「長時間労働を減らすには」 Q: 我が社では、残業を減らすために早く帰るよう従業員に声をかけてい ますが、余り効果はありません。強く帰るように言うと、逆に「仕事が 終わらない」と不満を言われます。どうすれば残業を減らすことができ るのでしょうか。 A: 残業も使用者の管理下で行われる以上、その責任は会社にあります。 言い換えると、長時間労働は従業員の問題ではなく会社の問題です。 長時間労働が生じるのは、急な受発注や商慣習など様々な要因がある かもしれませんが、会社の仕事のやり方が非効率で改善できるところは ないかという視点が重要です。 一般的に、長時間労働が人事上高く評価されるような職場では労働時 間が長くなる傾向にあります。これは、業務の評価基準があいまいなの で、目に見える証として長時間労働をアピールしがちになると言われて います。また、社内で意思決定をする際に調整や判断を要する人数が多 いほど、労働時間が長くなる傾向にあります。 仕事に長い時間をかけても、よい成果が上がるとは限りません。職場 風土の改善、担当業務の内容の明確化、業務分担の平準化、業務の段取 りの改善、優先順位による業務の絞り込み、職務権限の委譲などによっ て、仕事の非効率性が改善されるといわれています。仕事を効率的に進 めていくことは、残業を減らすだけではなく、コストの削減にも繋がり、 経営的にもプラスになります。 従業員が長時間労働により疲労困憊している状態ではいいアイデアも 生まれません。それどころか、長時間労働を続けているとメンタル不調、 過労死などの深刻な健康障害を生じかねず、会社にとって貴重な戦力が 失われるだけでなく、周りの士気も下がります。会社にとっても従業員 にとってもよいことは何もありません。 従業員が適度な休息と休暇をとることができ、心身ともに溌剌とした 状態で業務に専念できる職場環境があってこそ、優秀な人材の確保や育 成ができ、企業の競争力アップにも繋がります。これを機会に、労使で 十分話し合って、残業の削減に真剣に取り組んでみてはいかがでしょう か。 お問い合わせは、大分労働局監督課(☎097-536-3212)へ。
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