Ⅰ 国際関係 07・01 国際エネルギー機関(IEA)が2013年までの石油

大野圭一郎・清水 敬善
細川 洋嗣・本蔵 一茂 編
吉田 昌樹 (共同通信)
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別
2008 年 7 月 1 日− 31 日
Ⅰ 国際関係
07 ・ 01 国際エネルギー機関(IEA)が 2013 年までの石油需給は中国、インドなど人口大国
での需要急増などから逼迫した状況が続くと予測する中期石油市場報告を発表
IMF が食料と燃料価格高騰に関する報告書を発表し現在の価格水準が長期化すれば世界
の経済成長と物価に深刻な「負の影響」を与えると警告
03 ムガベ大統領派による野党弾圧に国際的な批判が高まっているジンバブエの人権侵害を
強く非難し国連憲章に基づく制裁を目指す決議案を米国が国連安保理に提出、11 日中国
とロシアが拒否権を行使し同案否決
07
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)開催、9 日福田康夫首相が議長総括を発表、
温室効果ガスを 2050 年までに世界全体で少なくとも半減させるとの長期目標に関し主
要 8 ヵ国が率先して削減に努める決意を表明し閉幕
ブッシュ米大統領とメドベージェフ = ロシア大統領が会談(洞爺湖町)、ミサイル防衛
(MD)施設を東欧に建設する米国の計画で主張に隔たり
08
米国とチェコが米 MD 計画のレーダー施設をチェコ国内に設置する協定に正式調印
10
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)問題をめぐる 6 ヵ国協議首席代表会合開催(北京、
→ 12 日)、核申告への検証方法について施設立ち入りなど 3 原則などで合意、核施設無
能力化と見返りの経済・エネルギー支援を含む非核化第 2 段階を 10 月末までに完了する
ことでも一致、23 日に参加国外相が非公式会合(シンガポール)、非核化第 2 段階の早
期履行、北朝鮮の核計画申告検証のための履行計画の早期作成などで一致
11
米ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場が産油国の供給懸
念が強まったとして指標となる米国産標準油種(WTI)8 月渡しが 1 バレル= 147.27 ドル
まで上昇し最高値を更新
14
国際刑事裁判所(ICC、ハーグ)がスーダン西部ダルフール紛争をめぐり大量虐殺と戦
争犯罪、人道に対する罪などでバシル = スーダン大統領の逮捕状を請求
ビール業界世界 2 位のインベブ(ベルギー)が「バドワイザー」で知られる世界 3 位ア
ンハイザー・ブッシュ(米)を買収することで両社が合意、世界最大のメーカー誕生へ
16 国連が各地で暴動や抗議活動に発展した食料危機に対処するための「包括的行動枠組み」
(行動計画)をまとめ各国に配布、6 月の食料サミットでの原案にあった「人道目的の輸
出制限解除」や「バイオ燃料の(食料価格への)影響に関する調査見直し」などは削除
OECD が食料価格高騰を防ぐため食料と競合しない次世代バイオ燃料の開発促進など多
様な政策を実施する必要があるとの報告を発表
17 IMF が 4 月の世界経済見通しを改定し「世界経済は 2008 年下半期にかけて著しく減速す
る」と警告、米景気が年後半に後退する恐れを指摘、28 日に 4 月公表の世界金融安定報
告を改訂、米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライム住宅ローン)問題で
「多くの金融機関でさらなる資本増強が必要になる」と強調
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 61
国際問題月表
19
米大統領選の民主党候補オバマ上院議員が中東、欧州を歴訪(→ 26 日)、アフガニスタ
ン、イラク、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ、ドイツ、フランス、英国で各国首脳
と会談、イラン核問題、イラク情勢、米欧関係強化などを協議
29
WTO 新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の閣僚会合が農産品の輸入急増時に発展
途上国が発動する緊急輸入制限(セーフガード)措置の発動条件などをめぐり米国とイ
ンド、中国の対立が解けず決裂(← 21 日、ジュネーブ)
Ⅱ 日本関係
07 ・ 01
日銀が 6 月の企業短期経済観測調査(短観)を発表、原油高で景況感は 3 ・四半期
連続悪化、4 年 9 ヵ月ぶりの低水準
02 フィリピンを舞台としたエビ養殖事業をめぐる投資詐欺事件で警視庁などが投資会社会
長ら 10 人を逮捕、全国約 3 万 5000 人から 849 億円を集めていたことが判明
03
水産物輸出入販売会社などによる中国産ウナギの産地偽装で兵庫、徳島両県警が 7 都府
県 26 ヵ所を一斉捜索、商品から禁止薬物
06 福田康夫首相がブッシュ米大統領と会談、北朝鮮の核、拉致問題解決に向けて緊密に連
携することで一致、8 日メドベージェフ = ロシア大統領と会談、北方領土問題で「最終
的解決への決意が双方に存在」することを確認、9 日胡錦濤中国国家主席と会談、北朝
鮮が拉致問題の再調査を実現しない限り経済制裁の一部解除は困難とし中国側の働き掛
けを要請(洞爺湖町)
10 イージス艦情報流出事件で日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反罪に問われた
海上自衛隊 3 佐の松内純隆被告が横浜地裁で開かれた初公判で無罪を主張
14 日韓が領有権を主張する竹島(韓国名:独島)について文部科学省が中学校の新学習指導
要領の社会科解説書に初めて記述と公表、李明博韓国大統領が遺憾を表明し駐日大使の
事実上の召喚を決定、韓昇洙首相が 29 日竹島を訪問、韓国は 30 日同島の防護訓練実施
15
燃料高の直撃を受けた全漁連など主要 17 漁業団体が一斉休漁、国内の漁船約 20 万隻の
ほぼすべてが参加、窮状を国民に訴え
第 139 回芥川賞が来日 21 年の中国人女性楊逸さんの『時が滲む朝』に決定、日本語を母
語としない作家の芥川賞受賞は初めて
政府の有識者会議が防衛省改革の最終報告書を首相に提出、部隊運用や防衛力整備の機
能を集約し背広組と制服組の混成化を推進
23
高村正彦外相が 6 ヵ国協議参加国による非公式外相会合で朴宜春北朝鮮外相に「拉致問
題を含む日朝関係進展が必要だ」と述べ拉致被害者の再調査の早期実施を要求
24
岩手県沿岸北部を震源とするマグニチュード 6.8 の地震、同県洋野町で震度 6 強を観測
東京地検特捜部が米国法人を利用して防衛商社「山田洋行」からのコンサルタント料な
どを隠し 3 年間で約 7400 万円を脱税したとして所得税法違反容疑で日米平和・文化交流
協会の専務理事秋山直紀容疑者を逮捕
28 トヨタ自動車がグループ全体の 2008 年世界販売計画を 07 年末の 985 万台から 950 万台に
下方修正、ガソリン高や景気減速で日米欧など主力市場が販売不振となったため
31 世界知的所有権機関(WIPO)が 2008 年版「特許報告」を発表、06 年に各国当局が受け
付けた特許出願件数で日本の特許庁が 43 年ぶりに 2 位に転落、米国に首位明け渡す
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 62
国際問題月表
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
07 ・ 01 モンゴルで 6 月の国民大会議総選挙で敗れた野党支持者らがウランバートルの与党
本部を襲撃するなど大規模な混乱が発生、エンフバヤル大統領が非常事態を宣言、2 日
治安当局者は 5 人死亡、700 人以上を拘束したと発表
中国政府とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ 14 世の特使らが公式対話、3 日中国が
対話のなかでダライ・ラマ側と独立急進派を初めて明確に区別したことが判明(北京)
02 2007 年 9 月にベトナム南部で日本の政府開発援助(ODA)で建設中の橋が崩落し作業員
54 人が死亡した事故でベトナム政府の事故調査委員会が工事で利用した構造物の一部の
沈下が原因とする調査報告書を発表
韓国で民主労働組合総連盟が米国産牛肉の輸入反対などで全国で時限ストライキ、政府
集計で 8 万 8000 人参加、5 日ソウルで最大規模の抗議集会、宗教界や主要野党が合流し
5 万人以上が参加、7 日李明博韓国大統領が鄭雲天農林水産食品相ら 3 閣僚の交代を決定、
混乱の責任を問う更迭人事
03
李大統領の与党ハンナラ党が党大会で李大統領派の朴
太元国会副議長を代表に選出
04 中国と台湾を結ぶ週末直行チャーター便が就航、中国人の台湾観光が事実上解禁、1949
年に分裂した中台間の定期航空便就航は初
北朝鮮が 6 ヵ国協議の合意に基づき議長国中国に提出した「すべての核計画申告」のプ
ルトニウムによる核開発の部分で抽出した総量を約 38.5 キロ、兵器化に使用した量を
25.5 キロと記述していたことが判明、少なくとも 5 個分の核兵器が製造可能となる計算
06
パキスタンの首都イスラマバード中心部のモスク(イスラム教礼拝所)「ラル・マスジ
ード」近くの市場前で自爆テロ、警官や市民ら少なくとも 19 人が死亡、約 40 人が負傷
07 アフガニスタンの首都カブールのインド大使館前で自爆テロ、死者は約 60 人、タリバン
政権崩壊後カブールでは最悪の規模、タリバン報道官が関与を認める、21 日インドが
「テロの背後にパキスタンがいる」と非難、パキスタン側は関与否定
08
タイ最高裁が 2007 年 12 月の下院選挙で買収工作をしたとして選挙法違反罪に問われた
タクシン元首相派の与党「国民の力」党の副党首ヨンユット前下院議長に有罪判決
中国警察当局が新疆ウイグル自治区ウルムチで中国からの独立を目指し「聖戦」を唱え
るグループの拠点を摘発しメンバー 5 人を射殺
10 アブドラ = マレーシア首相が 2010 年半ばに首相を辞任しナジブ副首相兼国防相を後継に
すると発表(クアラルンプール)
11 南北共同で観光事業を行なっている北朝鮮の金剛山で韓国人女性観光客が北朝鮮軍兵士
に撃たれ死亡、真相究明まで事業中断、12 日北朝鮮側が韓国非難の談話を発表
13 アフガニスタン東部コナル州ワナトで NATO 率いる国際治安支援部隊(ISAF)と武装勢
力が戦闘、米兵 9 人が死亡し 15 人が負傷、中部ウルズガン州デヘラウドの市場で自爆テ
ロ、警官ら 24 人が死亡、34 人が負傷
15 1999 年に東ティモールの独立を決めた国連管理の住民投票前後に独立阻止を叫ぶ民兵が
起こした人権侵害事件を調査するため同国とインドネシアが設置した「真実・友好委員
会」が報告書を提出、インドネシア国軍などの責任を認める
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 63
国際問題月表
16
マレーシア警察が同性愛行為の容疑で野党勢力指導者のアンワル元副首相を逮捕、17
日元副首相は「でっち上げ」と主張
17
6 ヵ国合意に基づき北朝鮮の寧辺で行なわれている核施設無力化のうち実験用黒鉛減速
炉からの燃料棒抜き取り本数がほぼ半数の 4000 本を超えたことが判明
21
中国雲南省昆明市で 2 台の通勤バスが爆発、2 人が死亡、14 人が負傷、25 日米情報機関
の委託などでテロを監視している米企業が「トルキスタン・イスラム党」を名乗る組織
がビデオで犯行声明を出したと発表
ネパールの制憲議会で大統領選の決選投票、第 2 党のネパール会議派が推す同党幹部ラ
ム・バラン・ヤダブ氏が当選、立憲君主制から連邦共和制に移行した同国初の国家元首
楊潔
中国外相とラブロフ = ロシア外相が中ロ間の東部国境に関する議定書に調印(北
京)、第 2 次大戦後に両国が対立してきた国境問題が決着し国境線が正式画定
22 インド下院が米国との原子力協定締結推進に反発する左派連合の閣外協力解消を受けシ
ン内閣の信任投票、僅差で信任
24 中国の上海市公安当局者が北京五輪期間中に上海のサッカー競技場の攻撃を計画してい
たテログループを摘発したと国営新華社通信が明らかに、詳細は不明
26 インド西部グジャラート州アーメダバードで連続爆発によるテロがあり 45 人が死亡、145
人が負傷、イスラム過激派組織と関連があるとみられる「インディアン・ムジャヒディ
ン」を名乗るグループから犯行声明が届いたと複数のテレビ局が報道
27 カンボジア下院選が行なわれフン・セン首相の与党カンボジア人民党が圧勝、内戦を終
結に導いた 1991 年の和平合意後 4 回目の選挙で初めて一党単独政権樹立の条件整備
●中近東・アフリカ
07 ・ 03 アブドライ = モーリタニア大統領がワゲフ前首相を首相に再指名、15 日ワゲフ首相
が与党「民主主義と開発のための国民連帯」のみで構成する新内閣を組閣
04
イラン核開発問題でイランが国連安保理常任理事国とドイツの 6 ヵ国が提示した新「見
返り案」に対する返答文書を交渉役のソラナ EU 共通外交・安全保障上級代表に伝達
08
スーダン西部ダルフール地方で停戦監視中の国連・アフリカ連合(AU)合同平和維持
活動部隊が武装集団に襲撃され要員 7 人が死亡、22 人が負傷
09
イラン革命防衛隊が「砂漠地帯」で射程 2000 キロに改良した新型中距離弾道ミサイル
「シャハブ 3」など 9 発のミサイル発射実験を実施と発表、10 日にも発射実験、イスラエ
ルが行なったとされるイラン空爆の「予行演習」への対抗措置と表明
トルコ最大の都市イスタンブールの米総領事館前で武装グループが警察官の詰め所に発
砲、トルコ人警察官 3 人が死亡、2 人負傷、27 日には爆弾 2 発が相次いで爆発、16 人が
死亡、150 人以上が負傷、イスタンブール県のギュレル知事がテロの可能性を示唆
10
エルドアン = トルコ首相がマリキ = イラク首相と会談(バグダッド)、クルド人武装組
織への対策やエネルギー分野などの戦略的な協力関係強化で合意
11 親欧米の与党と親イラン、シリアのイスラム教シーア派組織ヒズボラなど野党との対立
で 1 年半に及ぶ混迷が続いたレバノンで挙国一致内閣が成立、内戦再燃の危機は回避
15
トルコ軍が 12 ― 14 日までトルコ南東部で非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の掃
討作戦を実施、幹部を含む PKK 戦闘員 22 人を殺害したと発表
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 64
国際問題月表
16
イスラエル政府とレバノンのヒズボラが両国国境で 4 年半ぶりに捕虜交換
ジンバブエ準備銀行(中央銀行)のゴノ総裁が同国の年間インフレ率が約 220 万 % を記
録したと表明、30 日通貨ジンバブエ・ドルの単位を 100 億分の 1 に切り下げるデノミを
8 月 1 日から実施すると発表
21 ムガベ = ジンバブエ大統領と野党民主変革運動のツァンギライ議長が会談(ハラレ)
、実
質的な和解協議開始に向けた枠組みをつくることで合意
22 イラク連邦議会が州評議会選挙実施法案を賛成多数で可決、油田地帯キルクークの帰属
問題に絡みクルド人会派「クルド同盟」は棄権、23 日タラバニ大統領と 2 人の副大統領
で構成する大統領評議会が法案を承認しないとの声明発表
25 ギリシャ系住民が多数を占めるキプロス共和国とトルコ系の北キプロス・トルコ共和国
の首脳が会談、包括的な再統合交渉を 9 月 3 日開始で合意
26
アハマディネジャド = イラン大統領がウラン濃縮用の遠心分離器を 5000 ― 6000 基保有
していると演説、大統領は 4 月に現有の 3000 基からの増設方針を表明
28 バグダッドでイスラム教巡礼者を狙ったとみられる連続自爆テロ、28 人が死亡、92 人が
負傷、北部キルクークでも自爆テロ、少なくとも 22 人が死亡、150 人が負傷
30
不正献金などの疑惑で与党内の支持が低下しているオルメルト = イスラエル首相が 9 月
17 日に実施予定の与党カディマの党首選に不出馬を明らかにし首相辞任を表明
トルコ憲法裁判所がイスラム色の強い与党が国是の政教分離を侵しているとして解党を
求めた検察当局の請求を退ける判決
●欧 州
07 ・ 03 欧州中央銀行がインフレ抑制を狙いユーロ圏の主要政策金利である短期買いオペ金
利の 0.25% 引き上げを決定、年 4.25% に、利上げは 2007 年 6 月以来 1 年 1 ヵ月ぶり
07
セルビア議会が EU 加盟推進派のミルコ・ツベトコビッチ氏を首相とする新政権を承
認、同氏は就任に先立つ施政方針演説でコソボ独立を認めない姿勢を打ち出す
08
EU の欧州議会が地球温暖化対策として域内で離発着するすべての航空会社ごとに航空
機が排出する二酸化炭素量の上限を設定し排出量取引などを通じた排出削減を義務づけ
る規制案を賛成多数で承認、2012 年から施行
ドイツの電機最大手シーメンスが全世界で 1 万 6750 人の人員削減を発表、約 40 万人の従
業員の 4% に相当する大型リストラ
09 サルコジ = フランス大統領が胡錦濤中国国家主席と会談(洞爺湖)
、8 月の北京五輪開会
式に出席する意向を伝達、ペテリング EU 欧州議会議長は不参加を表明(ストラスブール)
オーストリア国民議会(下院)が議会解散を決定、選挙は 9 月 28 日
世界遺産に登録のイタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖
堂」の壁に落書きした岐阜市立女子短大生 1 人と松田之利学長が大聖堂関係者らに謝罪
10 欧州司法裁判所(ルクセンブルク)がソニーとドイツのメディア・娯楽大手ベルテルス
マンの音楽事業統合を無効と判断した下級審の欧州第 1 審裁判所に審理やり直しを命令
11
EU がセルビアから独立したコソボの行政機構確立へ向けた支援国会議開催(ブリュッ
セル)、欧米、日本などが 2011 年までに総額約 12 億ユーロ(約 2000 億円)の拠出表明
13
地中海圏の振興開発に取り組む「地中海のための連合」(UPM)創設首脳会議開催(パ
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 65
国際問題月表
リ)、EU と地中海に面する 43 の国と地域が参加
14 テルム = ベルギー首相が北部オランダ語圏と南部フランス語圏の政治対立解消に失敗し
たとして国王アルベール 2 世に辞意、17 日国王は辞表を受理せず続投を命令
15
EU 農漁業相理事会が燃料価格高騰に悩む漁業関係者に対し緊急対策として 20 億ユーロ
(約 3300 万円)規模の漁業支援実施を承認(ブリュッセル)
17
ポルトガル南部のリゾートホテルで 2007 年 5 月に当時 4 歳の英国人女児が行方不明にな
った事件をめぐる報道で英国人男性を犯人扱いしたとして名誉毀損で訴えられた英 11 紙
が報道の誤りを認めて謝罪、計 60 万ポンド(約 1 億 2700 万円)の支払いで和解
21 セルビアの治安当局がボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時のセルビア人勢力の指導者で旧
ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ハーグ)からジェノサイド(民族大量虐殺)などの罪で
起訴されたカラジッチ被告をセルビア国内で拘束、30 日ハーグ近郊の拘置施設に移送
23
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンが発表した 2008 年 4 ― 6 月期の純利益は前年同
月比 34 ・ 8% 増の 16 億ユーロ(約 2700 億円)
、ダイムラーの 4 ― 6 月期の純利益は同 25%
減の 13 億 9500 万ユーロ(約 2350 億円)
24
イタリアで大統領、首相、上下両院議長の 4 人について在任中は刑事訴追の対象とせず
審理中の裁判を凍結する免責法が成立
25 スペインの国王フアン・カルロス 1 世と 2007 年 11 月の国際会議で同国王に「黙れ」と一
喝されたチャベス = ベネズエラ大統領が会談し和解(スペイン領マジョルカ島)
26 グルエフスキ = マケドニア首相の新政権が発足、新政権は首相率いる右派の国家統一民
主党を中心とする政党連合とアルバニア系の民主統合連合などとの連立
31
EU の統計機関ユーロスタットが 7 月のユーロ圏(15 ヵ国)の消費者物価指数(速報値)
を発表、前年同月比 4.1% 上昇で 1999 年の欧州通貨統合以来最高の水準
●独立国家共同体(CIS)
07 ・ 04 ベラルーシの首都ミンスクで独立記念日を祝う野外コンサート会場で仕掛けられてい
た手製とみられる爆弾が爆発し若者ら 50人前後が負傷
07 グルジアからの独立を主張するアブハジア自治共和国の飲食店で爆発が起き治安部隊幹部
を含む 4 人が死亡
08 ロシア外務省が米 MD 計画のレーダー施設をチェコ国内に設置する協定にチェコと米国が
正式調印したことを受け協定が批准されて設置が実現すればロシアは軍事的な対抗措置を
取らざるをえなくなると警告する声明を発表
10 グルジアからの独立を主張するアブハジアと南オセチア自治州でグルジア側との武力衝突
が相次いでいる問題でライス米国務長官が両地域を支援しているロシアを非難
ロシア外務省が南オセチアの上空に空軍機を派遣したことを認める声明、ロシアがグルジ
ア紛争地域への空軍機派遣を公然と認めるのは異例
11 アダムクス = リトアニア大統領が米 MD 計画で迎撃ミサイルのポーランドへの配備交渉が
不調に終わった場合リトアニアへの配備受け入れについて真剣に検討すると表明
14 ロシアからチェコへのパイプラインによる原油供給が削減されたことが明らかに
18 ロシア外務省情報局が日本の新学習指導要領の解説書で北方領土が「ロシアに不法に占拠
されている」と記述されたことについて声明を出し「当惑と遺憾を呼び起こすだけで両国
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 66
国際問題月表
間の肯定的な協力関係の発展にも国境問題自体の解決にも寄与しない」と批判
21 メルケル = ドイツ首相がユーシェンコ = ウクライナ大統領と共同記者会見しウクライナが
目指す NATO 加盟を支援していく考えを表明(キエフ)
22 メドベージェフ = ロシア大統領がチャベス = ベネズエラ大統領と初会談(モスクワ郊外)
、
ロシアの大手石油・天然ガス企業がベネズエラのオリノコ川流域で石油探査など資源開発
の協力を行なうための合意文書に両国の企業代表らが署名
●北 米
07 ・ 02 ブッシュ米大統領が北海道洞爺湖サミットを前に日本メディアと会見、北朝鮮のテ
ロ支援国家指定解除の方針決定で解決の道筋が不透明になった拉致問題について 6 ヵ国
協議で強く北朝鮮に圧力をかけていく方針を強調
08 ゲーツ米国防長官がイラク駐留米軍の撤退についてイラク自前の治安部隊がより強化さ
れない限り日程を具体的に議論するのは時期尚早と強調、9 日デュビック駐イラク多国
籍軍治安移行部隊司令官が下院軍事委員会公聴会で米軍のイラク治安任務は 2009 年半ば
でほぼ終了すると述べ米軍幹部として初めてイラク治安任務の終了見通しを明言
11 米環境保護局(EPA)が経済活動への悪影響などを理由に大気浄化法に基づいて温室効
果ガスの排出を規制するのは「不適当」との見解を公表、EPA に排出削減を促した 2007
年 4 月の連邦最高裁の判決内容をブッシュ政権として事実上拒絶
13 米政府と連邦準備制度理事会(FRB)がサブプライム住宅ローン問題の影響で経営が悪
化した政府系住宅金融大手 2 社に対する緊急支援声明を発表、30 日ブッシュ大統領が同
ローンの借り手救済策と政府系住宅金融機関の公的資金による緊急支援策を柱とした住
宅関連包括法案に署名、同法は成立
14 ブッシュ大統領が原油価格高騰に対処するため米国沖の海底油田開発規制を解除する大
統領令を発表
16 米国家情報会議(NIC)が地球温暖化が進むと 2030 年ごろには難民や地域紛争が増え米
国の安全保障に大きな影響が出るとの研究報告書をまとめたことが判明
17 ブッシュ大統領とマリキ = イラク首相がテレビ電話で会談、早期締結を目指す地位協定
にイラクへの治安権限移譲や米軍撤退への「日程上の展望」の明記を目指すことで合意
25
ブッシュ大統領がジンバブエに対する制裁強化の大統領令に署名
28
ブッシュ大統領がギラニ = パキスタン首相と会談(ワシントン)、アフガニスタン国境
に近いパキスタンの部族地域で活動するアルカイダやイスラム武装勢力を抑え込むため
協力を強化することで一致
楊潔
中国外相が訪米しライス米国務長官と会談(ワシントン)、イランや北朝鮮の核
問題を協議、29 日ブッシュ大統領と会談、大統領は北京五輪を成功に導くため人権や信
教の自由を尊重するよう重ねて要請
米政府が 2009 会計年度の財政赤字額が 2008 年 2 月の予算教書より大幅に拡大し過去最大
の 4820 億ドル(約 52 兆円)に達するとの財政見通しを発表
29 米連邦大陪審が虚偽の資産報告を繰り返した罪で共和党最長老議員のテッド・スティー
ブンズ上院議員を起訴、現職上院議員の起訴は 1993 年以来のこと
米下院本会議が米国が過去に行なった奴隷制と人種隔離政策について黒人に謝罪する決
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 67
国際問題月表
議を発声投票によって初めて採択
30
米海軍が横須賀基地へ配備予定の原子力空母ジョージ・ワシントンで 5 月に起きた火災
の監督責任を問いデービッド・ダイコフ艦長を更迭、規律違反の喫煙が出火原因と発表
ブッシュ大統領が米政府機関「地名委員会」が「韓国領」としていた竹島(韓国名:独
島)の帰属先を「主権未指定」に変更したことについて表記を元に戻すと言明
31 ブッシュ大統領が声明でイラクに 2007 年増派した 3 万人規模の米軍部隊の撤収完了を宣
言、駐留米軍の追加削減の見通しを示す
米航空宇宙局(NASA)が火星探査機「フェニックス」が凍った土壌を熱して水蒸気を
検出、「水を確認した」と発表、地球以外の天体で水を直接検出したのは初
●中南米
07 ・ 02
サントス = コロンビア国防相が左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)に誘拐さ
れた元大統領選候補のイングリド・ベタンクールさんらを約 6 年ぶりに救出したと発表
ブラジル国立宇宙研究所が人工衛星などによる調査の結果アマゾン川の長さがこれまで
の発表より約 476 キロ長い約 6992 キロでナイル川を抜いて世界最長と確認したと発表
09 アルゼンチン南部のパタゴニア地方にある世界有数のペリト・モレノ氷河で氷河の先端
部が大きく崩れ落ちる現象を確認、冬季としては初めてで地球温暖化が影響の可能性
11
コロンビア軍による FARC 掃討作戦をめぐり対立していた同国のウリベ大統領とチャベ
ス = ベネズエラ大統領が会談(ベネズエラ北西部)
、関係修復で合意
17
アルゼンチン上院が食料価格高騰の一因とされる大豆など農産物の輸出増税案を否決、
廃案に、フェルナンデス首相が 23 日に辞任、廃案を受けた事実上の更迭との観測
21
南米エクアドルのガラパゴス国立公園管理局がガラパゴス諸島でたった 1 匹残され絶滅
危機動物の象徴として「孤独なジョージ」と名付けられた推定年齢 80 歳代の雄ゾウガメ
とペアリング中だった雌が産卵したと発表
24 エクアドルの制憲議会が大統領の連続再選を容認するなど大統領の権限を強化すること
を柱とした憲法改正案を承認、9 月の国民投票で賛成が過半数に達すれば可決
29
エクアドルが 2009 年 11 月で期限を迎える太平洋岸のマンタ空軍基地の米軍使用権を更
新せず、米軍は 2009 年 8 月から撤退を始めることで米側と合意したと発表
台湾と外交関係をもつドミニカ共和国のフェルナンデス大統領が台湾との関係を保ち続
けると言明、近く中国側に転じるとの観測を明確に否定
31 カリブ海のハイチ上院が経済専門家ミシェル・デュビビエ・ピエールルイ氏の首相指名
を承認、同国で 2 人目の女性首相
国際問題 第 574 号(電子版) 2008 年 9 月号
編集人 『国際問題』編集委員会
発行人 佐藤 行雄
発行所 財団法人日本国際問題研究所
〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階
電話 03−3503−7262(出版・業務担当)
http://www.jiia.or.jp/
*本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する
機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
*論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ
さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*電子版最近号
07 年 7・8 月号 焦点:危機 10 周年のアジア経済
07 年 9 月号 焦点:平和構築―紛争後の不安定と安定
07 年 10 月号 焦点:日本の海洋境界画定
07 年 11 月号 焦点:急増するFTA―世界貿易体制とアジア
07 年 12 月号 焦点:グローバリゼーションと経済安全保障
08 年 1・2 月号 焦点:転機に立つアメリカと中国
08 年 3 月号 焦点:岐路に立つ日本外交
08 年 4 月号 焦点:国連安保理の機能変化
08 年 5 月号 焦点:不透明感を増す世界経済
08 年 6 月号 焦点:洞爺湖サミットと地球環境―気候変動を中心に
08 年 7・8 月号 焦点:政情不安と大統領制の行方
国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 68