重点取組期間の実施~安全週間準備期間に合わせ転倒災害防止の徹底を

厚生労働省
群馬労働局
厚生労働省 群馬労働局発表
平 成 2 7 年 5 月 2 8 日
Press Release
担
当
【照会先】
群馬労働局労働基準部健康安全課
健康安全課長 齋田一行
主任産業安全専門官 長谷川隆雄
電話
(027)210-5004
「群 馬 労働 局 STOP! 転 倒災 害 プ ロ ジ ェ ク ト 2015」
重点取組期間の実施
~安全週間準備期間に合わせ転倒災害防止の徹底を~
群馬県内の仕事中の転倒災害は、全産業の休業4日以上の死傷者数で最も多
く、平成27年においても、4月末速報値で127件であり、前年同期に比べ
132件減少していますが、全災害のなお約25%を占めています。
こ の た め 、 群 馬 労 働 局 (局 長 内 田 昭 宏 )で は 、 全 国 安 全 週 間 準 備 期 間 ( 6 月
1 日 ~ 30 日 ) に 併 せ 、「 群 馬 労 働 局 STOP! 転 倒 災 害 プ ロ ジ ェ ク ト 2015」 の 重 点
取組期間として、以下の取組を実施します。
【 STOP! 転 倒 災 害 プ ロ ジ ェ ク ト 2015 の 取 組 状 況 】
1.これまでの実施事項
(1) 地 方 公 共 団 体 を 始 め と す る 1 4 7 の 関 係 機 関 に 対 す る 局 長 名 に よ る 文 書 要 請
(2) 周 知 啓 発 用 の 「 の ぼ り 旗 」 の 作 成 ( 1 , 3 8 5 枚 ) と 事 業 場 で の 掲 示
(3) 平 成 2 6 年 の 転 倒 災 害 に 関 す る 分 析 と ア ン ケ ー ト 調 査 の 実 施
2.6月の実施事項
(1) 群 馬 労 働 局 及 び 労 働 基 準 監 督 署 の 取 組
① 群馬労働局長によるメッセージの発信(別添1)
② 事業者を対象とした説明会の開催
③ リーフレット「STOP!転倒災害」の作成と配付(別添2)
④ 群馬労働災害防止団体連絡会議の開催(6月11日)
(2) 各 事 業 場 で の 重 点 実 施 事 項
① 安全衛生委員会でヒヤリハット事案や再発防止対策等の協議
② 5 S 活 動 や KY 活 動 の 定 着 と 取 組 の 強 化
③ 作業面や通路を点検し、不安全な部分や不安定な場所を整備、改善
④ 作業方法や作業手順の確認を行い、必要な整備と見直し
⑤ 安全衛生教育を計画的に実施し、働く人の意識高揚と安全行動の徹底
別添1
「平成 27 年度
全国安全週間」
・
「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」
群馬労働局長メッセージ
本年度も 7 月 1 日から、
「全国安全週間」が実施され、6 月 1 日から 6 月 30 日までは
安全週間準備期間です。また、当局におきましては同時に 6 月 1 日から 6 月 30 日まで
を「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」の重点取組期間とし、当局管内における転倒
災害の発生防止を図ることとしています。
当局管内における平成 26 年の労働災害による休業 4 日以上の死傷者数は 2380 人と
平成 25 年に比較し 128 人増加し、また、死亡者数は前年比 10 人増の 27 人で、最近
7 年間で最多となり尊い命が失われました。このように労働災害の発生状況は憂慮すべき
事態となっております。
その労働災害の内訳をみると、「転倒」
、
「墜落・転落」
、
「はさまれ・巻き込まれ」によ
る災害が発生件数の 6 割近くを占め、特に「転倒」の占める割合が約 28%と最も多く発
生しております。
平成 27 年に入ってからは、4月末時点までの死傷者数は 502 人(速報値)と昨年同時期
に比較し 157 人減少し、死亡者も 2 人と昨年に比較し 9 人減少しています。これは事業
者をはじめとする関係者皆様が強力に安全活動を推進された結果と考えますが、なお労働
災害は後を絶たず、特に「転倒」が 127 件と依然として最も多く発生しております。
このため、引き続き危険ゼロの職場を目指した取組みと転倒災害防止に着目した安全活
動の推進をお願いします。
労働者の方々が職場で生命を脅かされたり、健康が損なわれてはなりません。労働災害
の防止を図るためには、経営トップによる安全衛生管理活動への積極的な関与と労働者の
方々が安全ルールを守り、安全な職場とするための役割を果たすことが大事です。
平成 27 年度の全国安全週間のスローガンは、
危険見つけてみんなで改善 意識高めて安全職場
と決定されました。これを受け当局では、全国安全週間準備期間に当たり各職場での巡視、
スローガンの掲示など様々な取組みを行うとともに、
「STOP!転倒災害プロジェクト
2015」に基づき、事業者を対象とした説明会の開催やリーフレット「STOP!転倒災害」
の作成と配付などの重点実施事項の取組みを行います。
事業者の方々におかれましても「平成 27 年度 全国安全週間」
・
「STOP!転倒災害プ
ロジェクト 2015」を契機に、安全衛生活動の推進を図り、危険ゼロの職場を目指してい
ただくよう改めて、宜しくお願い申し上げます。
群馬労働局長
内 田 昭 宏
平成26年における「転倒災害」は、休業4日以上の労働災害の中で
27.6%を占め、ワースト1位となっています。
飛来・落下
4.2%
交通事故
5.4%
転倒災害
その他
9.5%
その他
割合
(人)
転倒
27.6%
切れ・こすれ
5.6%
40.0%
2500
2211
2000
2199
2204
2380
2252
30.0%
27.6%
1500
激突され
5.7%
墜落・転落
16.3%
動作の反動・
無理な動作
10.1%
1000
19.9%
20.5%
20.0%
22.6%
20.0%
10.0%
500
はさまれ・巻き
込まれ
15.5%
440
451
440
508
658
H22
H23
H24
H25
H26
0
図‐1 全産業での事故の型別労働災害発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
.0%
図‐2 転倒災害の年別推移(平成 22 年~平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
転倒災害は、製造業で多く発生していますが、第3次産業
では小売業が最も多くなっています。
食料品製造
製造業
9.1%
金属製品製
造
3.8%
電気機械器
具製造
2.3%
【第3次産業】
その他
19.7%
輸送機械製
造
4.3%
その他の製造
7.3%
第3次産業
53.2%
小売業
25.4%
清掃と畜
12.0%
通信業
9.1%
建築工事
3.2%
道路貨物運送
8.5%
その他の第1・
第2次産業
6.4%
農林業
2.0%
その他の接
客業
6.0%
飲食店
6.3%
図‐3,4 業種別労働災害発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
医療保健業
6.9%
旅館業 社会福祉施設
5.4%
9.1%
「転倒災害」は50歳以上で全体の約6割を占めています。
これは加齢による体力の衰え・身体機能の低下が考えられます。
また、女性は男性より筋力が弱いために転倒時の衝撃を和
らげることができず、まともに大きな衝撃を受けやすいので注意が必
要です。
30歳代
12.8%
20歳代
4.9%
10歳代
0.3%
250
男性
女性
200
50歳代
33.0%
40歳代
18.1%
150
100
50
70歳以上
4.9%
60歳代
26.4%
0
図‐5 転倒災害における年代別労働災害発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
図‐6 転倒災害における年代別性別労働災害発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
転倒災害は、骨折などの重大な休業災害につながり、
休業日数も 30
創傷(切創、
裂創、刺創及
び挫滅傷を含
む)
打撲傷(皮膚 4.4%
の剥離、擦過
傷、挫傷及び
血腫を含む)
13.2%
関節の障害
(捻挫、亜脱
臼及び転位を
含む)
16.1%
日以上が6割以上を占めています。
その他
1.5%
14日まで
23.4%
骨折
64.7%
図‐7 転倒災害における傷病性質別発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
29日まで
13.5%
30日
以上
63.1%
図‐8 転倒災害における休業日数別発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
転倒災害は、
「通路」や「作業床」で多く発生しています。
物上げ装置、運搬機
械
7.6%
荷 その他
物質、材料 3.6% 4.0%
3.6%
仮設物、
建築物、
構築物等
50.9%
その他の装置等
10.2%
※
仮設物・建築物・構築物等 ........... 通路、作業床、足場、階段など
環境等 .................................................... 自然環境、風雪等など
その他の装置等 ................................. 用具、人力運搬機、圧力容器など
物上げ装置、運搬機械 .................. 動力クレーン、トラック、乗用車など
物質、材料 ........................................... 金属材料、砂・砂利、危険物など
荷 .............................................................. コンテナ、箱もの、袋ものなど
環境等
20.1%
図‐9 転倒災害における起因物別労働災害発生状況(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
転倒災害は、
「物につまずき」が多く発生します。
平成26年においては、2月の大雪による「すべり」災害が
最も多く発生しました。
このことから、雪面や凍結面は大変すべりやすいことを
認識し、十分な対策が必要です。
(人)
350
■は2月の大雪による
300
120
250
160
100
140
120
80
200
転倒災害!!
180
140
100
60
115
150
310
80
60
40
40
100
171
20
つ
ま
ず
き
44
段
差
に
つ
ま
ず
き
物
に
つ
ま
ず
き
そ
の
他
つ
ま
ず
き
す
べ
り
図‐10 転倒災害における災害原因(平成 26 年)
資料:労働者死傷病報告
液
体
・
湿
潤
状
態
雪
・
凍
結
床
・
地
面
25
床
・
地
面
に
お
い
て
105
ある物・
食品
0
30
18
0
50
71
20
38
54
バ
動
ラ
作
ン
の
ス
反
崩
動
し
・
等
踏
み
外
し
6
照
明
不
足
等
12
そ
の
他
つまずき対策
◎4S(整理・整頓・清潔・清掃)の徹底
□
□
□
□
通路、作業床・歩み板に物を置かない。
床面の凹凸をできるだけなくす。
通路、作業床・歩み板の損傷はただちに直す。
通路、作業床・歩み板には安全な通行のための照明の方法を講じる。
すべり対策
□
□
□
□
床面を良く清掃する。
床面の水や油は良くふき取る。
滑り止めのマットを敷く、テープを貼る。
滑りにくい靴を履く。
冬期のすべり対策
□
□
□
□
□
□
天気予報に気を配る。
時間に余裕をもって歩行、作業をする。
駐車場の除雪・融雪は万全に、出入り口などに注意する。
職場の危険マップを作成する。
適切な履物を着用する。
歩行方法などの教育を行う。
筋力の衰えを防ぐ
□ 簡単な筋力トレーニングでも転倒災害防止に効果的です。
群馬労働局
労働基準部 健康安全課
〒371-8567 群馬県前橋市大渡町1-10-7
Tel 027-210-5004 fax 027-210-5516
http://gunma-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/
(H27.5)
参考資料
転 倒 災 害 の分 析
① 業種別発生状況
業種
食料品製造
H22
H23
H24
H25
H26
51
64
51
48
60
化学工業
7
11
8
10
10
金属製品
9
11
12
14
25
電気機械器具
11
8
7
3
15
輸送機械製造
3
11
12
16
28
37
27
20
36
38
118
132
110
127
176
0
1
0
0
1
土木工事
7
5
9
8
10
建築工事
20
16
18
17
21
9
4
10
2
8
36
25
37
27
39
41
40
43
54
56
3
5
6
5
15
44
45
49
59
71
貨物取扱小計
3
3
1
3
6
農林業小計
6
8
8
10
13
畜 産 ・水 産 業 小 計
2
2
2
4
2
卸売業
12
10
8
10
17
小売業
56
64
57
78
89
5
6
4
10
6
商業
73
80
69
98
112
通信業
17
20
25
17
32
医療保健業
10
19
19
15
24
社会福祉施設
28
27
31
30
32
3
0
2
1
0
41
46
52
46
56
旅館業
18
19
10
21
19
飲食店
14
15
18
18
22
その他 の接 客
18
15
17
22
21
接客娯楽
50
49
45
61
62
清 掃 ・と畜
24
23
22
27
42
その他 の事 業
26
17
20
29
46
440
451
440
508
658
全労働災害死傷者数
2,211
2,199
2,204
2,252
2,380
割合
19.9%
20.5%
20.0%
22.6%
27.6%
その他 の製 造 業
製造業小計
鉱業小計
その他 の建 設
建設業小計
道路貨物運送
その他 の運 輸 交 通 業
運輸交通業小計
その他 の商 業
その他 の保 健 衛 生
保健衛生業
転倒災害合計
1
②被 災 時 年 代 別 ・性 別 発 生 状 況
被災時年代
男性
女性
総計
10 歳 代
1
1
2
20 歳 代
22
10
32
30 歳 代
64
20
84
40 歳 代
75
44
119
50 歳 代
94
123
217
60 歳 代
71
101
172
70 歳 代 以 上
16
16
32
343
315
658
総計
③傷 病 性 質 別 発 生 状 況
骨折
426
関節の障害(捻
挫、亜脱 臼及び
転 位 を含 む)
106
打 撲 傷 (皮 膚 の剥
離 、擦 過 傷 、挫 傷
及 び血 腫 を含 む)
87
創傷(切創、裂
創、刺創 及び挫
滅 傷 を含 む)
29
その他
10
④休 業 日 数 別 発 生 状 況
30 日 以 上
415
29 日 まで
89
14 日 まで
154
⑤起 因 物 別 発 生 状 況
仮 設 物 、建 築
物 、構 築 物 等
335
環境等
132
その他 の
装置等
67
物上げ装 置、
運搬機械
50
物 質 、材
料
24
荷
その他
24
⑤転 倒 災 害 の詳 細 な災 害 要 因
転 倒 の原 因
合計
段 差 につまずき
38
物 につまずき
115
その他 つまずき
18
つまずき計
171
液 体 ・湿 潤 状 態 ですべり
71
雪 ・凍 結 ですべり
(うち 2 月 の大 雪 関 連 )
170
(140)
床 ・地 面 ですべり
44
床 ・地 面 に置 いてある物 ・食 品 ですべり
25
すべり計
450
動 作 の反 動 ・バランス崩 し等
105
踏 み外 し
54
照度不足等
6
その他
12
合計
658
2
26
年別・事故の型別労働災害発生状況
墜落・転落
転倒
飛来・落下
激突され
はさまれ・巻き込まれ
切れ・こすれ
交通事故(道路)
動作の反動・無理な動作
その他
0
500
1,000
1,500
H17
389
470
215 90
H18
410
453
206 138
H19
417
448
191 114
H20
424
435
180 107
465
2,000
431
219
268
199 163
394
H21
356
407
H22
357
440
151 104
H23
352
451
137 87
351
191 141
247
242
H24
336
156 102
363
179 134
266
228
H25
365
H26
389
440
508
658
136 121
235
181 128 214
319
158 92
165 141
378
369
100 136
3
229
234
193 155
348
260
282
134
235
241
133 128
264
265
188
231
452
249
291
173
214
2,500
240
197
227
労働災害発生後に行った災害防止対策(複数回答)
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
67.5%
安全衛生委員会での協議
32.5%
経営首脳による職場巡視
27.5%
4S(5S)運動の実施・徹底
22.5%
KY活動の実施・徹底
35.0%
作業手順書の再確認や整備等
緊急安全大会の開催
0.0%
42.5%
安全衛生教育の実施
32.5%
リスクアセスメントの実施
22.5%
その他
実施せず
80.0%
5.0%
資 料 :転 倒 災 害 にかかるアンケート結 果 (平 成 27 年 3 月 実 施 )
4