Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 Page 6 3

尋農研機構
資 料 8
飼料用米生産・利用拡大シンポジウム
NARO ≠拝むh儀は・書盛腐印だ倉鞘●■
2015/4/16
内 容
飼料用米の
品種及び栽培技術
農研機構 中央農業総合研究センター
北陸研究センター 水田利用研究領域
1.多収品種の特性
1)形態的特徴
2)窒素吸収特性
2.安定多収栽培技術
1)肥培管理
2)水管理
3)漏生イネ対策
4)病害虫防除
3.低コスト栽培技術
1)直播栽培
2)疎植栽培
3)立毛乾燥
吉永悟志
1.多収品種の特性
多収品種の特徴
耐倒伏性が高い
要 倒れにくいので多肥栽培が可能
穂重型品種が多い
登熟期間が長い、水管理重要
多様な遺伝的背景
品種特性に適合した栽培法の
適用が重要
4
1.多収品種の特性
多くの多収品種は一般米品種と異なる品種を交配日・
日本型多収
多様な品種が育成されている(大粒、茎葉型・・り
インド型よりも低温条件で安定(地域適応性が広い)
インド型多収
栽培留意点:種子休眠性.脱粒性,ウンカ抵抗性低い
光合成能力が高い(わら、子実生産旺盛)
受光態勢が良好
低温耐性が低い(高温に適応)
1.多収品種の特性 1)形態的特徴
シンク容量の品種間差
1・多収品種の特性 2)窒素吸収特性 中央農研北脚究センタ_
2012−13年平均値
シンク容量=粗数×千粒重
施肥量と収量性
高地力圃場での事例.
くデンプンを詰める容轟の大きさ)
▲:
ロマン
×j
193号−
0 5 10 15
日本晴 ぺこあおば ホシアオバ モミロマン ミズホチカラ タカナリ 北陸193号
作物研究所2010年データ.多肥条件(18kg−N/108)での値
多収品種は1穂級数の増加あるいは千粒重の増加により
シンク容量が増大
こ晴
5 0 ︻ヽ− ▲U
●:
︵巾OT、茸︶敲則帖噴登憎さ喰
00 00 ∞ 00 00
︵貞一も豊明米梱東
0 8 6 4 2
7○ミuき叫牌へ∧ふ
㌫
︵︶
0 0 0 0 0 0 0
0 0 ■ U
O
O
O
2 0 8 6 4 2
?曳
日本晴 モミロマン 北陸193号
窒素施肥量tk扉10aI
収量750kg/10aでの値
多収品種は少ない施肥窒素量で多収を達成
1.多収品種の特性 2)窒素吸収特性
2012−13年平均値
窒素吸収と収量性
1 5 1 0 5
●日本晴 ▲モミロマン ×北陸193号
日堆肥8化成肥料8わら召穂 臼堆肥ロ化成肥料ロわら8穂
高地力圃場での事例
︵占l、茸︶擬制腑噴登州きぬ
0 0 0 ▲U
︵8−も羊岬米回虫
巴達二等車革皇
O
OO 80 60 亜 20
ノ ー▼■
2・安定多収栽培技術1)肥培管理 堆肥利用での養分収支
中央農研北陸研究センター
35 2515 5 5 15 25 35 45 35 25 15 5 5 15 25
5 10 15 20
成熟期窒素吸収量Ikg/10aI
投入量← →吸収量 投入量← →吸収量
日本晴 モミロマン 北陸193号
(k〆108) (kg/108)
TF
収量750kg/10aでの値
り州kg/汀h ミズホチ
牛糞堆肥2t/1払施用 鶏ふんペレット04t/1ぬ施用
(鹿児島県農業開発総合センター)
多収による旺盛なリン酸.カリウムの吸収分を堆肥利用で補給
(成分バランスに留意が必要)
多収品種は吸収した窒素を玄米生産に結びつける能力が高い
2.安定多収栽培技術1)肥培管理
2.安定多収栽培技術 2)水管理
堆肥代替条件での多収 ⊂垂直]一争 地力の収奪も増大
堆肥種類・施用量/10a
多収品種での水管理
多収のため登熟期間が長くなる
化成窒素 化成減肥 収量 同左
kgN/10a
k〆10a 指数
1200
912 (100)
遮牛ふん堆肥・2t
も 800
無し 10.5
豚ふん・2t 5.25
笥1000
40% 979 107
850 (100)
避600
400
50% 822 97
200
」■■■
d 無し 10
鶏ふんペレット240kg 6
724
0
日本晴 モミロマン 北陸193号
40% 762
わら搬出.堆肥連用条件,ペレットは有効窒素換算で代替
堆肥による化成肥料の代替で同等の収量が得られる
11
地域の利水に対応した作期および品種の選定
登熟期は間断かんがいで地耐力確保
完全落水は,出穂後4週目以降
12
2.安定多収栽培技術 3)漏生イネ対策
2.安定多収栽培技術 3)漏生イネ対策
飼料用米生産における漏生イネ対策技術体系
多収品種由来の落下種子対策のまとめ
多収品種の
作付け前
脱粒しにくく種子の越冬能力が低い晶
多収品種の
圃場に籾を極力=残さない栽=培
栽培・収穫
(倒伏させない、品種に応じた適期収穫等)
多収品種の
収穫後
石灰窒素を秋季に散布(50k〆10a,7二500円・/10a)
(散布後2⊥串週間は耕起しない)
暖地■温暖地
A:移植栽培:移植後約半月
条間に多数の漏生イネが発生。
B:乾田直播栽培:播種後約1ケ月孝
条間に大量の漏生イネが発生ヤ
C:湛水直播栽培:出穂期
繹長の高い漏生イネの穂が多数
秋耕起
食用品種遅縫え
食用品種の
作付け時
確認できる。
種を選択
寒地・寒冷地
秋耕起しない
プレチラクロ十ルを代かき後あるいは食用
品種の
移植直後に散布
総合的な防除体系の適用が重要
(地域特性に応じた技術を適用)
14
2.安定多収栽培技術 3)漏生イネ対策
2.安定多収栽培技術 4)病害虫防除
・基本的には主食用米に準ずる
・親米利用の場合は出穂以降の防除を避ける・
・早期確認による早斯防除に努める
・極端な多肥を避ける
除草剤による漏生イネ防除 プレテラクロール‥除草剤の有効成分,
初期剤や一発剤に含有
プレテラクロールを含む初期除草剤を移植直後に散布
いもち病
一般に真性抵抗性を有する.レース変異による羅病化に注意.
縞葉祐病
常発地帯では.抵抗性品種を選定.
稲こうじ病
出穂期が遅い品種が多いので発生しやすい傾向
ウンカ類
インド型品種は特に留意が必要,常発地帯は早期防除を徹底
処理時の生育ステージとその後の苗立ち
プレチラクロールの散布が遅れると
漏生イネを防除できない
コブノメイガ,二カメイチュウ
イl=
l J
葉色の濃い圃場に集まりやすい
16
3.低コスト栽培技術 1)直播栽培
3・低コスト栽培技術 2)疎植栽培
出芽性
収量性(現地事例)
1000
脚 伽 棚 M。
耐倒伏性
*飼料用米生産では.耐倒伏性の重要性高い
*耐倒伏性の高い多収品種を選定
計標準 ■疎権
宮︻盲も︸卓米朝覇
*インド型品種では,種子休眠に留意,また,還元耐性が低い
ので湛水直播は避ける
*月本型品種では,主食用品種と同等であるが.千粒重に応
じて播種量を変える必要
岐阜県(2010−2014年)
品種:北陸193号
栽培法:乳首疎植
粗玄米収量:770kg/10a
たちじょうぶ
福島県(2010−2014年)
山形県(201卜2014年)
品種:ふくひびき
品種:ふくひびき
栽培法:湛水直播
栽培法:湛水直播
粗玄米収量:753kg/10a
粗玄米収量:762kg/10a
3.低コスト栽培技術 3)立毛乾燥
収量性(現地事例)
ぺこあおば
2010−2012年
標準株間15cm30第
疎植林間30cmll籍
(北海道農研センター)
標準:株間15cm
多収品種は穂数が少ないため,
初期分げっの確保が重要
疎植二株問30cm
(東北農研センター)
18
3.低コスト栽培技術 3)立毛乾燥
多収品種の収穫適期
立毛乾燥による飼料用米生産の低コスト化
1100−1200℃
親水分21∼28%
乾燥費用は生産物にかかる費用であり、
生産規模の拡大や省力化によるコストの低減が困難
一般食用米の収穫条件
籾水分:21∼26%
出穂後積算気温:1000∼1100℃
出穂後日数:30∼45日(気象により変動)
収穫時期と籾水分の関係をもとに,
立毛乾燥技術を確立
山形県2∝I8−10年データ
800 1000 1200 1400 1600 1800
出穂後積算気温(Oc)
気象条件:地域の気象に応じて適用(早生ほど適用しやすい)
耐倒伏性:倒伏すると籾水分は低下しない
非脱粒性:脱粒しやすい品種は、適期収穫
20
3.低コスト栽培技術
飼料用米の品種及び栽培技術 まとめ
低コスト化への技術上の▲課題
・専用品種による高収量
一多肥条件で多収⇒耕畜連携による堆肥活用が重要
−コスト試算に基づく目標収量の設定と肥培管理の適用.
−コンタミ防止には漏生イネ対策の確立も重要
・直播・疎植導Å
一直播の除草については大豆後,移植と組み合わせ必要
一適性品種の選定により収量の低下を避けることが重要
−インド型多収品種の直播栽培確立は今後の課題
・立毛乾燥
一乾燥コストは生産費の中で大きな割合を示す
一天候の年次変動や倒伏が不確定要因
一作付体系や地域の天候により導入が困難な場合がある 21
品種選定
地域特性(気象暮作型)に応じた品種
多収品種の活用によるコスト低減
多収栽堵技術
品種・収量に対応した肥培管理
品種特性に対応した管理技術の適用
低コスト化
多収品種の活用
立毛乾燥
疎植 直播
品種特性に対応
肥培管理
施肥窒素利用効率の向滋
耕畜連携での堆肥活用
養分収支に基づく地力管理
除草剤の選定
水管理
漏生イネ対策