慢性気道感染症 に対す るcefpirome sulfate (CPR)の 至適用量検索試験

96
慢 性 気 道 感 染 症 に対 す るcefpirome
(CPR)の
至 適 用量 検索 試 験
国立療養所刀根山病院内科及び-協
力施設
川崎医科大学呼吸器内科及 び協力施設
副島
林 造*1)2) 日野
沖本
二郎
松島
矢木
敏春
川西
二郎
優
螺良
英郎
中川
勝
西川
秀樹
邦規
滝下
佳寛
坂東
弘康
橋本
吉弘
安宅
信二
角
晋
築山
sulfate
正泰
鳥取大学第3内 科
札幌鉄道病院呼吸器内科及び協力施設
平賀
洋明
大道
光秀
松本
行雄
山本
光信
小西
龍也
阪田
拓哉
平位
広章
東北大学抗酸菌病研究所内科学部門及 び協力施設
杉本
勇二
渡辺
彰
大 泉 耕 太 郎*
本田
芳宏
櫃田
豊
徳江
豊
本宮
佐藤
和男
長井
雅吉
弘策
下田
茂
今野
(*現 久留米大学第1内 科)
いわ き市立総合磐城共立病院呼吸器科
林
淳
泉
長崎大学第2内 科及び-協
力施設
原
耕 平*2) 廣 田
正毅
河野
茂
林
敏明
須山
尚史
宮崎
幸重
道津
安正
安岡
彰
勝又
達哉
山田
洋
(現 財団法人癌研究会付属病院内科)
長崎大学熱帯医学研究所内科
杏林大学第1内 科
押谷
浩
三浦
小林
宏 行*2)
洋
井上
尚志
吉田
俊昭
永武
毅
秋 山盛登司
隆杉
正和
田口
幹雄
渡辺貴和雄
松本
東京大学医科学研究所感染症研究部及び協力施設
島田
馨*2) 稲 松
岡
慎一
孝思
後藤 美江子
後藤
元
虎 の門病院呼吸器科
中森
祥隆
成井
中谷
龍王
中 田紘 一 郎
浩司
野口
磐
今井
健郎
那須
勝
後藤
純
重野
秀明
後藤 陽一郎
田代
隆良
永井
寛之
山崎
明石
光伸
浩
兼島
洋
克佳
橘川
桂三
鈴木
周雄
室橋
光宇
高橋
宏
芦苅
靖彦
小山
泉
石井
俊一
*2)効
果 判 定 委 員
別 刷 請 求先:(〒701-01)倉
*3)コ
普久原
重野
下地
芳輝
愛媛大学薬理学教室
小 田切 繁 樹
筆 者
厚
伊良部 勇栄
文 夫*2)
神奈川県立循環器呼吸器病 センター呼吸器科
*1)執
透
琉球大学第1内 科
斉藤
松本
慶 蔵*2)
大分医科大学第2内 科及び協力施設
昌幸
神奈川県衛生看護専門学校附属病院内科
桜井
佐 々木孝夫
小
川
暢
也*3)
ン ト ロ ー ラ ー
(平 成2年8月17日
受 付)
(平 成2年10月17日
受 理)
敷 市 松 島577
川 崎 医科 大 学 内 科
副島
林造
感 染症 学 雑 誌
第65巻
第1号
cefpirome
Key
words
:
sulfate
cefpirome
dose
(CPR)呼
sulfate,
finding
吸器感 染 症 至適 用 量 検索 試 験
CPR,
study,
chronic
る 為 に,慢
azidime
(CAZ)と
比 較 した.慢
1.0g群)CAZ
CPR)の
呼 吸 器 感 染 症 に対 す る至 適 用 量 を 検 索 す
性 気 道 感 染 症 の 入 院 患 者 に 対 しCPR
1.0g×2/日(CAZ群)の
日間 点 滴 静 注 し,臨 床 効 果,細
菌 学 的 効 果,安
HR1.0g群32例,
臨 床 検 査 値 異 常 出 現 率 はHR
0.5g群23.1%,
め な か っ た.ま
た,有
安 全 性,有
I.
CPR)は
間 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ
の 群 で は認 め られ な か っ た .
HR1.0g群22.2%,CAZ群22.5%で3群
間 に有 意差 を認
CAZ群86.1%で3群
とHR1.Og群
の 成 績 はCAZに
は じめ に
sulfate(開
間 に有
認 め られ た が,他
HR1.0g群74.2%,
れ ら2群
の 計106例 で
CAZ群86.1%で3群
88.5%で,3群
痢)に
性 気 道 感 染 症 に 対 す るHR0.5g群
用 性 に差 は 認 め られ ず,こ
cefpirome
疹,下
用 率 はHR0.5g群84.2%,
は 認 め られ な か っ た.慢
CPR
CAZ群36例
HR1.0g群75.0%,
意 差 を 認 め な か っ た.菌 消 失 率 は そ れ ぞ れ73.9%,75.0%,
中2例(薬
0.5g×2/日(HR0.5g群),
全 性 及 び 有 用 性 を検 討 した.
員 会 判 定 で の 有 効 率 はHR0.5g群84.2%,
伴 症 状 はHR1.0g群36例
剤 の 臨 床 的 特 性 をceft-
い ず れ か を 無 作 為 に割 り付 け,原 則 と して14
総 投 与 症 例121例 中 臨 床 効 果 解 析 対 象 はHR0.5g群38例,
た.随
infections,
旨
sulfate (HR810,
性 気 道 感 染 症 を 対 象 と し て 至 適 用 量 検 索 試 験 を 実 施 し,ま た,本
1.0g×2/日(HR
あ っ た.委
tract
ceftazidime
要
呼 吸 器 感 染 症 に 対 す るcefpirome
respiratory
97
間 に有 意差
の 臨 床 効 果,細
菌 学 的 効 果,
ほ ぼ 匹 敵 す る と考 え られ た.
あ っ た.以 上 の成 績 か ら,本 剤 は 呼 吸 器 感 染 症 に
発 番 号HR810,略
号
ヘ キ ス ト社 お よ び ル セ ル ユ ク ラ フ 社 に よ
対 して 臨 床 的 有 用 性 が 期 待 さ れ る.
今 回,我
々 は本 剤 の 慢 性 気 道 感 染 症 に対 す る至
り共 同 開 発 さ れ た 新 し い 注 射 用 セ フ ェ ム 系 抗 生 物
適 用 量 を検 索 す る と同 時 に,本 剤 の 臨 床 的 特 性 を
質 で あ る.本
に
検 討 す るた め,全
を有 す るいわ
い て,ceftazidime
剤 はFig.1に
示 し た と お り,7位
2-aminothiazolylmethoxyimino基
ゆ るoxime型
に 属 し,3位
はcyclopentenopyr-
idinで 修 飾 さ れ て い る.従
来 の 第3世
系 抗 生 物 質 に 比 し,S.aureus,
代 セ フ ェム
含 む グ ラ ム陰
性 菌 に対 して 強 い 抗 菌 力 を 示 す こ とが 認 め られ て
い る1)2).
受 け ず,80∼95%が
尿 中 に排 泄 され る こ とが 示 さ
れ た3).ま た0.5g,1.0gの
静 脈 内 投 与 に よ るCmax
は そ れ ぞ れ57.2±5.6μg/ml(平
86.7±13.0μg/mlで,血
剤 は代謝 を
均 ± 標 準 偏 差),
中 半 減 期 は1.7時
間 で
対 照 と した 無 作 為 割
II. 対 象 と方 法
1. 対 象
対 象 は1988年4月
か ら1989年1月
性 気 管 支 炎,気
Chemical
structure
of cefpirome
の 間 に入 院 し
管 支 拡 張 症,び
ま ん性 汎 細
気 管 支 炎 等 の 感 染 増 悪 を 有 す る16歳 以 上 の 患 者
で,呼
吸器 感 染 症 と して の 症 状 が 明確 な患 者,す
な わ ち,膿 性 痰 の喀 出,起 炎 菌 の確 定 あ る い は推
定,発 熱,CRP陽
性 化,白 血 球 増 多,胸 部 レ線 所
見 等 か ら,明 らか に 呼 吸 器 感 染 症 が存 在 す る と考
え られ る患 者 を 対 象 と した.な
Fig. 1
の成 績 を
報 告 す る(Table1).
た,慢
本 邦 で の 第 一 相 臨 床 試 験 の 結 果,本
(CAZ)を
り付 け に よ る比 較 試 験 を 行 った の で,そ
S.epidermidisを
含 む グ ラ ム 陽 性 菌,P.aeruginosaを
国15施 設 及 び そ の 協 力 施 設 に お
お,以 下 の いず れ
か に 該 当 す る患 者 は 原 則 と し て 対 象 か ら除 外 し
た.
1) 呼 吸 器 感 染 症 状 の不 明確 な患 者
2) 悪 性 腫 瘍,肺 結 核 あ る い は血 液 疾 患 等 基 礎 疾
患 また は 合 併 症 が極 め て 重 篤 な患 者
3) 極 め て重 症 で 予 後 が不 良 と推 測 され る患 者
平成3年1月20日
副島 林造 他
98
Table
Division
of Respiratory
Diseases,
Department
of Respiratory
Department
of Internal
Department
of Respiratory
First
Department
Institute
of Internal
Department
of Respiratory
Department
of Internal
Department
Second
First
Medicine,
Department
of Internal
for Chest
General
University
Toranomon
る い はCAZが
and
and
Cancer,
Hospitals
University
Hospital
of Medicine
Kanagawa
National
Medicine,
Toneyama
Medical
University
College
Hygienic
School
and
Hospital
Respiratory
Center
Hospital
Tottori
University,
of Toropical
and
Cardiovasculal
of Medicine,
Nagasaki
Institute
Medicine,
Sanatorium,
School
Medicine,
Nursing
Prefectural
University
School
Medicine,
of Medicine
Nagasaki
University
of Ohita
of Ryukyu,
School
of Medicine
呼吸 器感 染症 の原 因
えば ウイ ル ス性 呼
30バミイ ア ル を1箱
腎 臓 あ るい は 甲状 腺 に重 篤 な機
用 と した.各 群2症
内反 応 陽 性 の 患 者
8) β-ラク タ ム剤 に 過 敏 症 の 既 往 歴 を 有 す る患
例 宛 計6
と し,薬 剤 は 組 毎 に コ ン トロー ラ ー
に よ り無 作 為 割 り付 け が な され た.包 装 は外 観 上
識 別 不 能 と した.な
能 障 害 の あ る患 者
イアル計
に収 め,そ れ ぞ れHR0.5g群,
HR1.0g群,CAZ群
症 例 分 を1組
るい はCAZ皮
related
Tohoku
Hospital
吸器 感 染 症 患 者 な ど
7) CPRあ
Hospital
て 投 与 薬 剤28バミイ アル,保 存 用 薬 剤2パ
に対 し明 らか に 無 効 な患 者,例
6) 心 臓,肝 臓
School
Railway
Diseases
School
Prefectural
4) 起 炎 菌 不 明 の 患 者
5) CPRあ
Medical
Sapporo
of Tokyo
Medicine,
Medicine,
of Internal
Kyorin
Kanagawa
Diseases,
of Internal
of Internal
Department
Kyoritsu
Diseases,
Medicine,
of Internal
Department
Department
Iwaki
Disease,
clinics
Kawasaki
Medicine,
Institute
University
of Respiratory
of Medicine,
Research
Science,
Department
Second
Medicine,
Collaborating
of Internal
Medicine,
Department
Third
Department
Diseases
of Internal
of Medical
1
お,割 付 後 に コ ン トロ ー ラ ー
が 抽 出 した 各 薬 剤 に つ い て,京 都 薬 科 大 学(西
野
武 志 教 授)に お い て試 験 開 始 前 お よ び試 験 終 了 後
の両 時 点 に お い て 含 量 試 験 を 実 施 した.
者
9) 本 試 験 直 前 にCPRあ
る い はCAZが
投与 さ
2) 投 与 方 法
各 薬 剤1回1バ
れた患者
10) 本 試 験 開 始 前 に 抗 菌 性 薬 剤 が 投 与 さ れ,既
に症 状 の 改 善 しつ つ あ る患 者
イ アル を100mlの
溶 解 し1日2回(12時
間 毎)60分
生理食塩 液 に
かけて点滴静注
した.原 則 と して 薬 剤 を14日 間(28バ
イ アル)連
11) 妊 婦 お よ び 妊 娠 し て い る可 能 性 の あ る患 者
続 投 与 す る こ と と した.た
12) 授 乳 中 の患 者
は投 与 を 中止 した が,そ
13) フ ロセ ミ ドな ど の ル ー プ利 尿 剤 の併 用 を 必
施 し,そ の結 果 を 中 止 の理 由 と と もに 調 査 表 に 記
載 した.
要 とす る患 者
14) そ の他,担
だ し,次 の よ うな場 合
の時点で所 定の検査 を実
当 医 が 本 試 験 の 対 象 と して 不 適
と認 め た 患 者
(1) 副作 用 の た め 投 与 の 継 続 が不 可 能 な場 合
(2) 感 染 症 状 が 悪 化 した 場 合(無
な お 本 試 験 開 始 に あた り担 当 医 は本 試 験 の 内 容
場 合).た だ し,こ の場 合 少 な く と も本 試 験 開 始 後
を 被 験 者 に説 明 し,各 施 設 の 方 式 に準 じて 被 験 者
72時 間(6バ
の 同 意 を得 る こ と と した.
した.
2. 試 験 薬 剤 お よ び投 与 方 法
1) 試 験 薬 及 び 対 照 薬
試 験 薬 と してCPR
0.5g(力 価)/バ イ アル,CPR
効 と判 定 した
ミイ ア ル投 与)以 後 に 判 定 す る こ と と
(3) 本 試 験 開 始 後,険
外 患 者 に 該 当す る こ とが
判 明 した 場 合
(4) 治 癒 した 場 合
1.0g(力
価)/バ イ ア ル お よ び 対 照 薬 と してCAZ
(5) そ の他 担 当 医 が そ の 必要 を 認 め た 場 合
1.0g(力
価)/バミイ ア ル の いず れ か を1症 例 分 と し
3. 併 用 薬 剤
感 染症 学 雑 誌
第65巻
第1号
cefpirome
sulfate
(CPR)呼
(4) 喀 痰 性 状: P3, P2, P1, M2,
以 下 の基 準 に て併 用 薬 剤 の 使 用 を 規 定 した.
た(Miller
1) 併 用 禁 止 薬
(1) 他 の 抗 菌 薬
だ し本 試 験 開 始
10日 以 上 前 か ら副 腎 皮 質 ス テ ロイ ド剤 が 投 与 され
(6) 胸 痛,チ
不 振,消
質 ス テ ロ イ ド剤 に よ る と考 え られ る症 状 の変 化 が
た. +, -
つ 本 試 験 終 了 時 まで 同量 の,あ
る
い は そ れ 以 下 の 副 腎 皮 質 ス テ ロ イ ド剤 が継 続 投 与
され る場 合 は差 し支 え な い もの と した.
M1に 分 類 し
分 類 に よ る4)).
階 に て 評 価 した.廾(起
坐
呼 吸 の 程 度), +, -
て い て,本 試 験 開 始 後10日 以 上 に わ た っ て 副 腎 皮
認 め られ ず,か
& Jonesの
(5) 呼 吸 困難:3段
(2) 副 腎 皮 質 ス テ ロ イ ド剤,た
99
吸器 感染 症 至 適用 量 検 索試 験
ア ノー ゼ,脱 水 症 状,悪
化 器 症 状,全
(7) ラ音:3段
寒,食
思
身倦 怠 感 は有 無 にて 判 定 し
階 に て 判 定 した.廾,
+, -
(8) 脈 拍 数:実 測 値 を 調 査 表 に記 載 した.
(9) 呼 吸 数:実 測 値 を 調 査 表 に 記 載 した.
2) 原 則 と して 併 用 を 禁 止 す る が,止 む を得 な い
3) 検 査 所 見
白血 球 数(好
場 合 併 用 を 認 め る薬 剤
中 球 数)お
よ びCRPを
(1) 非 ス テ ロイ ド消 炎 剤
時,投 与 開 始1日 後,2日
(2) 消 炎 酵 素 剤
7日 後,14日
(3) 解 熱 剤
を 投 与 開 始 時,投 与 開 始14日 後(投
(4) γ-グロ ブ リン製 剤
撮 影 した.ま た 投 与 開 始 時,投
3) 併 用 を 認 め る薬 剤
日後,3日
(1) 去 痰 剤
(投 与 終 了 時)に
(2) 鎮 咳 剤
し,グ
後(投
後,3日
後,5日
与 終 了 時)に
後,7日
投 与 開始
後,5日
後,
測 定.胸 部 レ線
与 終 了 時)に
与 開 始1日
後,10日
後,2
後,14日
後
喀痰 を採取 して塗末 標本 を作成
ラ ム染 色 を 実 施 す る と と も に菌 検 索 を 実 施
(3) 気 管 支 拡 張 剤
し,そ の 消 長 を観 察 した.同
(4) 消 炎 効 果 を もた な い 喀 痰 融 解 剤
を測 定 しそ の変 化 を 観 察 した.な
(5) 基 礎 疾 患 お よ び合 併 症 に対 す る治 療 剤
れ た菌 は す べ て調 査 表 に記 載 し,起 炎 菌 と考 え ら
な お併 用 薬 を 使 用 した 場 合,調 査 表 に薬 剤 名,
れ る もの を東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 感 染 症 研 究 部 に
投 与 量,併
用 期 間,併
用 理 由 を記 載 す る こ と と し
時 に喀 痰 中好 中 球 数
お,分 離 同 定 さ
て,β-ラ ク タ マ ー ゼ 産 生 の 有 無 な ら び にMICを
日本化 学 療 法 学 会 標 準 法 に 従 い 測 定 した.そ
た.
の他
4. 観 察 お よび 検 査 項 目
の 臨 床 検 査 をTable2の
同一 患 者 に つ い て試 験 期 間 を通 じて,有 効 性 な
らび に安 全 性 の評 価 に 必 要 な項 目を 観 察 し,同 一
応,臨 床 検 査 値 異 常 が認 め られ た 場 合,以 下 に 述
べ る5段 階 に て 薬 剤 との 関 連 を 評 価 し,そ れ に 関
担 当 医 が 評 価 した.
す る処 置 お よび 経 過 を調 査 表 に記 載 した.
1) 発 症 背 景
ご と く実 施 した.随 伴 反
因果関係 判定基準
呼 吸 器 感 染 症 に 影 響 を与 え る基 礎 疾 患,合
併症
1) 明 らか に関 連 あ り:時 間 的 に 明 白 な 相 関 関
あ るい は 関 連 あ る既 往 歴 等 を 調 査 し,調 査 表 に記
係 が あ り,か つ 患 者 の 有 す る疾 病,併
載 した.
治 療 等,本
呼 吸 器 感 染 症 に起 因 す る下 記 の 自他 覚 症 状 を毎
日観 察 し,調 査 表 に記 載 した.
(1) 体 温:1日4回
∼3回 で も可 と した .
(2) 咳 漱:3段
(3) 喀 痰 量:1日
平成3年1月20日
用
剤 以 外 の要 因 が 完 全 に 除 外 さ れ る場 合
2) 多 分 関 連 あ り:時 間 的 に 明 白 な 相 関 関 係 が
2) 自他 覚 症 状
害 され る程 度),+,
用 薬,併
用 薬,併
用治療
等,本 剤 以 外 の要 因 が ほ ぼ 除 外 され る場 合
測 定 し,解 熱 後 は1日2
階 に て 評 価 した.廾(睡
あ り,か つ 患 者 の有 す る疾 病,併
3) 関 連 な し とは い え な い:時
間的 に明 白な相
関 関 係 が な く,患 者 の 有 す る疾 病,併 用 薬,併
眠 が障
用
治 療 等 の 要 因 も推 定 され る が,本 剤 に よ る可 能 性
も除 外 で き な い場 合
総 量 を 測 定 した.
4) 関 連 な し:時 間 的 に 明 白 な相 関 関 係 が な く,
副島 林造 他
100
Table
2
Laboratory
examination
○ indispensable
* to be
*1to be
examined
as
measured
with
often
as possible
Creatinine
PAP
(CREA)
患 者 の 有 す る疾 病,併 用 薬,併 用 治 療 等 の 要 因 が
著 効,有
考 え られ る場 合
3) 細 菌 学 的 効 果
5) 関 連 不 明:上
な い 場 合,あ
記1∼4の
い ず れ に も該 当 し
る い は判 定 材 料 不 足 の場 合
試 験 終 了後,key
code開 封 前 に担 当 医 に よ る評
に つ い て 行 った.
起 炎 菌(推 定 を含 む)の 消 長 に よ り,下 記 の5
臨 床 症 状,検 査 所 見 な ら び に発 症 背 景 等 を勘 案
し,下 記 の3分 類 で判 定 した.
症
2) 臨 床 効 果
臨 床 症 状,臨 床 検 査 所 見 の推 移 か ら下 記 の5分
類 で評 価 した.
(1) 消 失:起 炎 菌(推 定 を 含 む)が
消 失 した も
(2) 減 少:起
有 意 に減 少
炎 菌(推 定 を 含 む)が
した もの
(3) 菌 交 代:起
1) 呼 吸 器 感 染 症 の 重 症 度
等 症,軽
効,判 定 不 能
の
価 お よ び効 果 判 定 委 員 会 に よ る評 価 を 下 記 の項 目
重 症,中
や 有 効,無
分 類 で評 価 した.
5. 呼 吸 器 感 染 症 の 重 症 度,有 効 性,安 全 性 な ら
びに有用性 の判定
効,や
炎 菌(推
定 を 含 む)が 消 失 し,
あ らた な有 意 菌 が 出現 した もの
(4) 不 変:起
炎 菌(推 定 を 含 む)が
減少せず存
続 した も の,ま た は 増 加 した も の
(5) 判 定 不 能:起
炎 菌 が 不 明 の もの,ま た は 起
炎 菌 の 推 移 が不 明 の もの
4) 安 全 性
随 伴 反 応,臨
床 検 査 値 の 異 常 化(悪
感 染症 学 雑誌
化)に
第65巻
つい
第1号
101
cefpirome sulfate (CPR) 呼吸器感染症至適用量検索試験
2. 集 積 症 例
て 副 作 用 か否 か の 判 定 を した.
5) 有 用 性
薬 剤 を 投 与 され た総 症 例 数 は121例 で,そ の 内 訳
患 者 の背 景,臨 床 効 果,安
全 性 等 を 総 合 的 に勘
例 で あ つた(Table3).こ
案 し,下 記 の5分 類 で有 用 性 の判 定 を した.
非 常 に有 用 性 あ り,有 用 性 あ り,ど ち ら と もい
な お,除 外 な らび に 脱 落 の判 定 お よ びそ の取 扱
封前 に効果判定委 員会
CAZ群40
の うち 臨 床 効 果 及 び安
全 性 解 析 対 象 例 は106例,安 全 性 の み 評 価 され た 症
例 は9例 で,6例
え な い,有 用 性 な し,判 定 不 能
い に つ い て は,key.code開
はHRO.5g群i41例,HR1.Og群40例,
は 全 て の評 価 か ら完 全 に 除 外 さ
れ た.除 外 の理 由 をTable4に
示 す.
3. 症 例 背 景 因 子
臨 床 効 果 解 析 対 象 症 例106例 の 各 背 景 因 子 分 布
で検 討 した.
6. 解 析
の 一 様 性 に つ い て 検 定 した 結 果 は,Table5a,
患 者 特 性 の 分 布 の 一 様 性 の 検 定 に はx2検 定,
の ご と くで あ り,性 別,体
Kruskal-Wallis検
定 を 用 い,効 果 判 定 は 分 布 の一
様 性 検 定 の 為 のX2検 定,Kruskal-Wallis検
定な
III. 成
績
既 往 に関 し,患 者 特 性 の 分 布 が一 様 で な い こ とが
統 計 学 的 に 示 さ れ た.す
な わ ち 性 別 で はCAZ群
試 験 開 始 前 お よ び 終 了 後 に実 施 した 含 量 試 験 の
ず れ も規 格 に 合 致 して い る こ とが確 認 さ
低 体 重 の 患 者 が多 く,薬 剤 ア レル ギ ー歴 で は,HR
ま た,第37回
日本 化 学 療 法 学 会 総 会 に お い て 報
告 され た,「 抗 菌薬 臨 床 評 価 検 討 委 員 会 ― 報 告 ― 」
中 のC.比
れ た.
較 試 験 に お け る 効 果 判 定 基 準2.<慢
性 気 道 感 染 症>の
項 に記 載 され て い る臨 床 観 察 項
目で あ る喀 疾 性 状,CRP,体
3
Case distribution
温 及 び 白血 球 数 に つ
い て も比 較 した(Table6).
4. 臨 床 成 績
Table
4
Reasons
of clinical
平 成3年1月20日
に
1.Og群 に 「有 」 の患 者 が 有 意 に 多 か った.
1. 含 量 試 験
Table
重,薬 剤 ア レル ギ ー の
に女 性 が 有 意 に少 な く,体 重 で は,HR1.Og群
どを 用 い て検 討 した.
結 果,い
5b
efficacy
for exclusion
from
evaluation
副島 林造 他
102
Table
・significance
1)
level
5a
Patients'
*p<0.05
臨床効果
3群 間 に 有 意 差 を 認 め な か つた(Table7).主
効 果 判 定 委 員 会 判 定 で はHR0.5g群38例
効7例,有
効25例
characteristics
で 有 効 率84.2%,HR1.0g
例 中 著 効3例,有
効21例,有
例 中 著 効4例,有
効27例
効 率75%,CAZ
で 有 効 率86.1%で
治
中著
医判 定 も 同様 の結 果 で あ っ た(Table8).全
群32
を背 景 因 子 の層 に よ り分 割 し,各 層 内 で3群 間 の
群 36
臨 床 効 果 を比 較 した.3群
あ り,
られ た 性,体 重,薬
患者
間 で 分 布 に偏 りの 認 め
剤 ア レル ギ ーの 有 無 の 各 層 で
感染 症 学 雑誌
第65巻
第1号
cefpirome
Table 5b
・significant
level
sulfate(CPR)
Patients'
呼吸器感染症至適用量検索試験
characteristics
*p < 0 . 05
Table
平成3年1月20日
(initial symptoms and signs)
6
103
副島 林造 他
104
Table 7 Clinical efficacy judged by committee
Table 8
Table 9
* : In the stratum
Clinical efficacy judged by physician in charge
Clinical efficacy judged by committee in each stratum
[Female
, Less
than
40kg]
the statistical
analyses
except
of biased characteristics
CAZ.
感 染 症 学 雑誌
第65巻
第1号
cefpirome
sulfate
(CPR)
105
呼吸器感染症至適用量検索試験
有 効 率 を 比 較 した が,い ず れ も有 意 差 は認 め られ
の 結 果 も 同 様 で あ つ た(Table11).ま
な か った(Table9).ま
に よ り起 炎 菌 と判 定 さ れ た79株
た,こ れ らの背 景 因 子 と
薬 剤 の 交 互 作 用 を 検 討 す る為 に ロジ ス テ ィ ック 回
別 細 菌 学 的 効 果 で は,グ
帰 分 析 を試 み た が,主 効 果,交 互 作 用 の 影 響 は い
率 はHR0.5g群87.5%,HR1.0g群100%,
ず れ も検 出 され な か つ た.
群100%,グ
66.7%,70.6%,85.7%で
効 果 判 定 委 員 会 で細 菌 学 的 効 果 判 定 対 象 とな つ
HR0.5g群73.0%,HR1.0g群78.3%,
中16例 に て菌 が 消 失,1例
交 代 で菌 消 失 率 は73.9%,HR1.0g群20例
失13例,菌
交 代2例
中 菌 消失23例,菌
で 消 失 率75.0%,
CAZ群
に有 意 差 を 認 め な か つた(Table10).主
GPC
Total
平成3年1月20日
6
(75.0%)
26例
CAZ
あ り,全
体 の除菌率 は
CAZ群
あ つ た(Table12).こ
れ らの起 炎 菌 の う
剤 感 受 性 試 験 が 実 施 さ れ た も の は41株
られ な か つ た
間
Bacteriological
ラ ム 陽 性 菌 に対 す る除 菌
そ の 薬 剤 感 受 性 分 布 に は,両
(Table13)
.
response judged by committee
response judged by physician in charge
Bacteriological
Response (Judged by Committee)
1
(12.5%) (12.5%)
6
(100%)
9
(100%)
で,
群 間 に有 意 差 は認 め
3) 随 伴 症 状 お よ び 臨 床 検 査 値 異 常
治 医判定
Table 11 Bacteriological
Table 12
ち,薬
中菌 消
交 代0で 消 失 率88.5%で3群
Table 10
90.0%で
が菌
員会
ラ ム陰 性 菌 に対 す る除 菌 率 は そ れ ぞ れ
2) 細 菌 学 的 効 果
たHR0.5g群23例
た,委
に つ い て の起 炎 菌
副島 林造 他
106
Table
13
Susceptibility
committee
of the
causative
organisms
toCRP
and
CAZ
(Patients
accepted
by
members)
106 cells/ml
HR1.0g群36例
中2例(5.6%)に
「多 分 関 連 あ
Table
14
Abnormal
changes
in laboratory
findings
り」 と判 定 さ れ た 随 伴 症 状 が 認 め ら れ た が 他 の 群
で は 認 め ら れ な か つ た.1例
与2日
後 に 出 現 し,投
ミ ノ フ ァ ー ゲ ンC,グ
与 に よ り,発
現5日
度 の 下 痢 で 投 与5日
は 中 等 度 の薬 疹 で 投
与 を 中 止 し た.そ
の後 強 力
リ チ ロ ン,ポ ラ ラ ミ ン 等 の 投
後 に 消 失 し た.他
後 に 出 現 し た が,投
の1例
は軽
与 は継続
し た.タ
ン ナ ル ビ ン,ア
発 現6日
後 に 正 常 化 し た. 89検
査 値 異 常 はTable14
の ご と くHR0.5g群39例
1.0g群35例
ド ソ ル ビ ン の 投 与 に よ り,
中9例(23.1%),
中8例(22.9%),CAZ群40例
HR
中9例
(22.5%)に
認 め ら れ た が,い
あ つ た.主
な 検 査 値 異 常 は 血 清 肝 酵 素 の上 昇 で そ
ず れ も軽 度 の異 常 で
感染 症 学 雑誌
第65巻
第1号
cefpirome
sulfate
(CPR)
呼 吸器 感 染症 至 適用 量 検 索 試験
107
Table 15 Utility judged by committee
Table 16 Utility judged by physician in charge
れ そ れ の 群 で,2例
例(12.5%)
(5.1%),
5
を 対 照 薬 に置 き,至 適 用 量 決 定 に際 して の 参 考 と
間 に検 査 値 異 常
した.効 果 判 定 委 員 会 に よ り臨 床 解 析 対 象 とさ れ
6例
に 認 め ら れ た.3群
(16.7%),
の 出 現 率 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ た.
4)
たHR0.5g群38例
に お い て,HR1.Og群
有用性
有 用 性 の 効 果 判 定 委 員 会 判 定,主
はTable14,15の
HR1.Og群31例
中32例 84.2%,
中23例74.2%,
有 用 率 で,3群
な か っ た.ま
治医判定結 果
ご と く で あ る.効 果 判 定 委 員 会
に よ る判 定 で はHR0.5g群38例
例86.1%の
とHR1.0g群32例
CAZ群36例
中 31
間 に有 意 差 は認 め られ
た 主 治 医判 定 の結 果 もほ ぼ 同様 で
IV.
考
の慢 性 気 道 感 染 症 に 対 す る至 適 用 量 を 客 観 的 に 評
価 す る 目 的 で,HR0.5g群,HR1.0g群
群 の 比 較 試 験 を 実 施 し た.In
効 果1)2),第I相
と CAZ
vitroで
の細菌 学的
試 験5)及 び 内 科 領 域 に お け る 一 般
臨 床 試 験 の 成 績6)か らCPRの
日2回
な い し1.091日2回
の2用
量 を 用 い た.ま
HR0.5g群,HR1.09群
及 びCAZ群
に お け る効
果 判 定 委 員 会 判 定 に よ る 臨 床 効 果(有
れ ぞ れ,84.2%,75.0%,86.1%で
的 効 果(除 菌 率)は
効 率) は そ
あ り,細 菌 学
そ れ ぞ れ, 73.9%,
75.0%,
あ り,ま た,有 用 性 は そ れ ぞ れ, 84.2%,
か った.ま
い ず れ も3群
間 に有 意 差 は な
た,随 伴 症 状 及 び 検 査 値 異 常 につ い て
も特 に問 題 とな る も の は な か った.
有 効 率,有
用 率 共 に 数 字 的 に はCAZ群,
0.59群,HR1.0g群
HR
の 順 で あ った が,こ れ は有 意
差 は な い も の のHR1.09群
に 低 体 重 及 び感 染 症
臨 床 用 量 は0.5g1
状 の 不 十 分 な 患 者 が多 か った こ と も一 因 と して 考
と考 え ら れ た の で,こ
え られ る.他 剤 で の用 量 検 索 試 験 に お い て も,低
本 で用 い られ
用 量 群 が 高 用 量 群 よ りも有 用 率 が勝 って い た とい
て い る セ フ ェ ム 系 の 中 で 抗 菌 ス ペ ク トル 及 び 体 内
う同 様 の現 象 が 報 告 され て い る8).た だ し,本 剤 で
動 態 の 類 似 し て い る 抗 生 物 質 の 一 つ で あ る CAZ7)
は 一 般 臨 床 試 験 な どの 臨 床 成 績 を総 合 して考 え る
平成3年1月20日
た,現
レル ギ ー の
子 で 両 群 間 に 差 の 認 め ら れ る も の は 無 か った.
74.2%,86.1%で
案
新 し い 注 射 用 セ フ ェ ム 系 抗 生 物 質 で あ る CPR
に低 体 重 者,ア
既 往 の あ る もの が 有 意 に 多 か った が,他 の 背 景 因
88.5%で
あ っ た.
の患者背景
在,日
副島 林造 他
108
と,CPR0.591日2回
とCPR1.0g
1日2
trum. Arzneim.
回の
―1086
臨 床 効 果 は,ほ
ぼ 等 し い も の と考 え ら れ,中
等 症
4) Miller,
以 下 の 呼 吸 器 感 染 症 で は,CPR
0.591
日2
回で
1)
2)
Machka,
K.
of
HR810,
in.
Eur.
In
Clin.
3)
Seibert,
cepholosporin
G.,
vitro
&
Agents
a
L.
new
al.
with
7)
ce-
8)
Chemother.,
要,
71―91,
:
HR810,
a broad
A study
of techni-
1988.
長 崎,
1990.
第30回
日 本 化 学 療 法 学 会 総 会. 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ム,
CAZ,
東 京,
副 島 林 造,
1982.
他 (17施 設 お よ び 関 連 施 設)
染 症 に 対 す るlomenoxacin
1984.
et
R.:
日 本 化 学 療 法 学 会 総 会. 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ム,
HR810,
1983.
Young,
HR810,
HR810概
6) 第38回
cephalospor-
D.A.
of
5)
activity
2 : 345•\349,
Antimicrob.
: 227•\279,
In
spectrum
Bruckner,
activity
phalosporin.
26
broad
D.L. & Jones,
Dis., 88 : 473, 1963.
I.:
Microbiol.,
M.A.,
vitro
献
Braveny,
a new
J.
Beprtram,
S.:
&
Res., 33: 1084
ques for examination
of sputum in a field survey of chronic
bronchitis.
Am. Rev. Respir.
も 十 分 な 有 効 性 が 期 待 で き る も の と 考 え ら れ た.
文
-Forch./Drug
, 1983.
a
new
antibacterial
parenteral
spec-
用 量 設 定 試 験.
(NY-198,
Chemotherapy,
37 :
: 呼 吸器 感
LFLX)
の
776―795,
1989.
An Optimum Dose-Finding Study of HR810 (CPR) in Chronic Respiratory
Tract
Infections
Rinzo SOEJIMA, Jiro HINO, Masaru SUMI, Niro OKIMOTO, Susumu YAGI,
Kuninori TSUKIYAMA, Toshiharu MATSUSHIMA & Masayoshi KAWANISHI
Division of Respiratory Diseases, Department of Medicine, Kawasaki Medical School and Related Hospitals
Yohmei HIRAGA & Mitsuhide OHMICHI
Department of Respiratory Diseases of Internal Medicine, Sapporo Railway Hospital and Related Hospitals
Akira WATANABE, Kotaro OIZUMI*, Yoshihiro HONDA, Yutaka TOKUE,
Masakichi MOTOMIYA, Kazuo SATO, Kosaku NAGI,
Shigeru SHIMODA & Kiyoshi KONNO
Department of Internal Medicine, Research Institute for Chest Diseases and Cancer, Tohoku University
(*Present adress: First Department of Internal Medicine, Kurume University Schoolof Medicine)
Izumi HAYASHI
Department of Respiratory Disease, Iwaki Kyoritsu General Hospital
(Present address: Department of Internal Medicine, Cancer Institute Hospital,
Japanese Foundation for Cancer Research)
Hiroshi OSHITANI, Hiroshi MIURA, Takashi INOUE & Hiroyuki KOBAYASHI
First Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine
Kaoru SHIMADA, Takashi INAMATSU, Mieko GOTO, Shinichi OKA & Hajime GOTO
Institute of Medical Science, University of Tokyo and Related Hospital
Yoshitaka NAKAMORI, Koji NARUI, Masayuki NOGUCHI,
Tatsuo NAKAYA & Koichiro NAKATA
Department of Respiratory Diseases, Toranomon Hospital
Iwao SAKURAI, Takeo IMAI & Fumio MATSUMOTO
Depatment of Internal Medicine, Kanagawa Prefectural Nursing and Hygenic School Hospital
Shigeki ODAGIRI, Kaneo SUZUKI, Kou MUROHASHI, Hiroshi TAKAHASHI,
Yasuhiko ASHIKARI, Izumi KOYAMA & Toshikazu ISHII
Department of Respiratory Diseases, Kanagawa Prefectural Cardiovascular and Respiratory Center
Eiro TSUBURA, Masaru NAKAGAWA, Hideki NISHIKAWA, Yoshihiro TAKISHITA,
Hiroyasu BANDO, Yoshihiro HASHIMOTO & Shinji ATAGI
Department of Internal Medicine, National Sanatorium Toneyama Hospital and Related Hospitals
Yukio MATSUMOTO, Mitsunobu YAMAMOTO, Tatsuya KONISHI, Yuji SUGIMOTO,
Takuya SAKATA, Hiroaki HIRAI, Yutaka HITSUDA
感 染 症学 雑 誌
第65巻
第1号
cefpirome
sulfate
(CPR)
呼吸 器感 染 症 至適 用 量 検索 試 験
& Takao
Third
Kohei
HARA,
Department
Masaki
of Internal
HIROTA,
Yukishige
MIYAZAKI,
Tatsuya
Second
Department
Toshiaki
of Internal
YOSHIDA,
Mikio
Masaru
Jun
GOTO,
Hiroyuki
SHIMOJI,
Department
Keizo
of Internal
order
to determine
(RTI),
properties
were
of
the
randomly
group,
were
Medicine,
University
Nobuya
OGAWA
without
in
for
the
1.0
HR
were
平 成3年1月20日
about
and
utility
in
equal
to those
for
any
the
23.1%
the
3 groups.
response,
of
in the
the
group,
were
Associated
not
HR
0.5
The
group.
HR
and
in
0.5
total
between
g and
utility
121
84.2%
any
75.0%m
other
LO
against
for
for
88.5%,
were
in the
3 groups.
groups
RTI,
CAZ
1 .0 g
a rule,
the
efficacy,
were
subject
the
g
in
2 of
Utility
rates
any
difference
results
of
and
were
without
no
36
incidence
1.0 g group,
group,
the
36
0.5
difference
noted
HR
and
HR
respectively,
The
showed
and
RTI
HR
1.0 g group,
2 groups.
the
an
significant
and
22.2%
chronic
As
106
were
clinical
clinical
cases,
HR
the
86.1%
CAZ.
32 in the
reactions
the
g group,
and
of
period
tract
the
of CPR
2/day
which
, and
with
2/day
without
73.9%,
but
1.0 g group,
g •~
committee
difference
HR
safety,
CAZ
Of the
respiratory
RTI
Inpatients
g •~
after
0.5 g group,
CAZ
3 groups.
significant
for
the
diarrhea),
0.5
1.0
against
of chronic
(CAZ).
the
of Medicine
CPR)
cases
14 days,
HR
rates
the
and
was
74.2%
bacteriological
86.1%
between
without
the
by
elimination
(eruption
between
in
assessment
and
bacterial
findings
g group,
the
(HR810,
receiving
for
IRABU,
of Medicine
on
investigated.
38 cases
School
receiving
group,
were
Yuei
ceftazidime
infusion
of Ohita
SHIGENO
sulfate
g group,
a CAZ
College
& Yoshiteru
conducted
of
0.5
drip
including
difference
g group
group,
0.5
and
1.0 g group,
The
difference
efficacy,
of CPR
those
HR
intravenous
rates
laboratory
CAZ
the
significant
groups
HR
clinical
84.2%
HR
with
an
was
TASHIRO,
AKASHI
KANESHIMA,
School
of cefpirome
University
Takayoshi
of Ryukyu,
University
study
compared
safety,
significant
the
22.5%
by
Efficacy
the
dose
3 groups:
2/day
3 groups.
any
in
abnormal
clinical
for
the
optimal
efficacy,
group.
75.0%
between
to
1.0 •~
of clinical
CAZ
group,
were
response,
to analysis
cases
drug
Ehime
dose-finding
administered
bacteriological
the
the
optimal
assigned
receiving
drugs
in
an
KITSUKAWA
Hospitals
TAKASUGI,
Nagasaki
GOTO,
Medical
Hiroshi
Related
MATSUMOTO
& Mitsunobu
Medicine,
and
Masakazu
Medicine,
Yoichiro
YAMAZAKI
SUYAMA,
YASUOKA,
of Medicine
& Keizo
of Tropical
of Internal
Pharmacology,
In
AKIYAMA,
HiroshiTUKUHARA,
Katsuyoshi
infections
Moritoshi
SHIGENO,
Toru
Department
SAITO,
School
WATANABE
University
Naofumi
YAMADA
University,
Institute
Hideaki
NAGAI,
Second
Atsushi
First
Kiwao
Medicine,
Akira
& Hiroshi
Nagasaki
Tottori
HAYASHI,
DOHTSU,
NAGATAKE,
TAGUCHI,
of Medicine,
Toshiaki
KATSUMATA
of Internal
NASU,
School
KOHNO,
Yasumasa
Medicine,
Tsuyoshi
Department
SASAKI
Medicine,
Shigeru
109
of
in
both