ーツ瀬川源流大薮川における 1997年洪水直後の - 九州大学

九大農学芸誌 (
S
ci
.B
u
l
l
.F
a
c
.A
g
r
.,KyushuU
n
i
v
.
)
第5
3巻 第 1-4号 6
5
7
0 (
1
9
9
9
)
ーツ瀬川源流大薮川における 1997年洪水直後の
堆積砂磯径の特徴
中村純也・丸谷知己
九州大学農学部環境システム学講座
(
19
9
8年 1
0月3
1日受付, 1
9
9
8年 1
1月 6日受理)
P
a
r
t
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fSedimentCausedby 1
9
9
7
Floodinga
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JunyaNAKAMURA andTomomiMARUTANI
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F
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g
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i
c
u
l
t
u
r
e,KyushuU
n
i
v
e
r
s
i
t
y,Fukuoka8
1
2
8
1
や継続時間に応じて流下方向に変化することが予想さ
はじめに
れる.洪水は水生生物の生息環境を一時的に大きく変
急勾配の山地河川では,階段状 j
可床地形(以下,
化させるので,その影響を評価するためには洪水直後
Step-poolsystem) が形成されることが広く知られ
の砂磯量や砂磯径を把握することが重要な課題となる.
ている(たとえば芦田ら, 1
9
8
4
)
. Step-poolsystem
河床砂礁の粒径について,主として下流の緩勾配河
は,流下方向に数メートルから数十メートルの間隔で,
川について多くの調査研究が進められてきた.古典的
堆積砂磯からなる急勾配部(ステップ)と緩勾配部
には,平均磯径が生産j
原から下流にむかつて漸減する
(プール)とが交互に連続する河床地形である.その
事 が 示 さ れ て い る ( た と え ば Krumbein, 1
937;
形状は過去の土砂移動の痕跡を表していると同時に,
Sternberg,1
9
5
5
)
. これらの結果は長期間の土砂移
次の洪水での土砂移動の際の河床粗度としても機能す
動の集積であり,土砂生産源も特定されていないため,
る.これら S
tep-pool systemは,河川に生息する
洪水による砂磯径の変化については知ることができな
水生生物にとって重要な役割を果たしている.プール
い. P
izzuto (
19
9
5
) は,合流点における水理量の変
はヤマメ,ハエなどの渓流魚によって採餌,産卵場所
化に着目し,合流点聞の距離 Link長をパラメータ
9
91,広瀬ら, 1
9
9
3
),プー
として利用され(河村, 1
として磯径変化を解析した.これによって,本流水路
ル内の巨磯はその時の待避場所となっている(山口,
に対する土砂生産源の支流の影響を評価できたが,一
1
9
9
6
)
. また, Step-poolsystemの間隔はヤマメの
洪水ごとの砂磯径の変化を把握することはやはり困難
個体数,サイズに影響していることも報告されている
である. Productionl
i
m
i
t
e
dの卓越する一般の山地
(高柳, 1
9
9
7
)
.
河川では,堆積砂磯径の分布は,洪水時における砂礁
このような S
tep-poolsystemの落差と間隔とは,
の堆積と洪水後の砂礁の粒径淘汰の両方によって複雑
河床勾配,河床幅などの水路の幾何学的形状と,水路
に変化した結果である.したがって,堆積砂磯径の分
内に堆積する砂磯量,砂礁径とによって支配されてい
布を把握するためには,まず粒径淘汰を受けていない,
9
9
5,川西, 1
9
9
7
)
. このうち水路
る (Abrahams,1
洪水直後の堆積砂磯径の分布を知ることが必要となる.
の幾何学的形状は, i
可床や i
可岸が基岩で構成されてい
しかし,このような洪水に遭遇する機会は少ないため,
る場合には数年
山地河川の堆積砂磯径についての調査事例はきわめて
数十年間では大きく変化せず,洪水
流に対しでも固定床と考えることができる.一方,
i
可
少ない.
床に堆積する砂線量や砂様径は,洪水の度にその規模
-65-
1
9
9
7年 9月,筆者らが1
9
9
3
年以来河床変動をモニター
中村純也・丸谷知己
6
6
しているーツ瀬川源流大薮川において洪水が発生し,
九州
共水によっ
多量の砂磯が支流から本流に流入した.このj
て
, 3kmにわたる本流河床がすべて砂磯で埋積され
ほほ平坦面となったため,筆者らは洪水直後の砂磯径
の分布を実測することができた.本研究では,洪水直
後の堆積地表面で砂磯径分布を現地調査し,洪水によっ
てもたらされた堆積砂磯径の位置的変化を合流点の影
響を考慮して分析することを目的とした.
調査地および方法
調査地概要
調査区間
一ツ瀬川は,九州山地を北から南に流下する流域面
2
の河川である.その源流部の九州大学宮崎
積 722km
演習林内に「大薮川山岳河川総合試験地(流域面積
5.2km2)
J が設けられている(図 1).ここでは,降
9
9
3
年以
雨量,水位,河床変動量,流出土砂量などが1
来継続的にモニターされている.大薮川山岳河川総合
試験地は,わが固有数の多雨地帯に位置し,年間の降
水量は 3500mmに達する.また,この試験地の地質
は広域変成作用をうけた中生層砂岩,頁岩,泥岩から
なり,延岡
こうちの谷
図一 1 調査位置図
紫尾山構造線に沿って著しい破砕作用を
受けている.このため,河床には支流や側岸から生産
された直径数 cmから 30cmの偏平な礁が多数分布す
る.
基岩が露出した河床であったが,この年の 9月の豪雨
1
.5mm (
図
(連続雨量 958mm,最大時間雨量 6
2
)
)
によって,本流の河床は多量の砂礁で埋積され,全区
間にわたって河床上昇を生じた.粒径調査は,この豪
雨の直後に,大薮川山岳河川総合試験地の約 1kmの
本流河川(以下,粒径調査区間)で行った.粒径調査
。
亡
(E
E) 酬区盤臣宜
大薮川本流は, 1
9
9
7年の洪水以前には両岸と河床に
2次谷以上)が合流しており,
区間には 6本の支流 (
これらの支流は上流からぼうず谷,支流 I,支流 I,
,こうちの谷, しきの谷である.ぼうず谷,こ
支流 m
うちの谷,しきの谷はいずれも 3次谷で,支流 I,支
o:
0
01
2:
0
00:
0
0
1
2:
0
00・0
01
2
:0
00:0
0
図ー 2 1997.9.14~9.17の豪雨(連続降雨量 958
m m,最大時間降雨量 6
1
.5
r
i
l
m
)
流 I,支流皿は三次谷であった.表 -1は各支流の地
形的特徴を示している.これらの支流水路には,側岸
からの落石や小規模な斜面崩壊によって絶えず土砂が
し,粒度分析を行った.粒度分析に用いた粒径区分は
供給されており,堆積した土砂は豪雨の際にまとまっ
Wentworthの方法 (256mm,128mm,64mm, 3
2
m m,16mm,8m m, 4m m, 2mm) により,そ
て流出することが報告されている(笠井ら, 1
9
9
7
)
.
調査方法
れぞれの粒径階に含まれる砂磯の体積より粒径加積曲
粒径調査区間では 4
3本の横断測線(以下, L
i
n
e
)
線を求めた.粒径加積曲線より,中央粒径 Maと分級
を本流に沿って 35m間隔に設けた.砂礁の粒径計測
ine上
はラインサンプリング法により,それぞれの L
の堆積地表面において直径 5mm以上の砂礁を実測
係数
aを,次式によって求めた.
M.=d
5
0
洪水直後の堆積砂喋径
6
7
表 -1 各支流の地形特徴
2
流域面積 (km
)
平均水路勾配 (
t
a
n(
;
I
)
本流との合流角(度)
ほうず右枝
1
.0
1
9
0
.
2
3
7
6
0
支流 I
0
.
3
4
9
0
.
1
4
6
4
5
支流 E
0
.
1
1
1
0
.
2
5
6
5
5
支流皿
0
.
0
8
5
0
.
2
8
3
6
0
こうち谷
1
.1
1
6
0
.
1
7
2
7
7
しきの谷
1
.2
1
0
0
.
2
0
6
1
4
3
雨量は,図ー 1に示す⑥地点の近傍で,記録型雨量
自動測定装置(転倒マス式)を用いて測定している.
1
0
0
40
20
O
A
量を算出した.
6
0
a
〈8
壬
骨
理
組
ト
斗
ので,水位一流量曲線として次式を用い,洪水時の流
口A U ρ h U A
横断形が流心を原点として放物線に近い形状であった
。200
Q=(αH+b)2
ゆ片掛田市封建(日目)
E
E120
による水位の測定を行っている.水位データの測定間
隔は 1時間間隔である.大薮川では,ほとんどの河床
- - 1よ 1ょ 1i
積×流速)と記録型水位自動測定装置(水圧式センサー)
ハUnUAUハり
1
6
0
1
4
0
間の①,⑤,⑥地点(図 3) では,流量(流下断面
64200 ハ
Vnu
雨量データの記録は 1時間間隔で、行った.粒径調査区
径数十⑥←一
粒係一﹁
央級一)一
中分一⑤←-
十竺
d
d
1
/
2
品 =(
1
6/
s
4)
2
0
O
4
0
06
0
0 8
0
01
0
0
01
2
0
01
4
0
0
調査区間の上流端からの距離 (m)
ここで .Qは流量
(m3/
s
e
c
)
. H は水位 (
m
)
.a
.b
図-3 調査区間における中央粒径,分級係数
は定数である.
また,一般に河川各横断面での掃流力は次式で表さ
れる
r
o
=
ω .R.I
ている.図において,中央粒径,分級係数はほとんど
の地点で 20mm以上 60mm未満の範囲に分布してい
ここで. r
oは掃流力 (kg/m2). R は径深 (m). 1
るが. Plo P 2 • P 3 • P 4 • P5の 5地点においてはいず
は勾配を示す .ω =P'
g
. Pは水の密度 (P=
1
.0g/
cm3). gは重力加速度 (g=980cmN).河床勾配,
れも極端に大きな値を示している.これら 5地点での
横断面形については,粒径調査区間での光波測距儀ト
(
品=
8
8
.
1
:
:
!
:8.6mm) が , 他 の 地 点 で の 中 央 粒 径
9
7
年 9月)により求
ランシットを用いた河川測量(19
(M.=31
.4
:
:
!
:
9
.
2
m
m
) および分級係数(品 =30.
4
:
:
!
:
めた.
8.3mm) のばらつきの範囲に収まるかどうかについ
調査結果
中央粒径 (
M
.
日 =100.2::!:28.3mm) お よ び 分 級 係 数
て検定を行った結果. 95%の信頼確率で異なる種類の
データである事が示された.したがって,これら 5地
図 -3は粒径調査区間における中央粒径,分級係数
点での砂礁は,中央粒径および分級係数において他の
を示している.横軸は調査区間上流端からの距離であ
地点、の砂礁とは異なるプロセスで堆積したことが示唆
り,縦軸は中央粒径(左軸).分級係数(右軸)であ
された.
る.グラフ上部の数字は支流との合流点の位置を示し
9
9
7年 9月の洪水におけるピーク時の流量
図 -4は1
6
8
中村純也・丸谷知己
①②③
120
回
、¥
④ ⑤ ⑥
,、
,司
可V
v
J
110
百 100
F
山 由
酬 90
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
816
「一一一一
ミ
14
312
'
'
10
r…
ぎ80
R
宮 70
蝶 6
I 60
~吐
~ 8
,
¥
¥ .
、
々
U 50
i l if I
o
f
r
2
0
0 4
0
0 6
0
0 8
0
01
0
0
01
2
0
01
4
0
0
図 -4 1
9
9
7年 9月の豪雨におけるピーク時の流
量の位置的変化
① ② ③
12
510
1
車 8
o
B
f I I II
0
01
2
0
0 400 6
0
0 8
0
0
01
2
0
01
4
0
0
調査区間の上流端からの距離
(
m
)
図ー 7 ピーク時の流量における調査区間(本流)
に沿う掃流力
の位置的変化を表している.横軸は調査区間上流端か
らの距離であり,縦軸はピーク時の流量である.グラ
A
Aγ
V 民
え
g
6
l
i
64
*
ι
2
O
2
④ ⑤ ⑥
可,、,
可V
l
i
6
」
ト
ー
*
0
~
rrT
調 査 区 間 の 上 流 端 か ら の 距 離 (m)
1
4
T
L
=
k1
¥~ VL
斗l
"¥
一
流量は合流点①,⑤,⑥については実測水位から H
Qキャリプレーションによって求め,合流点②,③,
④についてはそれぞれの支流域面積の全流域面積に対
する割合に基づいて①と⑤の流量差を配分して求めた.
それぞれの合流点間については斜面流量はないものと
~.T ,~,"t tlri
r
n4, n r
0
01
0
0
01
2
0
01
4
0
0
0
0 6
0
0 8
2
0
0 4
o
フ上部の数字は支流との合流点の位置を示している.
調査区間の上流端からの距離
(
m
)
図 -5 調査区間(本流)における谷幅
して,一定値で表した.実際には,これとは若干異な
ると恩われるが,グラフよりおおまかに流量変化は把
握でき,各支流が本流と合流するごとに本流の流量が
不連続に増えている状況が示されている.図 -5は粒
径調査区間(本流)の谷幅(ピーク流量時の流下幅)
を表している.横軸は調査区間上流端からの距離であ
り,縦軸は谷幅である.支流との合流後は本流の谷幅
④ ⑤ ⑥
↓
一
.
L
-
よ 1iAUAUAUAUAU
AUti-- 唱
hhAUAUAUAリ‘hAUAUAUAU
A U A U A U A U A U A U A U Aリ
2864218642O
:・・・・:・
(もロ旦)届ぽ舘ぷNQ爆特
①②③
~陶岬
直型 I!-~竺:!M 金 生 生
5とに基づいて,各地
点での径深 R を求めた.
また,図
6は粒径調査区間の河床の水路勾自己(I)
の変化を示している.横軸は調査区間上流端からの距
離であり,縦軸は河床の水路勾配である.粒径調査区
間(本流)の勾配は0
.
0
1
6から 0
.
0
1
9と比較的緩勾配で
ト一一『司
o
が増加している.図 -4と図
ある.高橋(19
7
7
) の実験水路における解析によると,
.
2
5以下では砂礁は集合運搬によらず掃流運搬に
勾配0
よって流送されることが明らかにされている.このこ
とから,粒径調査区間(本流)は土石流発生限界勾配
0
01
2
0
01
4
0
0
0
0 8
0
0
01
2
0
0 4
0
0 6
調査区間の上流端からの距離 (m)
図-6 調査区間(本流)の水路勾配
以下であり掃流運搬領域であると言える.以上の径深
R と河床勾配 Iとを用いて, ω=1000としてピーク流
量時における粒径調査区間(本流)に沿う掃流力の変
洪水直後の堆積砂磯径
6
9
化を求めた(図一 7
)
. 横軸は調査区間上流端からの距
水末期に支流からの流入する水量が急激に減少したと
離であり,縦軸は掃流力を示している.粒径調査区間
仮定すれば,合流点において掃流力の低下が著しく,
での掃流力は P4地点で最低となっており,粒径調査
ケース 1が実現し堆積地表面には大小の礁が残積する
2
2
区間全体では 8kg/m以上 14kg/m以下と大きな変
ものと思われる.このことから,支流からの流入水量
化は見られなかった .Plo P 2• P 3 • P 4 • P5において
が多い(流域面積が大きい)支流 1 (合流点②)と
も他の地点とほとんど差はないことがわかった.
Plo しきの谷(合流点⑥)と P5の関係が示唆される.
支流から,本流の掃流力が低下する以前(洪水の初
考 察
中央粒径,分級係数は 5 地点 (P 1 •
期または洪水ピーク付近)に土砂が流入すると,本流
P 2 • P3 • P4 •
を運搬される砂礁と同様に本流の掃流力によって流出
P5) で他の地点とは異なる大きな値が示された(図-
される.一方,本流の掃流力が低下した後(洪水の終
3
)
. まず¥これらのうち P
3は洪水によって護岸擁壁
期)に土砂が流入すると,運搬されず合流点に堆積す
が破壊され,その裏込め石が流出していたことからこ
る.この時点では支流でも掃流力が減少しているので,
の地点は検討の対象としなかった.
土砂は集合運搬による可能性が高い.このことから,
したがって. Plo P 2• P 4• P5地点のみについて,
中央粒径,分級係数が他の地点と大きく異なる原因に
集合運搬の可能な支流 I (合流点③)と P 2 • 支流血
(合流点④)と P
4との関係が示唆される.
結果として,支流からの流水と土砂の流入を考慮し
ついて考察した.
なければ,本流に沿った砂磯粒径の不連続な分布を説
粒径調査区間(本流)の掃流力の影響
粒径調査区間(本流)での砂礁の運搬形式は,掃流
明することができなかった.さらに,主として流水を
運搬であったと推測されたので,この区間のピーク流
供給する支流と土砂を供給する支流との違いが影響し
量時での掃流力の位置的変化を計算した結果,上流端
ていることが示唆された.
から下流端まで 8kg/m2以上 14kg/m2以下でほぼ一
) ことがわかった. しかし,急激な
定である(図一 7
流量減少(水位低下)により掃流力が時間的に急減し
謝 辞
現地調査において,多くの便宜をはかつていただい
た場合には,粒径淘 i
太が生じなく,堆積地表面に比較
た九州大学宮崎演習林の職員に感謝する.また,農学
的大きな砂礁と小さな砂礁が残され.Maおよび
部助手笠井美青氏には,調査方法等について多くの示
aは
ともに大きな値を取る可能性がある(ケース1). し
唆をいただいた.
かし.水位低下は調査区間全体でほぼ同時に起こるは
本研究は日産科学振興財団第 2
3回総合研究「大規模
ずだから. Plo P 2• P 4• P5の特定地点でのみ水位低
な地表撹乱に伴う河川一森林相互作用系の再生機構
下を生じるためには支流の影響を考慮しなければなら
(代表,丸谷知己)J.文部省科学研究費基盤研究
ない.
(
2
)I
洪水氾濫および土砂流送に伴う渓流生態系の回
復過程に関する研究(代表,丸谷知己).課題番号
支流からの流水および土砂の影響
3より,中央粒径と分級係数が大きな地点
図-
P1
は②の下流側 .P2は③の下流側 .P4は④の下流側,
P5はしきの谷との合流点⑥である.表 -1より,ぼう
ず右枝,支流 1
. こうちの谷, しきの谷の河床はいず
t
a
ne
<
0
.
2
5
) であり,掃流運搬領域で
れも緩勾配 (
あると考えられる.一方,支流 I (合流点③).
(
B
)
m
(合流点④)は他の支流に比べ可床勾配が急、 (
t
a
n
e>0.25) で,集会運搬領域であると考えることがで
きる.
洪水時には,支流から本流へ流水と土砂とが供給さ
れる.支流からの流水は本流の流量増加をもたらし,
合流点において急激な掃流力の増加を引き起こすもの
と恩われるが,実際にはピーク流量時の掃流力は合流
直後にほとんど増加していない(図一 7
)
. しかし,洪
0
9
4
6
0
0
7
1
J の一部によって行った.また,本稿は九州
大学農学部林学科修士論文の一部である.
文 献
芦田和男・江頭進治・安東尚美 1
9
8
4 階段状河床地
形の形成機構と形状特性に関する研究.第 2
8回水
理講演会論文集: 7
4
3
7
4
9
笠井美青・丸谷知己 1
9
9
7 山地源流域における合流
9
(
6
)
:1
7
2
3
点、の土砂の滞留現象.砂防学会誌. 4
川西良宜 1
9
9
7 山地河川の堆積土砂量の減少に伴う
瀬淵の縦断形の変化.平成 8年度九州大学農学部
卒業論文
9
9
1 多自然型河川工法はいかにあるべき
河村三郎 1
か.多自然型川づくりシンポジウム講演論文集:
1
3
1
高橋保 1
9
7
7 土石流の発生と流動に関する研究.
7
0
中村純也・丸谷知己
京大防災研年報, 2
0
(
B
2
)
高柳威晴 1
9
9
7 プール体積と磯径及び掃流砂面積が
ヤマメ個体数及びサイズ変化に及ぼす影響.平成
8年度九州大学農学部修士論文
広瀬健一郎・丸谷知己・井倉洋二・竹下敬司 1
9
9
3
山地河川におけるヤマメの産卵床の形成場所につ
いて.日本林学会九州支部研究論文集: 1
9
3
1
9
4
山口和也・丸谷知己 1
9
9
6 ヤマメの生息におけるプー
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