インピーダンス制御型マスタ ースレーブ・ システム (ー) `

41
( 原著論文コ
イシピ ー ダンス制御型マスタ・スレープ・
システム (1)
一基木原理と 伝送 遅 九への 応 十一
障"
柚砧
泰
榊
輔蒋
Impedance,ontrolled`asterヾlave`anipulationヾystem
Part@ I@:@Bas@@ Concept@ and@ Application@to@ the@ System@ with
Time@ Delay
Susumu TACHI
This@ research@ is@ concerned@ with@
existence mode,
i, e,
the@ manipulators@
the@ slave@
so@
is@applied@
most
of
them
master
Save
The@
system@
this@ system.@
proposed@
are@
can
force@ information.@
They@
Key@ Words@:@Impedance@
as@
are@
to
each
also@ applied@
with@
a@ two@
the@
slave@
master@
presented
system@
by
models@ of@ the@ environment
degrees@ of@ freedom@
force
with@ time@
system@
Control , Master@ Slave@ Manipulation
bilateral@ systems@
calculating
in@ teleof
Impedance control
・
regulates@ the@ impedances@ of@ the@
of@ conventonal@
other
to@
new@
is
・
and
Four
and@ it@is@shown
information
delay.@
master@
These@
even
with
methods@
less
are
direct@ drive@ manipulator
, Tele-Existence
, Ti
e@
Delay , Impedance
Telerohotics
1.
帰還型がある.対称型はマスタとスレーブの
両方の動特
は
じ
め
に
性が操作者への反力に加わり,力逆送型はマスタの動特
遠く ぼぽ,1 だところに存在する
操作者がまるでロボ "
牲が加わってしまい
, リアルな 操作感を得るのは
難しい
ト
の 作業している場所にいるかのょ 5 な 高度な臨場感を
持
ってロボ
A@
,
system,
the@ impedance@
the@ extenSon@
transformed
be
verified@ in@ the@ experiments@
几
Ⅰ ndel.
d
that@ they@ coincide,@ and@ it@ generates@
basic@ control@ methods@
that
to@
slave@ manipulation
master@
impedance controll
,
SAKAKI
Taisuke
力帰還型では力 フィードバ"
"" トを遠融
操作する技術,いわゆるテレイバジ
ク
ゲインを無限大にすれば
両 アームの動特性を打ち消すことができるが
,そのゲイ
スタンスリの研究を進めている・テレイバジスタシス
技
ンを大きくするとジステムの
発振を招く.即ち
,いずれ
術では,視覚の・
情報と同時に,遠隔に配置しだロボ "
の方法においても
,アームの動特性は固定されている
ト
の アームが自分の
腕になったかのような
感覚を持って作
CAPPENDIX
A
参照)
業をおこなうとし、
っだ,高度な臨場感を
伴 操作感の研
アームの手先の
動特性を制御することま
,マスタ・ス
究も重要である.我々は,臨場感を
伴 う 操作感について
レーブ システムにとって
有効硬手法である. 福田り @干
う
はマスタ・スレーブ
方式に注目し研究してきだい
)
従来のマスタ・スレーブには
,対称型・力逆送型・力
原稿受付 1989 年 6 月 9
般的手法として,適応力制御方式により
各アームのイン
ビーダンスを
対応させる方法を
提案しだ・まだ,古田・
日
小菅 ら ㍉は仮想内部モデル
追従制御を適用・
し 各アーム
,機械技術研究所
** (株)安" 電機製作所
日本ロボ. ッ
" 学会誌8 巻 3 号
l
従来のバイラテラル制御糸を
分類し,新
だにそれらの一
設定する動特性を任意に設定できることを
示しだ.一方,
一
工
一
1990 年 6 月
242
障
@"
領
刷
泰
輔
吉川・横小路は操作感のテレイバジスタンスを
操作者が
まだ,本手法が
従来法を一般化しだものであり, また種
対象物を直接操作しだょ 5 な 感覚 (理想応答)
々の操作感覚を
実現するだめの
拡張性があることを示す
しの,
と定式化
何 として伝送遅れの
問題に適用する
その制御方策としてマスタとスレーブが
互いの運
動と力の・ ぼ 報をもとに各アームの
動特性を打ち消す動的
,藤井ら。
@B.Hannaford"
のは
制御を提案したの・まだ
本論文は次のような
構成を成す.第2 章でインビーダ
ンス制御型マスタ・スレーブの
原理を同形状・同動作速
アームの動的制御と
同時に対象物の 動特性に注目し, こ
度・同人出力条件の
等物理条件杓および
伝送遅れ無しの
れをインビーダンスとして
同定し 規範モデルとして
各ア
条件下で説明し, この方法が従来のバイラテラル
制御糸
ームを追従させるシステムを
提案している.しかし,実
を 一般化した手法であり,高度な臨場感を
提供できるこ
際のシステムに
適用する場合,理想応答あ
るいはモデ,""
とを示す.次いで
第 3 章ではモデルを利用するインピー
規範型のシステムほ結局各アームの動特性を慣性も含め
ダ シス制御型マスタ・スレーブシステムを
提案する.さ
, 制御系に虹理がかかり不安定
て消去することになりの
になる,
0). そこで,吉川ら 9)や J.DUd
「
agne
らに第4 章では提案するシステムが
伝送遅れに対応でき
ら l8)ほマス
らを実験的に
検証する・
ることを示し,第5 章でこわ。
タとスレーブの
間に介在するインビーダンスを
通して対
2. インピーダンス 制御型マスタ・ スレ
象物を安定的に操作する方法を提案している・このよう
ーフ・システムの 原理
に,操作感のテレイバジスタンス
技術は,マスタ・スレ
ーブにおける臨場感の定式化,アームの動特性の設定と
この章では,インビーダンス
制御型マスタ・スレー
動的制御,および
対象物の 動特性モデルも含めたアーム
ブ・システムの
原理を等物理条件及び
伝送遅れ無しの条
の制御とい5 / 5 に発展してぎたと
言える・
件下で説明し,この方法が二れまでのバイラテラル
制御
しかし,これまで提案されてきだ
手法は, 各マニピュ
を一般化した手法であ り高度な臨場感を
提供できること
レータの手先の
動特性をある値に固定しており
, これを
を示す.
作業内容や操作環境に
応じて変化遷せる
観点が無い・ま
2.@
だ,可変な動特性を
積極的に活用して
操作性を向上させ
インピーダンス
制御型マスタ・スレーブ・シス
テムの制御方式
る方法については
触れられていなかった.操作性の
向上
我々の提案するシステムの
概念は,アーム・環境の動
のためには,種々の
作業環境あるいほ作業内容に応じた
特性を機械的インピーダンスのモデルで
記述し,さらこ
ゲ
柔軟なシステムを
構成することが求められる・従って,
このモデルを
操作者が作業しやすいように
改変すること
まず,各マニピュレータの
動特性を直接制御して
任意の
により高度の臨場的な操作感を
与えようとするものであ
動特性をマニピュレータの
手先に設定することが
課題と
る.
なる.さらに,これまで提案されていたシステムは
, マ
ステムと呼び,その基本的制御法としてインビーダンス
スタ・スレーブ
間で多くの情報を
通信する必要があるた
制御を用いる.
これをインピーダンス
制御型マスタ・スレーブ・シ
め制御系が複雑になっており
,実際のシステムを
構築す
インビーダンス
制御は,ロボットと環境の
動力学的相
るのが難しい.そこで
, システムをより
実用化の方向へ
互作用を中心概俳とする
制御であ り,特に接触作業を
行
進める観点から,制御系をできるだ
け単純にかつ統一し
5 際に安定的な力制御が実現できる
堵構.
,及び,マスタ・スレーブ
問の通
た方法で構成すること
ロボ " トが 環境に接触する場合,p ボ " トと 環境との関
信を少なくすることが
課題となる.
係をインビーダンスで
規定し,
この論文は,テレイバジスタンスシステムの
一部を戊
p
この制御では
ボ " トと 環境との動力
学的相互作用をインピーダンスの
変化としてとらえる.
し ,高度に臨場的な
操作感覚を得ることができる
,イン
これは具体的には
ロボ " トの 見かけ上のダイナ ,クス
ビーダンス制御型マスタ・スレーブ・システムについて (慣性・粘性・弾性) の変化として現れる.インビーダン
述べたものである. このシステムは
,操作者の手で
対象
ス制御の中心概念は
, p ボ " だけでなく戸ボ " トと 環
ト
物を直接操作しているかのような
感覚とともに,操作者
境とを統合して制御対象とみることを
示しており,未知
の操作能力を拡張させる観点から,状況に応じて
種々の
の環境を同定したり
見かけ上異なる動特性を持つ環境を
操作感覚を実現することを目的としている.上記の
操作
つくりだすといった「
p ボット十 環境」の制御という方
感覚を実現するため
, 各マニピュレータの
手先に任意の
向へ応用でき,本研究で取り扱うマスタ・スレーブ・シ
動特性を独立かっ
直接に設定できるシステムを
提案する
ステムにおいても
有効に利用できる',3).
等物理条件・伝送遅れ無しの条件下におけるインピー
杓 マスタアームとスレーブアームが
同形状・同動作速度・
同
入出力条件で
動作する場合,その
条件をここでは
簡単のた
め等物理条件と
呼ぶ・
JRSJ@
Vol , 8@ Na3
一一
ダンス制御型マスタ,スレーブ・システムは
, 先に説明
した我々の目指すシステムの
基本部分をなし,マスタ・
2
一一
June,
1990
インピー
(1)
制御型マスタスレーブ・システム
ダソス
243
スレーブ問で
伝送する・ ぼ 報により以下の4 つの墓木型が
F2 は各々マスタとスレーブの
内部トルク,れは対象物
考えられる.マスタの
操作力をスレーブヘ伝え環境から
からスレーブアームへの
反力,
力情報伝送
スレーブへの
反力むマスタヘ伝送する双方向
スレーブの位置を
,
マスタの運動をスレーブ
ヘ伝えスレーブの
方式 CD-F),
だ Cl.C2
Ⅹ" Ⅹ,・ ほ各々マスタと
Ⅹ,は対象物の
位置偏差を表す.ま
さ
はここで提案するマスタ・スレーブの
制御手
法を表す.ここで各インビーダンスの
慣性・粘性・剛珪
(M-F),
反力をマスタヘ伝送する運動一力情報伝送方式
の行列,各位置Ⅹ" Ⅹ,
あ るいはその逆の
力一連動情報伝送方式(F-MI), 及び
は 6X6
双方向とも各アームの
連動を伝送する双方向運動情報伝
はそれぞれ6 次元ベクトルである.
送方式 (D-M)
と
各カ Fr,,FI,F2,F"
①双方向力情報伝送方式 (D-F) でほ,各アームに
カ
である.
各制御手法を以下に説明する・まずマスタとスレーブ
センザあ
るいはトルクセンサを
装着しマスタの
操作力と
・
が同じ動特性を持っているかまたは
各アームをインビー
スレーブの反力め 清 報を得てマスタ・スレーブの
双方回
ダンス制御するりことで
同一の動特性を有しているとす
に伝送する.マスタの操作力はスレーブの内部トルク
,
る.その時のマスタ
マニピュレータの
状態式及び制御式
スレーブの得る
反力はマスタの内部トルクとして
出され
を次のように表す.(操作者の動特性も含めて一般化し
マスタとスレーブは
対称になっているのが
特徴である・
た場合についてはAPPENDIX
制御手法としてほ, (2),(4)
B 参照)
尹 0々 M0 Ⅹ" 十 B0 Ⅹ" 十ぽ0Ⅹ"Ⅰ Fl
Fl
一
@.@
@ @-
C
二
Ⅰ
C Ⅰ艮一 %㌣。
(2)
C2
スレーブマニビュレータの状態
式と制御犬は 次の
ように表される.
F2
二五%X,
十 B0 Ⅹ, 十 K 。 Ⅹ,十ガ
,
但し,CM0 , B,,K0)
さ
ラメータ (Mn,BBn,Kn)
"ピ ー ダンスパラメータ
,
ロ
一
Pe
「
ao
丁
ダ0
ほマスタへの"操作力,
。
正
Ⅱ
l Pe a
Ⅲ
巳
NaS
に』Ⅰ。
十
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Force@
Method
十
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Ⅱ
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Ⅱ
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Ⅱ
anlpUlato
T0rqUe
Cc)@
Ex
Force-Motion@
十
「
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Transmission@
学会誌8 巻2 号
Ta
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「
Method
Fig , 1@ Impedance@
日本ロボット
巾
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Sl
「
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一
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七
Ⅱ
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往
Ⅱ
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エ
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Ⅰ
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(.nⅡ trol0 lle
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一
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Ⅰ
アせ
Controlled@ Master@ Slave@ System@
h ethod
Otio Ⅱ
0%i0n
Dual
Ⅰ
Transmlssl0n
p
Ⅱ
Fe
Motion@ of@ Slave
cCeControlo led
Vs@ Target@ Motion
。
士
Slave@ Manipulate
つ
Impedance,ontrol〕ed
ユ
「
EⅩ e nれ l Force
一
lS e
of
r0lled
ManlpUlato
Cb 、l Ⅳl0tlon- 0rce
Transmission@
上
T0rqUe
Ⅰ
四
Operaatnr@s Forne
@nner
V
C0n
十
Dual@
(a)@
e
て
TO
り
Motion@
l pedance
で
Ⅰ
Ⅰ
Slave@Manipulator
qe
Ⅱ
れ
rolled
ハキ
ユ
且 1,
l ne
Ⅱ
l ped nCeC0
二 Ⅹ,づⅩとなる.これと
式 より操作力 と反力め 関係は,
月 0丁 (ル
fo Ⅹ+B0 Ⅹ十 K,X)+F,
Ⅱ
OrCe
Ⅰ
(1),(3),(5)
Ⅱ
0llP
Ⅰ
(8)
0
Ⅰ
「
は対象物のイン
@s Fo 「「Ce
ド
二
を各アームに設定すること@こよ
クョ 0 となり,
漸近日りにⅩ℡
り
マスタアームと スレーフアームの
ま
インピーダンスパラメータ
, (M,B,K)
式よ
Ⅰ
乙彦
丑
十 Br,ど十 Kt,e
( )
Ⅹ,
( )-(4),C6),(7)
従って 2.2 で述べるよう に適当な目標インピーダンスパ
(4)
+BX, 十 K
(6)
(7)
E0
z 二 Ⅹ" 一 Ⅹ,とおいて
,
,
(3)
さらに,対象物の
状態式を次のよ5 。R@ 表す.
F, 二皿ⅠⅩ,
二
とすることにより
得られる・
り
ガ 2 二 C2
式で,
(1)
TransmiSsi0
Motion@of@Slave
ュ五エ eth0d
(MSS)
1990
年f 月
,運
制でま
ンれげあ
スく
動
寺
と
る
べ
,
)
と
, るに
輔よ
物
象巴
よ
マ
は
村
す
射
方
春力Ⅰ
障
十ン︶
象はか
方たく
る双を @
:
カ
あ
④
報
し
反
@
/
情
刃広 士
天の
力
のめ動
運 9操
件
0
F,れにれ㏄
方
一
メ
ンり@
く@
Ⅹ
とカ
る
連送
ス
こ
|
件
れ
一
る
操
さ
力を
カ伝
ヘ
てカ
す
り
③
作
と
よ
と反
と
の 表
と
操タ
スし
リ
︶
Ⅰ
乙
.
ソ
︶
(
一
14
/
un
イソ ピ
@ ダンス制御型マスタ・スレーブ・システム
(1)
245
報を推定することによ り運動一カ・ ぽ報伝送方式あるいほ
T-l 且
T二,
(26)
ニヅ
"..
カ一連動情報伝送方式への
変換は可能である・但し,さ
らにこれを双方向
力宿報伝送方式に
変換することほでき
そこでノルムの性質より,
ニ
・
¥¥sⅠ @ A l= lTT-,(sL-A
玉・
lT(s Ⅰ一刀
ない.しかし,第3 童以下に述べるよう に,対象物めそ
)TT、
方式においても双方
デル化を行5 ことによ り,いずれの
川
) 「 -川
向 力情報伝送方式と等価となり,さらに
伝送遅れにも対
応することが可能となる・
T lH「 -川
xV(s-H@@+-+<
.s-) , ,)2
以上のょ 5 に, 力センザ をマスタあるいほス ヒーブの
(27)
いずれかにじか
装着してし、
な 。場合でも,力 情報の推定
従って,
Ⅱ
。 こより 両 アームで力情報を直接計測するシネ
テムと同様
Z(s 、)..三 。 1わ l Ⅲ400l.ト Ⅰ一九・。 '
ニ lisl@ ルダ 0.llT l,.lTⅡ
X
の効果をあげることができる・なお
,以上述べた変換の
(28)
(($ 一 Al)2 千 … 十 (5 一 A。 )弓
逆方向の変換も可能である.各制御方式の
特徴と各方式
間の変換を整理してⅢK.2
以上よ り,特性方程式の
各根ル (i二 1,.,,,6) の 実部を
絶対値の大きな負の値にしだとぎ
Ⅱ
Z(s).l を 十分小さな
と
TabIel
Kこ 示す
3. モデルを利用するインピーダンス 制
M0 . l を十分小さな値
値にするには,慣性行列のノルムⅡ
御型マスタ・スレーブ
にしておくことが
必要であることがわかる・
具体的には,
l を計算しこれが 制御系に不安定を
先の定義から・Ⅵ.
ここではインビーダンス
制御型マスタ・スレーブの
基
こ なる・なお,これ
もだらさない
程度の値に抑える二と。
本的な構成と ,
を零と置いた場合が理想応答に相当する・
ル化を行い伝送遅れへ
対.応する方法について
述べる.
このシステムを.応用して
対象物へのモデ
3. @ システム構成
まだ,2.1 で説明した残りの3 種の方式については
,
インビーダンス
制御を,テレイバジスタシスモードに
対象物がスレーブアームの
共振周波数で振動するか,あ
るいは操作者がマスタをその
共振周波数で操作しだ場合
には,システムに不安定を
生じさせることがある・それ
こ よるが,
は各方式が力情報を
直接計測していないこと。
山
双方向運動青報伝送方式を除き,アームの連動から
力情
同
カ情報伝送方式から
双方向力 情報伝送方式への変換は運
動一力情報伝送方式の
制御犬 (11) を次のように改める・
C2=M0%
℡
+B0 Ⅹ" 十 K0Xm+
これより操作
力 と反力の関係は (9)
ダ。
F0
運動一力情報伝送方式は
式 :13),(14) に示しによう 。 こ
対象。物からの反力によっては発振する
虞がある・運動一
Xs
報を推定することによりり 双方向力情報伝送方式と等価
な システムに変換することが
可能である・
口
一
F
(29)
式 と等しくなり
,
双方向力情報伝送方式と等価となって安定性が保証され
C2 = lM0
Ⅹ皿
+B0
- [ no
XS
+
カ一連動情報伝送方式では
式 (17),(18) に示しによう
Ⅹ皿
B0 Xs
に操作者がマスタを
離しだときには 召 ∼0 となり安定す
るが,操作している
限り
6%0
で操作力に対する強制振
動となり B0 を大きくしないと
発振する虞がある・カー
運動情報伝送方式を双方向力情報伝送方式へ変換するに
は,九一連動情報伝送方式の
制御犬
又, +50 文 , 十 K, Ⅹ,+F0
すると操作カと反力め 関係は
も
i[on of Obj.ect
M@n@
D.
(30)
一
(9) 式 と等しくなり,双
APpllcGaⅠnle
一
士
0 %h
Fig. 2 ClasSi丘 cahon
MSS
双方向運動情報伝送方式についてほ
,同様にして力信
学会誌s 巻 3 号
XS
回
Identlfica
方向力情報伝送方式と等価となって安定性が保証される
日本ロボット
Ⅹ
+ Ⅱ0
(15) を次のように
改める.
CI=Mo
+ 0Xm
。
"一
ヒ
Sys
七日
皿竹
i
て
h. Ti 皿 te Bel こ y
of Impedance
Controlled
1990 年 6 月
インピーダンス
年何型 マスタ・スレーブ・システム
(1)
246
A ⅠⅢ
・
S lave
Compu
Fig
・
3
士
Hardware
e
ColulnUnl
Concept
of
に示す.操作者はマスタ
マニピュレータを
動かし
てその動作をスレーブ
側へ伝送し,スレーブマ
Ⅱ
C0mPU
ト
あ るマスタ,スレーブ・システムヘ 応用しだ概俳図を
Fig.3
@on
Cat
__ ピュレ
一タ はこれをもとに
対象初に対して作業を
行う・一方,
e
十
as
士
e
A
Ⅰ
Ⅰ
ru
Ⅰ
Impedance Controlled MSS
レータを操作して
作業環境と接触させる・
作業環境の
ュ
真のインピーダンスと
先の仮定との差を倹出する
@
と
より,作業環境のインビーダンスを
同定する・これは
ノ、
間が晴闇の中で手探りで物を認識するようなもので
,何
マスタ側ほスレーブマニビュレータが受げだ反力を計測
もなL 屯 思っていても手がぶつかって跳ね返されれば壁
あ るいは推定しマスタマニ
ビュ レータを通じて
操作者へ
があると認識できるのと
同様な方法である.
返す・スレーブマニピュレータが
作業を行う環境を,刈
ータ自身の動特性は
例えば舘ら2lの手法によりあらかじ
マスタ側では作業環境を
象物も含めて作業環境と
言う .
元にしたモデルを
構成するが,これを操作環境と
言う.
ハードウェアの
構成については,シイテムはマスタシ
ステムと
る .アームのセンサはその
運動を計測しコンビュー
タ
に
送信する・コンピュータからは
出力トルクの指令をアー
ムヘ伝える.コンビュータ
は,
レ
め同定しておくが
, このことでマニビュレータは自分の
中に一種の物差しを
持つことになり,ぞの動特性を用い
て環境を" 走するわけである・
スレーブシステムの
二っから或る.それぞれの
アームは各システムのコンビュー
タ に接続され制御さ
牙
T
マニビュ
対象物が未知のインピーダンスパラメータ (Mob,
Bo り , KoW)
を持つ一般の場合に,これを同定する手法
を説明する・マニピ ,レータの連動方程式が
次で与えら
れているとする・
アームのコントローラと
Ⅰ
けキ n"
(31)
7Ⅰ 十 Ⅰ T正㌦
け二
環境シミュレータからなる.コント
月一うは各アームが
但し,f,D" は各々マニビュ レータの慣性行列と
粘性行
目標インピーダンスに
基づいて運動するよ9 に出力
列,
クの指令を出す・
環境 シ
;
ュ
T" はアクチュエータの
出力。ルクベクトル, ダ 。 ほ
レータは,センサ
情報と出
力 トルクにもとづいて
, 自律的にあるいは操作者からの
ル ,
Table
クは回転角度ベクトル
,Ⅱ ほヤコビ
Classification
1
of!mpedance
Controlled
MSS
指令により各環境のモデルを
作成する.マスタジステム
と スレーブシステムは
, アームの連動あ
るいほ力につい
ての,清 報を相互に通信する
3.2
D
未知の環境の同定
一
F
I F
几
一
F 一礼M D
一
宇宙空間の様に非常。
こ 遠隔た場所で
,操作者に見かけ
正伝送の遅れがなく
作業結果を伝えるには
, スレーブ側
の 環境を基にしだマスタ
側の環境モデルの
作成が必要で
Forces
㏄ oth Si 而或
Forere
and
Ⅰ
あ る・すなわち,スレーブを動作させることで
環境のイ
ンビーダンスを
同定 し ,
これを基にマスタ
側でスレーブ
MMOtl
の 環境モデルをインビーダンスで
記述する
以下の例を考える
前提として,各 マニビュ レータが固
右 に持つ動特性 (慣性・粘性・弾性) は既知とする.
作
業環境のインビーダンスを
仮定し, 小さな反力でも検出
Motions(Both@
Sides)
Notes@:@@...Can@ be@ realized@ without@ transformation
of@ the@ control@ equation
できるようにある程度低いインピーダンスを
持ったスレ
"Can
ーブマニピュレータを
, 自律的にあるいはマスタマニビ
..Cannot
JRSJ@
VoL8@ No .
3
一 6 一
be
control@
realized
equation
be
realized
by
.
transforming
the
.
・
June,
1990
J/
一
す
援一
Ⅹ,
速
度
圭@@
際
献
・
Ⅲ@
一
泰ビ
榔マ
章
Ⅱ
口
Fm 二 D イⅩ0一 XD
For
十 K ⅩX0 一 Ⅹ")
(38)
また,マニビュ レータから与え
- られだ方ア 帆に対し,対
象物の接触前の速度Ⅹ。がわかっているとすると
,
﹂
F""
二
D0b,(X, 一 Ⅹ,) 十 K0Dj(X 。 一 XD
(39)
(37) ∼(39) より,求める
対象物の粘性係数B 。 げは次
のよ 5 に求められる.
D0 り 二 D 択Ⅹ0一 Ⅹ。)(X 。 一 Ⅹ。)-,
ひ0)
以上の手法と同様の方法を用いて対象物の慣性 M0i,
Ⅱ aniPul
を求めることができる・その
結果のみを以下に示す.
Ⅰ
Mo 刃二 Md(- Ⅹ0一ア, x( あ ー Ⅹ,)-,
Ⅱ
Odel
にひとつひとつ求めだが,マ _
・
Error
on
て
r
0
も
乱 ¥e
る・なお同定を
正確にするために,場合によっては
対象
A@m
Fi ご,.4
物へ接触する際にその
速度を零にする杓 .
Impedance
ControIled MISS
System
with Time Dela Ⅰ
for rhe
3.3 操作環境モテルの作成
ここではスレーブシステムの
作業環境モデルをもとに
マスタシステムの
操作環境モデルを
作.成する手法を
考え
アンの転置行列であ
る.
マニビュ
レータを対象
物に接
より,全部のパラメータを
同時に求めることも
可能であ
Ⅰ
Slave@ Arm
士
ビュ
触させてその全体のステ" ブ 応答などを測定することに
一旦
Mlo i0n
o sl
(41)
なお,ここでは
対象物の 動特性をそのぷ ラメータごと
る.
レータの目標インピーダンス
zM(5) を,
Z(s)
二 Ⅲ㍍
S 千 Bd
十 (り 5)Kd
まず,環境モデルに
於けるインビーダンスを
次のよう
(32)
とすると,マニピュレータの
見かけ上の連動方程式は
次
に定義する・一般に環境を3 次元空間としてニ ピュレー
のようになる.
タの動作自由度を6 とすると,環境モデルの
各座標に対
F 。 二 Md(X
一 Ⅹ0) キ B ⅩⅩ一 Ⅹ0) 十 K 択Ⅹ一 Ⅹ0)
』
し 6 次元のインビーダンスベクトルを
考えることができ
(33)
ここで [Ⅹ0X0
あ
る・
Ⅹ。アはマ _- ピュレータの 目標運動で
zm Ⅹ ) 二 [Zpl ,p,
できる'向
(但し
・
X ニ LW))
の位置及び座標系の
方向に放いて一般に異なっている.
従って,各マニビュ レータを等しい
目標インピーダ シス
T" 二 (L 円 M ガソ十 (D" 一円 Md Ⅰ一円Bd7)d
十 ⅠⅡ M" Ⅹ十坑Ⅹ十 K ⅩⅩo一 LW の)}
(ベクトル,以下誤解を
生じる虞のないときは省略)
マニビュ
(34)
レータは仮想平衡
点 Ⅹ0
対応をつげ,対応する
座標のインピーダンスを
等しくす
れば良し
、.
そこで次の写像グ を定義する・写像 月は ,作業環境
と対象物 との最初の接触点Ⅹ,の
間のある 点 Ⅹ。 で静止
する・
この時,見かけ
上 マニピュレータ
は対象物である
K イXo
一 Ⅹカ
モデルの座標から
操作環境モデルの
座標への一次変換で
あ る・写像r @よ,
バネに対し次の
反力正 " を与える.
ダ鵜二
の 三つの操作からなる.すなわち
座標間の原点を一致させる操作 TRNSC.),
(35)
まだ,マニビュ レータから与えられた
カダ仰に対する対
を一致させる 操作 ROTC.),
豪物の動・作は,
7% 作 SCLC.) である・
「(.)=SCL(ROT(TRNS(.)))
Ⅰ 制二 K0b,(X
。 一 Ⅹカ
弾性係数 K 。 03
(35), ㏄6) より求める対象物の
(36)
二
Ⅹ㎡Ⅹ0一 Ⅹ,x( Ⅹ,一 Ⅹ。)-,
㏄7)
次に,マニピュレータが
対象物に接触している際の速
度を一定すなわち
加速度を零とする・
外力 ダ m" に対する
日本ロボット
学会誌8 巻 3 号
座標の方向
座標をあるスケール倍する
(43)
このとぎ作業環境モデルと
操作環境モデルが
一致する
ほ次の
ように求められる.
KoD,
に
沿って動作させるためには
,異なる座標系間に1 対 1 の
まず,対象物が未知の剛性を持つバネの場合,速度・
加速度を零とすると
,
(42)
作業環境と操作環境は
各絶対座標系のスケール
,原点
アクチュエータの
出力トルクを以下のように決定
すれば,(32) 式の目標インピーダンスを
実現することが
侮, z,, zr2 z,3 」,
杓 杏仁ら Ⅲは,対象
物の コンプライアンスを
測定しマスタ 側
の制御ルーブに
逆送するバイラテラル
制御法を提案してい
るが,特にマスタ
と スレープの間に
伝送あ るい ほ 制御の遅
れがあ る場合に対象物を
同定するときほ
,対象物への
接触
速度を零にすべきことを
報告している。
一 7 一
1990 年 6 月
障
248
榊
泰
輔
ことを次のよう 。 こ 定義する.すなわち
,作業環境モデル
となる.従って
操作者は対象物を
直接操作しているがの
0 座標 Xt
ような臨場感を
持つことができる.これはインビーダン
。 こお げろ インピーダンスを乙,座標Ⅹ,に対
心する操作環境モデルの
座標Ⅹ 0 におけるインピーダン
スを
zr0 とすると,
Fig.I(d)
ス制御型 (双方向運動情報伝送方式,
参照)
効果は他の3 種
を拡張しだものである. もちろん同様の
Z 。 (Ⅹt) 二 Z@0( Ⅹn)
ひW)
Ⅹ0= 「(Ⅹt)
ひ5)
類のインビーダンス
制御型に対しても可能である.
但し,
4.
である.
.伝送遅れへの 対応
宇宙空間の様に非常に遠隔た場所では,マスタ
側とス
従って,環境モデルを
一致させた後 マスタマニビュレ
ータの連動Vm
をスレーブシステム
ヘ送信すれば,スレ
レーブ
側 との伝送遅れが
大 ぎくなる.特にロボ " 。 と操
作者との間にフィードバ
" ク 等のルーブが存在する場合
一ブマニビュレータは目標とする
運動 ヴ,に
対しマスタ
にほ,伝送遅れが
大きくなる種目ボ " トの 動作は難しく
と等しい目標インピーダンスに
沿って動作することにな
なり,安定しだ
制御を行う ためにはロボ "
る
.目標とする運動 八は次式
フア
ぱ
2 (Ⅹ ) 協 (Ⅹ ) %
佛
佛
操作せざるを得ない・
(46)
Ⅹ℡」
/r
る二
Ⅴ
(.
Ⅹ
)・℡
(47
Ⅰ
)﹃
(
℡X
(・r
Ⅹ
(
佛
(r
d
2
Ⅰa
ー
が
3
﹂
る・
従
って, このモデルを
操作者からみるならば,「操作者の
手 十 マニピュレータモデル」
十 「環境」というように
分げ
られるのではなく
,「操作者の
手」 十 「マニピュレータモ
デル十 環境」 [操作者にとっての見かげ上の環境 ・と解釈
される.即ぢ操作者は自分の手で (操作者にとっての見
コ
かけ上の環境コに直に接触しているような
感覚が生じる
3.4 対象物のインピーダンスを
利用した臨場感の
供
与
ス を同定しだとすると
, これを利用して
対象物を操作す
る 臨場感を与えることができる
例えば双方同連動情報伝送方式では
, 2.1
環境を基にしだマスタ
側の環境モデルの作成が必要であ
り,その作成や
記述の一般的な手法については示されて
工
バッシフ にんて安定性を
保つ方法を提案しており
伝送遅
れが比較的短い場合の有効性を示しだが,伝送遅れが
大
ぎくなると反力め 伝達性が悪くなりシステムが
発振する
という問題点が
残ってし、
る .
ここでは,インピーダンス
制御型マスタ・スレーブ・
システムの拡張性を
示す一例として,第3 章で述べたよ
うに,対象
初めインビーダンスモデルを
作成しそのモ
デルを各制御成の
中に組み込むことで
,見かけ正時間遅
れなく各アームを制御できることを示す.
伝送に要する時間を㎡とし 伝送遅れを,
Ⅹ刑 Cり二Ⅹ簾 (-t一ナ 複 )
Cl
(ぬれⅩれ十 B0 Ⅹ" 十 K0 Ⅹの
(且オ 。 Ⅹ,十 Bo Ⅹ, 十 K0 Ⅹ, ) 一は 1
(48)
(ルA0Ⅹ刑十 B りて 屋十 Ko Ⅹ血 ) 十 ㏄ 2
(49)
㏄ 1 二 ㏄ 2 二 M0 時Ⅹ佛十
一
Ⅹ
ダ n三ル
勾 p.lX
血十
二
ここでり二
3
M0 のⅩ, +Bntl,X,十 Karlガ Ⅹ,
(57)
Ⅹむ eづ0 よりスレーブはマスタに
時間
Ⅹ℡ 一
L@
の関係は,
Vol . 8@ No .
(56)
(51)
において漸近的にⅩ "。 二 Ⅹ,づ
Ⅹとなり, 操作力 と反力
F0 二 F 。 二皿ぬ p7X+B0 のⅩ 十 Kao 戸 X
1?0oJX皿十 Katlビ X 施
F" 三 %勾刀 Ⅹ℡ 十 B0bj Ⅹ佛十 K0fnガ Ⅹ
何
として制御
式ひ 8),(49) の中に組み込むと
, CD),(3),
0
一
となり,結局操作
カと反力め 関係は,
ぴ8), び9) の各式より臨界制動となる
よう に適切な目標
インビーダンスパラメータ(Woo,.Bo,.Ko)を設定すれば
,
ニ
一
十 (ル
40D, m。 十 B0oJX 卸十 K0bj&Ⅹ℡) (55)
Bo り Xm 。 十 K.0h戸 Ⅹ℡㏄0)
五
% る +Bo ど十 K0e
(MobjX佛十 B0DjXm。 十 K0D ガ Xm) (5 の
C? 二てル40Xm
一。 +B0X 一卸 上, K0 Ⅹ
一")
"
とし,対象
初めモデルを3.3 節にならって,
JRSJ@
二
一
二
(53)
と表すと,
3.4 での制御式 (48),(49) より,
の制御犬
Ⅰ
ら 円ほマスタ・スレーブ
間の伝送をアクティブに
制御することで‥ンステム
全体を
で,
C2
こうした問題に対し, 神徳・谷
クを用いる
ル のマスタ・スレーブ
マニピュレ
ことによりバイラテラ
前節までに説明した方法により対象初めインビーダン
C
をゆっくり
江川は環境のモデルを
墓に視覚フィードバ,
いない.まだ,R.J.Andderson
環境モデルとは,見かけ上のマニビュ レータモデルと
見かけ上の作茉環境モデルとを合成しだものであ
C2),(4)
ト
ータを構成する
方法を提案しているが
,スレーブ側の
実
﹂
-︶
り
よワvS
Ⅱ" 目
のように求められる
F,= 九%tl@Ⅹ十戸owJX
@ 十 K0b,8X
C5 の
(58)
より
一 8 一
June,
1990
スレーブ・システム
(1
インピーダンス
制御型マスタ
(59)
F,( t-td)=F,W
・
5.2 力帰還型とインピーダンス
制御型の上
ヒ較
Fig.6 。こカ 帰還型 (Fig.6(a)), インピーダンス制御
すなわち操作力 F 。 と皮力 F, は時間切だ け遅れて一致
する.CFig.2 及び
249
Ⅰ
Fif.4 参照)
型 (双方向力情報伝送方式,双方向運動情報伝送方式
)
この制御システムの
特徴は,作業環境での
実際の反力
でのマスタ・スレーブの
位置と操作力
・
反力の時間履歴
を計測することなしに
操作者に対する反力を操作環境モ
を示す.アームの目標インビーダンスの
仮想慣性 Mo を
デルを用いで
推定することにある・従って,マスタ・
ス
十分に小さくすると(本実験では M 。 二 0 05
レーブ間の通信時間に
起因する伝送遅れ用が存在する
た) 力帰還型よりインピーダンス
制御型
・
場合,スレーブマニピュレータはマスタ
マニピュレータ
「
ke コとし
(双方向力情報
伝送方式) の方が位置・反 力の追従 牲が 良、
・、 (Fig.6
に対し時間切だ げ遅れた動作で追従するが,モデルか
(b)).
らの反力が返ることで,操作者は時間遅れなく
反力が返
式) ではマスタとスレーブの
位置誤差ク から反力が与え
る
ょ
られるが (Fig.6(c 刀,対象物のモデルを制御系に
挿入
5 な 感覚を得る・
また,
インビーダンス制御型 (双方向連動情報伝送方
このシステムは
対象物のモデルを利用すること
すると位置・圧力の追従性は良くなる・
により非常に
大きな伝送遅れに
対しても対応できる・
(Fig.6(d))
こ
こで,アームと
対象物の 動特性を各々次のよ に設定し
ウ
C56 、1 式のように対象 物 モデルはマスタ
側だけでなく
すい,
@
っ .
スレーブアームの
制御にも組み込まれているが,スレー
Mo
二
0.05 [kg 」, 召 0%0.4
ブ側では対象
物 モデルから計算したアームの
動作と実際
K:O=0.g
,
の対象物を把持しているアームの
動作を比較することで
,
M
実際の対象約0 インビーダンスとそのインピーダンスモ
K 二 l0.0
デルとのエラーを
検出する.検出結果
は常にマスタヘ送
[N/m
二 0.2
コ
[kg 」, B=0.0
「
[N/(m/s)]
LN/(m,sjl,
呵 ml
ここで,アームの
目標インビーダンスのうち
仮想貰性
Mo についてほ,実験による
試行錯誤。
こより本美
験装置
信されるが,大きなエラーが
検出されだ場合にはスレー
ブの動作を停止させるとともにマスタに
警告を発する・
に対して安定性を
保証する最小値であることを確認して
その場合,操作者は
再度同定作業を実行するよう 命令し,
いる.他のインビーダンス
"
よ り正確なモデルが・
作成されたならぱ操作者は再びマス
にしだがって求めた.
ラメータにつ@。 、 ては 2.2 節
の 操作を続行する.CFjg.5 参照)
回。
5. @ 実験装置
"
実験に使用しだマニピュレータりは垂直参関節型であ
エ
er
nofnh.ect
Ⅰ
T"
9 3 目白度を持つ・アクチ
ユエ 一タとしてほ
正確な内部
「
@
一夕を採用したダイレクト・
各軸 とも
る⑥・
ドライブ方式であ
aS
.
モデルを推定するにめと
精密な力制御を行うために DD
( ダイレクト・ドライブ
)
1
S@
5. 制 御 実 験
Inland 社製の DC
ト
ルクモータを使用している 制御回路の構成は, 各軸に
配置しだ2000 回ァの ロータリェ ンコーダからの
信号を4
,后倍して" ソコ刈r 送り込み,回転角度・
角速度・角加
速度を計算した後,各制御犬に示した適当なゲインをか
けてモータ
ト
"
ク
とし,サーボアンプ
ヘ出力し電流制御
を行う.プロバラムは
C
で記述され,制御周期は
3¥m 呵
でめる.
実験でほ二のマニビュレータの第1 軸を固定して2 車
イ;:
'。 cpe
ance
由
一
の DD
ロボットとし
, これを水平方向のⅠ
軸 マスタマニ
ご
Ⅰコ三こ
零で
ビュ レータとして
用いる.また,スレーブ
マニビュレ一
②
アームと対象初めイ
ン
Co
タ 及び対象物は計算機内でシ、ュ レーションを
行う ・各
ビーダンスを
設定し, マスタマニ
nte
r
al
O
y
膵h
﹂
Im TN"l
ow
一一
f
0m e
9
同 S
nh
一一
r
Ⅰf
学会誌3 巻 8 号
ト
M
日本ロボット
の ㈱
Fi
ピュレータを
操作者が動かして,マスタとスレーブの
連
動追従牲及び操作力 と反力の追従性を
計測する・
1990 年 6 月
-相口
枯
250
口
且
凧
立
泰
輔
0 機械的インピーダンスを
直接かつ独立に
制御可能で
5.3 伝送遅れへの対応
タ
5.2 と同じ条件下で0 軋目の伝送遅れのあ る場合を
あ る・システムの
基本型でほ各マニピュレータの
動特性
設定する・第4 章で述べた対象物 の 動特性を含む制御式
は等しく,操作者が対象物を直接操作する
感覚を近似的
・
F 憶 6(e)
を用いる・
に示すよさに,スレーブはマスタ
・
,マスタ・スレーブ
間で通信する・
ぼ報
に実現する・また
に 0.5[s コの伝送遅れだけ遅れて動作するが,操作者へ
0 @l
.
の 反力は遅れなく返ることがわかる・なお
, 5.0[s コ あ る
Ⅲ
MASTER
/
い ほ 50.o[sコ といったより
大きな伝送遅れに
対しても同
様の結果が得られ
だ.
SLAVE
6.
ま
と
め
2
-0.
l@l
本報告は,テレイバジスタンスの
研究の一環として
,
高度の臨場感を持つマスタ・スレーブ・システムを
開発
MASTER
することを目的としている・このシステムを
構成するに
あ たり基本となる
概念としてインビーダンス、
制御を採用
・
した・環境をリアルに
把握しさらに環境を制御して人間
SLAVE
にとって理想的な
臨場感を提供するシステムを
目的とし,
その基本部分の設計を行った.
(c)@
Dual@ Motion@
Model
このシステムは, マスタ・スレーフの
各マニピュレ一
0.
ユ
[ml
Transmission@Method@
without@ Object
l
0.
"o @
00
(d)@
(a)
Force
Feedback
Method@
with@ Object
Transmissioa@
Method@
with@ Time
Ⅰ
.
2
-0.
2
o@
Transmission@
古 ode@
Type
02
.
Dual@ Motion@
[@l
lm
[m]
3.@
-2.@
0@
[N]
0@
[
fet@
(b)@
Dual@ Force@ Transmission@
Fig , 6@ Simulations@
JES.T Vo1,8 N0 月
Method
Dual@ Motion@
Delay
of@ Force@ Feedback@ Type@ and@Impedance@
一
10
一
Controlled@ MSS
June,
1990
イソビーダンス
制御型マスタスレーブ・システム
(1)
を従来と比べ少なぐし,制御系をょり里沌にしているた
め,実際のシステムを
構築するのが容易である. さらに,
pp , 77-84
17)@
本手法は従来の手法を一般化しだものであ
るが,それだ
B
・
,
25@
1983.
Hannaford@:@A@desi
with@
kinesthet@@
Autom
. :@Vol ,
5,
色 Ilne
ef
n@framework@for@teleoperators
feedback
4,
al.:. A
No
.
,
IEEE@
けでなぐ,様々な
作業内容や操作環境に
適応できる柔軟
J.Dudra
性をも備えている.応用例として
,伝送遅れに対応でき
applied@ to@ master-slave@ manipulators
pp.435
マニピュレータを
用いた実験にて検証した.
eneralized bHateral
,
contro@
20@th@ ISIR ,
A. 従来のバイラテラル
系の特徴
1) 力 帰還型の特徴
マスタの運動方程式と
制御犬 ;
F0 丁 且勾 X 挽十 B0 Ⅹ・ m 十 Fl
参 考 文 献
CA-1)
CA-2)
Kf( 、 Fe 一 F0)
二
スレーブの連動方程式と
制御犬,及び対象物の連動方程
舘 ぽか: テレイバジスタンスの
研究
第 1 報,第21
回
ヰ
ハ,
・
手術講演会ヰ
稿集 , 1982.
舘 , 榊 ぽか:刀 センサを用いないダイレクト・ドライブ
マニ ピュレータのインビーダ
ソス 制御, 日本ロボット 手
合誌, Vo1.7, N0.3, pp.175-187, 1989.
研究 第 16 報 イソビ
舘 , 刷 : テレイバジスタンスの
SICE
F2 二 M, Ⅹ,+B, Ⅹ,十 K, Ⅹ,十 Fe
F2
二
(A-3)
K"( Ⅹm"一 Ⅹ, ) 十 Kp( Ⅹれ一Ⅹ
, ) (A 円)
几二MX,+B
Ⅹ, 十 KS Ⅹ,
ーダンス制御を
耳いだマスタ・スレーブシステムの
知的
とする・但し
, K ニ K"K"
隼 @,
御,第6 回目玉ロボッ。
宝合手術
講黄金予稿
集 , 19 双.
のフィードバ"
: マイクロマ
ニ ブレータのバイラテラル
制御に関す
る研究
曾
一 4442.
FI
福田
Rob
APPENDIX
是 に ,所
田長 り究る
官次だ所 す
所充 あ 前表
技 ,進 ,謝
よ矢 し機な
頃 ,中 富人
日長杣川 多
所 % 安ら
るス 研究 こ
調て
々,
ク一
水い
研こ
いテ に定に
頂ボま井卜
ることをDD
Trans .
1988.
ク
(A
一
5)
はそれぞれ力,速度,位置
ゲインである・マスタに
返る反力は,
Fn 二 (l 十 K,)- 。 (Mo ズ士BBOⅩ)
(インピータシス
対応型バイラテラル
制御万丈
と
+ (l+K,)--lK</F
。
(A 6)
マイクロマ
ニ ブレータの基本特注
), 第25 回 SICE 手術
講演会予稿
集 , 1986.
となり,十分にK, が大きげればガ 0=F" となるが,こ
百出,小菅
ら :仮想内部モデルに
基づくマスタスレーブ
一
ピュレータの
マニ
pp.
17 ㌃ 182,
制御, SICE
論文集,
Vol,24, No.2,
れは K
定性の解析,第
5 回目木ロボット
学会学術講演会予稿
集,
2) 力逆送型の特徴
マスタの運動方程式;
198 ア
横 小路: マスタ・スレーブ
マニ ピュレータの
制御の提案,第
27 回 SICE
学術講演会予稿
集,
動的
1988.
藤井まか: マスター・ スレ @ ブシステムの 適応制御, 第
6 回日本ロボット 学会学術講演会予稿
集 , 1958
吉川, 横 小路:種々の介在インピーダンスを
実現するマ
スタ・スレーブ
マニ ピュレータの
動的制御の提案,第
6
回日本ロボット
学会学術講演会予稿
集 , 1988.
: Beyond regulato ㎎ : m0d 甜ing control
N.Hogan
systems
as
Ⅹ" を大ぎくすることにっながりシステムの
発
振を招き易い・
1988.
操作性と安
吉川, 構 小路: マスタースレーブシステムの
吉 ",,
仲
physical
Pr0c.
systems,
C0nf., Vol.2, pp.146 打1476,
Am.
C0ntr0l
,Fn 二 Mn0X 篠十 B80X 庇十 F,
Ⅰ
ハ@ ,
・
ダ 2 丁 M, Ⅹ,+B, Ⅹ, キ f<,Ⅹ,手 F,
F2
丁
F, 三
1987.
Trans., Ⅳlarch l985.
impedance
Aut0m,
eXecuti0n
control, Proc.
Vol2,
of contact
IEEE
Int.
K.Tan
㎎叩
茂田
task
uピ ng
仁
Ⅹ, 十 K Ⅹ,
づ
(A
一丁
0)
C0nf.
Rob.
(A 臼I)
くなる・
3) 対称型の特徴
マスタの運動方程式と
制御犬 ;
and
Ⅰ etal.: Bilateralrem0tecontr0lW
れ hdvnanl
込
4th Ro-MIan-Sy, pp.296-308,
F0 二 %fo Ⅹ屋十 B0 Ⅹm。 十 Fl
Fl
: ダイレク。
・ドライブロボットの
K"(X
℡
(A
一 Ⅰ
2)
一 Ⅹ,)+K ㎡Ⅹ篠一 Ⅹ,) CA-13)
スレーブの連動方程式と
,制御式及び対象物の連動方程
開発とその制御
性能の評価,計測日動制御姉会論文集,
VoI,1g, No.1,
学会誌8 巻 3 号
二
ュ
ハ ,"
・
日本ロボット
一
% Ⅹ, +B
が,マスタのダイナミクスが
反力に加わり力の応答 ま .悪
1987.
reHection, in Proc.
一
となり,結果的にスレーブのダイナ・ミクスは
消去できる
ⅡI.1Ⅴ. Spong :Bi@ateral c0ntrol
of teleoperators With time dま ay, IEEE
Trans.
Contr0l, V0L34,
N0 . 5, Ⅳ
lay l989.
Aut0matic
R.J.Anders0n
(A 18)
K 。 CX 籠一 Ⅹ.s)+ Ⅹp(X 刑一 Ⅹ,) (A l9)
F0 二 (ルf0X+B0X) 十タ。
曲
:Stable
一の
とする.マスタに返る
反力は,
4 徳,杏仁: モデル利用,
ぐイラ テラルマスタ・スレーフ。
マニピュレーション
第 1 報 概念こ基礎実験,第
6回
日本ロボット 字会堂
術講貫合予稿
集 , 1988.
N.Ho 臼 an :lmpedance
c0ntrol part I-I1I, AS ル
IE
N.H0gan
(A
スレーブの連動方程式と
制御犬,及び対象物の運動方程
F2
二
% 。 Ⅹ, +Bn
ォ
Ⅹ,十ダ,
(A
一丁
4)
F 2 丁 K"(Xm 。 一 Ⅹ, ) 十 Kp( Ⅹm。 一 Ⅹ, ) (A 臼5
リ
一 1Ⅰ 一
1990 年 6 月
障
252
凡二M Ⅹ, +BX,
十 K さ Ⅹ,
(A-16)
刷
泰
輔
作者の手先の回性行列,粘性行列,弾性行列であ
る・こ
とする・但し 簡早のためマスタとスレーブは
等しいダ
れと,2.2 節より本手法を代表して D-F を採る・即ち,
イナ ; クスとフィードバックゲインを
持つとする・マス
CB-l),Cl)-(7)
舵十 Ⅹ, )} 十 F.. (A 丑7)
・
Fo 三けZ0(X ℡ 十 Ⅹ.s、)+Ba(X
より次の式を得る・
Fop 二 (且ォ 0。 十 M 。 十力の文士
(Bo" 十 Bo+B)X
十 (Ko" 十 K0+ K,lX
(B- の
タに返る反力は,
マスタに返る反力にはマスタとスレーブの
各々の運動に
五
% ろ十 B が 十 K0e
二 0
(B-3)
対するダイナ,クスが加わることがわかる・
(B-3) ほ C8) と同じ式でありシステム全体は
操作者の
B.
操作者の動特性を含めたマスタ・スレーブ・シス
動特性を制御系に加味しだ場合でむ同様に安定化する.
テムの制御系
また, (B-2) は筋力,
Fo" とその被操作物体 (腕 と% ニ
操作者の動特性を次の ょ 5 に仮定する・
ダ 00一 F0 二 Mo" Ⅹ℡ 十 BoopⅩ刑十 KKll"
Ⅹm
ビュ レータ
CB ,1)
一
ここで,F0p は操作者の筋力,
丑右仲 B00:lKo" は各々操
JRSJ@
Vol . 8@ No .
3
@@
と
対象物の 動特性の全体) との関係を表して
いる・ここで,操作者の腕の動特性 WO0s,Bup, ぽ。 " は筋
肉の状態によって
可変である・
12@ @@
J℡ ne@
1990