応用化学

応 用 化 学 専 攻
化 学 工 学 専 攻
バ イ オ 工 学 専 攻
1.応用化学専攻,化学工学専攻,バイオ工学専攻は,次の基幹講座,附属研究施設及び協力講座で構成され
ている。
応用化学専攻
① 基幹講座 [( )は専門分野数]
原子・分子制御工学(1),環境資源化学(1),分子システム化学(2)
② 環境保全センター(0)
③ 協力講座
多元物質科学研究所 [2研究部門,1研究センター]
プロセスシステム工学研究部門(1)
,計測研究部門(1)
,高分子・ハイブリッド材料研究センター(4)
化学工学専攻
① 基幹講座 [( )は専門分野数]
プロセス解析工学(1),プロセス要素工学(2),プロセスシステム工学(2)
② 附属超臨界溶媒工学研究センター
溶媒要素技術部(1)
③ 協力講座
多元物質科学研究所 [2研究部門,1研究センター]
無機材料研究部門(1),プロセスシステム工学研究部門(1),
新機能無機物質探索研究センター(1)
バイオ工学専攻
① 基幹講座 [( )は専門分野数]
応用生命化学(1),生体分子化学(2),生体機能化学(2)
② 協力講座
多元物質科学研究所[1研究センター]
高分子・ハイブリッド材料研究センター(1)
2.面接試問の際,更に詳しい専攻分野についての希望も聞く予定である。
- 35 -
応用化学専攻
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
原子・分子制御工学講座
環 境 資 源 化 学 講 座
(エネルギー資源化学分野)
分子システム化学講座
(極限材料創製化学分野)
分子システム化学講座
(量子物理化学分野)
多元物質科学研 究所
高分子・ハイブリッド材料研究
セ
ン
タ
ー
(ハイブリッド炭素ナノ材料研究分野 )
多元物質科学研 究所
プロセスシステム工学研究部門
(ハイブリッドナノ粒子研究分野)
教
教
員
授
松本
名
祐司
研
究
テ
ー
マ
“固液界面真空工学”という新たな研究分野を提唱している。真空下で安定
な固液界面をいかに実現し,従来の真空プロセスに,溶液プロセスを積極的
に取り入れることで, 原子・分子レベルで制御された薄膜形成や結晶成長,
真空電気化学プロセスなど,新しい物質・材料創製と評価技術を開発してい
る。また,イオン液体を始めとする真空下で安定な液体物質の構造と物性,
そのナノサイズ効果など,プロセス実現のカギとなる基礎現象の解明にも取
り組み,よって電子・情報・環境・エネルギー技術の開発に資する新しい物
性・機能の開拓を目指す。
教 授 冨重 圭一
准教授 中川 善直
地球温暖化や資源枯渇などの環境・エネルギー問題を解決するためには限
りある化石資源や再生可能な資源を効率よく高度に使用する必要がある。資
源は多くの場合利用しやすい形態に変換して用いられるが,そのプロセスの
効率化が極めて重要である。特に天然ガス,バイオマス,石油等の資源変換
におけるキーテクノロジーが「触媒」である。本研究室では,ナノスケール
の金属微粒子や酸化物クラスター等を組み合わせて構築した固体触媒を駆使
して,バイオマスの水素や有用な化学品への変換,天然ガスからの高効率水
素製造,二酸化炭素の直接変換による有用有機化合物の合成をターゲットに
した研究を行っている。
教 授 滝澤
准教授 林
博胤
大和
圧力や温度などによる無機材料の構造や電子論的な変化について理解
し,新しい反応形態,反応経路の探索できる可能性について研究している。
極限条件として,数万気圧を発生するベルト型装置,数千度を発生するマ
イクロ波加熱装置を用いた新材料の合成研究,材料的には,格子欠陥や不
定比性などの精密設計・制御によるオプトエレクトロニクス材料やエネル
ギー変換機能素材などの研究を行っている。
圭介
正典
様々な物質系を設計・創製し,光・放射線物性や磁性を探究する。内殻の
電子状態まで視野に入れた多様な電子状態を対象とし,材料科学的アプロー
チにより励起状態をデザインする。異種励起状態のハイブリダイゼーション
による新たな励起状態の創出,半導体や磁性体の次元性操作による電子状態
の制御,あるいは電子相関の利用という多彩な方略で研究を推進する。開発
した新材料や新技術を,放射線センサーをはじめ蛍光材料や磁性材料の高性
能化・高機能化や,超伝導特性向上における新機軸につなげ,広範な工学分
野での新展開を図る。
隆
洋知
明
材料合成の反応場をナノメータレベルで制御することで,カーボン材料を
はじめとする種々の新しい無機材料の設計と開発を進めている。鋳型を用い
ることでサイズや形状が精密に制御されたカーボンナノチューブを合成して
おり,電子・磁気デバイスやバイオ分野への応用を計っている。さらにチュ
ーブ内部のナノ空間を反応場として無機ナノマテリアルの創製も行ってい
る。また,ナノレベルで規則的な細孔構造をもつポーラスカーボンの合成を
行い,エネルギー貯蔵材としての利用を進めている。
淳司
澄志
機能性ナノ粒子の新規合成法開発研究を中心に,10nm 以下のシングルナ
ノ粒子の新規合成法の開発,無機ー無機や有機ー無機ハイブリッドナノ粒子
(ナノコンポジット)の創製,触媒等素材表面のナノヘテロ構造制御,メソ
ポア,ナノポア制御などの研究を実施している。これらのハイブリッドナノ
粒子は,最先端の触媒,センサー材料,電極材料として応用が期待されてい
るおり,実際に,燃料電池,光触媒など最先端触媒材料開発や,透明導電膜
用 ITO ナノインク開発,非鉛圧電アクチエーター用微粒子素材開発,フォト
ニクス材料,半導体量子ドットなど多彩な実用化研究も実施している。
教 授
准教授
教 授
准教授
准教授
教 授
准教授
浅井
越水
京谷
西原
渡辺
村松
蟹江
- 36 -
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
高分子・ハイブリッド材料
研 究 セ ン タ ー
(ハイブリッド材料創製研究分野)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
高分子・ハイブリッド材料
研 究 セ ン タ ー
(高分子ハイブリッドナノ材料
研
究
分
野
)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
高分子・ハイブリッド材料研究
セ
ン
タ
ー
(光機能材料化学研究分野)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
計 測 研 究 部 門
(ナノ界面化学研究分野)
教
教
授
教 授
員
芥川
名
智行
三ツ石 方也
研
究
テ
ー
マ
電子・スピン活性な有機分子や無機クラスターからなる分子集合体に着目
し,その伝導性・磁性・誘電物性の評価および材料化に関する研究を行って
いる。単結晶から液晶・LB 膜・ナノワイヤ・ミセル構造などの多彩な分子
集合体を研究対象とする事で,将来の分子デバイスの創成を目指している。
また,熱-電気・光-電気などのエネルギー変換を可能とする有機-無機ハ
イブリッド材料の作製に関する研究も行っている。
柔軟で多種多様な構造をとりうる高分子を基盤材料とし,金属・酸化物
などの無機ナノ材料とのハイブリッド化をナノメートルスケールで構造制
御する技術や機能性高分子ハイブリッドナノ材料に関する研究に取り組ん
でいる。高分子ハイブリッドナノ材料と光・電荷・分子との相互作用の理
解をとおし,ソフト系ナノ空間を利用した光電子機能発現を目指している。
ナノエレクトロニクス・ナノフォトニクス・表面界面特性・高性能ハイブ
リッドナノ材料など,基礎・応用両面から研究展開する。
勝
光,界面,有機高分子・金属・無機材料をキーワードに,新たな電子デバ
イスや光学デバイスに必須な材料化学とプロセス科学の研究を行う。ナノサ
イズでの量産加工が可能な熱式と紫外線照射式のナノインプリントリソグ
ラフィを微細加工の手段として選び,研究を進める。Sub-15nm 以下を目指
した極限ナノ造形・構造物性の探索を主テーマとし,光硬化性組成物,塗布・
アライメント・ドライエッチング技術,ブロック共重合体の誘導自己組織化
および原子層堆積法に資する材料とプロセスを創製する。
教 授 栗原 和枝*
准教授 水上 雅史
表面や界面の特性の制御は,ナノテクノロジーやマイクロ科学そして機械
の摩擦制御や電池開発など先端の科学・技術分野における重要な課題であ
る。当研究室では,表面力測定などの最新の精密測定法を駆使し,表面や
界面で起こる現象の分子レベルでの解明と制御を目的として研究を行って
いる。実用技術への応用もめざし,様々な吸着現象,微細空間での液体・
イオン液体・液晶の性質の物性評価,生体機能に重要なたんぱく質・DN
A・糖鎖間の相互作用,さらに装置開発等が研究対象である。
教
授
中川
備考:より詳細なことを知りたい場合は,工学研究科化学・バイオ系事務室〔TEL(022)795-7205〕に問い合わせること。
◎表中の記号の意味
〔教員名〕
*
平成 28 年 3 月にて定年退職予定
- 37 -
化学工学専攻
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
プロセス解析工学講座
プロセス要素工学講座
(材料プロセス工学分野)
プロセス要素工学講座
(反応プロセス工学分野)
プロセスシステム工学講座
(プロセス制御工学分野)
プロセスシステム工学講座
(化学システム工学分野)
附属超臨界溶媒工学研究センター
( 溶 媒 要 素 技 術 部 )
教
教 授
准教授
員
青木
松下
名
秀之
洋介
教 授 今野 幹男*
准教授 長尾 大輔
准教授
教 授
准教授
准教授
教 授
准教授
北川
塚田
久保
福島
猪股
佐藤
尚美
研
究
テ
ー
マ
エネルギー生産・利用は環境を考慮して行うことが重要であり,その観
点から1)環境保全,2)エネルギー有効利用,3)資源の有効活用を目
指した研究を主として行っている。LES・VOF による噴霧塗装プロセス
の解析,すすの生成・抑制に関する反応動力学解析,有限要素法を用いた
水素吸蔵合金の劣化予測,石炭高度利用のためのガス化・燃焼炉内移動現
象の解析,ナノインデンテーション法を用いた多孔質材料強度の推算,エ
チレンプラントのファウリングに関する数値解析などであり,実験と数値
解析を併用して現象を理解するとともに,プロセスの高効率化を目指した
研究を行っている。
物質の微細構造制御の観点に立って,新規材料開発や材料プロセス開発
を対象として,マイクロ・ナノテクノロジーの課題に取組んでいる。水を溶
媒とする一段重合操作によるミクロ単分散粒子の環境適合型合成プロセ
スの開発などが成果である。また,機能性複合粒子の合成,誘電体薄膜の
合成ならびに無機物および有機物微粒子の合成法における粒子生成過程
の定量化と合成法の開発あるいは微粒子を用いた配列制御自己組織化に関す
る研究を行っている。
反応・分離工学を機軸に,環境,食品・バイオ,機能性材料など,広範な
分野を対象として,速度論解析に基づく効率的なプロセス技術開発を目指し
た研究を行っている。具体的には,1)不均相触媒を用いる脂肪酸エステル
の高効率連続製造プロセスの開発,2)天然生理活性物質の高度分離回収プ
ロセスの開発,3)生物反応を利用した高付加価値物質の高効率生産プロセ
スの開発,4)食品および生体系における生理活性物質の酸化および抗酸化
機構の解明,などである。
隆夫
正樹
材料製造プロセスを対象とし,ナノ・メゾスケールでの材料の構造を制御
するためのマクロな場(プロセス)の設計・制御という視点で,材料の高次
構造制御のための熱流動場,反応拡散場といったマクロな場の設計,制御指
針の体系化を目指した研究を行っている。具体的には,半導体や酸化物単結
晶成長プロセス,溶融金属や半導体の電磁浮遊プロセス,機能性高分子薄膜
の製造プロセスなどであり,その場観察実験と計算機を利用した数理モデリ
ングとを有機的に組み合わせ研究を行っている。
康裕
産業間での物質,エネルギーの相互利用による「産業共生」の実現は持続
可能な社会の実現に大きく貢献する事が期待される。その際,今後は化石資
源への依存を減らし,地域で利用可能な再生可能資源を積極的に利用するこ
とが求められ,この点で新規プロセス技術や材料開発の果たす役割は大き
い。これらの先端技術を視野に入れ,地域性を考慮した様々な境界条件下で
の産業横断的なシステム設計を行うために,LCA,MFA,意思決定学などの分
析手法と,数理計画などの設計手法,化学プロセス設計などのモデル化手法
などを駆使し,1)統合的産業システム設計と最適化,2)未成熟なシステ
ム技術の開発支援,3)社会実装手法の体系化,を目指した研究を行う。
宏
善之
新たな環境機能溶媒として期待される超臨界二酸化炭素と超臨界水に着
目し,脱有機溶媒と新しい環境調和型プロセスの提案を目的として,超臨界
流体の溶媒特性の解明とそれに基づく単位操作等の要素技術の体系化を行
っている。具体的には,超臨界流体混合系の物性・相平衡等の測定と推算,
分子シミュレーション等による溶液構造解明などの基礎研究,さらには天然
物からの高付加物質の分離,超臨界洗浄・リサイクル,無溶剤ポリマー加工
などの抽出・反応・材料製造プロセスの応用技術研究も行っている。
- 38 -
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
教
員
名
研
究
テ
ー
マ
眞人
英樹
当研究室では,エネルギー・環境問題の解決に貢献する光触媒,蛍光体な
どのフォトセラミックスについて,高機能なフォトセラミックスの構築を目
指した研究を行う。水を溶媒とするグリーンな合成プロセスによるフォトセ
ラミックスの高機能化を実現するため,水溶性・安定性など合成プロセスに
適した化学特性を有する前駆体の開発を行う。新規フォトセラミックスを開
発するため固体材料化学の観点から新規物質の設計・合成を行う。フォトセ
ラミックスの新機能の付与や機能の高度なチューニングを目的として結晶サ
イトエンジニアリングに基づいた物質合成を行う。バンドエンジニアリング
による光触媒の光吸収や反応特性の制御を行う。
千昭
環境調和型のグリーンな化学プロセスの開発は21世紀の重要な課題とな
っている。そのために,超臨界流体やイオン性液体などの新規な溶媒を用い
た化学反応プロセスの開発に関する研究を行っている。さらに,これらの溶
媒特性解明を目指して熱力学的性質や輸送性質などの物性の精密測定法を開
発している。また。色素増感型太陽電池の開発,超臨界アンモニアを溶媒と
した窒化ガリウム単結晶育成条件の探索,超臨界流体急速膨張法による有機
微結晶製造装置の開発などの研究も行っている。
教 授 阿尻 雅文
多 元 物 質 科 学 研 究 所
(原子分子材料科学
プロセスシステム工学研究部門
高等研究機構)
( 超臨界ナノ工学研究分野)
准教授 高見 誠一
化学工学およびバイオ・物質科学にまたがる分野融合的な立場から,自然
界では得られない新規な特性を示す「メタマテリアル」や,生体内のがん細
胞などを高感度に検出するナノマーカーなどを実現するため,新しいナノテ
クノロジーの開発研究を行う。超臨界流体を始めとする新たな「反応場」を
利用してナノ構造体を形成する基礎技術を開発するとともに,有用なナノデ
バイスをデザインする。また,生体における構造形成と機能発現の原理を利
用した,新規機能性ナノ材料合成(ナノバイオ)プロセスの開発研究を行う。
この実現のため実験的手法,計算化学を援用した界面・結合形成に関する検
討を行う。
多 元 物 質 科 学 研 究 所
新 機 能 無 機 物 質 探 索
研 究 セ ン タ ー
(無機材料創製プロセス研究分野)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
無 機 材 料 研 究 部 門
(超臨界流体・反応研究分野)
教 授
准教授
教
授
垣花
加藤
横山
備考:より詳細なことを知りたい場合は,工学研究科化学・バイオ系事務室〔TEL(022)795-7205〕に問い合わせること。
◎表中の記号の意味
〔教員名〕
*
平成 28 年 3 月にて定年退職予定
- 39 -
バイオ工学専攻
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
応 用 生 命 化 学 講 座
生 体 分 子 化 学 講 座
(機 能 高 分 子 化 学 分 野)
生 体 分 子 化 学 講 座
(応用有機合成化学分野)
生 体 機 能 化 学 講 座
(応用生物物理化学分野)
生 体 機 能 化 学 講 座
(タ ン パ ク 質 工 学 分 野)
教
員
教 授
准教授
中山
高橋
名
亨
征司
研
究
テ
ー
マ
生命科学の進歩により,生命現象が分子レベルで克明に記述されるように
なった。しかしながら,酵素の触媒機能がどのように活用され,どのように
情報が伝達されることにより生命の多様な営みが生み出されるのかについ
て,人類が明らかにしてきたことはまだほんのわずかしかない。本講座では,
生命現象の未開拓の多様性を基盤として,生物における酵素機能の利用の巧
みな戦略や細胞内情報伝達の分子機構を解き明かし,得られた成果を工学的
に利用することを目指している。具体的には,特色ある微生物酵素や植物
二次代謝関連酵素の遺伝子クローニングと機能解析,立体構造と反応機構
の解明,活性や特異性制御の分子機構の解明,応用を指向した酵素タンパク
質の機能改変を行っている。また,植物細胞のストレス応答における細胞内
情報伝達機構の解明を行っている。
授 正田 晋一郎
地球規模でのバイオマス資源としての多糖を出発原料とし,環境にやさし
い方法で機能性生体分子を再構築する技術が強く求められている。本グル
ープは,有機合成化学を基盤として,化学-酵素法による新しいグリーン
ケミストリー,バイオプロセスを創出することにより,欲しいものだけを
効率よく合成する新反応の開発を行っている。糖鎖工学やバイオインダス
トリーにおけるオリゴ糖,糖タンパク質,糖脂質,糖鎖チップなどの低環
境負荷製造プロセスの開発,また,セルロース,キチン・キトサン,デン
プンなどの多糖バイオマス原料のリサイクルシステムを基礎とする機能
性高分子材料の分子設計と高次構造・ナノ構造の制御を目的とした基礎お
よび応用研究を行っている。
教 授 服部 徹太郎
准教授 諸橋 直弥
生体反応の特徴である酵素の優れた分子認識能と高活性・高選択的触媒作
用を手本とし,環境に負荷を掛けずに欲しいものだけを効率的に造るための
新しい有機合成反応や反応手法の開拓,機能性分子の創製とその機能開発を
行っている。具体的には,多置換芳香族化合物を効率的に作るための新規芳
香族合成反応の開発,カリックスアレーン誘導体の位置および立体選択的合
成と人工ホスト分子や配位子としての機能開発,二酸化炭素のルイス酸によ
る活性化と有機分子への固定化,光学分割や不斉反応の溶媒の誘電率による
制御,軸不斉ビアリールをベースとする光応答性分子の開発,結晶界面溶融
解相の化学反応場としての利用などに関する研究を展開している。
教
信之
生物はしなやかで強靭な環境適応能力を備え,太陽光エネルギーを有機物
に変換する自律的な能力を介して生命活動を続ける。藻類・植物による環境
に適応したバイオエネルギー生産と生体分子デザインによる環境適応性を
強化した生物の創生をめざして未開拓な生物機能の解明と活用をすすめて
いる。耐環境ストレス反応機構の分子制御とその遺伝子発現・翻訳後調節,
CO2を用いた光合成産物の生産制御,イオンチャネルを介する情報変換シ
ステムの探究をはかる。さらに,無細胞系タンパク質合成法や鋭敏な膜輸送
の計測法を用いて生体シグナルの受容感知と伝達機構の研究を行っている。
光央
ポストゲノムシークエンシング時代のタンパク質研究として,その構造・
機能の精密解析から産業化を目指した調製系の確立,ナノテクノロジーや
医療への応用研究まで幅広い研究を展開している。ゲノムに基づくタンパ
ク質の構造・機能情報の利用および生命の進化を模倣した進化工学的操作
の研究を基盤として、ナノテク・医療・環境分野へのタンパク質応用に向
けて抗体分子・酵素の人工設計を行う。また、他の材料とタンパク質との
キメラ化技術も開発し、有機-無機-バイオ分子の利点構造を利用した新しい
分子フォーマットの研究も行う。
教
教
授
授
魚住
梅津
- 40 -
講 座 又 は 研 究 所 等
(専門分野又は研究部門等)
多 元 物 質 科 学 研 究 所
高分子・ハイブリッド材料
研 究 セ ン タ ー
(自己組織化高分子材料研究分野)
教
教 授
准教授
員
陣内
藪
研
名
浩司
浩
究
テ
ー
マ
生物は,分子−分子集合体−細胞−組織−器官というようにナノからマクロに
いたる階層的でかつ有機・無機複合構造からなる機能性高次組織体である。
生物の機能と組織形成から機能材料の設計指針を抽出し,分子や分子集合体
の自己集合・自己組織化を利用したボトムアップ・ナノテクノロジーを駆使
して機能性高分子およびハイブリッド材料作製技術の確立を図る。具体的に
は,高分子の自己組織化過程の結果として生じる散逸構造(例えば,高分子
フィルムや微粒子)のマイクロ・ナノ加工プロセス開発および機能化(超撥
水・トライボロジー・フォトニクス・プラズモニクス,細胞の分化制御能な
どの発現)を行う。また,これらの多様なナノ材料を精確に捕らえ,それら
の形成原理を明らかにするために,電子顕微鏡による先端ナノイメージング
技術の開発にも取り組む。
備考:より詳細なことを知りたい場合は,工学研究科化学・バイオ系事務室〔TEL(022)795-7205〕に問い合わせること。
- 41 -