外傷による歯の脱落、 破折に対する処置

三師会だより《第4級》
今年度より三師会それぞれの月刊誌に、三力月に一度互いに必要な情報共有スペースを設けるこ
とになり、今回で第四報となりました。第四報は、長崎県歯科医師会からです。
外傷による歯の脱落、破折に対する処置
長崎県歯科医師会
医療情報委員会理事岩永正憲
小児の転倒ならびにスポーツによる口腔外傷に 2 乾燥させないために
歯牙そのものの脱落や破折を伴う場合があります。
1牛乳につける(冷蔵庫にいれておけば、翌日
夜間や休日等に患者さんからの連絡に対し、その
まで歯根膜を温存できます)
対応に苦慮することも多いかと思います。今回は、
②歯の保存液につける(学校に配備されてぃる
患者さんに対する指示ならびに処置につぃてお伝
ところもあります)
えしたいと思、います。
【外傷により歯が抜けてしまったら?】
1.抜けた歯を探し、乾燥させずに、できるだけ
早く歯科医院へ
*歯根の周りにある歯根膜を如何に保存できる
かが鍵になります。
③生理食塩水につける
④ラップに包む
⑤口の中に入れる
*野外での転倒などで、歯牙が汚れている場合
でも軽く洗い流す程度で牛乳につけてくださ
い。ゴシゴシ擦ることは歯根膜を破壊するこ
とになります。
歯根膜が守られた歯は、再植ならびに整復固定
することで治癒し、機能を取り戻し、歯根が破折
破折線
した場合でも条件が良ければ治癒することができ
ます。
図1
処置後2年経過、
生活反応も維持
乱、^
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0
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肉芽
0
、
歯髄
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受傷時(歯根破折に
対し、ワイヤーにて
固定)
:鴫',.、タキ
石灰化物
11へ、孝
、
石灰化物
歯髄
図3.治癒の様式
図1、 2:東京医科歯科大学大学院小児歯科学分野准教授
宮新美智世先生のご厚意による
図3 t 小児歯科学第4版(20Ⅱ年医歯薬出版)より引用
受傷時
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治癒時
長崎県医師会報第830号平成27年3月
ンターベンション)が提唱されています。また、
岐に渡ってぃます。しかしながら、自己に備わる
ものが事故により失われたとしても、代替医療も
しくは再生医療に頼らずに回復できることがあれ
ばそれに勝るものはないと思います。もっと、大
切なことは外傷により歯牙を失うことがないよう
にすることであり、長崎県歯科医師会ではスポー
ツマウスガードの装着を推進しております。
日本歯科医師会のホームページでも動画にて国民
向けに外傷に対する対応を配信しております。
http://W'WW.jda.or.jp/tv/59. html
http://WWW.jda.or.jp/tv/58. html
歯科界においても再生医療に対する研究がすすみ、
是非、参考にしてください
【外傷により歯の一部が欠けてしまったら?】
欠けた歯を必ず持って、できるだけ早く歯科医院
*歯髄(神経)に達する破折や歯髄に近い破折を
起こしてぃる場合もあります。患者さん自身で
のご家庭での接着剤の使用は厳禁です。
近年、歯科界においての接着に対する研究開発
は目まぐるしいものがあり、最小限の侵襲による
う会虫治療(MI:m丘limalintervention/ミニマルイ
確立された術式ならびに今後期待されるものも多
隠
破折にて来院
破折した歯牙
位置をずらさないように接着処理
破折した歯牙の既存の位置を確認
接着処理完了
Informa"on
⑥G@厄武
厚生労働省版禁煙支援マニユアル
厚労省(健康局総務課生活習慣病対策室)で、禁煙支援マニュアルがとりま
とめられました。日常の禁煙指導にお役立て下さい。
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内容は厚労省HP「たばこと健康に関する情報ページ」で閲覧可能です0
禁煙支援マニュアル<http://WWW.mhlwgo.jp topics/tobacco/main.html>
長崎県医師会報第830号平成27年3月
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