第3回 大滝ダム運用環境調査委員会 平成18年12月7日 紀の川ダム統合管理事務所 議事内容 第2回委員会概要 暫定運用計画 調査目的・方針など 水位・流量観測 水質調査 アユ調査 付着藻類調査 出水時調査 プランクトン調査 魚類分布状況調査 今後実施する内容 第2回委員会概要 ・日 時:平成18年5月10日(水) ・場 所:大阪国際交流センター ・議 題:調査計画案について ・主な意見など:下記 調査項目 水位・流量観測 水質調査 アユ調査 主な指摘事項 対 応 (特になし) (特になし) ・アユ遊漁者調査の実施 ・漁獲量等のデータを整理 ・冷水病判定基準 (特になし) ・採水地点の追加 5月より8月にかけて1月に1回調査を実施した。 可能な限りのデータを収集し、整理中である。 水産庁より提示されている基準に従った。 ・採水体制は臨機応変に対応 出水の可能性がある場合には、現地で待機するように した。 河川環境ベースマップ調査 ・航空写真の精度 1/10000(地上解像度10cm)での撮影を予定してい る。 河床横断測量 河床材料調査 魚類分布状況調査 (特になし) ・底生動物調査と調査箇所を整合 ・捕獲魚の体サイズを測定 付着藻類調査 出水時調査 底生動物調査 プランクトン調査 ダム堆砂状況調査 大滝ダム直下にあたる「鎧掛橋」を追加した。 調査箇所を同一地点とした 体長、重量を測定した。 ・文献、聞き取り調査の実施 可能な限り文献を収集し、整理中である。 聞き取り調査については対象者を検討中である。 ・河床材料調査と調査箇所を整合 ・調査地点の追加(暫定貯留時) ・調査、分析方法 ・調査地点(測線) 指摘通り調査箇所を同一地点とした。 今後検討する。 指摘通りの方法を用いた。 指摘通りの調査測線とし、詳細は現在検討中である。 -0- 全体運用計画図(~21年度) 大滝ダム暫定運用計画図(予定) EL (m) 4月末頃 EL.323 10/16 EL.321 320 試験湛水再開 試験湛水(途中中断) 310 5/11 EL.305 6/15 8/15 EL.302 8/1 300 5月末頃 EL.295 H18年度水位上昇計画図 EL.290 8/16 10/15 290 供 用 開 始 進入路敷高の制約 より273mが限度 280 EL.272 11/2 EL.271 270 5/25 EL.273 6/1 6/1 EL.271 9月頃 260 280 EL.258 EL.258 10/29 10/24 非出水期 250 3/17 平成14年度 平成15年度 6/15 非出水期 平成16年度 EL.258 6/15 10/16 10/16 非出水期 平成17年度 非出水期 平成18年度 非出水期 平成19年度 275 EL.272 265 実績水位 260 EL.258 255 -1- 1月19日 1月14日 1月9日 1月4日 12月30日 12月25日 12月20日 12月15日 12月10日 12月5日 11月30日 11月25日 11月20日 11月15日 11月10日 11月5日 10月31日 10月26日 10月21日 10月16日 10月11日 10月6日 250 10/16 10月1日 貯水位(m) 270 EL.258 6/15 10/16 非出水期 平成20年度 非出水期 平成21年度 調査目的 大滝ダム及び貯水池運用に伴う吉野川の環境変 化をモニタリングし、河川環境に対する影響を少し でも軽減するダムの運用方法を探る。 (短期的調査) 選択取水設備が使用できないことに伴う冷水流出や濁水の 長期化が吉野川の生態系に及ぼす影響を調査する。 (長期的調査) ダム下流環境の変化を調査することによってダムの影響過 程を明らかにする。 -2- 調査方針 調査種別 ダムのある河川と ダムのない河川の比較 短期的調査 (H18~H20) 暫定運用前後の比較 (選択取水が不可) 調査種別 設定内容 比較の設定 ダムのある河川 ・吉野川本川 ダムのない河川 ・支川高見川 貯水位降下なし ・平成18年度 貯水位降下あり ・平成19~20年度 設定内容 比較の設定 ダムのある河川と ダムのない河川の比較 長期的調査 ダム完成前後の比較 平成15年 2月:仮排水トンネル閉鎖 平成15年 8月:試験湛水中断 ダムのある河川 ・吉野川本川 ダムのない河川 ・支川高見川 大迫ダム完成前 ・S48年9月以前 大滝ダム堤体完成前 ・S48年10月~H15年2月 大滝ダム完成前 ・H15年3月~H21 (選択取水が不可) 大滝ダム完成後 ・平成21年度以降 (選択取水が可能) -3- 調査継続中のため10月までの結果の報告 調査終了・結果報告 調査項目別の目的 項目 短 期 的 調 査 長 期 的 調 査 指 標 目 的 流量観測 流量 ・河川流況を把握する。 水位観測 水位 ・貯水位降下時や出水時の流況変化を把握する。 水質調査 水温、濁度、SS、EC、pH、DO、BOD、TN、T-P、臭気 ・貯水位降下時や出水時の濁度の発生状況を把握する。 ・貯水位降下時における放流水温の変化を把握する。 ・その他水質項目の変化について把握する。 アユ調査 体長、湿重量(肥満度)、消化管内容 物、冷水病の発症状況 ・付着藻類の生育状況とアユの摂餌状況及び成育状況との関連性を 把握する。 ・水温や濁水とアユの摂餌状況、成育状況との関連性を把握する。 ・冷水病の発生状況について把握する。 付着藻類調査 付着藻類相・量、活性状況、シルト分 の沈着状況 ・細粒土砂の河床堆積や攪乱頻度の程度と、付着藻類の生育状況と の関連性を把握する。 流量観測 流量 ・長期的な流量の変化を把握する。 水位観測 水位 ・長期的な流況変化を把握する。 水質調査 水温・濁度、SS、EC、pH、DO、BOD、TN、T-P、臭気 ・長期的な水質の変化を把握する ダム下流河川ベース マップ調査 航空写真、河川形状、河床構成材、河 川内植生 ・河川形状を把握する。 河床横断測量 河床断面の変化、河床高の変化 ・河床変動を把握する。 河床材料調査 河床材料(粒度組成) ・河床材料を把握する。 底生動物調査 底生動物相・量 ・河床変動と底生動物相、量との関連性を把握する。 付着藻類調査 付着藻類相・量 ・付着藻類の生育状況を把握する。 プランクトン調査 プランクトン相・流下量 ・ダム放流水の影響範囲を把握する。 魚類分布調査 魚類相、個体数、体長 ・魚類の分布状況を把握する。 ダム湖の堆砂調査 ダム湖内における土砂の堆砂状況 ・ダム湖内の土砂の堆砂状況を把握する。 -4- H18調査工程・進捗状況 項目 短 水質調査(定期採水) 期 的 アユ調査 調 査 付着藻類調査 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 17日 22日 12日 10日 11日 11日 13日 10日 11日 12日 9日 5日 12~ 13日 10~ 11日 10~ 11日 11~ 12日 12~ 13日 22~ 23日 出水時調査(採水) 5~ 7日 ダム下流ベースマップ調査 12~ 13日 13日 11~ 12日 河床横断測量 11~ 12日 河床材料調査 11~ 13日 長 期 底生動物調査 的 調 付着藻類調査 査 プランクトン調査 8~ 9日 8~ 9日 17日 22日 12日 10日 11日 11日 13日 10日 11日 12日 9日 5日 12~ 13日 魚類分布調査 11~12 日 ダム湖堆砂状況調査 赤文字は当初から時期を変更した項目 網掛けは調査終了し、本委員会で報告する項目 ・本会議では4月から10月までの調査結果について報告する。 -5- 短期的調査 水位・流量観測結果 10.00 日平均水位(m) 吉野川の水位変化(妹背) 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 計画高水位 警戒水位 指定水位 8.00 長期的調査 ・今年度は過去4年に比べて水位の変動が小さく、明確な出 水がなかった。 6.00 出水時調査 6月調査 4月調査 5月調査 8月調査 7月調査 10月調査 9月調査 4.00 2.00 0.00 1/1 2/1 3/1 4/1 5/1 6/1 7/1 月日 妹背観測所の水位データ(暫定値) -6- 8/1 9/1 10/1 11/1 12/1 水質調査地点 No.2 妹背 ダムのない河川(高見川) No.10 No.4 No.1 下渕頭首工(農) No.3 高見 衣引 樫尾発電所下流 No.5 ダムのある河川 (吉野川:高見川合流後) No.6 大滝 大滝ダムサイト No.11 ダムのある河川 (吉野川:高見川合流前) No.7 中奥 柏木 No.8 大迫直下(農) 水質(既設)(水温、濁度、pH、EC、DO) 水質(既設)(水温、濁度) 定期採水地点 水質(新設)(水温、濁度、(pH、EC、DO) ) No.9 -7- 北股(農) 短期的調査 水質調査結果(水温) 長期的調査 水質採水分析(水温) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 30.0 25.0 水温(℃) 20.0 15.0 10.0 5.0 北股 柏木 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) ダムサイト(表層) No.5 No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 大迫直下 No.3 No.3' No.10 No.4 大滝 衣引 高見 No.2 樫尾上流 妹背 No.1 樫尾下流 下渕 0.0 No.8 No.9 ・高見川は本川と比べて水温が高い傾向が見られる。今後可能であれば過去の調査結果と比較し、特異な現象 かどうかを検証する。 ・大滝ダムの表層部と底層部の水温差は夏季(8月)に最大となっていることから(水温差 4.2℃:貯水深 9.2m)、水温躍層が形成されている可能性がある。 ・大滝ダム貯水池上流の柏木地点と大滝ダム下流の大滝地点の水温を比較から、現状では冷水放流は認められ ない。 -8- 短期的調査 水質調査結果(濁度) 長期的調査 水質採水分析(濁度) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 20.0 濁度(度) 15.0 10.0 5.0 北股 柏木 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) ダムサイト(表層) No.5 No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 大迫直下 No.3 No.3' No.10 No.4 大滝 衣引 高見 No.2 樫尾上流 妹背 No.1 樫尾下流 下渕 0.0 No.8 No.9 ・4月、10月以外は濁度は上流から下流まで大きな違いは見られない。平常時については濁水の硫化は認め られない。 ・出水後の調査に当たる4月、10月に大迫直下で濁度が高くなっていることから、ダムによる濁水の長期化 現象がみられる。 -9- 短期的調査 水質調査結果(SS) 長期的調査 水質採水分析(浮遊物質量) 30.0 SS(mg/l) 環境基準A類型 25mg/L以下 20.0 10.0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 北股 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) No.6- No.6- No.6- No.11 1 2 3 大迫直下 No.5 柏木 No.10 No.4 ダムサイト(表層) No.3 大滝 樫尾下流 No.2 衣引 妹背 No.1 高見 下渕 0.0 No.7 No.8 No.9 ・全体として環境基準のA類型相当を満たしている。 ・おおむね濁度と同じ傾向を示すが、SSが高かった4月及び10月は、大滝ダムを通過してSSが低下しており、 大滝ダムが沈砂池の機能を果たしていると推測される。 -10- 水質調査結果(pH) 短期的調査 水質採水分析(pH) 10.0 pH 9.0 環境基準A類型 6.5~8.5 8.0 7.0 長期的調査 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 北股 柏木 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) No.5 No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 大迫直下 No.10 No.4 ダムサイト(表層) No.3 大滝 樫尾下流 No.2 衣引 妹背 No.1 高見 下渕 6.0 No.8 No.9 ・概ね環境基準のA類型相当を満たしている。 ・高見川は本川と比べてpH値が高い傾向が見られ、特に、夏期にその傾向が高い。pHを上昇させるような排水 は存在しないこと、後述する付着藻類の調査結果も踏まえると、付着藻類の活性度が高まり、光合成作用による 炭酸同化作用よって、pHが上昇したことが推定される。 -11- 短期的調査 水質調査結果(DO) 水質採水分析(溶存酸素量) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 14.0 12.0 DO(mg/l) 10.0 8.0 6.0 環境基準A類型 長期的調査 7.5mg/L以上 4.0 2.0 北股 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) No.6- No.6- No.6- No.11 1 2 3 大迫直下 No.5 柏木 No.10 No.4 ダムサイト(表層) No.3 大滝 樫尾下流 No.2 衣引 妹背 No.1 高見 下渕 0.0 No.7 No.8 No.9 水質 採水 分 析(溶存 酸 素飽 和度 ) 130.0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 120.0 110.0 100.0 90.0 80.0 -12- No.6-1 No.6-2 No.6-3 北股 No.5 大迫直下 No.4 柏木 大滝 No.10 中奥 衣引 No.3 大滝ダムサイト(底層) 高見 No.2 大滝ダムサイト(中層) 樫尾発電所下流 No.1 大滝ダムサイト(表層) 妹背 70.0 下渕頭首工 溶存酸素飽和度(%) ・全体として概ね環境基準のA類型相 当を満たしている。 ・問題になるレベルではないが、8月 の大滝ダム底層のDOが低下する傾向が 見られ、今後、水温躍層形成時の貯水 池底層の貧酸素化に注意していく必要 がある。 No.11 No.7 No.8 No.9 短期的調査 水質調査結果(BOD) 長期的調査 水質採水分析(生物化学的酸素要求量) 3.0 BOD(mg/l) 環境基準A類型 2mg/L以下 2.0 1.0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 柏木 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 北股 No.5 大迫直下 No.10 No.4 ダムサイト(表層) No.3 大滝 樫尾下流 No.2 衣引 妹背 No.1 高見 下渕 0.0 No.8 No.9 ・概ね環境基準のA類型相当を満たしている。 ・中奥、北股、高見のダムの影響を受けていない地点と大迫ダム、大滝ダム下流地点のBODの値は、ダムの 有無に係わらず大きな違いは見られない。 ・柏木地点でBOD値が上昇する傾向および衣引地点で下降する傾向については、設置位置等を含めて今後検証 する。 -13- 短期的調査 水質調査結果(T-N) 長期的調査 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 北股 No.5 大迫直下 No.4 柏木 大滝 No.10 中奥 衣引 No.3 ダムサイト(底層) 高見 No.2 ダムサイト(中層) 樫尾下流 No.1 ダムサイト(表層) 妹背 1.00 0.90 0.80 0.70 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 下渕 T-N(mg/l) 水質採水分析(全窒素) No.8 No.9 ・中奥、北股、高見のダムの影響を受けていない地点でT-Nの濃度は高い傾向が見られる。特に、中奥の値 が 高い。後述するリンの結果もあわせると、人為的な影響は考えにくく、自然由来と考えられるが、今後、 森林施行(伐採等の有無)を調査し、検証する。 -14- 短期的調査 水質調査結果(T-P) 長期的調査 水質採水分析(全リン) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 0.050 T-P(mg/l) 0.040 0.030 0.020 0.010 柏木 中奥 ダムサイト(底層) ダムサイト(中層) No.6- No.6- No.6- No.11 No.7 1 2 3 北股 No.5 大迫直下 No.10 No.4 ダムサイト(表層) No.3 大滝 樫尾下流 No.2 衣引 妹背 No.1 高見 下渕 0.000 No.8 No.9 ・4月及び10月を除くと、T-Pは各地点で概ね同程度の値を示す。 ・出水の影響を受けた10月は、大迫ダム直下でT-Pの値が上昇している。このことは、大迫ダムのSSが高 かったことより、懸濁態に付着したP成分が多いことが推定される。 -15- アユ捕獲時期・方法 回数 月 実施日 天候 第1回 6月 H18.6.12~6.13 晴れ、曇り 第2回 7月 H18.7.10~7.11 晴れ、曇り 第3回 8月 H18.8.10~8.11 晴れ 第4回 9月 H18.9.11~9.12 曇り、小雨 第5回 10月 H18.10.12~10.13 晴れ、曇り 吉野川(高見川合流後) 短期的調査 備考 吉野川(高見川合流前) 高見川 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 翁橋 滝の瀬橋 6月 小鷹網 投網 小鷹網 小鷹網 投網 7月 投網 小鷹網 投網 投網 投網 8月 投網 釣り 投網 投網 投網 投網 9月 投網 小鷹網 投網 衣引 投網 釣り 投網 釣り 投網 釣り 投網 釣り 投網 投網 10月 投網 投網 投網 投網 投網 小鷹網 投 釣り 網 -16- 釣 り アユ調査結果(捕獲数) st.2 妹背大橋 st.5 翁橋 ・アユの捕獲は、吉野川本川に ついては、遊漁者の存在、ア ユの分布状況から適宜地点を 限定せず、実施した。 ・安定してアユが捕獲できたの は、滝の瀬橋と衣引である。 ・本来の調査地点である「千石 橋」および「南国栖橋」では 捕獲できなかった。 ・なお、捕獲方法は管轄する漁 協の協力により、それぞれ採 捕できる方法で実施した。 st.6 滝の瀬橋 鳥居田橋 六田 上市橋 st.4 衣引 楢井 st.1 千石橋 宮滝大橋 五社大橋 st.3 南国栖橋 アユ捕獲地点 吉野川(合流後) 調査地区 その他アユ捕獲位置 St.1 千石橋 高見川 7月 8月 9月 10月 0 0 0 0 0 (六田) St.1-2 (上市橋) 2 6 13 0 St.2 妹背大橋 (楢井) St.2-2 (宮滝大橋) St.3-1 (五社大橋) 小計 吉野川(合流前) 6月 St.1-1 St.2-1 短期的調査 7 2 3 9 計 0 7 10 0 3 3 2 2 18 18 15 24 3 16 St.3 南国栖橋 0 0 0 0 0 0 St.4 衣引 4 5 5 2 0 16 4 5 5 2 0 St.5 翁橋 9 1 0 0 0 10 St.5-1 (鳥居田橋) St.6 滝の瀬橋 4 54 小計 計 -17- 65 25 7 2 16 66 2 12 16 8 14 21 17 10 14 4 59 75 26 50 18 147 アユ調査結果(成長曲線) 短期的調査 捕獲アユの体長と湿重量 250 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 成長曲線(吉野川(高見川合流後)) 成長曲線(吉野川(高見川合流前)) 成長曲線(高見川) 湿重量(g) 200 150 100 50 0 0 50 100 150 200 250 体長(mm) ・体長と湿重量に高い相関がみられる。 ・アユの成長曲線(体長に対する太り具合)はサンプル数を考慮すると、おおむね地点間で明確な差はないが、 下流域ほどわずかに成長がよい傾向がある。 -18- 短期的調査 アユ調査結果(月別体サイズ) 平均肥満度 平均重量 平均体長 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 全体 180 250 160 体長(mm) 重量(g) 150 16.0 140 14.0 120 12.0 100 10.0 肥満度 200 18.0 80 8.0 100 50 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 全体 60 6.0 40 4.0 20 2.0 0 0 6月 7月 8月 捕獲月 9月 10月 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 全体 0.0 6月 7月 8月 捕獲月 9月 10月 6月 7月 8月 9月 10月 捕獲月 ・個々の体サイズでみると成長のよいのは吉野川(高見川合流前)である。調査地点の中でもっとも上流に位置 することから、アユの生息環境の絶対値が少ないと考えられることから、体格のよい個体だけが生き残り結果に 表れた可能性もある(弱い個体は生存競争に負けた)。 ・全体として7月期まで成長が悪く(肥満度は減少)、その後8月期に急激に成長しているのは、前述したよう に7月期まで水温が低いこと、後述するように付着藻類の絶対量(乾燥重量・強熱減量=有機物量)が増加した ことに起因する可能性がある(ただし、藻類の活性値は逆に8月に低くなっていることから、アユの餌資源とし ては藻類の活性は関係ない)。 -19- アユ調査結果(消化管内容物重量など) 短期的調査 アユ消化管内容物充満度(平均値) 全体 120.0 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 100.0 充満度 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 6月 7月 8月 9月 10月 アユ消化管内容物無機物比(平均値) 100.0% ・アユの消化管内容物充満度は、地点間でばらつき がみられるが、10月期以外あまり変化がない。 ・アユの消化管内容物充満度が、10月期に極端に 低くなるのは、アユが成熟し、生殖腺が発達し、あ まり摂食しなくなったためと考えられる。 ・アユの消化管内容物の無機物比が高い7月は前述 したようにアユの成長が芳しくない。アユの成長の 要因に藻類の絶対量が関係している可能性がある。 無機物比 80.0% 60.0% 40.0% 全体 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 20.0% 0.0% 6月 7月 8月 9月 10月 -20- 短期的調査 アユ調査結果(冷水病発症状況) 冷水病推定個体 1 冷水病発症率(%) 0.8 10月 9月 8月 7月 6月 0.6 0.4 0.2 ※指を指している個体が冷水病の可能性のあ る個体、○部の鰓蓋に穴が開いている 23.4% 16.9% 10 6 1 9 0 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 ※外部形態からの判定 ※棒グラフの中の数値は確認個体数 ・水温が上昇した8月以降は冷水病推定個体は確認できなかった。 ・冷水病発症状況は個体の由来(湖産・海産)に関係があると考えられるが、発症個体の由来については、現在 耳石の分析から検証中である。 -21- アユ調査結果(遊漁者数調査) 妹背大橋付近 St.6 滝の瀬橋 上市橋付近 St.5 翁橋 吉野大橋付近 御幸橋付近 美吉野橋付近 愛宕橋付近 St.2 妹背大橋 St.1 千石橋 St.3 南国栖橋 St.4 衣引 菜摘大橋上流 アユ遊漁者が集中する地点 アユ調査地点 -22- 短期的調査 ・アユ遊漁者調査は、吉野川 本川は下渕頭首工から大滝 ダムまで、高見川について は吉野川合流点から東吉野 村役場付近まで、5月(解 禁日)より月に1回休日に 実施した。 ・アユ遊漁者は、調査期間を 通じて吉野川本川の美吉野 橋から上市橋、妹背大橋付 近、菜摘大橋上流、高見川 の愛宕橋付近、御幸橋付近 に集中して確認された。 ・当初のアユ調査地点では、 妹背大橋を除くとほとんど アユの遊漁者は見られな かった。 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 10.00 8.00 6.00 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 フェオフィチン量(μg/cm2) クロロフィルa量(μg/cm2) 付着藻類調査結果(活性値) 4.00 2.00 0.00 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 付着藻類クロロフィルa量 3.00 2.50 2.00 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 10月 11月 1.50 1.00 0.50 0.00 5月 調査月 短期的調査 6月 付着藻類フェオフィチン量 7月 8月 9月 調査月 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 1.00 藻類活性値 0.80 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 0.60 0.40 0.20 0.00 5月 付着藻類活性値 6月 7月 8月 9月 10月 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 ・8月期に活性値が減少しているのは、今年度出 水が少なく、付着藻類の更新があまり行われな かったために、いわゆるコケが腐った状態になっ ていたものと考えられる。 ・地点間でみると、高見川(翁橋・滝の瀬橋)は 概ね活性値が高く、高見川合流後の本川(千石 橋・妹背大橋)が低い傾向がみられる。 11月 調査月 -23- 付着藻類調査結果(現存量) 乾燥重量(mg/cm2) 6.00 5.00 4.00 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 3.00 2.00 1.00 5月 6月 7月 St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 5.00 4.50 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 5月 8月 9月 10月 1.00 0.50 6月 7月 5月 11月 調査月 付着藻類乾燥重量 FSI 1.50 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 0.00 0.00 付着藻類FSI St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 2.00 強熱減量(mg/cm2) St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 短期的調査 付着藻類強熱減量 7月 8月 9月 10月 11月 調査月 吉野川(高見川合流後) 吉野川(高見川合流前) 高見川 千石橋 妹背大橋 南国栖橋 衣引 翁橋 滝の瀬橋 8月 6月 9月 10月 ・FSI(無機物量の相対比)は、高見川(翁橋・滝 の瀬橋)が低く、高見川合流後の本川(千石橋・ 妹背大橋)が高い傾向がみられる。 11月 調査月 -24- 付着藻類調査結果(優占種) St.1 St.2 St.3 St.4 St.5 St.6 St.2 St.4 St.5 St.6 妹 背 大 橋 南 国 栖 橋 衣 引 翁 橋 滝 の 瀬 橋 上 市 橋 五 社 大 橋 衣 引 滝 の 瀬 橋 千 石 橋 妹 背 大 橋 南 国 栖 橋 衣 引 翁 橋 滝 の 瀬 橋 妹 背 大 橋 衣 引 翁 橋 滝 の 瀬 橋 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ○ ○ ○ ○ ● ○ ● ● ● ● ○ ● ○ ○ ○ ● ● ◎ ○ ◎ ◎ ○ 珪藻綱 Achnanthes biasolettiana var. biasolettina 珪藻綱 Cocconeis placentula 緑藻綱 Chaetophoraceae spp. ● ○ ● ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ● ○ ● ○ ○ ● ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ● ○ ○ ◎ ○ ○ 衣 引 滝 の 瀬 橋 千 石 橋 妹 背 大 橋 南 国 栖 橋 衣 引 翁 橋 滝 の 瀬 橋 六 田 滝 の 瀬 橋 ◎ ● ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ St.6 St.1-1 宮 滝 大 橋 St.6 ◎ ◎ ○ 楢 井 St.5 妹 背 大 橋 St.4 上 市 橋 St.3 滝 の 瀬 橋 St.2 翁 橋 St.1 衣 引 St.2-2 南 国 栖 橋 St.2 妹 背 大 橋 St.2-1 千 石 橋 St.1-2 St.6 10月 St.5 アユ 10月 St.4 付着藻類 9月 St.3 アユ消化管内容物 9月 St.2 付着藻類 St.6 珪藻綱 Homoeothrix janthina Lyngbya spp. Melosira varians Fragilaria vaucheriae Cymbella minuta Cymbella turgidula var. nipponica 珪藻綱 千 石 橋 衣 引 St.4 Pleurocapsales spp. ◎ St.1 学名 藍藻綱 珪藻綱 滝 の 瀬 橋 妹 背 大 橋 ● 藍藻綱 珪藻綱 St.6 ○ Chaetophoraceae spp. St.4 Cocconeis placentula 緑藻綱 St.3-1 珪藻綱 St.6 ● St.1-2 Achnanthes biasolettiana var. biasolettina St.5 珪藻綱 St.4 ○ St.3 ○ St.2 ○ St.1 ◎ ○ St.6 ◎ St.5 St.6 ◎ 翁 橋 St.4 St.5 ◎ 上 市 橋 St.2 St.4 ◎ St.1-2 St.3 滝 の 瀬 橋 珪藻綱 藍藻綱 8月 翁 橋 ◎ 綱和名 アユ消化管内容物 8月 衣 引 Homoeothrix janthina Lyngbya spp. Melosira varians Fragilaria vaucheriae Cymbella minuta Cymbella turgidula var. nipponica 珪藻綱 付着藻類 7月 南 国 栖 橋 Pleurocapsales spp. 珪藻綱 アユ消化管内容物 7月 妹 背 大 橋 藍藻綱 珪藻綱 付着藻類 6月 千 石 橋 藍藻綱 藍藻綱 アユ消化管内容物 6月 St.2 学名 付着藻類 St.1 綱和名 短期的調査 ● ● ● ● ○ ● ● ○ ● ● ● ● ● ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ◎優占第1位 ○優占第2位 ●優占第3位 ・付着藻類とアユの消化管内容物の優占種にほとんど違いは見られなかったことから、アユは付着藻類を選択せ ず摂食していることが示唆された。 ・付着藻類で優占するビロードランソウを摂食するアユは、珪藻類を摂食するアユよりも成長がよいとの報告も あることから、現況ではアユの餌環境として良好な状態であると考えられる。 -25- 短期的調査 出水時調査(雨量データ) 雨量・累加雨量(大滝ダム) 20 120 流域雨量 累加雨量 100 15 最大累積雨量 111.3mm 80 10 60 時間雨量ピーク2 5.4mm 40 5 20 0 10月5日 10月6日 13時 19時 17時 18時 19時 7時 13時 14時 15時 16時 9時 10時 11時 12時 5時 6時 7時 8時 1時 2時 3時 4時 22時 23時 0時 18時 19時 20時 21時 14時 15時 16時 17時 10時 11時 12時 13時 6時 7時 8時 9時 2時 3時 4時 5時 0 0時 1時 雨量(mm) 時間雨量ピーク1 9.0mm 10月7日 ・今年度は想定していた規模の出水がなかったが、10月5日から7日にかけての秋雨前線による豪雨時に 出水時の採水作業を実施した(最大放流量で120m3/s(大滝ダム))。 -26- 出水時調査結果 短期的調査 100.0 200 濁度(度) 井戸橋(大滝ダム上流) 濁度(度) 鎧掛橋(大滝ダム直下) 濁度(度) 五社大橋(高見川合流後本川) 流入・放流量(m3/s) 大迫ダム 流入量 80.0 流入・放流量(m3/s) 大迫ダム 放流量 流入・放流量(m3/s) 大滝ダム 流入量 150 濁度(度) 60.0 100 40.0 50 20.0 0 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時 0時 1時 2時 3時 4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時 0時 1時 2時 3時 4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時 0.0 10月5日 10月6日 10月7日 ・濁度は、水位が増加した5日18時に増加し、その後、累加雨量の増加とともに徐々に増加した。 -27- 流入・放流量(m3/s) 流入・放流量(m3/s) 大滝ダム 放流量 プランクトン調査地点 No.2 妹背 No.3’ ダムのない河川(高見川) 樫尾発電所上流 No.10 No.4 No.1 長期的調査 No.3 下渕頭首工(農) 衣引 樫尾発電所下流 No.5 ダムのある河川 (吉野川:高見川合流後) 高見 No.6 大滝 大滝ダムサイト No.11 ダムのある河川 (吉野川:高見川合流前) No.7 中奥 柏木 No.8 大迫直下(農) プランクトン調査地点(今回報告地点) プランクトン調査地点 No.9 -28- 北股(農) 長期的調査 プランクトン調査結果 80% 80% 60% 60% 60% 80% 60% 60% 60% 迫 股 大 北 直 下 引 衣 見 股 北 下 直 迫 衣 引 大 見 高 尾 下 背 渕 下 股 北 下 迫 直 引 大 衣 見 高 流 樫 尾 下 背 妹 渕 下 北 直 迫 衣 高 引 大 樫 尾 下 背 妹 股 0% 下 0% 見 0% 流 20% 渕 20% 流 40% 妹 40% 20% 植物プランクトン 動物プランクトン その他 高 樫 80% 構成比 100% 80% 構成比 100% 40% 尾 下 流下粒子態の構成比(10月) 流下粒子態の構成比(9月) 100% 下 背 渕 股 北 下 迫 直 引 樫 大 衣 見 高 流 尾 下 背 妹 下 股 北 直 引 迫 衣 樫 大 高 下 背 尾 妹 下 渕 0% 下 0% 見 0% 流 20% 下 流 40% 20% 妹 40% 20% 樫 40% 構成比 100% 80% 構成比 100% 渕 構成比 100% 流下粒子態の構成比(8月) 構成比 流下粒子態の構成比(7月) 流下粒子態の構成比(6月) 流下粒子態の構成比(5月) ・おおむね、大迫ダム上流の北股やダムのない高見よりも、他の調査地点で植物プ ランクトンの構成比が高くなっており、大迫直下より下流にいくに従い、構成比 が小さくなっていることから、河川水に大迫ダムの影響がみてとれる。 ・8月期に、調査地点の最下流の下渕と妹背で植物プランクトンと動物プランクト ンの構成比が他と比して高くなったのは、津風呂ダムの影響の可能性がある。 -29- 魚類分布状況調査結果(確認種) No. 目和名 科和名 種和名 St.1 St.2 St.4 St.6 千石橋 妹背大橋 衣引 滝の瀬橋 アユ 調査 1 コイ目 コイ科 ギンブナ 2 コイ目 コイ科 オイカワ 3 コイ目 コイ科 カワムツ 4 コイ目 コイ科 アブラハヤ 5 コイ目 コイ科 タカハヤ 6 コイ目 コイ科 ウグイ 7 コイ目 コイ科 ムギツク 8 コイ目 コイ科 カマツカ ◎ ◎ 9 コイ目 コイ科 ズナガニゴイ ◎ ◎ 10 コイ目 コイ科 ニゴイ 11 コイ目 ドジョウ科 シマドジョウ ◎ ◎ 12 ナマズ目 ギギ科 ギギ ◎ ◎ 13 ナマズ目 アカザ科 アカザ 14 サケ目 サケ科 アマゴ 15 スズキ目 サンフィッシュ科 ブルーギル Ⅱ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ オオヨシノボリ トウヨシノボリ 18 スズキ目 ハゼ科 カワヨシノボリ - スズキ目 ハゼ科 ヨシノボリ sp. 計 4目 18種 Ⅵ 希少 学術 少傾 備考 希少 危惧 学術 ◎ ◎ ◎ ◎ 希少 VU ◎ ハゼ科 Ⅴ 少傾 ◎ ハゼ科 Ⅳ ◎ ◎ 16 スズキ目 Ⅲ ◎ ◎ ◎ 17 スズキ目 7科 重要な種 Ⅰ 長期的調査 危惧 準絶 危急 ◎ ◎ 特定外来種 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5種 8種 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5種 9種 14種 15種 学術 希少 0種 0種 1種 6種 8種 4種 3種 ※アユを除く 注1)種名、学名および並びは「平成17年度版 河川水辺の国勢調査 生物種目録」に従った。 注2)重要な種 Ⅰ:文化財保護法および文化財保護条例に基づく国、奈良県指定の天然記念物 Ⅱ:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(H4.6.5法律第75号;最終改正H17.7.26法律第87号)による国内希少野生動植物種 Ⅲ:「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック-4 汽水・淡水魚類」(環境省,2003)における選定種 VU:絶滅危惧Ⅱ類 Ⅳ:「大切にしたい奈良県の野生動植物-奈良県版レッドデータブック-脊椎動物編」(奈良県,2006)における選定種 危惧:絶滅危惧種 希少:希少種 Ⅴ:「保全上重要なわかやまの自然-和歌山県レッドデータブック-」(和歌山県)における選定種 ・全体として河川の中流域に生息する種が確認 準絶:準絶滅危惧学術:学術的重要 された。 Ⅵ:「日本の希少な野生生物に関するデータブック」(水産庁,1998)における選定種 危急:危急種 少傾:減少傾向 ・ギギ、アカザは下流に位置する吉野川本川 注3)目視確認を含む -30- (千石橋・妹背大橋)、カワヨシノボリは上 流に位置する衣引、滝の瀬橋で確認された。 長期的調査 魚類分布状況調査結果(構成比) 捕獲魚類の構成比(個体数比) 100% 9.4% 9.9% 80% 43.4% 60% 41.6% 76.8% 88.0% 1.9% 3.8% 40% 6.9% 3.0% 5.9% 9.9% 1.3% 1.9% 20% 2.0% 4.0% 0% 1.3% 3.9% 2.6% 41.5% 7.1% 捕獲魚類の構成比(重量比) カワヨシノボリ トウヨシノボリ アマゴ アカザ ギギ シマドジョウ ニゴイ ズナガニゴイ カマツカ ウグイ タカハヤ アブラハヤ カワムツ オイカワ 100% 5.8 g 20.6 g 90% 80% 108.2 g 14.5 g 28.8 g 69.4 g 70% 3.6 g 60% 10.6 g 2.9 g 1.8 g 1.4 3.1 g g 17.7 g 50% 36.0 g 25.2 g 40% 11.4 g 30% 52.5 g 12.8 g 61.7 g 20% 10.9% 72.5 g 10% 8.9% 3.0% 64.5 g カワヨシノボリ トウヨシノボリ アマゴ アカザ ギギ シマドジョウ ニゴイ ズナガニゴイ カマツカ ウグイ タカハヤ アブラハヤ カワムツ オイカワ 4.4 g 6.0% 5.2% 千石橋 妹背大橋 衣引 滝の瀬橋 千石橋 妹背大橋 衣引 滝の瀬橋 St.1 St.2 St.4 St.6 St.1 St.2 St.4 St.6 0% ・個体数の構成比でみると、最も多く確認されたのが、トウヨシノボリであった。 ・重量の構成比でみると、トウヨシノボリは個体数と同様高い割合を示すが、「千石橋」ではアブラハヤが、 「妹背大橋」ではカワムツが、「衣引」ではオイカワが、「滝の瀬橋」ではオイカワ、タカハヤ、ウグイの構 成比も割合が高い。 ・地点別で見ると高見川の「滝の瀬橋」が種数も多く、構成比も均等に近いため、多くの魚類にとって良好な環 境であると考えられる。 -31- 今後実施する内容(短期的調査) 大項目 平常時 調査 項目 貯水位 降下時 調査 (冷水 流出) 的 実施内容 時期・回数 地点など 流量観測 流量把握 ・低水流観 月2回 4地点 水位観測 流況把握 ・連続観測 通年 8地点 ・自動観測(水温、濁度、pH、DO、EC) 通年 ・定期採水(連続観測項目 +SS、T-N、TP、BOD、臭気) 月1回 水質調査 アユ調査 出水時 調査 目 網掛けはH18調査継続中 水質把握 成育状況把握 ・体長、体重の測定 ・消化管内容物分析 ・冷水病発生状況の把握 11地点 6回 ・5月~10月 (月1回) 6地点 月2回程度 4地点 付着藻類調査 生育状況把握 ・付着藻類相、量、活性状況 ・シルト分の沈着状況 流量観測 流量把握 ・高水流観 水位観測 流況把握 ・連続観測 水質調査 水質把握 ・自動観測(水温、濁度、pH、DO、EC) ・採水分析(濁度、SS、粒度分布) (採水分析は5試料/1出水) 付着藻類調査 生育状況把握 ・平常時調査に同じ(出水約5日後) 6地点 水位観測 流況把握 ・連続観測 水質調査 水質把握 ・自動観測(水温、濁度、pH、DO、EC) ・採水分析(濁度、SS) 水位観測・ 水質自動観 測は図-3採 水分析は2地 点 アユ調査 ・平常時調査に同じ 成育状況、 ・なわばり状況(H19,H20に実施) なわばり状況把握、 ・現地踏査及び聞き取り調査 降下後状況把握 (H19,H20に実施) 6月の貯水位降下 時に1回(なわば り調査は2回) 付着藻類調査 生育状況把握 6月の貯水位降下 時に1回 ・平常時調査に同じ -32- 出水時に3回 ・小洪水 ・中洪水 ・大洪水 6月の貯水位降下 時に4回(図-6) 採水分析は3 地点 6地点 ※アユのな わばり調査 は4地点 年度 平成18 年度~ 20年度 平成18 年度~ 20年度 平成19 年度~ 今後実施する内容(長期的調査) 項目 目 的 実施内容 網掛けはH18調査継続中 時期 地点など 流量観測 流量把握 ・低水流観、高水流観 月2回程度 4地点 水位観測 流況把握 ・連続観測 ※1 通年 8地点 ・連続観測(水温、濁度、pH、DO、EC) ※1 通年 ・定期採水 (連続観測項目 気) 月1回 水質調査 水質把握 +SS、T-N、T-P、BOD、臭 11地点 ダム下流河川ベー スマップ調査 河川形状把握 ・航空写真撮影 ・河川形状、河床構成材、河道内植生 河床横断測量 河床変動把握 ・基準点横断測量(1区間10測線) 河床材料調査 ※2 河床材料把握 ・面格子法(1区間5地点) ・粒度分布(1区間3地点) 底生動物調査 ※2 底生動物と河床 変動との関連性 把握 ・底生動物相、量(1区間5箇所) 付着藻類調査 ※2 生育状況把握 ・付着藻類相、量、活性状況(1区間3箇所) プランクトン調査 ダム放流水の影 響範囲の把握 ・プランクトン相、流下量 〔定期採水地点(中奥除く)+樫尾発電所上下 流〕 個体数の確認(300個まで) 月1回 (定期採水 時) 11地点 魚類分布調査 魚類分布の把握 ・魚類相、個体数、体長・重量の把握 秋季に1回 4地点 ダム湖の堆砂調査 土砂の堆砂状況 の把握 ・堆積状況 ・粒度組成 年1回(冬 季) 3地点 ※1河床材料、底生動物、付着藻類調査は大きな出水後にも行う。 -33- 年度 秋季~冬季 冬季 4地点 平成18年度 ~ 冬季(2 月) 赤字は前回からの変更 今後実施する内容(確認事項) 長期的調査 (1)ダム下流河川ベースマップ調査(空中写真撮影) ヘリコプターによる1/5000空中写真撮影(地上解像度10cm)を12月に実施。 (2)河床材料・底生動物調査位置 (3)ダム湖堆砂調査 前回の委員会での指摘通り、ダム堤体上流約4km、ダム堤体上流約2km、ダム堤体直上流に3測線設定し、それぞれ ダム湖の中心部付近に定点を設定し、水深を測定することにより堆積厚を推測する。 なお、詳細な測線位置は既往のダム湖横断測量位置や将来の定期横断測量の測線位置を考慮して決定する。 -34-
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