の差から心拍の
呼吸性変動(RSA)を推定
RSAには心拍ゆらぎの
体温・血圧による変動
が含まれる
カルマンフィルタを用いてRSAの
トレンド(平均値の時間変化)
を推定
改善した手法
カルマンフィルタを用いて
RRIのトレンドを推定
RRIからトレンドを引いた残り
(残差)をRSAとして扱う
心拍ゆらぎの体温・血圧
による変動を低減できる
カルマンフィルタを用いて
RSAのトレンドを推定
改善した手法(RRIのトレンド推定)
カルマンフィルタを用いて,心拍ゆらぎの体温・血圧による変動
をRRIのトレンドとして推定する
1.3
RRI
Trend of RRI
0.15Hz以下
(6.7秒以上)
に追従
Trend of RRI [s]
1.25
1.2
体温・血圧による
変動を表している
1.15
1.1
1.05
1600
1620
1640
1660
Time [s]
1680
1700
課題負荷実験への適用
課題負荷・・・3桁の暗算
実験姿勢・・・仰臥位(仰向け)
負荷
実験開始
安静 900[s]
0
実験終了
課題 600[s]
900
安静 600[s]
1500
2100 [s]
Residue
Trend of RRI
RRI [s]
RRIにカルマンフィルタを適用
課題負荷
1.2
1
0.8
0
500
1000
1500
2000
0.15Hz以下の
低周波(体温・血圧)
1.2
1
0.8
0
500
1000
1500
2000
0.1
0.15Hz以上の
高周波(残差)を
RSAとして扱う
0
−0.1
0
500
1000
1500
Time [s]
2000
低周波成分の低減の確認
35
Power spectrum
体温・血圧
30
成分
呼吸成分
(RSA)
RRI
Residue
25
20
15
10
5
0
0
0.1 0.15 0.2
0.3
Frequency [Hz]
0.4
0.5
心拍ゆらぎの低周波成分(体温・血圧による影響)が低減できた
RSA Amplitude [s]
RSA Amplitude [s]
RSA振幅の比較
0.3
課題負荷
従来の手法
0.2
0.1
0
0
500
1000
1500
0.3
2000
今回の手法
0.2
0.1
0
0
500
1000
1500
Time [s]
2000
体温・血圧の影響を低減できて,RSA振幅の平均値は小さくできた
0.3
課題負荷
0.2
0.1
Expiratory time [s]
RSA Amplitude [s]
RSA振幅と呼気時間の関係
0
0
500
1000
1500
2000
500
1000
1500
Time [s]
2000
5
4
3
2
1
0
呼吸周期
RSA振幅
一回換気量
呼気時間
吸気時間
RSA振幅の時間変化
が呼気時間の長短による
ものか副交感神経活動
によるものか明確でない
呼気時間とRSA振幅の正規化
0.25
0.25
0.15
RSA 1 = −
+ 0.15
T
T
RSA 1 = −
T
0.15
0.15
RSA
0.1
0.05
0
0
呼吸周期:3,4,5,6秒
・負の線形の傾き
・呼気時間の逆数が
およそ1のところで
RSA振幅が0
1/T
0.2
RSA1/T
0.2
0.07
+ 0.07
T
0.1
0.05
0.5
1
1/Expiratory time
(a) Supine
0
0
呼気時間の正規化式
RSA1 = −2RSA0.5 ×
0.5
1
1/Expiratory time
(b) Standing
T
1
+ 2RSA0.5
T
RSA振幅のトレンド推定結果
RSA Amplitude
Smoothing Trend of RSA
Trend of RSA[s]
0.25
課題負荷
0.2
0.15
0.1
0.05
0
0
500
1000
1500
Time [s]
2000
リラックス度を表すRSA振幅のトレンドを推定することができた
結論
・心拍間隔のトレンドを推定することで,心拍ゆらぎに含まれる
低周波成分の影響を低減できた
・呼気時間の長さを正規化することで,
RSA振幅の影響を取り除くことができた