汎用ソフトを用いた解析の流れ シミュレーション工学 第3回 ANSYSによる演習 有限要素解析プログラムによる構造解析の流れ 解析対象のモデル化 ←解析者が決定 再検討,再計算 材料定数の入力 解析モデル(形状)の作成 ←解析者が入力 要素分割 境界条件の設定 入力データ作成 東京大学 人工物工学研究センター 鈴木克幸 汎用ソフト 解析の実行 解析結果の表示 解析結果の検証 ←解析者が検討 1 有限要素解析の実例題 2 片持ち梁の曲げ問題 静的構造解析 片持ち梁の撓み 穴あき平板の引き張り ブラケットの変形 動的構造解析 片持ち梁のモード解析 片持ち梁の時刻歴応答解析 解析モデルデータ L=0.1 m, h= 0.02m, b=0.02 m E=2.1x1011Pa, ν= 0.3 境界条件 固定境界条件:左端固定 荷重条件 :先端に集中荷重 P = 100 [N] y h = 20 [mm] x L = 100[mm] 3 b = 20 [mm] 4 梁曲げ問題の理論解 片持ち梁の解析手順 たわみ量,最大応力理論解 δ= 3 PL 3EI σ max = 片持ち梁の解析を例にとり,解析方法を示します. 操作は,ANSYS MAIN MENUにて行います. 6PL BH 2 曲げ剛性 = EI E:ヤング率(材料の硬さ) BH 3 I: 断面2次モーメント(断面形状の硬さ) I = 12 P L σ = σ max •ヤング ヤング率 ヤング率 E δ H B 5 材料情報と要素タイプの指定 6 エリア作成とメッシュ生成 エリア(メッシュを切るための領域)の作成 Modeling → Create → Areas → Rectangle → By 2 corners 原点と長さ,幅を代入 メッシュ生成(「メッシュを切る」) Meshing → Meshing tool 要素分割数(or 要素サイズ)の指定 以下は「Preprocessor」メニューより 要素の指定 Element type → Add/Edit/Delete Add→ Solid → Quad 4node 42 →Ok Options→ K3 Plane strs w/thk (2次元平板を使用) 板厚の指定 Real Constants → Add/Edit/Delete Add →OK→ THK = 奥行きを代入 材料の指定 Material Props → Material Models Structural → Linear → Elastic → Isotropic EXに弾性係数,PRXYにポアソン比代入 全体:全体的な分割数 ライン:線分上の分割数 要素形状 Tri :3角形要素 Quad:4角形要素 7 フリーメッシュとマップドメッシュ 8 境界条件の指定 解析モデルの表示 操作方法 「Utility Menu」 → 「PlotCtrls」 → 「Numbering」 Elem/Attrib numbering → Element Numbers Numbering shown with → Colors only 節点8個と要素3個が作成される 節点番号と要素番号の表示 節点と要素の対応関係はまだ確認できず 拘束条件 Solution → Define Loads → Apply → Structural → Displacement → On lines 設定箇所をクリック→OK 拘束条件を指定(All DOFは全方向,UXはx方向を拘 束) 荷重条件 Solution → Define Loads → Apply → Structural → Forces/Moment → On Node 設定箇所をクリック→OK 方向と大きさを指定 方向:FX, FY 大きさ:value 9 入力データの確認(1) 10 入力データの確認(2) ANSYSはプリ・ポストとソルバーが統合されているため,要素・節点 情報を使用者が気にする必要はあまりない. 入力データを見る方法 「Utility Menu」→「List」→「Elements」→「Nodes+Attributes」 材料情報 「Utility Menu」→「List」→「Properties」→「All Materials」 節点情報 「Utility Menu」→「List」→「Nodes...」→「OK」 11 12 解析実行 ポスト処理 以下は「General Postproc」メニューを使用します. 変形の表示 Plot Results → Deformed Shape Def+ undeformed → OK ミーゼス応力の表示 Plot Results → Contour Plot → Nodal solution Stress → von Mises Stress → additional options → Corner+midside → OK 以下は「Solution」メニューを使用します. 解析 Solve → Current LS 13 14 解析モデルの変更・修正 解析結果 ANSYS Main Menu 変形とMises応力分布図 境界条件の「Delete」 「Main Menu」→「Solution」→「Define Load」→「Delete」 要素分割の「Clear」. 「Main Menu」→「Preprocessor」→「Meshing」→「Clear」 「要素モデルの変更」 ※要素モデルを変更する場合. 「Main Menu」→「Preprocessor」→「Element Type」→ 「Add/Edit/Delete」 「要素分割」 「Main Menu」→「Preprocessor」→「 Meshing 」 「境界条件の入力」 「Main Menu」→「Solution」→「Define Load」 解析の実行 最大撓み 最大撓み 最小応力 最大応力 DMX 0.120E-04 [m] (境界条件のDelete) 15 16 要素分割数の変化 要素形状の変化 4角形要素(10要素) 要素分割:2要素 要素分割:400要素 最大撓み: 0.116E-04 最大撓み: 0.125E-04 応力分布図+変形図(2要素) 3角形要素(12要素) アスペクト比 (1:50) 応力分布図+変形図(400要素) 応力分布図+変形図(3角形要素) 応力分布図+変形図(4角形要素) 17 18 円孔問題の解析 要素の大きさ・形状・次数と精度の関係 解析精度について,一般的に下記の関係が成り立つ 要素小さい > 要素大きい 四角形 > 三角形 2次要素 > 1次要素 円孔を有する板の引き張り問題 メッシュ生成方法の相違を検討 B 1.2 R P 1 11Pa E=2.1x10 E= ν =0.3 L=200mm B=100mm R=25mm P =1.0x107 Pa 0.8 た わ み 量 四角形一次要素(42) 0.6 ( 理 論 解 と の 比 率 L 四角形一次要素(182) X方向 方向のみ 方向のみ拘束 のみ拘束 四角形二次要素(183) 0.4 四角形二次要素(82) ) 三角形一次要素 0.2 三角形二次要素 Y方向 方向のみ 方向のみ拘束 のみ拘束 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 1/h 0.6 0.7 0.8 0.9 1 19 解析例(変形と応力) 20 複雑形状エリアの作成 メッシュ生成のアルゴリズム フリーメッシュとマップドメッシュ 両者の特徴を良く理解し,適切に使い分けることが重要. 穴あき平板の作り方 長方形平板と穴を開ける円の2つのエリアを作成 Modeling → Operate → Booleans → Subtract 長方形選択後,OKを押してから,円を選択 Free Mesh Mapped Mesh 21 3次元構造物のモデル化 22 3次元構造物の解析 ブラケット 要素分割と解析結果 応力分布図+変形図 P 原点 要素分割 23 24
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