Equilibrium
原
Res
Vol.64(4)233∼238,2005
著
下 眼 瞼 向 き 眼 振 を 呈 し たbow
小林
hunter's
泰 輔 ・中 村 光 士 郎 ・寺 岡
A Case of Bow Hunter's
Stroke
strokcの
一症 例
正 人 ・竹 田将 一 郎
Presenting
Downbeat
Nystagmus
Taisuke Kobayashi, Koshiro Nakamura, Masato Teraoka, Shoichiro Takeda
Department of Otolaryngology,Ehime Prefectural Central Hospital
Bow hunter's stroke is vertebrobasilar insufficiency caused by stenosis of vertebral
artery (VA) at the atlantoaxial level by head rotation. A 52-year-old man complained of
dizziness during head rotation towards the right. Downbeat nystagmus was noted
when his neck was rotated to the right. MRI demonstrated hypoplasia of the right VA.
Angiography revealed the right hypoplastic VA ending at the posterior inferior cerebel
lar artery. The left VA was dominant and had normal flow with the head in the neutral
position. Head turning to the right caused complete occlusion of the right VA at the
level of the atlas and the patient felt dizziness. Surgical therapy was not performed be
cause he did not agree to the operation.
Key words: vertebral artery, stenosis, vertebrobasilar
は じめ に
insufficiency, dizziness
現 病 歴:平 成14年7月
1978年,米
国 の 脳 外 科 医 で あ るSorensenは
ごろ よ り,右 側 を 向 く と
浮 動 性 の め ま い と眼前 暗黒 感 が生 じ,意 識 が遠 の
ア ー チ ェ リー の 練 習 中 に 発 症 し た 脳 幹 梗 塞 の1例
く感 じが した。 め ま い は景 色 が主 に上 下 や 斜 め 方
を 報 告 した。 この原 因 と して 弓 を引 いた とき に強
向 に ゆ れ る感 じで,多
く頸 部 を 左 に 回 旋 した こ と に よ り頭 蓋 外 椎 骨 動 脈
旋 した と きに起 こ り,寝 返 りでは 起 き なか った 。
が 血 管 攣 縮 を 起 こ し た た め と 推 察 し,こ
難聴
呼 ん だ 。 そ の 後bow
れ をbow
hunter's
strokeと
strokeは
頸 部 の 回 旋 に よ り環 椎 ・軸 椎 レベ ル で 椎
骨 動 脈 が 圧 迫 ・狭 窄 さ れ,め
障害が生 じる
ま い,眼
hunter's
下 眼 瞼 向 き 眼 振 を 呈 し たbow
一 例 を 経 験 した の で 報 告 す る
既 往 歴:40歳
症 状や意識
1),注
strokeの
よ び座 位 で頸 部 を 右 側 へ を 回
旋 さ せ る と下 眼 瞼 向 き を 認 め た(図2)。
例
症 例:52歳,男
主 訴:頸
視 眼 振 や 自発 眼 振 は 認 め られ なか った。
し か し右 下 頭 位,お
。
症
腰 椎 椎 間 板 ヘ ル ニ ア の手 術
検 査 所 見:鼓 膜,外 耳 道 に視 診 上 異 常 を 認 め な
か った 。 聴 力 は 両 側 高 音 急 墜 型 感 音 難 聴 で(図
部回旋時に
hunter's
耳 鳴 の 自覚 は なか った 。 平 成15年7.月,左
耳 下 腺 腫 瘍 の手 術 の た め 当科 を受 診 した 際 にめ ま
い の精 査 を希 望 した 。
比 較 的 まれ な疾 患 と して 報 告 が 散
見 さ れ る 。 今 回 め ま い を 主 訴 と し,頸
くは座 位 で右 側 へ 頸 部 を 回
眼振 は
数 秒 問 程 度 で減 衰 した が,意 識 が遠 の くた め これ
性
部 回 旋 時 の め ま い。
以 上 の頭 位 眼 振 の観 察 は困 難 であ った。 頸 部正 中
位 では 小 脳 症 状 を認 め なか った。 温 度 眼振 検査 で
は 左 右 差 な く,半 規 管 麻 痺 な どを認 め な か った 。
愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科
(233)
Equilibrium Res Vol.64(4)
図1聴
力
図
図3頸
部MRA
右椎 骨 動 脈(矢
印)は 細 く低 形 成 で あ った 。
右 を 向 か な い よ うに す る こ とに よ り.支障が な く
日常 生 活 が 送 れ るた め,手 術 を希望 せ ず,外 来 で 経
過 観 察 中 で あ る。
考
察
冒 頭 に も 述 べ た よ う にSorensenの
図2眼
振 所見(赤
外 線CCDカ
メラに よ る観 察)
部 回 旋 に 起 因 し た 脳 幹 梗 塞 例 で あ っ た が,そ
bow
耳 下 腺 腫 瘍 の た め に 撮 影 し たMRIで
報告例 は頸
右椎 骨動脈
hunter's
strokeは
の後
椎 骨 動脈 が頸 部回旋 に よ
り環 椎 ・軸 椎 レベ ル で 機 械 的 圧 迫 を 受 け,血
流が
の 描 出 が 不 良 で あ っ た 。 こ れ ら の 所 見 よ り頸 部 回
低 下 す る こ と に よ り 発 生 す る 疾 患 と し て,1990年
旋 に 関 連 し た 椎 骨 動 脈 の血 流 不 全 が 疑 わ れ た た
代 に 入 り本 邦 で も1.に 脳 神 経 外 科 領 域 よ り報 告 例
め,当
が 増 加 し て い る(表1)。
院 脳 神 経 外 科 に 紹 介 さ れ た 。 頭 部 ・頸 部
MRAで
は 右 椎 骨 動 脈 の 描 出 が 不 良 で あ っ た(図
3)。平
成16年2月17日,脳
神 経 外 科 で 脳血管
頭 蓋 外 椎 骨 動 脈 が 頸 部 回 旋 に よ り狭 窄 し神 経 症
造
状 を 呈 す る 症 例 はSorensenの
影 検 査 を 行 った。 左 右 の 内頸 動 脈 造 影 で は 異常 を
が あ り,頸
認 め な か っ た 。 右 椎 骨 動 脈 は 低 形 成 で 細 く,後
こ とは 臨 床 的 に 知 られ て い だ
下小 脳 動 脈 で 終 止 し て お り(図4),左
が 優 位 で あ っ た が,後
側椎骨 動脈
第6頸
交通 動 脈 の 形 成 は 不 良 で
流 は 良 好 で あ っ た が,左
約40度
し,約50度
経 過:患
椎 か ら 環 椎 の 横 突 孔 内 を 走 行 し,後
方へ 曲
椎 椎 骨 動 脈 溝 の上 を 内 方 に 走 り,
め 筋 肉 や 骨 棘 体,変
椎 骨 動 脈 は 頸 部 を 右側 へ
け や す く,そ
回 旋 で血 流 は 完 全 に 遮 断 さ れ,bow
strokeと
。 椎 骨 動 脈 は 通 常,
大 孔 を 通 っ て 頭 蓋 内 に 入 る。 そ の 解 剖 学 的 特 徴 の た
回 旋 さ せ る と軸 椎 横 突 起 付 近 で 狭 窄 を き た
hunter's
部 回 旋 に よ り椎 骨 動 脈 が 狭 窄 し や す い
が っ た 後,環
あ っ た 。 右 椎 骨 動 脈 は 頸 部回 旋 運 動 を 行 っ て も血
論 文以 前 に も報 告
形 性 椎 骨 体 の 機 械 的圧 迫 を 受
の 好 発 部 位 は 環 椎 ・軸 椎 レ ベル で あ
る と 言 わ れ て い る 。 頸 部 回 旋 の 際,環
の 役 割 は大 き く,環
診断 さ れ た(図5)。
者 は 自動 車 の 運 転 な ど は し な い た め,
合,50∼70%の
(234)
椎軸椎関節
椎 軸 椎 の 固 定 術 を 行 った 場
可 動 性 制限 を き た す い と い う報
図4右椎
骨 動 脈 造 影像(a:正
a:低
b:椎
図5左
面 像 頸 部右 回 旋,b:側
面 像)
形 成 で あ る が,頸 部 右 回 旋 を行 って も血 流 に 変 化 は ない 。
骨 動 脈 は 後下 小 脳 動 脈 で 終止 して い た 。
椎 骨 動 脈 造 影 側面像
頸 部40゜ 右回 旋 に よ り環 椎 軸 椎 レベル で 左椎 骨 動 脈 が 狭 窄 し(矢 印),500回
旋 で完全 に閉塞 す る。
告 が あ る。 頸 部回 旋時 に は 回 転 側 の 関節 は 固 定 さ
れ な い 例 が 多 い(表1)。
れ て い る の に 対 して,反
動 脈 低 形 成 は ま れ で な く,Brownら
対側は 環椎 の 回旋 に伴
この よ うな 一 側 の椎 骨
は41例 中3
い,椎 骨 動 脈 が 環 椎 横 突 起 で牽 引 され 狭 窄 す る と
例 で 一 側 の 椎 骨 動 脈 が 他 側 の半 分 以下 の 直 径 で
考 え られ る 。Brownら
あ っ た と述 べ て い る 。 こ の 場 合,優
を行 い,41例
は死 体で椎骨 動脈造 影
中5例 で 頸 部 回 旋 に よ り椎 骨 動 脈 が
脈 の 狭 窄 が 起 こ れ ば,椎
位 側 の 椎骨 動
骨 脳 底 動 脈 の血 流 は 著 し
完 全 に 閉 塞 し,そ の 多 くの 部位 は環 椎 ・軸椎 付近
く障 害 さ れ,小
で あ った と報告 した 。 つ ま り,頸 部 回 旋 に よ る椎
神 経 症 状 を{.す る よ う に な り,本
骨 動脈 の 血 流 低下 は 生 理 的 に しば しば起 こ り うる
さ ら に 後 交 通 動 脈 のdo流 が 乏 し い 症 例 で は こ の 症
脳,脳
幹 が 著 しい 虚 血 状 態 と な り,
症 が 発 症 す る。
現 象 と言 うこ とが で き る。 しか し通 常 一側 の椎 骨
状 が 顕 著 に 現 れ る 。 本 症 例 で は 右 側 の 椎'旨動 脈 が
動 脈 が 閉 塞 して も他 側 よ りの血 流 が 保 たれ て おれ
低 形 成 で か つ 後 交 通 動 脈 の血 流 も な か っ た 状 態
ば,神 経 症 状 は呈 さな い 。 本 邦報 告 例 で も頸 部 回
で,左
旋 に よ り両 側性 に 狭 窄 を きた した1例
し て,め
を除 くす べ
側 の 椎 骨 動 脈 が 頸 部 回 旋 に よ り狭 窄 を き た
ま い や 眼 前 暗 黒 感 を きた した と推 定 さ れ
ての 例 で,狭 窄 を きた した 側 と反 対 側 の椎 骨 動 脈
る。 椎 骨 動 脈 圧 迫 の 原 因 と し て は 先 に 述 べ た 同 部
は 低形 成 で,し か も後下 小 脳 動 脈 ま で しか 造 影 さ
での 生 理 的 狭 窄 ・圧 迫 の 他,慢
235
性 関 節 リ ュ ウマ チ
EquilibriumRes Vol.64(4)
表1本
邦報告例
症 例1は 慢 性 関節 リュ ウ マチ に よ る環 軸 亜 脱 臼例,症 例9は 血 管 造 影 で は な く超 音 波 検 査 とMRAで
PICA:後 下 小 脳 動 脈,PCA:後
交通動脈。
に よ る環 軸 亜 脱 臼
や 近 傍 に発 生 した 神 経 鞘 腫 に
よ る圧 迫 が 原 因 とな っ た例
邦 報 告 例11例
73歳 で 男性9例,女
に下 眼瞼 向 き眼振 を観 察 して お り,骨 棘 の 除去 に
よ り消失 した。 下 眼 瞼 向 き眼 振 は 一 般 に は 天幕 下
が あ る。
本 疾 患 の臨 床 的特 徴 を あ げ る た め に,表1に
診断。
の病 変,特
本
に脳 幹 傍 正 中 部 や 両側 小 脳 片 葉 の病 変
を 列 挙 した。 年 齢 は26歳 か ら
に よ り出現 す る とされ る20)。本疾 患 は 椎 骨 脳 底動
性2例 で あ った 。 最 も頻 度 の
脈 領 域 の虚 血 が 病 因 で あ る の で,天 幕 下 の虚血 に
高 い症 状 は頸 部 回 旋 運 動 に 伴 うめ まい で あ るが,
よ る中枢 性 眼振 が 出 現 す る と考 え られ る。 す な わ
通 常,意 識 消失 や複 視 な ど の症 状 も伴 う。 め まい
の性 状 は多 くは 浮動 感 で あ るが,回 転 性 め まい を
ち本 症 例 の よ うな下 眼 瞼 向 き眼 振 や 上 眼 瞼 向 き眼
振 で あ る。 しか し,Matsuyamaら
訴 え る例 もあ る。誘 発 され るめ まい は 一 過 性 脳 虚
旋 と反 対方 向 へ の 水 平 性 眼 振 が あ った 例 を 報 告 し
血 発作 と して の 短 時 間 のめ まい のた め,眼 振 につ
て い る。Nagashimaら
い て詳 し く記 載 され た 報 告 は少 ない 。 神 経 科 医 の
群 の 手 術 を 局 所 麻 酔 下 に行 い,術
Rosengartら
椎 で頸 部 回旋 時 に
脈 を 用 手 的 に圧 迫 し て一 側 椎 骨 動 脈 の血 流 を遮 断
椎 骨 動 脈 が 高度 狭 窄 す る例 を報 告 し てい る。 この
して,神 経 症 状 や 眼 振 を 観 察 して い る。 そ の結 果
症 例 で は め ま い の 訴 え は なか った が,頸 部 回 旋 時
14例 で 水 平 性 眼 振 を,6例
は,第5・6頸
(236)
は,頸 部 回
は25例 のPower's症
候
中患 側 の椎 骨 動
で下 眼 瞼 向 き眼 振 を 認
Equilibrium Res Vol.64(4)
めた 。 しか し圧 迫側 と眼 振 の 方 向 に 一 定 の関 係 は
ま と め
な か った と報 告 して い る。 様 々な 眼 振 が 出現 す る
理 由 と し てNagashimaら
は,以
頸 部 回旋 時 に め ま い と下 眼 瞼 向 き眼 振 を 呈 した
前 に発生 した虚
bow
hunter's strokeの 一 症 例 を 報 告 し た。 本 疾
血 病 変 に対 す る代 償 が脳 幹 の 様 々な 部 位 で 様 々 な
患 にお け る血 流 障 害 の機 序 や 臨床 的 特 徴,治 療 法
程 度 働 い てい るた め,椎 骨動 脈 圧 迫 に よ る虚 血 に
に つ い て考 察 した 。
対 す る許 容 度 に個 体 差 が あ る こ と と,椎 骨 動 脈 圧
迫 に よる虚 血 の範 囲 が 後 交通 動脈 な どの 側 副 血 行
本 論 文 の要 旨 は第63回 め ま い平 衡 医学 会 総 会学
路 の 発 達 の違 い に よ り差 が あ る こ とを あ げ て い
術 講 演 会(高 崎 市)お
る。
方 部 会 学 術 講 演 会 に て発 表 した。
本 疾 患 の診 断 は,ま ず頸 部 回 旋 に よ りめ まい や
謝
眼前 暗 黒 感 な どの神 経 症 状 が誘 発 さ れ る場 合,本
よび第45回 日耳 鼻愛 媛 県地
辞
疾 患 を疑 って 検 査 を す す め る。 頸 椎 単 純 撮 影 は 関
本 症 例 の検 査 と診 断 を 行 っ てい た だ いた 愛 媛 県
立 中 央 病 院 脳 神 経 外 科 武 智 昭 彦 先 生 に深 謝 いた し
節 リ ュウ マチ な どに よ る環 軸 亜 脱 臼 の 合 併 を 診 断
ます 。
す るた め に必 要 で あ る。 神 経 耳科 学 的 検 査 と して
は,座 位 で頸 部 回 旋 を行 わせ,め
文
まい や 眼 振 が 誘
献
1) Sorensen BF: Bow hunter's stroke. Neurosur
発 され るか 観 察 す る。 確 定 診 断 は椎 骨 動脈 造影 検
gery 2: 259-261, 1978
査 で あ るが,本 疾 患 の場 合,一 側 の椎 骨 動 脈 が低
2)
廣 瀬 源 二 郎:椎
形 成 で,対 側 の椎骨 動 脈 が頸 部 回 旋 に よ り狭 窄 や
床
閉 塞 を きた す 場 合 が 多 い。 さ らに 本症 例 の よ うに
284, 1999
3)
後 交 通 動 脈 の 血 流 が な い 場 合 が 多 い。 近 年,CT
撮 影 機 器 の 著 し い 発 達 に よ り,短 時 間 で3D
CTが
椎 骨 動 脈 を 描 出 可 能 に な って お
経 症 候 群 I:280-
Ouchi H, Ohara I: Extracranial abnormalities of
り,こ れ で椎 骨動 脈 の描 出 を行 っ た報 告 もあ る 。
261, 1968
4) Matsuyama T, Morimoto T, Sakaki T: Compari
また 超 音 波 検 査 に お い て ドップ ラー血 流 計 を用 い
son of C1-2 posterior fusion and decompres
sion of the vertebral artery in the treatment of
て頸 部 回 旋 時 の血 流 低 下 を とら え,診 断 に有 効 で
あ った との 報 告 が あ る
領 域 別 症 候 群26.神
本臨
the vertebral artery detected by selective arte
riography. J Cardiovasc Surg (Torino) 9: 250-
撮 影 可 能 に な った た め,脳 血 管 造 影 を行 わ
な く て もCTで
骨 脳 底 動 脈 系TIA.日
。
本 疾 患 の 治療 は,保 存 的 治 療 と手 術 的治 療 に分
bow hunter's stroke. J Neurosurg 86: 619-623,
1997
け られ る。 前者 は頸 部 カ ラ ー の装 着 や 脳 梗 塞 の予
5) Hanakita J, Miyake H, Nagayasu S, et al: An
防 と して の 抗 凝 固剤 の 内服 で あ る。 手 術 的 治療 は
gioraphic examination and surgical treatment
of bow hunter's stroke. Neurosurgery 23: 228
-232 , 1988
環 椎 と軸 椎 の後 方 固 定 術 と軸 椎 横 突 孔 開 放(除
圧)術 が あ る。 前 者 は確 実 な治 療 効 果 が得 られ る
が,あ る程 度 の 頸部 の運 動 制 限 が避 け られ な い 。
6) Brown BS, Tissingtontatlow F: Radiographic
後 者 は 術 後 の頸 部 運 動 制 限 は生 じな い が,解 放 さ
studies of the vertebral arteries in CadaversEffect of position and traction on the head-
れ た椎 骨動 脈 と周 囲組 織 と の癒 着 に よ り再 発 を き
た す こ とが あ る。 環 軸 亜 脱 臼 に よる例 で は後 方 固
. Radiology 81: 80-88, 1963
7) Robinson BP, Seeger JF, Zak SM: Rheumatoid
定 術 が選 ば れ るが,そ の他 の場 合 どち ら の手 術 法
を 選択 す るか につ い て は論 議 が あ る。Matsuyama
ら
は,後 方 固 定術 を行 った8例
arthritis and positional vertebrobasilar insuffi
ciency. Case report. J Neurosurg 65: 111-114,
と除 圧 術 を行 っ
た9例 で術 後経 過 を比 較 し,前 者 は1例
も再 発 は
1986
な か った が,後 者 で は3例 で 再 発 し て お り,後 方
8)
長 澤 史 朗,大
槻 宏 和:失
神 発 作 で発 症 した第
2頸 神 経 神 経 鞘 腫 の1例.脳
固 定術 が優 れ て い る と述 べ て い る。 し か し どの治
療 法 を選 択 す る か は患 者 の年 齢 や ラ イ フ ス タ イ ル
神 外 科19:589-
593,1991
に よ り決 定 され るべ き で あ ろ う。
9)
(237)
藤 本 俊 一 郎,吉
野 公 博,伊
藤 隆 彦,他:頭
Equilibrium Res Vol.64(4)
hunter's
位 変 換 に よ る環 椎 軸 椎 関 節部 で の椎 骨 動 脈 狭
10)
-2426
窄.脳
神 外 科 17:861-865,
1989
高 橋
功,金
岡 克 行,他:Bow
hunter's
子 貞 男,浅
strokeの1例.脳
篠 原 直 樹,河
と 神 46:183-187,
野 兼 久,武
田 定 典,他:頭
hunter's
417-422,
strokeの1例.脳
20)
1998
弘 幸 伸,神
196-197頁,
崎
仁,五
診 断 と 治 療 社,東
京
,2003
T, Morimoto T, Sakaki T: Bow
hunter's stroke caused by a non dominant
vertebral artery occlusion: case report. Neuro
surgery 41: 1393-1395, 1997
22) Nagashima C, Iwama K, Sakata E, et al: Effect
of temporary occlusion of a vertebral artery on
the human vestibular system. J Neurosurg 33:
388-394,1970
23) Morimoto T, Kaido T, Uchiyama Y: Rotational
林 健 太 郎,松
hunter's
-434
尾 孝 之,栗
原 正 紀,他:若
strokeの1例.
崎 友 郷,長
友
strokeの1例.茨
47-46,
obstruction of nondominant vertebral
52:431
14:
strokeを
呈
graphic detection of haemodynamic change in a
case of vertebrobasilar insufficiency. Neurora
diology 40: 164-166, 1998
Surgery
17:
城 農 村 医 会 誌
健,西
田 正 博,他:第2頸
神 経 の 絞 扼 に よ るbow
hunter's
し た 恵 放 冷 の 外 科 的 治 療,Spinal
35-40,
2003
丹 治 正 大,服
hunter's
原 稿 到 着:平
部 伊 太 郎,堀
strokeの1例.脳
川 文 彦,他:bow
外 速 報
別 刷 請 求 先:小
14:1226-
〒790-0024愛
2004
西 谷 美 智 恵,森
成17年5月1日
林泰輔
媛 県 松 山 市 春 日 町83
愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科
野 豊 之,松
artery
and ischemia. Case report. J Neurosurg 85: 507
-509 ,1996
24) Nakamura K, Saku Y, Torigoe R, et al: Sono
康,他:bow
2001
山 根 冠 児,島
1230,
年 性
脳 と神
, 2000
藤 田 桂 史,山
hunter's
18)
ま い.國
stroke associated with an aberrant
Bow
17)
T:め
course of the vertebral artery-case report-.
Neurol Med Chir (Tokyo) 39: 867-869, 1999
hunter's
16)
Brandt
21) Matsuyama
report-. Neurol Med Chir (Tokyo) 39: 696-700,
1999
13) Shimizu S, Yamada M, Takagi H, et al: Bow
15)
. 2004
十 嵐 眞 監 訳.
神 外 科 26:
12) Sakai K, Tsutsui T: Bow hunter's stroke as
sociated with atlantooccipital assimilationcase
14)
93:2424
tebral artery compression. Neurology 43: 216218,1993
部回
転 時 のみ両 側椎 骨動 脈 閉塞 性変 化 を認 めた
Bow
内 会誌
19) Rosengart A, Hedges TR 3rd, Teal PA, et al:
Intermittent downbeat nystagmus due to ver
1994
11)
syndromeの1例.日
岡 直 輝,他:頸
部
E-mail:[email protected]
血 管 超 音 波 検 査 が 診 断 に 有 用 で あ っ たbow
(238)
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