第7章 補 修 第7章 補 修

現行 LPG貯槽指針
第7章 補
LPG貯槽指針 改訂案
修
第7章 補
修
7. 1 一 般 ………………………………………………………………………………………
7. 1 一 般 ………………………………………………………………………………………
7. 2 素材検査時の補修 …………………………………………………………………………
7. 2 素材検査時の補修 …………………………………………………………………………
(1) 鋼板 …………………………………………………………………………………………
(1) 鋼板 …………………………………………………………………………………………
(2) 鍛造品 ………………………………………………………………………………………
(2) 鍛造品 ………………………………………………………………………………………
7. 3 製作時の補修 ………………………………………………………………………………
7. 3 製作時の補修 ………………………………………………………………………………
7. 3. 1 加工後検査時の補修 …………………………………………………………………
7. 3. 1 加工後検査時の補修 …………………………………………………………………
(1) 鋼板 ………………………………………………………………………………………
(1) 鋼板 ………………………………………………………………………………………
(2) 鍛造品 ……………………………………………………………………………………
(2) 鍛造品 ……………………………………………………………………………………
7. 3. 2 溶接部検査時の補修 …………………………………………………………………
7. 3. 2 溶接部検査時の補修 …………………………………………………………………
7. 3. 2. 1 表面きずの補修 ………………………………………………………………
7. 3. 2. 1 表面きずの補修 ………………………………………………………………
7. 3. 2. 2 内部きずの補修 ………………………………………………………………
7. 3. 2. 2 内部きずの補修 ………………………………………………………………
7. 3. 3 耐圧試験後の補修 ……………………………………………………………………
7. 4 開放検査時の補修 …………………………………………………………………………
7. 3. 3 耐圧試験後の補修 ……………………………………………………………………
7. 4 開放検査時の補修 …………………………………………………………………………
7. 4. 1 表面きずの補修 ………………………………………………………………………
7. 4. 1 表面きずの補修 ………………………………………………………………………
7. 4. 2 腐食減肉部の補修 ……………………………………………………………………
7. 4. 2 腐食減肉部の補修 ……………………………………………………………………
7. 4. 3 内部きずの補修 ………………………………………………………………………
7. 4. 3 内部きずの補修 ………………………………………………………………………
7. 4. 4 切継ぎ溶接による補修 ………………………………………………………………
7. 4. 4 はめ込み溶接による補修 ………………………………………………………………
7. 5 溶接補修の注意事項 ………………………………………………………………………
7. 5 溶接補修の注意事項 ………………………………………………………………………
7. 6 補修後の検査 ………………………………………………………………………………
7. 6 補修後の検査 ………………………………………………………………………………
7. 7 耐圧強度の確認 ……………………………………………………………………………
7. 7 耐圧強度の確認 ……………………………………………………………………………
227
現行 LPG貯槽指針
第7章 補
7. 1 一
LPG貯槽指針 改訂案
修
第7章 補
般
7. 1
本章では、試験及び検査の結果不合格があった場合の補修*1について規定する。なお、
般
本章では、製作時及び開放検査時の試験・検査により補修*1が必要となった場合の処置
について規定する。*2
開放検査時の補修に関する規定は、既設貯槽にも適用する。
【解 説】
*1
一
修
【解 説】
(1) 補修は、本章の規定に基づき、あらかじめ定めた補修要領書に従って実施す
*1 (1) 補修は、本章の規定に基づき、あらかじめ定めた補修要領書に従って実施す
る。補修要領書の一例が、JGA 指−104-03「球形ガスホルダー指針」附属書 11.
る。補修要領書の一例が、JGA 指−104-13「球形ガスホルダー指針」附属書 10.
「溶接補修要領書」に示されている。
「溶接補修要領書(例)
」に示されている。
(2) 補修に伴う非破壊試験の要領及び判定基準は、原則として製作時のものを準
(2) 補修に伴う非破壊試験の要領は、原則として 6.3「工場製作時の試験及び検査」
を準用する。なお、LPG貯槽毎に 11.3.2 個別評価を適用する際は、必要に応
用する。
(3) 補修を行った場合には、補修箇所、補修方法、検査記録等の補修施工に関す
じて第 11 章の規定に従って非破壊試験を実施する。
(3) 補修を行った場合には、補修箇所、補修方法、検査記録等の補修施工に関す
る記録書を作成し、保管する。
る記録書を作成し、保管する
*2 7.4「開放検査時の補修」に関する規定は、既設貯槽にも適用する。
7. 2 素材検査時の補修
7. 2
素材検査時の補修
試験及び検査で有害と判定されたきずは、下記の基準を満足する範囲内で、グライダー
試験及び検査で有害と判定されたきずは、下記の基準を満足する範囲内で、グラインダ
等を用いてていねいに除去し、なだらかに仕上げる*1ものとし、溶接補修は行ってはなら
ー等を用いてていねいに除去し、なだらかに仕上げる*1ものとし、溶接補修は行ってはな
ない。
らない。
(1)
鋼
(1) 鋼
板
きずを除去した後の残存厚さが、公称呼び厚さ以上であること。
(2)
板
きずを除去した後の残存厚さが、公称呼び厚さ以上であること。
(2) 鍛 造 品
鍛 造 品
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さに加工による減肉量を見込んだ厚さ以上で
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さに加工による減肉量を見込んだ厚さ以上で
あること。
あること。
【解 説】
【解 説】
*1 鋼板のきず除去後の仕上げ状態を解図7−1に示す。
*1 鋼板のきず除去後の仕上げ状態を解図7−1に示す。
1/3
1/3
1/3
1/3
解図7−1 きず除去後のグラインダー仕上げ
解図7−1 きず除去後のグラインダー仕上げ
228
現行 LPG貯槽指針
7. 3 製作時の補修
LPG貯槽指針 改訂案
7. 3
7. 3. 1 加工後検査時の補修
製作時の補修
7. 3. 1 加工後検査時の補修
試験及び検査で有害と判定されたきずは、下記の基準を満足する範囲内で、グラインダ
試験及び検査で有害と判定されたきずは、下記の基準を満足する範囲内で、グラインダ
ー等を用いてていねいに除去し、なだらかに仕上げるものとし、溶接補修は行ってはなら
ー等を用いてていねいに除去した後、なだらかに仕上げるものとし、溶接補修は行っては
ない。
ならない。
(1)
鋼
(1) 鋼
板
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さ以上であること。
(2)
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さ以上であること。
(2) 鍛 造 品
鍛 造 品
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さ以上であること。
きずを除去した後の残存厚さが、最小厚さ以上であること。
7. 3. 2 溶接部検査時の補修*1
7. 3. 2 溶接部検査時の補修*1
7. 3. 2. 1 表面きずの補修
(1)
7. 3. 2. 1 表面きずの補修
溶接部(治具跡を含む。
)の磁粉探傷試験、浸透探傷試験等において検出された有害な
(1) 溶接部(ジグ跡を含む。)のきずはグラインダー等で除去し、当該きずが完全に除去さ
きずはグラインダー等で除去し、当該きずが完全に除去されたことを磁粉探傷試験又は
れたことを磁粉探傷試験又は浸透探傷試験で確認した後、残存厚さが最小厚さを割らな
浸透探傷試験で確認した後、残存厚さが最小厚さを割らない場合は、グラインダー等を
い場合は、グラインダー等を用いてなだらかに仕上げるものとし、残存厚さが最小厚さ
用いてなだらかに仕上げるものとし、残存厚さが最小厚さを割る場合には、溶接補修を
を割る場合には、溶接補修を行う。
(2) 外観検査で検出されたアンダーカットは、デプスゲージ等で深さを測定し、残存厚さ
行う。
(2)
板
外観検査で検出されたアンダーカットは、デプスゲージ等で深さを測定し、残存厚さ
が最小厚さを割らない場合は、グラインダー等を用いてなだらかに仕上げるもの*2とし、
が最小厚さを割らない場合は、グラインダー等を用いてなだらかに仕上げるもの*2とし、
残存厚さが最小厚さを割る場合には、溶接補修を行う。また、オーバーラップはグライ
残存厚さが最小厚さを割る場合には、溶接補修を行う。また、オーバーラップはグライ
ンダー等を用いてなだらかに仕上げる。
ンダー等を用いてなだらかに仕上げる。
【解 説】
【解 説】
*1 溶接後熱処理を行った後に溶接補修を行った場合は、再度溶接後熱処理を実施す
*1 溶接後熱処理を行った後に溶接補修を行った場合は、再度溶接後熱処理を実施す
る。
る。
*2 溶接部止端部の仕上げ状態を解図7−2に示す。
*2 溶接部止端部の仕上げ状態を解図7−2に示す。
解図7−2 溶接部止端部のグラインダー仕上げ
解図7−2 溶接部止端部のグラインダー仕上げ
229
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
7. 3. 2. 2 内部きずの補修
7. 3. 2. 2 内部きずの補修
第6章「試験及び検査」及び 7.6「補修後の検査」に規定する放射線透過試験又は超音
第6章「試験及び検査」及び 7.6「補修後の検査」に規定する放射線透過試験又は超音
波探傷試験により検出されたブローホール、スラグ、割れ等のきずで不合格となったもの
波探傷試験により検出されたブローホール、スラグ、割れ等のきずで不合格となったもの
は、当該きずを除去し、溶接補修を行う。
は、当該きずを除去し、溶接補修を行う。
(1)
きずの除去は、きずまでの距離が近い側から行う。
(1) きずの除去は、きずまでの距離が近い側から行う。
なお、きずまでの距離が不明瞭な場合は再度、放射線透過試験又は超音波探傷試験に
なお、きずまでの距離が不明瞭な場合は再度、放射線透過試験又は超音波探傷試験により確
より確認し、きずの除去を行なうこと。
(2)
認し、きずの除去を行なうこと。
(2) きずの除去はグラインダー、アークエアガウジング、機械切削等によりていねいに行
きずの除去はグラインダー、アークエアガウジング、機械切削等によりていねいに行
い、当該きずの除去を磁粉探傷試験又は浸透探傷試験により確認する。
い、当該きずの除去を磁粉探傷試験又は浸透探傷試験により確認する。
7. 3. 3 耐圧試験後の補修
7. 3. 3 耐圧試験後の補修
耐圧試験後、外観検査及び磁粉探傷試験又は浸透探傷試験において検出された有害なき
耐圧試験後、外観検査及び磁粉探傷試験又は浸透探傷試験において検出された有害なき
ずの処置は、7.3.2「溶接部検査時の補修」に準じて行う。
ずの処置は、7.3.2「溶接部検査時の補修」に準じて行う。
耐圧試験後、耐圧部の主要な部分に溶接補修をした場合は、再度耐圧試験を行う。
7. 4 開放検査時の補修*1
耐圧試験後、耐圧部の主要な部分に溶接補修をした場合は、再度耐圧試験を行う。
7. 4
7. 4. 1 表面きずの補修
開放検査時の補修*1
7. 4. 1 表面きずの補修
溶接部(治具跡等を含む。
)の磁粉探傷試験、浸透探傷試験等において検出された有害な
溶接部(ジグ跡等を含む。
)のきずはグラインダー等で除去し、当該きずが完全に除去さ
きずはグラインダー等で除去し、当該きずが完全に除去されたことを磁粉探傷試験又は浸
れたことを磁粉探傷試験又は浸透探傷試験で確認した後、残存厚さが計算厚さを割らない
透探傷試験で確認した後、残存厚さが計算厚さ*1を割らない場合は、グラインダー等を用
場合は、グラインダー等を用いてなだらかに仕上げるものとし、残存厚さが計算厚さ*1割
いてなだらかに仕上げるものとし、残存厚さが計算厚さ*2を割る場合には、溶接補修を行
る場合には、溶接補修を行う。
う。
【解 説】
【解 説】
*1 補修のうち届出対象となるものが、付属書 1.「適用法令等」に示されている。
*1 腐食のおそれがある場合には、腐れ代を加えた値とする。
*2 腐食のおそれがある場合には、腐れ代を加えた値とする。
230
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
7. 4. 2 腐食減肉部の補修
7. 4. 2 腐食減肉部の補修
腐食のため、厚さが減少している部分の補修は、7.4.1「表面きずの補修」に準じる。
腐食によって厚さが減少している部分の補修は、7.4.1「表面きずの補修」に準じる。
7. 4. 3 内部きずの補修
7. 4. 3 内部きずの補修
溶接補修部について行った 7.6「補修後の検査」(3)に規定する放射線透過試験により検
溶接補修部について行った 7.6「補修後の検査」(3)に規定する放射線透過試験により検
出された内部きずで、補修を必要とするものは、7.3.2.2「内部きずの補修」に準じて補修
出された内部きずで、補修を必要とするものは、7.3.2.2「内部きずの補修」に準じて補修
を行う。
を行う。
7. 4. 4 はめ込み溶接による補修*1
7. 4. 4 切継ぎ溶接による補修
不測の損傷によりやむを得ずその部分を切り取った後、新しい鋼板をはめ込んで行う溶
不測の損傷によりやむを得ずその部分を切り取った後、新しい鋼板をはめ込んで行う溶
接(切継ぎ溶接という。
)によって補修を行う場合は以下の基準による。
接(はめ込み溶接という。
)によって補修を行う場合は以下の基準による。
(1)
新しく使用する鋼板は、原則として原鋼板と同一規格、同一板厚のものとする。
(1) 新しく使用する鋼板は、原則として原鋼板と同一規格、同一板厚のものとする。
(2)
建設時と同等以上の溶接施工を行う。
(2) 建設時と同等以上の溶接施工を行う。
(3)
過大な角変形を生じないような対策をとる。
(3) 過大な角変形*2 を生じないような対策をとる。
【解 説】
*1 はめ込み溶接による補修は、7.4.1「表面きずの補修」
、7.4.2「腐食減肉部の補修」の補修が
困難な場合についての規定であるが、本来好ましいものではないため、このような状態になら
ないように第 11 章「維持管理」に示す防止対策を行い、使用中それらの対策が有効に作用し、
応力腐食割れや有害な腐食が発生していないことを確認しなければならない。
*2 6.1.10(2)「角変形検査」
、6.2.22(4)「角変形検査」による。
7. 5 溶接補修の注意事項
(1)
7. 5
(1) きずはグラインダー等によりていねいに除去し、かつ、溶接補修が確実に行えるよう
きずはグラインダー等によりていねいに除去し、かつ、溶接補修が確実に行えるよう
な形状に整える。
(2)
溶接補修の注意事項
な形状に整える。
溶接補修は、5.3「溶接」の規定よるほか、次の事項に注意する。
(2) 溶接補修は、5.3「溶接」の規定によるほか、次の事項に注意する。*1
*1
(a) 溶接士は特に技量に優れ、作業経験の豊富な者を選定する。
(a) 溶接士は特に技量に優れ、作業経験の豊富な者を選定する。
(b) 予熱温度は、通常溶接時より 25∼30℃程度高める。
(b) 予熱温度は、通常溶接時より 25∼30℃程度高める。
予熱及び後熱の範囲は、補修個所を中心にその前後左右、少なくとも 150mm以上
予熱及び後熱の範囲は、補修個所を中心にその前後左右、少なくとも 150mm以上
の範囲を行い、温度計測は補修個所から前後左右に 50∼100mmの範囲で4点以上を
の範囲を行い、温度計測は補修個所から前後左右に 50∼100mmの範囲で4点以上を
231
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
表面温度計と温度チョークで確認する。
表面温度計と温度チョークで確認する。
(c) 溶接補修は2パス以上とし、ビード長さは 50mm以上とする。
(c) 溶接補修は2パス以上とし、ビード長さは 50mm以上とする。
また、下層溶接部の硬化を緩和させる方法としてビード上に余盛テンパービード*2
また、下層溶接部の硬化を緩和させる方法としてビード上に余盛テンパービード*2
を置くことも、有効である。
を置くことも、有効である。
(d) 同一箇所についての溶接補修の回数は、原則として通算3回*3までとする。
(3)
(d) 同一箇所についての溶接補修の回数は、原則として通算3回*3までとする。
(3) きずの除去*4は、開先を取る場合を考慮に入れ、可能な限り溶接ビードと平行(ジグ
きずの除去*4は、開先を取る場合を考慮に入れ、可能な限り溶接ビードと平行(治具
跡ではきずの長手方向)に砥石をたて、削り過ぎないようにていねいに行う。
跡ではきずの長手方向)に砥石をたて、削り過ぎないようにていねいに行う。
【解 説】
【解 説】
*1 溶接補修による歪のため裏面にきずが発生するおそれがあるので溶接補修部が、
*1 溶接補修による歪のため裏面にきずが発生するおそれがあるため、溶接補修部が、
溶接線又は溶接線近傍にあり、その溶接線の裏面のビードが整形していない場合は、
溶接線又は溶接線近傍にあり、その溶接線の裏面のビードが整形していない場合は、
溶接補修する前に裏面のビード整形を行うことが望ましい。
溶接補修する前に裏面のビード整形を行うことが望ましい。
*2 余盛テンパービードの例を解図7−3に示す。
*2 余盛テンパービードの例を解図7−3に示す。
解図7−3 余盛テンパービードの例
解図7−3 余盛テンパービードの例
*3 JLPA 201(2004)「球形貯槽基準」に準ずるものである。
*3 JLPA 201(2004)「球形貯槽基準」に準ずるものである。
3回を超える場合の補修要領は、確認試験(引張、曲げ、衝撃試験等)により、
3回を超える場合の補修要領は、確認試験(引張、曲げ、衝撃試験等)により、
安全が確認されたものとする。
安全が確認されたものとする。
*4 きず除去の一例を解図7−4に示す。
*4 きず除去の一例を解図7−4に示す。
1)
1)
2)
2)
232
現行 LPG貯槽指針
注
LPG貯槽指針 改訂案
1) 溶接ビードとクロスする溶接補修を回避するため、破線のようなきずの除去は行ってはな
注 1) 溶接ビードとクロスする溶接補修を回避するため、破線のようなきずの除去は行ってはな
らない。
らない。
2) 治具跡等のきずについては、溶接補修面積が小さくなるようにきずの長手方向に除去する。
2) ジグ跡等のきずについては、溶接補修面積が小さくなるようにきずの長手方向に除去する。
解図7−4 きずの除去例
7. 6 補修後の検査*1
(1)
解図7−4 きずの除去例
7. 6
グラインダー等による補修部分は、6.1.11(2)(f)「磁粉探傷試験」又は6.1.11(2)(g)「浸
(1) グラインダー等による補修部分は、6.1.11(2)(f)「磁粉探傷試験」又は6.1.11(2)(g)「浸
透探傷試験」に従って検査し、異常のないことを確認する。
(2)
(3)
(4)
治具跡等で深さが3mm
*2
補修後の検査*1
透探傷試験」に従って検査し、異常のないことを確認する。
(2) ジグ跡等で深さが3mm*2以下のきずに対する溶接補修を行った場合は、溶接終了後
以下のきずに対する溶接補修を行った場合は、溶接終了後
36時間以上経過後、6.1.11(2)(f)「磁粉探傷試験」又は6.1.11(2)(g)「浸透探傷試験」に従
36時間以上経過後、6.1.11(2)(f)「磁粉探傷試験」又は6.1.11(2)(g)「浸透探傷試験」に従
って検査し、異常のないことを確認する。
って検査し、異常のないことを確認する。
治具跡等で深さが3mm を超えるきずに対する溶接補修、及び突合せ溶接部のきずに
(3) ジグ跡等で深さが3mm を超えるきずに対する溶接補修、及び突合せ溶接部のきずに
対する溶接補修を行った場合は、溶接終了後 36 時間以上経過後、6.1.11(2)(d)「放射線
対する溶接補修を行った場合は、溶接終了後 36 時間以上経過後、6.1.11(2)(d)「放射線
透過試験」及び 6.1.11(2)(f)「磁紛探傷試験」又は 6.1.11(2)(g)「浸透探傷試験」に従っ
透過試験」及び 6.1.11(2)(f)「磁紛探傷試験」又は 6.1.11(2)(g)「浸透探傷試験」に従っ
て検査し、異常のないことを確認する。
て検査し、異常のないことを確認する。*3
(4) 溶接補修後の磁紛探傷試験の検査範囲*4は、図7−1による。
溶接補修後の磁紛探傷試験の検査範囲*3は、図7−1による。
(a) 溶接線における補修の場合
(b) 治具跡等の補修の場合
(a) 溶接線における補修の場合
図7−1 溶接補修後の磁粉探傷試験の検査範囲
(b) ジグ跡等の補修の場合
図7−1 溶接補修後の磁粉探傷試験の検査範囲
233
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【解 説】
【解 説】
*1 ここで行う検査は、第6章「試験及び検査」で行う検査に加えて規定している。
*1 ここで行う検査は、第6章「試験及び検査」で行う検査に加えて規定している。
*2 JLPA「LPガスプラント検査技術者必携(第6分冊:溶接補修実施要領)
」に準ず
*2 JLPA「LPガスプラント検査技術者必携(第6分冊:溶接補修実施要領)
」に準ず
るものである。
るものである。
*3 内部きずの検出には超音波探傷試験も有効である。
*4 突合せ溶接部及び完全溶込みすみ肉溶接部は、溶接補修による歪のため裏面にき
*3 突合せ溶接部及び完全溶込みすみ肉溶接部は、溶接補修による歪のため裏面にき
ずが発生するおそれがあるので、裏面についても検査範囲に含める。
7. 7 耐圧強度の確認*1
ずが発生するおそれがあるので、裏面についても検査範囲に含める。
7. 7
耐圧強度の確認*1
はめ込み溶接による補修等耐圧強度に影響を及ぼす補修を行った場合は、6.1.15「耐圧
切継ぎ溶接による補修等耐圧強度に影響を及ぼす補修を行った場合は、耐圧試験により
試験」
、6.2.25「耐圧試験」*2により耐圧強度の確認を行う。
耐圧強度の確認を行う。
なお、耐圧試験を実施する場合には、全溶接部に対し、耐圧試験前は 6.1.11「溶接部検
なお、耐圧試験を実施する場合には、全溶接部に対し、耐圧試験前は 6.1.11「溶接部検
査」
、耐圧試験後は 6.1.16「耐圧試験後の溶接部検査」に準じて検査を行う。
査」、耐圧試験後は 6.1.16「耐圧試験後の溶接部検査」に準じて検査を行う。
【解 説】
【解 説】
*1 ここで行う検査は、開放検査時に切継ぎ溶接による補修等耐圧強度に影響を及ぼ
*1 ここで行う検査は、開放検査時にはめ込み溶接による補修等耐圧強度に影響を及ぼ
す補修を行った場合について規定している。
す補修を行った場合について規定している。
*2 耐震設計を要求するLPG貯槽に、通常の運転状態におけるLPGの重量を超える水等を
満たそうとするときは、仮に当該貯槽が倒壊したとしても、可燃性ガス等の漏えいが発生し
ないように、当該貯槽の倒壊により破損する可能性のある配管、設備等を保護し、又はそれ
らの配管、設備等とその他の部分とを確実に遮断して可燃性ガス等を除去する等の措置を行
うとともに、水等を満たしている期間は、必要最小限とすること。ただし、当該貯槽が水等
を満たした状態で、耐震設計したものにあってはこの限りではない。
234
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
第8章 基礎及び防液堤
第8章 基礎及び防液堤
8.1 基
8.1.1 一
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2 地盤調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.1 一
8.1 基
礎
8.1.1 一
礎
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2 地盤調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.1 一
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1 2 2 調査計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.2 調査計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.3 調査項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.3 調査項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.4 資料調査及び現地踏査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.4 資料調査及び現地踏査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.5 ボーリング調査,サウンディング及びサンプリング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.5 ボーリング調査、サウンディング及びサンプリング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.6 室内試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.6 室内試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.7 原位置試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.2.7 原位置試験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3 材
料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3 材
料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.1 コンクリート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.1 コンクリート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.2 鉄
筋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.2 鉄
8.1.3.3 く
い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.3 杭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.4 その他の材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.3.4 その他の材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4 設計値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4 設計値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4.1 コンクリート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4.1 コンクリート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4.2 鉄
筋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4.2 鉄
8.1.4.3 く
い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.4.3 杭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5 構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5 構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
筋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
筋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.1 一
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.1 一
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.2 荷
重 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.2 荷
重 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.3 安全係数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.3 安全係数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.4 地盤の液状化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.4 地盤の液状化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.5 くい基礎の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.5 杭基礎の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.6 直接基礎の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.6 直接基礎の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.7 フーチング,地中ばり等の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.5.7 フーチング、地中ばり等の構造及び設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6 施
8.1.6.1 一
工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6 施
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.1 一
工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.2 くい基礎の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.2 杭基礎の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.3 直接基礎の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.3 直接基礎の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
−235−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8.1.6.4 フーチング,地中ばり等の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.6.4 フーチング、地中ばり等の施工 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7 試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7 試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.1 一
8.1.7.1 一
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.2 くいの試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.2 杭の試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.3 直接基礎の地業工事の試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.3 直接基礎の地業工事の試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.4 フーチング,地中ばり等の試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.4 フーチング、地中ばり等の試験及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.5 基礎の完成後の検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.5 基礎の完成後の検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.6 本体据付後の基礎の検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.1.7.6 本体据付後の基礎の検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
−236−
8.1 基
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
第8章 基礎及び防液堤
第8章 基礎及び防液堤
礎
8.1.1 一
8.1 基
般
8.1.1 一
8.1「基礎」は,貯槽本体及び付属設備の基礎*1*2であって,基礎をくい又は堅固な
(1)
礎
(1)
地盤で支持する基礎構造*3に適用する。
般
8.1「基礎」は、LPG貯槽本体及び付属設備の基礎*1*2であって、基礎を杭又は堅固
な地盤で支持する基礎構造*3に適用する。
(2) 基礎は,地盤状況*4,貯槽の構造,施工条件等に応じて安全な構造とすること。
(2) 基礎は,地盤状況*4、LPG貯槽の構造、施工条件等に応じて安全な構造とすること。
(3) 設計及び施工において,設計耐用年数期間の耐久性を考慮すること。
(3) 耐用年数を定め、その期間において耐久性を維持できる設計・施工とすること。
(4) 許容応力度設計法による基礎の設計に関する規定は,付属書5によること。*5
(4) 許容応力度設計法による基礎の設計に関する規定は、付属書5によること。*5
8.1「基礎」に規定されていない事項については,必要に応じて関連諸規定*6によるこ
(5)
(5)
と。
と。
【解 説】
*1
8.1「基礎」に規定されていない事項については、必要に応じて関連諸規定*6によるこ
【解 説】
貯槽の基礎構造の例を横置円筒形,縦置円筒形及び球形貯槽について,それぞれ
*1
解図8.1−1,解図8.1−2及び解図8.1−3に示す。
LPG貯槽の基礎構造の例を横置円筒形、縦置円筒形及び球形貯槽について、それぞれ
解図8.1−1、解図8.1−2及び解図8.1−3に示す。
ぐい
杭
ぐい
杭
解図8.1−1(a) 横置円筒形貯槽のくい基礎の構造例
解図8.1−1(a) 横置円筒形貯槽の杭基礎の構造例
−237−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解
解図8.1−1(b) 横置円筒形貯槽の直接基礎の構造例
解図8.1−1(b) 横置円筒形貯槽の直接基礎の構造例
ぐい
杭
解図8.1−2(a) 縦置円筒形貯槽のくい基礎の構造例
解図8.1−2(a) 縦置円筒形貯槽の杭基礎の構造例
解図8.1−2(b) 縦置円筒形貯槽の直接基礎の構造例
解図8.1−2(b) 縦置円筒形貯槽の直接基礎の構造例
−238−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
独立フーチング基礎
独立フーチング基礎
ぐい
連続フーチング基礎
連続フーチング基礎
ぐい
杭
杭
べ
べ
た
た
基
基
杭
ぐい
礎
礎
解図8.1−3(a) 球形貯槽の杭基礎の構造例
解図8.1−3(a) 球形貯槽のくい基礎の構造例
−239−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
独立フーチング基礎
独立フーチング基礎
連続フーチング基礎
連続フーチング基礎
べ
べ
た 基 礎
た 基 礎
支持地盤
解図8.1−3(b) 球形貯槽の直接基礎の構造例
支持地盤
解図8.1−3(b) 球形貯槽の直接基礎の構造例
*2 防液堤の基礎は,8.2「防液堤」によること。
*2 防液堤の基礎は、8.2「防液堤」によること。
*3
*3 基礎の形式には地盤状況等により、杭基礎、直接基礎、ケーソン基礎等があるが、LPG貯槽
基礎の形式には地盤状況等により,くい基礎,直接基礎,ケーソン基礎等があるが,貯槽本体
の基礎の構造は以下による。
本体の基礎の構造は以下による。
(1) 基礎は,原則として直接基礎又はくい基礎形式とする。
(1) 基礎は、原則として直接基礎又は杭基礎形式とする。
(2) 基礎は鉄筋コンクリート製とする。
(2) 基礎は鉄筋コンクリート製とする。
(3) 貯槽を崖地,護岸地に接近して設置する場合又は有害な地盤沈下や地震時に液状化が予想され
(3)
LPG貯槽を崖地、護岸地に接近して設置する場合又は有害な地盤沈下や地震時に液状化が
る地盤に設置する場合等においては,地盤及び基礎の安全性を検討し,必要に応じて基礎の補強
予想される地盤に設置する場合等においては、地盤及び基礎の安全性を検討し、必要に応じて基
若しくは地盤改良又は設置位置の変更を行う。
礎の補強若しくは地盤改良又は設置位置の変更を行う。
−240−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(4) 荷重の分担
(4) 荷重の分担
(a) 杭基礎
(a) くい基礎
基礎に作用する鉛直荷重に対してはくいのみで支持させることとし,基礎底面の支持効果は
基礎に作用する鉛直荷重に対しては杭のみで支持させることとし、基礎底面の支持効果は
考慮しない。また水平荷重に対しては原則としてくいのみで支持させるものとする。ただし,
考慮しない。また水平荷重に対しては原則として杭のみで支持させるものとする。ただし、
くいと基礎根入れ部分と協同で分担させる場合は,両者の分担割合について検討する。なお,
杭と基礎根入れ部分と協同で分担させる場合は、両者の分担割合について検討する。
基礎の根入れ深さ(8.1.5.2 解図8.1−6の Df)については,次の項目を考慮して決定する
(ⅰ) 凍結作用を受ける深さ
(ⅱ) 地下水位
(ⅲ) 雨水等によって洗掘される恐れのある深さ
(ⅳ) 地下埋設物及び隣接構造物の影響
(ⅴ) 水平荷重を根入れ部分に分担させる場合は,その荷重
(b) 直接基礎
(b) 直接基礎
基礎に作用する鉛直荷重に対しては基礎底面下の地盤のみで支持させ,水平荷重に対しては
基礎に作用する鉛直荷重に対しては基礎底面下の地盤のみで支持させ、水平荷重に対しては
原則として基礎底面の摩擦抵抗のみで支持させる。なお,水平荷重を基礎底面と基礎根入れ
原則として基礎底面の摩擦抵抗のみで支持させる。なお、水平荷重を基礎底面と基礎根入れ
部分との協同で分担させる場合は,両者の分担割合について検討する。
部分との協同で分担させる場合は、両者の分担割合について検討する。
(5) 既製コンクリートぐい又は鋼ぐいにおける,くいとくいの継手は原則として溶接継手とする。
(5) 既製コンクリート杭又は鋼杭における、杭と杭の継手は原則として溶接継手とする。
(6) 基礎ボルトは,原則として直接コンクリートに埋込む構造とする。また,シアプレート用の溝
(6) 基礎ボルトは、原則として直接コンクリートに埋込む構造とする。
は,柱脚部のコンクリート打設と同時に設ける構造とする。柱脚部の構造例を解図8.1−4に
(7)
シアプレート用の溝は、柱脚部のコンクリート打設と同時に設ける構造とする。柱脚部の構
示す。なお,シアプレートより受ける荷重を基礎本体に確実に伝えるために,シアプレート部の
造例を解図8.1−4に示す。なお、シアプレートより受ける荷重を基礎本体に確実に伝えるた
モルタル充填は十分注意して行う。
めに、シアプレート部のモルタル充填は十分注意して行う。
基礎ボルト
基礎ボルト
柱脚
基礎
基礎ボルト
解図8.1−4 柱脚部の構造例
解図8.1−4 柱脚部の構造例
(7) 受入れ,払出し配管等であっても,貯槽本体に対する不等沈下等が悪影響を及ぼすおそれがあ
るものの基礎は,本体の基礎に接続させた一体基礎とする。
(8)
受入れ、払出し配管等であっても、LPG貯槽本体に対する不等沈下等が悪影響を及ぼすお
それがあるものの基礎は、本体の基礎に接続させた一体基礎とする。
(8) 貯槽を水平に設置するために,基礎も水平になるように設置するのが普通であるが,横置円筒
形貯槽では,ドレン抜きを考慮して,ドレン側に 1/200 程度の勾配を設けるように設計するのが
−241−
(9)
LPG貯槽を水平に設置するために、基礎も水平になるように設置するのが普通であるが、
横置円筒形貯槽では、ドレン抜きを考慮して、ドレン側に 1/200 程度の勾配を設けるように設
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
一般的である。
計するのが一般的である。
*4 地盤の地盤の状況は 8.1.2「地盤調査」に示す方法により調査し,必要に応じて適切な地盤改良
*4 地盤の状況は 8.1.2「地盤調査」に示す方法により調査し、必要に応じて適切な地盤改良を行
を行うこと。
うこと。
*5 許容応力度設計法により基礎の設計を行う場合は,8.1「基礎」の次の規定を付属書5「許容応力
*5
許容応力度設計法により基礎の設計を行う場合は、8.1「基礎」の次の規定を付属書5「許容応
度設計法による基礎の設計」の規定に読み替えること。
力度設計法による基礎の設計」の規定に読み替えること。
・ 8.1.4「設計値」
・ 8.1.4「設計値」
・ 8.1.5「構造及び設計」のうち,8.1.5.2(1)
「荷重の種類」及び(2)
「荷重の算定」並びに 8.1.5.4
・ 8.1.5「構造及び設計」のうち、8.1.5.2(1)「荷重の種類」及び(2)「荷重の算定」並びに
8.1.5.4「地盤の液状化」を除く部分
「地盤の液状化」を除く規定
*6
貯槽の基礎に関連する諸規定には次のものがある。設計にあたっては,必要に応じてこれらに
*6 LPG貯槽の基礎に関連する諸規定には次のものがある。設計にあたっては、必要に応じてこ
れらによること。
よること。
製造設備等耐震設計指針
日本ガス協会
高圧ガス設備等耐震設計指針
高圧ガス保安協会
高圧ガス設備等耐震設計指針
高圧ガス保安協会
コンクリート標準示方書
土木学会
コンクリート標準示方書
土木学会
鉄道構造物等設計標準・同解説
鉄道総合技術研究所
鉄道構造物等設計標準・同解説
鉄道総合技術研究所
日本工業規格
日本規格協会
日本工業規格
日本規格協会
道路橋示方書・同解説
日本道路協会
道路橋示方書・同解説
日本道路協会
鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説
日本建築学会
鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説
日本建築学会
鋼構造設計規準・同解説
日本建築学会
鋼構造設計規準・同解説
日本建築学会
建築基礎構造設計規準・同解説
日本建築学会
建築基礎構造設計規準・同解説
日本建築学会
建築工事標準仕様書・同解説
建築工事標準仕様書・同解説
JASS5 鉄筋コンクリート工事
JASS5 鉄筋コンクリート工事
日本建築学会
日本建築学会
土質調査法
地盤工学会
地盤調査の方法と解説
地盤工学会
土質試験の方法と解説
地盤工学会
地盤材料試験の方法と解説
地盤工学会
−242−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8.1.2 地盤調査
8.1.2 地盤調査
8.1.2.1 一
般 *1
8.1.2.1 一
基礎の建設にあたっては,合理的な計画,設計,施工及び維持管理を行うために地盤調
LPG貯槽の建設にあたっては、合理的な計画、設計、施工及び維持管理を行うために
査を行い,地盤に関する資料を得ること。
地盤調査を行い、地盤に関する資料を得ること。
【解 説】
*1
【解 説】
地盤調査の目的は,支持層の確認,将来の沈下予測,地震時の安定性の検討,基礎の構造計画
*1
等を行うために必要な地盤に関する資料を得ることにある。
地盤調査の目的は、支持層の確認、将来の沈下予測、地震時の安定性の検討、LPG貯槽の
構造計画等を行うために必要な地盤に関する資料を得ることにある。
8.1.2.2 調査計画*1
8.1.2.2 調査計画*1
地盤調査は,予備調査と本調査に分けて行うものとし,それぞれについて調査計画を作
地盤調査は、予備調査と本調査に分けて行い、各調査段階で目的に応じて、項目、方法、
成すること。
範囲及び密度を計画すること。
【解 説】
*1
般*1
【解 説】
予備調査の目的は,本調査のための基礎的資料を入手することにあり,その内容は資料調査,
*1 予備調査の目的は、本調査のための基礎的資料を入手することにあり、その内容は資料調査,
ボーリング調査等である。本調査の目的は,設計施工及び維持管理に必要な資料を得ることにあ
ボーリング調査等である。本調査の目的は、設計、施工及び維持管理に必要な資料を得ることに
り,その内容はボーリング調査,サウンディング,サンプリング,室内試験及び原位置試験であ
あり、その内容はボーリング調査、サウンディング、サンプリング、室内試験及び原位置試験で
る。
ある。
8.1.2.3 調査項目*1
8.1.2.3 調査項目*1
地盤調査を行うにあたっては,調査目的に応じて適切な項目及び方法を選定すること。
地盤調査を行うにあたっては、調査目的に応じて適切な項目及び方法を選定すること。
【解 説】
*1
【解 説】
調査項目及び方法の選定にあたっては,その適用範囲と得られる結果の精度等についてよく
*1
検討することが重要である。また,調査目的に応じた調査項目の例を解表8.1−1に示す。
調査項目及び方法の選定にあたっては、その適用範囲と得られる結果の精度等についてよく
検討することが重要である。また、調査目的に応じた調査項目の例を解表8.1−1に示す。
−243−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
腐
食
性
地下水の水質
○
○
地下水の状態
8.1.2.4 資料調査及び現地踏査
○
○
○
○
○
○
○
地盤の動的特性
○
○
○
○
地盤の変形特性
○
○
○
○
○
○
地盤の沈下特性
○
成
○
○
○
○
○
資 料 調 査 及 び 現 地 踏 査 ○
ボ ー リ ン グ 調 査
サ ウ ン デ ィ ン グ
サ
ン
プ
リ
ン
グ
室 内 物理試験及び化学試験
試 験 力
学
試
験
原
位
置
試
験
地盤の強度特性
構
○
○
○
層
○
○
○
形
性
調査項目
支持層の確認
地
食
調査目的
○
○
○
地
解表8.1−1 調査目的と調査項目の関係例
腐
地下水の水質
○
○
○
○
○
○
○
○
地下水の状態
○
○
○
○
地盤の動的特性
○
○
○
○
○
地盤の変形特性
成
資 料 調 査
び 現 地 踏 査 ○
ボ ー リ ン グ 調 査
サ ウ ン デ ィ ン グ
サ
プ
リ
ン
グ
室 内 物理試験及び化学試験
試 験 力
学
試
験
原
位
置
試
験
地盤の沈下特性
構
形
調査項目
地盤の強度特性
層
調査目的
支持層の確認
地
地
解表8.1−1 調査目的と調査項目の関係例
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
8.1.2.4 資料調査及び現地踏査
貯槽の建設予定地周辺の地形及び地質の概況をあらかじめ資料によって調査し,また現
LPG貯槽の建設予定地周辺の地形及び地質の概況をあらかじめ資料によって調査し、また、
地踏査によって地 及び地質の観察等の調査を行うこと。
現地踏査によって地形及び地質の観察等の調査を行うこと。
.
8.1.2.5 ボーリング調査、サウンディング及びサンプリング
8.1.2.5 ボーリング調査、サウンディング及びサンプリング
各土層の層厚・分布,地下水等の地盤の状況を把握し,土質に関する精密な資料を入手
各土層の層厚・分布、地下水等の地盤の状況を把握し、土質に関する精密な資料を入手
するためにボーリング調査,サウンディング及びサンプリングを行うこと。
するためにボーリング調査、サウンディング及びサンプリングを行うこと。
(1) ボーリング調査*1
(1) ボーリング調査*1
地盤調査の目的,地盤の状況等に応じて適切なボーリングの方法,調査範囲及び密度
地盤調査の目的、地盤の状況等に応じて適切なボーリングの方法、調査範囲及び密度
を定めること。
を定めること。
*2
(2) サウンディング*2
(2) サウンディング
サウンディングは必要に応じて実施するものとし,地盤の状況を考慮して,適切な試
サウンディングは必要に応じて実施するものとし、地盤の状況を考慮して、適切な試
験方法を採用すること。
験方法を採用すること。
(3) サンプリング*3
(3) サンプリング*3
サンプリングは必要 応じて実施するものとし,その目的,地盤の状況を考慮して,
サンプリングは必要に応じて実施するものとし、その目的、地盤の状況等を考慮して、
切なサンプラーの種類,サンプリングの深さ及び個数を決定すること。
適切なサンプラーの種類、サンプリングの深さ及び個数を決定すること。
【解 説】
*1
【解 説】
ボーリング調査は,基礎の設計及び施工に直接利用される資料を得るための重要な調査手段で
*1 ボーリング調査は、基礎の設計及び施工に直接利用される資料を得るための重要な調査手段で
あり,次の目的で行われる。
あり、次の目的で行われる。
(a) ボーリング調査により各土層の層厚,深さ,分布等の地層構成を明らかにする。
(a) ボーリング調査により各土層の層厚、深さ、分布等の地層構成を明らかにする。
(b) ボーリング孔を利用し,適切な深さでサンプリングを行う。
(b)
ボーリング孔を利用し、適切な深さでサンプリングを行う。
(c) ボーリング孔を利用し,標準貫入試験等のサウンディングを行う。
(c)
ボーリング孔を利用し、標準貫入試験等のサウンディングを行う。
−244−
現行 LPG貯槽指針
*2
LPG貯槽指針 改訂案
ボーリングの調査範囲及び密度は,地盤の状況が十分把握でき,かつ基礎の設計及び施工に
ボーリングの調査範囲及び密度は、地盤の状況が十分把握でき、かつ基礎の設計及び施工に
必要な資料が得られるように決定すること。
必要な資料が得られるように決定すること。
サウンディングには大別して静的サウンディングと動的サウンディングがあり,地盤条件によ
*2 サウンディングには大別して静的サウンディングと動的サウンディングがあり、地盤条件によ
り適用できる試験方法が異なる。
り適用できる試験方法が異なる。
標準貫入試験はサウンディングの代表的なものであり,適用できる地盤の範囲が広く,N値か
JIS A 1219 (2013)「標準貫入試験方法」はサウンディングの代表的なものであり、適用でき
ら推定される事項も多い。基礎の建設のための地盤調査においては,標準貫入試験を行うのがよ
る地盤の範囲が広く、N値から推定される事項も多い。基礎の建設のための地盤調査においては、
い。
標準貫入試験を行うのがよい。
*3
サンプリングによって得られる試料は,乱さない試料と乱した試料に大別される。乱した試料
*3 サンプリングによって得られる試料は、乱さない試料と乱した試料に大別される。乱した試料
の採取は容易であるが,乱さない試料を採取する場合には,採取される試料の硬軟,深度,適用
の採取は容易であるが、乱さない試料を採取する場合には、採取される試料の硬軟、深度、適用
土質試験等を考慮して,適切なサンプラーの種類を選定する必要がある。
土質試験等を考慮して、適切なサンプラーの種類を選定する必要がある。
砂質地盤の強度特性を求めたり,液状化現象の予測のための調査試験等の目的で,砂の乱さない
砂質地盤の強度特性を求めたり、液状化現象の予測のための調査試験等の目的で、砂の乱さな
試料を採取することが望ましい。砂質土の乱さない試料の採取方法は種々提案され,サンプリン
い試料を採取することが望ましい。砂質土の乱さない試料の採取方法は種々提案され、サンプリ
グ技術も開発されつつあるので,サンプリング技術の進歩を考慮して適切な方法を採用すること
ング技術も開発されつつあるので、サンプリング技術の進歩を考慮して適切な方法を採用するこ
が望ましい。
とが望ましい。
8.1.2.6 室内試験
サンプリングによって得られた試料を用いて,物理試験及び化学試験 *1 並びに力学
試験*2を行うこと。
【解 説】
8.1.2.6 室内試験
サ ン プリ ング によ って得 ら れた 試料 を 用 いて、 物 理試 験及 び化 学試 験 * 1 並 びに 力学
試験*2を行うこと。
【解 説】
*1 物理試験及び化学試験には以下のようなものがある。
*1 物理試験及び化学試験には以下のようなものがある。
(a) 土粒子の密度試験:JIS A 1202(1999)「土粒子の密度試験方法」
(a) 土粒子の密度試験:JIS A 1202 (2009)「土粒子の密度試験方法」
(b) 土の含水比試験:JIS A 1203(1999)「土の含水比試験方法」
(b) 土の含水比試験:JIS A 1203 (2009)「土の含水比試験方法」
(c) 粒度試験:JIS A 1204(2000)「土の粒度試験方法」
(c) 粒度試験:JIS A 1204 (2009)「土の粒度試験方法」
:JIS A 1223(2000)「土の細粒分含有率試験方法」
:JIS A 1223 (2009)「土の細粒分含有率試験方法」
(d) 土の湿潤密度試験:JIS A 1225(2000)「土の湿潤密度試験方法」
(d) 土の湿潤密度試験:JIS A 1225 (2009)「土の湿潤密度試験方法」
(e) 液性限界試験:JIS A 1205(1999)「土の液性限界・塑性限界試験方法」
(e) 液性限界試験:JIS A 1205 (2009)「土の液性限界・塑性限界試験方法」
(f) 塑性限界試験:JIS A 1205(1999)「土の液性限界・塑性限界試験方法」
(f) 塑性限界試験:JIS A 1205 (2009)「土の液性限界・塑性限界試験方法」
(g) 水溶性成分含有量試験:JGS 0241(2000)「土の水溶性成分試験方法」
(g) 水溶性成分含有量試験:JGS 0241 (2009)「土の水溶性成分試験方法」
(h) その他必要に応じて行うもの
(ⅰ) pH 値:JGS 0211 (2009)「土懸濁液の pH 試験方法」
(ⅱ) 有機物含有量:JGS 0231 (2009)「土の有機炭素含有量試験方法」
(ⅲ) 有害物質:環境庁告示第 46 号平成 3 年 8 月(土壌の汚染に係る環境基準について)
による。掘削範囲の地盤の有害物質の調査を行う。
*2 力学試験には以下のようなものがある。
*2 力学試験には以下のようなものがある。
(a) 締固め試験:JIS A 1210 (1999)「突固めによる土の締固め試験方法」
(a) 締固め試験:JIS A 1210 (2009)「突固めによる土の締固め試験方法」
(b) 透水試験:JIS A 1218 (1998)「土の透水試験方法」
(b) 透水試験:JIS A 1218 (2009)「土の透水試験方法」
(c) 圧密試験:JIS A 1217 (2000)「土の段階載荷による圧密試験方法(案)」
(c) 圧密試験:JIS A 1217 (2009)「土の段階載荷による圧密試験方法」
−245−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(d) せん断試験
(d) せん断試験
(ⅰ) 一面せん断試験:JGS 0560 (2000)「土の圧密定体積一面せん断試験方法」
(ⅰ) 一面せん断試験:JGS 0560 (2009)「土の圧密定体積一面せん断試験方法」
:JGS 0561 (2000)「土の圧密定圧一面せん断試験方法」
:JGS 0561 (2009)「土の圧密定圧一面せん断試験方法」
(ⅱ) 一軸圧縮試験:JIS A 1216 (1998)「土の一軸圧縮試験方法」
(ⅱ) 一軸圧縮試験:JIS A 1216 (2009)「土の一軸圧縮試験方法」
(ⅲ) 三軸圧縮試験:JGS 0520 (2000)「土の三軸試験の供試体作成・設置方法」
(ⅲ) 三軸圧縮試験:JGS 0520 (2009)「土の三軸試験の供試体作成方法」
:JGS 0521 (2000)「土の非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0521 (2000)「土の非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0522 (2000)「土の圧密非排水(CU)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0522 (2009)「土の圧密非排水(CU)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0523 (2000)「土の圧密排水(CD)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0523 (2009)「土の圧密排水(CU)三軸圧縮試験方法」
:JGS 0524 (2009)「土の圧密排水(CD)三軸圧縮試験方法」
(e) 液状化強度特性試験:JGS 0541 (2000)「土の繰返し非排水(UU)三軸圧縮試験方法」
(e) 液状化強度特性試験:JGS 0541 (2009)「土の繰返し非排水(UU)三軸圧縮試験方法」
(f)
(f) 動的変形特性試験:JGS 0542 (2009)「地盤材料の変形特性を求めるための繰返し三軸圧縮
動的変形特性試験:JGS 0542 (2000)「地盤材料の変形特性を求めるための繰返し三軸圧縮
試験方法」
試験方法」
:JGS 0543 (2000)「土の変形特性を求めるための中空円筒供試体による繰
:JGS 0543 (2009)「土の変形特性を求めるための中空円筒供試体による
返しねじりせん断試験方法」
8.1.2.7 原位置試験
室内試験やサウンディングの他に,くいの支持力,地盤の強度特性,変形特性,沈下特
性,動的特性等を知るために必要に応じて原位置試験*1を行うこと。
試験項目及び方法については,基 の構造,地盤の 況等を考慮して定めること。
【解 説】
繰返しねじりせん断試験方法」
8.1.2.7 原位置試験
室内試験やサウンディングの他に、杭の支持力、地盤の強度特性、変形特性、沈下特性、
動的特性等を知るために必要に応じて原位置試験*1を行うこと。
試験項目及び方法については、基礎の構造、地盤の状況等を考慮して定めること。
【解 説】
*1 原位置試験には以下のようなものがある。
*1 原位置試験には以下のようなものがある。
(a) くいの鉛直載荷試験:地盤工学会,杭の鉛直載荷試験試験方法・同解説
(a) 杭の鉛直載荷試験:地盤工学会「杭の鉛直載荷試験試験方法・同解説」(2010)
(b) くいの水平載荷試験:地盤工学会,杭の水平載荷試験試験方法・同解説
(b) 杭の水平載荷試験:地盤工学会「杭の水平載荷試験試験方法・同解説」(2010)
(c) 孔内水平載荷試験:JGS 1421(2003)「孔内水平載荷試験方法」
(c) 孔内水平載荷試験:JGS 1421(2003)「孔内水平載荷試験方法」
(d) 平板載荷試験:JGS 1521(2003)「地盤の平板載荷試験方法」
(d) 平板載荷試験:JGS 1521(2003)「地盤の平板載荷試験方法」
(e) 速度検層:JGS 1122(2003)「地盤の弾性波速度検層方法」
(e) 速度検層:JGS 1122(2003)「地盤の弾性波速度検層方法」
(f) 常時微動測定:地盤工学会,土質調査法(第3編第5章常時微動測定)
(f) 常時微動測定:地盤工学会「地盤調査の方法と解説」(2004)
8.1.3 材
料
8.1.3 材
8.1.3.1 コンクリート
料
8.1.3.1 コンクリート
(1) セメント*1
(1) セメント*1
セメントは,原則として JIS R 5210(2003)「ポルトランドセメント」,JIS R 5211(2003)
セメントは、原則として JIS R 5210 (2009)「ポルトランドセメント」、JIS R 5211 (2009)
−246−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
「高炉セメント」又は JIS R 5213(1997)「フライアッシュセメント」に適合するものを
「高炉セメント」又は JIS R 5213 (2009)「フライアッシュセメント」によるものを用
用いること。
いること。
(2) 水
(2) 水
練混ぜ水は,上水道水,JSCE-B101(1999)「コンクリート用練混ぜ水の品質規格」又は
練混ぜ水は、上水道水、JSCE-B101 (2010)「コンクリート用練混ぜ水の品質規格(案)」
JIS A 5308(1998)「レディーミクストコンクリート(附属書9)」に適合したものとする
又は JIS A 5308 (2014)「レディーミクストコンクリート(附属書C)」によるものと
こと。
すること。
(3) 細骨材
(3) 細骨材
細骨材は,清浄,堅硬で,耐久性があり,適当な粒度をもち,ごみ,どろ,有機不純
細骨材は、原則として天然の砂を用い、清浄、堅硬、耐久的かつ化学的あるいは物理
物,塩化物等を有害量含まないこと。
的に安定し、有機不純物、塩化物等を有害量含まないこと。
(4) 粗骨材
(4) 粗骨材
粗骨材は,清浄,堅硬で,耐久性があり,適当な粒度をもち,薄い石片,細長い石片,
粗骨材は、原則として天然の砂を用い、清浄、堅硬、耐久的かつ化学的あるいは物理
有機不純物,塩化物等を有害量含まないこと。
的に安定し、薄い石片、細長い石片、有機不純物、塩化物等を有害量含まないこと。
砕石は,JIS A 5005(1993)「コンクリート用砕石及び砕砂」に適合するものを用いる
砕石は、JIS A 5005 (2009)「コンクリート用砕石及び砕砂」によること。
こと。
(5) 混和材料
(5) 混和材料
混和材料(混和剤及び混和材)は,品を確かめ,適切な使用方法によること。
混和材料(混和剤及び混和材)は、品質の確かめられたものであること。
【解 説】
【解 説】
*1 セメントの水和に起因するひび割れは構造物の耐久性等を害するものであるため,セメントの
*1 セメントの水和に起因するひび割れは構造物の耐久性等を害するものであるため、セメントの
選定にあたっては,低発熱型セメントを使用する等,コンクリートの温度上昇が小さくなるよう
選定にあたっては、低発熱型セメントを使用する等、コンクリートの温度上昇が小さくなるよう
にすること。
にすること。
8.1.3.1 (1)に規定するセメント以外を使用する場合は、同等以上の性能を有することを確か
めること。
8.1.3.2 鉄
8.1.3.2 鉄
筋
鉄筋は、原則として JIS G 3112 (2010)「鉄筋コンクリート用棒鋼」によるものを用い
鉄筋は,原則として JIS G 3112(2004)「鉄筋コンクリート用棒鋼」に適合するものを用
いること。
8.1.3.3 く
筋
ること。
8.1.3.3 杭*1
い
(1) 鋼管ぐいは,JIS A 5525(2004)「鋼管ぐい」に適合するものを用いること。
(1) 鋼管杭は原則として JIS A 5525 (2014)「鋼管杭」に適合するものを用いること。
(2) 鋼管ぐい以外のくい材料は,関連諸規定*1に適合するものを用いること。
(2) 鋼管杭以外の杭材料は、関連諸規定*2 によるものを用いること。
【解 説】
【解 説】
−247−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*1 8.1.3.3 (1) (2)に規定する以外の杭材料は、用途に応じて 8.1.3.3 (1) (2)に規定する杭材料
と同等以上の性質を有することを確認した場合は、これを使用することができる。
*1 鋼管ぐい以外のくいの材料に関連する諸規定には,例えば次のものがある。
コンクリート標準示方書(2002)
*2 鋼管杭以外の杭の材料に関連する諸規定には、例えば次のものがある。
土木学会
土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)
JIS A 5372(2004)「プレキャスト鉄筋コンクリート製品」
JIS A 5372 (2010)「プレキャスト鉄筋コンクリート製品」
JIS A 5373(2004)「プレキャストプレストレストコンクリート製品」
JIS A 5373 (2010)「プレキャストプレストレストコンクリート製品」
JIS A 5526(2005)「H形鋼ぐい」
JIS A 5526 (2011)「H形鋼杭」
杭基礎設計便覧(1992)
日本道路協会
日本道路協会「杭基礎設計便覧」(2007)
8.1.3.4 その他の材料
8.1.3.4 その他の材料
基礎とベースプレート及びシアプレートとの空隙に充填するグラウトモルタルは,無収
基礎とベースプレート及びシアプレートとの空隙に充填するグラウトモルタル*1 は、
縮又は膨張性のもので,かつベースプレート及びシアプレートより受ける荷重に耐える圧
無収縮又は膨張性のもので、かつベースプレート及びシアプレートより受ける荷重に耐え
縮強度 有するものとすること。
る圧縮強度を有するものとすること。
【解 説】
*1 シアプレートより受ける荷重を基礎本体に確実に伝えるために、シアプレート部の
モルタル充填は十分注意して行う。
8.1.4 設計値
8.1.4 設計値
8.1.4.1 コンクリート
(1)
*1
8.1.4.1 コンクリート
(1)
強度
は,設計において基準とする強度で,原則として材齢 28 日におけ
強度
設計基準強度 f 'ck *1*2は、設計において基準とする強度で、原則として材齢 28 日に
るコンクリートの圧縮強度の特性値*4とする。コンクリートは,表8.1−1に示す設
おけるコンクリートの圧縮強度の特性値*3とする。コンクリートは、表8.1−1に示
計基準強度以上のものを用いること。
す設計基準強度以上のものを用いること。
*2*3
設計基準強度
表8.1−1 コンクリートの設計基準強度
表8.1−1 コンクリートの設計基準強度
部材の種類
設計基準強度 f 'ck (N/mm2)
部材の種類
設計基準強度 f 'ck (N/mm2)
鉄筋コンクリート部材
21
鉄筋コンクリート部材
21
強度の特性値の算定式を(a)∼(d)に示す。*5
強度の特性値の算定式を(a)∼(d)に示す。*4
(a) 引張強度
(a) 引張強度
引張強度の特性値は,次式によること。
f tk
0.23 f 'ck
2/3
引張強度の特性値 f tk は、次式によること。
(N/mm2)
ただし, f 'ck ≦80N/mm2
f tk
0.23 f 'ck
2/3
(N/mm2)
ただし、 f 'ck ≦80N/mm2
(b) 付着強度
(b) 付着強度
−248−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
JIS G 3112(2004)「鉄筋コンクリート用棒鋼」の規定を満足する異形鉄筋について,
JIS G 3112 (2010)「鉄筋コンクリート用棒鋼」の規定を満足する異形鉄筋について、
コンクリートとの付着強度の特性値 f bok は次式によること。
f bok
0.28 f 'ck
2/3
コンクリートとの付着強度の特性値 f bok は次式によること。
(N/mm2)
f bok
ただし, f bok ≦4.2 N/mm2, f 'ck ≦80N/mm2
(N/mm2)
(c) 支圧強度
支圧強度の特性値 f 'ak は次式によること。
支圧強度の特性値 f 'ak は次式によること。
(N/mm2)
f 'ck
f 'ak
A Aa ≦ 2 , f 'ck ≦80N/mm2
ただし,
Aa :支圧を受ける面積
(d) 曲げひび割れ強度
(d) 曲げひび割れ強度
曲げひび割れ強度の特性値 f bck は次式によること。
lch
f bck
1
0.85 4.5 h / lch
0.55
4
曲げひび割れ強度の特性値 f bck は次式によること。
(N/mm2)
k0b k1b f tk
k1b
A Aa ≦ 2 、 f 'ck ≦80N/mm2
ここに、 A :コンクリート面の支圧分布面積
Aa :支圧を受ける面積
ただし, k0b 1
(N/mm2)
f 'ck
ただし、
ここに, A :コンクリート面の支圧分布面積
f bck
2/3
ただし、 f bok ≦4.2 N/mm2、 f 'ck ≦80N/mm2
(c) 支圧強度
f 'ak
0.28 f 'ck
ただし、 k0b 1
(≧0.4)
h
k1b
G F Ec
2
f tk
lch
ここに, lch :特性長さ
(N/mm2)
k0b k1b f tk
1
0.85 4.5 h / lch
0.55
4
h
(≧0.4)
G F Ec
2
f tk
ここに、 lch :特性長さ
GF :破壊エネルギー*6
GF :破壊エネルギー*5
Ec :コンクリートの縦弾性係数(kN/mm2)
Ec :コンクリートの縦弾性係数(kN/mm2)
k0b:コンクリートの引張軟化特性に起因する引張強度と曲げ強度の関係を
k0b :コンクリートの引張軟化特性に起因する引張強度と曲げ強度の関係を
表す係数
表す係数
k1b :乾燥,水和熱その他の原因によるひび割れ強度の低下を表す係数
k1b :乾燥、水和熱その他の原因によるひび割れ強度の低下を表す係数
h :部材の高さ(m)(>0.2)
h :部材の高さ(m)(>0.2)
(2) 設計強度
(2)
コンクリートの圧縮,引張,付着,支圧及び曲げひび割れに対する設計強度は,それ
ぞれの特性値を 8.1.5.3 表8.1−6に示す材料係数
c
設計強度
コンクリートの圧縮、引張、付着、支圧及び曲げひび割れに対する設計強度は、それ
で除したものとする。
ぞれの特性値を 8.1.5.3 表8.1−4に示す材料係数
(3) 縦弾性係数
(3)
コンクリートの縦弾性係数 Ec は,原則として表8.1−2に示す値とすること。
c
で除したものとする。
縦弾性係数
コンクリートの縦弾性係数 Ec は、原則として土木学会「コンクリート標準示方書」
(2012)「設計編:本編」5.2.5 ヤング係数 表 5.2.1 によること。
表8.1−2 コンクリートの縦弾性係数
f 'ck (N/mm2)
Ec
(kN/mm2
21
24
30
40
50
60
70
80
23.5[1]
25
28
31
33
35
37
38
備 考
〔1〕に示す f 'ck =21N/mm2 の縦弾性係数は,土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)よ
−249−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
り, f 'ck =18N/mm2 と 24N/mm2 の値から内挿した。
(4)
(4) 応力−ひずみ曲線
応力−ひずみ曲線
ひび割れの評価*6においては、コンクリートの応力−ひずみ曲線を直線とし、縦弾性
ひび割れの評価*7においては,コンクリートの応力−ひずみ曲線を直線とし,縦弾性
係数は 8.1.4.1(3)に従って定めること。
係数は表8.1−2に従って定めること。
曲げモーメント及び曲げモーメントと軸方向力を受ける部材の断面破壊の評価*7に
曲げモーメント及び曲げモーメントと軸方向力を受ける部材の断面破壊の評価*8に
おいては、原則として土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)「設計編:標準」3
おいては,原則として図8.1−1に示すモデル化した応力−ひずみ曲線を用いること。
編2.4.2曲げモーメントおよび軸方向力に対する照査 図2.4.1に示すモデル化した応力
−ひずみ曲線を用いること。
ここに, f 'cd :コンクリートの圧縮に対する設計強度
'c :コンクリートの圧縮ひずみ
'cu :コンクリートの終局圧縮ひずみ
'c :コンクリートの圧縮応力
図8.1−1 コンクリートの応力−ひずみ曲線
(5) ポアソン比
(5) ポアソン比
コンクリートのポアソン比νc は、弾性範囲内では 0.2 とすること。
コンクリートのポアソン比νc は,弾性範囲内では 0.2 とすること。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
【解 説】
*1 鉄筋コンクリートの設計値は,コンクリート構造に関して,8.1「基礎」に基づいて設計する場
合に適用するものである。
*1 記号の右上に´を付けた場合は、圧縮を意味し、圧縮を正負の正とする。
*2 記号の右上に´を付けた場合は,圧縮を意味し,圧縮を正負の正とする。
*3
コンクリートが適切に養生されている場合,その圧縮強度は材齢とともに増加し,一般の構
造物では,
標準養生を行った供試体の材齢 28 日における圧縮強度以上となることが期待できる。
*4 材料強度の特性値 f k とは,定められた試験方法による材料強度のばらつきを想定したうえで,
試験値がそれを下回る確率がある一定の値となることが保証される強度をいう。
−250−
*2 コンクリートが適切に養生されている場合、その圧縮強度は材齢とともに増加し、一般の構
造物では、標準養生を行った供試体の材齢 28 日における圧縮強度以上となることが期待でき
る。
*3
材料強度の特性値 f k は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)「設計編:本篇」5.1
【解説】(2)によること。
現行 LPG貯槽指針
fk
fm
k
LPG貯槽指針 改訂案
fm 1 k
ここに, f m :試験値の平均値
:試験値の変動係数
:試験値の標準偏差
k :係数
係数 k は特性値より小さい試験値が得られる確率と試験値の分布形により定まるものである。
原則としてコンクリートの場合,特性値を下回る確率が5%,分布形を正規分布とし,係数 k を
1.64 とする。
解図8.1−5 材料強度の特性値
*4 設計基準強度 f 'ck が 80N/mm2 を超える場合は、適切に強度の特性値を定めること。
*5 設計基準強度 f 'ck が 80N/mm2 を超える場合は,適切に強度の特性値を定めること。
*5 コンクリートの破壊エネルギー GF は次式によって求めてよい。
*6 コンクリートの破壊エネルギー GF は次式によって求めてよい。
GF
10 d max
1/ 3
f 'ck
GF
1/ 3
10 d max
1/ 3
f 'ck
1/ 3
ここに、 d max :粗骨材の最大寸法(mm)
、 f 'ck :設計基準強度(N/mm2)
ここに, d max :粗骨材の最大寸法(mm)
, f 'ck :設計基準強度(N/mm2)
*6 「ひび割れ幅等の評価」は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:本篇]
*7 土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)の構造物の使用性照査に対応する。
10 章使用性に関する照査に対応する。
*7 「断面破壊の評価」は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:標準]3 編
*8 土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)の構造物の安全性照査に対応する。
2 章断面破壊に対する照査に対応する。
【参考文献】
1)
【参考文献】
土木学会;
「コンクリート標準示方書」(2002)
,P.29
8.1.4.2 鉄
1)
筋
土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:本篇]、P.32
8.1.4.2 鉄
筋
(1) 強度
(1) 強度
(a) 引張降伏強度及び引張強度
(a) 引張降伏強度及び引張強度
JIS規格に適合する鉄筋を用いる場合は,引張降伏強度の特性値 f yk 及び引張強度の
8.1.3.2に規定する鉄筋を用いる場合は、引張降伏強度の特性値 f yk 及び引張強度の
特性値 f uk は,JIS規格の下限値とすること。
特性値 f uk は、JIS規格の下限値とすること。
−251−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(b) 圧縮降伏強度
(b) 圧縮降伏強度
圧縮降伏強度の特性値 f ' yk *1は、引張降伏強度の特性値 f yk と同じとすること。
圧縮降伏強度の特性値 f ' yk は,引張降伏強度の特性値 f yk と同じとすること。
(c) せん断降伏強度
(c) せん断降伏強度
せん断降伏強度の特性値 f vyk は,次式によること。
f vyk
f yk
せん断降伏強度の特性値 f vyk は、次式によること。
(N/mm2)
3
f vyk
(2) 設計強度
(2)
s
鉄筋の設計強度は、引張降伏強度の特性値 f yk 、引張強度の特性値 f uk を8.1.5.3表8.
で除したものとすること。
1−4に示す材料係数
(3) 縦弾性係数
(3)
鉄筋の縦弾性係数 Es
断面破壊
s
で除したものとすること。
縦弾性係数
は,200kN/mm2とすること。
鉄筋の縦弾性係数 Es は、200kN/mm2とすること。
(4) 応力−ひずみ曲線
*1
(N/mm2)
3
設計強度
鉄筋の設計強度は,引張降伏強度の特性値 f yk ,引張強度の特性値 f uk を8.1.5.3表8.
1−6に示す材料係数
f yk
(4) 応力−ひずみ曲線
断面破壊*2及び変形の評価における応力−ひずみ曲線は、原則として土木学会「コン
及び変形の評価においては,原則として図8.1−2に示すモデル化した
応力−ひずみ曲線を用いること。
クリート標準示方書」(2012)「設計編:標準」3編2.4.2曲げモーメントおよび軸方向力
に対する照査図2.4.2を用いること。
注
f yd :鉄筋及び鋼材の引張降伏に対する設計強度
図8 .1 2 鉄筋及び構造用鋼材の応力−ひずみ曲線
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 記号の右上に´を付けた場合は、圧縮を意味し、圧縮を正負の正とする。
*2 「断面破壊の評価」は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:標準]3 編
2 章断面破壊に対する照査に対応する。
8.1.4.3 く
い
8.1.4.3 杭
(1) 鋼管ぐい
(1) 鋼管杭
(a) 強度
(a) 強度
−252−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
鋼管ぐいに用いる鋼材の強度は,以下によること。
鋼管杭に用いる鋼材の強度は、以下によること。
(ⅰ) JIS規格に適合する鋼管ぐいの引張降伏強度及び引張強度の特性値は,それぞ
(ⅰ) JIS規格に適合する鋼管杭の引張降伏強度及び引張強度の特性値は、それぞれ
れJIS規格の下限値とする。
JIS規格の下限値とする。
(ⅱ) 圧縮降伏強度の特性値 f' yk は,鋼管ぐいの引張降伏強度の特性値 f yk と同一とす
(ⅱ) 圧縮降伏強度の特性値 f' yk は、鋼管杭の引張降伏強度の特性値 f yk と同一とする。
(ⅲ) せん断降伏強度の特性値 f vyk は、次式によること。
る。
(ⅲ) せん断降伏強度の特性値 f vyk は,次式によること。
f vyk
f vyk
f yk
3
3
(b) 設計強度
設計強度は、引張降伏強度の特性値 f yk 、引張強度の特性値 f uk 、せん断降伏強度の
(b) 設計強度
特性値 f vyk を8.1.5.3表8.1−4に示す材料係数
設計強度は,引張降伏強度の特性値 f yk ,引張強度の特性値 f uk ,せん断降伏強度の
特性値 f vyk を表8.1−6に示す材料係数
f yk
s
で除したものとすること。
s
で除したものとすること。
(c) 縦弾性係数
縦弾性係数は、200kN/mm2とすること。
(c) 縦弾性係数
縦弾性係数は,200kN/mm2とすること。
(d) 応力−ひずみ曲線
断面破壊及び変形の評価においては、一般に土木学会「コンクリート標準示方書」
(d) 応力−ひずみ曲線
(2012)「設計編:標準」3編2.4.2曲げモーメントおよび軸方向力に対する照査図2.4.1
断面破壊及び変形の評価においては,一般に図8.1−2に示すモデル化した応力
−ひずみ曲線を用いてよい。
のモデル化した応力−ひずみ曲線を用いてよい。
(e) ポアソン比
(e) ポアソン比
ポアソン比は,0.3とすること。
ポアソン比は、0.3とすること。
(2) 鋼管ぐい以外のくい
(2) 鋼管杭以外の杭
鋼管ぐい以外のくいの設計値は,必 に じて関連諸規定の設計値によること。
鋼管杭以外の杭の設計値は、必要に応じて関連諸規定の設計値によること。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
8.1.5 構造及び設計
8.1.5.1 一
8.1.5 構造及び設計
般
8.1.5.1 一
(1) 設計の基本
(1)
設計の基本
基礎の設計*1は,評価項目及びその限界値を設定し,荷重に対して計算される応答値
基礎の設計*1は、評価項目及びその限界値を設定し、荷重に対して計算される応答
が限界値を超えないことを確認すること。
値が限界値を超えないことを確認すること。
(2) 常時性能評価
(a)
(2) 常時性能評価
常時における解析を適切な計算方法により行い,応答値が限界値を超えないことを
(a) 常時における解析を適切な計算方法により行い、応答値が限界値を超えないことを
確認すること。
(b)
般
確認すること。
(a)の規定において,荷重の算定にあたっては 8.1.5.2(2)「荷重の算定」の規定,設計
(b)
にあたっては 8.1.5.5「くい基礎の構造及び設計」
,8.1.5.6「直接基礎の構造及び設計」
(a)の規定において、荷重の算定にあたっては 8.1.5.2(2)「荷重の算定」の規定、設
計にあたっては 8.1.5.5「杭基礎の構造及び設計」
、8.1.5.6「直接基礎の構造及び設計」
−253−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
及び 8.1.5.7「フーチング、地中ばり等の構造及び設計」の規定によること。
及び 8.1.5.7「フーチング,地中ばり等の構造及び設計」の規定によること。
(c)
(c) 基礎が、耐久性に関して要求される性能を、設計耐用期間にわたり保持することを
基礎が,耐久性に関して要求される性能を,設計耐用期間にわたり保持することを
*2
確認すること。*2
確認すること。
(3) レベル1耐震性能評価
(a)
(3)
レベル1地震動に対する応答解析を地盤の液状化に伴う土質定数の低下を考慮した
(a)
適切な計算方法*3により行い,応答値が限界値を超えないことを確認すること。
(b)
(b)
規定,設計にあたっては 8.1.5.5,8.1.5.6,8.1.5.7 の規定によること。
(4) レベル2耐震性能評価
レベル2地震動に対する応答解析を地盤の液状化に伴う土質定数の低下を考慮した
(a)
*3*4
レベル2地震動に対する応答解析を地盤の液状化に伴う土質定数の低下を考慮した
適切な計算方法により行い、応答値が限界値を超えないことを確認すること。*3*4
適切な計算方法により行い,応答値が限界値を超えないことを確認すること。
(a)の規定において,設計地震動の算定にあたっては,8.1.5.2 (2)(d)の規定,設計
(b)
にあたっては,JGA 指−101−01「製造設備等耐震設計指針」第9章の規定によること。
(c)
(a)の規定において、設計地震動の算定にあたっては 8.1.5.2(2)(d)「地震荷重」
の規定、設計にあたっては 8.1.5.5,8.1.5.6,8.1.5.7 の規定によること。
(4) レベル2耐震性能評価
(b)
レベル1地震動に対する応答解析を地盤の液状化に伴う土質定数の低下を考慮し
た適切な計算方法*3により行い、応答値が限界値を超えないことを確認すること。
(a)の規定において,設計地震動の算定にあたっては 8.1.5.2(2)(d)「地震荷重」の
(a)
レベル1耐震性能評価
(a)の規定において、設計地震動の算定にあたっては、8.1.5.2 (2)(d)の「地震荷
重」の規定、設計にあたっては、8.1.5.5,8.1.5.6,8.1.5.7 の規定によること。
(a)の規定において,レベル2耐震性能評価は,設計地震動を 8.1.5.2(2)(d)(ⅲ)
(c)
(a)の規定において、レベル2耐震性能評価は、設計地震動を 8.1.5.2(2)(d)(ⅲ)
(イ)「静的震度法」に規定するレベル2地震動に0.5を乗じた値として,(3)のレベル1
(イ)「静的震度法」に規定するレベル2地震動に0.5を乗じた値として、(3)のレベル1
耐震性能評価を行うことにより替えることができる。ただし,4.7.4.2(12)「代替評価
耐震性能評価を行うことにより替えることができる。ただし、JGA指-101-14「製造設
法」に規定する条件を満足する場合に限る。
備等耐震設計指針」の7.2.3に規定する条件を満足する場合に限る。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
【解 説】
*1 基礎に係る耐震性評価は,解図8.1−6に示す手順によること。
*1 基礎に係る耐震設計剽悍は、解図8.1−5に示す手順によること。
*2 評価の方法は,8.1.6.4「フーチング,地中ばり等の施工」の解説*1によること。
*2 評価の方法は、8.1.6.4 によること。
*3
*3 レベル2耐震性能評価は、応答塑性率が許容塑性率以下であることを確認すること。なお、地
レベル2耐震性能評価は,応答塑性率が許容塑性率以下であることを確認すること。なお,
地盤の液状化に対する検討は 8.1.5.4「地盤の液状化」によること。
*4
盤の液状化に対する検討は 8.1.5.4 によること。
レベル2地震動に対する応答解析は地盤変状のうち地盤の移動を考慮した適切な計算方法を
*4
レベル2地震動に対する応答解析は地盤変状のうち地盤の移動を考慮した適切な計算方法を
用いて行い,応答値が限界値を超えないことを確認すること。この場合,地震慣性力は考慮し
用いて行い、応答値が限界値を超えないことを確認すること。この場合、地震慣性力は考慮し
なくてもよい。
なくてもよい。
−254−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
基礎・LPG 貯槽本体の仕様変更
基礎・貯槽本体の仕様変更
通常の運転状態における
設計地震動に対する応答解析
通常の運転状態における設計
地震動の 0.5 倍に対する応答解析
通常の運転状態における
設計地震動に対する応答解析
解図8.1−6 基礎の耐震性能評価手順
8.1.5.2 荷
重
解図8.1−5 基礎の耐震性能評価手順
8.1.5.2 荷
(1)
(1) 荷重の種類
基礎の設計には,次の荷重を考慮すること。
(a) 自
通常の運転状態における設計
地震動の 0.5 倍に対する応答解析
重
荷重の種類
基礎の設計には,次の荷重を考慮すること。
重
(a) 自
重
(b) 液 荷 重
(b) 液 荷 重
(c) 積雪荷重
(c) 積雪荷重
(d) 地震荷重
(d) 地震荷重
−255−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(e) 風 荷 重
(e) 風 荷 重
(f) 水 荷 重
(f) 試験荷重
(g) その他の荷重
(2) 荷重の算定
(g) その他の荷重
(a) 自 重
(2) 荷重の算定
LPG貯槽の固定荷重、基礎の自重を考慮するものとし、基礎の自重の算定に用い
(a) 自 重
貯槽の固定荷重,基礎の自重を考慮するものとし,基礎の自重の算定に用いる単位
る単位質量は、原則として表8.1−2によること。
質量は,原則として表8.1−3によること。
表8.1−2 自重の算定に用いる材料の単位質量
表8.1−3 自重の算定に用いる材料の単位質量
材 料 の 種 別
材 料 の 種 別
鋼
単位質量(kN/m3)
単位質量(kN/m3)
材
77.0
材
77.0
コ ンク リ ー ト
22.5
コ ンクリ ート
22.5
鉄筋コンクリート
24.0
鉄筋コンクリート
24.0
鋼
(b)
(b) 液荷重
液荷重
4.4.1 (2)「液荷重」によること。
4.4.1 (2)「液荷重」によること。
(c) 積雪荷重
(c) 積雪荷重
4.4.1 (4)「積雪荷重」によること。
(d) 地震荷重*1
4.4.1 (4)「積雪荷重」によること。
(d) 地震荷重*1
(ⅰ) 地震荷重の算定
加速度型設計地震動による基礎の質量に起因する水平慣性力の算定に用いる水平
(ⅰ) 地震荷重の算定
震度又は水平加速度及び加速度型鉛直設計地震動による基礎の自重の増減分の算定
水平設計地震動による基礎の質量に起因する水平慣性力の算定に用いる水平震度
又は水平加速度及び鉛直設計地震動による基礎の自重の増減分の算定に用いる鉛直
に用いる鉛直震度又は鉛直加速度は(ⅱ)によること。
震度又は鉛直加速度は(ⅱ)によること。
(ⅱ) 設計地震動
(ⅱ) 設計地震動
加速度型設計地震動の計算方法は、JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」の
設計地震動の計算方法は,次に規定するところによる。地表面における水平震度
3.2 によること。
及び鉛直震度は,次の算式により計算する。
KH=0.150α0α1α2α3
KV=0.075α0α1α2α3
ここに,KH:地表面における設計地震動の水平震度
KV:地表面における設計地震動の鉛直震度
α0:4.7.4.2(1)「設計震度」による
α1:4.7.4.2(2)「重要度に基づく係数α1」による
α2:4.7.4.2(3)「地域係数α2」による
α3:4.7.4.2(4)「表面地盤増幅係数α3」による
(ⅲ) 地震応答解析法
(ⅲ) 地震応答解析法
加速度型設計地震動に基づく応答解析法は、次のいずれかの方法により算定する
設計地震動に基づく応答解析法は,次のいずれかの方法により算定すること。
こと。
−256−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(イ) 静的震度法
(イ) 静的震度法
*2
基礎の自重に JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」の 6.2.2 に示す設計静
基礎の設計静的水平震度は,次の算式により計算する。この場合において,4.7.4
的水平震度及び根入れ深さに応じた係数を乗じて地震荷重を算定すること。
「地震力の算定」より求められる貯槽から基礎に作用するモーメント,せん断力
及び鉛直荷重等を加算して地震荷重を算定すること。
K'SH=α'4KH
ここに,
K'SH:基礎の設計静的水平震度
KH :(ⅱ)に規定する値
α'4 :水平方向の応答倍率であって,基礎の地上部分については 2.0とし,
地下部分については表8.1−4の左欄に掲げる基礎の地表面から重
心までの深さ(以下基礎深さという。)Hf の区分に応じ,同表の右欄
に掲げる値
表8.1−4 基礎深さ Hf と水平方向応答倍率α'4
Hf (m)
5以下
5超
α'4
2.0−0.2Hf
1.0
基礎の設計静的水平地震力は,次の算式により計算すること。
F'SH=λK'SHWF
ここに,
F'SH:基礎の設計静的水平地震力(N)
K'SH:(i)に規定する値
W
F
:基礎の重量(N)
λ :基礎の根入れ深さに応じ,0.5から0.25までの範囲の値*3
(ロ) 時刻歴応答解析法
(ロ) 時刻歴応答解析法
JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」の 4.2.5 及び 7.1 によること。地盤
適切な入力地震波*4を用い,かつ適切な減衰*5を考慮して行うものとし,地盤
と基礎−貯槽構造系の動的相互作用を考慮した解析モデル*2 を用いて基礎盤等に
と基礎−貯槽構造系の動的相互作用を考慮した解析モデル*6を用いて基礎に作
作用する地震荷重を算定すること。
用する地震荷重を算定すること。
この場合,地震基盤面における設計地震動の水平加速度αHT あるいは地表面に
おける設計地震動の水平加速度α'HT は,地震波の入力する位置に応じ,次の規定
によって求めること。
地震基盤面に入力する場合
αHT=150α0α1α2
ここに,
αHT:地震基盤面における設計地震動の水平加速度(Gal)
α0, α1, α2:(ⅱ)に規定する値
−257−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
地表面に入力する場合
α'HT=150α0α1α2α3
ここに,
α'HT:地表面における設計地震動の水平加速度(Gal)
α3:(ⅱ)に規定する値
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
【解 説】
*1
*1
横置円筒形貯槽において、基礎片側をスライドとする場合の地震時の長手方向の水平力の分担
横置円筒形貯槽において,基礎片側をスライドとする場合の地震時の長手方向の水平力の分
については、解表8.1−2によるサドルの接合方式に基づき、通常解表8.1−3の考え方に
担については,解表8.1−2によるサドルの接合方式に基づき,通常解表8.1−3の考え
よっているが、温度荷重を考慮し、実設計に当たっては固定側柱脚とスライド側柱脚は同一構造
方によっているが,温度荷重を考慮し,実設計に当たっては固定側柱脚とスライド側柱脚は同
とする。
一構造とする。
解表8.1−2 サドルの接合方式
解表8.1−2 サドルの接合方式
固 定 側
長手方向
短手方向
固 定 側
ス
ス ラ イ ド 側
ローラー接合
ピン接合
(ただし,摩擦力を考慮すること)
剛 接 合
長手方向
ピン接合
短手方向
剛 接 合
ラ イ ド 側
ローラー接合
(ただし、摩擦力を考慮すること)
剛接合
剛 合
解表8.1−3 水平力の分担
解表8.1−3 水平力の分担
貯槽の滑動条件
固
KH ≦ μ(1−
KV ) K H
0
定
側
貯槽の滑動条件
スライド側
W
KH
2
W
KH >μ(1−KV ) KH・W−μ(1−KV )
2
固
KH ≦ μ(1−
KV ) K H
0
W
2
定
側
スライド側
W
KH
2
W
KH >μ(1−KV ) KH・W−μ(1−KV )
2
W
μ(1−KV )
2
ここで、
ここで,
W
:固定荷重,液荷重及び積雪荷重
W
:固定荷重,液荷重及び積雪荷重
KH
:貯槽の水平震度
KH
:貯槽の水平震度
KV
:貯槽の鉛直震度
KV
:貯槽の鉛直震度
μ0
:静止摩擦係数
−258−
W
2
W
μ(1−KV )
2
現行 LPG貯槽指針
μ0
:静止摩擦係数
μ
:動摩擦係数
LPG貯槽指針 改訂案
μ
*2 基礎に作用する地震力は,次の手順によって求める。
(1)
基礎本体を地上部分,地下部分,形状別等体積を求める計算がしやすいように分割する。
以下解図8.1−7を例にして説明する。
備考
WA :地上 A 部の重量(N)
WB :地下 B 部の重量(N)
WC :フーチングの重量(N)
HA :地表面からの重心の位置(m)
HfB,HfC:基礎深さ(m)
Df :根入れ深さ(m)
解図8.1−7 基礎の分割の例
(2) 分割したそれぞれの基礎各部分について重量,重心の位置,基礎深さ及び根入れ深さを求め
る。
(3) 重心の位置及び基礎深さにおける設計静的水平震度 K'SH(A), K'SH(B)及び K'SH(C)を求める。
(4)
(3)で求めた震度と(2)で求めたそれぞれの部分の重量及び根入れ深さから設計静的水平地震
力 F'SH(A),F'SH(B)及び F'SH(C)を求める。
*3 係数λは,基礎の地上部分にあっては 0.5,基礎の地下部分にあっては解表8.1−4の基礎の
根入れ深さ Df(m)に応じ,同表の下欄に掲げる値とする。
解表8.1−4 根入れ深さ Df に応じたλの値
Df(m)
λ
0≦Df<0.5
.
0.5≦Df<1.5
1.5≦Df
0.4
0.25
*4 レベル1地震動に用いる入力地震波については,JGA-108-02「LNG地上式貯槽指針」の「4.
内槽及び外槽の構造及び設計」の「4.3.2(4)(a)(ⅲ)地震荷重 応答解析法 時刻歴応答解析法に
よる場合」に示されている。また,レベル2地震動に用いる入力地震波については,JGA 指 107-02
「LNG地下式貯槽指針」の「3.基本設計条件」の「3.3.3 レベル2地震動に係る設計地震動」
に示されている。
*5 「適切な減衰」とは,例えば次に掲げる減衰をいう。
(a) 類似の基礎及び地盤の系の地震観測又は常時微動測定から得られる減衰
(b) 類似の基礎及び地盤の起振機等による加振実験から得られる減衰
−259−
:動摩擦係数
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(c) 土質試験又は統計的に得られる地盤の歪レベルに応じて得られる減衰
(d)
4.7.4.2(7)「水平方向の応答倍率α5」における表4−19 から得られる値を貯槽の動特性に応
じて修正したものから得られる減衰。
*6
*2 地盤と基礎構造との動的相互作用を考慮した解析は、多質点又は1質点の線材モデル、あるい
地盤と基礎構造との動的相互作用を考慮した解析は,多質点又は1質点の線材モデル,あるい
は三次元又は二次元有限要素モデルにより行ってよい。
は三次元又は二次元有限要素モデルにより行ってよい。
8.1.5.2
8.1.5.2
(e) 風荷重*1
(e) 風荷重*1
4.4.1(6)「風荷重」によること。
(f) 水荷重
4.4.1(6)「風荷重」によること。
(f) 試験荷重
4.4.1(7)「水荷重」によること。ただし、圧力は除く。
4.4.1(7)「試験荷重」によること。ただし,圧力は除く。
(g) その他の荷重
その他必要な荷重があれば考慮すること。*2
(g) その他の荷重
その他必要な荷重があれば考慮すること。*2
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
【解 説】
*1 基礎本体の風荷重については、横置円筒形貯槽に限る。
*1 基礎本体の風荷重については,横置円筒形貯槽に限る。
*2 必要に応じて土圧又は土重量を考慮すること。また、受入れ、払出し配管用基礎にあっては配
*2 必要に応じて土圧又は土重量を考慮すること。また,受入れ,払出し配管用基礎にあっては,
管からの反力も考慮する。
配管からの反力も考慮する。
8.1.5.2
8.1.5.2
(3) 荷重の組合せ
(3)
荷重の組合せ
基礎に作用する荷重の組合せは、表8.1−3によること。*1
基礎に作用する荷重の組合せは,表8.1−5によること。*1
基礎の設計荷重は、8.1.5.2(2)「荷重の算定」で求められる荷重に表8.1−3に示す
荷重係数*2を乗じて算定すること。
基礎の設計荷重は,8.1.5.2(2)「荷重の算定」で求められる荷重に表8.1−5に示
す荷重係数*2を乗じて算定すること。
表8.1−3 基礎に作用する荷重の組合せと荷重係数
表8.1−5 基礎に作用する荷重の組合せと荷重係数
荷重条件
評
常時性能評価
通常運転時
暴風時
積雪時
レベル1
耐圧試験時
荷重条件
レベル2
耐震性能
耐震性能
評価
評価
常時性能評価
通常運転時
評
価
ひび
目 割れ
−260−
積雪時
レベル2
耐震性能
耐震性能
評価
評価
保持*3
安定の保持*3
断面破
断面破壊*4
壊*4
水張り時
安定の保持*3
安定の
項
荷重の種類
強風時
レベル1
安定の保持*3
安定の保持*3
断面破壊*4
断面破壊*4
変形*5
断面破壊*4
または
変形*5
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
項
ひび
保持*3
目 割れ 断面破
自重
液荷重
安定の保持*3
安定の保持*3
安定の保持*3
安定の保持*3
断面破壊*4
断面破壊*4
断面破壊*4
断面破壊*4
○
○
○
○
1.0
変形*5
壊*4
荷重の種類
通 常 荷 重
通 常 荷 重
安定の
価
○
○
1.0
1.0
1.
1.0
1.0
1.0
○
○
○
○
○
○
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
○
積雪荷重
○
○
○
○
○
多雪区域
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
地震荷重
○
○
○
○
○
○
○
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
LPG
○
○
○
○
○
○
液荷重
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
積雪荷重
○
○
○
○
○
多雪区域
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
○
○
○*6
1.0
1.0
1.0
地震荷重
風荷重
○
1.0
○
○
積雪荷重
○
1.0
1.0
一般区域
1.0
○
風荷重
自重
○※6
水荷重
.0
積雪荷重
○
一般区域
1.0
1.0
○
試験荷重
【関連条項】
1.0
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1
表8.1−3は、荷重の組合せの基本であり、必要に応じ他の荷重の組合せも考慮すること。
また、必要に応じて、表8.1−3とは別に施工時について検討すること。
*2
【解 説】
計耐用期間中の荷重の変化、荷重特性が限界状態に及ぼす影響、環境作用の変動等を考慮して定
*1 表8.1−5は,荷重の組合せの基本であり,必要に応じ他の荷重の組合せも考慮すること。
めるものとする。また、荷重係数は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)を基本とする
また,必要に応じて,表8.1−5とは別に施工時について検討すること。
*2
が、積雪荷重及び風荷重は、最大値を設定することを条件として 1.0 とした。
荷重係数は,荷重の特性値からの望ましくない方向への変動,荷重の算定方法の不確実性,
設計耐用期間中の荷重の変化,荷重特性が限界状態に及ぼす影響,環境作用の変動等を考慮し
て定めるものとする。また,荷重係数は,土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)を基本と
するが,積雪荷重及び風荷重は,最大値を設定することを条件として 1.0 とした。
荷重係数は、荷重の特性値からの望ましくない方向への変動、荷重の算定方法の不確実性、設
*3 安定の保持とは、基礎が地盤あるいは杭の支持力により安定を保持することをいう。
*4 断面破壊とは、構造物又は部材の任意の断面において、破壊を生じることをいう。
*5 変形とは、基礎が変位又は変形することをいう。
*6 耐圧試験時、パージ時等において、LPG貯槽に通常の運転状態におけるLPGの重量を超え
*3 安定の保持とは,基礎が地盤あるいはくいの支持力により安定を保持することをいう。
る水等を満たそうとする場合は、水張り時の荷重を考慮した状態での耐震設計を行う。ただし、
*4 断面破壊とは,構造物又は部材の任意の断面において,破壊を生じることをいう。
仮に当該貯槽が倒壊したとしても、可燃性ガス等の漏えいが発生しないように、当該貯槽の倒壊
*5 変形とは,基礎が変位又は変形することをいう。
により破損する可能性のある配管、設備等を保護し、又はそれらの配管、設備等とその他の部分
とを確実に遮断して可燃性ガス等を除去する等の措置を行うとともに、水等を満たしている期間
を必要最小限にすることが出来る場合は、この限りではない。
−261−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8.1.5.3 安全係数
基礎の検討に用いる安全係数は、表8.1−4に示す値とすること。*1
8.1.5.3 安全係数
表8.1−4 基礎の検討に用いる安全係数
基礎の検討に用いる安全係数は,表8.1−6に示す値とすること。
常時性能評価
安全係数
表8.1−6 基礎の検討に用いる安全係数
常時性能評価
安全係数
コンクリート( c )*5
鉄筋( s )
軸力
曲げと
軸 力
曲げと軸力
部材
コンクリート
面 せん断
係数*2
鉄筋
( b ) せん断
面内せん コンクリート
断
鉄筋
構造解析係数( a )*3
構造物係数( i )*4[4]
材料
係数*1
ひび割
れ
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
.0
1.0
1.0
1.0
1.0
断 破
壊
1.3
1.0[1]
1.3
1.1
1.3
1.1
1.3
1.1
1.0
1.1
レベル1
レベル2
耐震性能評価 耐震性能評価
断面破壊
変形
1.0
1.0
1.0
1.0
1.3
1.1
1.3
1.1
1.0
1.0
.0
1.0
1.0[2]
1.0[2]
1.3
1.1
1.3
1
1.0[3]
1.0
コンクリート( c )*2
鉄筋( s )
軸力
曲げと
軸 力
曲げと軸力
部材
面外せん コンクリート
係数
断
鉄筋
( b ) せん断
面内せん コンクリート
断
鉄筋
構造解析係数( a )
構造物係数( i ) [4]
材料
係数*1
ひび割
れ
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
断面破
壊
1.3
1.0[1]
1.3
1.1
1.3
1.1
1.3
1.1
1.0
1.1
レベル1
レベル2
耐震性能評価 耐震性能評価
断面破壊
変形
1.0
1.0
1.0
1.0
1.3
1.1
1.3
1.1
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0[2]
1.0[2]
1.3
1.1
1.3
1.1
1.0[3]
1.0
備 考
1.[1]において、鉄筋の場合は1.0、その他の鋼材の場合は1.05とすること。
2.[2]において、構造物を線材でモデル化する場合、部材係数は1.15とすること。
3.[3]において、構造物を有限要素法モデルにおいて棒部材でモデル化する場合、構造解析係数
備 考
はコンクリートで1.1∼1.3、鋼材で1.0∼1.2とすること。
1.[1]において,鉄筋の場合は1.0,その他の鋼材の場合は1.05とすること。
4.[4]において、安定の保持の評価に用いる構造物係数は断面破壊の値と同じとする。
2.[2]において,構造物を線材でモデル化する場合,部材係数は1.15とすること。
5.鋼管杭については鉄筋と同じ安全係数を用いること。
3.[3]において,構造物を有限要素法モデルにおいて棒部材でモデル化する場合,構造解析係数
はコンクリートで1.1∼1.3,鋼材で1.0∼1.2とすること。
4.[4]において,安定の保持の評価に用いる構造物係数は断面破壊の値と同じとする。
5.鋼管ぐいについては鉄筋と同じ安全係数を用いること。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 ぜい性的な破壊を防ぐための安全性の割り増し等については、土木学会「コンクリート標準
示方書」(2012)によること。
【解 説】
*1 材料係数は,材料強度の特性値からの望ましくない方向への変動,供試体と構造物中との
材料特性の差異,材料特性が限界状態に及ぼす影響,材料特性の経時変化等を考慮して定める
ものとする。
*2 部材係数は,部材耐力の計算上の不確実性,部材寸法のばらつきの影響,部材の重要度,す
−262−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
なわち対象とする部材がある限界状態に達したときに構造物全体に与える影響等を考慮して定
めるものとする。
*3 構造解析係数は,断面力算定時の構造解析の不確実性等を考慮して定めるものとする。
*4 構造物係数は,構造物の重要度,限界状態に達したときの社会的影響,起こりやすさ及び設
f 'ck
*2
≧80N/mm2 のときは、
c
を適切に設定すること。
備の本来機能への影響を考慮して定めるものとする。
*5
f 'ck
≧80N/mm2 のときは,
8.1.5.4 地盤の液状化
c
を適切に設定すること。
(1) 一般
8.1.5.4 地盤の液状化
基礎の耐震性能評価においては、地盤の液状化による影響を考慮すること。液状化す
るおそれがある地盤は、土質定数の低減及び地盤の沈下を考慮すること。また、液状化
(1)
一般
に伴い流動するおそれがある地盤は、土質定数の低減、地盤の沈下及び水平移動を考慮
基礎の耐震性能評価においては,地盤の液状化による影響を考慮すること。液状化す
すること。*1
なお、地盤変状対策*2を実施する場合には、対策工事の効果を考慮してよい。
るおそれがある地盤は,土質定数の低減及び地盤の沈下を考慮すること。また,液状化
(2) 液状化の判定
に伴い流動するおそれがある地盤は,土質定数の低減,地盤の沈下及び水平移動を考慮
すること。*1
液状化の判定は、レベル1地震動及びレベル2地震動において、各々JGA 指-101-14
*2
なお,地盤変状対策
を実施する場合には,対策工事の効果を考慮し
「製造設備等耐震設計指針」の 6.3.2 及び 10.2.2.1 によること。
(3) 土質定数の低減
よい。
JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」の 6.3.3 及び 10.2.2.2 によること。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 地盤の液状化に伴う流動の検討を行う場合は、JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」によ
ること。
【解 説】
*2
*1 地盤の液状化に伴う流動の検討を行う場合は,JGA 指-101-01「製造設備等耐震設計指針」に
よること。
*2
地盤変状対策として地盤改良を行う場合には、周辺の条件、地盤の特性、改良の目的及び施工
条件を考慮して適切な工法を用いること。また、地盤改良範囲は地盤の特性及び改良の目的を考
慮して適切に定めること。
地盤変状対策として地盤改良を行う場合には,周辺の条件,地盤の特性,改良の目的及び施
工条件を考慮して適切な工法を用いること。また,地盤改良範囲は地盤の特性及び改良の目的
を考慮して適切に定めること。
8.1.5.4
(2) 液状化の判定*1
次のすべてに該当する地盤(粘土分含有率が 20%を超える地盤は除く。)は,地震時
−263−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
に液状化するおそれのある地盤と判定すること。
(a) 地下水位が現地盤面から 10m 以内にあり,かつ現地盤面から 20m 以内の深さに存在
する飽和土層
(b) 細粒分含有率 Fc (74μ以下の粒子の質量百分率)が35%以下の土層又は Fc が35%を
超えても塑性指数 I P が 15以下の土層
(c) 平均粒径 D50(粒径加積曲線による通過質量百分率の 50%に相当する粒径)が 10mm
以下で,かつ,10%粒径 D10 (粒径加積曲線による通過質量百分率の 10%に相当する
粒径)が1mm以下である土層
(d) 次式で示す FL 値が 1.0 以下である土層
R
L
FL
ここで,
R :地盤の動的せん断強度比であって,次の算式により得られる値とする
R
C w RL
この算式において, Cw 及び RL は次の値を表すものとする。
Cw :地震動特性による補正係数であって,次式で示される値
Cw =
1.0
( RL ≦0.1)
3.3 RL +0.67
(0.1< RL ≦0.4)
2.0
(0.4< RL )
ただし,貯槽を設置する位置近傍に大きな地震動を与える可能
性のある活断層が存在しないと判定される場合は, Cw =1.0と
する。
RL :地盤の繰返し三軸強度比であって,表8.1−7より得られる値
表8.1−7 繰返し三軸強度比 RL と補正N値 N a
Na
RL
N a が14未満の場合
RL
0.0882
Na
1 .7
N a が14以上の場合
RL
0.0882
Na
1.7
1.6 10
6
N a 14
4.5
この算式において,N a は粒度の影響を考慮した補正N値を表すも
ので,表8.1−8により得られる値とする。
表8.1−8 補正N値 N a
土質
Na
−264−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
砂質土の場合
Na
C1 N1
C2
礫質土の場合
Na
1 0.36 log10 D50 / 2 N1
この算定において,C1 , N1 ,C2 及び D50 はそれぞれ次の値を表す
ものとする。
C1 :細粒分含有率 Fc (%)によるN値の補正係数であって,表
8.1−9による。
表8.1−9 細粒分含有率 Fc によるN値の補正係数 C1
C1
細粒分含有率 Fc
0%以上10%未満の場合
1
10%以上60%未満の場合
( Fc +40)/50
Fc /20−1
60%以上の場合
N1:有効上載圧98kN/m2相当に変換したN値であって,次の算式
により得られる値とする。
N1
1 .7 N
'v
0.7
98
この算式において, N 及び 'v はそれぞれ次の値を表すも
のとする。
N :標準貫入試験から得られる地盤のN値
'v :設計深度における有効上載圧(kN/m2)
C2 :細粒分含有率 Fc (%)によるN値の補正係数であって,表
8.1−10による。
表8.1−10 細粒分含有率 Fc によるN値の補正係数 C2
細粒分含有率 Fc
C2
0%以上10%未満の場合
0
( Fc −10)/18
10%以上の場合
D50 :地盤の平均粒径
L:地盤の地震時におけるせん断応力比であって,次の算式により得られる値
とする。
L
・K H・
d
v
'v
この算式において,
d
, KH ,
v
及び 'v は,それぞれ次の値を表
すものとする。
−265−
現行 LPG貯槽指針
d
LPG貯槽指針 改訂案
:地震時のせん断応力比の深さ方向の低減係数であって,
次の算式で得られる値とする。
d =1.0−0.015 x
この算式において,x は地表面からの深さ(m)を表すもの
KH
とする。
:8.1.5.2.(2)(d)(ⅱ)で定める水平震度,なお,代替評価
v
法を採用する場合にあっても0.5を乗じない値とする。
:設計深度における全上載圧(kN/m2)
'v
:設計深度における有効上載圧(kN/m2)
【解 説】
*1
本手法以外に,適切なモデルを用いた地盤の地震応答解析による手法(地盤の時刻歴全応力
解析によるせん断応力度比とせん断強度比を比較し判定する方法,地盤の時刻歴有効応力解析
により直接的に判定する手法等)により液状化の判定を行ってもよい。その際,現地調査・原
位置試験(ボーリング,地下水,標準貫入試験,弾性波速度検層等)に加え,地盤の動的な変
形特性を求めるための詳細な室内土質試験(粒度試験,密度試験,動的変形特性試験等)を行
うこと。
8.1.5.4
(3)
土質定数の低減*1
「液状化するおそれのある地盤」の土層に係る土質定数は, FL 値,深度 x 及び地盤の
動的せん断強度比 R の関係から定まる表8.1−11の低減係数 DE を当該土層が液状化
しないものとして求めた土質定数に乗じて算出することとする。なお,DE =0の場合の
土層は,耐震設計上土質定数を零とする土層とする。
表8.1−11 土質定数の低減係数 DE
FL 値の範囲
FL ≦1/3
1/3< FL ≦2/3
2/3< FL ≦
深度 x (m)
0≦ x ≦10
10< x ≦20
土質定数の低減係数 DE
R ≦0.3
0.3< R
0
1/6
1
1/3
0≦ x ≦10
1/3
2/3
10< x ≦20
2/3
2/3
0≦ x ≦10
2/3
1
10< x ≦20
1
1
【解 説】
−266−
現行 LPG貯槽指針
*1
LPG貯槽指針 改訂案
液状化した土層では,地震時又は地震後に土の強度及び支持力が低下する。従って,液状化
するおそれのある土層については,液状化の程度に応じて土質定数を低減させて基礎の耐震設
計を行う。
ここで,低減させる土質定数とは,地盤反力係数,地盤反力度の上限値及び最大周面摩擦力度
を指すものとする。
FL
値は,標準貫入試験が実施された深度において得られるが,低減係数 DE を求めるには通常1m
程度の間隔で FL 値を計算し,各土層ごとに平均的な FL 値を求めて,これにより低減係数 DE を設
定する。
8.1.5.5 杭基礎の構造及び設計
(1) 一般
8.1.5.5 くい基礎の構造及び設計
杭基礎は、フーチング、地中ばり等からの荷重に対して安全な構造とすること。
(2) 設計の基本
(1) 一般
(a) 杭基礎の設計は、表8.1−5に示す項目を評価すること。
くい基礎は,フーチング,地中ばり等からの荷重に対して安全な構造とすること。
(2) 設計の基本
表8.1−5 杭基礎の評価項目
区
(a) くい基礎の設計は,表8.1−12に示す項目を評価すること。
通常運転時
表8.1−12 くい基礎の評価項目
区
分
通常運転時
常時性能評価
暴風時,積雪時
耐圧試験時
レベル1耐震性能評価
レベル2耐震性能評価
分
常時性能評価
評価項目*1*2
安定の保持
くいのひび割れ[1]
くいの断面破壊
安定の保持
くいの断面破壊
安定の保持
くいの断面破壊
変形
強風時、積雪時
水張り時
レベル1耐震性能評価
レベル2耐震性能評価
評価項目*1*2
安定の保持
杭のひび割れ[1]
杭の断面破壊
安定の保持
杭の断面破壊
安定の保持
杭の断面破壊
変形
備 考
[1]の杭のひび割れについては、場所打ち杭及びRC杭*3の場合に評価する。
(b)
備 考
[1]のくいのひび割れについては,場所打ちくい及びRCくい*3の場合に評価する。
評価は、8.1.4「設計値」に示す材料の設計値、8.1.5.2「荷重」で求められる荷重
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(3) 構造解析
(b)
(a) 断面力の算定には、評価項目を適切に評価できる解析手法*4を選定すること。
評価は,8.1.4「設計値」に示す材料の設計値,8.1.5.2「荷重」で求められる荷重
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(b) 解析は、構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し、8.1.5.2「荷重」に示す
(3) 構造解析
荷重条件について行うこと。
(c)
*4
(a) 断面力の算定には,評価項目を適切に評価できる解析手法
を選定すること。
(b) 解析は,構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し,8.1.5.2「荷重」に示す
て作用力、変位量及び断面力 S を算定し、これに8.1.5.3表8.1−4に示す構造解析
係数
荷重条件について行うこと。
(c)
設計作用力、設計変位量及び設計断面力 S d は、8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用い
a
Sd
設計作用力,設計変位量及び設計断面力 S d は,8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用い
−267−
を乗じた値とすること。
a
S
現行 LPG貯槽指針
て作用力,変位量及び断面力 S を算定し,これに表8.1−6に示す構造解析係数
LPG貯槽指針 改訂案
(4) 評価方法
a
(a) 安定の保持の評価*5
を乗じた値とすること。
Sd
a
S
(ⅰ) 鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
(4) 評価方法
(a) 安定の保持の評価*5
(ⅰ) 鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
ここに、
:杭頭に作用する設計鉛直力(kN)
Vd
Vd
≦ 1 .0
Rvd
i
Vd
≦ 1 .0
Rvd
i
Rvd :杭頭における設計鉛直支持力*6(kN)
ここに,
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
i
:くい頭に作用する設計鉛直力(kN)
Vd
:くい頭における設計鉛直支持力
Rvd
*6
(ⅱ) 引抜き力に対する評価は次式を満足すること。
(kN)
:表8.1−6に示す構造物係数
i
Vud
≦1.0
Rud
i
ここに、
(ⅱ) 引抜き力に対する評価は次式を満足すること。
Vud
≦1.0
Rud
i
Vud
:杭頭に作用する設計引抜き力(kN)
Rud
:杭頭における設計引抜き抵抗力*6(kN)
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
i
ここに,
Vud
:くい頭に作用する設計引抜き力(kN)
Rud
:くい頭における設計引抜き抵抗力*6(kN)
(b) 杭のひび割れの評価
通常の鉄筋コンクリート部材と同様に扱い、8.1.5.7(4)(a)「ひび割れ評価」により
検討を行うこと。
:表8.1−6に示す構造物係数
i
(c) 杭体の断面破壊の評価
(b) くいのひび割れの評価
鋼管杭の評価は、次式により行うものとする。場所打ち杭及びRC杭の評価は、通
通常の鉄筋コンクリート部材と同様に扱い,8.1.5.7(4)(a)「ひび割れ評価」により
常の鉄筋コンクリート部材と同様に扱い、8.1.5.7(4)(b)「断面破壊の評価」により行
検討を行うこと。
うこと。
(c) くい体の断面破壊の評価
(ⅰ) 曲げモーメント及び軸方向力を同時に受ける杭部材断面の評価は、次式により行
鋼管ぐいの評価は,次式により行うものとする。場所打ちくい及びRCくいの評価
うこと。
は,通常の鉄筋コンクリート部材と同様に扱い,8.1.5.7(4)(b)「断面破壊の評価」に
軸方向力が引張の場合
より行うこと。
(ⅰ) 曲げモーメント及び軸方向力を同時に受けるくい部材断面の評価は,次式により
a b i
行うこと。
M
≦1.0
M tu
及び
軸方向力が引張の場合
a b i
P
Ptu
M
≦1.0
M tu
a b i
a b i
P
Pcu
M
≦1.0
M cu
a
b i
b i
M
≦1.0
M cu
P
Ptu
M
≦1.0
M tu
及び
軸方向力が圧縮の場合
P
Ptu
P
Pcu
軸方向力が圧縮の場合
及び
a
P
Ptu
M
≦1.0
M tu
a
ここに、
及び
−268−
b i
P
Pcu
M
≦1.0
M cu
現行 LPG貯槽指針
a
b i
P
Pcu
LPG貯槽指針 改訂案
M
≦1.0
M cu
ここに,
:作用曲げモーメント(kN・m)
Ptu
:断面の引張耐力*7(kN)
:断面の圧縮耐力*7(kN)
Pcu
M
:作用曲げモーメント(kN・m)
M tu :断面の引張側における曲げ耐力*7(kN・m)
Ptu
:断面の引張耐力*7(kN)
M cu :断面の圧縮側における曲げ耐力*7(kN・m)
Pcu
:断面の圧縮耐力*7(kN)
:断面の引張側における曲げ耐力*7(kN・m)
:断面の圧縮側における曲げ耐力
(kN・m)
a
:8.1.5.3 表8.1−6に示す構造解析係数
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造解析係数
b
:8.1.5.3 表8.1−4に示す部材係数
i
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
b
:8.1.5.3 表8.1−6に示す部材係数
(ⅱ) せん断力を受ける部材の評価は、次式により行うこと。
a
:8.1.5.3 表8.1−6に示す構造物係数
(ⅱ) せん断力を受ける部材の評価は,次式により行うこと。
b i
a
*7
i
b i
S
≦1.0
Su
ここに、
S
≦1.0
Su
:作用せん断力(kN)
S
Su :断面のせん断耐力*7(kN)
ここに,
(ⅲ) 軸方向圧縮力、曲げモーメントとせん断力が同時に作用する部材の評価は、次式
:作用せん断力(kN)
Su :断面のせん断耐力
により行うこと。
*7
(kN)
2
a b i
(ⅲ) 軸方向圧縮力,曲げモーメントとせん断力が同時に作用する部材の評価は,次式
1.1
により行うこと。
2
a b i
1.1
P
Pcu
M
M cu
2
S
Su
P
Pcu
M
M cu
2
S
Su
2
≦1.0
(d) 変形の評価
2
≦1.0
変形に対する評価は、次式を満足すること。
d
i
(d) 変形の評価
≦1.0
L
変形に対する評価は,次式を満足すること。
d
i
M
:作用軸方向力(kN)
M cu
S
:作用軸方向力(kN)
P
M tu
a
P
ここに、
≦1.0
d
:杭基礎の応答塑性率*8
L
:杭基礎の応答塑性率の制限値*9*10
L
ここに,
d
:くい基礎の応答塑性率*8
L
:くい基礎の応答塑性率の制限値*9*10
i
:8.1.5.3表8.1−6に示す構造物係数
i
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1
杭基礎にネガティブフリクションが生じる場合は、これを考慮して基礎の鉛直支持、沈下及び
杭体等の強度に対する検討を行わなければならない。
−269−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*2
【解 説】
*1
必要に応じて変位に対する評価を行うこと。基礎は、通常運転時等の荷重による鉛直変位及び
地震時の荷重による水平変位が生じる。変位に対する検討では、基礎の変位によるLPG貯槽本
くい基礎にネガティブフリクションが生じる場合は,これを考慮して基礎の鉛直支持,沈下
体と配管との間の相対変位を求め、それがLPG貯槽の機能に支障をきたさないことを確認する
及びくい体等の強度に対する検討を行わなければならない。
必要に応じて変位に対する評価を行うこと。基礎は,通常運転時等の荷重による鉛直変位及
こと。基礎の変位量は杭頭部に作用する荷重、杭の本数及び形状、地盤の状況等に応じて変わる
び地震時の荷重による水平変位が生じる。変位に対する検討では,基礎の変位による貯槽本体
ため、類似の構造物の変位記録などを参考に推定するのが望ましい。長期にわたる鉛直変位量に
と配管との間の相対変位を求め,それが貯槽の機能に支障をきたさないことを確認すること。
ついては、基礎の沈下量の観測を行い、不等沈下量に対して安全性を確認することが望ましい。
*2
基礎の変位量はくい頭部に作用する荷重,くいの本数及び形状,地盤の状況等に応じて変わる
ため,類似の構造物の変位記録などを参考に推定するのが望ましい。長期にわたる鉛直変位量
については,基礎の沈下量の観測を行い,不等沈下量に対して安全性を確認することが望まし
*3 RC杭とは、
「遠心力鉄筋コンクリート杭」
(以下RC杭と略す。
)をいう。
い。
*4 レベル2地震動に対する杭基礎の解析手法として、2次元有限要素逐次非線形解析法、あるい
*3 RCくいとは,
「遠心力鉄筋コンクリートくい」(以下RCくいと略す。)をいう。
は鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説、基礎構造物・抗土圧構造物」(2000)に
*4
よる応答変位法を適用してもよい 1)。また、杭の検討においては、杭頭のみならず地層の層境に
レベル2地震動に対するくい基礎の解析手法として,2次元有限要素逐次非線形解析法,あ
るいは鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説,基礎構造物」(2000)による応答変
ついても十分注意して評価すること。
位法を適用してもよい 1)。また,くいの検討においては,くい頭のみならず地層の層境について
【参考文献】
も十分注意して評価すること。
1)
耐震信頼性実証試験](LNG地上式タンクの耐震実証試験に関するもの)
」(2000)
【参考文献】
1)
発電設備技術検査協会「平成 11 年度 電力施設地震対策調査に関する調査報告書[発電設備
(財)発電設備技術検査協会「平成 11 年度 電力施設地震対策調査に関する調査報告書[発電設
備耐震信頼性実証試験]
(LNG地上式タンクの耐震実証試験に関するもの)
」(2000)
*5 通常運転時は、鉛直支持に対する評価のみ行う。
*6
杭の設計鉛直支持力、設計引抜き抵抗力は鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解
*5 通常運転時は,鉛直支持に対する評価のみ行う。
説、基礎構造物・抗土圧構造物」(2000)の「10 章 杭基礎」の「10.2.3 単杭の設計鉛直支持力
*6 くいの設計鉛直支持力,設計引抜き抵抗力は鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同
及び設計引抜き抵抗力」に基づき、次式から求めることができる。この場合は、本指針の通常運
解説,基礎構造物」(2000)の「10 章 杭基礎」の「10.2.3 単杭の設計鉛直支持力及び設計引
転時をこの基準の使用限界状態に対応させ、本指針の強風時及びレベル1耐震性能評価をこの基
抜き抵抗力」に基づき,次式から求めることができる。この場合は,本指針の通常運転時をこ
準の終局限界状態に対応させることができる。
の基準の使用限界状態に対応させ,本指針の暴風時及びレベル1耐震性能評価をこの基準の終
Rvd
局限界状態に対応させることができる。
単くいのくい頭における設計鉛直支持力は,次式により算定することができる。
Rvd
f rf R f
単杭の杭頭における設計鉛直支持力は、次式により算定することができる。
f rf R f
f rp R p
ここに、
f rp R p
ここに,
Rvd
:単杭の設計鉛直支持力(kN)
Rf
:単杭の最大周面支持力(kN)
Rvd
:単くいの設計鉛直支持力(kN)
Rp
:単杭の基準先端支持力(kN)
Rf
:単くいの最大周面支持力(kN)
f rf
:杭の周面支持力に対する地盤抵抗係数
Rp
:単くいの基準先端支持力(kN)
f rp
:杭の先端支持力に対する地盤抵抗係数
f rf
:くいの周面支持力に対する地盤抵抗係数
f rp
:くいの先端支持力に対する地盤抵抗係数
単杭の杭頭における設計引抜き抵抗力は、次式により算定することができる。
Rud
単くいのくい頭における設計引抜き抵抗力は,次式により算定することができる。
Rud
f ru R f
f ru R f
Wp
ここに、
Wp
ここに,
Rud
:単杭の設計引抜き抵抗力(kN)
Rf
:単杭の最大周面支持力(kN)
Rud
:単くいの設計引抜き抵抗力(kN)
f ru
:杭の引抜き抵抗力に対する地盤抵抗係数
Rf
:単くいの最大周面支持力(kN)
Wp
:杭の有効自重(kN)
−270−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
f ru
:くいの引抜き抵抗力に対する地盤抵抗係数
また、杭の設計鉛直支持力、設計引抜き抵抗力は鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・
Wp
:くいの有効自重(kN)
同解説、基礎構造物・抗土圧構造物」(2000)の「10 章 杭基礎」の「10.3.17
載荷試験によ
また,くいの設計鉛直支持力,設計引抜き抵抗力は鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標
り設計支持力等を算定する場合」に基づき、杭の鉛直載荷試験及び引抜き試験を行って求める
準・同解説,基礎構造物」(2000)の「10 章 杭基礎」の「10.3.17 載荷試験により設計支持力
ことができる。
等を算定する場合」に基づき,くいの鉛直載荷試験及び引抜き試験を行って求めることができ
*7 耐力とは設計強度に断面積又は断面係数を乗じた断面力又はモーメントをいう。
る。
*8
応答塑性率とは、応答塑性変位を降伏変位で除した値をいう。ここで、応答塑性変位とは、レ
*7 耐力とは設計強度に断面積又は断面係数を乗じた断面力又はモーメントをいう。
ベル2地震動に係る設計地震動に対して生じる変位から降伏変位を減じた値をいい、降伏変位と
*8
は、荷重変形曲線図において、荷重と変形の関係が概ね線形性を保持する限界の変位をいう。
応答塑性率とは,応答塑性変位を降伏変位で除した値をいう。ここで,応答塑性変位とは,
レベル2地震動に係る設計地震動に対して生じる変位から降伏変位を減じた値をいい,降伏変
位とは,荷重変形曲線図において,荷重と変形の関係が概ね線形性を保持する限界の変位をい
*9
を満足するための限界の塑性率をいう。杭基礎の応答塑性率の制限値は、杭基礎の安定より定ま
う。
*9
応答塑性率の制限値とは、レベル2地震動に係る設計地震動に対して基礎のレベル2耐震性能
応答塑性率の制限値とは,レベル2地震動に係る設計地震動に対して基礎のレベル2耐震性
能を満足するための限界の塑性率をいう。くい基礎の応答塑性率の制限値は,くい基礎の安定
る制限値と部材の損傷より定まる制限値のうちの小さい方を用いること。
*10 詳細な検討によらない場合、杭基礎の応答塑性率の制限値は、JGA 指-101-14「製造設備等耐震
設計指針」の 10.3.4 解表 10-2 及び 10.4.1.4 解説*1 に基づき、地震慣性力に係る基礎の耐震性能
より定まる制限値と部材の損傷より定まる制限値のうちの小さい方を用いること。
*10 詳細な検討によらない場合,くい基礎の応答塑性率の制限値は,JGA 指-101-01「製造設備等
評価では応答塑性率の制限値を 1.5、地盤の液状化に伴う基礎の移動に係る耐震性能評価では、
耐震設計指針」に基づき,地震慣性力に係る基礎の耐震性能評価では応答塑性率の制限値を 1.5,
応答塑性率の制限値を 5.0 とすることができる。
地盤の液状化に伴う基礎の移動に係る耐震性能評価では,応答塑性率の制限値を 5.0 とするこ
とができる。
8.1.5.5
8.1.5.5
(5) 構造細目
(a) 杭頭部と基礎の結合
杭と基礎の結合部は、安全な構造とすること。*1
(5) 構造細目
(a) くい頭部と基礎の結合
(b) 鋼管杭の厚さ
くいと基礎の結合部は,安全な構造とすること。*1
鋼管杭の各部の厚さは、強度計算上必要な厚さに腐れ代*2を加えたものとし,
(b) 鋼管ぐいの厚さ
9㎜以上とすること。
鋼管ぐいの各部の厚さは,強度計算上必要な厚さに腐れ代*2を加えたものとし,
9㎜以上とすること。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1
【解 説】
*1
杭の基礎コンクリートに対する鉛直支圧強度、水平支圧強度及び押抜きせん断強度について検
討すること。
くいの基礎コンクリートに対する鉛直支圧強度,水平支圧強度及び押抜きせん断強度につい
*2 鋼管杭の腐れ代は、杭が土又は水に接する面について考慮するものとする。
腐れ代は十分な調査を行い、環境条件に応じて設定すること。ただし、鋼管杭の内面について考
て検討すること。
慮しなくてもよい。また、腐食が著しいと考えられる場合には、腐れ代を大きくとるだけでなく、
*2 鋼管ぐいの腐れ代は,くいが土又は水に接する面について考慮するものとする。
腐れ代は十分な調査を行い,環境条件に応じて設定すること。ただし,鋼管ぐいの内面につい
ては考慮しなくてもよい。また,腐食が著しいと考えられる場合には,腐れ代を大きくとるだ
−271−
適当な防食処置を施すことが望ましい。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
けでなく,適当な防食処置を施すことが望ましい。
8.1.5.6 直接基礎の構造及び設計
8.1.5.6 直接基礎の構造及び設計
(1) 一般
直接基礎は、フーチング、地中ばり等からの荷重に対して安全な構造とすること。
(2) 設計の基本
(1) 一般
(a) 直接基礎の設計は、表8.1−6に示す項目を評価すること。
直接基礎は,フーチング,地中ばり等からの荷重に対して安全な構造とすること。
(2) 設計の基本
(a) 直接基礎の設計は,表8.1−13に示す項目を評価すること。
表8.1−6 直接基礎の評価項目
分
評価項目*1
通常運転時
安定の保持
常時性能評価
強風時、積雪時
安定の保持
水張り時
レベル1耐震性能評価
安定の保持
*2
レベル2耐震性能評価
変形
評価は、8.1.4「設計値」に示す材料の設計値,8.1.5.2「荷重」で求められる荷重
区
表8.1−13 直接基礎の評価項目
分
評価項目*1
通常運転時
安定の保持
常時性能評価
暴風時,積雪時
安定の保持
耐圧試験時
レベル1耐震性能評価
安定の保持
*2
レベル2耐震性能評価
変形
評価は,8.1.4「設計値」に示す材料の設計値,8.1.5.2「荷重」で求められる荷重
区
(b)
(b)
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(3) 構造解析
(a) 断面力の算定には、評価項目を適切に評価できる解析手法を選定すること。*3
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(3) 構造解析
(b) 解析は、構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し、8.1.5.2「荷重」に示
(a) 断面力の算定には,評価項目を適切に評価できる解析手法を選定すること。*3
す荷重条件について行うこと。
変位量Sを算定し、これに8.1.5.3表8.1−4に示す構造解析係数
す荷重条件について行うこと。
(c)
設計作用力及び設計変位量 S d は,8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用いて作用力及び
変位量Sを算定し,これに8.1.5.3表8.1−6に示す構造解析係数
a
すること。
Sd
を乗じた値と
すること。
Sd
a
設計作用力及び設計変位量 S d は,8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用いて作用力及び
(c)
(b) 解析は,構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し,8.1.5.2「荷重」に示
a
S
(4) 評価方法
S
(a) 安定の保持の評価*4
(4) 評価方法
(ⅰ) 通常運転時の鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
(a) 安定の保持の評価*4
i
(ⅰ) 通常運転時の鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
i
ここに、
Pd
≦1.0
qd
ここに,
Pd
:設計鉛直地盤反力(kN/m2)
qd
:設計鉛直支持力*5(kN/m2)
:設計鉛直地盤反力(kN/m2)
qd
:設計鉛直支持力*5(kN/m2)
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
i
(ⅱ) 通常運転時以外の鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
i
(ⅱ) 通常運転時以外の鉛直支持に対する評価は次式を満足すること。
i
Pd
:8.1.5.3 表8.1−6に示す構造物係数
i
Pd
≦1.0
qd
Vd
≦1.0
Rvd
ここに、
Vd
≦1.0
Rvd
Vd
:設計有効鉛直荷重(kN)
Rvd :設計鉛直支持力*6(kN)
ここに,
−272−
a
を乗じた値と
現行 LPG貯槽指針
:設計有効鉛直荷重(kN)
Vd
Rvd :設計鉛直支持力
i
LPG貯槽指針 改訂案
*6
i
(kN)
:8.1.5.3 表8.1−4構造物係数
(ⅲ) 通常運転時以外の水平支持に対する評価は次式を満足すること。
:8.1.5.3 表8.1−6構造物係数
i
(ⅲ) 通常運転時以外の水平支持に対する評価は次式を満足すること。
i
ここに、
Hd
≦1.0
Rhd
ここに,
Hd
:設計水平荷重(kN)
Rhd
:設計水平支持力*7(kN)
Hd
:設計水平荷重(kN)
Rhd
:設計水平支持力*7(kN)
(b) 変形の評価
変形に対する評価は、次式を満足すること。
(b) 変形の評価
i
変形に対する評価は,次式を満足すること。
i
d
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
i
:8.1.5.3 表8.1−6に示す構造物係数
i
Hd
≦1.0
Rhd
d
≦1.0
L
ここに、
≦1.0
L
d
:直接基礎の応答塑性率
ここに,
L
:直接基礎の応答塑性率の制限値*8
d
:直接基礎の応答塑性率
L
:直接基礎の応答塑性率の制限値*8
i
i
:表8.1−6に示す構造物係数
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 必要に応じて変位に対する評価を行うこと。特に、圧密沈下が予想される場合には、圧密沈下
量について検討が必要である。変位に対する評価では、基礎の変位によるLPG貯槽本体と配管
【解 説】
*1
との間の相対変位を求め、それがLPG貯槽本体の機能に支障をきたさないことを確認するこ
必要に応じて変位に対する評価を行うこと。特に,圧密沈下が予想される場合には,圧密沈
下量について検討が必要である。変位に対する評価では,基礎の変位による貯槽本体と配管と
の間の相対変位を求め,それが貯槽本体の機能に支障をきたさないことを確認すること。
と。
*2
レベル2耐震性能評価においては、転倒に対する評価を行うこと。転倒に対する評価は、次式
を満足すること。
*2
ex ≦ 5 / 8 r
レベル2耐震性能評価においては,転倒に対する評価を行うこと。転倒に対する評価は,次
ここに、
式を満足すること。
ex ≦ 5 / 8 r
ここに,
*3
ex
:合力の偏心量(m)
r
:基礎の半径(m)
*3
ex
:合力の偏心量(m)
r
:基礎の半径(m)
基礎の平面寸法が大きい場合には、基礎を剛体として扱えないので、基礎の剛性及び地盤の鉛
直ばねを考慮して設計すること。
基礎の平面寸法が大きい場合には,基礎を剛体として扱えないので,基礎の剛性及び地盤の
鉛直ばねを考慮して設計すること。
*4 通常運転時は、鉛直支持に対する評価のみ行う。
*5
直接基礎の設計鉛直支持力は、鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説、基礎構
*4 通常運転時は,鉛直支持に対する評価のみ行う。
造物・抗土圧構造物」(2000)の「8章
*5 直接基礎の設計鉛直支持力は,鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説,基礎構
式から求めることができる。この場合は、本指針の通常運転時をこの基準の使用限界状態に対応
−273−
直接基礎」の「8.2.4
設計鉛直支持力」に基づき、次
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
造物」(2000)の「8章 直接基礎」の「8.2.4 設計鉛直支持力」に基づき,次式から求めるこ
とができる。この場合は,本指針の通常運転時をこの基準の使用限界状態に対応させることが
できる。
させることができる。
qd
qvd
e2
Df
f rc N c I c
b
粘性土の場合
qd
qvd
e2
Df
qvd
粘性土の場合
qvd
砂質土の場合
f rc N c I c
b
c
qvd
砂質土の場合
qvd
fr I
fr I
b
b
Be
e1
N
f rq I q
e2
Df Nq 1
e2
Df Nq 1
:増加荷重に対する直接基礎の設計極限鉛直支持力(kN/m2)
qvd
:増加荷重に対する直接基礎の設計極限鉛直支持力(kN/m2)
Df
f r ,f rq,f rc
:直接基礎の鉛直支持力に対する地盤抵抗係数
:フーチング底面の土の有効単位体積質量(kN/m3)
e1
: D f 区間の土の平均有効単位体積質量(kN/m3)
e2
:フーチング底面の土の有効単位体積質量(kN/m3)
I c,I ,I q :傾斜荷重に対する補正係数
: D f 区間の土の平均有効単位体積質量(kN/m3)
I c,I ,I q :傾斜荷重に対する補正係数
Ic
I
Iq
1
1
/
/ 90
2
:直接基礎の鉛直支持力に対する地盤抵抗係数
:フーチング底面の有効根入れ深さ(m)
:フーチング底面の有効根入れ深さ(m)
2
Ic
Iq
1
I
1
/
/ 90
2
2
ただし, 0 ≦1
/
:フーチング底面における合力の傾斜角(度)
ただし, 0 ≦1
tan -1 H d /Vd
/
:フーチングに作用する設計水平荷重(kN)
Hd
:フーチング底面における合力の傾斜角(度)
-1
:フーチング底面における設計有効鉛直荷重(kN)
Vd
tan H d /Vd
:フーチングに作用する設計水平荷重(kN)
:フーチング底面の土の内部摩擦角(度)
:フーチング底面における設計有効鉛直荷重(kN)
Vd
f rq I q
qvd
f r ,f rq,f rc
Hd
N
:設計鉛直支持力(kN/m2)
:設計鉛直支持力(kN/m2)
e2
e1
qd
qd
e1
Be
ここに、
ここに,
Df
c
b
,
:フーチング底面の形状係数
b
:フーチング底面の土の内部摩擦角(度)
b
,
b
:フーチング底面の形状係数
解表8.1−4 形状係数
フーチング底面の形状係数
b
解表8.1−5 形状係数
フーチング底面の形状係数
b
b
連続 正方形
1.0
1.2
0.5
0.3
長方形
1.0+0.2( B ' / L )
0.5−0.2( B ' / L )
b
円形
1.2
0.3
:フーチング底面の土の粘着力(kN/m2)
Be
: B ' , L のうち小さい方とする
B'
:フーチングの有効幅(m)
ex
c
:フーチング底面の土の粘着力(kN/m2)
Be
: B ' , L のうち小さい方とする
B'
:フーチングの有効幅(m)
B' B 2ex
L
B' B 2ex
L
ex
:荷重直角方向のフーチング幅(m)
:荷重直角方向のフーチング幅(m)
:フーチング底面における合力の作用点の x 方向の偏心量(m)
ex
:フーチング底面における合力の作用点の x 方向の偏心量(m)
ex
長方形
1.0+0.2( B ' / L )
0.5−0.2( B ' / L )
ただし、 B ' / L は、 B' L ならば L / B ' とする
ただし, B ' / L は, B' L ならば L / B ' とする
c
連続 正方形
1.0
1.2
0.5
0.3
Md
Vd
−274−
Md
Vd
Md
:フーチング底面中心に作用する設計モーメント(kN・m)
Nc
:フーチング底面地盤の支持力係数で、一般に 5.1 とする
円形
1.2
0.3
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
Md
:フーチング底面中心に作用する設計モーメント(kN・m)
Nc
:フーチング底面地盤の支持力係数で,一般に 5.1 とする
N ,N q
N ,N q
*6
:フーチング底面の土の支持力係数
Rvd
に対応させることができる。
A'q vd
e2
D f A'
ここに、
D f A'
ここに,
Rvd
:直接基礎の設計鉛直支持力(kN)
qvd
:増加荷重に対する直接基礎の設計極限鉛直支持力(kN/m2)
Rvd
:直接基礎の設計鉛直支持力(kN)
qvd
:増加荷重に対する直接基礎の設計極限鉛直支持力(kN/m2)
:フーチグの有効面積(m2)
A'
支持地盤が岩盤の場合の設計鉛直支持力は、岩盤の強度、風化の状態及びひび割れの有無等
:フーチグの有効面積(m2)
A'
を考慮して定めるものとする。
支持地盤が岩盤の場合の設計鉛直支持力は,岩盤の強度,風化の状態及びひび割れの有無等
*7 直接基礎の設計水平支持力は、鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説、基礎構造
物・抗土圧構造物」(2000)の「8章 直接基礎」の「8.2.5 設計水平支持力」に基づき次式から
を考慮して定めるものとする。
*7 直接基礎の設計水平支持力は,鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説,基礎構
造物」(2000)の「8章 直接基礎」の「8.2.5 設計水平支持力」に基づき次式から求めること
求めることができる。この場合は、本指針の強風時及びレベル1耐震性能評価をこの基準の終局
限界状態に対応させることができる。
ができる。この場合は,本指針の暴風時及びレベル1耐震性能評価をこの基準の終局限界状態
Rhd
Rhb
に対応させることができる。
Rhb
f rsVd tan
b
Rhp
f rp
p pi H i cos
Rhd
Rhb
Rhb
f rsVd tan
b
Rhp
f rp
Rhp
p pi H i cos
h
L
f rc A' c'
Rhd
pi
:直接基礎の設計水平支持力(kN)
:直接基礎の水平支持力に対する地盤抵抗係数
:直接基礎の設計水平支持力(kN)
:直接基礎の水平支持力に対する地盤抵抗係数
Rhb
:フーチング底面の設計水平支持力(kN)
Vd
Rhb
:フーチング底面の設計水平支持力(kN)
b
:フーチング底面における設計有効鉛直荷重(kN)
:フーチング底面における設計有効鉛直荷重(kN)
:フーチング底面と支持層との摩擦角(度)
・支持層が土の場合
:フーチング底面と支持層との摩擦角(度)
フーチングを現場打ちする場合
b
・支持層が土の場合
既製のフーチングを設置する場合
b
フーチングを現場打ちする場合
b
既製のフーチングを設置する場合
b
フーチングを現場打ちする場合
2/3
(ただし、
フーチングを現場打ちする場合
(ただし,
b
≦45°とする。
)
(ただし、
(ただし,
b
b
b
b
≦45°とする。
)
既製のフーチングを設置する場合
b
既製のフーチングを設置する場合
b
2/3
≦30°とする。
)
:フーチング底面の土又は岩の内部摩擦角(度)
2/3
≦30°とする。
)
A'
:フーチング底面の有効面積(m2)
:フーチング底面の土又は岩の内部摩擦角(度)
c'
:フーチング底面と土との付着力(kN/m2)
b
2/3
・支持層が岩盤の場合
・支持層が岩盤の場合
c'
pi
:フーチング前面の設計水平支持力(kN)
:フーチング前面の設計水平支持力(kN)
A'
L
f rc A' c'
Rhp
Rhp
b
h
f rs,f rc,f rp
f rs,f rc,f rp
Vd
Rhp
ここに、
ここに,
Rhd
設計鉛直支持力」に基づき次式
終局限界状態に対応させることができる。
ができる。この場合は,本指針の暴風時及びレベル1耐震性能評価をこの基準の終局限界状態
e2
直接基礎」の「8.2.4
から求めることができる。この場合は、本指針の強風時及びレベル1耐震性能評価をこの基準の
造物」(2000)の「8章 直接基礎」の「8.2.4 設計鉛直支持力」に基づき次式から求めること
A'q vd
直接基礎の設計鉛直支持力は、鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説、基礎構
造物・抗土圧構造物」(2000)の「8章
*6 直接基礎の設計鉛直支持力は,鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等設計標準・同解説,基礎構
Rvd
:フーチング底面の土の支持力係数
:フーチング底面の有効面積(m2)
h
2
:フーチング底面と土との付着力(kN/m )
:フーチング前面の形状係数(フーチングの根入れ深さと前面の
幅の比により 1.0∼2.0 の値とする。
)
−275−
現行 LPG貯槽指針
h
LPG貯槽指針 改訂案
:フーチング前面の形状係数(フーチングの根入れ深さと前面の
:荷重直角方向のフーチングの幅(m)
L
幅の比により 1.0∼2.0 の値とする。
)
なお、円形の直接基礎の場合には、フーチングの直径 D
Ppi
:荷重直角方向のフーチングの幅(m)
L
(kN/m2)
なお,円形の直接基礎の場合には,フーチングの直径 D
Ppi
:着目している層の中心におけるフーチング前面の受働土圧力
Ppi
qi
(kN/m2)
Ppi
qi
ei
H i K pi
2ci K pi
1/ 2
:着目している層の上面における上載荷重(kN/m )
ei
ei
: hi 区間の土の平均有効単位体積質量(kN/m3)
ei
:着目している層の上面までの有効根入れ深さ(m)
hi
Hi
Hi
*8
2ci K pi
1/ 2
ei
hi
: hi 区間の土の平均有効単位体積質量(kN/m3)
:着目している層の土の有効単位体積質量(kN/m3)
:着目している層の厚さ(m)
K pi
:着目している層における受働土圧係数(抗土圧標準参照)
:着目している層の厚さ(m)
ci
:着目している層の土の粘着力(kN/m2)
K pi
:着目している層における受働土圧係数(抗土圧標準参照)
ci
:着目している層の土の粘着力(kN/m2)
pi
H i K pi
:着目している層の土の有効単位体積質量(kN/m )
3
ei
ei
:着目している層の上面までの有効根入れ深さ(m)
hi
hi
qi 1 / 2
:着目している層の上面における上載荷重(kN/m2)
qi
2
qi
ei
qi 1 / 2
:着目している層の中心におけるフーチング前面の受働土圧力
pi
*8
:着目している層におけるフーチング前面と土の摩擦角(度)
:着目している層におけるフーチング前面と土の摩擦角(度)
直接基礎の応答塑性率の制限値は、基礎の降伏支持力と変形性能及び地震後の残存支持力等を
勘案して適切に定めること。
直接基礎の応答塑性率の制限値は,基礎の降伏支持力と変形性能及び地震後の残存支持力等
8.1.5.7 フーチング、地中ばり等の構造及び設計
を勘案して適切に定めること。
8.1.5.7 フーチング,地中ばり等の構造及び設計
(1) 一
般
フーチング、地中ばり等は、貯槽本体からの荷重に対して安全な構造とすること。
(1) 一
般
(2) 設計の基本
フーチング,地中ばり等は,貯槽本体からの荷重に対して安全な構造とすること。
(a) フーチング、地中ばり等の部材断面は表8.1−14に示す項目を評価すること。
(2) 設計の基本
(a) フーチング,地中ばり等の部材断面は表8.1−14に示す項目を評価すること。
表8.1−7 フーチング、地中ばり等の評価項目
区
表8.1−14 フーチング,地中ばり等の評価項目
区
分
通常運転時
常時性能評価
暴風時,積雪時
耐圧試験時
レベル1耐震性能評価
レベル2耐震性能評価
分
通常運転時
常時性能評価
評価項目
ひび割れ*1
断面破壊
強風時、積雪時
水張り時
レベル1耐震性能評価
レベル2耐震性能評価
断面破壊
断面破壊
変形*2
評価項目
ひび割れ*1
断面破壊
断面破壊
断面破壊
変形*2
(b) 評価は,8.1.4「設計値」に示す材料の設計値、8.1.5.2「荷重」で求められる荷重,
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(b) 評価は,8.1.4「設計値」に示す材料の設計値,8.1.5.2「荷重」で求められる荷重,
(c) フーチング、地中ばり等の設計は、原則として常温での設計値を用いて行うこと。
及び8.1.5.3「安全係数」に示す安全係数を用いて行うこと。
(c) フーチング,地中ばり等の設計は,原則として常温での設計値を用いて行うこと。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
−276−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1
【解 説】
*1
フーチング,地中ばり等は,長期にわたる耐久性を保持することが求められるため,ひび割
れの評価項目を設定した。
*2
フーチング、地中ばり等は、長期にわたる耐久性を保持することが求められるため、ひび割れ
の評価項目を設定した。
*2
塑性変形、不等沈下等の変形によって、フーチング、地中ばり等が耐荷性能を失わないことを
確認する必要があるため、変形の限界値を設定した。評価は、フーチング、地中ばり等の応答塑
塑性変形,不等沈下等の変形によって,フーチング,地中ばり等が耐荷性能を失わないこと
性率が限界値を超えないことによって確認する。なお、フーチング、地中ばり等のぜい性的な破
を確認する必要があるため,変形の限界値を設定した。評価は,フーチング,地中ばり等の応
壊を防止するために、曲げ破壊が先行するように設計すること。
答塑性率が限界値を超えないことによって確認する。なお,フーチング,地中ばり等のぜい性
的な破壊を防止するために,曲げ破壊が先行するように設計すること。
8.1.5.7
(3) 構造解析
8.1.5.7
(a) 断面力の算定には、評価項目を適切に評価できる解析手法*1を選定すること。
(b) 解析は、構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し、8.1.5.2「荷重」に示す
(3) 構造解析
荷重条件について行うこと。
(a) 断面力の算定には,評価項目を適切に評価できる解析手法*1を選定すること。
(c) 断面力の算定に用いる断面二次モーメントは、鋼材*2を無視して部材のコンクリー
(b) 解析は,構造に応じた適切な境界条件及びモデルを設定し,8.1.5.2「荷重」に示す
ト全断面について計算することができる。
荷重条件について行うこと。
(c) 断面力の算定に用いる断面二次モーメントは,鋼材*2を無視して部材のコンクリー
ト全断面について計算することができる。
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 基礎の解析手法として、有限要素法、シェル理論又は質点の線材モデルが適用できる。
【解 説】
*2 鋼材とは、鉄筋をいう。
*1 基礎の解析手法として,有限要素法,シェル理論又は質点の線材モデルが適用できる。
*2 鋼材とは,鉄筋をいう。
8.1.5.7
(4) 評価方法
8.1.5.7
(a) ひび割れの評価*1
(ⅰ) 曲げモーメント及び軸方向力によって発生するひび割れ幅 w *2は、許容ひび割れ
−277−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
幅 wa 以下であること。*3
(4) 評価方法
wa
(a) ひび割れの評価*1
0.004c *4
ここに、 c :かぶり(mm)
(ⅰ) 曲げひび割れ幅の評価は,次式によって求めたひび割れ幅 w が,許容ひび割れ幅
wa 以下であること。*2
w 1.1k1k 2 k3 4c 0.7 cs
wa
se
Es
'
csd
0.004c *3
ここに,
w
:ひび割れ幅(mm)
wa
:許容ひび割れ幅(mm)
k1
:鉄筋の付着性状の影響を表す定数で,異形鉄筋の場合 1.0,普通丸鋼の
場合に 1.3 とする
k2
:コンクリートの品質がひび割れ幅に及ぼす影響を表す係数で,次式に
よる
k2
15
f' c
20
0.7
f'c
:コンクリートの圧縮強度(N/mm2)で,一般に,設計強度を用いること。
k3
:引張鉄筋の段数の影響を表す係数
k3
5n 2
7n 8
n
:引張鉄筋の段数
c
:かぶり(mm)
cs
:鉄筋の中心間隔(mm)
:鉄筋径(mm)
se
(ⅱ) 応力の評価*5
:鉄筋の位置のコンクリートの応力が0の状態からの鉄筋の応力の増加
量(N/mm2)
曲げモーメント及び軸方向力によるコンクリートの圧縮応力、鉄筋の引張応力は
2
E s :鉄筋の縦弾性係数 200,000(N/mm )
次の限界値を超えないこと。
'csd :コンクリートの収縮及びクリープによるひび割れ幅の増加を考慮する
(イ) 曲げモーメント及び軸方向力によるコンクリートの圧縮応力は0.4 f 'ck を超えな
ための数値で,一般の場合,150×10-6 程度,高強度コンクリートの場
合は 100×10-6 とすることができる。
いこと。ここに、 f ' ck はコンクリートの圧縮強度の特性値である。
(ⅱ) 曲げモーメント及び軸方向力によるコンクリートの圧縮応力は0.4 f 'ck を超えな
(ロ) 鉄筋の引張応力は f yk 以下であること。ここに f yk は鉄筋の降伏強度の特性値であ
いこと。ここに, f ' ck はコンクリートの圧縮強度の特性値である。
る。
(ⅲ) 鉄筋の引張応力は f yk 以下であること。ここに f yk は鉄筋の降伏強度の特性値であ
−278−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
る。
(b) 断面破壊の評価
(ⅰ) フーチング、地中ばり等の部材断面は、設計断面力 S d の設計断面耐力 Rd に対す
る比に表8.1−4に示す構造物係数
(b) 断面破壊の評価
i
を乗じた値が、1.0以下となるように定め
ること。評価項目は、曲げモーメント及び軸方向力、面外せん断力及び面内せん断
(ⅰ) フーチング,地中ばり等の部材断面は,設計断面力 S d の設計断面耐力 Rd に対す
る比に表8.1−6に示す構造物係数
i
力とする。
を乗じた値が,1.0以下となるように定め
i
ること。
Sd
≦1.0
Rd
(ⅱ) 設計断面耐力 Rd *6は、8.1.4.1「コンクリート」に示す設計強度を用いて断面耐
i
力 R を算定し、これを表8.1−4に示す部材係数
Sd
≦1.0
Rd
Rd
(ⅱ) 設計断面耐力 Rd は,8.1.4.1「コンクリート」に示す設計強度を用いて断面耐力 R
を算定し,これを表8.1−6に示す部材係数
Rd
b
で除した値とすること。
(ⅲ) 設計断面力 S d は、8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用いて断面力 S を算定し、これ
Sd
b
(ⅲ) 設計断面力 S d は,8.1.5.2「荷重」の設計荷重を用いて断面力 S を算定し,これ
Sd
a
a
を乗じた値とすること。
e
S
S
M d / N 'd を一定として求めた設計曲げ耐力 M ud が(ⅰ)の判定式を満足すること
断面の耐力を算定してよい。
(ⅴ) せん断力に対する安全性の評価は、面外せん断力*7及び面内せん断力*8に対して
を確かめること。ただし,軸方向力 N 'd の影響が小さい場合には,曲げ部材として
行うこと。
(ⅵ) 鉄筋の引張応力は、 f yk 以下であること。ここに、 f yk は鉄筋の引張降伏強度の特
断面の耐力を算定してよい。*4
(ⅴ) せん断力に対する安全性の評価は,面外せん断力*5及び面内せん断力*6に対して
性値である。
(c) 変形の評価
行うこと。
(ⅵ) 鉄筋の引張応力は, f yk 以下であること。ここに, f yk は鉄筋の引張降伏強度の特
フーチング、地中ばり等の破壊モードは、曲げ破壊が先行するように設計を行うこ
と。曲げ破壊の評価は以下により行うことができる。
性値である。
(ⅰ) 部材の破壊モードの判定
(c) 変形の評価
フーチング,地中ばり等の破壊モードは,曲げ破壊が先行するように設計を行うこ
i
と。曲げ破壊の評価は以下により行うことができる。
(ⅰ) 部材の破壊モードの判定
Vmu
<1.0
V yd
Vmu :部材が曲げ耐力 M u に達するときの部材各断面のせん断力
V yd :各断面のせん断耐力
i
Vmu :部材が曲げ耐力 M u に達するときの部材各断面のせん断力
:8.1.5.3 表8.1−4に示す構造物係数
なお、 Vmu を算出する場合の部材の曲げ耐力 M u は、鋼材の実引張降伏強度 f y *9
V yd :各断面のせん断耐力
を考慮し、かつ、断面内の全軸方向鉄筋を考慮して算出するものとする。
:8.1.5.3 表8.1−6に示す構造物係数
なお, Vmu を算出する場合の部材の曲げ耐力 M u は,鋼材の実引張降伏強度 f y
Vmu
<1.0
V yd
ここに、
ここに,
i
を乗じた値とすること。
を確かめること。ただし、軸方向力 N 'd の影響が小さい場合には、曲げ部材として
M d / N 'd を一定として求めた設計曲げ耐力 M ud が(ⅰ)の判定式を満足すること
i
a
(ⅳ) 曲げモーメント M d と軸方向力 N 'd とが作用する場合における安全性の評価は、
(ⅳ) 曲げモーメント M d と軸方向力 N 'd とが作用する場合における安全性の評価は,
e
R
に表8.1−4に示す構造解析係数
a
で除した値とすること。
b
R
に表8.1−6に示す構造解析係数
b
(ⅱ) 安全性評価
*7
i
を考慮し,かつ,断面内の全軸方向鉄筋を考慮して算出するものとする。
(ⅱ) 安全性評価
μrd
≦ 1.0
μd
ここに、
−279−
現行 LPG貯槽指針
i
LPG貯槽指針 改訂案
μrd
≦ 1.0
μd
rd
:部材の応答塑性率
d
:部材の塑性率の制限値*10
ここに,
rd
:部材の応答塑性率
d
:部材の塑性率の制限値*8
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
*1 せん断力を受ける部材で、せん断ひび割れが構造物の耐久性の低下に影響を及ぼす可能性があ
る場合は、せん断力がコンクリートの設計せん断耐力の 70%を超えないことを確認すること。
*2 曲げひび割れ幅 w の算定は、以下の式による。
【解 説】
*1
せん断力を受ける部材で,せん断ひび割れが構造物の耐久性の低下に影響を及ぼす可能性があ
w 1.1k1k 2 k3 4c 0.7 cs
る場合は,せん断力がコンクリートの設計せん断耐力の 70%を超えないことを確認すること。
wa
se
Es
'
csd
0.004c
ここに、
w
:ひび割れ幅(mm)
wa
:許容ひび割れ幅(mm)
k1
:鉄筋の付着性状の影響を表す定数で、異形鉄筋の場合 1.0、普通丸鋼の場合に 1.3
とする
k2
:コンクリートの品質がひび割れ幅に及ぼす影響を表す係数で、次式による
k2
15
f' c
20
0.7
f'c
:コンクリートの圧縮強度(N/mm2)で、一般に、設計強度を用いること。
k3
:引張鉄筋の段数の影響を表す係数
k3
5n 2
7n 8
n
:引張鉄筋の段数
c
:かぶり(mm)
cs
:鉄筋の中心間隔(mm)
:鉄筋径(mm)
se
:鉄筋の位置のコンクリートの応力が0の状態からの鉄筋の応力の増加量(N/mm2)
E s :鉄筋の縦弾性係数 200,000(N/mm2)
'csd :コンクリートの収縮及びクリープによるひび割れ幅の増加を考慮するための数値
で、一般の場合、150×10-6 程度、高強度コンクリートの場合は 100×10-6 とするこ
とができる。
−280−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*3 曲げひび割れ幅の検討で対象とする鉄筋は、原則としてコンクリートの表面に最も近い位置に
あるものとする。
*4 適用できるかぶりは、100mm 以下を標準とする。
*2 曲げひび割れ幅の検討で対象とする鉄筋は,原則としてコンクリートの表面に最も近い位置にあ
るものとする。
*3 適用できるかぶりは,100mm 以下を標準とする。
*4 軸方向力 N 'd の影響が小さい場合とは, e / h ≧10(h:断面の高さ)の場合としてよい。
軸方向圧縮力を受ける部材においては,軸方向圧縮耐力の上限値 N 'oud は,次式から求めるこが
できる。
N' oud
k1 f' cd Ac
f' yd Ast
b
ここに,
Ac
:コンクリートの断面積
Ast :軸方向鉄筋の全断面積
f 'cd :コンクリートの圧縮に対する設計強度
f ' yd :軸方向鉄筋の圧縮に対する設計降伏強度
b
k1
:8.1.5.3 表8.1−6に示す部材係数
:強度の低減係数(=1-0.003 f 'ck ≦0.85,ここで, f 'ck はコンクリート
*5 曲げモーメント及び曲げモーメントと軸方向力を受ける部材の設計断面耐力を、断面力の作用
2
の設計基準強度(N/mm )
)
方向に応じて、部材断面あるいは部材の単位幅について算定する場合、以下の(a)∼(d)の仮定に
基づいて行うものとする。その場合、部材係数
曲げモーメント及び曲げモーメントと軸方向力を受ける部材の設計断面耐力を,断面力の作
b
は 1.1 とする。
(a) 維ひずみは、断面の中立軸からの距離に比例する。
用方向に応じて,部材断面あるいは部材の単位幅について算定する場合,以下の(a)∼(d)の仮
(b) コンクリートの引張応力は無視する。
定に基づいて行うものとする。その場合,部材係数
(c) コンクリートの応力−ひずみ曲線は、8.1.4.1(4)「応力−ひずみの曲線」によるものとす
b
は 1.1 とする。
る。
(a) 維ひずみは,断面の中立軸からの距離に比例する。
(d) 鋼材の応力−ひずみ曲線は、8.1.4.2(4) 「応力−ひずみの曲線」によるものとする。
(b) コンクリートの引張応力は無視する。
(c)
コンクリートの応力−ひずみ曲線は,8.1.4.1(4)「応力−ひずみの曲線」によるのを原則
*6 曲げモーメント及び軸方向力に対する安全性の照査の内、設計断面力Rd の算定については、
土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:標準] 3 編 2.4.2 曲げモーメントおよび軸
とする。
(d) 鋼材の応力−ひずみ曲線は,8.1.4.2(4) 「応力−ひずみの曲線」によるのを原則とする。
部材断面のひずみがすべて圧縮となる場合以外は,コンクリートの圧縮応力度の分布を下図
に示す長方形圧縮応力度の分布(等価応力ブロック)と仮定してよい。
−281−
方向応力に対する照査 2.4.2.1(1) 式(2.4.2)
、(2)、(5)によること。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
k1 1 0.003 f ck ≦ 0.85
155 f ck
≦ 0.0035
30000
ただし、f ck ≦ 80(N/mm 2 )
cu
0.52 80
cu
*7 面外せん断力に対する評価を行う場合、次の方法にてせん断耐力を求めることができる。設計
せん断耐力 V yd は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[設計編:標準]3 編 2.4.3 せん断
解図8.1−8 等価応力ブロック
力に対する照査 2.4.2.2(1)式(2.4.2)から求めることができる。
*5
面外せん断力に対する評価を行う場合,次の方法にてせん断耐力を求めることができる。設計
せん断耐力 V yd は,次式から求めることができる。
V yd
Vcd
Vsd
V ped
ただし,せん断補強鉄筋として折曲鉄筋とスターラップを併用する場合は,せん断補強鉄筋
が受け持つべきせん断力の 50%以上をスターラップで受け持たせるものとする。
ここに,
Vcd :せん断補強鋼材を用いない棒部材の設計せん断耐力であって,次式で求めた値
Vcd
・ ・
・
・d /
p
n f Vcd・bw
d
b
ここに,
fVcd
0.20
f 'cd
d
p
P
As
n
3
f 'cd (N/mm2)
ただし
fVcd ≦0.72(N/mm2)
:コンクリートの圧縮に対する設計強度(N/mm2)
4
1/d
ただし,
d
>1.5 となる場合は 1.5 とする
3
100P
ただし,
p
>1.5 となる場合は 1.5 とする
As
bw d
:引張側鋼材の断面積(mm2)
1 M 0 / M d ( N 'd ≧0 の場合)ただし,
1 2M 0 / M d
( N 'd <0 の場合)ただし,
n
>2 となる場合は 2 とする
n
<0 となる場合は 0 とする
−282−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
N 'd
:設計軸方向圧縮力
Md
:設計曲げモーメント
M0
:設計曲げモーメント M d に対する引張縁において,軸方向によって発生する応力を
打ち消すのに必要な曲げモーメント
bw
:腹部の幅(mm)
d
:有効高さ(mm)
b
Vsd
Vsd
:1.3 とする。
:せん断補強鋼材により受け持たれる設計せん断力であって,次式で求めた値
Aw f wyd sin
s
cos
Ss
s
Apw
pw
sin
p
cos
p
Sp
Z/
b
ここに,
Aw :区間 S s におけるせん断補強鉄筋の総断面積
Apw :区間 S p におけるせん断補強用緊張材の総断面積
f wyd :せん断補強鉄筋の設計降伏強度で,400N/mm2 以下とする。ただし,コンクリート
設計基準強度 f 'ck が 60N/mm2 以上の時は,800N/mm2 以下とすることができる。
pw
:せん断補強鉄筋降伏時におけるせん断補強用緊張材の引張応力であって,次式で
求めた値
pw
wpe
wpe
f wyd ≦ f pyd
:せん断補強用緊張材の有効引張応力
f pyd :せん断補強用緊張材の設計降伏強度
s
:せん断補強鉄筋が部材軸となす角度
p
:せん断補強用緊張材が部材軸となす角度
−283−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
Ss
:せん断補強鉄筋の配置間隔
Sp
:せん断補強用緊張材の配置間隔
Z
:圧縮応力の合力の作用位置から引張鋼材図心までの距離で,一般に d /1.15 として
よい。
:1.1 とする
b
V ped :軸方向緊張材の有効引張力のせん断力に平行な成分であって,次式で求めた値
V ped
Ped
sin
p
b
ここに,
Ped :軸方向緊張材の有効引張力
p
:軸方向緊張材が部材軸となす角度
また、円周方向の鉄筋によるせん断強度の増加を考慮する場合は、土木学会「コンクリート標
:1.1 とする。
b
準示方書」(2012)[設計編:標準]1 編 7.2.2
また,円周方向の鉄筋によるせん断強度の増加を考慮する場合は,土木学会「コンクリート
標準示方書」(2002)の「12 章 部材の設計」の「12.5.6.2 作用断面力に対する検討」に基づ
面内せん断力に対する評価を行う場合,次の方法にて設計断面力及び設計断面耐力を求める
ことができる。
直交二方向に配筋された面部材が面内力を受ける場合,設計断面力として次式により各鉄筋
方向の引張力 Txd ,Tyd 及びコンクリートに作用する斜め圧縮力 C'd を求めることができる。
Txd
N1 cos 2
N 2 sin 2
N1
N 2 sin cos
Tyd
N1 sin 2
N 2 cos 2
N1
N 2 sin cos
C 'd
2 N1
ることができる。
*8 面内せん断力に対する評価の際の、設計断面力及び設計断面耐力の算定は土木学会「コンクリ
ート標準示方書」(2012)[設計編:標準]3 編 2.4.3.4 面内力を受ける面部材の設計耐力によるこ
き設計せん断耐力を求めることができる。
*6
断面力に対する検討に基づき設計せん断力を求め
N 2 sin cos
ここに,
Txd ,Tyd :x方向鉄筋及びy方向鉄筋に作用する部材単位幅当りの設計引張力
:主面内力 N1 とx方向鉄筋のなす角度, ≦45°
−284−
と。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
Cd :コンクリートに作用する単位幅当りの設計斜め圧縮力
N1 , N 2 :主面内力, N1 ≧ N 2 で, N1 は引張とする
設計断面力に対して評価を行う場合,鉄筋の設計降伏耐力 Txyd と Tyyd 及びコンクリートの設
計圧縮破壊耐力 C'ud は,次式により求めることができる。
鉄筋の設計降伏耐力
Txyd
p・
x f yd・b・t /
b
Tyyd
p・
y f yd・b・t /
b
ここに, p x 及び p y
: x 方向及び y 方向の鉄筋比( As / bt )
f yd
:鉄筋の引張に対する設計強度
b
:部材幅で,一般には単位幅とする。
t
:部材厚
:1.1 とする。
b
コンクリートの設計圧縮破壊耐力
C 'ud
f 'ucd・b・t /
b
ここに,
f 'ucd :設計圧縮破壊強度で,次式により求めることができる
f 'ucd
b
2.8
f' cd
(N/mm2) ただし
f 'ucd
≦17(N/mm2)
:1.3 とする。
*9 引張鋼材として鉄筋を用いる場合には、実引張降伏強度として材料規格値の 1.2 倍程度の値を
用いることができる。
*7 引張鋼材として鉄筋を用いる場合には,実引張降伏強度として材料規格値の 1.2 倍程度の値を
用いることができる。
*8
*10 フーチング、地中ばり等の部材の応答塑性率の制限値は、基礎の降伏支持力と変形性能及び
地震後の残存支持力を勘案して適切に定めること。
フーチング,地中ばり等部材の応答塑性率の制限値は,詳細な検討によらない場合,日本ガス
協会 JGA 指-101-01「製造設備等耐震設計指針」に基づき 1.5 としてよい。
−285−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8.1.5.7
8.1.5.7
(5) 構造細目
(a) 鉄筋の継手
鉄筋の継手は、以下に規定するところを除き、土木学会「コンクリート標準示方書」
(5) 構造細目
(2012)[設計編:標準]7編2.6 鉄筋の継手によること。
(a) 鉄筋の継手
(ⅰ) 鉄筋の継手は,鉄筋の種類,直径,応力状態,継手位置等に応じて適切なものを
用いること。*1
(ⅱ) 鉄筋の継手位置は,可能な限り応力の大きい断面を避けること。
(ⅲ) 継手は原則として同一断面に集めないこと。継手を同一断面に集めないため,継
手位置を軸方向に相互にずらす距離は,継手の長さに鉄筋直径の 25倍を加えた長さ
以上を標準とする。*2
(ⅳ) 継手部と隣接する鉄筋とのあき又は継手部相互のあきは,粗骨材の最大寸法以上
(ⅰ) 継手部のかぶりは8.1.5.7.(5)(d)の規定を満足すること。
とする。
(ⅴ) 継手部のかぶりは(d)の規定を満足すること。
(ⅵ) 鉄筋を配置した後に継手を施工する場合には,継手施工用の機器等が挿入できる
(ⅱ) 軸方向鉄筋には、塑性ヒンジ領域で交番応力を受けても十分な継手性能を有する
あきを確保すること。
ものを用いること。
(ⅶ) 軸方向鉄筋には,塑性ヒンジ領域で交番応力を受けても十分な継手性能を有する
(ⅲ) 重ね継手は、交番応力を受ける塑性ヒンジ領域では、原則として用いてはならな
ものを用いること。
い。
(ⅷ) 重ね継手は,交番応力を受ける塑性ヒンジ領域では,原則として用いてはならな
(ⅳ) 重ね継手以外の継手を用いる場合には、以下の項目について、所定の継手性能を
満足すること。*1
い。
(ⅸ) 重ね継手以外の継手を用いる場合には,以下の項目について,所定の継手性能を
・静的耐力
満足すること。*3
・高応力繰返し耐力
・施工等に起因する信頼度
・静的耐力
(ⅴ) 軸方向鉄筋に重ね継手を用いる場合は次の規定に従うこと。
・高応力繰返し耐力
・施工等に起因する信頼度
(イ)
配置する鉄筋量が計算上必要な鉄筋量の2倍以上、かつ同一断面での継手の割
合が 1/2以下の場合は重ね継手の重ね合わせ長さは基本定着長 ld 以上とするこ
(ⅹ) 軸方向鉄筋に重ね継手を用いる場合は次の規定に従わなければならない。
(イ)
配置する鉄筋量が計算上必要な鉄筋量の2倍以上,かつ同一断面での継手の割
と。
合が 1/2以下の場合は重ね継手の重ね合わせ長さは基本定着長 ld 以上としなけれ
(ロ)
ばならない。
(イ)の条件のうち一方が満足されない場合には、重ね合わせ長さは基本定着長 ld
(ロ)
の 1.3倍以上とし、継手部を横方向鉄筋等で補強すること。
(イ)の条件のうち一方が満足されない場合には,重ね合わせ長さは基本定着長 ld
(ハ)
の 1.3倍以上とし,継手部を横方向鉄筋等で補強しなければならない。
(ハ)
(イ)の条件のうち両方が満足されない場合には、重ね合わせ長さは基本定着長 ld
の 1.7倍以上とし、継手部を横方向鉄筋等で補強すること。
(イ)の条件のうち両方が満足されない場合には,重ね合わせ長さは基本定着長 ld
(ニ) 重ね継手の重ね合わせ長さは、鉄筋直径の 20倍以上とすること。
の 1.7倍以上とし,継手部を横方向鉄筋等で補強しなければならない。
(vi) 引張鉄筋に溶接継手、スリーブ継手及びねじ継手等を用いる場合は、継手の使用
(ニ) 重ね継手の重ね合わせ長さは,鉄筋直径の 20倍以上とする。
される部分の温度でその強度が低下しないことを確かめること。
(ⅹⅰ) 引張鉄筋に溶接継手,スリーブ継手及びねじ継手等を用いる場合は,継手の使用
(vii) スターラップに重ね継手を原則として用いないこと。大断面の部材等でやむを得
−286−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
ない場合は、重ね合わせ長さを基本定着長 ld の2倍以上、若しくは基本定着長 ld を
される部分の温度でその強度が低下しないことを確かめること。
(ⅹⅱ) スターラップの重ね継手は,重ね合わせ長さを基本定着長 ld の2倍以上,若しく
とり端部に直角フック又は鋭角フックを設ける。重ね継手の位置は圧縮領域又は
は基本定着長 ld をとり端部に直角フック又は鋭角フックを設ける。重ね継手の位置
その近くにすること。
は圧縮領域又はその近くにしなければならない。
(b) 鉄筋の定着
(ⅰ) 鉄筋の端部は、コンクリート中に十分埋込んで、鉄筋とコンクリートの付着力に
よって定着するか、フックをつけて定着するか、又は機械的に定着すること。
(b) 鉄筋の定着
ただし、鉄筋とコンクリートの付着力による定着、フックによる定着以外の定着方
(ⅰ) 鉄筋の端部は,コンクリート中に十分埋込んで,鉄筋とコンクリートの付着力に
法を用いる場合には、以下の項目について所定の定着性能を満足すること。*2
よって定着するか,フックをつけて定着するか,又は機械的に定着すること。
ただし,これと異なる定着方法を用いる場合には,以下の項目について所定の定着
・静的耐力
性能を満足すること。*4
・高応力繰返し耐力
・施工等に起因する信頼度
(イ) 静的耐力
(ⅱ) 引張鉄筋は、引張応力を受けないコンクリートに定着することを原則とする。た
(ロ) 高応力繰返し耐力
だし、次の(イ)あるいは(ロ)のいずれかを満足する場合には、引張応力を受けるコン
(ハ) 施工等に起因する信頼度
クリートに定着してもよい。この場合の引張鉄筋の定着部は、計算上不要となる断
(ⅱ) 引張鉄筋は,引張応力を受けないコンクリートに定着することを原則とする。た
だし,次の(イ)あるいは(ロ)のいずれかを満足する場合には,引張応力を受けるコン
面から( ld
クリートに定着してもよい。この場合の引張鉄筋の定着部は,計算上不要となる断
断面の有効高さとしてもよい。
面から( ld
ls )だけ余分に延ばすこと。ここに, ld は基本定着長, ls は一般に部材
(イ)
鉄筋切断点から計算上不要となる断面までの区間では、設計せん断耐力が設計
せん断力の 1.5倍以上あること。
断面の有効高さとすることができる。
(イ)
鉄筋切断点から計算上不要となる断面までの区間では,設計せん断耐力が設計
(ロ)
鉄筋切断点から連続鉄筋による設計曲げ耐力が、設計曲げモーメントの2倍以
せん断力の 1.5倍以上あること。
(ロ)
ls )だけ余分に延ばすこと。ここに、 ld は基本定着長、 ls は一般に部材
上あり、かつ切断点から計算上不要となる断面までの区間で、設計せん断耐力が
鉄筋切断点から連続鉄筋による設計曲げ耐力が,設計曲げモーメントの2倍以
設計せん断力の 4/3倍以上あること。
上あり,かつ切断点から計算上不要となる断面までの区間で,設計せん断耐力が
(ⅲ) 面内厚さ方向に配筋される鉄筋は、最外縁の正負の軸方向鉄筋を確実に結束する
設計せん断力の 4/3倍以上あること。
ように定着すること。
(ⅲ) 面内厚さ方向に配筋される鉄筋は,最外縁の正負の軸方向鉄筋を確実に結束する
(ⅳ) 鉄筋の定着長は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)[ 設計編:標準]7
ように定着すること。
編
2.5.3 鉄筋の定着長によること。
(ⅳ) 鉄筋の定着長 l0 は,基本定着長 ld 以上とすること。
ただし、鉄筋の基本定着長 ld は少なくとも 20 以上とするのがよい。ここに、
配置される鉄筋量 As が計算上必要な鉄筋量 Asc よりも大きい場合,次式によっ
は鉄筋直径である。鉄筋の定着長 l0 は、基本定着長 ld 以上とすること。
て定着長 l0 を低減することができる。
l0 ≧ l d
Asc As
ただし, l0 ≧ ld 3 , l0 ≧ 10
ここに, :鉄筋直径(mm)
(ⅴ) 定着部の曲がった鉄筋の定着長のとり方は以下のとおりとすること。
(イ) 曲げ内半径が鉄筋直径の 10倍以上の場合は,折り曲げた部分も含み,鉄筋の全
長を有効とする。
−287−
現行 LPG貯槽指針
(ロ)
LPG貯槽指針 改訂案
曲げ内半径が鉄筋直径の 10倍未満の場合は,折り曲げてから鉄筋直径の 10倍
以上まっすぐに延ばしたときに限り,その直線部分だけを有効とする。
(ⅵ) 引張鉄筋の基本定着長 ld は次式により求めることができる。ただし,20 以上と
する。
ld
f yd
4 f bod
ここに,
:主鉄筋の直径(mm)
f yd :鉄筋の引張降伏強度の設計値(N/mm2)
f bod :コンクリートの設計付着強度で,次式により求めることができる。
f bod
f bok
c
c
ただし, f bod ≦ 3.2 (N/mm2)
:コンクリートの材料係数
α=1.0( kc ≦1.0 の場合)
=0.9(1.0< kc ≦1.5 の場合)
=0.8(1.5< kc ≦2.0 の場合)
=0.7(2.0< kc ≦2.5 の場合)
=0.6(2.5< kc の場合)
ここに, k c
c
15 At
s
c :主鉄筋の下側かぶりの値と定着する鉄筋のあきの半分の値の
うちの小さい方(mm)
At :仮定される割裂破壊断面に垂直な横方向鉄筋の断面積(mm2)
s :横方向鉄筋の中心間隔(mm)
(ⅶ) 定着を行う鉄筋が,コンクリートの打込の際に,打込み終了面から 300mmの深さ
より上方の位置で,かつ水平面から 45°以内の角度で配置されている場合には,基
−288−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
本定着長は(ⅵ)により求める ld の 1.3倍とすること。
(ⅷ) 圧縮鉄筋の基本定着長は(ⅵ),(ⅶ)で求まる ld の 0.8倍とすることができる。
(ⅸ) 引張鉄筋に標準フックを設けた場合には,基本定着長 ld より 10 だけ減じること
ができる。ただし,鉄筋の基本定着長 ld は少なくとも 20 以上とすることが望まし
(c) 鉄筋のあき
い。
(ⅰ) 水平に配置された軸方向のあきは、20mm以上、粗骨材の最大寸法の 4/3倍以上、
鉄筋直径以上とすること。また、コンクリートの締固めに用いる内部振動機を挿入
(c) 鉄筋のあき
するために、水平あきを適切に確保すること。
(ⅰ) 水平に配置された軸方向のあきは,20mm以上,粗骨材の最大寸法の 4/3倍以上,
(ⅱ) 鉛直に配置される軸方向鉄筋のあきは、40mm以上、粗骨材の最大寸法の 4/3倍以
鉄筋直径以上とすること。また,コンクリートの締固めに用いる内部振動機を挿入
上、鉄筋直径の 1.5倍以上とすること。
するために,水平あきを適切に確保すること。
(d) 鉄筋のかぶり
(ⅱ) 鉛直に配置される軸方向鉄筋のあきは,40mm以上,粗骨材の最大寸法の 4/3倍以
(ⅰ) かぶりは、付着強度を確保するとともに部材に要求される耐久性、施工誤差等を
上,鉄筋直径の 1.5倍以上とすること。
考慮して定めること。
(d) 鉄筋のかぶり
(ⅱ) かぶりの最小値は、次式による値とする。ただし、鉄筋直径以上とすること。
(ⅰ) かぶりは,付着強度を確保するとともに部材に要求される耐久性,施工誤差等を
Cmin
考慮して定めること。
(ⅱ) かぶりの最小値は,次式によること。ただし,鉄筋直径以上とすること。
Cmin
C0
ここに、
C0
Cmin :最小かぶり
:コンクリートの設計基準強度 f 'ck に応じ,
ここに,
21 N/mm2≦ f 'ck <34 N/mm2
Cmin :最小かぶり
2
34 N/mm ≦ f 'ck
:コンクリートの設計基準強度 f 'ck に応じ,
21 N/mm2≦ f 'ck <34 N/mm2
2
34 N/mm ≦ f 'ck
=1.0
=0.8
=1.0
C0 :基本かぶりは原則として表8.1−8の値とすること。ただし,プ
=0.8
レキャスト部材の場合、表の値を 20%まで減じることができる。
C0 :基本かぶりは原則として表8.1−15 の値とすること。ただし,プ
レキャスト部材の場合,表の値を 20%まで減じることができる。
表8.1−8 基本かぶり
環境条件
表8.1−15 基本かぶり
環境条件
C0 (mm)
一般の環境
30
腐食性環境
50
特に厳しい腐食性環境
60
C0 (mm)
一般の環境
30
腐食性環境
50
特に厳しい腐食性環境
60
(ⅲ) 防錆効果の確認された特殊鉄筋を用いる場合、及び品質の確認された保護層を設
ける場合には、環境条件を一般の環境と考えて、かぶりを定めることができる。
(ⅳ) 防錆効果の確認された特殊鉄筋を用いる場合,及び品質の確認された保護層を設
(ⅳ) コンクリートが地中で直接打込まれる場合のかぶりは、75mm以上とすることが望
ける場合には,環境条件を一般の環境と考えて,かぶりを定めることができる。
ましい。
−289−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(ⅴ) コンクリートが地中で直接打込まれる場合のかぶりは,75mm以上とすることが望
(ⅴ) 水中で施工する鉄筋コンクリートで、水中不分離性コンクリートを用いない場合
ましい。
のかぶりは、100mm以上とすることが望ましい。
(ⅵ) 水中で施工する鉄筋コンクリートで,水中不分離性コンクリートを用いない場合
(e) 最小鉄筋量
フーチング、地中ばり等には、鉄筋比 0.2%以上の鉄筋を配置すること。*3
のかぶりは,100mm以上とすることが望ましい。
(e) 最小鉄筋量
フーチング,地中ばり等には,鉄筋比 0.2%以上の鉄筋を配置すること。*5
【関連条項】
省令
第 15 条(構造等)第三項
解釈例
第 38 条(液化ガス用貯槽)
解釈例別添 第 23 条(液化ガス用貯槽)
【解 説】
【解 説】
*1 鉄筋継手には,重ね継手(スパイラル補強及び鋼環くさび補強を含む),溶接継手(ガス圧接
及びアーク溶接等)
,スリーブ継手(スリーブ圧着及びスリーブとグラウト)及びねじ継手(直
ねじ及びねじ鉄筋)がある。これらの力学特性及び施工性はそれぞれ異なるので,鉄筋の材質,
施工方法,継手に加わる応力状態及び使用温度状態に応じて適切なものを用いること。
*2
継手を同一断面に集中した場合,部材強度の低下又はコンクリートの充填性の低下が考えら
れるため,原則として継手は相互にずらして設けることとした。ただし,継手が同一断面に集
*1 継手性能の評価は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)による。
中する場合は,8.1.5.7(5)(a)(ⅸ)に示した項目について所定の継手性能を満足すること。
*2 定着性能の評価は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)による。
*3 曲げモーメントの影響が支配的な場合には、部材の引張側に鉄筋比 0.2%以上の鉄筋を配置す
*3 継手性能の評価は,土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)による。
ること。
*4 定着性能の評価は,土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)による。
*5 曲げモーメントの影響が支配的な場合には,部材の引張側に鉄筋比 0.2%以上の鉄筋を配置す
8.1.6 施
ること。
8.1.6.1 一
工
8.1.6 施
般
8.1.6.1 一
工
般
基礎の施工者は、施工計画書*1を作成し、使用者に提出して確認を受け、これを遵守し
なければならない。
基礎の施工者は,施工計画書*1を作成し,使用者に提出して確認を受け,これを遵守し
なければならない。
【解 説】
*1 施工計画書に具体的に記載すべき項目の例を以下に示す。
(1) 工事概要
【解 説】
(2) 実施工程表
*1 施工計画書に具体的に記載すべき項目の例を以下に示す。
(1) 工事概要
(3) 現場組織表
(2) 実施工程表
(4) 主要機械
(3) 現場組織表
(5) 主要資材
(4) 主要機械
(6) 施工方法
(5) 主要資材
(7) 施工管理
−290−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(6) 施工方法
(8) 緊急時の体制
(7) 施工管理
(9) 交通管理
(8) 緊急時の体制
(10) 安全管理
(9) 交通管理
(11) 仮設計画
(10) 安全管理
施工方法の詳細については、日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5鉄筋コンクリー
(11) 仮設計画
ト工事」に示されている。
施工方法の詳細については,日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5鉄筋コンクリ
ート工事」に示されている。
8.1.6.2 杭基礎の施工
8.1.6.2 くい基礎の施工
(1) 適用する工法
杭基礎の施工は、地盤条件や環境条件を考慮し、適切な工法によること。
(1) 適用する工法
(2) 試験杭
杭の施工に際しては、原則としてあらかじめ試験杭の施工を行うこと。
くい基礎の施工は,地盤条件や環境条件を考慮し,適切な工法によること。
(2) 試験くい
ただし、施工地点における杭の施工性が十分把握されている場合は試験杭の施工を省
くいの施工に際しては,原則としてあらかじめ試験くいの施工を行うこと。
略することができる。
(3) 施工*1
ただし,施工地点におけるくいの施工性が十分把握されている場合は試験くいの施工
を省略することができる。
(3) 施工
杭の施工に際しては、試験杭等により決められた工法に従い、所定の深さまで施工す
*1
ること。
くいの施工に際しては,試験くい等により決められた工法に従い,所定の深さまで施
工すること。
【解 説】
*1 既製杭の場合は、運搬、建込み及び打込み時における杭体の強度に対する検討を行うこと。
【解 説】
*1
既製くいの場合は,運搬,建込み及び打込み時におけるくい体の強度に対する検討を行うこ
と。
8.1.6.3 直接基礎の施工
8.1.6.3 直接基礎の施工
直接基礎の施工に際しては、平板載荷試験等により地盤の支持力を確認すること。
直接基礎の施工に際しては,平板載荷試験等により地盤の支持力を確認すること。
8.1.6.4 フーチン、地中ばり等の施工*1
8.1.6.4 フーチン、地中ばり等の施工*1
(1) コンクリート
(a) 配合
コンクリートの配合*2は、所要の強度、耐久性*3、ひび割れ抵抗性、鋼材を保護す
(1) コンクリート
(a) 配合
コンクリートの配合
る性能及び作業に適するワーカビリティーを持つ範囲内で、単位水量をできるだけ少
*2
は,所要の強度,耐久性,ひび割れ抵抗性,鋼材を保護する
なくするように定めること。
性能及び作業に適するワーカビリティーを持つ範囲内で,単位水量をできるだけ少な
(b) レディーミクストコンクリート
くするように定めること。
レディーミクストコンクリートを用いる場合は、原則としてJIS A 5308(2003)「レ
ディーミクストコンクリート」によるものを用いること。*4
(b) レディーミクストコンクリート
−291−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(c) 打設
レディーミクストコンクリートを用いる場合は,原則としてJIS A 5308(2003)「レ
コンクリートの打込み*5、締固め*6及び打継目処理*7は、所要の均等質なコン
ディーミクストコンクリート」に適合するものを用いること。
(c) 打設
コンクリートの打込み
クリートが得られるよう行うこと。
*3
,締固め
*4
*5
及び打継目処理
(d) 養生
は,所要の均等質なコン
コンクリートは、有害な影響を受けないように、打設後の一定期間硬化に必要な温
クリートが得られるよう行うこと。
度、湿度に保ち、養生すること。*8
(d) 養生
コンクリートは,有害な影響を受けないように,打設後の一定期間硬化に必要な温
度,湿度に保ち,養生すること。
(e) 継目
*6
打継目は構造物の強度、耐久性及び外観を害さないように、位置と方向を定め、適
切な処理と施工を行うこと。
(e) 継目
(2) 鉄筋
打継目は構造物の強度,耐久性及び外観を害さないように,位置と方向を定め,適
鉄筋は、設計で定められた正しい寸法及び形状を保つように、材質を害さない適切な
切な処理と施工を行うこと。
方法で加工し、所定の位置に正確に、堅固に組立てること。
(2) 鉄筋
(3) 型枠及び支保工
鉄筋は,設計で定められた正しい寸法及び形状を保つように,材質を害さない適切な
型枠及び支保工は、所定の強度及び剛性を有するとともに、フーチング、地中ばり等
方法で加工し,所定の位置に正確に,堅固に組立てること。
の形状及び寸法が正確に確保され、所要の性能を有するコンクリートが得られるように、
(3) 型枠及び支保工
これを設計、施工すること。
型枠及び支保工は,所定の強度及び剛性を有するとともに,フーチング,地中ばり等
の形状及び寸法が正確に確保され,所要の性能を有するコンクリートが得られるように,
これを設計,施工すること。
【解 説】
*1
ばならない。なお、コンクリートの中性化、塩化物イオンの侵入、凍結融解作用、アルカリ骨材
【解 説】
*1
フーチング,地中ばり等が,所要の性能を設計耐用期間にわたり保持することを確認しなけ
反応等によるフーチング、地中ばり等の劣化に関する評価及び施工段階におけるひび割れ評価は、
土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)によること。
ればならない。なお,コンクリートの中性化,塩化物イオンの侵入,凍結融解作用,アルカリ
骨材反応等によるフーチング,地中ばり等の劣化に関する評価及び施工段階におけるひび割れ
*2
コンクリートの配合強度は、設計基準強度及び現場におけるコンクリートの品質のばらつきを
考慮して定めること。
評価は,土木学会「コンクリート標準示方書」(2002)によること。
*2
フーチング、地中ばり等が,所要の性能を設計耐用期間にわたり保持することを確認しなけれ
コンクリートの配合強度は,設計基準強度及び現場におけるコンクリートの品質のばらつき
(1) 配合強度
コンクリートの配合強度は、設計基準強度及び現場におけるコンクリートの品質のばらつき
を考慮して定めること。
を考えて定めること。コンクリートの配合強度 f cr は、一般の場合,コンクリートの圧縮強度
(1) 配合強度
コンクリートの配合強度は,設計基準強度及び現場におけるコンクリートの品質のばらつ
きを考えて定めること。コンクリートの配合強度 f cr は,一般の場合,コンクリートの圧縮強
度の試験値が,設計基準強度 f ck を下回る確率が5%以下になるように定める。
の試験値が、設計基準強度 f ck を下回る確率が5%以下になるように定める。
(2) 水セメント比
水セメント比は 55%以下を標準とし、コンクリートに要求される強度、耐久性、ひび割れ抵
抗性及び鋼材を保護する性能を考え、これから定まる水セメント比のうちで最小の値を選ぶこ
(2) 水セメント比
水セメント比は 55%以下を標準とし,コンクリートに要求される強度,耐久性,ひび割れ
抵抗性及び鋼材を保護する性能を考え,これから定まる水セメント比のうちで最小の値を選
ぶこと。
と。
(3) 単位水量
単位水量は作業ができる範囲内で、できるだけ少なくなるように試験によってこれを定める
(3) 単位水量
こと。
単位水量は作業ができる範囲内で,できるだけ少なくなるように試験によってこれを定め
ること。
(4) 単位セメント量
単位セメント量は、原則として単位水量と水セメント比から定めること。単位セメント量に
(4) 単位セメント量
下限あるいは上限が定められている場合には、これらの規定を満足させること。
単位セメント量は,原則として単位水量と水セメント比から定めること。単位セメント量
−292−
(5) スランプ
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
コンクリートのスランプは、運搬、打込み、締固め等の作業に適する範囲内でできるだけ小
に下限あるいは上限が定められている場合には,これらの規定を満足させること。
さくなるように定めること。高流動コンクリート等のスランプフローによる管理を行う場合
(5) スランプ
は、所定のコンクリートの品質が得られるようにスランプを定めること。
コンクリートのスランプは,運搬,打込み,締固め等の作業に適する範囲内でできるだけ
(6) 粗骨材の最大寸法
小さくなるように定めること。高流動コンクリート等のスランプフローによる管理を行う場
粗骨材の最大寸法は、部材最小寸法の 1/5、鉄筋の最小あきの 3/4 及びかぶりの 3/4 を超え
合は,所定のコンクリートの品質が得られるようにスランプを定めること。
ないこと。
(6) 粗骨材の最大寸法
(7) 細骨材率
粗骨材の最大寸法は,部材最小寸法の 1/5,鉄筋の最小あきの 3/4 及びかぶりの 3/4 を超え
細骨材率は、所要のワーカビリティーが得られる範囲で単位水量が最小になるように試験に
ないこと。
(7) 細骨材率
よって定めること。
細骨材率は,所要のワーカビリティーが得られる範囲で単位水量が最小になるように試験
(8) AEコンクリートの空気量
によって定めること。
AEコンクリートの空気量は、原則として粗骨材の最大寸法、その他に応じてコンクリート
(8) AEコンクリートの空気量
容積の4∼7%とすること。
AEコンクリートの空気量は,原則として粗骨材の最大寸法,その他に応じてコンクリー
(9) 混和材料の単位量
ト容積の4∼7%とすること。
混和材料の単位量は、所定の効果が得られるように定めること。
(9) 混和材料の単位量
(10) その他
混和材料の単位量は,所定の効果が得られるように定めること。
コンクリートの配合の決定に際しては、セメントの水和に起因するひび割れについて、貯
槽の運転状態における環境条件を考慮した上で、発生するひび割れが耐久性に与える影響を
評価し、検討すること。この場合、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)により行う
ことができる。
*3 環境条件に応じて躯体コンクリートとして要求される耐久性能を設定すること。コンクリート
の耐久性能に影響を与える因子としては、鋼材腐食を引き起こす中性化及び塩化物イオンの侵
入、コンクリートの耐久性に悪影響を及ぼす凍結融解作用、化学的侵食及びアルカリ骨材反応が
ある。
*4 JIS A 5308(2009)「レディーミクストコンクリート」によらないコンクリートを使用する場合
は、土木学会「コンクリート標準示方書」(2012)や土木学会のコンクリートに関する指針等に
よること。
*5 コンクリートの打込み時に材料の分離、型枠の移動及び鉄筋の配置の乱れが生じないよう注意
すること。
*3
コンクリートの打込み時に材料の分離,型枠の移動及び鉄筋の配置の乱れが生じないよう注
*6 コンクリートの締固めを行う場合は、原則として内部振動機を用い、使用する振動機は、工事
意すること。
*4
に適したものであること。また、コンクリートは、打込み後速やかに十分締固め、コンクリート
コンクリートの締固めを行う場合は,原則として内部振動機を用い,使用する振動機は,工
が鉄筋の周囲及び型枠のすみずみに充填できるようにすること。
事に適したものであること。また,コンクリートは,打込み後速やかに十分締固め,コンクリ
*7 打継目処理は、新旧コンクリートが十分密着するよう入念に行うこと。
ートが鉄筋の周囲及び型枠のすみずみに充填できるようにすること。
*8 湿潤養生を行う場合、表面を荒らさないで作業ができる程度硬化したら、コンクリートの露出
*5 打継目処理は,新旧コンクリートが十分密着するよう入念に行うこと。
面は養生用マット、布等を濡らしたもので、これを覆うか又は散水、湛水を行い、湿潤状態に保
*6
つこと。
湿潤養生を行う場合,表面を荒らさないで作業ができる程度硬化したら,コンクリートの露
出面は養生用マット,布等を濡らしたもので,これを覆うか又は散水,湛水を行い,湿潤状態
に保つこと。
−293−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8.1.7 試験及び検査
8.1.7.1 一
般*1
8. 1.7 試験及び検査
8. 1. 7. 1 一
般*1
(1)
基礎の施工者は、試験・検査要領書を本指針の規定に従い作成し、使用者に提出して
確認を受けなければならない。
(1)
基礎の施工者は,試験・検査要領書を本指針の規定に従い作成し,使用者に提出して
(2) 基礎の施工者は、(1)に定めた試験・検査要領書に従て、試験及び検査を行い、成績書
確認を受けなければならない。
を作成して使用者に提出しなければならない。
(2) 基礎の施工者は,(1)に定めた試験・検要領に従て,試験及び検査を行い,成績書を作
成して使用者に提出しなければならない。
【解 説】
*1 階段の基礎等であって、小規模のものに係る試験及び検査は、省略することができる。
【解 説】
8.1.7.2 杭の試験及び検査
*1 階段の基礎等であって,小規模のものに係る試験及び検査は,省略することができる。
8. 1.7. 2 くいの試験及び検査
(1) 鋼管杭
鋼管杭は、ミルシートによってその品質を確認すること。
(1) 鋼管ぐい
(2) 鋼管杭以外の杭
鋼管ぐいは,ミルシートによってその品質を確認すること。
鋼管杭以外の杭は、製品成績書によってその品質を確認すること。
(3) 杭打ち工事の試験及び検査*1
(2) 鋼管ぐい以外のくい
鋼管ぐい以外のくいは,製品成績書によってその品質を確認すること。
(3) くい打ち工事の試験及び検査
(a) 杭の継手の溶接検査
*1
(b) 打込み杭の打止め検査
(a) くいの継手の溶接検査
(c) 埋込み杭、及び場所打ち杭の掘削時の支持地盤の確認
(b) 打込みぐいの打止め検査
(d) 杭の施工精度検査
(c) 埋込みぐい,及び場所打ちぐいの掘削時の支持地盤の確認
(e) 場所打ち杭におけるスライム(掘削孔底部の沈澱物)の除去の確認
(d) くいの施工精度検査
(e) 場所打ちぐいにおけるスライム(掘削孔底部の沈澱物)の除去の確認
【解 説】
*1 杭打ち工事の試験及び検査は、以下による。
【解 説】
(1) 杭継手の溶接検査
(a)
*1 くい打ち工事の試験及び検査は,以下による。
を満足することを確認する。
(1) くい継手の溶接検査
(a)
溶接前に開先検査を行い、開先の目違い、ルート間隔が図面又は試験・検査要領書の規定
溶接前に開先検査を行い,開先の目違い,ルート間隔が図面又は試験・検査要領書の規
定を満足することを確認する。
(b) 溶接後に外観検査を行い、有害な割れ、アンダカット等の無いことを確認する。
(2) 打込み杭の打止め検査
(b) 溶接後に外観検査を行い,有害な割れ,アンダカット等の無いことを確認する。
(a) 最低 1 本以上は他の杭の施工前に試験杭として打設し、支持地盤の確認を行う。
(2) 打込みぐいの打止め検査
(b) 打込みを行う杭は、打撃回数、打止め時の貫入量及びリバウンド量を測定する。
(a) 最低 1 本以上は他のくいの施工前に試験ぐいとして打設し,支持地盤の確認を行う。
(c)
杭打止め時の貫入量及びハンマーの打撃エネルギーから杭支持地盤の支持力を計算し、設
(b) 打込みを行うくいは,打撃回数,打止め時の貫入量及びリバウンド量を測定する。
計に用いた許容支持力以上であることを確認し、打込み深さも考慮し、所定の支持地盤まで
(c)
打ち込まれていることを確認する。
くい打止め時の貫入量及びハンマーの打撃エネルギーからくい支持地盤の支持力を計算
し,設計に用いた許容支持力以上であることを確認し,打込み深さも考慮し,所定の支持
地盤まで打ち込まれていることを確認する。
(d) 杭材の破損防止の観点から打撃回数は制限打撃回数以下とする。なお、制限打撃回数の
目安は、JIS A 7201(2009)「遠心力コンクリート杭の施工標準」の解説に示されている。
−294−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(d) くい材の破損防止の観点から打撃回数は制限打撃回数以下とする。なお,制限打撃回数の
(3) 埋込み杭、及び場所打ち杭の掘削時の支持地盤の確認
目安は,JIS A 7201(1999)「遠心力コンクリートくいの施工標準」の解説に示されている。
掘削深さ、掘削機のトルク、排出された土砂の性状等により、支持地盤まで掘削されたこと
を確認する。
(3) 埋込みぐい,及び場所打ちぐいの掘削時の支持地盤の確認
(4) 杭の施工精度検査
掘削深さ,掘削機のトルク,排出された土砂の性状等により,支持地盤まで掘削されたこ
杭の位置の設計位置に対する水平方向のずれが 100mm 以内であることを確認する。
とを確認する。
(4) くいの施工精度検査
(5) 場所打ち杭におけるスライムの除去の確認
くいの位置の設計位置に対する水平方向のずれが 100mm 以内であることを確認する。
コンクリートの打込みに先立ち、施工計画書の方法により実施したスライムの除去が有効
になされ、杭に対して有害なスライムの無いことを確認する。
(5) 場所打ちぐいにおけるスライムの除去の確認
コンクリートの打込みに先立ち,施工計画書の方法により実施したスライムの除去が有効
になされ,くいに対して有害なスライムの無いことを確認する。
8.1.7.3 直接基礎の地業工事の試験及び検査*1
8.1.7.3 直接基礎の地業工事の試験及び検査*1
(1) 支持地盤の確認
(2) 転圧状況の検査
(1) 支持地盤の確認
(2) 転圧状況の検査
【解 説】
*1 直接基礎の地業工事の試験及び検査は、以下による。
(1) 支持地盤の確認
【解 説】
表層土を排除し、地層の性状及び必要に応じ平板載荷試験により支持地盤の確認を行う。
*1 直接基礎の地業工事の試験及び検査は,以下による。
(2) 転圧状況の確認
(1) 支持地盤の確認
転圧状況の外観検査を行い、浮石がないことを確認する。
表層土を排除し,地層の性状及び必要に応じ平板載荷試験により支持地盤の確認を行う。
転圧後の転圧面のレベルが設計値に対し±50mm であることを確認する。
(2) 転圧状況の確認
転圧状況の外観検査を行い,浮石がないことを確認する。
転圧後の転圧面のレベルが設計値に対し±50mm であることを確認する。
8.1.7.4 フーチング、地中ばり等の試験及び検査
8.1.7.4 フーチング,地中ばり等の試験及び検査
(1) コンクリート
コンクリートについて、次の試験を行い、品質を確認すること。試験の結果、不合格
と判定されたコンクリートは使用しないこと。*1*2
(1) コンクリート
コンクリートについて,次の試験を行い,品質を確認すること。試験の結果,不合格
(a) スランプ試験
と判定されたコンクリートは使用しないこと。*1*2
JIS A 1101(2005)「コンクリートのスランプ試験方法」によること。なお、スラン
(a) スランプ試験
プフローにより管理する場合は、JIS A 1150(2007)「コンクリートのスランプフロー
JIS A 1101(2005)「コンクリートのスランプ試験方法」によること。なお,スラン
試験方法」によること。
プフローにより管理する場合は,JSCE-F503(1999)「コンクリートのスランプフロー試
(b) 空気量試験
験方法」によること。
JIS A 1116(2005)「フレッシュコンクリートの単位容積重量試験方法及び空気量の
質量による試験方法(質量方法)」
、JIS A 1118(2011)「フレッシュコンクリートの空
(b) 空気量試験
JIS A 1116(2005)「フレッシュコンクリートの単位容積重量試験方法及び空気量の
気量の容積による試験方法(容積方法)
」又は JIS A 1128(2005)「フレッシュコンク
質量による試験方法(質量方法)」
,JIS A 1118(1997)「フレッシュコンクリートの空
リートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力方法)」のいずれかの方法によるこ
気量の容積による試験方法(容積方法)
」又は JIS A 1128(2005)「フレッシュコンク
と。
−295−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(c) コンクリートの圧縮強度試験
リートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力方法)」のいずれかの方法によるこ
JIS A 1108(2006)「コンクリートの圧縮強度試験方法」によること。
と。
(d) フレッシュコンクリートの塩化物含有量試験*3
(c) コンクリートの圧縮強度試験
JIS A 1108(1999)「コンクリートの圧縮強度試験方法」によること。
JIS A 1144(2010)「フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法」
(d) フレッシュコンクリートの塩化物含有量試験*3
によること。
(2) 鉄筋*4
(a) 受入検査
(2) 鉄筋
*4
鉄筋は、ミルシートによってその品質を確認すること。
(b) 加工検査
(a) 受入検査
鉄筋は、組立てる前にその加工状態を検査すること。
鉄筋は,ミルシートによってその品質を確認すること。
(c) 組立検査
(b) 加工検査
コンクリート打設前に、組立てられた鉄筋が配筋図に一致していることを確認す
鉄筋は,組立てる前にその加工状態を検査すること。
ること。
(c) 組立検査
(d) 継手検査
コンクリート打設前に,組立てられた鉄筋が配筋図に一致していることを確認す
継手に機械継手等を用いる場合には、その継手の強度を確認すること。
ること。
(3) 型枠及び支保工
(d) 継手検査
型枠及び支保工は、仕上り精度の確保及び安全の確保のために、コンクリートの打設
継手に機械継手等を用いる場合には,その継手の強度を確認すること。
(3) 型枠及び支保工
前及び打設中に、その状態を検査すること。
型枠及び支保工は,仕上り精度の確保及び安全の確保のために,コンクリートの打設
(4) 基礎ボルトの据付*5
前及び打設中に,その状態を検査すること。
(a) 据付位置の検査
*5
(4) 基礎ボルトの据付
(b) 固定の確認
(a) 据付位置の検査
(b) 固定の確認
【解 説】
*1 コンクリートの圧縮強度試験の結果が不合格と判定された場合は、構造物中のコンクリートに
ついて検査を行う必要がある。この検査の方法には、実施工環境と同様の条件を再現した試験、
【解 説】
コンクリートの圧縮強度試験の結果が不合格と判定された場合は,構造物中のコンクリート
構造物中のコンクリートの採取による試験、非破壊試験等があり、必要に応じてこれらの試験を
について検査を行う必要がある。この検査の方法には,実施工環境と同様の条件を再現した試
併用して、構造物の性能についての総合的な判断を行うこと。これらの試験の結果、構造物の性
験,構造物中のコンクリートの採取による試験,非破壊試験等があり,必要に応じてこれらの
能が要求される性能を満たさないと判断される場合には、不良コンクリートの取除きとその部分
試験を併用して,構造物の性能についての総合的な判断を行うこと。これらの試験の結果,構
の再施工、構造物の補強等の処置を講じること。
*1
造物の性能が要求される性能を満たさないと判断される場合には,不良コンクリートの取除き
*2
とその部分の再施工,構造物の補強等の処置を講じること。
*2
を測定し、設計上必要な強度のあることを確認する。なお、圧縮強さの測定結果は、材料メーカ
グラウトモルタルにあっては,JIS R 5201(1997)「セメントの物理試験方法」に準じ圧縮強
ーの品質保証書の値によることができる。なお、施工にあたっては、練り混ぜにおける水分や砂
さを測定し,設計上必要な強度のあることを確認する。なお,圧縮強さの測定結果は,材料メ
ーカーの品質保証書の値によることができる。なお,施工にあたっては,練り混ぜにおける水
等の配合割合が所定のものであることを検査する。
*3
フレッシュコンクリートの塩化物含有量試験は、信頼できる機関で評価を受けた試験方法及び
測定器で行うこと。塩化物イオン量の判定基準は、原則として 0.3kg/m3 以下とすること。
分や砂等の配合割合が所定のものであることを検査する。
*3
グラウトモルタルにあっては、JIS R 5201(1997)「セメントの物理試験方法」に準じ圧縮強さ
フレッシュコンクリートの塩化物含有量試験は,信頼できる機関で評価を受けた試験方法及
*4
3
び測定器で行うこと。塩化物イオン量の判定基準は,原則として 0.3kg/m 以下とすること。
鉄筋工事の試験及び検査は、原則として日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5鉄
筋コンクリート工事」(2003)による。
*4 鉄筋工事の試験及び検査は,原則として日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5鉄
*5 基礎ボルトの据付検査は、以下による。
−296−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
筋コンクリート工事」(2003)による。
(1) 据付位置の検査
*5 基礎ボルトの据付検査は,以下による。
基礎ボルトの次に掲げる据付位置及びレベルが図面又は試験・検査要領書に定められた許容
(1) 据付位置の検査
差内にあることを確認する。
基礎ボルトの次に掲げる据付位置及びレベルが図面又は試験・検査要領書に定められた許
(a) 基礎ボルトのレベル
容差内にあることを確認する。
(b) 基礎ボルトの柱脚内の位置
(a) 基礎ボルトのレベル
(c) 基礎ボルトの柱脚間の位置
(b) 基礎ボルトの柱脚内の位置
(2) 固定の確認
(c) 基礎ボルトの柱脚間の位置
コンクリート打込みに際し、基礎ボルトが変形、移動しないよう結束されていることを確認
(2) 固定の確認
する。
コンクリート打込みに際し,基礎ボルトが変形,移動しないよう結束されていることを確
認する。
8.1.7.5 基礎の完成時の検査
8.1.7.5 基礎の完成時の検査
LPG貯槽の本体基礎の完成時に、完成寸法を測定し、図面又は試験・検査要領書に定
められた許容差内にあることを確認する。*1
貯槽の本体基礎の完成時に,完成寸法を測定し,図面又は試験・検査要領書に定められ
た許容差内にあることを確認する。*1
【解 説】
*1 以下の完成寸法を測定する。
(1) 基礎のレベル
【解 説】
(2) 基礎の外形寸法
*1 以下の完成寸法を測定する。
(1) 基礎のレベル
(3) 基礎ボルトのレベル
(2) 基礎の外形寸法
(4) 基礎ボルトの柱脚内の位置
(3) 基礎ボルトのレベル
(5) 基礎ボルトの柱脚間の位置
(4) 基礎ボルトの柱脚内の位置
(6) シアプレート用溝の位置及び寸法
(5) 基礎ボルトの柱脚間の位置
(6) シアプレート用溝の位置及び寸法
8.1.7.6 本体据付後の基礎の検査
8.1.7.6 本体据付後の基礎の検査
LPG貯槽本体据付後の耐圧試験の水張り時に、基礎に異常のないことを外観検査によ
り確認する。また、基礎の経年劣化を把握するための初期データとするため基礎レベル測
定*1を行う。
貯槽本体据付後の耐圧試験の水張り時に,基礎が異常のないことを外観検査及びレベル
測定により確認する。*1
【解 説】
*1 基礎レベルの測定時期は耐圧試験時の水張り前、水張り完了後及び水抜き後とする。ただし、
現地で水圧試験を行わない場合は、LPG充填前及び運用開始後**1とする。なお、測定位置は
【解 説】
*1
このデータを設計時の予測値と対比するために行う。なお,測定位置は支柱毎,測定時期は
支柱毎とする。
水張り前,水張り完了後及び水抜き後とする。
**1 LPG充填を段階的に実施し、各液位で基礎レベルに異常のないことを確認後、運用上の上
限で測定することが望ましい。
−297−
現行 LPG貯槽指針
8.2 防
8. 2. 1 一
液
LPG貯槽指針 改訂案
8.2 防
堤
般 ………………………………………………………………………………
8. 2. 1 一
液
堤
般 ………………………………………………………………………………
8. 2. 2 地盤調査 ………………………………………………………………………………
8. 2. 2 地盤調査 ………………………………………………………………………………
8. 2. 3 材
8. 2. 3 材
料 ………………………………………………………………………………
料 ………………………………………………………………………………
8. 2. 3. 1 コンクリート …………………………………………………………………
8. 2. 3. 1 コンクリート …………………………………………………………………
8. 2. 3. 2 鉄
筋 ………………………………………………………………………
8. 2. 3. 2 鉄
8. 2. 3. 3 く
い ………………………………………………………………………
8. 2. 3. 3 杭 ………………………………………………………………………
8. 2. 3. 4 その他の材料 …………………………………………………………………
8. 2. 4 設
計 ………………………………………………………………………………
8. 2. 4. 1 一
筋 ………………………………………………………………………
8. 2. 3. 4 その他の材料 …………………………………………………………………
8. 2. 4 設
計 ………………………………………………………………………………
8. 2. 4. 1 一
般 ………………………………………………………………………
般 ………………………………………………………………………
8. 2. 4. 2 設計荷重の種類 ………………………………………………………………
8. 2. 4. 2 設計荷重の種類 ………………………………………………………………
8. 2. 4. 3 設計荷重の組合せ ……………………………………………………………
8. 2. 4. 3 設計荷重の組合せ ……………………………………………………………
8. 2. 4. 4 許容応力等 ……………………………………………………………………
8. 2. 4. 4 許容応力等 ……………………………………………………………………
8. 2. 4. 5 部材の設計 ……………………………………………………………………
8. 2. 4. 5 部材の設計 ……………………………………………………………………
8. 2. 5 施
工 ………………………………………………………………………………
8. 2. 5 施
工 ………………………………………………………………………………
8. 2. 5. 1 くい基礎の施工 ………………………………………………………………
8. 2. 5. 1 杭基礎の施工 ………………………………………………………………
8. 2. 5. 2 直接基礎の施工 ………………………………………………………………
8. 2. 5. 2 直接基礎の施工 ………………………………………………………………
8. 2. 5. 3 防液堤の施工 …………………………………………………………………
8. 2. 5. 3 防液堤の施工 …………………………………………………………………
8. 2. 6 試験及び検査 …………………………………………………………………………
8. 2. 6 試験及び検査 …………………………………………………………………………
8. 2. 6. 1 くいの試験及び検査 …………………………………………………………
8. 2. 6. 1 杭の試験及び検査 …………………………………………………………
8. 2. 6. 2 防液堤の試験及び検査 ………………………………………………………
8. 2. 6. 2 防液堤の試験及び検査 ………………………………………………………
8. 2. 6. 3 仕上り寸法検査 ………………………………………………………………
8. 2. 6. 3 仕上り寸法検査 ………………………………………………………………
−298−
現行 LPG貯槽指針
8. 2
防液堤
LPG貯槽指針 改訂案
8. 2
8. 2. 1 一
般
防液堤
8. 2. 1 一
般
(1) 8.2「防液堤」では、防液堤*1の材料、設計、施工、試験及び検査について規定する。
(1) 8.2「防液堤」では、防液堤*1の材料、設計、施工、試験及び検査について規定する。
(2) 8.2「防液堤」に規定されていない事項については、必要に応じて関連諸規定*2 による
(2) 8.2「防液堤」に規定されていない事項については、必要に応じて関連諸規定*2 による
こと。
こと。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第38条(防液堤)第1項
省令
解釈例 第95条(防液堤)第1項第四号
第38条(防液堤)第1項
解釈例 第95条(防液堤)第1項
【解 説】
【解 説】
*1 第1章「総則」では、防液堤は付属設備に含まれているが、構造的に同様な基礎とあ
*1 第1章「総則」では、防液堤は付属設備に含まれているが、構造的に同様な基礎とあ
わせて本章で規定することから付属設備と区別して規定している。なお、防液堤の規
わせて本章で規定することから付属設備と区別して規定している。なお、防液堤の規
定には防液堤の基礎も含んでいる。
定には防液堤の基礎も含んでいる。
*2 関連諸規定は、8.1.1【解説】*6によること。
*2 関連諸規定は、8.1.1【解説】*6によること。
8. 2. 2 地盤調査
8. 2. 2 地盤調査
8.1.2「地盤調査」によること。
8.1.2「地盤調査」によること。
8. 2. 3 材
料
8. 2. 3 材
8. 2. 3. 1 コンクリート
8. 2. 3. 1 コンクリート
8.1.3.1「コンクリート」によること。
8. 2. 3. 2 鉄
8.1.3.1「コンクリート」によること。
筋
8. 2. 3. 2 鉄
8.1.3.2「鉄筋」によること。
8. 2. 3. 3 く
料
筋
8.1.3.2「鉄筋」によること。
い
8. 2. 3. 3 杭
8.1.3.3「くい」によること。
8.1.3.3「杭」によること。
−299−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8. 2. 3. 4 その他の材料
8. 2. 3. 4 その他の材料
盛土材料は、施工の難易、盛土の形状及び完成後の品質を考慮して適切なものを用いる
盛土材料は、施工の難易、盛土の形状及び完成後の品質を考慮して適切なものを用いる
こと。*1
こと。*1
【解 説】
【解 説】
*1 盛土の材料としては、施工が容易で締め固め後のせん断強度が大きく、圧縮性が小
*1 盛土の材料としては、施工が容易で締め固め後のせん断強度が大きく、圧縮性が小
さく、浸透性が小さい等の性質をもった土が望ましい。
8. 2. 4 設
計
8. 2. 4 設
8. 2. 4. 1 一
(1)
さく、浸透性が小さい等の性質をもった土が望ましい。
般
8. 2. 4. 1 一
防液堤は、土、コンクリート、金属、コンクリートブロック又はこれらの組合せによ
(1)
り構築すること。
(2) 防液堤の形式は、鉄筋コンクリート壁形式
計
般
防液堤は、土、コンクリート、金属、コンクリートブロック又はこれらの組合せによ
り構築すること。
*1
、盛土形式
*2
(2) 防液堤の形式は、鉄筋コンクリート壁形式*1、盛土形式*2又は鉄筋コンクリート壁と
又は鉄筋コンクリート壁と
盛土の併用形式を標準とすること。*3*4
盛土の併用形式を標準とすること。*3*4
(3) 防液堤は、液密な構造とすること。*5
(3) 防液堤は、液密な構造とすること。*5
(4) 防液堤は、8.2.4.3「設計荷重の組合せ」に示す荷重の組合せに対し、必要な強度を有
(4) 防液堤は、8.2.4.3「設計荷重の組合せ」に示す荷重の組合せに対し、必要な強度を有
*6
するよう設計
(5)
するよう設計*6すること。
すること。
(4)の規定において、防液堤に係る耐震性能の評価は、次に規定するところによること。
(5)
*7
(4)の規定において、防液堤に係る耐震性能の評価は、次に規定するところによること。
*7
(a) レベル1耐震性能評価については、次の(ⅰ)から(ⅱ)に規定するところによること。
(a) レベル1耐震性能評価については、次の(ⅰ)から(ⅱ)に規定するところによること。
(ⅰ) 通常の運転状態における設計地震動に対する応答解析を地盤変状のうち土質定数
(ⅰ) 通常の運転状態における設計地震動に対する応答解析を地盤変状のうち土質定数
の低下を考慮した適切な計算方法により行い、算定応力等が耐震設計用許容応力等
の低下を考慮した適切な計算方法により行い、算定応力等が耐震設計用許容応力等
を超えないことを確認すること。
を超えないことを確認すること。
(ⅱ) (ⅰ)の規定において、設計地震動の計算方法及び応答解析の方法にあっては
(ⅱ) (ⅰ)の規定において、設計地震動の計算方法及び応答解析の方法にあっては
8.2.4.2「設計荷重の種類」の規定、耐震設計用許容応力等の計算方法にあっては
8.2.4.2「設計荷重の種類」の規定、耐震設計用許容応力等の計算方法にあっては
8.2.4.4「許容応力等」の規定、算定応力等の計算方法にあっては 8.2.4.5「部材の
8.2.4.4「許容応力等」の規定、算定応力等の計算方法にあっては 8.2.4.5「部材の
設計」の規定によること。
設計」の規定によること。
(b) レベル2耐震性能評価については、次の(ⅰ)から(ⅴ)に規定するところによる。
(b) レベル2耐震性能評価については、次の(ⅰ)から(ⅴ)に規定するところによる。
(ⅰ) 通常の運転状態における設計地震動に対する応答解析を地盤変状のうち土質定数
(ⅰ) 通常の運転状態における設計地震動に対する応答解析を地盤変状のうち土質定数
の低下を考慮した適切な計算方法により行い、耐震上重要な部材に生じる応答塑性
の低下を考慮した適切な計算方法により行い、耐震上重要な部材に生じる応答塑性
率が、当該部材の許容塑性率を超えないことを確認すること。
率が、当該部材の許容塑性率を超えないことを確認すること。
(ⅱ) (ⅰ)の規定において設計地震動の計算方法にあっては 8.2.4.2「設計荷重の種類」
(ⅱ) (ⅰ)の規定において設計地震動の計算方法にあっては 8.2.4.2「設計荷重の種類」
の規定、応答解析の方法、応答塑性率の計算方法、許容塑性率の計算方法にあって
の規定、応答解析の方法、応答塑性率の計算方法、許容塑性率の計算方法にあって
は JGA 指−101−01「製造設備耐震設計指針」第9章の規定によること。
は JGA 指−101−14「製造設備耐震設計指針」第9章の規定によること。
(ⅲ) (ⅰ)の規定において、設計地震動に係るレベル2耐震性能の評価は、設計地震動
(ⅲ) (ⅰ)の規定において、設計地震動に係るレベル2耐震性能の評価は、設計地震動
を 8.2.4.2「設計荷重の種類」に規定するレベル2地震動に 0.5 を乗じた値として
を 8.2.4.2「設計荷重の種類」に規定するレベル2地震動に 0.5 を乗じた値として
−300−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(a)のレベル1耐震性能評価を行うことにより替えることができる。ただし、
(a)のレベル1耐震性能評価を行うことにより替えることができる。ただし、
4.7.4.2(11)「代替評価法」に規定する条件を満足する場合に限る。
4.7.4.2(11)「代替評価法」に規定する条件を満足する場合に限る。
(ⅳ) 通常の運転状態における応答解析を地盤変状のうち地盤の移動を考慮した適切な
(ⅳ) 通常の運転状態における応答解析を地盤変状のうち地盤の移動を考慮した適切な
計算方法により行い、耐震上重要な部材に生じる応答塑性率が、当該部材の許容塑
計算方法により行い、耐震上重要な部材に生じる応答塑性率が、当該部材の許容塑
性率を超えないことを確認すること。
性率を超えないことを確認すること。
(ⅴ) (ⅰ)に規定する評価及び(ⅳ)に規定する評価は、別々に行うことができる。
(ⅴ) (ⅰ)に規定する評価及び(ⅳ)に規定する評価は、別々に行うことができる。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第38条(防液堤)第1項
省令
解釈例 第95条(防液堤)第1項第四号
第38条(防液堤)第1項
解釈例 第95条(防液堤)第1項
【解 説】
【解 説】
*1 鉄筋コンクリート壁形式の防液堤の場合、壁厚を 20cm 以上とし、原則として伸縮目地を 20m
*1 鉄筋コンクリート壁形式の防液堤の場合、壁厚を 20cm 以上とし、原則として伸縮目地を 20m
以下の間隔で設ける。
以下の間隔で設ける。
*2 盛土形式の防液堤の場合、容易に崩れることがないよう十分に締め固めたもので、
*2 盛土形式の防液堤の場合、容易に崩れることがないよう十分に締め固めたもので、
降雨等により流出しないようにその表面をコンクリートブロック等により保護する。
降雨等により流出しないようにその表面をコンクリートブロック等により保護する。
また、盛土は水平に対し 45 度以下の勾配とし、頂部における幅は 30cm 以上とする。
また、盛土は水平に対し 45 度以下の勾配とし、頂部における幅は 30cm 以上とする。
なお、すべり破壊に対する安定計算は、原則として円孤すべり面法による。
なお、すべり破壊に対する安定計算は、原則として円孤すべり面法による。
−301−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*3 標準的な防液堤の構造の例を解図8.2−1に示す。
*3 標準的な防液堤の構造の例を解図8.2−1に示す。
直
接
防
液
基
礎
堤
の
形
式
く
い
基
礎
直
鉄筋コンクリー
鉄筋コンクリー
ト壁形式
ト壁形式
盛
土
形
式
盛
土
形
接
防
液
基
礎
堤
の
形
式
杭
基
礎
式
鉄筋コンクリー
鉄筋コンクリー
ト壁と盛土の併
ト壁と盛土の併
用形式
用形式
解図8.2−1 防液堤の構造例
解図8.2−1 防液堤の構造例
*4 壁に発生する温度荷重が大きい場合は、これを低減させる処置(断熱材の使用等)
*4 壁に発生する温度荷重が大きい場合は、これを低減させる処置(断熱材の使用等)
を講じる例もある。
を講じる例もある。
*5 液密な構造とするためには、以下のような点を考慮する。
*5 液密な構造とするためには、以下のような点を考慮する。
(1) 鉄筋コンクリート壁形式の防液堤の伸縮目地には、不燃性の止液板を設ける。
(1) 鉄筋コンクリート壁形式の防液堤の伸縮目地には、不燃性の止液板を設ける。
(2) 防液堤下部地盤から堤外への液の浸透に対しても安全なものとする。対策例と
(2) 防液堤下部地盤から堤外への液の浸透に対しても安全なものとする。対策例と
しては、鉄筋コンクリート壁形式の防液堤下部に止水壁を設けるものや盛土形式の
しては、鉄筋コンクリート壁形式の防液堤下部に止水壁を設けるものや盛土形式の
防液堤の内側にブランケットを設置するもの等がある。それらの要否や寸法を決定
防液堤の内側にブランケットを設置するもの等がある。それらの要否や寸法を決定
する方法としては、下部地盤の土質調査及び浸透流解析等がある。なお、鉄筋コン
する方法としては、下部地盤の土質調査及び浸透流解析等がある。なお、鉄筋コン
クリート形式の防液堤においてはグリ石等、液の浸透を容易にするものを敷設しな
クリート形式の防液堤においてはグリ石等、液の浸透を容易にするものを敷設しな
いものとする。
いものとする。
*6 鉄筋コンクリート部材については、限界状態設計法により照査してもよい。この場
*6 鉄筋コンクリート部材については、限界状態設計法により照査してもよい。この場
合、土木学会「コンクリート標準示方書」によること。
合、土木学会「コンクリート標準示方書」によること。
*7 許容応力度設計法による耐震性能評価は、解図8.2−2に示す手順によること。
*7 許容応力度設計法による耐震性能評価は、解図8.2−2に示す手順によること。
−302−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解図8.2−2
許容応力度設計法による耐震性能評価手順
耐震設計基本仕様
解図8.2−2
許容応力度設計法による耐震性能評価手順
耐震設計基本仕様
仕様変更
通常の運転状態における
設計地震動に対する応答
解析
仕様変更
通常の運転状態における
設計地震動に対する応答
解析
通常の運転状態における設計地
震動の 0.5 倍に対する応答解析
通常の運転状態における設計地
震動の 0.5 倍に対する応答解析
解図8.2−2 耐震性能評価手順
−303−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8. 2. 4. 2 設計荷重の種類
8. 2. 4. 2 設計荷重の種類
防液堤の設計に用いる荷重は、次に掲げるものとする。
防液堤の設計に用いる荷重は、次に掲げるものとする。
(1) 自重
(1) 自重
自重は、防液堤の重量及びその直上にあたる土の重量とし、自重の算定に用いる単位
自重は、防液堤の重量及びその直上にあたる土の重量とし、自重の算定に用いる単位
質量は原則として表8.2−1によること。
質量は原則として表8.2−1によること。
表8−2.1 自重の算定に用いる材料の単位質量
材料の種別
単位質量(kN/m3)
備考
鋼材
77.0
コンクリート
22.5
鉄筋コンクリート
24.0
土
11.5
土質試験により求めてもよい。
表8−2.1 自重の算定に用いる材料の単位質量
材料の種別
単位質量(kN/m3)
備考
鋼材
77.0
コンクリート
22.5
鉄筋コンクリート
24.0
土
11.5
土質試験により求めてもよい。
(2) 地震荷重
(2) 地震荷重
(a) 地震荷重の算定
(a) 地震荷重の算定
設計水平地震動による防液堤等の質量に起因する水平慣性力の算定に用いる水平
設計水平地震動による防液堤等の質量に起因する水平慣性力の算定に用いる水平
震度又は水平加速度、
及び設計鉛直地震動による防液堤等の自重の増減分の算定に用
震度又は水平加速度、及び設計鉛直地震動による防液堤等の自重の増減分の算定に用
いる鉛直震度又は鉛直加速度は(b)によること。
いる鉛直震度又は鉛直加速度は(b)によること。
(b) 設計地震動
(b) 設計地震動
設計地震動の計算方法は 8.1.5.2.(2)(d)(ⅱ)「設計地震動」によること。ただし、重
設計地震動の計算方法は 8.1.5.2.(2)(d)(ⅱ)「設計地震動」によること。ただし、
重要度に基づく係数α1は、設備の重要度に応じ適切に決めること。
要度に基づく係数α1は、設備の重要度に応じ適切に決めること。
(c) 地震応答解析法
(c) 地震応答解析法
設計地震動に基づく応答解析法は、次のいずれかの方法*1がある。
設計地震動に基づく応答解析法は、次のいずれかの方法*1がある。
(ⅰ) 静的震度法
(ⅰ) 静的震度法
8.1.5.2(2)(d)(ⅲ)(イ)「静的震度法」によること。
8.1.5.2(2)(d)(ⅲ)(イ)「静的震度法」によること。
(ⅱ) 修正震度法
(ⅱ) 修正震度法
防液堤の自重に次式に示す修正震度を乗じて慣性力を求め地震荷重を算定するこ
防液堤の自重に次式に示す修正震度を乗じて慣性力を求め地震荷重を算定するこ
と。
と。
K MH
5
KH
K MH
5
KH
K MV
6
KV
K MV
6
KV
ここに、
ここに、
K MH :設計修正水平震度
K MV :設計修正鉛直震度
K H :地表面における設計地震動の水平震度
K MH :設計修正水平震度
K MV :設計修正鉛直震度
K H :地表面における設計地震動の水平震度
K V :地表面における設計地震動の鉛直震度
K V :地表面における設計地震動の鉛直震度
*2
5 :水平方向の固有周期を考慮した応答倍率(4.7.4.2(7)
による。)
5 :水平方向の固有周期を考慮した応答倍率(JGA
震設計指針」4.2.3.1*2による。
)
ただし、防液堤基礎部は 1.0 とする。
6 :鉛直方向の固有周期を考慮した応答倍率で
指-101-14「製造設備等耐
ただし、防液堤基礎部は 1.0 とする。
2.0*2とする。ただし、防液
堤基礎部は 1.0 とする。
6 :鉛直方向の固有周期を考慮した応答倍率で
堤基礎部は 1.0 とする。
−304−
2.0*2とする。ただし、防液
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【解 説】
【解 説】
*1 この他に時刻暦応答解析法等がある。
*1 この他に時刻暦応答解析法等がある。
*2 応答倍率は、くい頭完全固定のくい基礎の場合の応答倍率であり、くい頭完全固定
*2 応答倍率は、杭頭完全固定の杭基礎の場合の応答倍率であり、杭頭完全固定
以外の条件で基礎を設置する場合には適切に評価すること。
以外の条件で基礎を設置する場合には適切に評価すること。
8. 2. 4. 2
8. 2. 4. 2
(3) 風荷重
(3) 風荷重
4.4.1(6)「風荷重」によること。
4.4.1(6)「風荷重」によること。
ただし、風力係数は 1.2 とする
ただし、風力係数は 1.2 とする
(4) 液圧(漏液後)
(4) 液圧(漏液後)
液圧は、原則として次式によること
*1
液圧は、原則として次式によること*1。
。
rgh
10,000
P
gh
1,000
P
ここに、
ここに、
P :液圧(MPa)
P :液圧(kPa)
3
:LPGの密度(kg/m3)
:LPGの密度(kg/cm )
g :重力加速度(cm/s2)
g :重力加速度(m/s2)
h :防液堤の設計液深(cm)
h :防液堤の設計液深(m)
(5) 温度荷重(漏液後)
(5) 温度荷重(漏液後)
温度荷重は、漏液後に防液堤構造部分の内外面に発生する温度差による荷重とする。
温度荷重は、漏液後に防液堤構造部分の内外面に発生する温度差による荷重とする。
(6) 土圧
(6) 土圧
土圧は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)による。
土圧は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(2001)による。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第38条(防液堤)第1項
省令
解釈例 第95条(防液堤)第1項第四号
第38条(防液堤)第1項
解釈例 第95条(防液堤)第1項
【解 説】
【解 説】
*1 液圧の算定は、漏液後に設計液深まで貯留した液圧を規定したが、漏液の初期には
*1 液圧の算定は、漏液後に設計液深まで貯留した液圧を規定したが、漏液の初期には
非定常な液圧が作用する。この非定常な液圧は漏液時の状況、貯槽と防液堤の距離等
非定常な液圧が作用する。この非定常な液圧は漏液時の状況、貯槽と防液堤の距離等
により異なると考えられる。
により異なると考えられる。
それらの状況に応じて、この荷重を想定し、防液堤の安全性を検討することが望ま
それらの状況に応じて、この荷重を想定し、防液堤の安全性を検討することが望ま
2
しい。この荷重の定量的想定が困難な場合は、貯槽においては 20kN/m の等分布荷重
しい。この荷重の定量的想定が困難な場合は、貯槽においては 20kN/m2 の等分布荷重
を高さ3m まで載荷し**1、防液堤の安全性を検討すること。
を高さ3m まで載荷し**1、防液堤の安全性を検討すること。
【参 考】
【参 考】
**1 消防法通達(消防危第 162 号)
「防油堤の構造に関する運用基準について」、別記
**1 消防法通達(消防危第 162 号)
「防油堤の構造に関する運用基準について」、別記
1防油堤の構造指針、1977.11.14、改正 消防危第 86 号 1999.9.24
1防油堤の構造指針、1977.11.14、改正 消防危第 86 号 1999.9.24
−305−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8. 2. 4. 3 設計荷重の組合せ
8. 2. 4. 3 設計荷重の組合せ
防液堤の設計に用いる荷重の組合せ並びにその評価に用いる許容応力及び許容支持力
防液堤の設計に用いる荷重の組合せ並びにその評価に用いる許容応力及び許容支持力
は、表8.2−2に示すものの中で最も厳しいものとする。
は、表8.2−2に示すものの中で最も厳しいものとする。
表8.2−2 防液堤の設計荷重の組合せとその評価に用いる許容応力、許容支持力
常
短 期 荷 重
○
○
−
−
−
−
−
(5) 温 度 荷 重
(6) 土圧(地震時)
評価に用いる
許容応力、許容支持力
時
地 震 時
○
−
○
−
−
−
○
長期許容応力
長期許容支持力
暴 風 時
○
○
−
○
−
−
−
漏液後
○
○
−
−
○
○
−
荷 重 の 種 類
(1) 自
重
(6) 土圧(常時)
地 震 荷 重
風
荷
重
液
圧
温 度 荷 重
土圧(地震時)
荷重
通常
荷重
長期
荷 重 の 種 類
(1) 自
重
(6) 土圧(常時)
(2) 地 震 荷 重
(3) 風
荷
重
(4) 液
圧
表8.2−2 防液堤の設計荷重の組合せとその評価に用いる許容応力、許容支持力
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
評価に用いる
許容応力、許容支持力
短期許容応力
短期許容支持力
常
時
○
○
−
−
−
−
−
許容応力
許容支持力
地 震 時
○
−
○
−
−
−
○
(1) 材料の許容応力
(1) 材料の許容応力
(a) コンクリートの許容応力
(a) コンクリートの許容応力
コンクリートの許容応力は、表8.2−3による。
コンクリートの許容応力は、表8.2−3による。
−306−
漏液後
○
○
−
−
○
○
−
耐震設計用許容応力
耐震設計用許容支持力
8. 2. 4. 4 許容応力等*1
8. 2. 4. 4 許容応力等*1
強 風 時
○
○
−
○
−
−
−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
表8.2−3 コンクリートの許容応力
2
応力の種類
圧
せ
縮
ん
応
断
力
応
力
丸
棒
その他の
鉄
長期許容応力(N/mm )
短期許容応力(N/mm )
FC/3
2FC/3
FC/30 かつ
FC/20 かつ
(0.5+
上 ば 筋
1
以下
FC )
100
(0.735+
4FC/100 かつ
6FC/100 かつ
異形鉄筋
その他の
鉄
筋
1.5
以下
FC )
100
せ
縮
ん
応
断
応
丸
棒
2.00 以下
(1.32+
FC/10 かつ
1
FC )以下
25
許容応力(N/mm2)
耐震設計用許容応力(N/mm2)
FC/3
2FC/3
FC/30 かつ
FC/20 かつ
(0.5+
その他の
1
以下
FC )
100
(0.735+
4FC/100 かつ
0.9 以下
1.32 以下
6FC/100 かつ
9FC/100 かつ
1.32 以下
筋
上 ば 筋
異形鉄筋
その他の
1
1.5(1.32+ FC )
以下
25
鉄
筋
1.5
以下
FC )
100
6FC/100 かつ
2.00 以下
FC/15 かつ
付着応力
1.5FC/10 かつ
1
(1.32+ FC )
以下
25
力
鉄
FC/10 かつ
2
FC )以下
75
力
上 ば 筋
9FC/100 かつ
1.32 以下
(0.9+
圧
1.32 以下
FC/15 かつ
上 ば 筋
応力の種類
6FC/100 かつ
0.9 以下
筋
付着応力
表8.2−3 コンクリートの許容応力
2
(0.9+
FC/10 かつ
2
FC )以下 (1.32+ 1FC )以下
75
25
FC/10 かつ
(1.32+
1.5FC/10 かつ
1
FC )以下
25
1.5(1.32+
1
FC )以下
25
備 考
備 考
1. 上ば筋とは、曲げ材にあって、その鉄筋の下に 30cm 以上のコンクリートが打ち込まれる場合の
水平鉄筋をいう。
2. FC:コンクリートの 28 日設計基準強度(N/mm2)
1. 上ば筋とは、曲げ材にあって、その鉄筋の下に 30cm 以上のコンクリートが打ち込まれる場合の
水平鉄筋をいう。
2. FC:コンクリートの 28 日設計基準強度(N/mm2)
(b) 鉄筋の許容応力
(b) 鉄筋の許容応力
鉄筋の許容応力は、表8.2−4による。
鉄筋の許容応力は、表8.2−4による。
表8.2−4 鉄筋の許容応力
表8.2−4 鉄筋の許容応力
SR235、SRR235
SR295、SRR295
SD235 SDR235
SD295
SD345
SD390
長期許容応力(N/mm2)
引張り
せん断補強
及び圧縮
160
160
160
200
160
160
200
200
220(200)
200
220(200)
200
備 考 D29 以上の太さの鉄筋に対しては、
(
短期許容応力(N/mm2)
引張り
せん断補強
及び圧縮
235
235
295
294
235
235
295
294
345
294
390
294
SR235、SRR235
SR295、SRR295
SD235 SDR235
SD295
SD345
SD390
許容応力(N/mm2)
引張り
せん断補強
及び圧縮
160
160
160
200
160
160
200
200
220(200)
200
220(200)
200
備 考 D29 以上の太さの鉄筋に対しては、
(
耐震設計用許容応力(N/mm2)
引張り
せん断補強
及び圧縮
235
235
295
294
235
235
295
294
345
294
390
294
)の数値とする。
)の数値とする。
(c) 杭材料の許容応力
(c) くい材料の許容応力
杭材料の許容応力は、JGA 指−101−14「製造設備等耐震設計指針」による。
くい材料の許容応力は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)による。*2
−307−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【解 説】
【解 説】
*1 本指針の基礎の許容応力等は以下の指針等に準拠している。
*1 本指針の基礎の許容応力等は以下の指針等に準拠している。
日本建築学会「鉄筋コンクリ―ト構造計算規準」(1991)
(1) 長期許容応力
日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)
(a) コンクリート及び鉄筋の許容応力:日本建築学会「鉄筋コンクリート構造算
規準」
(1991)
(b) くい支持地盤によるくいの許容支持力:建設省告示第 1623 号(昭和 53 年)
(c) その他:日本建築学会「建築基礎構造設計指針」(1988)
(2) 短期許容応力
(a) くいの短期許容引抜抵抗力:日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)
(b) その他:日本ガス協会 JGA 指−101−01「製造設備等耐震設計指針」
*2 長さと径の比の大きいくいにあっては、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)に準拠し以下のとおり、許容圧縮力をくいの長さと径の比に応じて次の低減
率により低減する。
くいの長さと径の比による低減率
μ=
L
−n
D
ここで、
μ
:くいの長さと径の比に対する低減率(%)
L/D :くいの長さと径の比であって、Lはくいの長さ(m)、Dは腐れ代を
除いた外径(m)
n
:材料の許容支持力を低減しなくてもよいくいの長さと径の比の限界
値
8. 2. 4. 4
8. 2. 4. 4
(2) 直接基礎の地盤の許容応力
(2) 直接基礎の地盤の許容応力
直接基礎の地盤の許容応力は、地盤調査の結果に基づいて、次の表8.2−5の①又
直接基礎の地盤の許容応力は、地盤調査の結果に基づいて、次の表8.2−5の①又
*1
は②による。*1
は②による。
表8.2−5 直接基礎の地盤の許容応力
長
①
期 許 容 応 力(kN/m2)
表8.2−5 直接基礎の地盤の許容応力
短 期 許 容 応 力(kN/m2)
許 容 応 力(kN/m2)
2
1
1
(αCN +βr BN r +r D Nq) (αCNC+βr1BN r+ r2DfNq)
C
2f
1
3
3
2
1
② qt+ N r2Df
3
1
2qt+ N r2Df
3
備 考
①
1 (i αC`Nc i
3 c
②
qt
1N
3
1
BN
iq 2 D f N q )
耐震設計用許容応力(kN/m2)
2 (i αC Nc i
`
3 c
1
BN
1
,
iq
2
Df Nq )
1
2qt+ N r2Df
3
2D f
備 考
この表において、B、α、β、C、NC、Nr、Nq、r1、r2、Df、qt、及びN’はそれぞれ
この表において、 i c , i , i a , B ,
次の値を表すものとする。
−308−
,
, C , Nc , N
, Nq ,
2
,D
f
, q t 及び N は
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
それぞれ次の値を表すものとする。
ic , i
及び ia :基礎に作用する荷重の鉛直方向に対する傾斜角に応じて次の式によって計算し
た数値
ic
i q=( 1 -
i =( 1 -
θ 2
)
90
θ 2
)
φ
これらの式において、θ及びφは、それぞれ次の数値を表すものとする。
θ:基礎に作用する荷重の鉛直方向に対する傾斜角(θがφを超える場合は、φとする)
(度)
φ:地盤の特性によって求めた内部摩擦角(度)
B:基礎荷重面の短辺又は短径(m)
B:基礎荷重面の短辺又は短径(m)
α、β:基礎荷重面の形状に応じて、表8.2−6に掲げる係数
α、β:基礎荷重面の形状に応じて、表8.2−6に掲げる係数
C:基礎荷重面下にある地盤の粘着力(kN/m2)
2
C:基礎荷重面下にある地盤の粘着力(kN/m )
NC、Nr及びNq:支持力係数であって、地盤の内部摩擦角に応じて、表8.2−7に掲げ
NC、Nr及びNq:支持力係数であって、地盤の内部摩擦角に応じて、表8.2−7に掲げ
る値
る値
r1:基礎荷重面下にある地盤の単位体積重量又は地下水面下にある場合は水中単位体積重量
r1:基礎荷重面下にある地盤の単位体積重量又は地下水面下にある場合は水中単位体積重量
(kN/m3)
3
(kN/m )
r2:基礎荷重面より上方にある地盤の平均単位体積重量又は地下水面下にある場合は水中単
r2:基礎荷重面より上方にある地盤の平均単位体積重量又は地下水面下にある場合は水中単
位体積重量(kN/m3)
3
位体積重量(kN/m )
Df:基礎に近接した最低地盤面から基礎荷重面までの深さ(m)
Df:基礎に近接した最低地盤面から基礎荷重面までの深さ(m)
qt:平板載荷試験による降伏荷重の
1
qt:平板載荷試験による降伏荷重の 1 2 の数値又は極限応力の 13 の数値のうちいずれか小さい
1
2 の数値又は極限応力の 3 の数値のうちいずれか小さい
もの(kN/m3)
もの(kN/m3)
N':基礎荷重面下の地盤の種類に応じて、表8.2−8に掲げる係数
N':基礎荷重面下の地盤の種類に応じて、表8.2−8に掲げる係数
係
表8.2−6 基礎荷重面の形状に応じた係数α、β
形 状
円
形
円形以外の形状
数
α
1.3
1.0+0.3B/L
β
0.3
0.5-0.1B/L
係
表8.2−6 基礎荷重面の形状に応じた係数α、β
形 状
円
形
円形以外の形状
数
α
1.2
1.0+0.2B/L
β
0.3
0.5-0.2B/L
備 考
備 考
この表において、Lはそれぞれ次の値を表すものとする。
この表において、Lはそれぞれ次の値を表すものとする。
L:基礎荷重面の長辺又は長径(m)
L:基礎荷重面の長辺又は長径(m)
表8.2−7 内部摩擦角に応じた支持力係数Nc、Nr、Nq
表8.2−7 内部摩擦角に応じた支持力係数Nc、Nr、Nq
内部摩擦角
0°
支持力係数
Nc
Nr
Nq
5.3
0
3.0
5°
10°
15°
20°
5.3
0
3.4
5.3
0
3.9
6.5
1.2
4.7
7.9
2.0
5.9
内部摩擦角
0°
支持力係数
40°
25° 28° 32° 36°
以上
9.9 11.4 20.9 42.2
95.7
3.3
4.4 10.6 30.5 114.0
7.6
9.1 16.1 33.6
83.2
−309−
5°
10°
15°
20°
25°
28°
32°
36°
40°
以上
Nc
5.1
6.5
8.3
11.0
14.8
20.7
25.8
35.5
50.6
75.3
Nr
0
0.1
0.4
1.1
2.9
6.8
11.2
22.0
44.4
93.7
Nq
1.0
1.6
2.5
3.9
6.4
10.7
14.7
23.2
37.8
64.2
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
表8.2−8 基礎荷重面下の地盤の種類に応じた係数N'
地盤の種類
係数
砂質土地盤のうち
密実なもの
N'
砂質土地盤
(密実なものを除く。)
12
6
表8.2−8 基礎荷重面下の地盤の種類に応じた係数N'
地盤の種類
粘 性 土 地 盤
係数
密実なもの
N'
3
【解 説】
砂質土地盤のうち
砂質地盤
(密実なものを除く。
)
12
6
粘 土 質 地 盤
3
【解 説】
*1 JGA 指−101−01「製造設備等耐震設計指針」においては、本文に規定する方法に加
*1 JGA 指−101−14「製造設備等耐震設計指針」においては、本文に規定する方法に加
え地盤の種類に応じて地盤の許容応力の値を直接与える表も示されているが、本指針
え地盤の種類に応じて地盤の許容応力の値を直接与える表も示されているが、本指針
では、貯槽で通常使用されている地盤調査の結果に基づいて計算する方法を採用して
では、貯槽で通常使用されている地盤調査の結果に基づいて計算する方法を採用して
いる。
いる。
8. 2. 4. 4
8. 2. 4. 4
(3) くい支持地盤によるくいの許容支持力等
(3) 杭支持地盤による杭の許容支持力等
(a) くい支持地盤によるくいの許容支持力*1
(a) 杭支持地盤による杭の許容支持力*1
次の(a)に規定する杭本体の許容支持力と(b)に規定する杭支持地盤の許容支持力
次の表8.2−9の①から③までの算式のいずれか(くいの周囲の地盤に軟弱な粘
性土地盤、軟弱な粘性土地盤の上部にある砂質土地盤又は地震時に液状化するおそれ
のいずれか小さい値とする。
(a) 杭本体の種類に応じて定まる許容圧縮応力*2に、杭の最小断面積を乗じた値(kN)
のある地盤が含まれる場合にあっては③)により求められる値とする。
とする。
ただし、継杭にあっては、杭の(長さ/径)比に応じて、低減*3しなければなら
ない。
(b) 杭支持地盤の許容支持力
打込み杭、セメントミルク工法による埋込み杭又は、アースドリル工法、リバー
スサーキュレーション工法若しくはオールケーシング工法による場所打ちコンク
リート杭(以下「アースドリル工法等による場所打ち杭」という)の場合にあって
は、次の表8.2−9の①又は②の算式(杭の周辺の地盤に軟弱な粘土質地盤、軟
弱な粘土質地盤の上部にある砂質地盤又は地震時に液状化するおそれのある地盤
*4
が含まれる場合にあっては、②の算式)、その他の基礎杭の場合にあっては、次
の表の①の算式(杭の周辺の地盤に軟弱な粘土質地盤、軟弱な粘土質地盤の上部に
−310−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
ある砂質地盤又は地震時に液状化するおそれのある地盤*4が含まれない場合に限
る。)によりそれぞれ計算した値とすること。
ただし適切な方法で施工*5した場合は、この限りではない。
表8.2−9 くい支持地盤によるくいの許容支持力(単位:kN)
番号
①
②
③
長期許容支持力
1
Ru
3
短期許容支持力
2
Ru
3
F/(5S+0.1)
2F/(5S+0.1)
qpAp+
1
R
3 F
2qpAp+
表8.2−9 杭支持地盤による杭の許容支持力(単位:kN)
番号
①
②
許容支持力
1
Ru
3
1
qpAp+ RF
3
耐震設計用許容支持力
2
Ru
3
qpA p
2
RF
3
2
R
3 F
備 考
備 考
この表において、Ru、S、F、qp、Ap及びRFはそれぞれ次の値を表わすものとす
この表において、Ru、S、F、qp、Ap及びRFはそれぞれ次の値を表わすものとす
る。
る。
Ru:杭載荷試験により求められる極限支持力(kN)
S :基礎杭の最終貫入量(m)
F :ハンマーの打撃エネルギー(kN・m)
qP:基礎杭の先端の地盤の許容応力であって、表8.2−10 の左欄に掲げる基礎杭
Ru:くい載荷試験により求められる極限支持力(kN)
S :基礎ぐいの最終貫入量(m)
F :ハンマーの打撃エネルギー(kN・m)
qP:基礎ぐいの先端の地盤の許容応力であって、表8.2−10 の左欄に掲げる基礎
の種類に応じて、同表の右欄により求められる値(kN/m2)
ぐいの種類に応じて、同表の右欄により求められる値(kN/m2)
Ap:基礎杭の先端の有効断面積(m2)
RF:基礎杭とその周囲の地盤(軟弱な粘性土地盤、軟弱な粘性土地盤の上部にある
Ap:基礎ぐいの先端の有効断面積(m2)
RF:基礎ぐいとその周囲の地盤(軟弱な粘性土地盤、軟弱な粘性土地盤の上部にあ
砂質土地盤及び地震時に液状化するおそれのある地盤を除く。
)との摩擦力であ
る砂質土地盤及び地震時に液状化するおそれのある地盤を除く。
)との摩擦力で
って、次の算式により得られる値(kN)
あって、次の算式により得られる値(kN)
1
1
NsLs+ q U L C ψ
5
2
RF=
1
1
RF= NsLs+ q U L C ψ
5
2
ここで、
ここで、
N S :基礎杭の周囲の地盤のうち砂質土地盤の標準貫入試験による打
N S :基礎ぐいの周囲の地盤のうち砂質土地盤の標準貫入試験による
撃回数(打込み杭にあっては 50 を超える場合は 50 とし、場所打
打撃回数(打込みぐいにあっては 50 を超える場合は 50 とし、場
ち杭にあっては 25 を超える場合は 25 とする。
)の平均値
所打ちぐいにあっては 25 を超える場合は 25 とする。
)の平均値
Ls
Ls
:基礎ぐいがその周囲の地盤のうち砂質土地盤に接する長さの合
(m)
計(m)
qU
qU
:基礎ぐいの周囲の地盤のうち粘性土地盤の一軸圧縮強度(打込
10 を超える場合は 10 とする。
)の平均値(kN/m2)
っては 10 を超える場合は 10 とする。
)の平均値(kN/m2)
Lc
:基礎ぐいがその周囲の地盤のうち粘性土地盤に接する長さの合
ψ
:基礎ぐいの周の長さ(m)
qp(kN/㎡)
打 込 み ぐ い
300
N
3
:基礎杭の周の長さ(m)
表8.2−10 基礎杭の種類とその先端の地盤の許容応力qp
表8.2−10 基礎ぐいの種類とその先端の地盤の許容応力qp
基礎ぐいの種類
:基礎杭がその周囲の地盤のうち粘性土地盤に接する長さの合計
(m)
計(m)
ψ
:基礎杭の周囲の地盤のうち粘性土地盤の一軸圧縮強度(打込み
杭にあっては 20 を超える場合は 20 とし、場所打ち杭にあっては
みぐいにあっては 20 を超える場合は 20 とし、場所打ちぐいにあ
Lc
:基礎杭がその周囲の地盤のうち砂質土地盤に接する長さの合計
基礎杭の種類
打
−311−
込 み 杭
qp(kN/㎡)
300
N
3
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
埋 込 み ぐ い
200
N
3
セメントミルク工法による埋込み杭
200
N
3
場 所打ち ぐい
150
N
3
アースドリル工法等による場所打ち杭
150
N
3
備 考
備 考
この表において、 N は基礎ぐいの先端付近の地盤の標準貫入試験による打撃回数の
この表において、 N は基礎杭の先端付近の地盤の標準貫入試験による打撃回数の平
平均値(60 を超える場合は 60 とする。
)を表すものとする。
均値(60 を超える場合は 60 とする。
)を表すものとする。
(b) 地盤によるくいの許容引抜抵抗力
(b) 地盤による杭の許容引抜抵抗力
地盤によるくいの短期許容引抜抵抗力は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
地盤による杭の耐震設計用許容引抜抵抗力は、JGA 指−101−14「製造設備等耐震
*2
(1988)による。
設計指針」による。
【解 説】
【解 説】
*1 くい支持地盤によるくいの許容支持力の規定は、前述のように長期は建設省告示第
*1 杭支持地盤による杭の許容支持力の規定は、前述のように長期は建設省告示第
1623 号(昭和 53 年)によっており、短期は JGA 指−101−01「製造設備等耐震設計指
1623 号(昭和 53 年)によっており、短期は JGA 指−101−14「製造設備等耐震設計指
針」によっている。しかし、同告示及び同指針においては、くい支持地盤によるくい
針」によっている。しかし、同告示及び同指針においては、杭支持地盤による杭
の許容支持力の算出について、8.2.4.4(2)に示す算式(表8.2−5)を用いる方法
の許容支持力の算出について、8.2.4.4(2)に示す算式(表8.2−5)を用いる方法
も規定しているが、貯槽の場合、くい支持の許容支持力の算出には本文に規定する方
も規定しているが、貯槽の場合、杭支持の許容支持力の算出には本文に規定する方
法が通常使用されているので、本指針では採用していない。
法が通常使用されているので、本指針では採用していない。
*2 「杭材料の種類に応じて定まる耐震設計用許容圧縮応力」は(社)日本建築学会「建築基礎
構造設計指針」
(1988)又は(財)日本建築センター「地震力に対する建築物基礎の設計指針」
(1989)によるものとする。ただし、単位はSI単位に換算することとする。
*3 杭の(長さ/径)比による低減率は、
(社)日本建築学会「建築基礎構造設計指針(1988)
」
により次の値をとる。
杭の長さと径の比による低減率
L
D
n
ここで、
μ
:杭の(長さ/径)比に対する低減率(%)
、 D は腐れしろを除いた外
L / D :杭の(長さ/径)比であって、 L は杭の長さ(m)
径(m)
n
:材料の耐震設計用許容支持力を低減しなくてもよい杭の(長さ/径)比の限
界値(建設省通達(昭 59 住指発 392)参照)
*4 「地震時に液状化するおそれのある地盤」とは JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」
6.3.2 に規定される液状化判定方法によって液状化すると判断された地盤をいう。また、液状
−312−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
化するおそれのある地盤と判定された地盤の土質定数は土質性状や液状化の程度に応じて
JGA 指-101-14「製造設備等耐震設計指針」6.3.3 に規定される低減係数により低減すること。
*5 建築基準法第 68 条の 26 に基づく構造方法等の認定工法で施工する場合は、杭支持地盤の耐
震設計用許容支持力算定方法として、その算出式によってもよい。
8. 2. 4. 5 部材の設計*1
8. 2. 4. 5 部材の設計*1
(1) 算定する応力等
(1) 算定する応力等
部材の設計のため算定する応力、部材力等は、基礎の形式に応じて次に示すものとす
部材の設計のため算定する応力、部材力等は、基礎の形式に応じて次に示すものとす
る。
る。
(a) くい基礎の応力等
(a) 杭基礎の応力等
(ⅰ) 防液堤本体及び基礎の鉄筋及びコンクリートの応力
(ⅰ) 防液堤本体及び基礎の鉄筋及びコンクリートの応力
(ⅱ) くい1本当りの押込力
(ⅱ) 杭1本当りの押込力
(ⅲ) くい1本当りの引抜力
(ⅲ) 杭1本当りの引抜力
(ⅳ) くいに生じる応力
(ⅳ) 杭に生じる応力
(b) 直接基礎の応力等
(b) 直接基礎の応力等
(ⅰ) 防液堤本体及び基礎の鉄筋及びコンクリートの応力
(ⅰ) 防液堤本体及び基礎の鉄筋及びコンクリートの応力
(ⅱ) 接地圧
(ⅱ) 接地圧
(2) 応力等の計算
(2) 応力等の計算
(1)に規定する部材力及び応力等は、8.2.4.3 に基づいて、原則として次の規準により
(1)に規定する部材力及び応力等は、8.2.4.3 に基づいて、原則として次の規準により
算定する。
算定する。
(a) 日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)
(a) 日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
(1988)
(b) 日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準」(1999)
(b) 日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準」(1999)
ただし、フーチング、地中ばり及びくい等で構成された構造モデルを用いた有限要
ただし、フーチング、地中ばり及び杭等で構成された構造モデルを用いた有限要素
素法等による構造解析により部材力を算定してもよい。
法等による構造解析により部材力を算定してもよい。
(3) 応力等の評価
(3) 応力等の評価
算定した応力及び部材力等は、8.2.4.4 に規定した許容値以下であることを確認する*
算定した応力及び部材力等は、8.2.4.4 に規定した許容値以下であることを確認する*
2
2
。
(4)
くいに作用する負の摩擦力の検討
。
(4) 杭に作用する負の摩擦力の検討
支持地盤の上部に軟弱な粘性地盤がある場合の支持くいについては、日本建築学会「建
支持地盤の上部に軟弱な粘性地盤がある場合の支持杭については、日本建築学会「建
築基礎構造設計指針」
(1988)に従ってくいの周面に下向きに作用する摩擦力(負の摩擦
築基礎構造設計指針」
(1988)に従って杭の周面に下向きに作用する摩擦力(負の摩擦力)
力)の検討を行う。
の検討を行う。
−313−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【解 説】
【解 説】
*1 レベル2耐震性能評価については、JGA 指−101−01「製造設備耐震設計指針」によ
*1 レベル2耐震性能評価については、JGA 指−101−14「製造設備耐震設計指針」によ
る。
る。
*2 群杭による支持力は、次によるものとする。
*2 群ぐいによる支持力は、次によるものとする。
(1) 軸方向押込力に対する群くいによる支持力は、くい基礎全体を仮想ケーソンと考
(1) 軸方向押込力に対する群杭による支持力は、杭基礎全体を仮想ケーソンと考え、
え、そのケーソンの許容支持力を超えないものとする。
そのケーソンの許容支持力を超えないものとする。
(2) 軸直角方向に対する群くいによる支持力は、くい中心間隔に応じて、水平地盤反
(2) 軸直角方向に対する群杭による支持力は、杭中心間隔に応じて、水平地盤反
力係数に次の補正係数μを乗ずるものとする。
力係数に次の補正係数μを乗ずるものとする。
(a) L<2.5Dのとき μ=1−0.2(2.5−L/D)
(a) L<2.5Dのとき μ=1−0.2(2.5−L/D)
ここで、L:くい中心間隔(m)
ここで、L:杭中心間隔(m)
D:くい径(m)
D:杭径(m)
(b) L≧2.5Dのとき μ=1.0
8. 2. 5 施 工
(b) L≧2.5Dのとき μ=1.0
8. 2. 5 施 工
8. 2. 5. 1 くい基礎の施工
8. 2. 5. 1 杭基礎の施工
8.1.6.2「くい基礎の施工」によること。*1
8.1.6.2「杭基礎の施工」によること。*1
【解 説】
【解 説】
*1 盛土形式の防液堤の施工にあたっては、まき出し厚さ、締固め機械の機種及び施工
*1 盛土形式の防液堤の施工にあたっては、まき出し厚さ、締固め機械の機種及び施工
含水比等を定めるために現場において試験盛土を行い、施工方法を決定し、それに従
含水比等を定めるために現場において試験盛土を行い、施工方法を決定し、それに従
って盛土材料の敷ならし、含水量調整及び締固め等の施工管理を行う。
って盛土材料の敷ならし、含水量調整及び締固め等の施工管理を行う。
8. 2. 5. 2 直接基礎の施工
8. 2. 5. 2 直接基礎の施工
8.1.6.3「直接基礎の施工」によること。
8.1.6.3「直接基礎の施工」によること。
8. 2. 5. 3 防液堤の施工
8. 2. 5. 3 防液堤の施工
(1) コンクリート
(1) コンクリート
8.1.6.4(1)「コンクリート」によること。
8.1.6.4(1)「コンクリート」によること。
(2) 鉄筋
(2) 鉄筋
8.1.6.4(2)「鉄筋」によること。
8.1.6.4(2)「鉄筋」によること。
(3) 型枠及び支保工
(3) 型枠及び支保工
8.1.6.4(3)「型枠及び支保工」によること。
8.1.6.4(3)「型枠及び支保工」によること。
−314−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
8. 2. 6 試験及び検査
8. 2. 6 試験及び検査
8. 2. 6. 1 杭の試験及び検査
8. 2. 6. 1 くいの試験及び検査
8.1.7.2「くいの試験及び検査」によること。
8.1.7.2「杭の試験及び検査」によること。
8. 2. 6. 2 防液堤の試験及び検査
8. 2. 6. 2 防液堤の試験及び検査
8.1.7.3「直接基礎の地業工事の試験及び検査」及び 8.1.7.4「フーチング、地中ばり等
8.1.7.3「直接基礎の地業工事の試験及び検査」及び 8.1.7.4「フーチング、地中ばり等
の試験及び検査」によること。
の試験及び検査」によること。
8. 2. 6. 3 仕上り寸法検査
8. 2. 6. 3 仕上り寸法検査
防液堤の堤内容量に関する高さ等について測定し、図面又は試験、検査要領に定められ
た許容差内にあることを確認すること。
防液堤の堤内容量に関する高さ等について測定し、図面又は試験、検査要領に定められ
*1
た許容差内にあることを確認すること。*1
【解 説】
【解 説】
*1 以下の完成寸法を測定する。
*1 以下の完成寸法を測定する。
(1) 防液堤のレベル
(1) 防液堤のレベル
(2) 防液堤の外形寸法
(2) 防液堤の外形寸法
−315−
現行 LPG貯槽指針
第9章 塗
LPG貯槽指針 改訂案
装
第9章 塗
装
9. 1 一
般
……………………………………………………………………………………
9. 1 一
般
……………………………………………………………………………………
9. 2 塗
装
……………………………………………………………………………………
9. 2 塗
装
……………………………………………………………………………………
9. 3 素地調整 ……………………………………………………………………………………
9. 3 素地調整 ……………………………………………………………………………………
9. 4 建設時の塗装 ………………………………………………………………………………
9. 4 建設時の塗装 ………………………………………………………………………………
(1) 貯槽本体外面の塗装 ………………………………………………………………………
(1) LPG貯槽本体外面の塗装 ………………………………………………………………
(2) 球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理 …………………………………………………
(2) 球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理 …………………………………………………
(3) 球形貯槽耐圧部内面の塗装 ………………………………………………………………
(3) 球形LPG貯槽耐圧部内面の塗装 ………………………………………………………
(4) 内部旋回足場等の塗装 ……………………………………………………………………
(4) 内部旋回足場等の塗装 ……………………………………………………………………
(5) 外部階段類その他の塗装 …………………………………………………………………
(5) 外部階段類その他の塗装 …………………………………………………………………
9. 5 使用開始後の塗装 …………………………………………………………………………
9. 5 使用開始後の塗装 …………………………………………………………………………
9. 5. 1 補 修 塗 ……………………………………………………………………………
9. 5. 1 塗装の補修 ……………………………………………………………………………
9. 5. 2 開放検査時の塗装 ……………………………………………………………………
9. 5. 2 開放検査・供用中検査時の塗装 ……………………………………………………
9. 6 工事上の注意事項 …………………………………………………………………………
9. 6 工事上の注意事項 …………………………………………………………………………
(1) 素地調整の前処理 …………………………………………………………………………
(1) 素地調整の前処理 …………………………………………………………………………
(2) 塗料の調合 …………………………………………………………………………………
(2) 塗料の調合 …………………………………………………………………………………
(3) 塗料の保管 …………………………………………………………………………………
(3) 塗料の保管 …………………………………………………………………………………
(4) 塗装環境条件 ………………………………………………………………………………
(4) 塗装環境条件 ………………………………………………………………………………
(5) 塗膜の管理 …………………………………………………………………………………
(5) 塗膜の管理 …………………………………………………………………………………
(6) 塗装間隔 ……………………………………………………………………………………
(6) 塗装間隔 ……………………………………………………………………………………
9. 7 検
査
……………………………………………………………………………………
9. 7 検
−316−
査
……………………………………………………………………………………
現行 LPG貯槽指針
第9章 塗
9. 1 一
(1)
LPG貯槽指針 改訂案
装
第9章 塗
般
9. 1
一
装
般
本章では,貯槽の建設時及び使用開始後の塗装について規定する。
(1) 本章では、LPG貯槽の建設時及び使用開始後の塗装について規定する。
なお,使用開始後の塗装に関する規定は,既設貯槽にも適用する。
なお、使用開始後の塗装に関する規定は、既設LPG貯槽にも適用する。
(2)
本章で規定する部位は,貯槽本体及び付属設備とする。
(2) 本章で規定する部位は、LPG貯槽本体及び付属設備とする。
(3)
本章で規定する塗装工事の実施においては,環境保全及び安全衛生に特に留意するこ
(3)
と。
*1*2
と。*1*2
【解 説】
*1
本章で規定する塗装工事の実施においては、環境保全及び安全衛生に特に留意するこ
【解 説】
塗装工事では,関係法令を遵守するとともに,計画段階から施工に至るまで周辺環境に影響
*1 塗装工事では、関係法令を遵守するとともに、計画段階から施工に至るまで周辺環境に影響
を及ぼさないよう留意することが必要である。塗装工事に関する法令のうち,1.4「関連法令」
を及ぼさないよう留意することが必要である。塗装工事に関する法令のうち、主な法令は以下
に記載されていない主なものは以下のとおりである。
のとおりである。
(1) 消防法
(1) 消防法
(2) 化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度,MSDS制度)
(2) 化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度、MSDS制度)
(3) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(3) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(4) 労働安全衛生法
(4) 労働安全衛生法
*2 塗装工事を行う上で環境保護・安全衛生上特に注意すべき事項は,以下のとおりである。
*2 塗装工事を行う上で環境保護・安全衛生上特に注意すべき事項は、以下のとおりである。
(1) 塗料中の有機溶剤,シンナーによる引火爆発
(1) 塗料中の有機溶剤、シンナーによる引火爆発
(2) 産業廃棄物の適正な処理
(2) 産業廃棄物の適正な処理
(3) 高所での塗装,塗装はく離,素地調整等の作業による塗料・研掃材等の飛散
(3) 高所での塗装、塗装はく離、素地調整等の作業による塗料・研掃材等の飛散
9. 2 塗
料
9. 2
塗料は,用途に応じ適切なものを使用する。*1*2*3
料
塗料は、用途に応じ適切なものを使用する。*1*2*3
【解 説】
*1
塗
【解 説】
塗料は,その種別によって耐食性や耐久性がそれぞれ異なる。周辺環境や次回の塗り替え時
期までの維持管理を含めたライフサイクルコストに配慮し,適切な塗料を選定すること。
*1 塗料は、その種別によって耐食性や耐久性がそれぞれ異なる。周辺環境や次回の塗り替え時
期までの維持管理を含めたライフサイクルコストに配慮し、適切な塗料を選定すること。
*2 塗料は以下に示したもの又はこれらと同等以上のものを使用することが望ましい。なお,JGA
*2
塗料は以下に示したもの又はこれらと同等以上のものを使用することが望ましい。なお、
指−104−03「球形ガスホルダー指針」の「付属書8.塗料」に貯槽に用いる代表的な塗料の特徴
JGA 指−104−13「球形ガスホルダー指針」の「付属書7.塗料」に貯槽に用いる代表的な塗料
が示されている。
の特徴が示されている。
−317−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(1) 1次プライマー
(1) 1次プライマー
(a)
JIS K 5633(2002)「エッチングプライマー」に規定する2種
(a) エッチングプライマー
(b)
JIS K 5552(2002)「ジンクリッチプライマー」
(b) ジンクリッチプライマー JIS K 5552(2010)
(2) 下塗塗料
JIS K 5633(2010)2種
(2) 下塗塗料
(a) 変性エポキシ樹脂塗料
(a) 変性エポキシ樹脂塗料
(b)
JIS K 5551(2002)「エポキシ樹脂塗料」
(b) エポキシ樹脂塗料 JIS K 5551(2008)「構造物用さび止めペイント」
(c)
JIS K 5639(2002)「塩化ゴム系塗料」
(d) 油性系さび止塗料**1
JIS K 5551(2008) 「構造物用さび止めペイント」
(c) 鉛・クロムフリーさび止めペイント JIS K 5674(2008)
(3) 中塗及び上塗塗料
(3) 中塗及び上塗塗料
(a)
JIS K 5516(2003)「合成樹脂調合ペイント(長油性フタル酸樹脂塗料)
」に規定する2種
(a) 長油性フタル酸樹脂塗料 JIS K 5516(2003)「合成樹脂調合ペイント」
(b)
JIS K 5492(2003)「アルミニウムペイント」
(b) アルミニウムペイント
(c)
JIS K 5664(2002)「タールエポキシ樹脂塗料」に規定する1種
(d)
JIS K 5551(2002)「エポキシ樹脂塗料」
(e)
JIS K 5554(2002)「フェノール樹脂雲母状酸化鉄塗料」
(f)
JIS K 5639(2002)「塩化ゴム系塗料」
(g)
JIS K 5657(2002)「鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料」
(d) ポリウレタン樹脂塗料
(h)
JIS K 5659(2002)「鋼構造物用ふっ素樹脂塗料」
(e) ふっ素樹脂塗料
(c) エポキシ樹脂塗料 JIS K 5551(2008)「構造物用さび止めペイント」
(i) シリコン樹脂塗料
*3
JIS K 5659(2008) 「鋼構造物用耐候性塗料」
(4) 球形LPG貯槽の溶接開先部一時防錆処理剤
**2
溶接開先部一時防錆処理剤は、溶接に支障のないものであること。**1
塗料を重ね塗りする際は,塗装後に層間はく離等の塗装欠陥を生じないよう塗料種別間の重
ね塗りの適合性を確認する必要がある。
*3 塗料を重ね塗りする際は、塗装後に層間はく離等の塗装欠陥を生じないよう塗料種別間の重
ね塗りの適合性を確認する必要がある。
【参 考】
**1
JIS K 5659(2008) 「鋼構造物用耐候性塗料」
(f) シリコン樹脂塗料 JIS K 5659(2008) 「鋼構造物用耐候性塗料」
(4) 球形貯槽の溶接開先部一時防錆処理剤
溶接開先部一時防錆処理剤は,溶接に支障のないものであること。
JIS K 5492(2003)1種
【参 考】
油性系さび止塗料には,従来より鉛化合物,6価クロム化合物等を含むものが広く用いら
れてきたが,環境保護及び安全衛生上,これらの物質を含む塗料は使用しないことが望まし
い。
**2
球形貯槽で使用されている溶接開先部の一時防錆処理剤には,タセトシルバー,クリンウ
エルドSE等の銘柄がある。
**1
球形LPG貯槽で使用されている溶接開先部の一時防錆処理剤には、下記等の銘柄があ
る。
なお,円筒形貯槽にあつては,防錆処理は通常実施しないので本指針では規定していない。
タセトシルバー、ペインタブルE3G、デオキシアルミナイト、クリンウエルド
なお、円筒形LPG貯槽にあっては、防錆処理は通常実施しないので本指針では規定して
いない。
−318−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
9. 3 素地調整
9. 3
素地調整は,素地の状態及び塗装仕様に適した方法で行う。*1
素地調整は、素地の状態及び塗装仕様に適した方法で行う。*1
【解 説】
*1
素地調整
【解 説】
鋼材面と塗膜の間に錆,黒皮,油分,水分,劣化塗膜等の付着物があると,塗装が持ってい
*1 鋼材面と塗膜の間に錆、黒皮、油分、水分、劣化塗膜等の付着物があると、塗装が持ってい
る防錆効果を十分発揮できないだけでなく,逆に鋼材の錆を促進させるように働き,塗膜の寿
る防錆効果を十分発揮できないだけでなく、逆に鋼材の錆を促進させるように働き、塗膜の寿
命を縮める。このため,素地調整は,塗装効果を左右する重要な工程であるので厳重な管理の
命を縮める。このため、素地調整は、塗装効果を左右する重要な工程であるので厳重な管理の
もとに施工する。素地調整と仕上状態の特徴を解表9−1に示す。素地調整に関する規格のう
もとに施工する。素地調整と仕上状態の特徴を解表9−1に示す。素地調整に関する規格のう
ち,ISO 8501-1(1988)「塗料及び関連製品を塗装する前の鋼被塗物の調整−表面清浄度の視感
ち、ISO 8501-1(2007)は、素地調整程度を写真で判定するものであり、日本で多く用いられて
評価−第1部」は,素地調整程度を写真で判定するものであり,日本で多く用いられている。
いる。本指針では、ISO を基本として記述する。
本指針では,ISO を基本として記述する。
解表9−1 素地調整と仕上状態
調
整
方
法
1)
ブラスト法
圧縮空気等によりけい砂(サンドブラ
スト),鋼球(ショットブラスト)等
をノズルから噴射させ,鋼材の黒皮,
赤さび等を完全に除去する。処理後は
乾燥圧縮空気で清掃する。
動力工具,手工具による方法
ディスクサンダー,スクレーパー(ケ
レン棒),ケレンハンマー,ワイヤー
ブラシ等を用いて浮いた黒皮,ふく
れ,さび,老化した旧塗膜等を除去す
る。処理後動力ブラシ,ほうき,ウエ
ス等で清掃する。
仕
Sa3
上
解表9−1 素地調整と仕上状態
状
態 (ISO)
調
整
方
法
1)
ブラスト法
圧縮空気等により、鋼球(ショットブ
ラスト)等をノズルから噴射させ、鋼
材の黒皮、赤さび等を完全に除去す
る。処理後は乾燥圧縮空気で清掃す
る。
黒皮その他あらゆる付着物を完全に
除去する。金属面をピカピカにし,外
観が Sa3の リントに対応しなけれ
ばならない。
黒皮その他の付着物をこん跡程度に
なるまで除去する。除錆率は 95%以
Sa2 1 2
上とし,外観が Sa2 12 のプリントに
対応しなければならない。
Sa2
ほとんどの黒皮,さび,付着物を除去
し,灰色を呈するまでにする。除錆率
は 65%以上とし,外観が Sa2のプリ
ントに対応しなければならない。
St3
黒皮,さび等ルーズな付着物を入念に
除去し,十分な金属光沢を呈するまで
にし(健全な旧塗膜は残してもよ
い。),外観が St3のプリントに対応
しなければならない。
St2
特にルーズなさびや油脂等の付着物
を除去し,わずかに金属光沢を呈する
ようにし(健全な旧塗膜は残してもよ
い。),外観が St2のプリントに対応
しなければならない。
動力工具、手工具による方法
ディスクサンダー、スクレーパー(ケ
レン棒)、ケレンハンマー、ワイヤー
ブラシ等を用いて浮いた黒皮、ふく
れ、さび、老化した旧塗膜等を除去す
る。処理後動力ブラシ、ほうき、ウエ
ス等で清掃する。
注 1) ブラスト法で飛散防止等の目的で湿式が用いられることがあるが,水を用いるので処理後赤さびが出やすく乾式
に比べて能率が悪い欠点がある。
−319−
仕
Sa3
上
状
態 (ISO)
黒皮その他あらゆる付着物を完全に
除去する。金属面をピカピカにし、外
観が Sa3のプリントに対応しなけれ
ばならない。
黒皮その他の付着物をこん跡程度に
なるまで除去する。除錆率は 95%以
Sa2 1 2
上とし、外観が Sa2 12 のプリントに
対応しなければならない。
Sa2
ほとんどの黒皮、さび、付着物を除去
し、灰色を呈するまでにする。除錆率
は 65%以上とし、外観が Sa2のプリ
ントに対応しなければならない。
St3
黒皮、さび等ルーズな付着物を入念に
除去し、十分な金属光沢を呈するまで
にし(健全な旧塗膜は残してもよ
い。)、外観が St3のプリントに対応
しなければならない。
St2
特にルーズなさびや油脂等の付着物
を除去し、わずかに金属光沢を呈する
ようにし(健全な旧塗膜は残してもよ
い。)、外観が St2のプリントに対応
しなければならない。
注 1) ブラスト法で飛散防止等の目的で湿式が用いられることがあるが、水を用いるので処理後赤さびが出やすく乾
式に比べて能率が悪い欠点がある。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
9. 4 建設時の塗装
(1)
9. 4
(1) LPG貯槽本体外面の塗装
貯槽本体外面の塗装*1
LPG貯槽本体外面の塗装は、耐食性及び耐候性を考慮したもの*1とするとともに、
貯槽本体外面の塗装は,耐食性及び耐候性を考慮したものとするとともに,周囲の環
境に適した色調のものを選択する。
(2)
周囲の環境に適した色調のものを選択する。
(2) 球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理
球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理
球形胴板の溶接開先部については,一時防錆処理剤を塗布する。*2
(3)
球形胴板の溶接開先部については、一時防錆処理剤を塗布する。*2
(3) 球形LPG貯槽耐圧部内面の塗装
球形貯槽耐圧部内面の塗装
球形貯槽耐圧部内面は,工事期間中の防錆塗装を行う*3ことが望ましい。
(4)
球形LPG貯槽耐圧部内面は、工事期間中の防錆塗装を行う*3ことが望ましい。
(4) 内部旋回足場等の塗装
内部旋回足場等の塗装
貯槽内部旋回足場,レール及び内部梯子は本体耐圧部内面と同じ塗装仕様とすること
LPG貯槽内部旋回足場、レール及び内部梯子は本体耐圧部内面と同じ塗装仕様とす
が望ましい。
(5)
ることが望ましい。
(5) 外部階段類その他の塗装
外部階段類その他の塗装
階段類,配管等は,本体外面と同じ塗装仕様とすることが望ましい。
階段類、配管等は、本体外面と同じ塗装仕様とすることが望ましい。
【解 説】
*1
建設時の塗装
【解 説】
塗装仕様は,下塗,中塗及び上塗の組合せがいろいろあるが,以下に一般的な塗装仕様であ
る「変性エポキシ樹脂さび止+ポリウレタン樹脂塗装系」の仕様例**1**2を示す。塗装仕様例
の中塗り及び上塗りの塗料には,ポリウレタン樹脂塗料の他,シリコン樹脂塗料やふっ素樹脂
*1
塗装仕様は、下塗、中塗及び上塗の組合せがいろいろあるが、次の組み合わせが多く使用
されている。
・変性エポキシ樹脂さび止め+ポリウレタン樹脂塗装系**1**2
塗料等がある。しかし,ふっ素樹脂塗料を選択する場合,耐久性が向上する反面,塗膜の硬度
また、塗装仕様の中塗り及び上塗りの塗料には、ポリウレタン樹脂塗料の他、シリコン樹脂
が高いため,開放検査時の非破壊検査部の塗装はく離や塗り替え時の素地調整の作業性が,他
塗料やふっ素樹脂塗料等がある。しかし、ふっ素樹脂塗料を選択する場合、耐久性が向上す
の塗料に比べて低下する点を考慮すること。
る反面、塗膜の硬度が高いため、開放検査時の非破壊検査部の塗装はく離や塗り替え時の素
地調整の作業効率が、他の塗料に比べて低下する点を考慮すること。
*2 球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理は,開先部及び開先から片側 100mm の範囲について
*2 球形胴板の溶接開先部の一時防錆処理は、開先部及び開先から片側 100mm の範囲について
開先加工後施工する。塗装回数は1回,乾燥膜厚は 10μm 程度とする。塗布量が多すぎると,
開先加工後施工する。塗装回数は1回、乾燥膜厚は 10μm 程度とする。塗布量が多すぎると、
溶接部に対して悪影響を及ぼすことになるので注意を要する。
溶接部に対して悪影響を及ぼすことになるので注意を要する。
*3
球形貯槽については,工事期間が長いので,内面についても工事期間中の防錆を考慮して,
一次プライマーまでの塗装を行う。**3
*3 球形LPG貯槽については、工事期間が長いので、内面についても工事期間中の防錆を考慮
して、一次プライマーまでの塗装を行う。**3
−320−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【参 考】
【参 考】
**1 円筒形貯槽の塗装仕様例を参表9−1に示す。
**1 円筒形LPG貯槽の塗装仕様例を参表9−1に示す。
参表9−1 円筒形貯槽本体外面の塗装仕様例
参表9−1 円筒形LPG貯槽本体外面の塗装仕様例
乾燥膜厚
施工場所
工
程
塗料及び処置
塗回数
塗り方
(μm/
回)
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
現
場
1 素 地 調 整 ブラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
2
1
プライマー プライマー
3 下
地 4
次 ジンクリッチ
塗
2
①
変性エポキシ
樹脂さび止塗料
1
1
エアレス
刷
毛
20
50
次 下塗損傷部を動力工具又は手工具により除錆
素 地 調 整 (ISO St3)
塗装間隔
下限
上限
―
3時間
24 時間
6月
16 時間
−
乾燥膜厚
施工場所
工
程
地 5 補
修
塗 変性エポキシ
1
刷
毛
50
16 時間
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
1月
−
地 6 下
塗
②
変性エポキシ
2
樹脂さび止塗料
刷
毛
50
16 時間
1
次 ジンクリッチ
プライマー プライマー
3 下
場
現
地 4
現
現
地 7 中
地 8 上
塗
塗
樹脂塗料用中塗
ポリウレタン
樹脂塗料上塗
1
1
刷
刷
毛
毛
30
30
16 時間
−
1
エアレス
15
塗
① 樹脂さび止め塗
1
刷
40
毛
料
2
次 下塗損傷部を動力工具又は手工具により除錆
素 地 調 整 (ISO St3)
上欄損傷部に
地 5 補
修
塗
変性エポキシ
樹脂さび止め塗
1
刷
毛
40
1
刷
毛
40
1
刷
毛
30
1
刷
毛
30
料
1月
変性エポキシ
現
ポリウレタン
(μm/
変性エポキシ
工
現
1
塗り方
1 素 地 調 整 ブラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
1月
樹脂さび止塗料
現
塗回数
回)
上欄損傷部に
現
塗料及び処置
地 6 下
塗
② 樹脂さび止め塗
料
10 日
現
地 7 中
塗
現
地 8 上
塗
−
備 考
1. 耐火被覆部については,工程6まで行う。
2. 現地で耐圧,気密試験を行うものにあっては,下塗①は,溶接線幅 200mm(片側 100mm)を塗り残しておき,
気密テスト後,工程3より行う。
3. 現地塗装の工程で,塗装間隔がやむを得ず長くなる場合は,塗装前に素地調整を行うこと。
ポリウレタン
樹脂塗料用
ポリウレタン
樹脂塗料
備 考
1. 耐火被覆部については、工程6まで行う。
2. 現地で耐圧試験、気密試験を行うものにあっては、下塗①は、溶接線幅 200mm(片側 100mm)を塗り残して
おき、気密テスト後、工程3より行う。
3. 現地塗装の工程で、塗装間隔がやむを得ず長くなる場合は、塗装前に素地調整を行うこと。
−321−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
**2 球形貯槽の塗装仕様例を参表9−2に示す。
**2 球形LPG貯槽の塗装仕様例を参表9−2に示す。
参表9−2 球形貯槽本体外面の塗装仕様例
参表9−2 球形LPG貯槽本体外面の塗装仕様例
塗装間隔
乾燥膜厚
施工場所
工
程
塗料及び処置
塗回数
塗り方
(μm/
回)
素材メーカー
工
場
素材メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
現
場
)
1 素 地 調 整 プラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
2
3
次 ジンクリッチ
1
プライマー プライマー
2
1
エアレス
20
次 プライマー損傷部を動力工具又は手工具により
素 地 調 整 除錆(ISO St3)し,白さびを除去する。
下限
上限
−
3時間
24 時間
6月
−
−
乾燥膜厚
施工場所
修
塗 ジンクリッチ
1
エアレス
15
24 時間
素材メーカー
工
5 下
地 6
塗
3
①
樹脂さび止塗料
1
刷
毛
50
次 下塗損傷部及び溶接部を動力工具又は手工具に
素 地 調 整 より除錆(ISO St3)
16 時間
−
工
地 7 補
修
塗 変性エポキシ
1
刷
毛
50
16 時間
工
現
現
備 考
1.
2.
3.
4.
5.
地 8 下
地 9 中
地 10 上
塗
②
塗
塗
変性エポキシ
樹脂さび止塗料
6月
工
ポリウレタン樹
脂系塗料用中塗
ポリウレタン
樹脂塗料上塗
刷
毛
50
16 時間
場
製作メーカー
1月
塗料及び処置
塗回数
塗り方
(μm/
)
1 素 地 調 整 プラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
2
3
次 ジンクリッチ
1
プライマー プライマー
2
1
エアレス
15
次 プライマー損傷部を動力工具又は手工具により
素 地 調 整 除錆(ISO St3)し、白さびを除去する。
上欄損傷部に
4 補
修
塗 ジンクリッチ
1
エアレス
15
1
刷
40
プライマー
変性エポキシ
5 下
工
場
現
地 6
−
塗
① 樹脂さび止め塗
毛
料
3
次 下塗損傷部及び溶接部を動力工具又は手工具に
素 地 調 整 より除錆(ISO St3)
上欄損傷部に
1月
現
1
場
製作メーカー
樹脂さび止塗料
現
場
製作メーカー
上欄損傷部に
現
場
素材メーカー
プライマー
変性エポキシ
程
回)
上欄損傷部に
4 補
工
地 7 補
修
塗
変性エポキシ
樹脂さび止め塗
1
刷
毛
40
1
刷
毛
40
1
刷
毛
30
1
刷
毛
30
料
1月
変性エポキシ
1
1
刷
刷
毛
毛
30
16 時間
10 日
30
−
−
溶接後熱処理を行う板については熱処埋後,工程1及び2を行う。
耐火被覆部については,工程8まで行う。
タイロッドの素地調整は動力工具か酸洗でもよい。
白さびとは,亜鉛末を多量に含む塗料に特有な塗膜劣化によるさびである。
現地塗装の工程で,塗装間隔がやむを得ず長くなる場合は,塗装前に素地調整を行うこと。
現
地 8 下
塗
② 樹脂さび止め塗
料
備 考
1.
2.
3.
4.
5.
−322−
現
地 9 中
塗
現
地 10 上
塗
ポリウレタン樹
脂系塗料用
ポリウレタン
樹脂塗料
溶接後熱処理を行う板については熱処埋後、工程1及び2を行う。
耐火被覆部については、工程8まで行う。
タイロッドの素地調整は動力工具か酸洗でもよい。
白さびとは、亜鉛末を多量に含む塗料に特有な塗膜劣化によるさびである。
現地塗装の工程で、塗装間隔がやむを得ず長くなる場合は、塗装前に素地調整を行うこと。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
**7 球形貯槽内面の塗装仕様例を参表9−3に示す。
**7 球形LPG貯槽内面の塗装仕様例を参表9−3に示す。
参表9−3 球形貯槽本体内面の塗装仕様例
参表9−3 球形LPG貯槽本体内面の塗装仕様例
乾燥膜厚
施工場所
工
程
塗料及び処置
塗回数
塗り方
(μm/
回)
素材メーカー
工
場
素材メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
1 素 地 調 整 ブラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
2
3
1
次 ジンクリッチ
プ ラ イ マ ー プライマー
1
エアレス
20
2 次 素 地 プライマー損傷部を動力工具又は手工具により除錆
調
整 (ISO St3)し,白さびを除去する。
塗装間隔
下限
上限
−
3時間
24 時間
6月
−
−
乾燥膜厚
施工場所
1
エアレス
20
−
素材メーカー
工
場
素材メーカー
工
場
製作メーカー
工
場
製作メーカー
−
工
プライマー
備 考
1. 溶接後熱処理を行う板については熱処理後,工程1及び2を行う。
塗料及び処置
塗回数
塗り方
(μm/
場
1 素 地 調 整 ブラスト処理(ISO Sa2 1 2 以上)
2
3
1
次 ジンクリッチ
プ ラ イ マ ー プライマー
1
エアレス
15
2 次 素 地 プライマー損傷部を動力工具又は手工具により除錆
調
整 (ISO St3)し、白さびを除去する。
上欄損傷部に
4 補 修 塗 ジンクリッチ
1
エアレス
20
プライマー
備 考
1. 溶接後熱処理を行う板については熱処理後、工程1及び2を行う。
2. 上記の使用例は一例である。
3. 出典:重防食塗料ガイドブック第3版(日本塗料工業会)
9. 5 使用開始後の塗装
9. 5
9. 5. 1 補修塗
使用開始後の塗装
9. 5. 1 塗装の補修
補修塗を行う場合の素地調整及び塗装仕様は,補修対象範囲の被塗面の発錆の程度,塗
塗装の補修を行う場合の素地調整及び塗装仕様は、補修対象範囲の被塗面の発錆の程度、
膜の劣化の状況に応じて,適切な方法で行う。*1*2
塗膜の劣化の状況に応じて、適切な方法で行う。*1*2
【解 説】
*1
程
回)
上欄損傷部に
4 補 修 塗 ジンクリッチ
工
【解 説】
補修塗対象範囲の被塗面の発錆の程度,塗膜の劣化の状況に応じた素地調整及び塗装仕様例
を解表9−2に示す。なお補修塗装仕様は,9.4「建設時の塗装」に定める塗装仕様で行う。全
面補修塗を行うかどうかは,開放検査の時期及び塗装仕様を考慮して決定する。
*1 補修対象範囲の被塗面の発錆の程度、塗膜の劣化の状況に応じた素地調整及び塗装仕様例を
解表9−2に示す。なお補修時の塗装仕様は、9.4「建設時の塗装」に定める塗装仕様で行う。
塗装の全面補修を行うかどうかは、開放検査の時期及び塗装仕様を考慮して決定する。
−323−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解表9−2 補修塗の素地調整及び塗装仕様例
解表9−2 塗装補修時の素地調整及び塗装仕様例
区 補修対象範囲の発錆
分 及び塗膜劣化の程度
1
2
3
4
素
地
調
査
塗
装
区 補修対象範囲の発錆
仕 様**1
塗膜面のほとんどに
ワレ,ハガレ,さび
が発生し,塗膜効果
が全く失効している
状態
スクレーパー(ケレン棒),ハンマー,
ディスクサンダー等を併用し,劣化塗
膜,さびを除去する(ISO St3)か又は
ブラスト処理をし(ISO Sa2以上),補
修対象範囲全面の鉄肌を出す。
補修対象範囲全面
に素地調整以後の
塗装を行う。
かなり大きな点さび
が点在し,小さい点
さびが補修対象範囲
全面に存在している
状態
スクレーパー,ディスクサンダー等で
さびを除去し(ISO St3),活膜部分は
ワイヤーブラシ等で清掃するか,又は
ブラスト処理をし(ISO Sa2以上),補
修対象範囲全面の鉄肌を出す。
除錆部分について
は,補修塗以後の,
又清掃部分について
は中塗以後の塗装を
行う。
大きい点さび又は,
小さい点さびが少し
出ている状態
スクレーパー,ディスクサンダー等で
さびを除去する(ISO St3)。
除錆部分について補
修塗以後の塗装を行
う。
発錆はほとんどない
がチョーキングをお
こしたり,層間はく
離が進行して上塗塗
膜が消失している状
態
劣化塗膜をワイヤーブラシ等で清掃
する。
清掃部分について中
又は上塗以後の塗装
を行う。
分 及び塗膜劣化の程度
1
2
3
4
*2 塗膜の付着性の劣化を判定する方法として,
日本鋼構造協会
「鋼橋塗膜調査マニュアル JSS Ⅳ
03-1993」における碁盤目試験,クロスカット試験及びインピーダンス法等が一般的である。
−324−
*2
素
地
調
査
塗
装
仕 様**1
塗膜面のほとんどに
ワレ、ハガレ、さび
が発生し、塗膜効果
が全く失効している
状態
スクレーパー(ケレン棒)、ハンマー、
ディスクサンダー等を併用し、劣化塗
膜、さびを除去する(ISO St3)か、又
はブラスト処理をし(ISO Sa2以上)、
補修対象範囲全面の鉄肌を出す。
補修対象範囲全面
に素地調整以後の
塗装を行う。
かなり大きな点さび
が点在し、小さい点
さびが補修対象範囲
全面に存在している
状態
スクレーパー、ディスクサンダー等で
さびを除去し(ISO St3)、活膜部分は
ワイヤーブラシ等で清掃するか、又は
ブラスト処理をし(ISO Sa2以上)、補
修対象範囲全面の鉄肌を出す。
除錆部分について
は、補修塗以後の、
又清掃部分について
は中塗以後の塗装を
行う。
大きい点さび又は、
小さい点さびが少し
出ている状態
スクレーパー、ディスクサンダー等で
さびを除去する(ISO St3)。
除錆部分について補
修塗以後の塗装を行
う。
発錆はほとんどない
がチョーキングをお
こしたり、層間はく
離が進行して上塗塗
膜が消失している状
態
劣化塗膜をワイヤーブラシ等で清掃
する。
清掃部分について中
又は上塗以後の塗装
を行う。
塗膜の付着性の劣化を判定する方法として、 クロスカット法(JIS K 5600-5-6(1999)「塗
料一般試験方法」)等が一般的である。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【参 考】
【参 考】
**1 補修塗装仕様例を参表9−4に示す。
**1 塗装補修仕様例を参表9−4に示す。
参表9−4 本体外面の補修塗装仕様例
施工場所
現
工
程
地 1 素地調整
塗料及び処置
塗回数
塗り方
乾燥膜厚
(μm/回)
損傷部を動力工具若しくは手工具(ISO St3)又は
ブラスト処理(ISO Sa2以上)により除錆
参表9−4 本体外面の塗装補修仕様例
塗装間隔
下限
上限
―
―
施工場所
現
工
程
地 1 素地調整
地 2 補 修 塗 変性エポキシ
1
刷
毛
50
16 時間 1月
現
地 3 下
塗
現
地 4 中
塗
現
地 5 上
塗
変性エポキシ
樹脂さび止塗料
ポリウレタン
樹脂塗料中塗
ポリウレタン
樹脂塗料上塗
1
刷
毛
50
16 時間 1月
現
地 3 下
塗
1
刷
毛
30
16 時間 10 日
現
地 4 中
塗
1
刷
毛
30
現
地 5 上
塗
―
―
ブラスト処理(ISO Sa2以上)により除錆
1
刷
毛
40
変性エポキシ
樹脂さび止め塗料
1
刷
毛
40
ポリウレタン
樹脂塗料中塗
1
刷
毛
30
ポリウレタン
樹脂塗料上塗
1
刷
毛
30
9. 5. 2 開放検査・供用中検査時の塗装
(1)
非破壊試験を実施する部分について,サンドブラスト,ウェットサンドブラスト,ウ
非破壊試験を実施する部分について、必要に応じて、ブラスト、ウォータージェット
等により塗装のはく離を行う。*1*2*3
ォータージェット等により塗装のはく離を行う。*1*2*3
(2)
乾燥膜厚
(μm/回)
樹脂さび止め塗料
9. 5. 2 開放検査時の塗装
(1)
塗り方
損傷部を動力工具若しくは手工具(ISO St3)又は
地 2 補 修 塗 変性エポキシ
樹脂さび止塗料
現
塗回数
上欄損傷部に
上欄損傷部に
現
塗料及び処置
(2) 非破壊試験完了後、9.5.1「塗装の補修」に準じて適切な方法で素地調整及び塗装を行う。*
非破壊試験完了後,9.5.1「補修塗」に準じて適切な方法で素地調整及び塗装を行う。*4
4
【解 説】
【解 説】
*1
ブラスト法で塗装をはく離する場合や,動力工具や手工具で素地調整を行う場合,旧塗膜を
*1 ブラスト法で塗装をはく離する場合や、動力工具や手工具で素地調整を行う場合、旧塗膜を
含んだ研掃材や粉塵が周辺に飛散することを防ぐ措置を講ずる必要がある。
含んだ研掃材や粉塵が周辺に飛散することを防ぐ措置を講ずる必要がある。
ウォータージェット法は,高圧の水を塗装面に噴射してはく離する方法であり,研掃剤が周
*2 ウォータージェット法は、高圧の水を塗装面に噴射してはく離する方法であり、研掃剤が周
辺に飛散せず,また産業廃棄物排出量が削減できる等の利点がある。しかし,塗料成分が水に
辺に飛散せず、また産業廃棄物排出量が削減できる等の利点がある。しかし、塗料成分が水に
溶けてしまうため,適切な排水処理を行うことが必要である。
溶けてしまうため、適切な排水処理を行うことが必要である。
*2
*3 塗装はく離剤は、人体に有害であるとともに本体面に悪影響を与える恐れがあるの
*3 塗装はく離剤は,人体に有害であるとともに本体面に悪影響を与える恐れがあるの
で、使用しないことが望ましい。やむを得ず使用する場合には、下記の点に留意する。
で,使用しないことが望ましい。やむを得ず使用する場合には,下記の点に留意する。
(1) はく離剤の塗布面を最小限に止めるような措置をする。
(1) はく離剤の塗布面を最小限に止めるような措置をする。
(2) はく離剤の流下を防止する措置をする。
(2) はく離剤の流下を防止する措置をする。
(3) はく離剤が残っていると,再塗装後にはく離を起こす原因になるので,はく離後,完全に洗
(3) はく離剤が残っていると、再塗装後にはく離を起こす原因になるので、はく離後、完全に
洗浄し、洗浄水の流下にも注意する。
浄し,洗浄水の流下にも注意する。
(4) 麻酔性ガスに対する換気や,はく離剤が皮膚に付着しないようゴム手袋・保護メガネなどに
−325−
(4) 人体に対して安全な方法で施工する。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
よる防護等,人体に対して安全な方法で施工する。
*4 開放検査時の外面の塗装については、下記の点を考慮して塗装を行う。
*4 開放検査時の外面の塗装については,下記の点を考慮して塗装を行う。
原則として塗膜の劣化の程度により全面塗装か部分塗装かを判断するが,開放検査では磁粉
原則として塗膜の劣化の程度により全面塗装か部分塗装かを判断するが、開放検査では磁粉
探傷試験を行うために検査対象範囲の塗装はく離を行うので,美観上の理由から全面塗装を行
探傷試験を行うために検査対象範囲の塗装はく離を行うので、美観上の理由から全面塗装を行
う場合がある。
う場合がある。
ただし,開放検査の都度,非破壊試験を実施しない部分に重ね塗りを行い続けると,厚膜と
ただし、開放検査あるいは供用中検査の都度、重ね塗りを行い続けると、厚膜となり、剥が
なり,剥がれ,割れ,ふくれ等の塗装欠陥が発生しやすくなる。塗装寿命の長期化を図るには,
れ、割れ、ふくれ等の塗装欠陥が発生しやすくなる。塗装寿命の長期化を図るには、事前に塗
事前に塗膜の付着性試験を行い,劣化が著しい場合は,開放検査にあわせて塗装全面のはく離
膜の付着性試験を行い、劣化が著しい場合は、開放検査にあわせて塗装全面のはく離を行うこ
を行うことが望ましい。
とが望ましい。
−326−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
9. 6 工事上の注意事項
(1)
9. 6
工事上の注意事項
(1) 素地調整の前処理
素地調整の前処理
素地調整に先立ち被塗面の油脂類及びマーキング跡等は揮発性溶剤を用いて十分に除
素地調整に先立ち被塗面の油脂類及びマーキング跡等は揮発性溶剤を用いて十分に除
去する。
(2)
去する。
(2) 塗料の調合
塗料の調合
塗料の調合は,塗装仕様に応じ適切に行う。*1
(3)
塗料の調合は、塗装仕様に応じ適切に行う。*1
(3) 塗料の保管
塗料の保管
塗料の保管及び運搬は,安全に注意する。*2
(4)
塗料の保管及び運搬は、安全に注意する。*2
(4) 塗装環境条件
塗装環境条件
塗装を行う場合は,適切な環境条件で行い*3,以下に示す塗装環境条件の場合は塗装
塗装を行う場合は、適切な環境条件で行う。*3。
を行ってはならない。
(a) 雨天,降雪の場合又は当日中に降雨,降雪が予想される場合
(b) 気温が5℃以下の場合又は表面温度が 60℃以上の場合
(c) 湿度 85%以上又は被塗面に結露している場合
(d) 強風で塵埃の多い場合(防風措置をした場合は塗装を行ってもよい。
)
(5)
(5) 塗膜の管理
塗膜の管理
(a)
(a)
塗装仕上面は滑らかで,かつ,塗膜はできる限り均一とする。とくに尖端部,すみ
角部,溶接部等では入念に塗装する。
塗装仕上面は滑らかで、かつ、塗膜はできる限り均一とする。とくに尖端部、すみ
角部、溶接部等では入念に塗装する。
(b) 中塗と上塗は,塗料の色をかえて識別出来るようにする。
(b) 中塗と上塗は、塗料の色をかえて識別出来るようにする。
(c) 塗料が乾燥するまでは,材料を積み重ねたり,上を歩いたりしてはならない。
(c) 塗料が乾燥するまでは、材料を積み重ねたり、上を歩いたりしてはならない。
(6) 塗 装 間 隔
(6) 塗 装 間 隔
塗装は適切な間隔で行う*4。また,ブラスト処理を行った金属表面は活性があり,
塗装は適切な間隔で行う*4。
短時間の内にさびを生ずるから,処理後ただちに塗装工程に移る必要がある。補修塗装
で動力工具や手工具を用いて素地調整を行った場合もできるだけ早く(遅くともその日
のうちに)塗装工程に移る。
【解 説】
【解 説】
*1 塗料の調合は,以下の点に注意して行う。
*1 塗料の調合は、以下の点に注意して行う。
(1) 塗料は開缶に先立ち,その塗料が仕様書に適合した材料であることを確認する。
(1) 塗料は開缶に先立ち、その塗料が仕様書に適合した材料であることを確認する。
(2) 塗料は原則として使用直前に開缶し,均一になるまでよく攪拌して使用する。
(2) 塗料は原則として使用直前に開缶し、均一になるまでよく攪拌して使用する。
(3) 塗料の希釈に際しては必ず所定の希釈剤を使用し,所定の希釈率で使用する。一般に刷毛塗
(3) 塗料の希釈に際しては必ず所定の希釈剤を使用し、所定の希釈率で使用する。一般に刷毛
りの場合,希釈率は 10%以内である。
塗りの場合、希釈率は 10%以内である。
(4) 使用時に混合する2液型の塗料では1セット毎に混合し,混合割合はメーカー指定による。
また混合液の塗料は使用可能時間に制限があるから十分注意して用いる。
*2
(4) 使用時に混合する2液型の塗料では1セット毎に混合し、混合割合はメーカー指定による。
また混合液の塗料は使用可能時間に制限があるから十分注意して用いる。
塗装に使われる材料は,引火しやすく,かつ,中毒のおそれがあるため,塗装作業中は常に
−327−
*2 塗装に使われる材料は、引火しやすく、かつ、中毒のおそれがあるため、塗装作業中は常に
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
爆発,火災及び中毒に注意する。なお,貯蔵,取扱いは消防法,労働安全衛生法等の規定に従
爆発、火災及び中毒に注意する。なお、貯蔵、取扱いは消防法、労働安全衛生法等の規定に従
う。
う。
*3 以下に示す塗装環境条件の場合は、塗装を行ってはならない。
*3 海岸付近で塗装を行う場合は,海塩粒子の影響を考慮して塗装を行う。
(1) 雨天、降雪の場合、又は当日中に降雨、降雪が予想される場合。
(2) 気温が5℃以下の場合、又は表面温度が 60℃以上の場合。
(3) 湿度 85%以上又は被塗面に結露している場合。
(4) 強風で塵埃の多い場合。(防風措置をした場合は塗装を行ってもよい。)
また、海岸付近で塗装を行う場合は、海塩粒子の影響を考慮して塗装を行う。
*4
塗装間隔の実際の管理においては,使用する塗料メーカーのデータによるものとし,夏季や
*4 塗装間隔の実際の管理においては、使用する塗料メーカーのデータによるものとし、夏季や
大気汚染の著しい場所では,上限を短縮することが望ましい。塗り重ね間隔が短かすぎる場合
大気汚染の著しい場所では、上限を短縮することが望ましい。塗り重ね間隔が短かすぎる場合
には,溶剤の蒸発が完全でなく反応が十分でないため,次の塗料の溶剤が浸透しやすくなり,
には、溶剤の蒸発が完全でなく反応が十分でないため、次の塗料の溶剤が浸透しやすくなり、
内部乾燥が遅れることになる。
内部乾燥が遅れることになる。冬季低温時は下地塗装の乾燥状態をよく確認すること。また、
ブラスト処理を行った金属表面は活性があり、短時間の内にさびを生ずるから、処理後ただち
に塗装工程に移るのが望ましい。
9. 7 検
(1)
査
9. 7
検
査
(1) あらかじめ定められた塗装要領書に従って、塗装仕様を満足していることを確認する。
あらかじめ定められた塗装要領書に従って,塗装仕様を満足していることを確認する。
その時期及び項目は以下による。
その時期及び項目は以下による。
(a) 素地調整の外観検査は,素地調整の直後に行う。
(a) 素地調整の外観検査は、素地調整の直後に行う。
(b) 現地における工程(下塗,中塗,上塗)毎に,次に掲げる検査を行う。
(b) 現地における工程(下塗、中塗、上塗)毎に、次に掲げる検査を行う。
(ⅰ) 塗面の外観を調べ,塗りムラ,塗り残し,ダレ,シワ等がないこと,及び色彩が
(ⅰ) 塗面の外観を調べ、塗りムラ、塗り残し、ダレ、シワ等がないこと、及び色彩が
適切であること。
適切であること。
(ⅱ) 各塗料毎の塗布量及び抜取りにより膜厚を調べ,塗布量及び膜厚が適切であるこ
(ⅱ) 塗料毎に抜取りにより膜厚を調べ、膜厚が適切であること。*1
(2) 立会区分及び検査成績書の提出範囲は、円筒形LPG貯槽では 6.1.22「立会区分及び
と。*1
(2)
立会区分及び検査成績書の提出範囲は,円筒形貯槽では 6.1.22「立会区分及び試験・
試験・検査成績書の提出範囲」、球形LPG貯槽では 6.2.30「立会区分及び試験・検査成
検査成績書の提出範囲」
,球形貯槽では 6.2.30「立会区分及び試験・検査成績書の提出範
績書の提出範囲」による。
(3) 内面塗装においては、ピンホールテスト*2を行い、ピンホールのないことを確認する。
囲」による。
(3)
内面塗装においては,ピンホールテスト*2を行い,ピンホールのないことを確認する。
【解 説】
【解 説】
*1 塗装膜厚は,塗装施工中は,塗布量で管理し,完成時には乾燥膜厚で管理する。
*1 塗装膜厚は、塗装施工中は、塗布量で管理し、完成時には乾燥膜厚で管理する。
(1) 塗布量の管理方法
(1) 塗布量の管理方法
所定の乾燥膜厚を得るのに必要な実際の塗料の使用量は,塗装施工中の塗料の飛散等によ
所定の乾燥膜厚を得るのに必要な実際の塗料の使用量は、塗装施工中の塗料の飛散等によ
る損失や溶剤及び塗料中の揮発分があるため,単純に塗布面積から算出した量より多くの塗
る損失や溶剤及び塗料中の揮発分があるため、単純に塗布面積から算出した量より多くの塗
料が必要となり,一般的にハケ塗りの場合は 30%増,エアレスの場合は 70%増を目安として
料が必要となり、一般的にハケ塗りの場合は 30%増、エアレスの場合は 70%増を目安とし
塗布量を管理する。
て塗布量を管理する。
(2) 膜厚の管理方法
(2) 膜厚の管理方法
−328−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
乾燥膜厚の測定は,一般的に電磁膜厚計が使用され,膜厚測定箇所の一例としては,胴板
乾燥膜厚の測定は、一般的に電磁膜厚計が使用され、膜厚測定箇所の一例としては、胴板
の上部,赤道部,下部及び支柱について各4箇所を選定し,1箇所につき 10cm 四方で5点
の上部、赤道部、下部及び支柱について各4箇所を選定し、1箇所につき 10cm 四方で5点
測定する方法がある。
測定する方法がある。
塗装仕様例に示す乾燥膜厚の数値は平均乾燥膜厚を意味し,解図9−1(a)に示すように,
塗装仕様例に示す乾燥膜厚の数値は平均乾燥膜厚を意味し、解図9−1(a)に示すように、
平滑面に平滑に塗装した場合の膜厚である。しかし,実際には素地及び塗膜の表面粗度,測
平滑面に平滑に塗装した場合の膜厚である。しかし、実際には素地及び塗膜の表面粗度、測
定方法により解図9−1(b)に示すように±30%程度のバラツキがあるため,判定については
定方法により解図9−1(b)に示すように±30%程度のバラツキがあるため、判定について
上記の5点の平均が所定の乾燥膜厚以上,かつ,最低膜厚が所定の乾燥膜厚の 70%以上のと
は上記の5点の平均が所定の乾燥膜厚以上、かつ、最低膜厚が所定の乾燥膜厚の 70%以上の
き合格とする。
とき合格とする。
(a)
(b)
(a)
(b)
解図9−1 塗 装 膜 厚
解図9−1 塗 装 膜 厚
(図中の数値は,乾燥膜厚 100μm の例)
(図中の数値は、乾燥膜厚 100μm の例)
*2 一般的に交流高電圧放電式ピンホール探知器が用いられる。
*2 一般的に交流高電圧放電式ピンホール探知器が用いられる。
−329−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
第 10 章 付 属 設 備 等
第 10 章 保
安
第 12 章 レ イ ア ウ ト
10.1 一
般 ……………………………………………………………………………………
10.2 レイアウト …………………………………………………………………………………
12.1 一
般 ……………………………………………………………………………………
10.2.1 適用法令等 ……………………………………………………………………………
12.2 離隔距離 ……………………………………………………………………………………
10.2.2 離隔距離 ………………………………………………………………………………
12.2.1 事業場の境界線までの距離 …………………………………………………………
(1) 境界線の定義及び分類 ………………………………………………………………
(2) 特定事業所以外の事業所に設置される貯槽の境界線までの距離 ………………
(3) 特定事業所に設置される貯槽の境界線までの距離 ………………………………
12.2.2 貯槽の保安物件までの距離 …………………………………………………………
12.3 保安区画 ……………………………………………………………………………………
10.2.3 保安区画 ………………………………………………………………………………
12.3.1 保安区画 ………………………………………………………………………………
12.3.2 保安区画相互の設備間距離 …………………………………………………………
12.4 設備間距離 …………………………………………………………………………………
12.4.1 貯槽と火気設備との距離 ……………………………………………………………
10.2.4 火気設備との距離
12.4.2 貯槽相互間の距離 ……………………………………………………………………
10.2.5 液化ガス用貯槽の相互間の距離………………………………………………………
12.4.3 貯槽と高圧のガスホルダー相互間の距離 …………………………………………
10.2.6 LPG貯槽と高圧のガスホルダー相互間の距離 …………………………………………
12.5 防液提 ………………………………………………………………………………………
10.2.7 防液提 ………………………………………………………………………………………
12.5.1 防液提の位置 …………………………………………………………………………
10.2.7.1 防液提の位置 …………………………………………………………………………
12.5.2 防液提内外の設備の制限 ……………………………………………………………
10.2.7.2 防液提内外の設備の制限 ……………………………………………………………
12.5.3 防液提の内側に設置することができる設備 ………………………………………
12.5.4 防液提の外側に設置することができる設備 ………………………………………
330
……………………………………………………………………
現行 LPG貯槽指針
10. 1 一
LPG貯槽指針 改訂案
般 …………………………………………………………………………………
10.3 予防設備 ……………………………………………………………………………………
示 ……………………………………………………………………………
10.3.1 表示 ……………………………………………………………………………………
10.7.1 表
10.2 バルブ等 …………………………………………………………………………………
10.2.1 元弁 ……………………………………………………………………………
10.3.2 元弁 ………………………………………………………………………………………
10.2.3 安全弁 ……………………………………………………………………………
10.3.3 安全弁 …………………………………………………………………………………
10.2.3.1 一
般
……………………………………………………………………
10.3.3.1 一
般 …………………………………………………………………………
10.2.3.2 安全弁の構造及び取付方法 …………………………………………………
10.2 3.3 安全弁の放散管 ………………………………………………………………
10.3.3.2 安全弁の放散管 …………………………………………………………………
10.2.3.4 安全弁の吹出し性能 …………………………………………………………
10.2.4 ガスの置換装置 ………………………………………………………………………
10. 3 配
10.3.4 ガスの置換装置 ………………………………………………………………………
管 …………………………………………………………………………………
10.3.1 入 出 配 管 ……………………………………………………………………………
10.3.5 入出配管…… …………………………………………………………………………
10.3.2 ドレン抜き装置 ………………………………………………………………………
10.3.6 ドレン抜き装置 ………………………………………………………………………
10.4.5 静電気除去措置 ………………………………………………………………………
10.3.7 静電気除去措置 ………………………………………………………………………
10.4.6 雷保護システム ………………………………………………………………………
10.3.8 雷保護システム ………………………………………………………………………
10.4.7 電気設備の防爆 ………………………………………………………………………
10.3.9 電気設備の防爆 ……………………………………………………………………
10.4.8 保安電力等 ……………………………………………………………………………
10.3.10 保安電力等 ……………………………………………………………………………
10.4 電気・計装設備
……………………………………………………………………………
10.4 監視設備 ……………………………………………………………………………
10.4.1 圧力計 ……………………………………………………………………………
10.4.1 圧力計 ……………………………………………………………………………
10.4.2 温度計 ……………………………………………………………………………
10.4.2 温度計 ……………………………………………………………………………
10.4.3 液面計 ……………………………………………………………………………
10.4.3 液面計 ……………………………………………………………………………
10.4.4 ガス漏えい検知警報設備 ……………………………………………………………
10.4.4 ガス漏えい検知警報設備 ……………………………………………………………
10.4.4.1 一
般
……………………………………………………………………
10.4.4.1 一
10.4.4.2 ガス漏えい検知警報設備の機能,構造基準 ………………………………
(1) 機
能 ……………………………………………………………………
(2) 構
造 ……………………………………………………………………
10. 5 防消火設備等
………………………………………………………………………………
般 ……………………………………………………………………
10.4.4.2 ガス漏えい検知警報設備の機能,構造基準 ………………………………
10.5 拡大防止設備 …………………………………………………………………………………
331
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10.2.2 遮断装置……………………………………………………………………………
10.5.1 遮断装置 …………………………………………………………………………………
10.6 防 液 堤 等 …………………………………………………………………………………
10.5.2 防液堤等 …………………………………………………………………………………
10.6.1 防 液 堤 ……………………………………………………………………………
10.5.2.1 防液堤 ……………………………………………………………………………
10.6.2 液面拡大防止堤 ………………………………………………………………………
10.5.2.2 液面拡大防止堤 ………………………………………………………………………
10.5.1 消 火 設 備 ……………………………………………………………………………
10.5.3 消火設備 ………………………………………………………………………………
10.5.2 耐 熱 措 置 ……………………………………………………………………………
10.5.4 耐熱措置 …………………………………………………………………………………
10.5.3 溶
10.5.5 溶栓 ……………………………………………………………………………
栓 ……………………………………………………………………………
10.7 そ の 他 …………………………………………………………………………………
10.6 その他 …………………………………………………………………………………
10.7.2 階 段 類 ……………………………………………………………………………
10.6.1 階段類 …………………………………………………………………………………
10.7.3 基礎沈下量測定用マーキング・治具 ………………………………………………
10.6.2 基礎沈下量測定用マーキング・治具 ………………………………………………
332
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
第 12 章 レ イ ア ウ ト
第 10 章 保
10. 1 一
安
般
本章では、LPG貯槽に保安上求められるレイアウト、予防設備、監視設備及び拡大防止設
備等について規定する。
12. 1
一
般
10. 2 レイアウト
10. 2. 1 適用法令等
LPG貯槽と、事業場の境界線及び保安物件並びに他の設備の間の保安上必要な距離、防液
本章では,貯槽と事業場の境界線及び保安物件並びに他の設備の間の保安上必要な距離,
堤の位置及び防液堤内外の設備の制限については適用法令等を遵守すること。*1*2*3
防液堤の位置及び防液堤内外の設備の制限について規定する。*1*2*3
【解 説】
【解
*1 貯槽のレイアウトに関する省令,告示,解釈例の適用を解表 12−1に示す。
説】
*1 ガス事業法のレイアウトの規定のうち、LPG貯槽のレイアウトに関する省令、告示、解釈
例の適用を解表 10−1 に示す。
解表 10−1 レイアウトに関する省令・告示・解釈例の適用
解表 12−1 レイアウトに関する省令,告示,解釈例の適用
節タイトル
事業場の境界線までの距離
省
令
第6条第1項
第3項
告
解
釈
示
例
告示第2条第3項
告示第5条第3項,第4項
告示第3条
告示第4条第1項,第2項
解釈例第4条第1項,第2
項,第3項
特定事業
特 定
所以外の
事業所
事 業 場
節タイトル
省
令
告
解
釈
示
例
特定事業
特
定
所以外の
事業所
事 業 場
離隔距離
第6条第1項
第2項
第3項
告示第2条第3項
告示第3条
告示第4条第1項、第2項
告示第5条第3項、第4項
○
○
○
保安区画
第7条
解釈例第4条
−
○
第 11 条
解釈例第8条
○
○
○
○
○
○
−
貯槽の保安物件までの距離
第6条第2項
保安区画
第7条
保安区画相互の設備間距離
第7条
解釈例第4条第4項
−
○
火気設備との距離
貯槽と火気設備との距離
第 11 条
解釈例第8条
○
○
液化ガス用貯槽の
第6条第7項
相互間の距離
解釈例第3条
○
○
貯槽相互間の距離
第6条第7項
解釈例第3条第1項
○
○
LPG貯槽と高圧の
ガスホルダー相互間の距離
第6条第7項
解釈例第3条
○
○
貯槽と高圧のガスホルダー
第6条第7項
相互間の距離
解釈例第3条第1項
○
○
防液堤の位置
第 38 条第1項
解釈例第 95 条
○
○
防液堤内外の設備の制限
第 38 条第2項
解釈例第 96 条
○
○
防液堤の位置
第 38 条第1項 解釈例第 95 条第1項
○
○
防液堤内外の設備の制限
第 38 条第2項 解釈例第 96 条第1項
○
○
333
現行 LPG貯槽指針
防液堤の内側に設置
することができる設備
防液堤の外側に設置
することができる設備
LPG貯槽指針 改訂案
第 38 条第2項 解釈例第 96 条第2項
○
○
第 38 条第2項 解釈例第 96 条第2項
○
○
備 考
1.○印は、適用を示す。
2.
「特定事業所」とは、告示(平成 12 年通商産業省告示第 355 号)第5条に規定する製造所をいう。
3.
「保安物件」とは、告示第3条に規定する建築物をいう。
備 考
1.○印は,適用を示す。
*2
レイアウトを決定するにあたって,ガス事業法以外の関連法令の適用を受ける場合がある。
*2 レイアウトを決定するにあたって、ガス事業法以外の関連法令の適用を受ける場合がある。
ガス事業法以外の関連法令については,付属書1「適用法令等」に記載されている。
ガス事業法以外の主要な関連法令については、付属書1「適用法令等」に記載されている。
*3 本章において規定する貯槽に係る距離は,1.3「用語の意味」に規定する貯槽本体耐圧部の外
*3 本章において規定する LPG 貯槽に係る距離は、1.3「用語の意味」に規定する貯槽本体耐圧
面より測定するものをいう。
12. 2
部より測定するものをいう。
離隔距離
10. 2. 2 離隔距離
12. 2. 1 事業場の境界線までの距離
LPG貯槽はその外面*1から、事業場の境界線*2、特定事業所の境界線(特定事業所の場合)
(1) 境界線の定義及び分類
*3
事業場に接している土地又は施設の種類により,事業場の境界線を次の2種に分類する。
境界線A*1: 事業場(特定事業所を含む。
)の境界線が海,河川,湖沼等に接する場合は,
当該海,河川,湖沼等の対岸をいい,その他の場合は敷地の境界線をいう。
境界線B*2: 特定事業所の境界線であって,敷地が次の(a)から(f)の土地又は施設に接す
る場合は,その外縁をいい,その他の場合は敷地の境界線をいう。
(a) 海,河川,湖沼
(b) 水路及び工業用水道事業法(昭和 33 年法律第 84 号)第2条第3項に規定す
る工業用水道
(c) 道路及び鉄道
(d) 都市計画法(昭和 43 年法律第 100 号)第8条第1項第一号に規定する工業専
用地域又は工業専用地域になることが確実な地域内の土地
(e) 製造業(物品の加工修理業を含む。),電気供給業,ガス供給業及び倉庫業
に係る事業所の敷地のうち現にそれらの事業活動の用に供されているもの
(f) 当該特定事業所においてガス工作物を設置するものが所有し,若しくは地
上権,賃借権その他の土地の使用を目的とする権利を設定している土地
(2) 特定事業所以外の事業場に設置される貯槽の境界線までの距離
特定事業所以外の事業場に設置される貯槽は,その外面から境界線Aに対し3m 以上の距
離を有するものとする。
ただし,事業場の境界線上に高さ2m 以上,厚さ9cm 以上の鉄筋コンクリート造り又はこ
れと同等以上の強度及び耐火性を有する障壁を設けている場合は,0m 以上とすることがで
334
及び保安物件に対し適切な離隔距離*4を有すること。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
きる。
(3) 特定事業所に設置される貯槽の境界線までの距離
特定事業所に設置される貯槽の外面から境界線までの距離は,(2)の規定によるほか,次
の(a)及び(b)を満足しなければならない。
(a) 燃焼熱量の数値((c)に掲げる式中のKとWの積をいう。)が3.4×106以上の貯槽は,
その外面から境界線Aに対し20m以上の距離を有しなければならない。
(b) 貯槽はその外面から境界線Bに対し,(c)に示す式により算出した値(算出した値が50
未満の場合にあっては50)以上の距離を有しなければならない。
(c) 境界線Bに対する距離は,次の規定による。
(ⅰ) 境界線Bに対する距離の算出は,次の式による。
L=C 3 K W
ここで,
L:有しなければならない距離(m)
C:0.576(1の製造所が特定事業所となった場合において,それ以前に既に
当該製造所に設置され,又は設置若しくは変更のための工事に着手した貯槽にあ
っては 0.480)
K:LPGの種類に応じて表 12−1に掲げる値
W:貯蔵能力(t を単位とする。)の平方根の値
(ⅱ) 貯槽内に2以上のLPGがある場合は,それぞれのLPGの質量(tを単位とする。)
の合計量の平方根の数値にそれぞれのLPGの質量の当該合計量に対する割合を乗じ
て得た数値に,それぞれのLPGに係るKを乗じて得た数値の合計により,Lを算出
する。
表 12−1 LPGの種類別のK値
LPGの種類
K
ン
272×103
ブタン又はブチレン
229×103
プロパン又はプロピレン
497×103
ブ
タ
ジ
エ
【関連条項】
【関連条項】
省令
第6条(離隔距離)第1項,第3項
省令第6条(離隔距離)第1項、第2項、第3項
告示
第2条(事業場の境界線に対する離隔距離)第3項
告示第2条(事業場の境界線に対する離隔距離)第3項
告示
第5条(特定事業所における離隔距離)第3項,第4項
告示第3条(保安物件)
告示第4条(保安物件との離隔距離)第1項、第2項
335
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
告示第5条(特定事業所における離隔距離)第3項、第4項
【解 説】
*1 「境界線A」は,省令第6条第1項に規定する境界線に相当する。
*2 「境界線B」は,省令第6条第3項に規定する境界線に相当する。
【解
説】
*1 「外面」とは、ガス又は液化ガスを通ずる部位の外面をいう。例えば、球形LPG貯槽の
12. 2. 2 貯槽の保安物件までの距離
場合では球形胴板の外面となる。
*2 事業場(特定事業所を含む)の境界線とは、省令第6条第1項に規定する境界線をいう。
*3 特定事業所の境界線とは、省令第6条第3項に規定する境界線をいう。
(1) 貯槽は,その外面から次に示す保安物件に対し,以下の距離を有しなけれ
*4 事業場(特定事業所を含む)の境界線、特定事業所の境界線及び保安物件に対する適切な距
ばならな
離とは以下の距離をいう。
い。*1
(a)事業場の境界線までの距離:告示第2条第3項に規定する距離
(a) 第1種保安物件に対してL1以上
(b)特定事業所の境界線:告示第5条第4項に規定する距離
(b) 第2種保安物件に対してL4以上
(c)保安物件までの距離:告示第4条第1項に規定する距離
ただし,貯槽に表 12−3の左欄の設備を設けているものであって,保安物件に対して
右欄に示す距離以上の距離を有するものはこの限りでない。
ここでL1,L2,L4及びL5は,貯槽の貯蔵能力に対する距離であって表 12−2に
おけるL1,L2,L4及びL5を表わす。
(m を単位とする。
)
表 12−2 貯蔵能力と保安物件までの距離の関係
0≦X<10,000
10,000≦X<52,500
52,500≦X
L1
12 2
0.12 X+10,000
30
L2
9.6 2
0.096 X+10,000
24
L4
8 2
0.08 X+10,000
20
L5
6.4 2
0.064 X+10,000
16
備 考
表中Xは貯槽の貯蔵能力(kg)とする。
表 12−3 貯槽と保安物件までの距離
貯槽の外面から 貯槽の外面から
貯槽に対して設ける設備
最も近い第1種 最も近い第2種
保安物件までの 保安物件までの
距離
距離
336
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
当該貯槽に水噴霧装置又はこれと同等以上の防
火上有効な設備を設け,かつ,距離L1以内にある
第1種保安物件又は距離L 4以内にある第2種保
安物件に対して厚さ 12cm 以上,高さ 1.8m 以上の
L2以上
L5以上
鉄筋コンクリート造り又はこれと同等以上の強度
を有する構造の障壁を設けているもの
(2)
第1種保安物件とは,次のもの(事業場の存する敷地と同一敷地内にある
ものを除く。)をいう。
(a) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に定める学校のうち,小学校,中学校,高等
学校,高等専門学校,盲学校,ろう学校,養護学校及び幼稚園
(b) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に定める病院
(c) 劇場,映画館,演芸場,公会堂その他これらに類する施設であって収容定員300人以
上のもの
(d)
生活保護法(昭和25年法律第144号)第38条第1項の保護施設(授産施設及び宿所提供
施設を除く。),児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条の児童福祉施設,老人福祉
法(昭和38年法律第133号)第5条の3の老人福祉施設若しくは同法第29条第1項の
有料老人ホーム,老人福祉法(昭和57年法律第80条)第6条第4項の老人保健施設,
民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律
(平成元年法律第64号)第2条の特定民間施設,身体障害者福祉法(昭和24年法律第
283号)第5条第1項の身体障害者更生援護施設,知的障害者福祉法(昭和35年法律第
37号)第5条の知的障害者援護施設,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭
和25年法律第123号)第50条の2第1項の精神障害者社会復帰施設,職業能力開発促
進法(昭和44年法律第64号)第15条の第5号の6第1項障害者職業能力開発校又は母
子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第21条第1項の母子福祉施設であって,
収容定員20人以上のもの
(e) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によって重要文化財,重要有形民俗文化
財,史跡名勝天然記念物若しくは重要な文化財として指定され,又は旧重要美術品等
の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によって重要美術品として認定さ
れた建築物
(f) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条に定める博物館及び同法第29条の規定により
博物館に相当する施設として指定された施設
(g) 1日に平均2万人以上の者が乗降する駅の母屋及びプラットホーム
(h)
百貨店,マーケット,公衆浴場,ホテル,旅館その他不特定かつ多数の者を収容す
ることを目的とする建築物(仮設建築物を除く。)であって,その用途に供する部分の床
面積の合計が1,000m2以上のもの
(3) 第2種保安物件とは,第1種保安物件以外の建築物であって住居の用に供
するもの(事業場の存する敷地と同一敷地内にあるものを除く。)をいう。
337
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【関連条項】
省令
第6条(離隔距離)第2項
告示
第3条(保安物件)
,第4条(保安物件との距離)第1項,第2項
【解 説】
*1
保安物件に対する距離は,将来にわたり確保すべきものであるため,建設時において考慮し
ておくことが望ましい。例えば,将来近接する可能性がある第2種保安物件に対する距離につ
いては以下の土地,施設を含む外縁までで確保しておく等の方法がある。
(1) 海,河川,湖沼
(2) 水路及び工業用水道事業法(昭和 33 年法律第 84 号)第2条第3項に規定する工業用水道
(3) 道路及び鉄道
(4) 都市計画法(昭和 43 年法律第 100 号)第8条第1項第一号に規定する工業専用地域,又
は工業専用地域となることが確実な地域内の土地
(5) 製造業(物品の加工修理業を含む。)
,電気供給業,ガス供給業及び倉庫業に係る事業所の
敷地のうち現にそれらの事業活動の用に供されているもの
(6) 当該事業所において,ガス工作物を設置するものが所有し,若しくは地上権,賃借権その
他の土地の使用を目的とする権利を設定している土地
(7) その他山林地帯等で,所有権等を設定しなくても将来保安物件が近接するおそれのない土
地
338
現行 LPG貯槽指針
12. 3
LPG貯槽指針 改訂案
保安区画*1
10. 2. 3 保安区画*1
12. 3. 1 保安区画
(1) 保安区画
(1) 特定事業所の敷地のうち,通路,空地等により区画されている区域であって,可燃性の,
特定事業所における高圧のガス又は液化ガスを通ずるガス工作物(配管及び導管を除く。
高圧のガス又は液化ガスを通ずるガス工作物(配管及び導管を除く。以下 12.3 において
以下 10.2.3 において「高圧のガス工作物等*2」という。)は、ガス又は液化ガスが漏えい
「高圧のガス工作物等」という。)が設置されている区域は,次の基準により保安区画に
した場合の災害の発生、拡大を防止するために、設備の種類及び規模に応じ、保安上適切な
区分されていなければならない。
区画に区分すること。
(a) 保安区画の面積は,20,000m2以下とする。
(2) 保安区画相互の設備間距離
(b) 1の保安区画内の高圧のガス工作物等の燃焼熱量の値(KとWの積の値)の合計は,
特定事業所における保安区画内にある高圧のガス工作物等(当該高圧のガス工作物等と一
6.0×108以下とする。
体になって製造の用に供する中圧又は低圧のガスを通ずるガス工作物*3を含む。)は、当該
ただし,Kは,ガス又は液化ガスの種類及び常用のとし,Wは,貯槽にあっては,
保安区画に隣接する保安区画内にある高圧のガス工作物等に対して、保安上必要な距離を有
貯蔵能力(tを単位とする。)の値の平方根の値,その他のガス工作物にあっては,当
すること。
該ガス工作物内のガス又は液化ガスの質量(tを単位とする。)の値とする。
(c) (a)の保安区画の面積の算出方法は,次の規定による。
(ⅰ) 一の保安区画の面積は,一又は二以上の保安分区の面積の合計とする。
(ⅱ) (ⅰ)の保安分区は,幅員5m以上の通路又は当該製造所の境界線によって囲ま
れ,かつ高圧のガス工作物等(貯槽及びそれに係る設備を除く。以下(ⅱ)(ⅲ)にお
いて同じ。
)が設置されている区画であって,その区画内に設置されている高圧の
ガス工作物等の水平投影面(建屋内に高圧のガス工作物等を有する建屋にあって
は,建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第2号の規定により得られ
た当該建屋の水平投影面の外縁)の外接線をすべての内角が180°を超えることの
ないように結んだ多角形で囲まれたものとする。
(ⅲ) (ⅱ)の通路の幅員は,次の(イ)又は(ロ)の基準により測定する。
(イ) 縁石,側溝等により明確に通路が区画されている場合は,当該縁石,側溝等を基
点として幅員を測定するものとする。
(ロ) 通路の境界が明確でない場合は,当該通路に接する保安分区内の高圧のガス工作
物等の水平投影面の外縁に1mの幅を加えた線を通路と保安分区との境界線とみ
なして測定する。
【関連条項】
【関連条項】
省令
省令第7条(保安区画)
第7条(保安区画)
解釈例第4条(保安区画)
解釈例 第4条(保安区画)第1項,第2項,第3項
【解
【解 説】
*1
保安区画の規定については,貯槽以外のガス工作物も含めて規定する必要があるため貯槽に
特定しない表現をとっているが,この規定は特定事業所の貯槽を対象としていることは言うま
説】
*1 保安区画については特定事業所における規定である。また、LPG貯槽以外のガス工作物
も含めて考慮する必要がある。
*2 不活性のガス(空気を含む。)又は不活性の液化ガスのみを通ずるものを除く。
でもない。
339
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
12. 3. 2 保安区画相互の設備間距離
保安区画内にある高圧のガス工作物等(当該高圧のガス工作物等と一体になって製造の
用に供する中圧又は低圧のガス(可燃性のものに限る。)を通ずるガス工作物*1を含む。
以下この項において同じ。
)相互間は,当該保安区画に隣接する保安区画内にある高圧のガ
ス工作物等に対して 30m 以上の距離を有しなければならない。
【関連条項】
省令
第7条(保安区画)
解釈例 第4条(保安区画)第4項
【解 説】
*1
*3 「高圧のガス工作物等と一体となって製造の用に供する中圧又は低圧のガスを通ずるガス
「高圧のガス工作物等と一体となって製造の用に供する中圧又は低圧のガスを通ずるガス工
工作物」とは、運転操作上高圧のガス工作物等と切り離せないガス工作物をいう。
作物」とは,運転操作上高圧のガス工作物等と切り離せないガス工作物をいう。
12. 4
設備間距離
10. 2. 4 火気設備との距離
12. 4. 1 貯槽と火気設備との距離
貯槽は,火気を取り扱う設備*1に対し,次の(1)又は(2)を満足するものとする。
LPG貯槽は、LPGが漏えいした場合の火災等の発生を防止するため、火気を取り扱う設
(1) 貯槽の外面から火気を取り扱う設備に対して8m 以上の距離を有すること。
(2)
備*1に対し、その外面から適切な距離を有すること。
貯槽と火気を取り扱う設備との間に当該貯槽から漏えいしたLPGが当該火気を取り
扱う設備に流動することを防止するための措置*2を講ずること。
【関連条項】
【関連条項】
省令
省令第 11 条(火気設備との距離)
第11条(火気設備との距離)
解釈例第8条(火気設備との距離)
解釈例 第8条(火気設備との距離)
【解 説】
*1
「火気を取り扱う設備」とは,ボイラー,加熱炉,焼却炉,喫煙室等,通常定置されている
【解
説】
*1 「火気を取り扱う設備」とは、ボイラー、加熱炉、燃焼炉、焼却炉、喫煙室等、通常定置さ
ものをいう。ただし,火気源とはならない操作架台,歩廊等の付属物は含めない。
れているものをいう。ただし、火気源とはならない操作架台、歩廊等の付属物は含めない。
*2 「流動することを防止するための措置」とは,次の措置をいう。
(1)
十分な高さの障壁等を設けて火気設備との迂回水平距離を8m 以上とする。
(2)
当該火気を取り扱う設備の付近にガス漏えい検知警報装置を設置し,かつ,ガスの漏えいを
検知した時,当該火気を連動装置により直ちに消すことができるようにする。
340
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10. 2. 5 液化ガス用貯槽の相互間の距離
12. 4. 2 貯槽相互間の距離
貯槽(貯蔵能力が3t 未満のものを除く。以下 12.4 において同じ。)は,その外面から
液化ガス用貯槽(以下、10.2.5 において貯槽という。不活性の液化ガス用のもの、貯蔵
他の液化ガス用貯槽(不活性の液化ガス用のもの,埋設貯槽及び貯蔵能力が3t 未満のも
能力が3t 未満のもの及び地盤面下に全部埋設されたものを除く。)の外面と,他の貯槽の
のを除く。
)に対して(1)又は(2)の長さのいずれか大きいものに等しい距離以上の距離を有
外面との距離にあっては、(1)又は(2)の長さのいずれか大きいものに等しい距離以上の距
しなければならない。
離を有しなければならない。
(1) 1m
(1) 1m
(2) 貯槽の最大直径*1の 1/2*2
(2) 貯槽の最大直径*1の 1/2*2(地下式貯槽であって、最高使用圧力が低圧のものは 1/4)
ただし,特定事業所以外の製造所に設置する貯槽であって,(a)∼(e)に示す能力又は個数
ただし、特定事業所以外の製造所に設置する貯槽であって、(a)∼(e)に示す能力又は個数
以上の水噴霧装置若しくは散水設備,水消火栓若しくは固定式放水銃,それらを組合せた
以上の水噴霧装置若しくは散水設備、水消火栓若しくは固定式放水銃、それらを組合せた
もの又はこれと同等以上の防火上及び消火上有効な能力を有する設備を設置した場合はこ
もの又はこれと同等以上の防火上及び消火上有効な能力を有する設備を設置した場合はこ
の限りでない。
の限りでない。
(a) 貯槽相互間の距離に応じ,表12−4に示す設備の能力又は個数を満足するように設
(a) 貯槽相互間の距離に応じ、表10−1に示す設備の能力又は個数を満足するように設
置する。
置する。
表 10−1 水噴霧装置等
表 12−4 水噴霧装置等
貯槽相互間の
1m 又は当該貯槽の最大
距離
直径の 1/4 のいずれか大
設備の
きい距離に満たない場合
能力又は個数
貯槽に設置する水噴霧装
置若しくは散水設備によ
8
る水噴霧量又は散水量
〔単位 /min・m2〕
貯槽の表面積に応じて設
置する水消火栓若しくは
1/30
固定式放水銃の数
〔単位 個数/m2〕
貯槽相互間の
1m 又は当該貯槽の最大 当 該 貯 槽 の 最 大 直 径 の
距離
直径の 1/4 のいずれか大 1/2 の距離に満たない場
設備の
きい距離に満たない場合 合
能力又は個数
貯槽に設置する水噴霧装
置若しくは散水設備によ
8
7
る水噴霧量又は散水量
〔単位 /min・m2〕
貯槽の表面積に応じて設
置する水消火栓若しくは
1/30
1/35
固定式放水銃の数
〔単位 個数/m2〕
(b)
当該貯槽の最大直径の
1/2 の距離に満たない場
合(左記及び低圧地下式
貯槽を除く)
7
1/35
水噴霧装置及び散水装置は,当該貯槽の全表面積に対して均一に水を放射できるも
(b)
のとする。
のとする。
(c) 水消火栓及び固定式放水銃は,放水ノズルの筒先圧力が 0.34MPa 以上であって,放
(c) 水消火栓及び固定式放水銃は、放水ノズルの筒先圧力が 0.34MPa 以上であって、放
水能力が 400 /min 以上のもので,当該貯槽の外面から 40m 以内に設置されており,
水能力が 400 /min 以上のもので、当該貯槽の外面から 40m 以内に設置されており、
貯槽に対していずれの方向からも放水できるものとする。
(d)
水噴霧装置及び散水装置は、当該貯槽の全表面積に対して均一に水を放射できるも
貯槽に対していずれの方向からも放水できるものとする。
水噴霧装置等は,当該貯槽に対して安全な位置において操作でき,かつ防液堤を設
(d)
けた貯槽にあっては当該防液堤の外で操作できるものとする。
水噴霧装置等は,当該貯槽に対して安全な位置において操作でき、かつ防液堤を設
けた貯槽にあっては当該防液堤の外で操作できるものとする。
(e) 水噴霧装置等は,同時に放水が必要な貯槽に対して 30 分以上連続して放水できる水
(e) 水噴霧装置等は、同時に放水が必要な貯槽に対して 30 分以上連続して放水できる水
量を有する水源に接続されているものとする。
量を有する水源に接続されているものとする。
【関連条項】
【関連条項】
省令
省令第6条(離隔距離)第7項
第6条(離隔距離)第7項
341
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解釈例 第3条(離隔距離)第1項第一号
解釈例第3条(離隔距離)
【解 説】
【解
*1 円筒形貯槽の最大直径は解図 12−1のDによる。
説】
*1 円筒形貯槽の最大直径は解図 10−1のDによる。
解図 12−1 円筒形貯槽の最大直径
解図 10−1 円筒形貯槽の最大直径
*2 縦置円筒形貯槽にあっては,最大直径以上の距離を有することが望ましい。
*2 縦置円筒形貯槽にあっては、最大直径以上の距離を有することが望ましい。
12. 4. 3 貯槽と高圧のガスホルダー相互間の距離
10. 2. 6 LPG貯槽と高圧のガスホルダー相互間の距離
貯槽は,その外面から最高使用圧力が高圧のガスホルダーに対して,貯槽の最大直径の
LPG貯槽(貯蔵能力が3t未満のもの及び地盤面下に全部埋設されたものを除く。
)の
1/2 又はガスホルダーの最大直径の 1/4 の長さのいずれか大きいものに等しい距離以上の
外面と、最高使用圧力が高圧のガスホルダーの外面との距離にあっては、(1)又は(2)の長
距離を有するものとする。
さのいずれか大きいものに等しい距離以上の距離を有しなければならない。
(1)LPG貯槽の最大直径の 1/2
(2)ガスホルダーの最大直径の 1/4
【関連条項】
省令
【関連条項】
第6条(離隔距離)第7項
省令第6条(離隔距離)第7項
解釈例 第3条(離隔距離)第1項第四号
解釈例第3条(離隔距離)
342
現行 LPG貯槽指針
12. 5
LPG貯槽指針 改訂案
10. 2. 7 防液堤*1
防液堤
12. 5. 1 防液堤の位置
10. 2. 7. 1 防液堤の位置
貯槽と防液堤との間の距離は,保守点検及び防災活動を行うに十分なものであること。
LPG貯槽と防液堤との間の距離は、保守点検及び防災活動を行うに十分なものである
こと。
【関連条項】
省令
【関連条項】
省令第 38 条(防液堤)第1項
第38条(防液堤)第1項
解釈例第 95 条(防液堤)
解釈例 第95条(防液堤)第1項第三号
【解
説】
*1 防液堤の設置については 10.5.2.1 防液堤を参照すること。
12. 5. 2 防液堤内外の設備の制限*1
10. 2. 7. 2 防液堤内外の設備の制限*1
貯蔵能力が 1,000t 以上の貯槽の周囲に設置される防液堤の内側及びその外面から 10m
貯蔵能力が 1,000t 以上のLPG貯槽の周囲に設置される防液堤の内側及びその外面か
(特定事業所に設置する貯槽であって貯蔵能力が 500t 以上 1,000t 未満のものにあっては
ら 10m(特定事業所に設置するLPG貯槽であって貯蔵能力が 500t 以上 1,000t 未満のも
8m)以内*2には,次の 12.5.3 及び 12.5.4 に示す設備以外の設備を設置してはならない。
のにあっては8m)以内*2には、次の(1)及び(2)に示す設備以外の設備を設置してはなら
*3
ない*3。
(1) 防液堤の内側に設置することができる設備
当該LPG貯槽に係る送液設備、不活性ガスの液化ガス用貯槽、水噴霧・散水装置、消
火設備、ガス漏えい検知警報設備(検知部に限る。
)、照明設備、計装設備、排水設備、
配管及びその架台並びにこれらに附属する設備、また、必要な設備であって保安上支障
のない設備*4
(2) 防液堤の外側に設置することができる設備
(a)
当該LPG貯槽に係る送液設備、受け入れに係る圧縮機、不活性ガスの液化ガス用貯
槽、冷凍設備、熱交換器、ガス漏えい検知警報設備、照明設備、計装設備、配管及びそ
の架台並びにこれらに付属する設備
(b) 導管又は配管(当該LPG貯槽の防災活動に支障のない高さを有するものに限る。)及
びその架台、防消火設備、通路(当該製造所に設置されているものに限る。
)並びに地盤
面下に埋設してある設備*5地盤面上の重量物の荷重に耐えることができる措置を講じ
てあるものに限る。
)
(c)
(a)及び(b)に掲げるもののほか、保安上支障のない設備*4
【関連条項】
省令
第38条(防液堤)第2項
【関連条項】
解釈例 第96条(防液堤内外の設備の制限)第 1 項
省令第 38 条(防液堤)第2項
解釈例第 96 条(防液堤内外の設備の制限)
【解 説】
343
現行 LPG貯槽指針
*1
LPG貯槽指針 改訂案
貯槽の操作を安全に行い,かつ万一の場合の防消火活動を円滑に進めるため,防液堤の内外
に設置できる設備を限定する規定である。
【解
説】
*1 LPG貯槽の操作を安全に行い、かつ万一の場合の防消火活動を円滑に進めるため、防液堤
*2 「防液堤の内側及びその外面から 10m(特定事業所に設置する貯槽であって貯蔵能力が 500t
以上 1,000t 未満のものにあっては8m)以内」とは,解図 12−2の斜線で示す範囲である。
の内外に設置できる設備を限定する規定である。
*2 「防液堤の内側及びその外面から 10m(特定事業所に設置する貯槽であって貯蔵能力が 500t
以上 1,000t 未満のものにあっては8m)以内」とは、解図 10−2の斜線で示す範囲である。
防液堤
防液堤
貯槽
10m 若しくは8m
貯槽
10m 若しくは8m
10m 若しくは8m
解図 12−2 防液堤内外の設備制限の範囲
10m 若しくは8m
解図 10−2 防液堤内外の設備制限の範囲
*3 貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)未満の貯槽の周囲に防液
堤を設置する場合,その内側には,次の 12.5.3 に示す設備以外の設備を設置しないことが望ま
*3 貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)未満の貯槽の周囲に防
液堤を設置する場合、その内側には、次の 10.2.7.2 に示す設備以外の設備を設置しないことが
しい。
望ましい。
12. 5. 3 防液堤の内側に設置することができる設備
(1)
当該貯槽に係る送液設備,不活性ガスの液化ガス用貯槽,水噴霧・散水装置,消火設
備,ガス漏えい検知警報設備(検知部に限る。),照明設備,計装設備,排水設備,配管
及びその架台並びにこれらに附属する設備
(2) (1)に掲げるもののほか,必要な設備であって保安上支障のない設備*1
【関連条項】
省令
第38条
解釈例 第96条
(防液堤)第2項
(防液堤内外の設備の制限)第2項第一号
【解 説】
*1
「保安上支障のない設備」とは,火源とならないもの及び防災活動上の支障とならないもの
をいう。
例として
(1)
警戒標識等の標識類
(2)
火災検知警報装置の検知部
(3)
防液堤乗入れ用の階段
等がある。
12. 5. 4 防液堤の外側に設置することができる設備
344
現行 LPG貯槽指針
(1)
LPG貯槽指針 改訂案
当該貯槽に係る送液設備,受け入れに係る圧縮機,不活性ガスの液化ガス用貯槽,冷
凍設備,熱交換器,ガス漏えい検知警報設備,照明設備,計装設備,配管及びその架台
並びにこれらに付属する設備
)及びその
(2) 導管又は配管(当該貯槽の防災活動に支障のない高さを有するものに限る。
架台,防消火設備,通路(当該製造所に設置されているものに限る。)並びに地盤面下に
埋設してある設備*1(地盤面上の重量物の荷重に耐えることができる措置を講じてある
ものに限る。
)
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか,保安上支障のない設備*2
【関連条項】
省令
第38条(防液堤)第2項
解釈例 第96条(防液堤内外の設備の制限)第2項第二号
【解 説】
*1
*4
「地盤面下に埋設してある設備」には,排水溝,カルバートであって地盤面と同一レベルに
蓋をしたものも含まれるものとする。
「保安上支障のない設備」とは、火源とならないもの及び防災活動上の支障とならないも
のをいい、おおむね次に掲げるものとする。
(1) 警戒標識等の標識類
*2 「保安上支障のない設備」とは,おおむね次に掲げるものとする。
(2) 火災検知警報装置の検知部
(1)
警戒標識等の標識類
(2)
(3) 防液堤乗入れ用の階段
火災検知警報装置の検知部
(3)
(4) 防液堤の外周を四等分した場合のおおむね相対する防液堤の外側二方向が空地になってい
防液堤乗入れ用の階段
(4)
防液堤の外周を四等分した場合のおおむね相対する防液堤の外側二方向が空地になってい
る場合(貯槽に対する防災活動上の死角が生じない場合に限る。)にあっては、残りの二方
る場合(貯槽に対する防災活動上の死角が生じない場合に限る。)にあっては,残りの二方向
に設置される鉄道引込み線,当該貯槽に係る受入設備等
向に設置される鉄道引込み線、当該貯槽に係る受入設備等
*5 「地盤面下に埋設してある設備」には、排水溝、カルバートであって地盤面と同一レベルに
蓋をしたものも含まれるものとする。
345
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10. 3 予防設備
第 10 章 付 属 設 備 等
10. 1
一
般
本章では,貯槽の附属設備等*1について規定する。
【解 説】
*1
「付属設備等」とは,第1章「総則」で定義した付属設備の他,保安電力設備及び保安用計
装圧縮空気設備をいう。
なお,本章では機能面より,バルブ等,配管,電気・計装設備,防消火設備等,防液堤等,
その他に分類している。
10. 3. 1 表
10. 7. 1 表
貯槽には,その外部から見やすいように,LPG貯槽である旨の表示
LPG貯槽には、その外部から見やすいように、LPG貯槽である旨の表示*1*2をする。
*1*2
をする。
【関連条項】
省令
示
示
【関連条項】
第34条(表示)
省令第 34 条(表示)
【解 説】
【解 説】
*1 表示は,必ずしも本体に直接表示しなくとも,立て札,表示板等でもよい。
*1 表示は、必ずしも本体に直接表示しなくとも、立て札、表示板等でもよい。
*2 貯槽には,外部から見やすい位置に必要な項目を記載した銘板を取り付ける。
*2 貯槽には、外部から見やすい位置に必要な項目を記載した銘板を取り付ける。
(1) 名
称
(1) 名
(2) 貯蔵能力
トン
3
(3) 幾何容積
m
(4) 最高使用圧力
MPa
1)
称
(2) 貯蔵能力
トン
(3) 幾何容積
m3
(4) 最高使用圧力
MPa
(5) 使用温度
℃
(5) 使用温度
℃
(6) 耐圧試験圧力
MPa
(6) 耐圧試験圧力
MPa
(7) 気密試験圧力
MPa
(7) 気密試験圧力
MPa
1)
(8) 胴・鏡板材質
(8) 胴・鏡板材質
2)
(9) 胴・鏡板公称厚さ
mm
(9) 胴・鏡板公称厚さ2)
(10) 製作年月
(10) 製作年月
(11) 製作者名
(11) 製作者名
(12) 適用法規
(12) 適用法規
注 1) 最高使用温度,最低使用温度を記載する。
注
2) 胴・鏡板の厚さは,使用した板の厚さの種類を全て記載する。
mm
1) 最高使用温度、最低使用温度を記載する。
2) 胴・鏡板の厚さは、使用した板の厚さの種類を全て記載する。
346
現行 LPG貯槽指針
10. 2
LPG貯槽指針 改訂案
バルブ等
10. 2. 1 元
10. 3. 2 元
弁
弁
(1) 貯槽のノズル部には,元弁を取り付ける。*1*2*3*4
(1) LPG貯槽の管台部には、元弁を取り付ける。*1*2*3*4
(2)
(2)
ドレン抜き装置等,バルブを設置ししばしば開閉するものには,元弁の他に通常操作
ドレン抜き装置等、バルブを設置ししばしば開閉するものには、元弁の他に通常操作
するバルブを設置する。
するバルブを設置する。
(3) 安全弁の元弁は、安全弁毎に設置し*5、バルブの開閉状態が確認できる措置をすると
(3) 安全弁の元弁は,安全弁毎に設置し*5,バルブの開閉状態が確認できる措置をすると
ともに、みだりに操作し得ない措置*6を講ずる。
ともに,みだりに操作し得ない措置*6を講ずる。
(4) 元弁の材質は,鋳鋼,鍛鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有するものとする。
(4) 元弁の材質は、鋳鋼、鍛鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有するものとする。
(5) 安全弁の元弁は,ボール弁*7又は仕切弁等圧力損失が少ないものを使用する。
(5) 安全弁の元弁は、ボール弁*7又は仕切弁等圧力損失が少ないものを使用する。
【関連条項】
【関連条項】
省令
省令第 20 条(誤操作防止及びインターロック)第1項
第20条(誤操作防止及びインターロック)第1項
解釈例 第75条(誤操作防止及びインターロック)第一号,第三号
省令第 36 条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
省令
解釈例第 75 条(誤操作防止)
第36条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
解釈例第 93 条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
解釈例 第93条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
【解
【解 説】
説】
*1 「元弁」とは,貯槽本体に取り付けられるすべての第一バルブをいう。
*1 「元弁」とは、LPG貯槽本体に取り付けられるすべての第一バルブをいう。
*2
手動弁は,その操作に当たって,過大な力を加えないようにするため,直接手で操作するこ
*2 手動弁は、その操作に当たって、過大な力を加えないようにするため、直接手で操作するこ
とを原則とする。ただし,直接手で操作することが困難であるバルブにあっては,当該バルブ
とを原則とする。ただし、直接手で操作することが困難であるバルブにあっては、当該バル
の材質,構造に対して十分安全であることを確認したハンドル廻し等を使用することができる。
ブの材質、構造に対して十分安全であることを確認したハンドル廻し等を使用することがで
きる。
*3 温度計を取り付ける場合の温度計差込口,マンホール及び予備ノズルはこの限りではない。
*4
フランジ部が防食措置等で覆われた場合は,漏洩検査が出来るようにガス検知チューブを設
*4 フランジ部が防食措置等で覆われた場合は、漏洩検査が出来るようにガス検知チューブを設
ける等の措置を行う。
*5
*3 温度計を取り付ける場合の温度計差込口、マンホール及び予備管台はこの限りではない。
安全弁とその元弁との間に安全弁の作動検査ができるような短管等を設置しておくことが望
ける等の措置を行う。
*5 安全弁とその元弁との間に安全弁の作動検査ができるような短管等を設置しておくことが
ましい。テスト配管の一例を以下に示す。
望ましい。テスト配管の一例を以下に示す。
解図 10−1 安全弁テスト配管図
*6
*6
法でハンドルを取り外す等の措置をいう。
*7
解図 10−3 安全弁テスト配管図
「みだりに操作し得ない措置」とは,施錠,封印,禁札の取付け又は操作時に支障のない方
ボール弁及びバタ弁等のソフトシール弁を使用する場合は,ファイヤーセーフ構造のものと
方法でハンドルを取り外す等の措置をいう。
*7
する。
「みだりに操作し得ない措置」とは、施錠、封印、禁札の取付け又は操作時に支障のない
ボール弁及びバタ弁等のソフトシール弁を使用する場合は、ファイヤーセーフ構造のもの
とする。
10. 2. 3 安全弁
347
現行 LPG貯槽指針
10. 2. 3. 1 一
LPG貯槽指針 改訂案
10. 3. 3 安全弁
般
10. 3. 3. 1 一
般
貯槽の気相部に1個以上の安全弁を設ける。
LPG貯槽の気相部に1個以上の密閉型バネ式安全弁を設ける。また、安全弁の吹き出し
性能において、吹き出し部の有効断面積や吹き出し容量*1を確認し、適切な性能を有するこ
と。
【関連条項】
省令
第35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
解釈例 第72条(安全弁)第1項
【関連条項】
省令第 35 条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
解釈例第 72 条(安全弁)
【解
説】
*1 プロパン、ブタン及びその混合物の吹出し量決定圧力とそのときの温度における蒸発潜熱及
び断熱指数(κ)の計算例を解表 10−2に示す。
解表 10−2 蒸発潜熱及び断熱指数の計算例
最高使用
吹出し量決定圧力、
吹出し量 吹出し量決定圧力、
最高使
蒸発
断熱
吹出し量
圧力に対
温度におけるLPG
決定圧力 温度におけるLPG
用圧力
潜熱
指数
決定圧力
応する温
(ガス)の組成
に対応す (液)の組成
(κ)
(MPa)
(MPa)
(KJ/kg)
度(℃)
(vol%)
(vol%)
る温度(℃)
i−B(100)
0.44
40
0.53
46
301 i−B(100)
1.09
0.56
48
0.67
55
285 i−B(100)
1.09
i−B(100)
P(30)i−B(70)
0.74
40
0.88
47
297 P(49)i−B(51)
1.10
P(30)i−B(70)
0.91
48
1.09
55
280 P(48)i−B(52)
1.10
0.93
40
1.12
47
297 P(70)i−B(30)
1.11
P(53)i−B(47)
P(53)i−B(47)
1.14
48
1.37
56
276 P(71)i−B(29)
1.10
1.24
40
1.48
48
293 P(98)i−B(2)
1.12
P(96)i−B(4)
P(96)i−B(4)
1.49
48
1.79
56
272 P(98)i−B(2)
1.11
P(100)
1.26
40
1.51
47
297 P(100)
1.12
1.52
48
1.82
56
272 P(100)
1.12
P(100)
10. 2. 3. 2 安全弁の構造及び取付方法
(1) 安全弁の形式は,密閉型バネ式安全弁とする。
(2) 安全弁の取付方法は,以下による。
備 考
(a) 安全弁の弁軸は,垂直とする。
1 P:プロパン、i−B:イソブタン
(b) 安全弁の取付け部は,吹出し時の反力及び振動等を十分考慮する。
2 最高使用圧力は LPG(液)組成における液温 40℃、48℃の飽和蒸気圧(ゲージ圧力)とした。
(3) 安全弁の材質は,鋳鋼,鍛鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有するものとする。
【関連条項】
省令
第35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
解釈例 第72条(安全弁)第1項
348
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10. 3. 3. 2 安全弁の放散管
10. 2. 3. 3 安全弁の放散管
安全弁の放散管は,以下の基準により設置する。
安全弁の放散管は、以下の基準により設置する。
(1) 放散管は,安全弁1個につき1本とする。
(1) 放散管は、安全弁1個につき1本とする。
(2) 放散管は,振動により安全弁本体に影響を与えないようにする。
(2) 放散管は、振動により安全弁本体に影響を与えないようにする。
(3) 放散管は,安全弁の出口口径と同じ大きさ以上のものとする。
(3) 放散管は、安全弁の出口口径と同じ大きさ以上のものとする。
(4) 放散管には,雨水等が侵入しないような措置
(4) 放散管には、雨水等が侵入しないような措置*1*2を講ずる。
*1*2
を講ずる。
(5) 放散管の開口部の位置は,地盤面から5m の高さ又は貯槽の頂部から2m の高さのい
ずれか高い位置以上の高さであって,ガスの放出先は,引火しない場所
(5) 放散管の開口部の位置は、地盤面から5m の高さ又は貯槽の頂部から2m の高さのい
*3
ずれか高い位置以上の高さであって、ガスの放出先は、引火しない場所*3及び人畜に対
及び人畜に対
して被害を及ぼさない場所*4とする。
して被害を及ぼさない場所*4とする。
【関係条項】
省令
関係条項】
省令第 35 条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
第35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
解釈例第 72 条(安全弁)
解釈例 第72条(安全弁)第1項
【解
【解 説】
*1
雨水及び鳥等が侵入しないように蓋を取り付けた場合は,安全弁の作動に支障のないものと
説】
*1 雨水及び鳥等が侵入しないように蓋を取り付けた場合は、安全弁の作動に支障のないものと
するとともに、作動時に蓋と放散管との間で火花の発生しない構造とする。
するとともに,作動時に蓋と放散管との間で火花の発生しない構造とする。
*2 放散管内面には防錆措置を施すことが望ましい。
*2 放散管内面には防錆措置を施すことが望ましい。
*3 引火しない場所とは,火気を使用するもの(フレアースタック,加熱炉,分解炉,ボイラー,
*3 引火しない場所とは、火気を使用するもの(フレアースタック、加熱炉、分解炉、ボイラー、
非防爆形電気設備等)がない場所及び火気がない場所をいう。
非防爆形電気設備等)がない場所及び火気がない場所をいう。
*4
人畜に対して被害を及ぼさない場所とは,放出したガスが拡散して当該ガスが燃焼下限以下
となる場所をいう。**1
*4 人畜に対して被害を及ぼさない場所とは、放出したガスが拡散して当該ガスが燃焼下限以下
となる場所をいう。**1
【参 考】
【参 考】
**1 燃焼下限濃度到達範囲を特定する方法として,放散口の有効高さに「ボサンケの式」,ガス
の拡散式に「サットンの式」等が使われる。
**1
燃焼下限濃度到達範囲を特定する方法として、放散口の有効高さに「ボサンケの式」、ガ
スの拡散式に「サットンの式」等が使われる。
349
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10. 2. 3. 4 安全弁の吹出し性能
(1) 安全弁の吹出し容量の合計は,次のとおりとする。
W=
2.56 10 8A0.82F+H
L
ここで,
W : 1時間当たりの吹出し量(kg/h)
A : 貯槽にあってはその外表面積(m2)の数値
F : 全表面に7 /m2・min 以上の水を噴霧する水噴霧装置又は全表面
に 10 /m2・min 以上の水を散水する散水装置を設けた場合にあっ
ては 0.6,その他の場合にあっては 1.0
H : 直射日光及び他の熱源からの入熱による補正係数であって,それ
ぞれ次の(a)及び(b)に掲げる算式により得られた数値
(a) 直射日光
4,190×10(65−t)×A1
(b) 他の熱源
Q×A2
ここで,
t:吹出し量決定圧力におけるガスの温度(℃)
A1:日光を受ける面積(m2)
Q:入熱量(J/h・m2)
A2:熱を受ける面積(m2)
L : 吹出し量決定圧力における液化石油ガス1kg 当たりの蒸発潜熱
(J/kg)
(2) 安全弁の吹出し圧力の設定は,次のとおりとする。
(a) 安全弁が1個の場合は,当該貯槽の最高使用圧力以下の圧力で作動するように設定
すること。
(b)
安全弁が2個以上の場合は,1個は(a)に規定に準ずる圧力,他は当該貯槽の最高
使用圧力の 1.03 倍以下の圧力で作動するように設定すること。
(3) 安全弁の吹出し量決定圧力は,当該貯槽の最高使用圧力の 1.2 倍以下とする。
(4)
安全弁は,排出を行っている状態で,当該貯槽の圧力が(3)に規定された圧力を超え
ないようにしなければならない。
(5) 安全弁の吹出し面積が,次に掲げる式により算出した面積以上とする。
A=
W
0.9C K dP1
M
ZT
350
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
ここで,
A :吹出し面積(mm2)で JIS B 8210(1994)「蒸気用及びガス用ばね
安全弁」附属書付図1による。
W :吹出し容量で前号に定める数値(kg/h)
C’:κとP2/P1とによる係数で JIS B 8210(1994)「蒸気用及びガス
用ばね安全弁」附属書参考図1による。
κ :断熱指数(CP/CV) *1,不明の場合はκ=1.0 とする。
P1 :吹出し量決定圧力の絶対圧力(MPa)で,最高使用圧力の1.2倍の
圧力の絶対圧力
P2 :背圧の絶対圧力(MPa)
Kd :吹出し係数
安全弁の吹出し係数を測定しない場合には,Kdの代わりに JIS B
8210(1994)「蒸気用及びガス用ばね安全弁」附属書図 1 から求め
られるKd’の値を用いて吹出し面積を計算することができる。
この場合,
弁座口の径がのど部の径の 1.15 倍以上のものであって,
弁が開いたときの弁座口のガスの通路の面積がのど部の面積の
1.05 倍以上であり,かつ弁の入口及び管台のガスの通路の面積が
のど部の面積の 1.7 倍以上の全量式安全弁ではKd’=0.864 とす
る。
T :吹出し量決定圧力におけるガスの絶対温度(K)
M :ガスの分子量
Z :圧縮係数で JIS B 8210(1994)「蒸気用及びガス用ばね安全弁」
附属書図3による。不明の場合はZ=1 とする。
【関係条項】
省令
第35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)第1項
解釈例 第72条(安全弁)第1項
【解 説】
*1
プロパン,ブタン及びその混合物の吹出し量決定圧力とそのときの温度における蒸発潜熱及
び断熱指数(κ)の計算例を解表 10−1に示す。
351
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解表 10−1 蒸発潜熱及び断熱指数の計算例
最高使用
吹出し量決定圧力,
吹出し量 吹出し量決定圧力,
吹出し量
蒸発
断熱
最高使
圧力に対
温度におけるLPG
決定圧力 温度におけるLPG
決定圧力
潜熱
指数
用圧力
応する温
(ガス)の組成
に対応す (液)の組成
(MPa)
(MPa)
(KJ/kg)
(κ)
度(℃)
(vol%)
(vol%)
る温度(℃)
i−B(100)
0.44
40
0.53
46
301 i−B(100)
1.09
0.56
48
0.67
55
285 i−B(100)
1.09
i−B(100)
0.74
40
0.88
47
297 P(49)i−B(51)
1.10
P(30)i−B(70)
P(30)i−B(70)
0.91
48
1.09
55
280 P(48)i−B(52)
1.10
0.93
40
1.12
47
297 P(70)i−B(30)
1.11
P(53)i−B(47)
P(53)i−B(47)
1.14
48
1.37
56
276 P(71)i−B(29)
1.10
P(96)i−B(4)
1.24
40
1.48
48
293 P(98)i−B(2)
1.12
1.49
48
1.79
56
272 P(98)i−B(2)
1.11
P(96)i−B(4)
P(100)
1.26
40
1.51
47
297 P(100)
1.12
1.52
48
1.82
56
272 P(100)
1.12
P(100)
備 考
1 P:プロバン,i−B:イソブタン
2 最高使用圧力は LPG(液)組成における液温 40℃,48℃の飽和蒸気圧(ゲージ圧力)とした。
10. 3. 4 ガスの置換装置
10. 2. 4 ガスの置換装置
LPG貯槽は、次の基準により、ガスの置換が安全に行える構造とする。
貯槽は,次の基準により,ガスの置換が安全に行える構造とする。
(1)
(1)
貯槽内のガスを,窒素ガス等の不活性ガス,水等によって確実に置換できる位置に注
注入管台及び放散管台を設置する。*1
入ノズル及び放散ノズルを設置する。*1
(2)
(2)
注入ノズル又は放散ノズルが大気開放の場合にあっては,二重バルブにするか又はバ
注入管台又は放散管台大気開放の場合にあっては、二重バルブにするか又はバルブと
遮断板等*2でもって漏れない構造とする。
ルブと遮断板等*2でもって漏れない構造とする。
(3) 放散口は、貯槽内のガスを安全に放散できる位置*3に設置する。
(3) 放散口は,貯槽内のガスを安全に放散できる位置*3に設置する。
【関連条項】
【関連条項】
省令
LPG貯槽内のガスを、窒素ガス等の不活性ガス等によって確実に置換できる位置に
省令
第13条(ガスの置換等)第1項
【解
【解 説】
*1 貯槽から大気中にLPGを廃棄する場合**1は,燃焼炉又はフレアースタック等で燃焼させる
第 13 条(ガスの置換等)第1項
説】
*1 LPG貯槽から大気中にLPGを廃棄する場合**1は、燃焼炉又はフレアースタック等で燃
焼させることが望ましい。
ことが望ましい。
*2 「遮断板等」には,キャップも含むものとする。
*3
放散口は,当該放散口から放出されるガスにより周囲に障害を与えるおそれのないように,
次の(1),(2)に示す高さ及び位置に設置する。ただし,当該放散口には,仮設のものも含むもの
放散口の高さは,放出されたガスの着地濃度が燃焼下限の 14 未満(緊急時あっては,燃焼
のとする。
(1) 放散口の高さは、放出されたガスの着地濃度が燃焼下限の 14 未満(緊急時あっては、燃焼
下限未満)になるような十分な高さとする。
(2)
*3 放散口は、当該放散口から放出されるガスにより周囲に障害を与えるおそれのないように、
次の(1)∼(3)に示す高さ及び位置に設置する。ただし、当該放散口には、仮設のものも含むも
とする。
(1)
*2 「遮断板等」には、キャップも含むものとする。
(1)の様に設計放散量を考慮した高さ及び位置に設置することが基本だが,周囲の設備状況
352
下限未満)になるような十分な高さとする。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
(2) (1)の様に設計放散量を考慮した高さ及び位置に設置することが基本だが、周囲の設備状況
等によっては,バルブ等の調整により放散をコントロールすることも有効な措置である。
(3)
放散口の位置は,作業員が定常作業を行うために必要な場所及び作業員が通常通行する場所
等によっては、バルブ等の調整により放散をコントロールすることも有効な措置である。
(3) 放散口の位置は、作業員が定常作業を行うために必要な場所及び作業員が通常通行する場
から適切な距離を有するものとする。
所から適切な距離を有するものとする。
【参 考】
**1 残液回収及び残ガス処理の例として,
「LPガスプラント検査技術者必携(第1分冊・JLPA
【参
501 LPガスプラント検査基準の詳解)
」の「1.2.1 開放検査の準備及び手順」がある。
考】
**1 残液回収及び残ガス処理の例として、
「LPガスプラント検査技術者必携(第1分冊・JLPA
」の「1.2.1 開放検査の準備及び手順」がある。
501 LPガスプラント検査基準の詳解)
10. 3
配
管
10. 3. 1 入出配管
10. 3. 5 入出配管
貯槽の入出配管*1は,以下の基準による。
(1) 配管材料は,原則として,3.2.2「胴・鏡板以外の耐圧部材」に規定するものとする。
(2)
LPG貯槽の入出配管*1は、以下の基準による。
(1) 配管材料は、原則として、3.2.2「胴・鏡板以外の耐圧部材」に規定するものとする。
配管の最高使用圧力は,当該貯槽の最高使用圧力,緊急遮断装置の設置状況等を考慮
(2)
して決定する。
(3)
配管の最高使用圧力は、当該貯槽の最高使用圧力、緊急遮断装置の設置状況等を考慮
して決定する。
貯槽に連絡される入出配管には,温度又は圧力の変化等による伸縮を吸収する措置を
(3)
講ずる。*2
(4) 伸縮吸収措置は,原則として次の(a)若しくは(b)又は(a),(b)の組み合せによる。
LPG貯槽に連絡される入出配管には、温度又は圧力の変化等による伸縮並びに地盤
沈下又は地震による変位量を吸収する措置を講ずる。*2
(4) 伸縮吸収措置は、原則として次の(a)若しくは(b)又は(a)、(b)の組み合せによる。*3*4
*3*4
(a) 自己可とうによる方法
(a) 自己可とう管等による方法
(b) 配管ループによる方法*5
(b) 配管ループによる方法*5
(5)
(5)
LPGを通ずる配管であって,液封による圧力上昇が生ずるおそれのある部分につい
*6
LPGを通ずる配管であって、液封による圧力上昇が生ずるおそれのある部分につい
ては、必要に応じ液封による異常圧力上昇を防止する措置を講ずる。*6
ては,必要に応じ液封による異常圧力上昇を防止する措置を講ずる。
【関連条項】
省令第 15 条(構造等)第1項第三号
【解 説】
*1
【解
開放検査時に貯槽側を配管側から確実に遮断する必要があるが,配管中に遮断板を挿入する
方法による場合には,そのための隙間を確保できるように配管レイアウトで考慮しておくこと。
説】
*1 開放検査時にLPG貯槽側を配管側から確実に遮断する必要があるが、配管中に遮断板を挿
入する方法による場合には、そのための隙間を確保できるように配管レイアウトで考慮してお
くこと。
*2
地盤の沈下及び地震時の変位によっても,配管及び貯槽本体のノズル部に過大な応力が発生
しないようにする。
が発生しないようにする。
*3 やむを得ずベローズ形伸縮管継手を用いる場合は,次の基準による。
*3 やむを得ずベローズ形伸縮管継手を用いる場合は、次の基準による。
(1) ベローズ形伸縮管継手は,貯槽本体と 10.2.2「遮断装置」に定める緊急遮断装置の間に設
置してはならない。
(2)
*2 地盤の沈下及び地震時の変位によっても、配管及びLPG貯槽本体のノズル部に過大な応力
(1) ベローズ形伸縮管継手は、LPG貯槽本体と 10.5.1「遮断装置」に定める緊急遮断装置の
間に設置してはならない。
貯槽に使用するベローズ形伸縮管継手のベローズの材料は,耐食性の材質のものを使用す
ること。
(2) LPG貯槽に使用するベローズ形伸縮管継手のベローズの材料は、耐食性の材質のものを
使用すること。
353
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*4 伸縮吸収措置を設置した場合の適切な位置を解図 10−4に示す。
*4 伸縮吸収装置を設置した場合の適切な位置を解図 10−3に示す。
5,000 未満
LPG
貯槽
LPG
貯槽
元弁
入出配管
入出配管
5,000 未満
LPG
貯槽
伸縮吸収措置
緊急遮断装置
入出配管
入出配管
解図 10−3 伸縮吸収装置の設置位置
伸縮吸収措置
遠隔操作弁等
緊急遮断装置
伸縮吸収装置
遠隔操作弁等
元弁
LPG
貯槽
伸縮吸収装置
5,000 以上
解図 10−4 伸縮吸収措置の設置位置
*5 配管ループによる方法の一例を解図 10−5に示す。
LPG貯槽本体
球形ガス
ホルダー本体
スプリング
ハンガー
緊急遮断装置
緊急遮断弁
解図 10−5 配管ループによる方法
「液封による圧力上昇を防止する措置」には,圧力逃がし機構付きのバルブを用いる方法や
*6 「液封による圧力上昇を防止する措置」には、圧力逃がし機構付きのバルブを用いる方法や
逃し弁を設置する方法などがある。
逃し弁を設置する方法などがある。
【参 考】
【参
球形貯槽の内圧によるノズル付根部の変位量の計算式
δ=
PD2
8 E
考】
球形貯槽の内圧による管台付根部の変位量の計算式
(1− )
δ=
ここで
δ
スプリング
ハンガー
緊急遮断弁
緊急遮断装置
解図 10−4 配管ループによる方法
*6
固定点
球形ガス
ホルダー本体
固定点
*5 配管ループによる方法の一例を解図 10−4に示す。
PD2
8 E
(1− )
ここで
: 鉛直方向の変位量(mm)
δ
354
: 鉛直方向の変位量(mm)
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
P
: 内圧(MPa)
P
: 内圧(MPa)
D
: 球形胴板の内径(mm)
D
: 球形胴板の内径(mm)
: ポアソン比
: ポアソン比
E
: 材料の縦弾性係数(N/mm2)
E
: 材料の縦弾性係数(N/mm2)
t
: 球形胴板の計算厚さ(mm)
t
: 球形胴板の計算厚さ(mm)
貯槽の温度変化によるノズル付根部の変位量の計算式
貯槽の温度変化によるノズル付根部の変位量の計算式
δ=r・α・⊿T
δ=r・α・⊿T
ここで,
ここで、
r
: 貯槽の外半径(mm)
r
: 貯槽の外半径(mm)
α
: 線膨張係数
α
: 線膨張係数
⊿T: 温度差(℃)
⊿T: 温度差(℃)
10. 3. 2 ドレン抜き装置
10. 3. 6 ドレン抜き装置
(1) 貯槽には,必要に応じドレン抜き装置*1*2*3*4を設置する。
(1) LPG貯槽には、必要に応じドレン抜き装置*1*2*3*4を設置する。
(2)
(2)
ドレンが凍結するおそれがある場合には,保温,スチームトレース,ヒーター等の凍
結防止措置を講ずる。
(3) ドレン抜き装置のノズル部に過大な応力が発生しない構造とする。
結防止措置を講ずる。
*5
(3) ドレン抜き装置管台部に過大な応力が発生しない構造とする。*5
【解 説】
*1
ドレンが凍結するおそれがある場合には、保温、スチームトレース、ヒーター等の凍
【解
ドレン抜き装置は,貯槽内のドレン及び不純物を一旦ドレンポット等に放出し,貯槽と隔離
した後排出処理を行うために設置する。
説】
*1 ドレン抜き装置は、LPG貯槽内のドレン及び不純物を一旦ドレンポット等に放出し、LP
G貯槽と隔離した後排出処理を行うために設置する。
*2 ドレン抜き装置は,貯槽元弁以外の弁,ドレンポット,配管をいう。
*2 ドレン抜き装置は、LPG貯槽元弁以外の弁、ドレンポット、配管をいう。
*3
*3 ドレンポットを使用した場合は、JIS B 8265(2010)「圧力容器の構造−一般事項」の規定で
ドレンポットを使用した場合は,JIS B 8265(2003)「圧力容器の構造−一般事項」の規定で
製作すること。
製作すること。
*4 材料に JIS G 4051(1979)「機械構造用炭素鋼鋼材」を使用する場合は,表4−4注(12)の規
定に従い最小引張強さを確認しなければならない。
*5
*4 材料に JIS G 4051(2009)「機械構造用炭素鋼鋼材」を使用する場合は、解釈例別表第1の備
考(12)の規定に従い最小引張強さを確認しなければならない。
ドレン抜き装置のノズル部は,操作時に荷重がかかるため,ドレン抜きノズルの口径は円筒
*5 ドレン抜き装置のノズル部は、操作時に荷重がかかるため、ドレン抜きノズルの口径は円筒
形貯槽にあっては1B以上,球形貯槽にあっては2B以上とし,貯槽本体側でサポートをとる
形貯槽にあっては1B以上、球形LPG貯槽にあっては2B以上とし、LPG貯槽本体側で
のが望ましい。
サポートをとるのが望ましい。
10. 4. 5 静電気除去措置*1
10. 3. 7 静電気除去措置*1
(1) 貯槽(LPGを通ずる部分に限る。
)には,当該設備に生ずる静電気を除去する措置を,
(1) LPG貯槽(LPGを通ずる部分に限る。)には、次のような静電気を除去する措置を
次の基準により講ずる。この場合,基礎ボルト等で固定されていることにより,接地状
講ずること。
355
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
態になっているものであって,接地抵抗値が 100Ω以下のものについては,静電気を除
(a) LPG貯槽本体*2及び荷役用陸上配管は、接地する。
去する措置を講じたものとみなされる。
(a) 貯槽本体*2及び荷役用陸上配管は,接地する。
(b) LPGローリー等及びその受入れ払出しの用に供する配管*3は、受入れ払出しをす
(b) タンクローリー,タンク車及びその受入れ払出しの用に供する配管*3は,受入れ払
る前に接地する。
(c) ボンディング用接続線*4及び接地接続線は、断面積5.5mm2以上のもの*5を用い、ろ
出しをする前に接地する。
(c) ボンディング用接続線*4及び接地接続線は,断面積5.5mm2以上のもの*5を用い,ろ
う付け、溶接又は接続金具を使用する方法等によって確実に接続する。
う付け,溶接又は接続金具を使用する方法等によって確実に接続する。
(d) 接地抵抗値は,総合 100Ω以下とする。
(d)
静電気除去措置の接地は,電力設備又は雷保護システムの接地と共用してもよい*6。
(e)
静電気除去措置の接地は、電力設備又は雷保護システムの接地抵抗値を確認し、そ
れが満たされていれば共用してもよい。*6。
(2) LPG貯槽の作業に係る人体の静電気を除去するための措置を講ずる。
(2) 貯槽の作業に係る人体の静電気を除去するための措置を講ずる。
【関連条項】
【関連条項】
省令
省令第12条(静電気除去)
第12条(静電気除去)
解釈例第9条(静電気除去措置)
解釈例 第9条(静電気除去措置)第一号
【解
【解 説】
説】
*1 静電気対策に関する基準としては、独立行政法人労働安全衛生総合研究所「静電気安全指針
*1 静電気対策に関する基準としては,静電気安全指針(産業安全研究所)がある。
2007」がある。
*2 安全弁及び元弁等についても,貯槽本体とボンディングして接地しておく。
*2 安全弁及び元弁等についても、貯槽本体とボンディングして接地しておく。
*3 固定配管は,(a)により,あらかじめ接地しておく。
*3 固定配管は、(a)により、あらかじめ接地しておく。
*4
*4 ボンディング用の金属導体としては、接続線の他、銅板等の金属板、ステンレスボルト、金
ボンディング用の金属導体としては,接続線の他,銅板等の金属板,ステンレスボルト,金
属ガスケット等を使用することができる。
属ガスケット等を使用することができる。
ただし,金属素地の露出した金属導体が互いに機械的に堅固に結合され,腐食,さび等によ
ただし、金属素地の露出した金属導体が互いに機械的に堅固に結合され、腐食、さび等によ
り金属接触面の電気抵抗が絶縁状態になるおそれのないようにする。
*5
り金属接触面の電気抵抗が絶縁状態になるおそれのないようにする。
ボンディング用接続線及び接地接続線は,原則として単線を使用せず,可とう性のあるより
*5 ボンディング用接続線及び接地接続線は、原則として単線を使用せず、可とう性のあるより
線等を使用する。
線等を使用する。
*6 電力設備の接地抵抗値は,電気設備の技術基準の解釈第 19 条(接地工事の種類)に規定され
*6 電力設備の接地抵抗値は、電気設備の技術基準の解釈第 19 条(接地工事の種類)に規定さ
ている。
れている。
10. 4. 6 雷保護システム*1
10.3.8 雷保護システム*1
貯槽本体には,JIS A 4201(2003)「建築物等の雷保護」の基準により,雷保護システムを
LPG貯槽本体には、JIS A 4201(2003)「建築物等の雷保護」の基準により、雷保護シス
設置する。なお,雷保護システムの接地を,静電気除去措置の接地として共用してもよい。
テムを設置する。なお、雷保護システムの接地を、静電気除去措置の接地として共用しても
よい。
【解 説】
*1 雷保護システムは突針及び引下げ導線の省略の有無により,解表 10−2に示す3通りがあり,
周囲の状況を考慮し決定する。
【解
説】
*1 雷保護システムは突針及び引下げ導線の省略の有無により、解表 10−3に示す3通りがあ
356
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
り、周囲の状況を考慮し決定する。
解表 10−2 貯槽の雷保護システム
受 雷 部
本
体1)
突
針
突
針
1
2
3
通
本
体2)
本
体2)
引下げ導線
電
部
接地接続線
接地接続線
接地極
解表 10−3 貯槽の雷保護システム
接地極
接地極
受 雷 部
本
体1)
突
針
突
針
1
2
3
注 1) 突針を取り付けない場合は,落雷により安全弁の機能が失われないように,安全弁の放散管と貯槽本体
をボンディング用接続線又は金属板により接続する。
注
2) すべての管,バルブなどを貯槽に電気的に接続して通電によって火花を出さない構造とする。
引 き 下 げ 導 線
本
体2)
接地接続線
2)
本
体
接地接続線
引下げ導線
接地極
接地極
接地極
1) 突針を取り付けない場合は、落雷により安全弁の機能が失われないように、安全弁の放散管と貯槽本
体をボンディング用接続線又は金属板により接続する。
2) すべての管、バルブなどを貯槽に電気的に接続して通電によって火花を出さない構造とする。
*1
10. 4. 7 電気設備の防爆
(1)
10.3.9 電気設備の防爆
電気設備は,できる限り爆発の危険のない安全な場所に設置するものとし,やむを得
ず可燃性ガス又は引火性の物の蒸気が爆発の危険のある濃度に達するおそれがある場所
LPG貯槽及び付属設備に設ける電気設備は、その設置場所の状況及びLPG等の種類
に応じた防爆性能を有する電気設備を設置する。*1
に設置する場合は,その設置場所の状況及び当該ガス又は液化ガスの種類に応じた防爆
性能を有する電気設備を設置する。
具体的には労働省産業安全研究所「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆 1979)」又
は,同「ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆 1994)」に従い,危険の
程度に応じた危険場所の分類*2,可燃性ガスの種類及びそれぞれの場所に応じた防爆構
造の電気機器及び配線方法の選定を検討し,設置する。
(2) 防爆電気機器は,労働省令第 45 号(昭和 47 年8月 30 日)機械等検定規則による検定
を受け,合格したものとする。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第10条(電気設備の防爆構造)
省令第 10 条(電気設備の防爆構造)
解釈例 第7条(電気設備の防爆構造)
解釈例第7条(電気設備の防爆構造)
【解 説】
【解
説】
*1 労働省産業安全研究所「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆 1979)」は,
「電気機械器具防
爆構造規格」に準拠する防爆電気機器,また,労働省産業安全研究所「ユーザーのための工場
防爆電気設備ガイド(ガス防爆 1994)」は,
「電気機械器具防爆構造規格における可燃性ガス又
は引火性の物の蒸気に係る防爆構造の規格に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有
するものの技術的基準(IEC 規格 79 関係)
(基発第 208 号労働省労働基準局長通達・昭和 63 年
4月1日)に準拠する防爆電気機器を対象に編纂されている。
*2
危険場所の分類は防液堤又は防止堤(10.6.2「液面拡大防止堤」に規定する液面拡大防止堤
*1 危険場所について、労働安全衛生法の電気機器具防爆構造規格(昭和 44 年 4 月 1 日労働省
をいう以下同じ。
)内の開放空間(防液堤又は防止堤の高さを超えないものとする。)は2種場
告示第 16 号、一部改正平成 20 年 3 月 13 日厚生労働省告示第 88 号)に従った分類の一例を
所とし,それ以外は原則として解表 10−3による。
解表 10−4として示す。
357
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解表 10−3 危険場所の分類
解表 10−4 危険場所の分類
危険場所の種別
設置場所
安全弁,ガス放出ノズ
ル,ドレン抜き口
1
周
弁,フランジ
種
囲
1
2
m
−
種
1種の周囲7m
安全弁、ガス放出ノズ
ル、ドレン抜き口
周
弁、フランジ
囲
1
m
10. 4. 8 保 安 電 力 等
(1)
危険場所の種別
設置場所
1
周
類
囲
1
2
m
−
類
1種の周囲7m
周
囲
1
m
10. 3.10 保 安 電 力 等
停電等により貯槽の機能が失われることのないよう,次に示す設備は,保安電力,保
(1)
停電等によりLPG貯槽の機能が失われることのないよう、次に示す設備は、保安電
安用計装圧縮空気又は電力以外の動力源等(以下「保安電力等」という。
)を有するもの
力、保安用計装圧縮空気又は電力以外の動力源等(以下「保安電力等」という。
)を有す
とする。*1
るものとする。*1
(a) 緊急遮断装置*2(停電等の緊急時に迅速に安全側へ移行するものを除く。
)
(a) 緊急遮断装置*2(停電等の緊急時に迅速に安全側へ移行するものを除く。
)
(b) 防消火設備*3
(b) 防消火設備*3
(c) 耐熱措置として設置する冷却装置等*4
(c) 耐熱措置として設置する冷却装置等*4
(d) 貯槽相互間の距離の確保に代えて設置する水噴霧装置等*5
(d) 貯槽相互間の距離の確保に代えて設置する水噴霧装置等*5
(e) 保安物件に対する距離の確保に代えて設置する水噴霧装置等*6
(e) 保安物件に対する距離の確保に代えて設置する水噴霧装置等*6
(f) ガス漏えい検知警報設備*7
(f) ガス漏えい検知警報設備*7
(g) 非常用照明設備*8
(g) 非常用照明設備*8
(h) 保安通信設備(加入電話設備を除く。)*9
(h) 保安通信設備(加入電話設備を除く。)*9
(i) その他保安を確保するために必要なもの
(i) その他保安を確保するために必要なもの
(2) 保安電力等の性能は,JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」による。
(2) 保安電力等の性能は、JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」による。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第21条(保安電力等)
省令第 21 条(保安電力等)
解釈例 第76条(保安電力等)第一号∼第四号,第六号∼第九号
解釈例第 76 条(保安電力等)
【解 説】
【解
*1 「保安電力等を有する」とは,以下のものがある。
説】
*1 「保安電力等を有する」とは、以下のものがある。
(1) 動力又は信号系統に電力を用いているものにあっては,保安電力を有すること。
(1) 動力又は信号系統に電力を用いているものにあっては、保安電力を有すること。
(2)
(2) 動力又は信号系統に圧縮空気等を用いているものにあっては、保安用計装圧縮空気を有す
動力又は信号系統に圧縮空気等を用いているものにあっては,保安用計装圧縮空気を有す
ること。
ること。
(3) ポンプ,圧縮機等にあっては動力源としてエンジン,タービンを有すること。
(3) ポンプ、圧縮機等にあっては動力源としてエンジン、タービンを有すること。
(4)
(4) 防消火設備、散水設備、水噴霧装置等にあっては、常時必要水量を必要な水頭圧をもつタ
防消火設備,散水設備,水噴霧装置等にあっては,常時必要水量を必要な水頭圧をもつタ
ンク又は貯水池等を有すること。
ンク又は貯水池等を有すること。
*2 10.2.2「遮断装置」で規定するものをいう。
*2 10.5.1「遮断装置」で規定するものをいう。
*3 10.5.1「消火設備」で規定するものをいう。
*3 10.5.3「消火設備」で規定するものをいう。
*4 10.5.2「耐熱措置」で規定するものをいう。
*4 10.5.4「耐熱措置」で規定するものをいう。
*5 12.4.2「貯槽相互間の距離」で規定するものをいう。
*5 10.2.5「設備間距離」で規定するものをいう。
*6 12.2.2「貯槽の保安物件までの距離」で規定するものをいう。
*6 10.2.2「離隔距離」で規定するものをいう。
358
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*7 10.4.4「ガス漏えい検知警報設備」で規定するものをいう。
*7 10.4.4「ガス漏えい検知警報設備」で規定するものをいう。
*8 JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」3.2.2「照明の基準」で規定するもののうち,非
*8 JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」3.2.2「照明の基準」で規定するもののうち、
非常用として設置しているものをいう。
常用として設置しているものをいう。
*9 JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」4.4「保安通信設備」で規定するものをいう。
*9 JGA 指−103−02「製造所保安設備設置指針」4.4「保安通信設備」で規定するものをいう。
10. 4
電気・計装設備
10. 4
10. 4. 1 圧力計*1
監視設備
10. 4. 1 圧力計*1
(1) 貯槽本体には JIS B 7505(1999)「ブルドン管圧力計」に規定するブルドン管圧力計を
(1)
円筒形貯槽にあっては,気相部に1個以上,球形貯槽にあっては,気相部,底部に各1
LPG貯槽本体には JIS B 7505-1(2007)「アネロイド型圧力計−第1部:ブルドン
管圧力計」に規定するブルドン管圧力計を円筒形LPG貯槽にあっては、気相部に1個
*2
以上、球形LPG貯槽にあっては、気相部、底部に各1個以上設ける。*2
個以上設ける。
(2) ブルドン管圧力計の測定範囲は,貯槽の最高使用圧力を適切に測定できるものとする。
(2) ブルドン管圧力計の測定範囲は、貯槽の最高使用圧力を適切に測定できるものとする。
(3) ブルドン管圧力計の大きさは,原則として 150mmφ以上とする。
(3) ブルドン管圧力計の大きさは、原則として 100mmφ以上とする。
(4)
(4)
ブルドン管圧力計の精度は,JIS B 7505(1999)「ブルドン管圧力計」に規定する精度
1.6 級以上のものを使用する。
*3*4
ルドン管圧力計」に規定する精度 1.6 級以上のものを使用する。*3*4
【関連条項】
省令
【関連条項】
第18条(計測装置等)第1項
省令第 18 条(計測装置等)第1項
解釈例 第73条(計測装置等)第1項第九号
解釈例第 73 条(計測装置等)
【解 説】
*1
【解 説】
圧力計のほかに圧力が異常に上昇した場合,その旨を警報するものを設置することが望まし
*1 圧力計のほかに圧力が異常に上昇した場合、その旨を警報するものを設置することが望まし
い。
い。
*2 圧力計の最大目盛りは,最高使用圧力の 1.5 倍以上3倍以下の範囲内となるように選定する
*2 圧力計の最大目盛りは、最高使用圧力の 1.5 倍以上3倍以下の範囲内となるように選定する
ことが望ましい。
*3
ことが望ましい。
ブルドン管圧力計以外の圧力計を運転管理用に使用する場合の総合精度は,示度の誤差が最
*3 ブルドン管圧力計以外の圧力計を運転管理用に使用する場合の総合精度は、示度の誤差が最
大圧力に対する百分率で±2%の許容差以内とする。
大圧力に対する百分率で±2%の許容差以内とする。
*4 伝送式圧力計の器差は,測定範囲に対し±1%以内とする。
*4 伝送式圧力計の器差は、測定範囲に対し±1%以内とする。
10. 4. 2 温度計
10. 4. 2 温度計
LPG貯槽本体には、LPG貯槽の最低使用温度から最高使用温度までの範囲を適切に
貯槽本体には,貯槽の最低使用温度から最高使用温度までの範囲を適切に測定できる温
度計
*1
ブルドン管圧力計の精度は、JIS B 7505-1(2007)「アネロイド型圧力計−第1部:ブ
測定できる温度計*1を1個以上設置するものとし、その設置場所は原則として本体底部と
を1個以上設置するものとし,その設置場所は原則として本体底部とする。
する。
【解 説】
【解
359
説】
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
*1 温度計は、以下に示すもののうち適切な種類のものを選択する。
*1 温度計は,以下に示すもののうち適切な種類のものを選択する。
(a)
JIS B 7528(1979)「水銀充満圧力式指示温度計」
(a) JIS B 7528(2010)「水銀充満圧力式指示温度計」
(b)
JIS B 7529(1979)「蒸気圧式指示温度計」
(b) JIS B 7529(2010)「蒸気圧式指示温度計」
(c)
JIS C 1601(1983)「指示熱電温度計」
(c) JIS C 1602(1995)「熱伝対」
(d)
JIS C 1603(1983)「指示抵抗温度計」
(d) JIS C 1604(1997)「測温抵抗体」
(e) 上記以外の温度計であって,それらと同等以上の構造及び性能を有するもの
(e) 上記以外の温度計であって、それらと同等以上の構造及び性能を有するもの
10. 4. 3 液面計
10. 4. 3 液面計
(1) 貯槽本体には,内容積の 90%以上の液面位まで測定可能なように液面計を以下のいず
(1) LPG貯槽本体には、内容積の 90%以上の液面位まで測定可能なように液面計を以下
れかの個数以上設ける。
(a)
のいずれかの個数以上設ける。
フロート式,差圧式,静電容量式,ディスプレーサ式,電波式液面計又はこれらと
(a)
同等以上の性能を有するものを2個。
フロート式、差圧式、静電容量式、ディスプレーサ式、電波式液面計又はこれらと
(b)
同等以上の性能を有するものを2個。
(a)に掲げる液面計を1個,高位液面及び低位液面を計測できる直視形の液面計を1
(b)
個。
(a)に掲げる液面計を1個、高位液面及び低位液面を計測できる直視形の液面計を1
個。
(c) クリンガー式液面計を1個。
(c) クリンガー式液面計を1個。
(2)
クリンガー式液面計は,千鳥型に配列し,可視範囲全域の液面が確認できるものとする。
(2)
(3)
フロート式のものは,要部ステンレス製とし,貯槽内に懸吊されるフロートは,ガイ
(3) フロート式のものは、要部ステンレス製とし、LPG貯槽内に懸吊されるフロートは、
クリンガー式液面計は、千鳥型に配列し、可視範囲全域の液面が確認できるものとする。
ド又は保護金物を取付け,上下運動の際の横揺れに対してフロート及びテープの安全性
ガイド又は保護金物を取付け、上下運動の際の横揺れに対してフロート及びテープの安
を確保する。
全性を確保する。
(4) ガラスを使用した液面計の場合は,次の基準による。
(a)
(4) ガラスを使用した液面計の場合は、次の基準による。
液面計に使用するガラスは,JIS B 8211(1994)「ボイラ用水面計ガラス」のガラス
(a)
又はこれと同等以上の強度を有するガラスとする。
液面計に使用するガラスは、JIS B 8211(1994)「ボイラ用水面計ガラス」のガラス
(b)
又はこれと同等以上の強度を有するガラスとする。
液面を確認するために必要な最小面積以外の部分は,金属製の枠で保護することに
(b)
より,その破損を防止する措置を講ずる。
液面を確認するために必要な最小面積以外の部分は、金属製の枠で保護することに
より、その破損を防止する措置を講ずる。
を設ける。また,自動式
(c) 液面計を接続する配管には、自動式及び手動式の止め弁*2を設ける。また、自動式
及び手動式の止め弁は,自動及び手動によって閉止できる二つの機能を備えた単一の
及び手動式の止め弁は、自動及び手動によって閉止できる二つの機能を備えた単一の
止め弁でもよい。
止め弁でもよい。
(c) 液面計を接続する配管には,自動式及び手動式の止め弁
*2
(d) 丸形ガラス管ゲージを使用してはならない。
(d) 丸形ガラス管ゲージを使用してはならない。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第18条(計測装置等)第1項
省令第 18 条(計測装置等)第1項
解釈例 第73条(計測装置等)第1項第九号,第3項
解釈例第 73 条(計測装置等)
【解 説】
*1
【解 説】
貯槽に直視形液面計を取り付ける場合は,鋼製のパイプを使用して液コラムを作り,これに
*1 LPG貯槽に直視形液面計を取り付ける場合は、鋼製のパイプを使用して液コラムを作り、
数個の分割した直視形液面計を取り付ける。なお液コラムは,液面計の重量を支持すると共に
これに数個の分割した直視形液面計を取り付ける。なお液コラムは、液面計の重量を支持す
貯槽内の液面の動揺を直接液面計に伝達しない効果をもつものである。
ると共に貯槽内の液面の動揺を直接液面計に伝達しない効果をもつものである。
360
現行 LPG貯槽指針
*2
LPG貯槽指針 改訂案
*2 「自動式及び手動式の止め弁」には、ガラスが破損した場合に自動的に流出を防止できる構
「自動式及び手動式の止め弁」には,ガラスが破損した場合に自動的に流出を防止できる構
造の止め弁(ボールチャッキ弁)を含むものとする。
造の止め弁(ボールチャッキ弁)を含むものとする。
10. 4. 4 ガス漏えい検知警報設備
10. 4. 4 ガス漏えい検知警報設備
10. 4. 4. 1 一
10. 4. 4. 1 一
般
貯槽には,次の基準によりガス漏えい検知警報設備*1を設置する。
LPG貯槽には、次の基準によりガス漏えい検知警報設備*1を設置する。
(1) ガス検知部の設置場所及び設置個数は,次の基準による。
*2
(a) 防液堤を有する貯槽
般
(1) ガス検知部の設置場所及び設置個数は、次の基準による。
*3
(a) 防液堤を有するLPG貯槽*2には、防液堤(間仕切りも含む。)内に2個以上。*3
には,防液堤(間仕切りも含む。
)内に2個以上
(b) 貯槽にLPGの受入れ又は払出しをする場所の周囲*4であって,ガスが滞留するお
(b) LPG貯槽にLPGの受入れ又は払出しをする場所の周囲*4であって、ガスが滞留
それのある場所に2個以上。ただし,(a)のものと兼ねることはできない。*5
するおそれのある場所に2個以上。ただし、(a)のものと兼ねることはできない。*5
(c) その他ガスが滞留するおそれのある場所に1個以上
(c) その他ガスが滞留するおそれのある場所に1個以上。
(2) ガス検知部及び警報部の設置位置は,次の基準による。
(2) ガス検知部及び警報部の設置位置は、次の基準による。
(a) ガス検知部は,地表面,側溝等ガスが滞留しやすい位置に設置する。
(a) ガス検知部は、地表面、側溝等ガスが滞留しやすい位置に設置する。
(b)
(b)
警報部は関係者が常駐する場所であって,警報のあったのち各種の対策を講ずるの
に適切な場所に設置する。
に適切な場所に設置する。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第9条(ガスの滞留防止)第2項
省令
解釈例 第6条(ガスの滞留防止)第2項
第9条(ガスの滞留防止)第2項
解釈例 第6条(ガスの滞留防止)
【解 説】
*1
警報部は関係者が常駐する場所であって、警報のあったのち各種の対策を講ずるの
【解 説】
ガス漏えい検知警報設備は,ガス検知部,警報部及びこれらの間を接続する電気導線よりな
*1 ガス漏えい検知警報設備は、ガス検知部、警報部及びこれらの間を接続する電気導線よりな
っている。
っている。
*2 省令第 38 条に定める防液堤の設置を必要とする貯槽をいう。
*2 省令第 38 条に定める防液堤の設置を必要とするLPG貯槽をいう。
*3 防液堤内の集液槽,貯槽元弁周囲,液化ガス用ポンプ周囲等に設置することが望ましい。
*3 防液堤内の集液槽、LPG貯槽元弁周囲、液化ガス用ポンプ周囲等に設置することが望まし
い。
*4
「受入れ又は払出しをする場所の周囲」とは,ローリー又は船からの受入れ端若しくは払出
し端の付近をいう。
*4 「受入れ又は払出しをする場所の周囲」とは、ローリー又は船からの受入れ端若しくは払出
し端の付近をいう。
*5 (a)のものと兼ねることができないとしたのは,防液堤によりガスの流れが遮られるためであ
る。
*5 (a)のものと兼ねることができないとしたのは、防液堤によりガスの流れが遮られるためで
ある。
361
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
10. 4. 4. 2 ガス漏えい検知警報設備の機能、構造基準
10. 4. 4. 2 ガス漏えい検知警報設備の機能,構造基準
(1) 機
(1) 機
能
ガス漏えい検知警報設備は、可燃性ガスの漏えいを検知し警報を発するものとし、そ
ガス漏えい検知警報設備は,可燃性ガスの漏えいを検知し警報を発するものとし,そ
の機能は次の基準による。
の機能は次の基準による。
(a)
能
(a)
ガス漏えい検知警報設備は,半導体方式,接触燃焼方式その他の方式によって検知
ガス漏えい検知警報設備は、半導体方式、接触燃焼方式その他の方式によって検知
エレメントの変化を電気的機構等により,あらかじめ設定されたガス濃度(以下「警
エレメントの変化を電気的機構等により、あらかじめ設定されたガス濃度(以下「警
報設定値」という。
)において自動的に警報を発するものとする。
報設定値」という。
)において自動的に警報を発するものとする。
の 14 以
(b) 警報設定値は、設置場所における周囲の雰囲気の温度において、燃焼下限*1の 14 以
*1
(b) 警報設定値は,設置場所における周囲の雰囲気の温度において,燃焼下限
下の値とする。この場合,警報設定値は任意に設定ができるものとする。
下の値とする。この場合、警報設定値は任意に設定ができるものとする。
(c) 警報精度は,警報設定値に対し,±25%以下のものとする。
(c) 警報精度は、警報設定値に対し、±25%以下のものとする。
(d) 検知警報設備の発信に至るまでの遅れは,警報設定値の1.6倍の濃度において通常30
(d) 検知警報設備の発信に至るまでの遅れは、警報設定値の1.6倍の濃度において通常30
秒以内
(e)
*2
秒以内*2とする。
とする。
電源の電圧等の変動が±10%あった場合においても,警報精度が低下しないものと
(e)
する。
電源の電圧等の変動が±10%あった場合においても、警報精度が低下しないものと
(f)
する。
指示計の目盛は,0∼燃焼下限界値(警報設定値を低濃度に設定するものにあって
(f)
指示計の目盛は、0∼燃焼下限界値(警報設定値を低濃度に設定するものにあって
は,当該警報設定値を勘案し,燃焼下限界値以下の適切な値とすることができる。
)を
は、当該警報設定値を勘案し、燃焼下限界値以下の適切な値とすることができる。
)を
目盛の範囲に明確に指示するものであること。
目盛の範囲に明確に指示するものであること。
(g)
警報を発した後は,原則として,雰囲気中のガス濃度が変化しても警報を発信し続
(g)
けるものとし,その確認又は対策を講ずることにより警報が停止するものとする。
警報を発した後は、原則として、雰囲気中のガス濃度が変化しても警報を発信し続
(2) 構
けるものとし、その確認又は対策を講ずることにより警報が停止するものとする。
造
(2) 構
ガス漏えい検知警報設備の構造は,次の基準による。
(a)
ガス漏えい検知警報設備の構造は、次の基準による。
十分な強度を有し(特に検知エレメント及び発信回路は耐久力を有するものである
(a)
十分な強度を有し(特に検知エレメント及び発信回路は耐久力を有するものである
こと。
)
,かつ,取扱い及び整備(特に検知エレメントの交換等)が容易なものとする。
(b)
造
こと。)
、かつ、取扱い及び整備(特に検知エレメントの交換等)が容易なものとする。
ガスに接触する部分は耐しょく性の材料又は十分な防しょく処理を施した材料を用
(b)
いたものであり,その他の部分は塗装及びメッキの仕上げが良好なものとする。
ガスに接触する部分は耐食性の材料又は十分な防食処理を施した材料を用いたもの
であり、その他の部分は塗装及びメッキの仕上げが良好なものとする。
(c) 防爆性については,労働安全衛生法第44条の2による検定に合格したものとする。
(d)
(c)
2以上の検出端部からの警報を受信する場合,受信回路は,他が警報を発し回路が
2以上の検出端部からの警報を受信する場合、受信回路は、他が警報を発し回路が
作動している場合においても,当該ガス漏えい検知警報設備が作動すべき条件の場合
作動している場合においても、当該ガス漏えい検知警報設備が作動すべき条件の場合
は警報を発することができるものとし,かつ,当該場所が識別できるものとする。
は警報を発することができるものとし、かつ、当該場所が識別できるものとする。
(e) 受信回路は,作動状態にあることが容易に識別できるものとする。
(d) 受信回路は、作動状態にあることが容易に識別できるものとする。
(f) 警報は,ランプが点灯又は点滅すると同時に警戒音を発するものとする。
(e) 警報は、ランプが点灯又は点滅すると同時に警戒音を発するものとする。
【解 説】
【解
*1 LPGと空気との混合物の大気圧下における燃焼下限値が,1.3「用語の意味」解表1−2に
示されている。
説】
*1 LPGと空気との混合物の大気圧下における燃焼下限値が、1.3「用語の意味」解表1−2
に示されている。
*2 吸引管等による遅れを除く。
*2 吸引管等による遅れを除く。
362
現行 LPG貯槽指針
10. 5 拡大防止設備
LPG貯槽指針 改訂案
10. 5 拡大防止設備
10. 2. 2 遮断装置
10. 5. 1 遮断装置
遮断装置は,手動弁,遠隔操作弁*1,緊急遮断装置*2,逆止弁等のうち,適切なものを,
遮断装置*1は、手動弁、遠隔操作弁*2、緊急遮断装置*3、逆止弁等のうち、適切なもの
次の基準により1つ以上設ける。*3*4
を1つ以上設ける。*4
(1) 容積が 5,000 未満の貯槽
(a)
当該貯槽のLPGを送り出し,又は受け入れるために用いられる配管(当該貯槽か
【関連条項】
らのLPGの流出のおそれのない構造*5のものを除く。)には,遠隔操作弁等*6を設
省令第 36 条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
置する。
省令第 40 条(経過措置)第2項
(b) 遠隔操作弁等は,当該貯槽と当該配管との接続部付近に設ける。
解釈例第 93 条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
(c) 遠隔操作弁等の遮断操作を行う位置は,当該配管及び当該貯槽の外面から5m 以上
(埋設された配管にあっては0m 以上)離れた位置であり,かつ,予想されるLPG
【解
の漏洩に対して十分安全な場所にあること。
*1 省令・解釈例に記載の項目以外に下記の項目に留意して設置すること
(2) 容積が 5,000 以上の貯槽
(a)
(a)
当該貯槽のLPGを送り出し又は受け入れるために用いられる配管(当該貯槽から
緊急遮断装置及び遠隔操作弁(以下「遮断弁」という。)の遮断操作を行う位置は、計器
室若しくは現場又はその双方で操作できるものとする。
LPGの流出のおそれのない構造*5のものを除く。)には,緊急遮断装置*6及び元
(b)
遮断弁の遮断操作を行う位置で、遮断弁の開閉状態が容易に確認出来ない場合は、開閉状
態を示すシグナルランプ等の表示を操作盤等に設ける。
弁(手動弁又は遠隔操作弁等)を設置する。
(c)
(b) 緊急遮断装置は,当該貯槽の元弁の外側であって元弁にできる限り近い位置*7又は
遮断弁の操作機構は、遮断弁の構造に応じて、液圧、気圧、電気(いずれも停電時等にお
いて保安電力等により使用できるものとする。)又はバネ等を動力源として用いるものとし、
貯槽の内部に設ける。
緊急時に速やかにLPGを遮断できるものとする。
(c) 元弁は,当該貯槽と当該配管との接続部付近に設ける。
(d)
説】
緊急遮断装置の遮断時間**1は、できるかぎり短くしなければならないが、緊急遮断装置
(d)
緊急遮断装置の遮断操作を行う位置は,当該配管及び当該貯槽の外面から5m(特
定事業所に設置するものにあっては 10m)以上(埋設された配管にあっては0m 以上)
の構造、駆動方法及び急激な閉止によるウォーターハンマー等を十分考慮して決めなければ
離れた位置(防液堤(10.6.1 に規定するものをいう。
)を設けている場合にあってはそ
ならない
の外側)であり,かつ,予想されるLPGの漏洩に対して十分安全な場所にあること。
(e)
(e)
緊急遮断装置は,貯槽等の沈下又は浮上,配管の熱膨張及び地震の影響を考慮して
遮断弁の材質は、鋳鋼、鍛鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有するものとする。
設置*8する。
(3) 緊急遮断装置及び遠隔操作弁(以下「遮断弁」という。
)の遮断操作を行う位置は,計
*2「遠隔操作弁」は、必要に応じ制限トルクの超過を防止する安全装置を備えたものを用い、
器室若しくは現場又はその双方で操作できるものとする。
(4)
適正な作動ストロークに調節する。
遮断弁の遮断操作は,簡単であるとともに確実,かつ,速やかに行うことができるも
のとする。
(5)
*3「緊急遮断装置」とは、緊急遮断弁及びこれを操作する機構をいう。
遮断弁の遮断操作を行う位置で,遮断弁の開閉状態が容易に確認出来ない場合は,開
(a)
閉状態を示すシグナルランプ等の表示を操作盤等に設ける。
(6)
緊急遮断装置は、当該LPG貯槽の元弁の外側であって元弁にできる限り近い位置又はL
PG貯槽の内部に設ける。
遮断弁の操作機構は,遮断弁の構造に応じて,液圧,気圧,電気(いずれも停電時等
(b)
において保安電力等により使用できるものとする。)又はバネ等を動力源として用いるも
緊急遮断装置は遮断したとき、その接続配管においてウォーターハンマーが生じやすいた
め、遮断したことにより発生するLPGの運動エネルギーをLPG貯槽内で吸収しやすいよ
のとし,緊急時に速やか*9にLPGを遮断できるものとする。
うに貯槽元弁近くに設置する。
(7) 遮断弁の材質は,鋳鋼,鍛鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有するものとする。
(c)
緊急遮断装置は、LPG貯槽等の沈下又は浮上、配管の熱膨張及び地震の影響を考慮して
設置する。
363
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
【関連条項】
(d)
省令
第36条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
省令
第40条(経過措置)第2項
LPG貯槽等と緊急遮断装置との間で破損が生じないように、LPG貯槽等と緊急遮断装
置の基礎を一体化する、各種の変位を考慮した配管計画を行う等の措置を行う。
*4ボール弁及びバタ弁等のソフトシール弁を使用する場合は、ファイヤーセーフ構造のものと
解釈例 第93条(液化ガス用貯槽の遮断装置)
する。
【解 説】
*1
「遠隔操作弁」は,必要に応じ制限トルクの超過を防止する安全装置を備えたものを用い,
適正な作動ストロークに調節する。
【参 考】
**1 緊急遮断装置の遮断時間の例として、
「LPガスプラント検査技術者必携(第1分冊・JLPA
*2 「緊急遮断装置」とは,緊急遮断弁及びこれを操作する機構をいう。
」の「第Ⅲ編附属品の検査 1.4 緊急遮断装置」があ
501 LPガスプラント検査基準の詳解)
*3
る。
ボール弁及びバタ弁等のソフトシール弁を使用する場合は,ファイヤーセーフ構造のものと
する。
*4 遮断装置の位置を解図 10−2に示す
5,000 以上
5,000 未満
送り出し
又は受け入
れるための
配管のみ
手動弁又は遠隔操作弁等
・貯槽と配管との接続部
付近
緊急遮断装置
・特定事業所以外の受入配管
は逆止弁で代替可
操作位置
・貯槽から5m
(特定事業所は 10m)
・入出配管から5m
(特定事業所は 10m)
ただし,埋設配管除く
送り出し
又は受け入
れるための
配管のみ
遠隔操作弁等
・貯槽と配管との接続部付近
・特定事業所以外の受入配管は手動
弁+逆止弁で代替可
操作位置
・貯槽から5m
・入出配管から5m(埋設配管除く)
364
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
操作位置
操作位置
5m(特定事業者は 10m)
5m
解図 10−2 遮断装置の位置図
*5
「当該貯槽からLPGの流出のおそれのない構造の配管」とは,取り出し口が最高液面以上
に設置されている配管又は気相部の圧力によってLPGの流出の恐れのない配管をいう。
*6
特定事業所以外の製造所に設置する貯槽に取り付けた配管であってLPGを受け入れるため
のみに用いられる配管にあっては,当該貯槽と当該配管との接続部付近に設けた逆止弁(容積
が 5,000 未満の貯槽については手動弁及び逆止弁)をもってかえることができる。なお,手動
弁及び逆止弁の材料,設計,試験及び検査については遠隔操作弁及び緊急遮断装置に準ずるこ
と。
*7 緊急遮断装置は遮断したとき,その接続配管においてウォーターハンマーが生じやすいため,
遮断したことにより発生するLPGの運動エネルギーを貯槽内で吸収しやすいように貯槽元弁
近くに設置する。
*8
貯槽等と緊急遮断装置との間で破損が生じないように,貯槽等と緊急遮断装置の基礎を一体
化する,各種の変位を考慮した配管計画を行う等の措置を行う。
*9 緊急遮断装置の遮断時間**1は,できるかぎり短かくしなければならないが,緊急遮断装置の
構造,駆動方法及び急激な閉止によるウォーターハンマー等を十分考慮して決めなければなら
ない。
【参 考】
**1 緊急遮断装置の遮断時間の例として,
「LPガスプラント検査技術者必携(第1分冊・JLPA
」の「第Ⅲ編附属品の検査 1.4 緊急遮断装置」がある。
501 LPガスプラント検査基準の詳解)
10. 6
防液堤等
10. 5. 2 防液堤等
10. 5. 2. 1 防液堤
10. 6. 1 防液堤
貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)以上のLPG貯槽に
貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)以上の貯槽には,そ
は、その周囲に適切な防液堤を設置する。*1*2*3*4
の周囲に次の基準により,防液堤*1を設置する。
(1) 防液堤の容量は,次の基準による。
【関連条項】
(a) 1基の貯槽を1基の防液堤に設置する場合
省令第 38 条(防液堤)第1項
防液堤の容量は,貯槽内のLPGが瞬時に流出した場合に液体として残留する量(以
省令第 40 条(経過措置)第1項
下「貯蔵能力相当容量」*2という。)を全量収容できるものとする。
365
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解釈例第 95 条(防液堤)
(b) 2基以上*3の貯槽を同一防液堤内に設置する場合
(貯槽ごとに,(ⅱ)に示す間仕切りを設けた場合に限る。)
(ⅰ) 防液堤の容量は,当該防液堤内の貯槽のうち最大貯槽の貯蔵能力相当容量に他の
貯槽の貯蔵能力相当容量の合計の 10%を加えて得られた容量以上を全量収容でき
るものとする。
(ⅱ) 間仕切りは,集合防液堤の容量に当該集合防液堤内に設置された貯蔵能力相当容
量の合計に対する一の貯槽の貯蔵能力相当容量の割合を乗じて得られた容量に応じ
て設けるものとし,その高さは防液堤より 10cm 下げたものとする。
(2) 防液堤には 50m に1箇所以上階段,はしご又は土砂の盛り上げ等により昇降のための
【解
措置を講ずる。ただし,防液堤の長さが 100m 未満の場合にあっては分散して2箇所以上
*1 省令・解釈例に記載の項目以外に下記の項目に留意して設置すること
とする。
(3)
(a) 防液堤外において排水及びその遮断の操作ができる排水装置を設ける。この場合、排水時以
防液堤外において排水及びその遮断の操作ができる排水装置を設ける。この場合,排
外は閉止する。
水時以外は閉止する。
(b) 防液堤内に出入する配管は、原則として防液堤を乗り越すように設ける。
(4) 防液堤内に出入する配管は,原則として防液堤を乗り越すように設ける。
止むを得ず防液堤を貫通して配管を設ける場合には、配管の貫通部は耐震性を考慮するとと
止むを得ず防液堤を貫通して配管を設ける場合には,配管の貫通部は耐震性を考慮す
もに、貫通部からの漏えい防止及び防食の措置**1を講ずる。
るとともに,貫通部からの漏えい防止及び防食の措置*4を講ずる。
(5)
説】
(c) 防液堤に附帯して設置する排水装置には、その開閉状態がわかるような表示を行う。なお、
防液堤に附帯して設置する排水装置には,その開閉状態がわかるような表示を行う。
ポンプを使用する排水装置にあっては、そのポンプの運転又は停止の状態がわかるものとす
なお,ポンプを使用する排水装置にあっては,そのポンプの運転又は停止の状態がわか
る。
るものとする。
【関連条項】
省令
第38条(防液堤)第1項
省令
第40条(経過措置)第1項
解釈例 第95条(防液堤)第1項,第2項,第3項
【解 説】
*2 防液堤の構造については、8.2「防液堤」による。
*1 防液堤の構造については,8.2「防液堤」による。
*2
「貯蔵能力相当容量」とは,次の式で示されるように,貯蔵能力を容積に換算した量から貯
*3 「貯蔵能力相当容量」とは、次の式で示されるように、貯蔵能力を容積に換算した量からL
PG貯槽の圧力が開放される時に気化する液化ガスの容積を減じて得られる量をいう。
槽の圧力が開放される時に気化する液化ガスの容積を減じて得られる量をいう。
V0=γC1V1
V0=γC1V1
ただし、
ただし,
V0:貯蔵能力相当容量( を単位とする。)
V0:貯蔵能力相当容量( を単位とする。)
γ :解表 10−5に示す比率
γ :解表 10−4に示す比率
C1:0.9
C1:0.9
V1:容積( を単位とする。)
V1:容積( を単位とする。)
366
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解表 10−4 貯蔵能力相当容量算定のための比率γ
解表 10−5 貯蔵能力相当容量算定のための比率γ
0.2 以上
0.4 未満
0.4 以上
0.7 未満
1
0.9
0.8
0.1 未満
0.1 以上
0.25 未満
0.25 以上
1
0.9
0.8
0.7 以上
1.1 未満
0.7
1.1 以上
0.6
ブタン
ブタン
0.2 未満
プロパン
プロパン
貯槽内の
圧
力
圧力に応
じた比率
貯槽内の
圧
力
圧力に応
じた比率
備 考
0.2 未満
0.2 以上
0.4 未満
0.4 以上
0.7 未満
1
0.9
0.8
0.1 未満
0.1 以上
0.25 未満
0.25 以上
1
0.9
0.8
0.7 以上
1.1 未満
0.7
1.1 以上
0.6
備 考
1 圧力の単位は MPa とする。
1
2 上の表に掲げるガス以外のガスにあっては,貯槽内の圧力に応じた当該ガスの気化率を1から減じた数値
2
とする。
圧力の単位は MPa とする。
上の表に掲げるガス以外のガスにあっては、貯槽内の圧力に応じた当該ガスの気化率を1から減じた数
値とする。
3 表以外の組成の数値については,高圧ガス保安法「液化石油ガス保安規則の機能性基準の運用について(平
3
成 15・03・28 原院第 10 号通達)
」を参考のこと。
表以外の組成の数値については、高圧ガス保安法「液化石油ガス保安規則の機能性基準の運用について」
を参考のこと。
なお,貯槽内の圧力を求める場合に考慮する貯槽の温度は,貯槽が設置されている地域の日
なお、LPG貯槽内の圧力を求める場合に考慮するLPG貯槽の温度は、LPG貯槽が設置
最低気温の月平均値の最低値をとるものとする。
*3
貯槽内の
圧
力
圧力に応
じた比率
貯槽内の
圧
力
圧力に応
じた比率
されている地域の日最低気温の月平均値の最低値をとるものとする。
一つの防液堤内に2基以上の貯槽を設置する場合は,防災活動を十分考慮した上で設置数及
*4 一つの防液堤内に2基以上のLPG貯槽を設置する場合は、防災活動を十分考慮した上で
びその配置を定める。
設置数及びその配置を定める。
【参
*4 配管貫通部の措置として解図 10−6の様な例があるが,防液堤の沈下等により配管に生ずる
応力を考慮する。
考】
**1 配管貫通部の措置として解図 10−6の様な例があるが、防液堤の沈下等により配管に生
ずる応力を考慮する。
367
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解図 10−6 防液堤の配管貫通部の措置の例示
解図 10−6 防液堤の配管貫通部の措置の例示
10. 6. 2 液面拡大防止堤
10.5.2.2 液面拡大防止堤
貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)未満の貯槽であ
貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)未満のLPG貯
って,LPG流出時に液面が拡大する恐れのあるものには液面拡大防止堤(以下「防止
槽であって、LPG流出時に液面が拡大する恐れのあるものには液面拡大防止堤(以下
堤」という。
)を設置することが望ましい。*1
「防止堤」という。
)を設置することが望ましい。*1
(1) 防止堤の設置基準
(1) 防止堤の設置基準
(a) 防止堤は,当該貯槽を取り囲む位置*2に設置する。
(a) 防止堤は、LPG貯槽を取り囲む位置*2に設置する。
(b)
(b)
防止堤の高さは,運転や保守作業にさしつかえない範囲で高くし,少なくとも
防止堤の高さは、運転や保守作業にさしつかえない範囲で高くし、少なくとも
20cm以上とする。
20cm以上とする。
(2) 防止堤の構造基準
(2) 防止堤の構造基準
(a) 防止堤の材料は、土、コンクリート、金属、コンクリートブロック又はこれらを
(a) 防止堤の材料は,土,コンクリート,金属,コンクリートブロック又はこれらを
組合わせたものとする。
組合わせたものとする。
(b) 防止堤は,液密なものとする。
(b) 防止堤は、液密なものとする。
(c) 防止堤には,必要に応じ堤外において排水及びその遮断の操作ができる排水装置
(c) 防止堤には、必要に応じ堤外において排水及びその遮断の操作ができる排水装置
を設ける。この場合、排水時以外は閉止しておく。
を設ける。この場合,排水時以外は閉止しておく。
【解 説】
【解 説】
*1 防止堤の設置は,より安全性を高める観点から推奨するものである。10.6.1 において防液堤
*1 防止堤の設置は、より安全性を高める観点から推奨するものである。10.6.1 において防液堤
の設置を規定している貯槽以外の貯槽においても,より安全性を高める観点から,防止堤の設
の設置を規定しているLPG貯槽以外の貯槽においても、より安全性を高める観点から、防
置を規定するものであり,これは貯槽の第一バルブ及び緊急遮断装置から万一LPGが流出し
止堤の設置を規定するものであり、これはLPG貯槽の第一バルブ及び緊急遮断装置から万
た場合,LPGが貯槽周辺からさらに外部に拡大しないようにするためのものである。したが
一LPGが流出した場合、LPGが貯槽周辺からさらに外部に拡大しないようにするための
368
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
って,設置の必要性については貯槽を設置する場所の条件を考慮し判断する。設置を必要とし
ものである。したがって、設置の必要性については貯槽を設置する場所の条件を考慮し判断
ない場合としては,例えば貯槽の設置場所が他の場所よりも低くなっている場合や傾斜により
する。設置を必要としない場合としては、例えばLPG貯槽の設置場所が他の場所よりも低
LPGが安全な場所に導かれるようになっている場合などがある。
くなっている場合や傾斜によりLPGが安全な場所に導かれるようになっている場合などが
ある。
*2 防止堤は各貯槽毎に設置することが望ましい。
*2 防止堤は各貯槽毎に設置することが望ましい。
10. 5. 1 消火設備
10. 5. 3 消火設備
貯槽には,貯槽の周囲の安全な場所に粉末消火器(可搬性又は動力車搭載のものであっ
LPG貯槽には、LPG貯槽の周囲の安全な場所に、能力単位B−10 以上の粉末消火器
て能力単位B−10(消火器の技術上の規格を定める省令(昭和 39 年自治省令第 27 号)に
を適切な個数相当*1以上有すること。
基づき定められたものをいう。)以上のもの)を表 10−1の上欄に掲げる貯蔵能力の区分
に応じ,下欄に掲げる数相当*1以上設置する。
表 10−1 貯槽に対する消火器設置個数
貯 蔵 能 力
粉末消火器個数
100t 未満
3
100t 以上
4
更に,貯蔵能力が 1,000t(特定事業所に設置される場合にあっては 500t)以上の貯槽の
防液堤にあっては,その周囲に歩行距離 50m 以下ごとに粉末消火器2個相当以上を設置す
る。
【関連条項】
省令
【関連条項】
第8条(防消火設備)
省令第8条(防消火設備)
解釈例 第5条(防消火設備)第1項第一号ロ
解釈例第5条(防消火設備)
【解 説】
【解
*1 相当とは消火器の総能力を表し,例えばB−10 の3個は,B−15 の2個に相当する。
*1 相当とは消火器の総能力を表し、例えばB−10 の3個は、B−15 の2個に相当する。
10. 5. 2 耐熱措置
10. 5. 4 耐熱措置
貯槽には次の(1)の措置を講じ,高さ1m 以上の支持物には次の(1)又は(2)の措置を講ず
LPG貯槽には次の(1)の措置を講じ、高さ1m 以上の支持物には次の(1)又は(2)の措置
る。
(1)
説】
を講ずる。
貯槽及び支持物には,次の基準を満足する冷却用散水装置又はこれと同等以上の性能
(1)
369
LPG貯槽及び支持物には、次の基準を満足する冷却用散水装置又はこれと同等以上
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
を有する冷却装置*1を設置する。
の性能を有する冷却装置*1を設置する。
(a) 貯槽及び支持物の表面積1m2 当り5 /min 以上の割合で計算した水量を貯槽及び支
(a) LPG貯槽及び支持物の表面積1m2 当り5 /min 以上の割合で計算した水量をLP
持物全表面に一様に散水又は噴霧できるもの*2とする。
(b)
G貯槽及び支持物全表面に一様に散水又は噴霧できるもの*2とする。
(b)
貯槽及び支持物の外面から5m 以上離れた安全な位置(防液堤が設置されている場
LPG貯槽及び支持物の外面から5m 以上離れた安全な位置(防液堤が設置されて
合は,その外側)において操作できるものとする。ただし,貯槽本体に取り付ける液
いる場合は、その外側)において操作できるものとする。ただし、LPG貯槽本体に
面計,弁類は含まない。
取り付ける液面計、弁類は含まない。
*3
(c) その水源は,連続して 30 分以上散水できる水量を有しているもの
(c) その水源は、連続して 30 分以上散水できる水量を有しているもの*3とする。
とする。
(2) 貯槽の支持物に対しては,厚さ 50mm 以上の耐火コンクリート又は,これと同等以上の
耐火性能を有する不燃性の断熱材で被覆する。
(2) LPG貯槽の支持物に対しては、厚さ 50mm 以上の耐火コンクリート又は、これと同等
*4
以上の耐火性能を有する不燃性の断熱材で被覆する。*4
【関連条項】
省令
【関連条項】
第37条(耐熱措置)
省令第 37 条(耐熱措置)
解釈例 第94条(耐熱措置)第1項,第2項第一号,第四号
解釈例第 94 条(耐熱措置)
【解
【解 説】
*1
「これと同等以上の性能をもつ冷却装置」の例として,次の基準により設置された水消火栓
説】
*1 「これと同等以上の性能をもつ冷却装置」の例として、次の基準により設置された水消火栓
が挙げられる。
が挙げられる。
(1) 貯槽の外面から 40m 以内に,当該貯槽に対していずれかの方向からも放水できる水消火栓
(1) LPG貯槽の外面から 40m 以内に、当該貯槽に対していずれかの方向からも放水できる水
(筒先,ホース,ハンドル等の放水器具を備えたものであって,放水ノズルの筒先圧力が
消火栓(筒先、ホース、ハンドル等の放水器具を備えたものであって、放水ノズルの筒先圧
0.34MPa 以上で,放水能力が 400 /min 以上のもの)を,当該貯槽の表面積 50m2 につき水消火
力が 0.34MPa 以上で、放水能力が 400 /min 以上のもの)を、当該貯槽の表面積 50m2 につき
栓1個の割合で計算した個数以上設置する。
水消火栓1個の割合で計算した個数以上設置する。
(2)
(1)の水消火栓は,同時に放射を必要とする最大水量を 30 分間以上連続して放射できる量
を有する水源に接続されているものとする。
*2
(2)
(1)の水消火栓は、同時に放射を必要とする最大水量を 30 分間以上連続して放射できる量
を有する水源に接続されているものとする。
散水する位置は原則として頂部から行うものとし,頂部に取り付けた散水管のみでは不十分
*2 散水する位置は原則として頂部から行うものとし、頂部に取り付けた散水管のみでは不十分
な場合には,さらに散水管又は補助噴霧ヘッドを取り付ける等の措置を講ずる。特に球形貯槽
な場合には、さらに散水管又は補助噴霧ヘッドを取り付ける等の措置を講ずる。特に球形LP
にあっては,底部極板,上部温帯板,下部温帯板の順に散水管を増加する等の措置を講ずる。
G貯槽にあっては、底部極板、上部温帯板、下部温帯板の順に散水管を増加する等の措置を講
散水管及び管継手は,溶融亜鉛メッキ又はこれと同等以上の防錆処理を施したものとする。
ずる。散水管及び管継手は、溶融亜鉛メッキ又はこれと同等以上の防錆処理を施したものとす
る。
*3
保有の必要のある水量は,実際に30分以上継続して供給できる水量であり,この点を設計段
階より配慮する必要がある。
*3 保有の必要のある水量は、実際に30分以上継続して供給できる水量であり、この点を設計段
階より配慮する必要がある。
*4 支柱の耐火コンクリート施工例を解図 10−5に示す。水切板のコーキングの施工については,
腐食防止の観点から注意のこと。
*4 支柱の耐火コンクリート施工例を解図 10−7に示す。水切板のコーキングの施工について
は、腐食防止の観点から注意のこと。
370
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針 改訂案
解図 10−7 支柱の耐火コンクリート施工例
解図 10−5 支柱の耐火コンクリート施工例
10. 5. 3 溶
栓
10. 5. 5 溶
支柱及びブレースに鋼管を使用する場合は*1,内部空気の放出を目的として,支柱下部
栓
支柱及びブレースに鋼管を使用する場合は*1、内部空気の放出を目的として、支柱下部
に,下記の基準により溶栓(ヒューズプラグ)を取り付ける。
に、下記の基準により溶栓(ヒューズプラグ)を取り付ける。
(1) 溶栓の数は支柱1本あたり1個とする。
(1) 溶栓の数は支柱1本あたり1個とする。
(2) 溶栓の溶融温度は 100℃以下とする。
(2) 溶栓の溶融温度は 100℃以下とする。
(3) 溶栓の直径は6mm 以上とする。
(3) 溶栓の直径は6mm 以上とする。
【解 説】
*1
【解
支柱とパイプブレースの接合部には,パイプブレースの内部空気を支柱の溶栓より放出する
*1 支柱とパイプブレースの接合部には、パイプブレースの内部空気を支柱の溶栓より放出する
ための空気孔を設ける。
10. 7
その他
説】
ための空気孔を設ける。
10. 6
10. 7. 2 階段類
その他
10. 6. 1 階段類
371
現行 LPG貯槽指針
(1)
LPG貯槽指針 改訂案
円筒形貯槽には必要に応じ点検・検査用として外部及び内部に梯子及び頂部作業
(1) 円筒形LPG貯槽には必要に応じ点検・検査用として外部及び内部に梯子及び頂部
床,球形貯槽には必要に応じ点検・検査用として回廊,昇降階段,頂部作業床,内部
作業床、球形LPG貯槽には必要に応じ点検・検査用として回廊、昇降階段、頂部作
旋回足場等を取り付ける。
(2)
*1
業床、内部旋回足場等を取り付ける。*1
梯子,回廊及び内部旋回足場のレール等は本体の伸縮に対応できるように取り付け
(2)
る。
梯子、回廊及び内部旋回足場のレール等は本体の伸縮に対応できるように取り付け
る。
(3) 内部旋回足場は,不使用時に貯槽本体に固定できる構造とする。*2
(3) 内部旋回足場は、不使用時にLPG貯槽本体に固定できる構造とする。*2
(4) 階段類を貯槽本体に固定するラグ,リブ及びブラケット等の取付けは 5.3.7(1)「治
(4)
具の取付け」の規定に準じて施工する。
階段類をLPG貯槽本体に固定するラグ、リブ及びブラケット等の取付けは
5.3.7(1)「治具の取付け」の規定に準じて施工する。
(5) 回廊は貯槽本体と上部支柱との溶接部の点検がしやすいよう考慮する。
(5) 回廊はLPG貯槽本体と上部支柱との溶接部の点検がしやすいよう考慮する。
(6) 頂部作業床は,非破壊試験をする場合に取外しが出来る構造とする。
(6) 頂部作業床は、非破壊試験をする場合に取外しが出来る構造とする。
【解 説】
【解
*1
説】
すべて設置する必要はないが,完成後の点検及び検査については十分考慮すること。また,
*1 すべて設置する必要はないが、完成後の点検及び検査については十分考慮すること。また、
これらは,点検・検査時に仮設足場等を支持させる場合があるので,それらの荷重についてあ
これらは、点検・検査時に仮設足場等を支持させる場合があるので、それらの荷重についてあ
らかじめ考慮しておく。
らかじめ考慮しておく。
*2
内部旋回足場の設計については地震力を考慮するものとし,それに用いる設計震度は,貯槽
*2 内部旋回足場の設計については地震力を考慮するものとし、それに用いる設計震度は、LP
本体に用いる値と同じとする。
G貯槽本体に用いる値と同じとする。
10. 7. 3 基礎沈下量測定用マーキング・治具
10. 6. 2 基礎沈下量測定用マーキング・治具
貯槽には,沈下量測定用マーキングをするか又は沈下量測定用の治具*1を取り付ける。
LPG貯槽には、沈下量測定用マーキングをするか又は沈下量測定用の治具*1を取り付ける。
【解
【解 説】
説】
*1 沈下量測定用治具の取付例を解図 10−8に示す。
*1 沈下量測定用治具の取付例を解図 10−7に示す。
沈下測定用目盛板には,SUS 材等の耐食性材料を使用する。また,高さhは各支柱について同
沈下測定用目盛板には、SUS 材等の耐食性材料を使用する。また、高さhは各支柱について
同一とする。
一とする。
解図 10−8 沈下量測定用治具の取付例
解図 10−7 沈下量測定用治具の取付例
372
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
第 11 章 維 持 管 理
改訂案
第 11 章 維 持 管 理
11. 1
一
……………………………………………………………………………………
11. 1
一
11. 2
点検及び検査 ………………………………………………………………………………
11. 2
点検及び検査 ………………………………………………………………………………
11. 3
般
開放検査の時期
……………………………………………………………………………
般
……………………………………………………………………………………
11. 2. 1
一
11. 2. 2
検査部位、検査項目
11. 3
般
開放検査及び供用中検査……………………………………………………………………
(1)
初回の開放検査の時期 …………………………………………………………………
11. 3. 1
開放検査及び供用中検査の時期
(2)
2回目以降の開放検査の時期 …………………………………………………………
11. 3. 2
個別評価
11. 3. 3
開放検査の検査方法
11. 3. 4
供用中検査の検査方法
−373−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
第 11 章 維 持 管 理
11. 1
一
(1)
第 11 章 維 持 管 理
般
11. 1
一
(1)
本章では、貯槽の使用開始後の維持管理について規定する。なお、本章は既設の貯槽にも
適用する。
(2)
(3)
改訂案
般
本章では、LPG貯槽の使用開始後の維持管理*1について規定する。なお、本章は既設の
LPG貯槽にも適用する。
(2)
使用者は、本章で定めるところにより点検及び検査の対象部位、項目、方法、周期等を具
使用者は、本章で定めるところにより点検及び検査の対象部位、項目、方法、周期等を具
体的に定めた維持管理基準*1、維持管理要領等*2を作成し、その基準に従って目視等による
体的に定めた維持管理基準*2、維持管理要領等*3を作成し、その基準に従って日常点検*4
点検*3及び検査機器等を用いた検査*4を実施し、状況に応じた必要な措置を講ずる。*5
及び定期的な検査*5を実施し、状況に応じた必要な措置を講ずる。
(3)
使用者は、点検及び検査の結果を記録し、維持管理に活用する。
使用者は、点検及び検査の結果を記録し、初期データとともに保管し、維持管理に活用す
る。
【解 説】
【解 説】
*1 耐震設計を要求するLPG貯槽に、通常の運転状態におけるLPGの重量を超える水等を満たそうと
するときは、仮に当該貯槽が倒壊したとしても、可燃性ガス等の漏えいが発生しないように、当該貯槽
の倒壊により破損する可能性のある配管、設備等を保護し、又はそれらの配管、設備等とその他の部分
とを確実に遮断して可燃性ガス等を除去する等の措置を行うとともに、水等を満たしている期間は、必
要最小限とすること。ただし、当該貯槽が水等を満たした状態で、耐震設計したものにあってはこの限
りではない。
*1 「維持管理基準」とは、ガス事業法施行規則第 31 条の保安規程に関する事項のうち、維持管理
*2 「維持管理基準」とは、ガス事業法施行規則第 31 条の保安規程に関する事項のうち、維持管理に関
に関するものを含め、次に掲げる事項について基本的な考え方を規定するものをいう。
するものを含め、次に掲げる事項について基本的な考え方を規定するものをいう。
(1)
管理体制
(1)
管理体制
(2)
教
(2)
教育
(3)
点検・検査
(3)
点検・検査
(4)
修理・清掃
(4)
修理・清掃
(5)
維持管理に関する記録
(5)
維持管理に関する記録
育
*2 「維持管理要領」とは、点検・検査及び修理・清掃に関する事項について詳細に規定するものを
*3 「維持管理要領」とは、点検・検査及び修理・清掃に関する事項について詳細に規定するものをいう。
いう。
*3 「点検」とは、現場で主として目視等の五感により、運転状況、外面から損傷、漏えい、異音、
*4 日常点検とは、あらかじめ定められた経路を巡回し、主として目視等の五感により、外面からの損傷、
漏洩、異音、振動及び取付状況等の点検を行うことをいう。なお日常点検には、法第 30 条(保安規程)
振動及び取付状況等の点検を行うことをいう。
で定める維持のための巡視及び点検が含まれる。
*4 「検査」とは、主として検査機器を使用して、一定期間毎に各部位の計測又は作動状況等の検査
をすることをいう。ただし、外観検査は検査機器を使用せずに目視により実施する場合を含む。
*5 定期的な検査とは、主として検査機器を使用して、一定期間毎に各部位の計測又は作動状況等の検査
をすることをいう。ただし、外観検査は検査機器を使用せずに目視により実施する場合を含む。なお定
期的な検査には、ガス事業法施行規則第 31 条(保安規程)で定める維持のための検査が含まれる。
*5 維持管理の考え方に相違があるので直接適用できないが、定量的評価基準としてアメリカ石油学
会規格 API RP 579(2000)「Fitness-for-Service」等がある。
−374−
現行 LPG貯槽指針
11. 2
点検及び検査
LPG貯槽指針
11. 2
改訂案
点検及び検査
11. 2. 1 一
般
点検及び検査には、毎日行う日常点検、6月、1年又は2年に1回行う定期的な検査、開放検査
及び供用中検査がある。
(1)日常点検
あらかじめ定められた経路を巡回し、主として目視等の五感により、外面からの損傷、漏洩、異音、振
動及び取付状況等を確認する点検
(2)6月、1年又は2年に1回行う検査
LPG貯槽の本体耐圧部、付属設備の外観検査・リークテストを主体とする検査
(3)開放検査
LPG貯槽を大気開放した状態で、溶接部の割れ・その他きずや内面の腐食状況を確認する検査
(4)供用中検査
LPG貯槽を大気開放しない状態*1で、溶接部の割れ・その他きずや内面の腐食状況をLPG貯
槽の外面から確認する検査
【解 説】
*1 大気開放しない状態での検査として以下の例が挙げられる。
(a)LPG貯槽内部にLPGを保有したまま実施する検査
(b)LPG貯槽内部を窒素等の不活性ガスに置換した状態で実施する検査
−375−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
改訂案
11. 2. 2 検査部位、検査項目
点検・検査の項目、方法及び周期は、原則として表 11−1による。*1
点検・検査の部位、項目、頻度は、原則として表 11−1による。*1
表 11−1 定期的な検査の項目、方法及び周期
点
検
・点 検 ・
点検
検 査 部 位検査項目
点検・検査方法
検
外
観目
本
体
本
漏 え い
視
臭気又はガス検知器
等
査
点検・検査部 点検・検査 点検
1回 1回 1回 1回 開
日 6月
○
表 11−1 点検・検査の部位、項目、頻度
放
備
考
位
年 2年 検 査 時
本体
外面
○
マンホール及び
○
○
外
体
1)
面
○
○
○
○
漏えい
○
○
耐
○
○
耐
溶接部
検 査
○
○
詳細は 11.3「開放検査及び供用
中検査」を参照のこと。
圧
定
点
板厚測定
○
○
1)腐食傾向が認められない場
合は、周期を延長できる。
められない場合
は、
周期を延長で
きる。
磁粉探傷
探傷器等
圧
部
本 体 内 面
試
験
外
観目
○
視
○
定 点 板 厚 超音波厚さ計
磁粉探傷
試
験
の分析
外
探傷器等
外
る場合は、必要に応じ
○
採取し分析する。
視
支柱耐火コンク
○
リートを含む。
支
磁粉探傷
試験又は
持
浸透探傷
探傷器等
○
試験
構
基礎のレベル測
支柱 傾
定により沈下傾
き トランシット等
造
向が認められた
場合に行う。
ブレース
部
支柱の傾き測定
により異常が認
たわみ量糸 は り
○
角変形
検 査
堆積物、付着物等があ
観目
1)
個別評価を行う場合、過去に測
定実績がなければ実施する。そ
の後は大規模な溶接補修を行っ
た場合など必要に応じて実施す
る。
○
○
支 持 構 造 部
堆積物等
部
○
○
められた場合及
び開放検査時に
行う。
−376−
考
供用中
検査時
堆積物等
の分析
本体
内面
外
備
開 放
検査時
観
体
1) 腐食傾向が認
毎日 6月 1年 2年
観
外
本
予備ノズルフラ
ンジ部に限る。
定 点 板 厚 超音波厚さ計
項目
検査
観
溶接部
検 査
支柱
傾き測定
ブレース
たわみ量
測
定
○
○
○
詳細は 11.3「開放検査及び供用
中検査」を参照のこと。
基礎のレベル測定により沈下傾
向が認められた場合に行う。
○
○
支柱の傾き測定により異常が認
められた場合、及び開放検査・
供用中検査時に行う。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
表 11−1 定期的な検査の項目、方法及び周期(続き)
点 検
・点 検 ・
点検
検査部位検査項目
点検・検査方法
検
日 6月
観目
視
放
点検・検査部 点検・検査 点検
考
位
年 2年 検 査 時
○
沈下傾向が認め
貯槽本体の
基礎
備
基 礎
外
表 11−1 点検・検査の部位、項目、頻度−2(続き)
査
1回 1回 1回 1回 開
レ ベ ル レベル計等
られない場合は
○
周期を延長でき
視
び 防 止 堤 排水状況等目
視
○
外
視
○
元
観目
観目
漏 え い
臭気又はガス検知器
弁
等
び防止堤
*2
○
類
弁
緊 急 遮 断 弁
視
臭気又はガス検知器
等
○
○
観
排水状況等
○
観
○
漏えい
○
○
○
緊急遮断
弁
観
○
漏えい
○
作動検査
○
○
外
類
安
臭気又はガス検知器
等
全
取付状態又は取り外
弁
して行う。
○
解説*3参照
○
解説*3参照
○
解説*3参照
○
○
漏えい
○
○
安全弁
○
駆動装置を含
作動検査
む。
分解検査
外
○
○
圧力計
○
○
観
○
漏えい
○
○
器差検査
外
○
温度計
目視、寸法検査、
分 解 検 査 リークテスト、
○
○
観
類
視
考
供用中
検査時
沈下傾向が認められない場合は
周期を延長できる。
分解検査
作動状況
作動検査
外
備
開 放
検査時
○
分 解 検 査 リークテスト、
漏 え い
○
外
目視、寸法検査、
観目
レベル
測 定
2年
分解検査
作動状況実 作 動
外
○
作動検査
○
作動状況
漏 え い
毎日 6月 1年
観
元弁類
弁
○
分 解 検 査 リークテスト、
観目
外
外
目視、寸法検査、
外
項目
検査
○
作動状況実 作 動
*2
貯槽本
体の
基礎
防液堤及
る。
防液堤及外
改訂案
○
○
観
○
漏えい
○
○
器差検査
作動検査
外
○
観
○
漏えい
○
○
○
液面計
器差検査
分解検査
−377−
○
直視型液面計を除く。
○
解説*3参照
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
表 11−1 定期的な検査の項目、方法及び周期(続き)
点 検 ・点 検 ・
検
点検
検査部位検査項目
点検・検査方法
日 6月
外
観目
圧 力 計漏 え い
視
臭気又はガス検知器
等
観目
温 度 計漏 え い
視
臭気又はガス検知器
等
観目
漏 え い
液面計
*2
器差検査
分解検査
ベローズ
外
形伸縮管漏 え い
継手
配管(ルー 外
ベローズ型
○
○
を含む。)
雷保護シ外
○
配管(ループ配管
○
毎日 6月
観
○
漏えい
○
1年
2年
開 放
検査時
及び導圧管を含
○
外
○
観
○
漏えい
○
供用中
検査時
備
考
○
内部検査
○
必要に応じ、浸透探傷試験を実施
する。
○
○
○
○
等
臭気又はガス検知器
等
除く。
耐熱散水設
備
○
○
○
視
視
消火設備
○
器差検査
臭気又はガス検知器
外
直視型液面計を
○
目視、リークテスト、
視
雷保護シス 外 観
テム及び静
電気除去設 接地抵抗
測
定
備
○
の方法
観目
項目
検査
伸縮管継手
○
○
視
○
機能検査
外
観
作動状況
○
○
○
○
○
外
観
○
ガス漏えい
検知警報設
備
外
観
○
○
○
観
○
溶栓
階段類
び導圧管漏 え い
部位
外
模擬入力又はその他
観目
プ配管及
視
等
内部検査目
点検・検査 点検・検査 点検
考
む。)
臭気又はガス検知器
観目
備
○
器 差 検 査 基準器等と比較する。
外
放
年 2年 検 査 時
器 差 検 査 基準器等と比較する。
外
表 11−1 点検・検査の部位、項目、頻度−3(続き)
査
1回 1回 1回 1回 開
改訂案
作動状況
○
内部
梯子
以外
の階
段類
外観検査
○
内部
梯子
外観検査
○
ステム及
び 静 電 気 接 地 低 抗 接地抵抗測定器
○
その他
付属設備
除去設備
消火設備
耐熱散水
設備
溶
外
観目
視
○
機
能 機能検査
○
外
観目
作動状況
栓外
視
実作動又はその他の
方法
観目
視
○
○
○
−378−
外観検査
機能検査
作動検査
必要に応じ、検査方法、検査周期
を定め、検査する。
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
改訂案
表 11−1 定期的な検査の項目、方法及び周期(続き)
点 検 ・点 検 ・
点検
検査部位検査項目
点検・検査方法
検
1回 1回 1回 1回 開
日 6月
ガス漏え外
い検知警
報設備
観目
査
備
放
考
年 2年 検 査 時
視
○
作 動 状 況 試験ガス
○
内部
階 段 類
梯子
以外 外
観目
視
外
観目
視
外
観
○
の階
段類
内部
梯子
そ の 他
付属設備
機能検査
作動状況
目
○
視
実 作 動
別途、検査方法、
検査周期を定
め、検査する。
【解 説】
【解 説】
*1 表 11−1における検査周期は、左欄に掲げるものが優先するものとする。例えば、1回/年の欄
に掲げてある検査は、開放検査時にも行う。○印を付してある点検及び検査における具体的な点
検・検査方法及び判定並びに処置の例が解表 11−1∼11−5に示されているが、検査周期の長いも
のの検査方法は、特記のない限り○印を付してある検査方法による。
*1 定期的な検査における具体的な検査方法及び判定並びに処置の例を解表 11−1に示す。
なお、表 11−1は通常使用状態における定期的な検査について規定しているが、大規模
地震発生時には、付属書 8「地震後の点検チェックリスト」を参考に緊急点検を実施し、異
常のないことを確認する。
なお、表 11−1は、通常使用状態における点検及び検査について規定しているが、大規模な地震
発生時には、本体耐圧部、支持構造部、配管、その他付属設備について外観検査を行い、必要に応
じ磁粉探傷試験又は浸透探傷試験等を行い、異常のないことを確認する。また、基礎についても、
外観検査及び必要に応じレベル測定を行い、異常のないことを確認する。
*2 元弁類、緊急遮断弁及び安全弁の検査方法には、JLPA 501(2005)
「LPガスプラント
検査基準」がある。
*3 弁類及び液面計の分解検査は 1 回/6 月、1 回/年又は 1 回/2 年行う定期的な検査の状
況を踏まえ、開放検査または供用中検査時に実施する。供用中検査時に分解検査を行う場合
は、内部を窒素等の不活性ガスに置換した上で実施する。緊急遮断弁の駆動装置の分解点検
は、使用状況や劣化の程度を考慮して必要に応じて実施する。また、これらの分解検査及び
分解検査に伴うガスケット類の交換は初回検査を除き、2回目の開放検査以降は検査間隔が
長いことから実施しておくことが望ましい。
−379−
現行 LPG貯槽指針
解表 11−1
点 検 部 位
本
体 本
耐 圧 部 外
点検項目
体 外
LPG貯槽指針
解表 11−1
1回/日の周期で行う点検
点検方法及び判定
処
置
観 腐食、変形、破損、その他表面状態 異常が認められた場合は必要
の異常がないことを確認する。
面
漏 え い マンホール及び予備ノズルフラン
点検・検査部位
な処置をする。
異常が認められた場合は、ガス
ジ部について、五感により臭気・異 検知器又は発泡液により漏え
本
体 本体外面
点検・検
査項目
外
観
耐圧部
改訂案
検査全般−1
点検・検査方法及び判定
状態の異常がないことを確認する。 ワイヤブラシ等で十分清掃した後、必
要に応じ、腐食深さを測定し、腐食が
本体の強度に影響を及ぼすと判断さ
認められた場合は増締めを行
れる場合は、必要な処置をする。
う。
排 水 状 況 防液堤及び防止堤内に水が溜って
等
元弁類、緊急遮断弁 外
及び安全弁
いないことを確認する。
漏えい
水が溜っている場合は排水す
り臭気、異音等の異常がないことを
確認する。定期的な検査時はガス検
な処置をする。
知器又は発泡液により漏洩がないこ
漏 え い フランジ部、グランド部等について 異常が認められた場合は、ガス
とを確認する。
五感により臭気・異音等の異常がな 検知器又は発泡液により漏え
いことを確認する。
圧力計及び温度計
外
本体内面
いの有無を確認する。漏えいが
外
観
有無、その他表面状態の異常がない 「腐食減肉部の補修」に基づいて補修
う。
ことを確認する。
な処置をする。
の分析
調査する。
いの有無を確認する。漏えいが
溶接部
検査方法及び判定の詳細について
認められた場合は増締めを行
検
は、11.3「開放検査及び供用中検査」7.3.2.1「表面きずの補修」に基づい
査
う。
外
を参照のこと。
観 変形、ガラス破損その他有害な損傷 異常が認められた場合は必要
がないことを確認する。
た場合は、必要に応じてサンプルの な処置をする。
成分検査をし、腐食性物質の有無を
により臭気・異音等の異常がないこ 検知器又は発泡液により漏え
液面計
定
な処置をする。
点 超音波厚さ計を用いて板厚を測定
板厚測定 し、異常のないことを確認する。
LPG受入れ及び払出しによって
漏 え い フランジ部、接続部等について五感 異常が認められた場合は、ガス
により臭気・異音等の異常がないこ 検知器又は発泡液により漏え
う。
継手及び配管
観 腐食、変形、その他異常がないこと 異常が認められた場合は必要
を確認する。
な処置をする。
漏 え い フランジ部、接続部等について五感 異常が認められた場合は、ガス
により臭気・異音等の異常がないこ 検知器又は発泡液により漏え
とを確認する。
必要に応じ、7.4.2「腐食減肉部の補
修」に基づいて補修する。
角変形
6.1.5(3)または 6.2.5(3)の「角変形検 異常が認められた場合は、必要な処置
検
査」に基づいて検査を行い、異常が をする。
査
ないことを確認する。
いの有無を確認する。漏えいが
認められた場合は増締めを行
外
て補修する。
実施する)
動するか確認する。
ベローズ形伸縮管
検出されたきずを補修する場合は、
(必要に応じて減圧又は開放のうえ
液面計の指示が正常かつ円滑に作
とを確認する。
する。
堆積物等 外観検査により堆積物等が認められ 腐食性物質が認められた場合は、必要
漏 え い フランジ部、接続部等について五感 異常が認められた場合は、ガス
とを確認する。
腐食、変形、塗膜の損傷、堆積物の 必要に応じ、腐食深さを測定し、7.4.2
認められた場合は増締めを行
観 変形、ガラス破損その他有害な損傷 異常が認められた場合は必要
がないことを確認する。
マンホール及び予備管台のフランジ 漏えいが認められた場合は、増締めを
部について、日常点検時は五感によ する。
る。
観 破損、亀裂、腐食その他異常がない 異常が認められた場合は、必要
ことを確認する。
置
腐食、変形、塗膜の損傷その他表面 腐食が認められた場合は、その部分を
音等の異常がないことを確認する。 いの有無を確認する。漏えいが
防液堤及び防止堤
処
いの有無を確認する。漏えいが
認められた場合は増締めを行
う。
−380−
現行 LPG貯槽指針
解表 11−2
検 査 部 位
消
火
設
検査項目
備 外
LPG貯槽指針
解表 11−1
1回/6月の周期で行う検査
検査方法及び判定
観 目視により次の事項を確認する。
処
置
(1) 所定の能力の消火器が必要数量 いては、原因を調査して修理等
以上設置されていること
の状況に応じた処置をする。修
(2) 消火器及び収納箱の腐食、変形、 理不可能なものは廃棄し、必要
損傷、その他の異常の有無
機
点検・検査部位
異常が認められた消火器につ
支
持
点検・検
査項目
外
改訂案
検査全般−2(続き)
点検・検査方法及び判定
処
置
観 腐食、変形、塗膜の損傷その他表面 腐食が認められた場合は、その部分
構造部
状態の異常がないことを確認する。 をワイヤブラシ等で十分清掃した
後、9.5.1「塗装の補修」に基づいて
数量分補填する。
塗装補修を行う。なお、腐食が支持
能 設置数及び経過年に応じ、適切な抜
構造部の強度に影響を及ぼすと判断
き取りにより消火器の分解点検、薬
される場合は、必要な処置をする。
剤性状及び放射能力の確認を実施
支柱耐火コンクリートに亀裂があ
する。
り、それが支柱にまで達している場
合は、雨水等による支柱の腐食を調
査し、異常が認められた場合は必要
な処置をする。
塗膜の劣化が認められた場合は必要
に応じて 9.5.1「塗装の補修」に基
づいて塗装補修を行う。
溶接部
検査方法及び判定の詳細について
検
は、11.3「開放検査及び供用中検査」7.3.2.1「表面きずの補修」に基づい
査
を参照のこと。
支
検出されたきずを補修する場合は、
て補修する。
柱 傾 き 測 トランシット等により支柱の傾きを 異常が認められた場合は、必要な処
定注1)
ブレース
測定し、異常がないことを確認する。置をする。
たわみ量 ブレースに糸はりを行い、スケール 適正範囲から外れる場合は、ターン
測定注1) により、たわみ量を測定し、異常な バックルによりブレースの調整をす
たわみがないことを確認する。
基
礎
貯槽本体の
外
注2)
基礎
る。
観 基礎コンクリートの亀裂、損傷がな 異常が認められた場合は、必要な処
いこと及びアンカーボルトの腐食、 置をする。
弛みがないことを確認する。
レベル あらかじめ定められた点の高さをレ 不等沈下量が著しく大きい場合は、
測
定 ベル計等を用いて測定し、異常沈下 必要に応じ、沈下の抑制、基礎の改
がないことを確認する。
防液堤及び防止堤
外
修等を行う。
観 本体に亀裂、損傷、その他異常がな 異常が認められた場合は必要な処置
いことを確認する。周辺地盤に陥没、をする。
貫通穴その他異常がないことを確認
する。
排水状況 防液堤及び防止堤に水が溜っていな 水が溜っている場合は排水する。
等
−381−
いことを確認する。
現行 LPG貯槽指針
解表 11−3
検査部位
検査項目
本 体 耐 本体外面 外
圧
部
LPG貯槽指針
解表 11−1
1回/年の周期で行う検査
検査方法及び判定
処
置
点検・検査部位
観 腐食、変形、破損、塗膜の劣化その 腐食が認められた場合は、その
他表面状態の異常がないことを確
部分をワイヤブラシ等で十分
認する。
清掃した後、9.5.1「補修塗」
元弁類及び
点検・検
観 (1)
緊急遮断弁
に基づいて塗装補修を行う。な
(2)
は必要に応じて 9.5.1「補修塗」
日常点検時は五感により臭気、異音等 をする。
に基づいて塗装補修を行う。
の異常がないことを確認する。定期的
な検査時はガス検知器又は発泡液によ
漏えいが認められた場合は、増
り漏洩がないことを確認する。
ジ部について、ガス検知器又は発泡 締めをする。
作動検査 元弁の開閉操作を行い円滑に操作可能 異常がある場合は、必要に応じ分
液により漏えいがないことを確認
(元弁 であることを確認する。
する。
腐食速度より算定した残存腐
作動検査 現場及び計器室から操作を行い、円滑 異常がある場合は、必要に応じ、
れ代(加工代を含む。)の 12 が
(緊急遮 かつ確実に開閉作動することを確認す 分解検査を行う。
断弁) る。
弁座の漏 貯槽本体に取り付けられている受入
異常が認められた場合は、必要な
えい検査
れ・払出し配管、ドレン配管等の元弁 処置をする。
に開放検査を行い、必要な処置
をする。
構
造
部 外
解検査を行う。
類)
腐食が認められた場合は、予想
減少する期間を超えない時期
持
接続フランジ、ボンネットフラン
漏えい フランジ部及びグランド部について、 漏洩が認められた場合は、増締め
塗膜の劣化が認められた場合
支
処置をする。
みがないことを確認する。
要な処置をする。
し、異常のないことを確認する。
置
ジ等の固定場所の締付ボルトの弛
及ぼすと判断される場合は、必
定 点 板 厚 超音波厚さ計を用いて板厚を測定
処
破損、亀裂、腐食その他異常がな 異常が認められた場合は、必要な
いことを確認する。
お腐食が本体の強度に影響を
漏 え い マンホール及び予備ノズルフラン
検査全般−3(続き)
点検・検査方法及び判定
査項目
外
改訂案
弁
類
については設備より取り外し後、必要
観 腐食、変形、塗膜の劣化その他表面 腐食が認められた場合は、その
に応じて弁座の漏えい検査を行う
状態の異常がないことを確認する。 部分をワイヤブラシ等で十分
分解検査 必要に応じて分解検査を行い、異常が 異常が認められた場合は必要な処
清掃した後、9.5.1「補修塗」
に基づいて塗装補修を行う。な
ないことを確認する。
お、腐食が支持構造部の強度に
安全弁
影響を及ぼすと判断される場
外 観 (1)
置をする。
弁本体の破損、亀裂、腐食、バネ 異常が認められた場合は、必要な
調節部封印部分の脱落及び損傷、そ 処置をする。
合は、必要な処置をする。
の他異常がないことを確認する。
支柱耐火コンクリートに亀裂
(2)
があり、それが支柱にまで達し
本体及び放散管の固定箇所の締付
ボルトの弛みがないこと並びに放
ている場合は、雨水等による支
散管の取付状況及びレインキャッ
柱の腐食を調査し、異常が認め
プが正常であることを確認する。
られた場合は必要な処置をす
る。
漏えい フランジ部及び弁座について、日常点 (1)
塗膜の劣化が認められた場合
取付部フランジからの漏洩
は必要に応じて 9.5.1「補修塗」
検時は五感により臭気、異音等の異常
が認められた場合は、増締めを
に基づいて塗装補修を行う。
がないことを確認する。定期的な検査
する。
時はガス検知器又は発泡液により漏洩 (2)
がないことを確認する。
弁座からの漏洩が認められ
た場合は、必要に応じ取り外し
分解検査を行う。
−382−
現行 LPG貯槽指針
解表 11−3
検 査 部 位
支
持
構
造
支
検査項目
LPG貯槽指針
解表 11−1
1回/年の周期で行う検査(続き)
検査方法及び判定
処
置
点検・検査部位
部
柱 傾
き
1)
トランシット等により支柱の傾き
異常が認められた場合は必要
弁
類
安全弁
点検・検
認する。
する。
貯槽本体の基礎 外
異常がないことを確認する。
圧力計及び温度計
観
レ ベ ル あらかじめ定められた点の高さを
置をする。
締付ボルト等の弛みがないこと
を確認する。
漏えい
不等沈下量が著しく大きい場
接続部等について日常点検時は五感 (1)
とを確認する。定期的な検査時はガ (2)
沈下がないことを確認する。
ス検知器又は発泡液により、ガスの
基礎の改修等を行う。
観 本体に亀裂、損傷、その他異常がな 異常が認められた場合は必要
器差検査 基準器等と比較を行い、規定の精度 異常が認められた場合は、必要な処
液面計
外
観
(1)
漏えいが認められた場合は増
て、ガス検知器又は発泡液により漏 締めをする。
断弁
えいがないことを確認する。
可能であることを確認する。
られた場合は、取り替える。
に維持されていることを確認する。 置をする。
び緊急遮
元 弁 類 作 動 状 況 元弁の開閉操作を行い円滑に操作
圧力計自身からの漏洩が認め
漏洩がないことを確認する。
な処置をする。
確認する。
漏 え い フランジ部及びグランド部につい
接続部からの漏洩が認められ
た場合は、増締めをする。
により臭気、異音等の異常がないこ
没、貫通穴その他異常がないことを
類 元弁類及
変形、ガラス破損その他有害な 異常が認められた場合は、必要な処
(2)
な処置をする。
置をする。
レベル計等を用いて測定し、異常な 合は、必要に応じ、沈下の抑制、
いことを確認する。周辺地盤に陥
弁
(1)
損傷がないことを確認する。
弛みがないことを確認する。
防液堤及び防止堤 外
外
観 基礎コンクリートの亀裂、損傷がな 異常が認められた場合は必要
いこと及びアンカーボルトの腐食
し正常な値にする。
分解検査 安全弁を取り外し、分解検査を行い、異常が認められた場合は、必要な処
により、たわみ量を測定し、異常な から外れる場合は、ターンバッ
クルによりブレースの調整を
置
動圧力が規定範囲内にあることを確 場合は、調整又は分解検査等を実施
ブレースに糸はりを行い、スケール 6.2.28(2)に規定する適正範囲
たわみがないことを確認する。
処
作動検査 取付状態又は取り外した状態で、作 作動圧力が規定範囲から外れている
確認する。
1)
検査全般−4(続き)
点検・検査方法及び判定
査項目
を測定し、異常な傾きがないことを な処置をする。
ブ レ ー ス たわみ量
改訂案
変形、ガラス破損その他有害な 異常が認められた場合は、必要な処
損傷がないことを確認する。
(2)
置をする。
LPG 受入及び払出によって液
面系の指示が正常かつ円滑に作
異常がある場合は必要に応じ
動するか確認する。
分解検査を行う。
漏えい
フランジ部、接続部等について、日 漏洩が認められた場合は、増締めを
常点検時は五感により臭気、異音等 する。
緊急遮断
の異常がないことを確認する。定期
作 動 状 況 現場及び計器室から操作を行い、円 異常がある場合は必要に応じ、
弁
滑かつ確実に開閉作動することを
的な検査時はガス検知器又は発泡液
分解点検を行う。
により漏洩がないことを確認する。
確認する。
分解検査 分解検査を行い、異常がないことを 異常が認められた場合は必要な処置
安 全 弁 漏 え い フランジ部及び弁座について、ガス 取付部フランジからの漏えい
検知器又は発泡液により漏えいが
が認められた場合は、増締めを
ないことを確認する。
する。
確認する。
直視型以
弁座からの漏えいが認められ
た場合は、必要に応じ取り外
し、分解検査を行う。
注 1) 傾きの検査周期は1回/年ではなく、基礎のレベル測定により、沈下傾向が認められた場合に行う。また、タ
イロッドブレースのたわみ量の検査周期は1回/年ではなく、支柱の傾き測定により異常が見られた場合及び開
放検査時に行う。
−383−
をする。
器 差 検 査 模擬入力、その他の方法により、計 異常が認められた場合は必要な処置
外の液面
測機能が正常であることを確認す
計
る。
をする。
現行 LPG貯槽指針
解表 11−3
検 査 部 位
圧
力
検査項目
LPG貯槽指針
解表 11−1
1回/年の周期で行う検査(続き)
検査方法及び判定
計 漏 え い 接続部等についてガス検知器又は
処
置
点検・検査部位
接続部からの漏えいが認めら
発泡液により、ガスの漏えいがない れた場合は、増締めをする。
ことを確認する。
ベローズ型伸縮管継
圧力計本体からの漏えいが認
度
計 漏 え い 接続部等についてガス検知器又は
外
観
(1)
(2)
接続部からの漏えいが認めら
(3)
取付状況が適切であること及び
円滑に作動する状況になってい
ることを確認する。
締めをする。
漏えい
を確認する。
フランジ部及び本体について、日常 (1)
フランジ部からの漏洩
直視型以 器 差 検 査 模擬入力、その他の方法により、計 異常が認められた場合は必要
点検時は五感により臭気、異音等の
が認められた場合は、増
外の液面
測機能が正常であることを確認す
異常がないことを確認する。定期的
締めをする。
計
る。
な処置をする。
な検査時はガス検知器又は発泡液に (2)
より漏洩がないことを確認する。
ベローズ形伸縮管継 漏 え い フランジ部及び本体について、ガス フランジ部からの漏えいが認
手
配
検知器又は発泡液により漏えいが
められた場合は、増締めをす
ないことを確認する。
る。
本体からの漏洩が認め
られた場合は、必要な処
置をする。
内部検査 目視(必要に応じ浸透探傷試験)に 異常が認められた場合は、必
本体からの漏えいが認められ
より腐食、変形、摩耗、その他有害 要な処置をする。
た場合は、必要な処置をする。
な損傷がないことを確認する。(内
管 漏 え い フランジ部について、ガス検知器又 漏えいが認められた場合は、増
筒を取り外せるものについては、内
は発泡液により漏えいがないこと
筒を取り外した後とする。)
締めをする。
を確認する。
雷保護システム及び 外
配管(ループ配管及
観 傷、断線その他有害な損傷がないこ 異常が認められた場合は必要
とを確認する。
静電気除去装置
外
観
(2)
な処置をする。
要な処置をする。
取付状況が適切であること及び
締付ボルト等の弛みがないこと
を確認する。
が雷保護システムにあっては許容
漏えい
フランジ部について、ガス検知器又 漏洩が認められた場合は、増
値以下、静電気除去装置にあっては
は発泡液により漏洩がないことを確 締めをする。
100Ω以下であることを確認する。
認する。
観 破損、亀裂、腐食その他異常がない 異常が認められた場合は必要
ことを確認する。
雷保護システム及び
な処置をする。
に作動することを確認する。
観
傷、断線その他有害な損傷がないこ 異常が認められた場合は、必
とを確認する。
要な処置をする。
接地抵抗 接地抵抗測定器を用い、接地線と大 異常が認められた場合は、必
処置をする。
測
観 腐食、変形、その他異常がないこと 異常が認められた場合は必要
を確認する。
外
静電気除去装置
作 動 状 況 実作動、その他の方法により、確実 異常が認められた場合は必要
栓 外
腐食、変形、その他異常がない 異常が認められた場合は、必
ことを確認する。
地間の抵抗を測定し、総合接地抵抗 な処置をする。
耐 熱 散 水 設 備 外
(1)
び導圧管を含む。)
接 地 抵 抗 接地低抗測定器を用い、接地線と大 異常が認められた場合は必要
溶
要な処置をする。
を確認する。
計 漏 え い フランジ部について、ガス検知器又 漏えいが認められた場合は、増
は発泡液により漏えいがないこと
置
締付ボルト等の弛みがないこと
ことを確認する。
面
処
腐食、変形、その他異常がない 異常が認められた場合は、必
ことを確認する。
発泡液により、ガスの漏えいがない れた場合は、増締めをする。
液
検査全般−5(続き)
点検・検査方法及び判定
査項目
手
められた場合は、取り替える。
温
点検・検
改訂案
定 地間の抵抗を測定し、10Ω以下であ 要な処置をする。
ることを確認する。
な処置をする。
−384−
現行 LPG貯槽指針
解表 11−3
検 査 部 位
解表 11−1
1回/年の周期で行う検査(続き)
検査項目
ガス漏えい検知警報 外
LPG貯槽指針
検査方法及び判定
処
置
点検・検査部位
観 破損、亀裂、腐食その他異常がない 異常が認められた場合は必要
ことを確認する。
設備
な処置をする。
消火設備
作 動 状 況 サンプルガスを使用し、検知能力及 異常が認められた場合は必要
び警報作動を確認する。
階
段
類 外
外
観
異常がないことを確認する。
目視により次の事項を確認する。
処
置
異常が認められた消火器に
(1) 所定の能力の消火器が必要数量 ついては、原因を調査して修
な処置をする。
以上設置されていること
理等の状況に応じた処置を
(2) 消火器及び収納箱の腐食、変形、する。修理不可能なものは廃
な処置をする。
損傷、その他の異常の有無
観 目視及び実作動等により、異常がな 異常が認められた場合は必要
機 能 検 査 いことを確認する。
検査全般−6(続き)
点検・検査方法及び判定
査項目
観 腐食、変形、塗膜の損傷、その他の 異常が認められた場合は必要
(内部梯子を除く。)
その他付属設備2) 外
点検・検
改訂案
棄し、必要数量分補填する。
機能検査 設置数及び経過年に応じ、適切な抜
な処置をする。
き取りにより消火器の分解点検、薬
作動状況
剤性状及び放射能力の確認を実施す
注 2) 必要に応じ、検査周期を定め検査する。
る。
耐熱散水設備
解表 11−4
検 査 部 位
弁
圧
検査項目
外
観
1回/2年の周期で行う検査
検査方法及び判定
ことを確認する。
処
置
が規定範囲内にあることを確認す
ている場合は、調整又は分解検
る。
査を実施し、正常な値にする。
要な処置をする。
作動状況 実作動、その他の方法により、確実 異常が認められた場合は必
類 安 全 弁 作 動 検 査 取付状態又は取り外して、作動圧力 作動圧力が規定範囲から外れ
力
破損、亀裂、腐食その他異常がない 異常が認められた場合は必
に作動することを確認する。
溶
栓
外
観
腐食、変形、その他異常がないこと 異常が認められた場合は、必
を確認する。
計 器 差 検 査 基準器等と比較を行い、規定の精度 異常が認められた場合は必要
ガス漏えい検知警報
に維持されていることを確認する。 な処置をする。
外
観
設備
要処置をする。
要な処置をする。
破損、亀裂、腐食その他異常がない 異常が認められた場合は必
ことを確認する。
要な処置をする。
作動状況 サンプルガスを使用し、検知能力及 異常が認められた場合は必
び警報作動を確認する。
階段類
外
観
腐食、変形、塗膜の損傷、その他の 異常が認められた場合は、必
異常がないことを確認する。
その他付属設備
外
要な処置をする。
要な処置をする。
観 目視及び実作動等により、異常がな 異常が認められた場合は、必
機能検査 いことを確認する。
要な処置をする。
作動検査
注1) 支柱の傾き測定は、基礎のレベル測定により、異常が認められた場合に行う。また、タイロッド
ブレースのたわみ量測定は、支柱の傾き測定により、異常が認められた場合及び開放検査・供用中検
査時に行う。
注2) 基礎の外観検査は、原則として本体の基礎のみとする。ただし、伸縮吸収装置よりも本体側の配
管等、本体と一体と考えられる受入れ・払出し配管の基礎については、必要に応じてレベル測定を実
施する。
−385−
現行 LPG貯槽指針
解表 11−5
検 査 部 位
本
検査項目
体 本 体外面 外
耐 圧 部
LPG貯槽指針
開放検査
検査方法及び判定
処
置
観 腐食、変形、破損、劣膜の劣化、そ 腐食が認められた場合は、その
の他表面状態の異常がないことを
部分をワイヤブラシ等で十分
確認する。
清掃した後、必要に応じ腐食深
さを測定し、7.4.2「腐食減肉
部の補修」に基づいて補修す
る。
塗膜の劣化が認められた場合
は 9.5.1「補修塗」に基づいて
塗装補修を行う。
定 点 板 厚 超音波厚さ計を用いて 6.1.13(1)又 必要に応じ、7.4.2「腐食減肉
は 6.2.22(5)に規定する個所の板厚 部の補修」に基づいて補修す
を測定し、異常がないことを確認す る。
る。
本 体内面 外
観 腐食、変形、堆積物の有無、その他 必要に応じ腐食深さを測定し、
表面状態の異常がないことを確認
7.4.2「腐食減肉部の補修」に
する。
基づいて補修する。
定 点 板 厚 超音波厚さ計を用いて 6.1.13(1)又 必要に応じ、7.4.2「腐食減肉
は 6.2.22(5)に規定する個所の板厚 部の補修」に基づいて補修す
を測定し、異常がないことを確認す る。
る。
堆 積 物 の 外観検査により、堆積物、付着物等 腐食性物質が認められた場合
分
析 が認められた場合は、必要に応じて は、必要な処置をする。
サンプルの成分検査をし、腐食性物
質の有無を調査する。
−386−
改訂案
現行 LPG貯槽指針
解表 11−5
検 査 部 位
本
検査項目
体 本 体内外 磁粉探傷
LPG貯槽指針
開放検査(続き)
検査方法及び判定
本体の下記に示す溶接部について
処
置
磁粉探傷試験又は浸透探傷試
面 及び支 試験
磁粉探傷試験(実施できない部位に 験により検出されたきずは、
持 構造部
ついては浸透探傷試験)により、割 7.4.1「表面きずの補修」に基
れ、その他有害なきずがないことを づいて補修する。
確認する。
(1) 内外面突合せ溶接線全線
(2) 内外面治具跡
(3) ノズル等の溶接線全線(内外面)
(4) 本体と補助部材との隅肉溶接部
(内外面)
(5) 本体と支持構造部との隅肉溶接
部 1)
(6) 支柱とブレースの溶接部2)
支
持
構
造
部 外
観 腐食、変形、塗膜の劣化、その他表 腐食が認められた場合は、その
面状態の異常がないことを確認す
部分をワイヤブラシ等で十分
る。
清掃した後、必要に応じ腐食深
さの測定を行い、7.4.2「腐食
減肉部の補修」に基づいて補修
する。
支柱耐火コンクリートに亀裂
があり、それが支柱にまで達し
ている場合は、雨水等による支
柱の腐食を調査し、必要な処置
をする。
塗膜の劣化が認められた場合
は、9.5.1「補修塗」に基づい
て塗装補修を行う。
ブ レース た わ み 量 ブレースに糸はりを行い、スケール 6.2.28(2)に規定する適正範囲
により、たわみ量を測定し、異常な から外れる場合は、ターンバッ
たわみがないことを確認する。
クルによりブレースの調整を
する。
注 1) 11.3の【解説】*4に規定する個別評価手法を採用した場合であっても、11.3(2)に定める周期で行うこと。
ただし、本指針の規定に基づく磁粉探傷試験又は浸透探傷試験を実施し、直近2回において、割れ及び有害なき
ずがない場合は、個別評価で決める開放検査時期に実施することができる。
2) 支柱の傾き又はタイロッドブレースのたわみ量に異常が認められた場合に行う。
−387−
改訂案
現行 LPG貯槽指針
解表 11−5
検 査 部 位
弁
類
検査項目
元弁類及
弁座の漏
開放検査(続き)
検査方法及び判定
貯槽本体に取り付けられている受
分解検査
置
異常が認められた場合は必要
元弁については、設備より取り外し
後、弁座の漏えい検査を行い、必要
に応じ分解検査を行い、異常がない
断弁
ことを確認する。
安 全 弁 分 解 検 査 安全弁を取り外し、分解点検を行
い、異常がないことを確認する。
度
処
えい検査、 入れ・払出し配管、ドレン配管等の な処置をする。
び緊急遮
温
LPG貯槽指針
異常が認められた場合は必要
な処置をする。
計 器 差 検 査 基準器等と比較を行い、規定の精度 異常が認められた場合は必要
に維持されていることを確認する。 な処置をする。
液
面
計 分 解 検 査 分解検査を行い、異常がないことを 異常が認められた場合は必要
確認する。
な処置をする。
ベローズ形伸縮管継 内部検査
目視(必要に応じ浸透探傷試験)によ 異常が認められた場合は必要
手
り腐食、変形、摩耗、その他有害な損 な処置をする。
傷がないことを確認する。(内筒を取
り外せるものについては、内筒を取り
外した後とする。)
階 段 類 内 部梯子 外
観 腐食、変形、その他異常がないこと 異常が認められた場合は必要
を確認する。
な処置をする。
*2 元弁類、緊急遮断弁、安全弁及び液面計の検査方法には、JLPA 501(2001) 「LPガスプラント検
査基準」がある。
−388−
改訂案
現行 LPG貯槽指針
11. 3
LPG貯槽指針
開放検査の時期
11. 3
改訂案
開放検査及び供用中検査
11. 3. 1 開放検査及び供用中検査の時期
検査のうち開放検査の時期については、以下による。*1
(1)
開放検査及び供用中検査の時期については、以下による。*1
(1)
初回の開放検査の時期
新しく設置された貯槽の初回の開放検査は、使用開始後5年以内に行う。
(2)
*2
新しく設置されたLPG貯槽の初回検査は開放検査とし、使用開始後5年以内に行う。*2
(2)
2回目以降の開放検査の時期
2回目以降の開放検査
*3
は、前回開放検査後原則として 10年目に行う。
初回の検査
2回目以降の検査
(a)一律評価*3を適用した場合
*4
開放検査後原則として 10年目に開放検査を行う。
ただし、前回開放検査時に有害な疲労進展のおそれのあるきず*5が検出された場合は、次
ただし、開放検査時に有害な疲労進展のおそれのあるきず*4が検出された場合は、次の
の開放検査は5年後に行う。
開放検査は5年後に行う。
(b)個別評価*5を適用した場合
「11.3.2
個別評価」により決定した時期に、開放検査又は供用中検査を行う*6。ただ
し、供用中検査の連続実施は不可とする。
【解 説】
【解 説】
*1 貯槽の不使用期間中、貯槽内部を不活性ガス等で置換し、外部と遮断することにより、腐食防止
*1
LPG貯槽の不使用期間中、LPG貯槽内部を不活性ガス等で置換し、外部と遮断することにより、
腐食防止対策を適切に行った場合は、不使用期間分だけ、開放検査又は供用中検査の時期を延期でき
対策を適切に行った場合は、不使用期間分だけ、開放検査の時期を延期できる。
る。
*2 初回の開放検査では、建設時の溶接部における残存きずの状況を早期に検査し、今後の維持管理
*2
のあり方を検討する。
初回の開放検査では、建設時の溶接部における残存きずの状況を早期に検査し、今後の維持管理のあ
り方を検討する。
*3 本体胴板の実際厚さが 12mm 以上の貯槽については、2回目以降の開放検査の時期に JGA 指−
104−03「球形ガスホルダー指針」11.3(2)「2回目以降の開放検査の時期及び供用中検査」(a)(ⅱ)
「供用中検査(Ⅰ)を行う場合」の規定により、供用中検査を行うことができる。この場合において、
その後の開放検査の時期は上記の規定によるものとする。
*4 2回目以降の開放検査の時期は、付属書6「疲労進展の可能性のあるきずの個別評価手法」に示す
方法により決定することができる。ただし、この方法によって決定する次回の開放検査の時期は、
15 年を超えるものであってはならない。
*3 一律の周期で開放検査を実施するもの。
*5 疲労進展に与える要因としては、残存きず寸法、作用応力、角変形を含む工作誤差等がある。従
*4 疲労進展に与える要因としては、残存きず寸法、作用応力、角変形を含む工作誤差等がある。したが
って、有害な疲労進展のおそれがあるかどうかは、これらの要因を考慮して検討すべきであるが、
って、有害な疲労進展のおそれがあるかどうかは、これらの要因を考慮して検討すべきであるが、一律
個々に破壊力学的に判定するのは現実的には困難であることから、一律の基準として安全を考え、
の基準として安全を考え、有害な疲労進展のおそれのあるきずとは、深さ5mm 以上のきず(ただし、
有害な疲労進展のおそれのあるきずとは、深さ5mm 以上のきず(ただし、ブローホール、スラグ
ブローホール、スラグ巻き込み状のきずを除く。)とする。
巻き込み状のきずを除く。)とする。
*5
LPG 貯槽毎に、検出したきずの進展量評価及び余寿命評価を行うことによって、次回検査時期を決
定するもの。
*6
11.3.3 及び 11.3.4 に規定する本体と支持構造部の溶接部検査については、個別評価を適用する場合
であっても一律評価で定める周期で検査を行うことを原則とする。ただし、本指針の規定に基づく磁粉
探傷試験を実施し、直近2回において、割れ及び有害なきずがない場合は、個別評価で決定した時期に
検査することができる。
−389−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
改訂案
11. 3. 2 個別評価
開放検査又は供用中検査で検出したきずに対して個別評価を行うことで、次回開放検査又は供用中検査
の時期を決定することができる。個別評価の適用条件及び評価方法は、以下による。ただし、これらの方
法によって決定する次回検査の時期は、15 年を超えるものであってはならない。
(1)
磁粉探傷試験による評価を行う場合
(a)
適用条件
(ⅰ)
評価直前の開放検査において、本指針の規定に即した磁粉探傷試験(MT)を行い、検出し
たきず寸法等*1を実測し、きずを除去していること。
(ⅱ)
開放検査時の磁粉探傷試験の実績が2回*2以上あり、これらの開放検査時に検出したきずを
除去していること。
(b)
(ⅲ)
角変形量の実測値を有していること。
(ⅳ)
個別評価を行う技術を有し、かつ評価管理体制が確立*3されていること。
評価方法
付属書6「疲労進展の可能性のあるきずの個別評価手法」による。*4*5
(2)
超音波探傷試験による評価を行う場合
(a)
適用条件
(ⅰ)
評価直前の開放検査又は供用中検査において、本指針の規定に即した超音波探傷試験(UT)
を行い、検出したきず寸法等*1を実測していること。*6
(ⅱ)
開放検査時の磁粉探傷試験の実績が2回*2以上あり、これらの開放検査時にきずを除去して
いること。
(b)
(ⅲ)
角変形量の実測値を有していること。
(ⅳ)
個別評価を行う技術を有し、かつ評価管理体制が確立*3されていること。
評価方法
JGA 指-109-14「容器・配管の腐食及び疲労割れに関する検査・評価・補修指針」の 3.3「疲労割
れの評価方法」による。*5
【解 説】
*1
きずの寸法等とは、きずの長さ及び深さ、きずの方向、他のきずとの位置関係(溶接線ときずを挟む
角度等)をいう。
*2 LPG貯槽建設時の磁粉探傷試験(MT)含む。
*3 評価管理体制が確立されていることとは、検査の計画、実施、評価、判定及び判定後の措置等の個別
評価に係る業務を確実に行うための体制を有することで、その体制と職務はJGA指−109−14「容
器・配管の腐食及び疲労割れに関する検査・評価・補修指針」の 3.4「評価を行う者」による。
*4 深さ5mm 以上のきず(ただし、ブローホール、スラグ巻き込み状のきずを除く。)が検出された
−390−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
改訂案
場合は、次回開放検査は5年後に実施する。
*5 磁粉探傷試験による評価を行う場合は、
除去することにより確認したきずの寸法等を基に「付属書6」
により評価を行う。一方、超音波探傷試験による評価を行う場合は、残存しているきずの寸法等を基
に JGA 指-109-14「容器・配管の腐食及び疲労割れに関する検査・評価・補修指針」の 3.3「疲労割
れの評価方法」により評価を行う。
*6 供用中検査の適用には磁粉探傷試験の実績が2回以上あることが必要であるため、初回開放検査結果
を用いて個別評価をする場合は、初回開放検査時に磁粉探傷試験と超音波探傷試験の両方が必要であ
る。
11. 3. 3 開放検査の検査方法
開放検査における非破壊試験*1の対象部位と検査方法は表11−1による。
表 11−1 開放検査の対象部位と検査方法
対象部位
検査方法
突合せ溶接線全線
LPG貯槽の外面及び内面から磁粉
探傷試験*3*4又はLPG貯槽の外
面から超音波探傷試験*5*6を実施
管台等の溶接線全線
する
内外面ジグ跡
LPG貯槽の外面及び内面から磁粉
本体と補助部材の溶接部
本体と支持構造部の溶接部
*2
支柱とブレースの溶接部
探傷試験を実施する*3*4
LPG貯槽の外面から磁粉探傷試験
を実施する*3*4
【解 説】
*1 非破壊試験を実施する技術者の要件はJGA指−109−14「容器・配管の腐食及び疲労割れに関する
検査・評価・補修指針」2.1.3「検査員」による。
*2 支柱の傾き又はタイロッドブレースのたわみ量に異常が認められた場合に行う。
*3 磁粉探傷試験が実施できない部位については浸透探傷試験に替えることができる。
*4 検出したきずは原則除去するものとする。
*5 超音波探傷試験の方法は、JGA 指−104−13「球形ガスホルダー指針」付属書8による。
*6 次回の検査に供用中検査を計画する場合、開放検査時に突合せ溶接線全線、管台等の溶接線全線(内
外面)に対しては磁粉探傷試験ではなく超音波探傷試験を実施しておく必要がある。なお、超音波探
傷試験の方法によっては、探触子側に深さ数ミリメートル程度の寸法測定が困難な不感帯が存在する
場合がある。不感帯部を適切に評価するため、必要に応じて内外面両面から超音波探傷試験の実施又
は不感帯部は磁粉探傷試験を併用する等、不感帯部を考慮した検査方法を選択すること。
−391−
現行 LPG貯槽指針
LPG貯槽指針
改訂案
11. 3. 4 供用中検査の検査方法
供用中検査時における非破壊試験*1の対象部位と検査方法は表 11−2による。
表 11−2 供用中検査の対象部位と検査方法
対象部位
検査方法
突合せ溶接線全線
LPG貯槽の外面から超音波探傷試
験を実施する*3*4
管台等の溶接線全線
本体と支持構造部の溶接部
*2
支柱とブレースの溶接部
LPG貯槽の外面から磁粉探傷試験
を実施する*5
【解 説】
*1 非破壊試験を実施する技術者の要件はJGA指−109−14「容器・配管の腐食及び疲労割れに関する
検査・評価・補修指針」2.1.3「検査員」による。
*2 支柱の傾き又はタイロッドブレースのたわみ量に異常が認められた場合に行う。
*3 超音波探傷試験の方法は、JGA 指−104−13「球形ガスホルダー指針」付属書8による。
*4 超音波探傷試験の方法によっては、探触子側に深さ数ミリメートル程度の寸法測定が困難な不感帯が
存在する場合がある。不感帯部を適切に評価するため、必要に応じて不感帯部に磁粉探傷試験を併用
する等、不感帯部を考慮した検査方法を選択すること。
*5 磁粉探傷試験が実施できない部位については浸透探傷試験に替えることができる。
−392−