會田 裕子・大野圭一郎 編 細川 洋嗣 (共同通信) Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2012 年 9 月 1 日− 30 日 Ⅰ 国際関係 09 ・ 05 「世界経済フォーラム」が発表した 2012 年版の国際競争力ランキングによると日本 は前年より順位を 1 つ下げ 10 位、首位は 2011 年に引き続きスイス 06 APEC 閣僚会議が太陽光パネルなど環境関連の製品 54 品目の関税を 2015 年末までに 5% 以下に削減することで合意(← 5 日、ウラジオストク)、9 日、APEC 首脳会議がエネル ギー需要増加に対応するためシェールガスを含む天然ガス利用拡大を盛り込んだ首脳宣 言を採択し閉幕(← 8 日、ウラジオストク) 環太平洋連携協定(TPP)拡大交渉に参加する各国が閣僚級会合を開き交渉加速の方針 で一致、目標としていた年内妥結は事実上先送り(ウラジオストク) IAEA 定例理事会が開会(→ 14 日、ウィーン)、13 日、ウラン濃縮活動を拡大している イランを非難し濃縮活動の中止などを求める決議案を採択、17 日、IAEA 年次総会が開 幕(→ 21 日、ウィーン)、20 日、東京電力福島第 1 原子力発電所事故を踏まえ各国に IAEA の安全調査チームの積極的な受け入れや独立した原子力規制当局の設立などを呼 び掛けた決議案を全会一致で採択、21 日、北朝鮮による軽水炉の建設を非難し核計画の 全面的な放棄を求める決議案を全会一致で採択 07 小銃など小型武器の不法取引防止策を話し合う国連小型武器行動計画の第 2 回再検討会 議で各国が銃への刻印など管理強化に取り組むとする成果文書を採択(ニューヨーク) 12 ユニセフが 2011 年に世界で死亡した 5 歳未満の子供の数が推計 690 万人となり 1990 年の 1200 万人に比べ 4 割以上減ったと発表 19 国連安保理が紛争地域の子どもの保護に関する会合を開き武装勢力による徴用や殺害、 性暴力、学校への攻撃などを強く非難する決議を賛成多数で採択 23 国際電気通信連合(ITU)がインターネットの高速、大容量通信を可能にするブロード バンドの普及状況に関する報告書を発表、首位シンガポール、2 位韓国、日本が 3 位 25 安保理常任理事国入りを目指す日本、ドイツ、インド、ブラジルの 4 ヵ国(G4)が常任、 非常任理事国の拡大実現に向け引き続き結束と協力を確認(ニューヨーク) 【反米デモ拡大】 09 ・ 11 米国で制作された映像がイスラム教預言者ムハンマドを侮辱しているとしてリビア 北東部ベンガジの米領事館を武装した群衆が襲撃、駐リビア米大使ら 4 人が死亡 13 イエメンの首都サヌアで数百人が米大使館を襲撃、治安部隊との衝突でデモ参加者 4 人 が死亡、34 人負傷、イランやバングラデシュ、イラクなどでもデモ、イスラム圏ほぼ全 域に拡大 14 中東を中心に約 20 ヵ国で抗議デモ、一部でデモ隊が暴徒化、スーダン、レバノン、チュ ニジアやエジプトで計 7 人が死亡、東南アジアでもインドネシアの首都ジャカルタとマ レーシアの首都クアラルンプールの米大使館前でイスラム団体のメンバーらがデモ 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 55 国際問題月表 15 国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「アラビア半島のアルカイダ」がリビアの事件に ついて米軍のアルカイダ幹部殺害とイスラム教預言者侮辱映像への報復と指摘する声明 16 パキスタン南部カラチの米総領事館前に市民数千人が殺到、警察が発砲、1 人が死亡、6 人負傷、17 日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州アッパーディール地区でデモ隊数百 人が政府庁舎などに詰め掛け警察官が発砲、市民 1 人死亡、21 日、パキスタン各地で侮 辱映像に抗議するデモ、警察隊との衝突などで 17 人死亡、180 人以上負傷 18 アフガニスタンの首都カブールの空港付近で自爆テロ、12 人が死亡、武装勢力「ヒズ ビ・イスラミ(イスラム党) 」が犯行声明、侮辱映像への報復と主張 24 クリントン米国務長官がモルシ = エジプト大統領と会談、反米抗議運動に関しエジプト 政府がカイロの米国大使館の効果的な警備を続けているとして謝意(ニューヨーク) 25 オバマ米大統領が国連総会で演説、米領事館襲撃事件を「無実の人々を殺害することに いかなる言い訳も通用しない」と強く批判(ニューヨーク) 26 国連安保理が中東についての閣僚級会合を開催、アラビ = アラブ連盟事務局長が侮辱映 像をめぐり宗教冒とく行為を犯罪とし刑事罰を科せるような法整備を各国に求める 27 パネッタ米国防長官が米領事館襲撃事件について「テロリスト集団が実行」と断定 Ⅱ 日本関係 09 ・ 03 2012 年度の地域別最低賃金の全国平均が 12 円増の時給 749 円で 2 年ぶりに 2 桁増と なることが判明、東京など 6 都道府県で生活保護の受給水準を下回る逆転現象 05 内閣府の食品安全委員会の調査会が牛海綿状脳症(BSE)対策として輸入制限している 牛肉の規制緩和容認の評価書原案に合意、2013 年初めにも輸入規制緩和を実施する方針 06 中央防災会議が防災基本計画を修正し原子力事故対策を強化、「緊急時迅速放射能影響 予測ネットワークシステム」 (SPEEDI)の公表手順を明確化し住民避難に活用 07 財務省が 2013 年度予算の概算要求締め切り、復興予算を合わせ総額は 102 兆円台と過 去最大、公債発行特例法案の不成立を受け政府は閣議で執行抑制策を正式決定、11 月末 には財源が枯渇する見通し 08 野田佳彦首相がプーチン = ロシア大統領と会談、北方領土問題解決へ 12 月訪ロの意向表 明(ウラジオストク) 大阪維新の会が次期衆議院選に向け新党結成方針を正式決定、党名は「日本維新の会」 、 代表に橋下徹大阪市長が就任 09 米軍の新型輸送機 MV22 オスプレイの普天間飛行場配備に反対する沖縄県民大会開催、 主催者発表で約 10 万人参加、配備計画の撤回や同飛行場の閉鎖を求める決議、19 日、日 米両政府が外務、防衛当局者による日米合同委員会で低空飛行訓練時の高度制限などを 柱とする安全確保策で正式合意、森本敏防衛相が「安全宣言」を発表、21 日、オスプレ イ 2 機が試験飛行開始、オスプレイが日本国内で飛行するのは初 14 政府が「2030 年代に原発稼働ゼロ」の目標を掲げた新エネルギー戦略決定、東京電力 福島原発事故を教訓に路線転換、核燃料事業は当面継続、15 日、枝野幸男経済産業相が 大間(青森県大間町)や島根 3 号機(松江市)などの原発建設継続を容認する考えを表 明、19 日、政府が原発ゼロ目標を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決 定を事実上見送り、28 日、電源開発(J パワー)が大間原発の建設工事を年内にも再開 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 56 国際問題月表 する方針固める、福島原発事故後建設中の原発の工事再開は初 19 日銀が国債などの資産買い入れ基金の規模を 10 兆円増額し 80 兆円とする追加金融緩和 を決定、金融緩和は 4 月以来、米連邦制度理事会(FRB)の量的緩和第 3 弾に追随 原子力の安全規制を一元化する原子力規制委員会が発足、委員長に田中俊一氏 25 深刻な経営危機に直面するシャープの再建計画の全容判明、国内外の 1 万 966 人の人員 整理が柱 26 5 候補乱立となった自民党総裁選で安倍晋三元首相が第 25 代総裁に選出、1 回目の投票 で 1 位だった石破茂氏を決選投票で 56 年ぶりに逆転 27 玄葉光一郎外相が金星煥韓国外交通商相と会談(ニューヨーク)、竹島領有権問題に関 し平行線、韓国側が従軍慰安婦問題に言及、大局的観点での協力で一致 28 平野達男復興相が東日本大震災からの復興の進み具合を検証する復興推進委員会の中間 報告を公表、原子力災害への対応が不十分として迅速な放射性物質の除染を求めるとと もに被災者向け高層住宅を整備し復興の拠点とすることを提案 玄葉外相、クリントン米国務長官、金星煥外交通商相が会談(ニューヨーク)、北朝鮮 による挑発的行動を防ぎ地域の平和と安全を確保するために 3 ヵ国が結束して北朝鮮に 対応する重要性を確認 【尖閣諸島問題】 09 ・ 03 沖縄県尖閣諸島の購入を計画し政府から上陸許可が得られなかった東京都が魚釣島 など 3 島を洋上から調査、日本政府が国有化の方針、中国外務省が対抗措置を示唆 07 馬英九台湾総統が尖閣諸島から西に約 140 キロの台湾最北部の離島の彭佳嶼を視察、尖 閣諸島をめぐる争いについて日中、台湾の 3 者協議での解決を呼び掛ける談話を発表 11 政府が 3 島を 20 億 5000 万円で購入する売買契約を地権者と交わし 3 島を国有化 14 中国海洋監視船 6 隻が尖閣諸島周辺の日本の領海内に相次いで侵入、国有化後初めて 15 反日デモが中国の北京や上海など少なくとも 57 都市で起き計 8 万人以上が参加、各地で 暴徒化した一部デモ隊が日系企業を襲撃、1972 年の日中国交正常化以来過去最大規模 17 パネッタ米国防長官が玄葉光一郎外相、森本敏防衛相と会談(東京)、会談後の記者会 見で日中摩擦について「対立を懸念している、外交的手段で建設的な解決を望む」と発言 洪磊中国外務省副報道局長が定例記者会見で反日デモで日系企業などが襲撃されたこと について「その責任は日本が負うべきだ」と発言、反日デモを容認 18 満州事変の発端となった 1931 年の柳条湖事件から 81 年に当たり反日デモは 125 都市で行 なわれ最大規模に、瀋陽の日本総領事館の窓ガラス約 70 枚が割られる 尖閣諸島周辺で中国の海洋監視船 10 隻と漁業監視船 2 隻の計 12 隻が接続水域内を航行、 うち 3 隻が領海に侵入、日本人 2 人が同諸島の魚釣島に上陸 19 中国の次期指導者に内定している習近平国家副主席がパネッタ国防長官と会談(北京) 、 国有化した日本を厳しく非難し米国に尖閣をめぐる争いに介入しないよう要望 20 キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が上院外交委員会東アジア・太平洋 小委員会で「尖閣は明確に(日本防衛義務を定めた)日米安保条約の適用対象」と明言 中国税関当局が日本からの輸入品に対する検査率引き上げなどで通関検査を強化 23 中国が人民大会堂で 27 日に開く予定だった日中国交正常化 40 周年の記念レセプション 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 57 国際問題月表 を中止すると日本側関係者に通知 24 日中経済協会が北京に派遣予定だった訪中団の延期決定 楊潔 中国外相と金星煥韓国外交通商相が会談(ニューヨーク)、金氏は会談後日本と の歴史問題で中韓が協力して働き掛けを強める方針で合意したことを明らかに 25 台湾北東部の宜蘭県の漁民らが尖閣諸島の周辺海域で抗議活動 26 野田佳彦首相が国連総会で演説し紛争の平和解決を目指す考えを主張し記者会見で尖閣 諸島について「後退する妥協はありえない」と牽制、27 日、楊中国外相も演説、「中国 固有の領土」と主張し国有化は中国の主権への「重大な侵害」だと非難、「中国から盗 んだ」とも述べ日本側は議場で反論 28 クリントン国務長官が玄葉外相と会談、緊張する日中関係に「注意深く慎重かつ効果的 に」行動するよう日本に要請、金外交通商相も交えた 3 ヵ国外相会談でも島根県竹島(韓 国名:独島)の領有権をめぐる日韓の緊張を和らげ冷静な対応を訴え(ニューヨーク) 29 日中両国がかつてないほど関係が冷え込むなかで国交正常化 40 周年 Ⅲ 地域別 ●アジア・大洋州 09 ・ 01 中国の 8 月の製造業購買担当者指数が 49.2 と 4 ヵ月連続で悪化、景気判断の節目と なる 50 を 9 ヵ月ぶりに割り込む 03 パキスタン北西部ペシャワルで在ペシャワル米総領事館の車を狙った爆弾テロ、パキス タン人 2 人が死亡、米国人職員 2 人を含む 19 人が負傷 韓国国会が日本政府に対し竹島の領有権主張の撤回を求める決議と従軍慰安婦問題で公 式の謝罪と賠償を求める決議を採択 世界基督教統一神霊教会(統一教会)の創始者の文鮮明氏が死去(92 歳) 04 北京市公安局が丹羽宇一郎駐中国大使が乗った公用車が襲われた事件で日の丸を奪った 男 2 人を「治安管理処罰法」違反で 5 日間の行政拘留処分、2 人の起訴は見送り 梁光烈中国国防相がアントニー = インド国防相と会談(ニューデリー)、対テロ合同軍 事演習の再開で双方が合意 07 ミャンマー連邦議会がテイン・セイン大統領が 12 の閣僚・閣僚級ポストに関する大統領 の人事案を承認、社会福祉救済復興相に初めて女性が入閣 中国雲南省などでマグニチュード(M)5.7 の地震が発生、65 人が死亡、715 人負傷 09 中国国家統計局が 8 月の消費者物価指数を発表、上昇率が前年同月比 2.0% と 5 ヵ月ぶり に加速 10 香港の立法会(議会、定数 70、9 日投票)選挙で親中派が過半数を維持、民主派も重要 案件の否決に必要な 3 分の 1 を超える 27 議席確保 11 パキスタンのカラチの衣料品工場で火災、従業員 289 人が死亡、東部ラホールの靴工場 でも火災で 25 人が死亡 12 フィリピン政府が中国との領有権争いが深刻化している南シナ海の正式名称を「西フィ リピン海」とする大統領令を 5 日に発令したと発表 14 インド政府が複数のブランド商品を扱う小売業について外国企業の出資を最大 51% まで 認めるとの規制緩和決定、21 日、与党連合から政党「草の根会議派」が抗議の離脱、与 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 58 国際問題月表 党連合は議会少数派に転落したが閣外協力でシン政権は存続 16 アフガニスタン東部ラグマン州で国際治安支援部隊(ISAF)が誤爆し女性 8 人死亡、女 性 8 人負傷、ISAF は誤爆を認める 17 北朝鮮の朝鮮中央通信が 2002 年の「日朝平壌宣言」から 10 年となったことを受け論評 を配信、拉致問題は「すでにすべて解決」と主張、日本の対北朝鮮政策の転換要求 25 中国国防省がウクライナから購入し改修した中国初の空母を「遼寧」と命名し海軍部隊 に配備したと発表 北朝鮮が最高人民会議開催、経済改革の公式決定はなく義務教育期間を 12 年に延長 28 中国共産党が重大な規律違反を理由に重慶市党委員会の薄熙来前書記の党籍はく奪、党 中央政治局員と中央委員の職務を解き刑事責任を問うため司法機関に送ることを決定 ●中近東・アフリカ 09 ・ 01 アハマディネジャド = イラン大統領が北朝鮮のナンバー 2 金永南最高人民会議常任 委員長と会談、両国関係を強化していくことなどを確認(テヘラン) モルシ = エジプト大統領がイランの盟友シリアを批判した演説を国営イラン放送がバー レーン批判にすり替えたペルシャ語訳で放送したとしてバーレーン外務省がイラン政府 に訂正と謝罪を求める抗議文を送付 03 ブーテフリカ = アルジェリア大統領が 5 月の国民議会(下院)選を受けた新内閣の首相 にアブデルマレク・セラル水資源相を指名 08 エジプト軍報道官が北東部シナイ半島とパレスチナ自治区ガザの境界付近で 8 月に警官 16 人が殺害された事件を受け軍がシナイ半島で実施してきた武装勢力掃討作戦でこれま で 32 人を殺害と発表 首都バグダッドなどイラク全国 20 ヵ所以上で 9 日にかけ爆発や攻撃が相次ぎ少なくとも 100 人死亡、360 人負傷、10 日、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イラク・イス ラム国」がインターネット上に犯行を認める声明 09 バグダッドの裁判所がスンニ派イスラム教徒として政府最高位にあるハシミ副大統領 (国外逃亡中)に治安部隊員らの暗殺に関与した罪で死刑判決 10 内戦状態が約 21 年間続くソマリアで正式政府の大統領を選出する投票実施、学識経験者 のハッサン・シェイク・モハムド氏を選出 イエメン国防省が同国を拠点とするアルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ」 ナンバー 2 のサイード・シャハリ幹部を殺害したと発表 12 リビア制憲議会が移行政府の首相に 2011 年 11 月発足の暫定政府で副首相を務めてきた ムスタファ・アブシャグル氏を選出 21 リビア北東部ベンガジで政府支持派の群衆数百人がイスラム過激派の本部を襲撃、敷地 内で放火するなどし少なくとも 4 人死亡、約 30 人負傷 26 アハマディネジャド大統領が国連総会で演説、イランが「野蛮なシオニスト(イスラエ ル)による武力行使の脅威」にさらされていると強調、ネタニヤフ = イスラエル首相は 国民向けに声明を出しアハマディネジャド大統領を「(イスラエルの)消滅を公然と呼 び掛ける暴君」と批判(ニューヨーク) アッバス = パレスチナ自治政府議長が国連総会で演説、国連での資格を「オブザーバー組 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 59 国際問題月表 織」から「オブザーバー国家」に格上げする国連総会決議を目指すと表明(ニューヨーク) 30 イラク各地で警官などを狙ったとみられる爆発が相次ぎ全土で少なくとも 30 人死亡 【シリア情勢】 09 ・ 02 シリア人権監視団(英国)によるとアサド政権の反体制派武力弾圧などで 8 月に市 民 4114 人を含む 5440 人が死亡、2011 年 3 月のデモ本格化以降最悪の月間死者数 03 北部アレッポや首都ダマスカスなど各地でアサド政権の部隊と反体制武装組織などの衝 突により一般市民 78 人を含む少なくとも 138 人が死亡 04 シリア人権監視団がアレッポで政府軍の砲撃やヘリコプターによる攻撃で 7 人が死亡す るなどシリア各地の戦闘で市民 81 人を含む少なくとも計 113 人が死亡したと発表 06 ダマスカスやアレッポなど各地で戦闘が続き市民 34 人を含む計約 100 人が死亡 10 シリア問題をめぐる国連とアラブ連盟合同のブラヒミ特別代表がアラビ = アラブ連盟事 務局長と会談し調停策などを協議(カイロ) 13 ブラヒミ特別代表がムアレム = シリア外相と会談し「危機打開に向けた努力を惜しまな い」と述べ内戦停止に全力を挙げる考えを示す(ダマスカス) 19 アサド大統領がサレヒ = イラン外相と会談(ダマスカス)、敵対勢力がシリアだけでな くイランなども標的にしていると述べ協調を呼び掛け 24 国連安保理がシリア問題に関する非公開会合開催、ブラヒミ特別代表が「状況は悪化し ており(停戦に向けた)話し合いは手詰まり状態だ」と非常に厳しい認識を示す一方 「遠くない将来、(解決への)糸口がみつかるだろう」とも発言 25 ブラヒミ特別代表がクリントン米国務長官と会談(ニューヨーク)、反体制派の一本化 は時間がかかるとの見通しを示す 26 シリア人権監視団がシリアでの反政府デモが始まった 2011 年 3 月以降の死者が 3 万人を 超えたと明らかにし一般市民が少なくとも 2 万 1534 人含まれると発表 27 シリア人権監視団が 26 日の戦闘でシリア全土で少なくとも 305 人が死亡したことを明ら かに、2011 年 3 月の反政府デモ開始以降最悪規模 プーチン = ロシア大統領がアサド大統領に退陣を迫る欧米の強硬姿勢を古代都市国家カ ルタゴを滅ぼしたローマ帝国になぞらえ「強い国が自分のルールや倫理観を力ずくで弱 い国に押し付けようとしている」と批判 ●欧 州 09 ・ 05 フランス東部のフェッセンハイム原発で水蒸気が漏れ出す事故があり作業員 2 人が 軽いやけど、政府は放射性物質漏洩などの危険性はないと声明 06 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がスペインを念頭に財政危機に陥った国の国債を無制 限に買い支える用意があると表明、政策金利は過去最低の年 0.75%で据え置き EU 欧州委員会が中国製太陽光パネルが不当な安値で輸入されている疑いがあるとして 反ダンピング(不当廉売)調査を始めたと発表、中国商務省は「遺憾だ」との声明 12 ドイツ連邦憲法裁判所がユーロ圏の金融安全網「欧州安定メカニズム(ESM)」を合憲 とする判断、出資額を増額する場合は連邦議会の同意を条件として義務づけ 13 オランダ下院総選挙(12 日投票)でルッテ首相率いる中道右派の与党自由民主党が首 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 60 国際問題月表 位、2 位は中道左派で野党の労働党、EU との協調を重視する両党が躍進 20 温家宝中国首相がファンロンパイ EU 大統領、バローゾ欧州委員長と会談(ブリュッセ ル)、欧州債務危機の解決に向け中国がユーロ圏諸国の国債購入や投資の拡大を通じて 支援を継続することを表明 23 ドイツの裁判所が第 2 次大戦中にナチス・ドイツの強制収容所で収容者に対する人体実 験を繰り返し「死の医師」と恐れられたナチスの大物戦犯アリベルト・ハイム容疑者が 1992 年に潜伏先のカイロで死亡したと認定、訴追手続き中止を発表 25 309 人が死亡した 2009 年 4 月のイタリア中部地震で過失致死傷の罪で起訴されたイタリ ア防災庁付属の委員会メンバーの学者ら 7 人に対するラクイラ地方裁判所の公判で検察 が 7 人に禁錮 4 年を求刑、地震予知の失敗で刑事責任が問われるのは世界的にも異例 26 ギリシャ政府の新たな歳出削減策に反対し官民 2 大労働組合の連合組織が全土でゼネス トを実施、6 月にサマラス連立政権が誕生してから初のゼネスト 27 スペイン政府が政府支出の 8.9% 削減や予算執行監視の独立機関設置などを盛り込んだ 2013 年の予算案と関連法案を承認 EU諸国に設置された風力発電設備の総容量が1億キロワットに達し短期間での普及に成功 28 英財務省が短期金利の国際的指標であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作 問題で改革案を発表、金利の集計・公表業務を民間団体の英銀行協会から新設する機関 に移管し英金融当局の監督下に置くことが柱 ●独立国家共同体(CIS) 09 ・ 05 キルギス議会が大統領府長官だったジャントロ・サティバルディエフ氏を新首相と する 3 党連立の新内閣を承認、副首相だったオトルバエフ氏が第 1 副首相に 08 プーチン = ロシア大統領と李明博韓国大統領が経済関係強化などを協議(ウラジオスト ク) 、2005 年 9 月の 6 ヵ国協議共同声明などに基づき北朝鮮の核放棄へ向けて関係国と協 力を続けることを確認 クリントン米国務長官がラブロフ = ロシア外相と会談(ウラジオストク) 18 ストルチャク = ロシア財務次官が北朝鮮がソ連時代から抱える対ロシア債務の解消に関 する政府間合意に署名したと発言、両国の債務問題が決着 20 プーチン大統領がアタムバエフ = キルギス大統領と会談(ビシケク)、キルギスにある ロシアのカント空軍基地を少なくとも 2032 年まで存続させることで合意 24 ベラルーシ中央選挙管理委員会が下院選挙(23 日実施)で 109 人の当選者名簿を発表、 ルカシェンコ大統領の政策を支持する共産党が 3 議席、農業党が 1 議席を獲得した以外 は全員が大統領の直接の支持者で占められた ●北 米 09 ・ 04 米民主党大会が開幕、中間層を重視し「公平な社会」実現を訴える綱領を採択(シ ャーロット) 、5 日、オバマ米大統領を候補に指名、6 日、同氏が指名受諾演説で 2016 年 末までに製造業で 100 万人の雇用創出と約束 07 米海兵隊の新型輸送機オスプレイが 6 日にノースカロライナ州の市街地に緊急着陸して いたことが判明、けが人や機体損傷はなし 国際問題 No. 616(2012 年 11 月)● 61 国際問題月表 ベアード = カナダ外相が在イラン大使館を閉鎖、イランとの外交関係凍結を発表 11 ネタニヤフ = イスラエル首相の 9 月下旬訪米時の会談要請をオバマ大統領が断わったと イスラエル紙が報道、イスラエル首相が訪米時に大統領と会談しないのは異例 ポネマン米エネルギー省副長官が前原誠司民主党政調会長と会談(ワシントン)、日本 が新たなエネルギー・環境戦略で目標とする「原発ゼロ」について慎重な対応を要求 13 FRB が住宅ローン担保証券を月額 400 億ドル追加購入する「量的緩和第 3 弾」実施を決 定、期限明示せず 14 クリントン米国務長官が米国がイラン産原油の輸入国に科す経済制裁を規定した原油制 裁法の対象から日本と EU 加盟 10 ヵ国の計 11 ヵ国を引き続き除外すると発表 17 米通商代表部(USTR)が自動車・同部品の輸出に不当な政府補助金を出しているとし て WTO に中国を提訴と発表、中国商務省も別の案件で米国を WTO に提訴と発表 18 米国務省がロシア政府が米国の対外援助機関の国際開発局(USAID)のロシア国内での 活動を停止させることを決め外交ルートを通じて通告があったと発表 19 ミャンマー最大野党の国民民主連盟(NLD)党首アウン・サン・スー・チー氏がオバマ 大統領と初会談(ワシントン) 、21 日、潘基文国連事務総長と会談(ニューヨーク) 20 アフガニスタンからの駐留米軍撤退に関し米国防総省がオバマ政権下で増派された約 3 万 3000 人の撤退完了を発表 25 テイン・セイン = ミャンマー大統領がスー・チー氏と会談(ニューヨーク) 26 クリントン国務長官がテイン・セイン大統領と会談(ニューヨーク) 、対ミャンマー制裁 の一環として科している同国製品の輸入禁止措置の「緩和手続きを始める」ことを表明 ●中南米 09 ・ 03 コロンビアの左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)最高司令官が政府との和平 交渉入りを確認、4 日、サントス大統領がテレビ演説で FARC との戦闘を終わらせるた め「10 月前半にオスロで和平交渉を開始する」と言明 11 ベネズエラのブラジル国境に近いアマゾン地域で金採掘業者に多数の先住民族が殺害さ れたと英国の非政府組織(NGO)サバイバル・インターナショナルが 8 月 29 日に発表し た問題で同 NGO が「採掘業者による攻撃はなかった」との声明発表、主張取り下げ 31 メキシコの連邦選挙裁判所が 7 月の大統領選で最多の得票をした制度的革命党(PRI)の エンリケ・ペニャニエト氏の当選を宣言、12 年ぶりの政権交代が確定 国際問題 第 616 号(電子版) 2012 年 11 月号 編集人 『国際問題』編集委員会 発行人 野上 義二 発行所 公益財団法人日本国際問題研究所(http://www.jiia.or.jp/) 〒 100−0013 東京都千代田区霞が関 3−8−1 虎の門三井ビルディング 3 階 電話 03−3503−7262(出版・業務担当) *本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する 機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。 *論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。 *電子版最近号 11 年 10 月号 焦点:アラブ諸国の地殻変動 11 年 11 月号 焦点:急変する世界のエネルギー事情 11 年 12 月号 焦点:家族の国際化への対応 12 年 1・2 月号 焦点:震災後の日米同盟と国際協力 12 年 3 月号 焦点:不安定な内外情勢とオバマ政権のリーダーシップ 12 年 4 月号 焦点:胡錦濤政権の 10 年 12 年 5 月号 焦点:試練に直面する欧州経済 12 年 6 月号 焦点:企業活動のグローバル化を支える法的インフラ 12 年 7・8 月号 焦点:プーチン大統領体制の今後 12 年 9 月号 焦点:朝鮮半島をめぐる国際関係―歴史と現状 12 年 10 月号 焦点:ASEAN の新たなフロンティア *** 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