湘南医療大学 設置の趣旨等を記載した書類 学校法人

湘南医療大学
設置の趣旨等を記載した書類
学校法人
湘南ふれあい学園
目
次
ア 設置の趣旨および必要性(p.1)
Ⅰ 学校法人湘南ふれあい学園の沿革
Ⅱ 大学設置の趣旨
1 豊かな人間性と質の高い専門性を併せ備えた人材の養成
2 臨床現場でチーム医療できる医療人材の養成
3 地域に必要な医療人材の養成
Ⅲ 大学設置の必要性
1 医療を必要とする高齢者人口の増加による資質の高い医療専門職者の必要性
2 チーム医療に対応する質の高い看護師、理学療法士および作業療法士の必要性
3 神奈川県及び横浜市生活圏域の地域医療に貢献する人材の必要性
4 臨床、産学官との研究の連携の必要性
5 保健師教育の必要性
Ⅳ 大学設置の時期
Ⅴ 校地校舎の位置
Ⅵ 本学設置の基本理念
1 大学の理念
2 大学の目的
3 保健医療学部の教育目的
4 保健医療学部のディプロマポリシー
Ⅶ 既存専門学校に加えて大学を設置する理由
1 既存専門学校に加えて大学を設置する理由
2 既存専門学校教育と異なる本学の学士課程教育
3 大学の知的資源の活用
4 大学卒業後の進路
Ⅷ 本学園で設置する専門学校教育の今後の方針
1 神奈川県の看護師の就業状況
2 神奈川県の理学療法士及び作業療法士の就業状況
3 茅ケ崎看護専門学校及茅ケ崎リハビリテーション専門学校の求人件数
4 神奈川県内の看護大学、県内及び茅ケ崎看護専門学校の就職の実績
5 茅ケ崎リハビリテーション専門学校卒業生の就職実績
6 茅ケ崎看護専門学校及び茅ケ崎リハビリテーション専門学校の定員充足率
7 専門課程入学者のうち大学卒業等社会人入学・志願者数
イ 学部、学科等の特色(p.15)
Ⅰ 学部の特色
1 高度な専門知識と技術の教育
2 質の高いチーム医療教育
3 地域医療の教育
Ⅱ 学科の特色
1 看護学科
2 リハビリテーション学科
ウ 学部、学科の名称および学位の名称(p.26)
Ⅰ 大学の名称理由
Ⅱ 学部の名称理由
Ⅲ 学科・専攻の名称理由
Ⅳ 学位の名称理由
エ 教育課程の編成の考え方および特色(p.28)
Ⅰ 看護学科
1 教育目的
2 教育目標
3 カリキュラムポリシー
4 総合教育科目
5 専門基礎科目
6 専門科目Ⅰ
7 専門科目Ⅱ
8 統合科目
9 公衆衛生科目
Ⅱ リハビリテーション学科
1 教育目的
2 教育目標
3 カリキュラムポリシー
4 総合教育科目(学科共通)
5 理学療法学専攻の教育課程の編成方針と内容
6 作業療法学専攻の教育課程の編成方針と内容
オ 教員組織の編成の考え方および特色(p.46)
Ⅰ 看護学科
1 教員組織の編成の考え方
2 教員の配置について
3 研究・研修日、若手教員の育成計画
Ⅱ リハビリテーション学科
1 教員組織の編成の考え方
2 教員の配置について
3 研究・研修日、若手教員の育成計画
カ 教育方法、履修指導方法および卒業要件(p.54)
Ⅰ 看護学科
1 教育方法
2 履修指導方法
3 卒業要件
Ⅱ リハビリテーション学科
1 理学療法学専攻
2 作業療法学専攻
キ 施設、設備等の整備計画(p.63)
Ⅰ 校地、運動場の整備計画
1 校地
2 運動場
Ⅱ 校舎等施設の整備計画
Ⅲ 図書等の資料および図書館の整備計画
1 図書等資料について
2 図書館設備および管理について
Ⅳ 看護学科各実習室の使用計画について
ク 入学者選抜の概要(p.69)
Ⅰ 受入方針(アドミッションポリシー)
Ⅱ 募集定員
Ⅲ 選抜方法および選抜体制
1 一般入学試験
2 特別選抜試験
3 編入学試験
4 聴講生および科目等履修生
ケ 資格取得を目的とする場合(p.73)
Ⅰ 取得可能な資格
Ⅱ 資格取得の条件
1 看護師
2 保健師
3 理学療法士
4 作業療法士
コ 実習の具体的計画(p.75)
Ⅰ 看護学科
1 実習の構成と概要および実習先の確保状況
2 実習先との契約内容
3 実習水準の確保の方策
4 実習先との連携体制
5 実習前の準備状況(感染予防対策・保険加入状況・災害発生時の対応)
6 事前・事後における指導計画
7 教員および助手の配置並びに巡回指導計画
8 実習施設における指導者の配置計画
9 成績評価体制および単位認定方法
10 教育課程と指定規則との対比表
11 その他特記事項
Ⅱ リハビリテーション学科
1 理学療法学専攻
2 作業療法学専攻
サ 編入学の具体的計画(p.110)
Ⅰ 編入学受け入れの目的
Ⅱ 編入学制度の需要と学生確保の見込み
Ⅲ 取得資格
Ⅳ 出願資格
Ⅴ 入学者の選抜
Ⅵ 修業年限および卒業要件
Ⅶ 既修得単位の認定方法
Ⅷ 保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者への周知方法など
1 保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修申し出時期、選抜方法等
2 進級ガイダンス
3 保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者への周知方法・
選考試験等のチャート
Ⅸ 履修指導方法
Ⅹ 教育上の配慮
シ 管理運営(p.115)
Ⅰ 管理運営体制の概要
Ⅱ 管理運営の組織
1 運営管理会議
2 教授会
3 各種委員会
4 学長職務の実施体制
ス 自己点検・評価(p.119)
Ⅰ 基本方針
Ⅱ 評価項目
Ⅲ 実施体制
Ⅳ 結果の活用と公表
Ⅴ 外部評価
セ 情報の公表(p.121)
Ⅰ 大学の教育研究上の目的に関すること
Ⅱ 教育研究上の基本組織に関すること
Ⅲ 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位および業績に関すること
Ⅳ 入学者に関する受け入れ方針および入学者の数
Ⅴ 授業科目、授業の方法および内容並びに年間の授業の計画に関すること
Ⅵ 学修の成果に係る評価および卒業の認定に当たっての基準に関すること
Ⅶ 校地・校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること
Ⅷ 授業料、入学料その他大学が徴収する費用に関すること
Ⅸ 大学が行う学生の修学、進路選択および心身の健康等に係る支援に関すること
Ⅹ その他
ソ 授業内容方法の改善を図るための組織的な取組(p.123)
Ⅰ 自律的な学生を育てるための取組
1
学生参加型の授業を取り入れる
2
内発的動機を高める
Ⅱ 人間を全人的に見ていく力を育てる取組
Ⅲ 授業評価の結果を生かし授業内容を精選し学生に理解できる授業を行う
Ⅳ カリキュラム評価
Ⅴ 教育力の向上を図り授業内容の改善に繋げる取組としてのFD研修
タ 社会的・職業的自立に関する指導等および体制(p.131)
Ⅰ 看護学科
1 教育課程内の取り組みについて
2 教育課程外の取り組みについて
3 適正な体制の整備について
Ⅱ リハビリテーション学科
1 教育課程内の取り組みについて
2 教育課程外の取り組みについて
3 適正な体制の整備について
ア 設置の趣旨及び必要性
Ⅰ
学校法人湘南ふれあい学園の沿革
学校法人湘南ふれあい学園は、現在、神奈川県内を拠点に、静岡県及び東京都に13病
院、7介護老人保健施設、10クリニック、12有料老人ホーム、2特別養護老人ホーム、
1ケアハウス、4グループホーム、5専門学校、1幼稚園、11居宅介護支援事業所、2
訪問看護ステーション、その他施設を含め70を超える事業所を運営する「ふれあいグル
ープ」
【資料ア-1】が、看護人材不足を解消し、誰もが安心して健康に暮らせるための質
の高い医療・福祉サービスを提供できる看護師教育の充実を目的として、平成6年4月、
茅ケ崎看護福祉専門学校(現茅ケ崎看護専門学校)を開校した。なお、平成24年度まで
に看護師594名の卒業生を輩出している。
茅ケ崎看護福祉専門学校設立後、本学園は、高齢者や障害者のノーマライゼーションの
実現、また超高齢社会への急速な社会構造変化に対応するために、平成10年4月に理学
療法士・作業療法士を養成する茅ケ崎リハビリテーション専門学校を開校した(他に言語
聴覚士、社会福祉士を養成する課程も併設)
。開校後、平成24年度までに理学療法士38
3名、作業療法士277名の卒業生を輩出している。
両校は、地域の保健・医療・福祉の場で、それぞれの役割を果たすことができる実践者
の養成に努めている。
また、平成16年には静岡県伊豆地域の看護師不足解消の目的で下田看護専門学校を開
校した。その他、本学園は、ふれあい横浜専門学校、総合電子専門学校、みどり幼稚園を
含め、現在、5専門学校及び1幼稚園の運営をしている。
Ⅱ
大学設置の趣旨
1 豊かな人間性と高度な専門性を併せ備えた人材の養成
学園の理念である「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」を基盤として、継続的学習力、
創造力、そして課題解決能力を育む「幅広い教養教育」と、エビデンスに基づいた専門知
識・技術の習得を基盤とした「人権や生命の尊厳を慈しみ、感性を享受するための専門教
育」を追求し、責任感と使命感を持って自律的、主体的に実践能力を発展させていける医
療従事者の養成が急務であると考えている。
近年の人材養成は、資質と専門性の向上のみならず、就業してから様々な職種の者と協
働できる力やコミュニケーション能力、状況変化に対応できる能力、そして、養成施設で
は学ぶことが困難な倫理性や指導性、学問体系とその方法、応用力を修得する教育が望ま
れている。
1
2 臨床現場でチーム医療できる人材の養成
医療の高度専門化により、臨床現場では様々な分野の医療従事者が各々の高い専門性を
前提に、連携して患者の状況に的確に対応した医療を提供するチーム医療の推進も求めら
れている。高齢者が急増する中、チーム医療の推進には、心身の状況等に応じた適切なケ
ア・サービスを提供する組織において、疾病管理、在宅医療、地域医療連携等の課題の解
決手段を有する医療従事者は不可欠であり、その人材の養成には、医療の基礎教育を充分
に理解したうえで、患者と接し向き合う実習を通して、患者・家族との関わりや、他職種
とともにチーム医療を学ぶ機会や、場の充実が望まれている。
3 地域に必要な医療人材の養成
神奈川県内の10万人あたりの医療従事者数は、全国で看護師45位、理学療法士・作
業療法士は共に47位となっており、超高齢社会に対応する医療人材の不足は深刻である。
そして、横浜市は、急速に進展する超高齢社会に対応していくために、在宅医療を推進
するほか、急性期医療からの受け皿となって在宅医療との間をつなぐ医療機能等を整備し
ていくとともに、市民の健康寿命を延ばしていく取り組みを推進しているところである。
そのような状況の中、今後の地域の実情を理解して保健医療政策に貢献できる医療人材の
養成が必要であると考えている。
以上、本学園は、地域社会の多様化する要請に応えるために、ふれあいグループの医療
資源等と協働して「湘南医療大学」を横浜市に設置し、看護職者、理学療法士及び作業療
法士の資質の向上に必要な教育研究機能を整備することで、病気や障害がある人に生きが
いをもたらし、希望を与えることができる創造的かつ実践的な教育研究活動を行い、地域
社会に貢献できる職業人を輩出する。
Ⅲ
大学設置の必要性
1 医療を必要とする高齢者人口の増加による資質の高い医療専門職者の必要性
保健医療を取り巻く環境は、急速な高齢社会の進展、がんや循環器疾患等生活習慣病の
増加など疾病構造の変化、医学・医療技術の進歩による高度専門化、さらに保健衛生に対
する地域ニーズの多様化など、大きく変化している。
近年、適切な医療情報の提供や、在宅医療の充実による患者の生活の質の向上など、患
者の視点に立った安全・安心で質の高い医療が受けられる体制の構築が求められるように
なった。これにより、地域ケアを充実するなど地域で支えあう社会づくりの意識の高まり
2
がみられるようになった一方、救急医療体制の整備、超高齢社会に起因する回復、療養及
び在宅リハビリテーション体制、小児医療、周産期医療及び在宅医療・介護などの地域医
療への支援や予防は、保健医療福祉サービスの充実と併せ、障害者や高齢者が自立した生
活者となれるよう支援することが社会的課題となっている。
今後は、これらの課題の解決に求められる資質の高い医療専門職者の人材養成が必要不
可欠で、知識技術に基づいた高い専門性と実践力を有して、地域への支援ができる看護師、
保健師、理学療法士及び作業療法士を養成する大学を設置し、保健医療学部に看護学科及
びリハビリテーション学科を置く。
2 チーム医療に対応する質の高い看護師、理学療法士及び作業療法士の必要性
本学の基本的な考え方は、単に医療人材不足の解消を目的とするものではなく、地域住
民及び地域医療機関と連携を図り、患者中心の安全で「質」の高い医療に対応する高等教
育機関として地域社会の発展に貢献することである。
今日の医療の高度化、専門化に対応する看護職者、理学療法士及び作業療法士の職域は、
医療機関にとどまらず、福祉施設、在宅看護そして訪問リハビリテーションへと領域が拡
大している中において、医療従事者がそれぞれの職種の専門性を高め、協調性を持って患
者が満足できる最良の医療を提供するチーム医療体制が臨床現場には必要とされている。
今後は、個々の施設の急性期治療型サービスを提供する時代から地域社会に根ざした医
療と福祉による統合型ケア・サービスへの転換が図られ、回復期ケアと在宅ケアの連携支
援を円滑に進めてサービスを提供する時代の訪れが予測されている。
そのシステムに対応できるためには、専門知識・技術の提供に加え、患者の特性や疾病、
障害の程度、生じている困難の理解、更には検査データ、家族構成、療養環境などの情報
から得られる課題に対し、何が考えられるか、何をすべきかを導きだしていくために、科
学的な知識をともなった総合的な判断力、つまり、必要となる支援を予測し、計画・実施・
評価し、その課題を分析できるアセスメント能力の向上が不可欠である。
その能力を培うためには、それぞれが主体的、能動的に学び考え、エビデンスに基づき、
専門職としての役割と責任を果たし、職種間の連携・協働できるスペシャリストを養成で
きる大学での教育が必要である。
以上、本学は「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の理念に基づき、大学学部の教育目
的を達成するために、リハビリテーション学科と看護学科を保健医療学部に設置する。そ
れぞれの専門性を高めるための教育課程を編成し、地域医療に必要な能力を備えたチーム
医療の中核と成り得る看護師、理学療法士及び作業療法士を養成する。
3
3 神奈川県及び横浜市生活圏域の地域医療に貢献する人材の必要性
神奈川県は、
「高齢者が住み慣れた地域において、できるだけ健康で自立して生活ができ
る」ためのサービス提供基盤の整備に取り組んでおり、特に「自立生活支援」のための維
持期リハビリテーションへの対応の重要性を挙げている。そのため、病院の中だけではな
く、地域包括ケアに関わるケアマネージャーや訪問看護師等との円滑な協働・連携がとれ
る人材、また、高齢者や要介護者が急増する中、心身の状況等に応じた適切なサービスを
提供できる人材を、その資質・専門性の向上を目的に、高等教育機関において養成してい
く考えを強調している。
※神奈川県保健医療計画(平成25年3月)より
また、本学の所在地である横浜市が策定している「よこはま保健医療プラン2013」
では、平成37年の横浜市における高齢者人口は、約3.8人に1人が65歳以上、約6.
3人に1人の58万人が75歳以上となることが見込まれ、高齢者の約22%が要介護認
定を受けると見込まれている。
【資料ア-2】
横浜市の高齢者人口の増加が確実に予測される中、横浜市が抱える下記の保健・医療・
福祉サービスの課題に取り組む医療従事者は、地域生活を重視した医療を提供しなければ
ならない。そして、地域の中で異なる職種の連携・協働により地域で暮らす患者とその家
族を支える能力を要し、地域及び家族等の枠組みで医療の対象として捉えるアセスメント
を行い、小児期から終末期まで多様化するニーズに応える力が看護師、理学療法士及び作
業療法士に求められている。
①地域医療連携の推進や在宅医療の充実を図り、在宅療養者に医療と介護が一体となって
提供され、急性期を過ぎた患者や慢性期で継続的な医療対応を必要とする患者への対応。
②がん、緩和ケア、認知症疾患等に対し、安心・安全で質の高い医療を提供できるように
医療従事者間の連携と補完を重視した多職種間のチーム医療の充実。
③災害時における医療、在宅医療及びリハビリテーション医療の充実。
※「よこはま保健医療プラン2013」から抜粋
上記の神奈川県及び横浜市の方向性は、本学が地域医療に貢献できる資質や能力を有す
る人材養成の主旨に合致する。
さらに、神奈川県は、看護教育の目指す取り組みとして、医療の高度化、専門家に対応
した実践応力を高める教育内容や教育体制の在り方を示唆しており、看護教育は高等教育
で行うことを求めている。その取り組みを踏まえて、本学では、がんケア、緩和ケア、認
知症ケア等に対する専門性の高い看護及びリハビリテーション学は大学完成年次を終えた
4
後、大学院において専門コースを設置してより高度なケアを提供できる教育環境を整えた
い。また、本学は、認定看護師教育機関(課程)として認定を受け、地域医療福祉機関の
看護職員を対象として熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定
看護師の教育にも力を入れたいと考えている。
なお、神奈川県は、神奈川県地域医療再生計画(平成24年度補正予算)において、地
域の医療体制の維持に必要な、高齢者医療、がん医療等の機能と連携の強化に取り組むこ
とが期待されている本学設立計画に対し、施設設備整備の補助を行うことを決定している。
また、神奈川県医師会、横浜市医師会、神奈川県看護協会、神奈川県理学療法士会及び
神奈川県作業療法士会からは、湘南医療大学の設立に対する同意書が提出された。【資料
ア-3】
4 臨床、産学官との研究の連携の必要性
本学は、神奈川県及び横浜市の保健医療計画の指針に倣い、地域医療への貢献を果たす
為に学内の執行機関として、研究推進室【資料ア-5】
、地域連携推進室【資料ア-6】を
設ける。
研究推進室では、
「身体的健康と心の健康」を研究の中心に据え、医療従事者をオブザー
バーとして大学に招き、助言を得ながら医療従事者教育の質の向上のための研究を行う。
地域連携推進室では、大学の教育研究資産を活用して、地域の医療現場の課題解決に資
する卒後研究や地域住民を対象とした公開講座などを実施する。また、学生のボランティ
ア活動等の課外活動による地域・社会貢献への取り組みを積極的に支援する。
なお、大学とふれあいグループ病院施設が連携し、
「チーム医療」を実践する医療職者の
協力を得て、地域社会から信頼される大学を目指す。
5 保健師教育の必要性
横浜市では、健康政策として、
「第2期健康横浜21」を推進し、
「 生活習慣の改善(
「食
生活」
「歯・口腔」
「喫煙・飲酒」
「運動」「休養・こころ」)
」及び「 生活習慣病の重症化予
防(がん検診、特定健診の普及)
」の2点を取り組みのテーマとして掲げ、住み慣れた地域
において、いくつになってもできるだけ自立した日常生活を営むことができるよう支援す
るために施策が敷かれている。
高齢化の進行により「生活習慣病」の増加が予測され、糖尿病や高血圧等の早期発見・
早期治療と、疾病管理を徹底して重症化防止対策を進めるなど、在宅医療と生涯を通じた
生活習慣病対策を実施できる地域保健医療体制の整備が求められる中、予防医療、健康増
進等、地域保健活動を中心的に担う保健師が関わるべき業務内容は年々拡大しており、人
5
材の育成が不可欠な状況である。
また、全国同様に横浜市も、高齢化が進んでおり、2013年1月1日時点での65歳
以上の人口が20%を超えている。
そして、横浜市の近年の傾向として、単身または夫婦のみの家族形態である世帯数が増
加し続けており、今後、高齢者の70%程度が、単身または夫婦のみ世帯となると見込ま
れている。それにより、家族や地域とのつながりが薄れ、社会から孤立する恐れは、高齢
者世帯だけではなく、子育て世代においても非常に多くなると推測できる。
健康予防活動の推進のみならず、横浜市における地域特性を理解し、不安を抱えている
地域や在宅の高齢者や母子等を支える保健医療専門職を、地域で育成することの重要性は
増してくると考えられる。
なお、平成24年12月末現在の神奈川県の保健師数は、1,965人、人口10万人
あたりの割合は21.7人と、全国47位である。
上記の状況から、本学保健医療学部看護学科では、科学的根拠に基づいた看護実践基礎
能力を備えて、神奈川・横浜圏域の保健医療体制に貢献できる看護師の養成を行う。また、
地域住民に対して、健康予防を支援ができる専門的な実践力と公衆衛生的視点で地域の健
康課題について解決できる能力をもつ保健師を養成する。
卒業後は、市町村保健センター及び病院の健康管理センター等において健康支援を行う
ほか、生活習慣病予防対策のための保健指導やメンタルヘルスを実施する。また、健康診
断事業や社会復帰促進事業など、他機関との連携が不可欠な地域医療では、病院での保健
師の必要性も更に高まり、病院の在宅部門(慢性期)と病棟部門(急性期・回復期)の連
携において、その役割が期待される。
Ⅳ 大学設置の時期
平成27年4月1日
Ⅴ 校地校舎の位置
神奈川県横浜市戸塚区上品濃16-48他
・大学設置予定地の周辺は、本学園の関連施設である病院、介護老人保健施設、有料老
人ホームがあり、医療・福祉施設と大学が連携した臨床教育が実現できる環境である。
・大学は、JR線東戸塚駅から徒歩15分に位置しており、通学に至便である。なお、
JR線東京駅から36分で東戸塚駅に到着することができる。
6
・大学設置予定地の周辺は、関連法人が所有する保存緑地がある都会的な緑園の街並み
となっており、静穏な教育環境が確保されている。
・神奈川県の第6次保健医療計画並びによこはま保健医療プラン2013においては、
地域に密接にかかわる救急医療、精神科救急医療、小児医療、周産期医療、災害時医
療、在宅医療における医療体制の整備・充実が掲げられており、その地域医療の担い
手となる質の高い看護師、理学・作業療法士などの医療人材の養成が必要とされてい
る。同時に、大学は、地域の市町村や医療機関との連携を密にし、専門的な業務を担
う医療従事者の質の向上に向けたキャリア形成への支援や卒後教育を行い、現任者の
レベルアップや職場定着も可能とする研究や研修を進められる環境である。
Ⅵ
本学設置の基本理念
1 大学の理念
湘南医療大学は「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」をもって建学の理念とする。
人とのふれあいを通して、他者を思いやり、生あるもの全てに感謝し、その人らしさを
大切にする教育を実践し、すべての人々の幸せに役立つことを期する。
2 大学の目的
湘南医療大学は、教育基本法及び学校教育法と「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の
理念に基づき、高度な知識と技術とともに、豊かな人間性を育み、創造的かつ実践的な教
育研究を通じて、地域社会に貢献することを目的とする。
3 保健医療学部の教育目的
①保健医療学部は、保健医療に関する高度な専門知識と技術を教育する。
②保健医療学部は、他職種と連携し、チーム医療を推進することにより、人々の多様な
ニーズに適切に応えることのできる豊かな人間性を備えた人材を養成する。
③保健医療学部は、主体的に行動し、社会の変化に対応し、地域社会に貢献できる人材
を養成する。
4 保健医療学部のディプロマポリシー
①看護及びリハビリテーションの専門職として高度な知識と技術を身につけ、実践する
7
ことができる。
②科学的根拠に基づき主体的に行動することにより問題解決に向けて実践することがで
きる。
③相手を尊重し、他者とのコミュニケーションを通じて良好な関係を築いて発展させる
ことができる。
④保健・医療・福祉・教育・産業等各界の関連職種と連携し、人々の健康に寄与するこ
とができる。
⑤幅広い教養と高い倫理観をもち、クライアント中心の医療を主体的に提供することに
より地域社会に貢献することができる。
⑥卒業後も自己研鑽に努め、生涯にわたり自らの専門領域を実践し続けることができる。
Ⅶ
既存専門学校に加えて大学を設置する理由
1 既存専門学校に加えて大学を設置する理由
現在、少子高齢化や医療の高度細分化、患者ニーズや疾病構造の変化等の社会的背景に
よる医療機能分化を推進する行政施策に伴い、地域の中のそれぞれの医療機関や福祉施設
などが連携して患者へのサービスを行う医療が重視されている。
茅ケ崎看護専門学校では、厚生労働省の保健師助産師看護師法で規定する看護師の教育
課程に則り、また、茅ケ崎リハビリテーション専門学校は、同省の理学療法士作業療法士
法学校養成施設指定規則に規定する教育課程に則り、各校とも看護及び医療技術を実践す
る職業技術教育機関として、適切な医療サービスを提供できる専門職業人を養成して今日
に至っている。
しかしながら、大学進学率が50%を超える現在、医療の高度化・専門化等に対応でき
る質の高い医療に係わる職員の養成、確保が強く要請されているので、大学での教育に対
する期待が大きい。また、高校生は、看護師、理学療法士及び作業療法士の資格取得に加
えて高度な専門知識や技術を学びたい意欲があり、大学への進学を希望する傾向が一段と
強まっている。
一方、学業を終えて就職した後、資格取得のために専門学校に入学を希望する者も多く、
神奈川県の看護師、理学療法士及び作業療法士の不足を補うためにも当分の間は、専門学
校もそれに応えていく必要があると考えている。
既存専門学校においては、専門知識技術の取得が主目的であるため、教養科目が薄く、
専門科目が中心であるが、本学看護学科及びリハビリテーション学科では、専門学校の約
2倍の総合教育科目を設定して、人々の課題を理解し、多角的な視野や柔軟な感性、倫理
観や社会性、多様性を認めて尊重できる心を育てて豊かな人間性の成長をはぐくむ幅広い
8
教養教育を実現している。
そして、教員組織に関して、本学看護学科では既存専門学校の2倍、リハビリテーショ
ン学科では同1.5倍の教授陣(総勢47名)を確保招聘し、実務経験年数に加えて、各
専門分野における豊富な研究業績や大学での教育経験を活かした授業を展開する。
尚、本学は、茅ケ崎看護専門学校と共存することで、専門学校卒業後に学生が自らの資
質向上のために大学へ編入学し、看護師資格に加え保健師資格を取得し、大学で培った高
度な知識・技術と豊かな人間性をもって地域医療に貢献することも想定している。
よって、既存専門学校の存在が、決して対立するものではなく、それぞれの教育機関の
特性と機能分担により地域医療並びに看護及びリハビリテーションの質の向上が図られる
と考える。
したがって、本大学で養成する人材像は、学問の基礎(総合教育科目)の上に立ち、専
門基礎並びに専門領域(看護学及び理学療法学・作業療法学)におけるより高度な知識・
技術を有効に使うことによって理解を深めさせるとともに複合領域に対応できる幅広い視
野を身に付け、課題設定、解決能力を養い、生涯にわたって学習でき、医療の発展に寄与
する人材、及び、臨床では、実践力を備えリーダーシップを発揮し、他職種と連携し,将
来は管理的な役割を担える人材を育成する。
2 既存専門学校教育と異なる本学の学士課程教育
本学は、臨床現場における特定の患者の治療を担当する実践的技術者の養成のみならず、
病院施設全体を見渡せて、専門領域を深く修得し、複合的な領域に対応可能な人材の養成
も必要であると考える。地元の病院施設などとより密接に連携した教育研究を行い、主体
的に多職種と連携して、いかなる状況にも対応できる多様な看護師、保健師、理学療法士
及び作業療法士の存在が地域に不可欠である。
そのために、本学は「学士課程教育の構築に向けて(答申)
」の「専攻する特定分野にお
ける基本的な知識を体系的に理解する」こと。そして、
「獲得した知識・技能・態度等を総
合的に活用し、自らが立てた新たな課題にそれらを適用し、その課題を解決する能力」を
基盤に、医療技術の修得に加え、課題解決能力、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、
継続的学習力などを学ぶ教養教育及びエビデンスに基づいた理論、研究の発展を通して人
間形成の基礎を固める「学士課程教育」を4年制大学で以下の通り構築した。
【資料アー4】
本学の総合教育科目にあたる茅ケ崎看護専門学校の基礎分野の単位数は、13単位、ま
た、茅ケ崎リハビリテーション専門学校では、16単位である。それに対して、本学の総
合教育科目は、必修科目及び選択科目併せて43単位を設定し、
「人間とコミュニケーショ
ン」、
「人間と文化」
、「人間と健康」
、「人間と情報」、「人間と環境」、「人間の本質と尊厳」
9
の6区分とし、人間理解に力点を置き、専門学校では成し遂げることができない学問の基
礎となる科目の充実を図った。
専門基礎科目(臨床医学系科目)では、医療の高度化、融合化を念頭に、養成所(施設)
の指定科目の教授内容から細分化した「専門領域疾患別」講義科目の設定により、人間と
医学を理解し、健康の維持、予防及び支援をより詳細に学び、専門領域の基礎として展開
することを可能にした。
専門領域は、自主性・自律性を高める科目として、看護学科では、看護倫理、看護援助
論Ⅴ(看護過程)演習を伴う科目、実習科目、災害看護、看護研究、キャリア形成論、看
護研究等を設定した。同様に、リハビリテーション学科では、理学療法学専攻において理
学療法概論演習、理学療法学研究法、代謝系理学療法学、リハビリテーション工学、ウー
マンズヘルスケア等を、作業療法学専攻では、作業療法研究法、社会生活支援論、司法精
神科作業療法、作業療法特論等の科目を配置し、自らが課題を発見し、解決の為に行動で
きる資質や能力を育てる科目を設定することができた。
そして、本学は、既存専門学校で実現成し得なかった保健医療学部看護学科及びリハビ
リテーション学科(理学療法学専攻・作業療法学専攻)の1学部2学科2専攻の構成を活
かし、学科及び専攻の枠を越えて学ぶ「チーム医療論」を4年次に統合科目として設け、
チーム医療体制を敷く臨床現場で、指導・管理できる人材の育成を実践する。
また、本学の学部学科の特色として「地域医療の教育」を掲げている看護学科では、保健
師国家試験受験資格の取得を可能としている。
本学が看護師及び保健師教育を行うことは、地域保健に関わる母子保健、成人保健及び
高齢者保健に加え、地域で生活する様々な対象を理解し、地域の健康問題と地域保健の連
携の必要性を意識づけることができる。そして、公衆衛生学的視点で地域の健康課題がど
のように把握されているか、どのような活動に結び付いているかなどを学ぶことにより、
地域の保健医療活動を捉える視点が拡がり、地域の保健医療サービスの向上に寄与できる
と考えている。
このように、4年制大学として本学特有の科目を設定することで、専門学校での養成と
は異なる学問の基礎や教養教育を行い、大学院におけるより高度な教育に接続することを
意識し、理論を重視した教育を実践し、学生各人の持つそれぞれの将来の進路、目標に向
けての責務を果たせ、地域医療の発展に必要とされる学士課程教育を行う。
3 大学の知的資源の活用
大学には大学で創造され、蓄積された知的資源を広く社会に還元する役割がある。
本学は、地域の市町村や医療機関、福祉施設との連携を密にし、看護師、理学療法士及
び作業療法士の質の向上に向けたキャリア形成への支援や卒後教育を行い、現任者のレベ
ルアップを可能とする研究や研修を提供する予定にしている。その他にも、正課教育の一
10
部開放(科目等履修生等)
、公開講座や各機関への出前授業など正課教育以外の活動も実践
し、大学ならではの有意義な活動として地域に提供することが期待されている。
4 大学卒業後の進路
大学卒業後は、病院施設就職の他、大学院への進学、また、看護学科卒業生においては、
保健師等の資格を活かし行政、保健所、研究機関、企業などが考えられ、専門教育に偏ら
ない総合教育が進路選択の幅を広げていると考えている。
特に、医療ニーズの多様化が増すことが予測される中、病院施設が大学卒業生に期待す
る役割(職種)は、医療界における技術の高度化を背景にして、医療倫理、就職後の継続
的学習力、人材育成、患者管理、看護師管理、安全管理、運営管理等の部署で「現場の幹
部候補生」としての活躍である。また、チーム医療において、他者との連携・協力が必要
不可欠な素養であるチームリーダー性の発揮も同様に期待されている。
Ⅷ
本学園で設置する専門学校教育の今後の方針
1 神奈川県の看護師の就業状況
神奈川県は、人口10万人当たりの病床数が全国で最も少なく(神奈川県814.6床、
全国1,237.7床 平成24年)、人口10万人当たりの就業看護師数も全国で最も少
ない(神奈川県418.8人、全国569.0人 平成24年)
。また、医療法に規定する
病院の看護師等の地域別充足率(平成23年度~27年度)も、全国一低い状況である。
また、神奈川県では、
「第7次看護職員需給見通し(平成23年度~27年度)」による
と、新卒就業者数は、平成27年の実人員で3,025人と見込んでいるが、平成25年
度の看護職員養成施設の定員数合計は2,610人にとどまっており、平成27年時点で
必要とされる養成数には達しない見込みである。
この状況にもかかわらず、神奈川県が、全国に先駆けて准看護師の養成を廃止するにあ
たり、今以上に看護師養成数を増やす取り組みが行われている。
※看護職員確保の見通し及び目標(第七次看護職員需給見通し)より
2 神奈川県の理学療法士及び作業療法士の就業状況
神奈川県の理学療法士ならびに作業療法士の就業者数は、平成24年の人口10万あた
り理学療法士27. 2人(全国平均44.6名)、作業療法士16.2人(全国平均27.
9人)で、理学療法士、作業療法士ともに全国で最下位である。
※厚生労働省H24病院報告、総務省統計局平成24年10月1日現在推計人口より算出
11
3 茅ケ崎看護専門学校及茅ケ崎リハビリテーション専門学校の求人件数
表1 茅ケ崎看護専門学校
看護学科求人件数
看護学科
求人件数
学年定員
求人倍率
平成22年度
449
40(30)
11.22(15.0)
平成23年度
649
40(27)
16.22(24.0)
平成24年度
507
80(68)
6.3(7.45)
※1.学年定員の(
2.求人倍率の(
)の数字は、卒業者数
)の数字は、卒業者数に対する求人倍率
表2 茅ケ崎リハビリテーション専門学校 理学療法学科・作業療法学科求人件数
理学療法学科
年度
求人件数
平成22年度
377
平成23年度
458
平成24年度
446
※1.学年定員の(
2.求人倍率の(
作業療法学科
学年定員
求人倍率
40
9.43
(32)
(11.7)
80
5.73
(47)
(9.7)
80
5.58
(34)
(13.1)
求人件数
417
463
516
学年定員
求人倍率
40
10.4
(26)
(16.04)
40
11.6
(13)
(35.62)
40
12.9
(8)
(64.5)
)の数字は、卒業者数
)の数字は、卒業者数に対する求人倍率
表3 茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 理学療法学科・作業療法学科求人地域別件数
年度
理学療法学科
作業療法学科
合計
関東圏
地方
合計
関東圏
地方
平成22年度
377
237
140
417
248
169
平成23年度
458
297
161
463
299
164
平成24年度
446
340
106
516
325
191
12
4 神奈川県内の看護大学、県内及び茅ケ崎看護専門学校の就職の実績
平成24年度の神奈川県内の看護師養成大学を卒業後、看護師・保健師・助産師として
県内に就職している人数は、687名中、335名(48.7%)。県外に就職している人
数は、289名(42%)となっている。
一方、神奈川県内の看護師養成専門学校(3年課程)を卒業後、看護師・保健師・助産
師として県内に就職している人数は、959名中、830名(86.5%)
。県外に就職し
ている人数は、61名(6.3%)となっている。
なお、茅ケ崎看護専門学校の看護学科卒業生594名中、看護師として、県内に就職し
た者は482名(81%)
、県外に就職した者は77名(19%)となっている。
この状況は、地域の特殊性を考慮しても、社会的要請に弾力的にこたえて多様な職業教
育を展開し、実際的な知識や技術等の体験重視型の専門教育を実施している専門学校卒業
生が、県内の看護職のマンパワーの中心であることが伺える。
※茅ケ崎看護専門学校卒業生就職データより
※平成24年看護関係統計資料集(日本看護協会出版会編集)卒業状況より抜粋
5 茅ケ崎リハビリテーション専門学校卒業生の就職実績
茅ケ崎リハビリテーション専門学校の理学療法学科及び作業療法学科卒業生660名中、
県内に就職した者は、468名(71%)。県外に就職した者は、192名(29%)とな
っている。
※茅ケ崎リハビリテーション専門学校卒業生就職データより
上記の数値から、県内の医療福祉機関等に従事する看護師、理学療法士及び作業療法士
は、県内の養成施設(専門学校)卒業者による人材確保も重要である。
6 茅ケ崎看護専門学校及び茅ケ崎リハビリテーション専門学校の定員充足率
茅ケ崎看護専門学校の入学定員80名に対する充足率は、平成23年度100%、平成
24年度100%、平成25年度100%となっている。
また、茅ケ崎リハビリテーション専門学校理学療法学科の入学定員80名に対する充足
率は、平成23年度98.7%、平成24年度98.7%、平成25年度106.2%、
作業療法学科の入学定員20名に対する充足率は、平成22年度110%、平成23年度
105%、平成24年度105%となっている。両校とも定員を充足している。
13
7 専門課程入学者のうち大学卒業等社会人入学・志願者数
平成24年4月の神奈川県内の看護専門学校(3年課程)の20校の入学者数は、1,3
32人で、20歳未満の入学生は936人(70.2%)、20歳以上の入学者は396人
(29.8%)となっている。
また、平成24年4月の神奈川県内の看護大学(8校)の入学者数は、749人で、20
歳未満の入学生は689人(92%)
、20歳以上の入学者は54人(8%)となっている。
なお、茅ケ崎看護専門学校の社会人入学者の比率は、平成22年度42%、平成23年
度46%、平成24年度20%、平成25年度27.5%となっている。また、茅ケ崎リ
ハビリテーション専門学校の社会人の志願者の比率は、4年制専門学校にもかかわらず、
平成22年度21.1%、平成23年度15.6%、平成24年度19.9%、平成25
年度19.7%となっている。
また、大学等を卒業して専門学校に入学する者が平成24年度には年間2万2千人(全
体の8.3%)にのぼっている事実、あるいはダブルスクールで専門学校に在籍している
大学生や夜間の課程に在籍する社会人学生も多数おり、キャリア教育として専門学校での
職業教育の必要性も証明されており、少子社会の中で、看護専門学校やリハビリテーショ
ン専門学校は社会人経験者の入学者が大学の比に対して多数を占めている。結果として社
会人入学者の受け皿となっている専門学校は、高齢社会における医療・介護従事者確保の
一役を担っていることが伺える。
※平成24年看護関係統計資料集(日本看護協会出版会編集)入学状況より抜粋
※茅ケ崎看護専門学校及び茅ケ崎リハビリテーション専門学校入学試験データより
上記を総括すると、神奈川県内の看護師、理学療法士及び作業療法士の従事者不足の解
消に茅ケ崎看護専門学校及び茅ケ崎リハビリテーション専門学校の存在は大きな役割を担
っている。
また、将来の専門学校像は、高等学校新卒生の実業・即戦力を養成する機関であること
に加え、大学等高等教育機関卒業生及び学習の機会を持たなかった人々の能力を引き出す
機会を増す職業教育の場にもなると考えられる。
これらの点を十分に踏まえたうえで、本学(教育・研究・資格取得機関)と専門学校(①
職業人養成機関 ②社会人再生養成機関 ③資格取得機関)は、連携が図られ、実際の臨
床現場で各々が果たすべき職務を遂行できる教育環境を相互に補完すると考えている。
よって、本学園は、既存の専門学校で看護師、理学療法士及び作業療法士の養成をこれ
まで通り継続する予定である。
但し、超高齢社会における地域医療のニーズに対応する人材養成は、量と質の両方が求
められているので、専門学校教育から大学学士課程教育において、医療従事者の養成教育
が主流になりることが予測され、大学が果たす役割が更に大きくなると考えている。
14
イ 学部、学科の特色
平成17年1月に中央教育審議会答申の「我が国の高等教育の将来像」で、各大学は、
機能別分化を念頭に、他大学と異なる個性・特色の明確化を目指す必要性が問われている。
「①世界的研究・教育拠点
養教育
②高度専門職業人養成
③幅広い職業人養成
⑤特定の専門的分野(芸術・体育等)の教育・研究
④総合的教
⑥地域の生涯学習機会の拠
点 ⑦社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)の7つの機能を併用する。」と
している。
本学は、「幅広い職業人養成」を基盤とし、「社会貢献機能」を併せ持つ大学として位置
づけ、将来にわたり以下の特色を育て強化していく。
Ⅰ
学部の特色
1 高度な専門知識と技術の教育
本学の理念である「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」を基盤とした、豊かな人間性と
質の高い専門性を併せ備えた保健医療人の養成を学士課程教育の中で実現する。
各学科の多様な開設科目において、学位授与の方針、教育課程の編成と一体化し、総合
教育科目から専門科目までを学生が体系的に科目を履修できるように配置し、看護師およ
びリハビリテーションの専門職として実践するにあたり、必要な知識・技術を身に付ける。
そして、主体的変化に対応し、地域医療のあり方を洞察し、将来の課題に向き合って、
科学的な知識を用いて、その課題を解決していく力量が形成し、高い倫理観と多様な価値
観への寛容性や探究心についてコミュニケーション能力を有し、クライアント中心の全人
的医療を提供できる保健医療人教育を行う。
2 質の高いチーム医療教育
近年の医学の進歩に伴って医療は急速に高度化・細分化されている。一方、医療に対す
る社会的ニーズも大きく変化し、保健・医療・福祉の統合が求められるようになり、医療
チームの成員が互いに協力して、患者を中心とした総合的で良質な医療サービスを提供す
ることが重要となった。患者・家族とともにより質の高い医療を実現するためには、個々
の医療スタッフの専門的知識及び技術の進歩を土台としながら、多職種の協働(チーム医
療)を通してこれらを再統合していくことが必要であり、そのための人材の育成が急務で
ある。よって本学保健医療学部は、「他職種と連携し、チーム医療を推進することにより、
人々の多様なニーズに適切に応えることのできる豊かな人間性を備えた人材を養成する」
ことを教育目的の1つとして(ア 設置の趣旨および必要性 Ⅵ-3 保健医療学部の教育目
15
的)教育課程を編成した。保健医療学部では、チーム医療を「職種ごとに異なる機能と属
性をもつ人材が、患者中心の医療の実現に向けて状況に応じて構成を変化させ、それぞれ
の立場から自律的に関わる課題解決型の医療」と定義する。チーム医療を達成するために
は、多職種が共通の目標や価値観をもって横断的に連携するための意思疎通を円滑に行う
必要がある。よって、保健医療学部では、段階的、かつ、継続的にチーム医療を学べるよ
う配慮している。
1、2年次に配置されたコミュニケーション論、栄養学、薬理学、公衆衛生学、保健行
政論、心理学を学部共通の必修科目とし、それぞれの専門基礎領域の一部を共有して、学
科を横断した基礎知識を修得する。さらに、看護学概論、理学療法概論、作業療法概論で
は、多職種との協働・連携を意識した講義を実践し、協力関係を構築する土台とする。
2、3年次に配置された各専門科目においては、学科ごとの専門知識・技術の習得と実
践能力について教授すると同時に、講義・演習の中で事例を通したチーム医療の実例を提
示して理解を促し、臨地実習・臨床実習へとつなげていく。
4年次後期のチーム医療論は4年間の学びの集大成と位置づける。チーム医療論の前半
はふれあいグループ関連施設からゲストスピーカーを招聘し、グループ関連施設で実施さ
れる褥瘡対策チーム(医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士)
、緩和ケアチーム
(医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・薬剤師・診療放射線技師・臨床心理士・理学
療法士・作業療法士)
、在宅医療チーム(医師・歯科医師・看護師・ケアマネージャー・介
護福祉士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・薬剤師)等のチーム代表者を招聘し、
事例提示を行ったうえで、患者・家族を中心としたチームとしてのゴール設定からチーム
医療の実際を講義する。専門職を個別に招聘するのではなく、各チームの代表を招聘し、
チームとしての活動について教授し、臨地実習・臨床実習を終えた学生が知識と経験を集
約する機会とする。さらに後半では演習形式で模擬ケースに必要な医学的ケア・社会資源
の活用についてグループで議論する。本演習では、教員があらかじめチームの構成を指定
するのではなく「ケースを支援する上でどのようなチームを形成すべきか」という視点に
立ち、時期に応じたチームとしての目標設定と構成メンバー、協力体制のあり方まで思考
を深める機会とする。グループは学科・専攻混合で 5~6 名の学生で編成し、グループに1
~2 名の専任教員を配置する。教員はファシリテーターとして適宜助言を行う。事例は複数
提示し、1 つの事例について 4 グループが個別に議論した後、同じ事例を与えられたグルー
プが集合してさらに議論を深めて集約し、全体発表会を行う。
発表会には、グループ関連施設より管理栄養士・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・言
語聴覚士等の専門職をゲストスピーカーとして招聘し、学内教員(医師・看護師・保健師・
理学療法士・作業療法士)とともに助言を与える。
16
3 地域医療の教育
高齢化社会では、質が高くかつきめ細かな地域医療の展開を担う看護およびリハビリテ
ーション専門職等が求められている。このため本学部では、専門的な看護学,リハビリテ
ーション学を基盤に、看護学科の「在宅看護学」では在宅看護活動を通して地域における
看護の機能と看護職の役割を学ぶ。リハビリテーション学科理学療法学専攻の「地域理学
療法学」では地域でも働ける理学療法士になるために、地域における役割、地域において
必要となる知識・技術を整理して学び、作業療法学専攻の「地域作業療法学」ではより良
い地域生活を送るために作業療法士に求められる役割を理解する。
このように地域実習体験を通した実践的教育をカリキュラムに反映させ、在宅生活者の
多様なニーズに適切に応え、且つ社会の変化を適切に判断し、行動することで地域社会に
貢献できる看護師、理学療法士、作業療法士を養成する。
17
Ⅱ
学科の特色
1 看護学科
1) 専門的知識に基づいた高い実践能力の育成
【実践現場との連携により看護実践能力の強化を図る】
医療の高度化・専門化等に対応した看護実践能力の基礎を養い、臨床と連携した教育の
充実を図る。専門教育で実践能力を培うための臨地実習は、主にふれあいグループの関連
施設で行う。ふれあいグループは、多くの医療施設、福祉施設等のほか幼児教育施設等各
種施設を保有し、実習の受け入れにはきわめて協力的である。大学の理念「人を尊び、命
を尊び、個を敬愛す」が実習施設の理念と共通であることも特色と言える。看護学科の実
習は、
「実践現場において基礎・基本の看護」
、「看護過程に基づく個別的看護」、
「対象特性
に応じた看護」、「地域住民の多様なニーズに応える看護」と4段階の実習を通して看護実
践能力を培うが、実習開始前から教員と指導者がそれぞれの役割を理解し、連携・協力し
統一した指導が行える。
(81頁)学生は、安心して実習に取り組むことができ、メンバー
意識を育むこともできる。学生の主体性を引き出し、個々の学生の学習能力に応じたきめ
細かい指導も行いやすい。また、ふれあいグループ以外の大学病院、総合病院での実習も
計画しており、大規模かつ高度医療施設での体験を加味することにより学生の学びの内容
に広がりを持たせることができる。このような取り組みにより看護実践能力の強化を図る。
2) チーム力を発揮できる教育
【他職種の中で看護職の果たす役割を認識し行動する】
看護職は、患者・家族と接する機会が最多で、患者の生活実態や気持ちの動きなどを捉えやす
い。患者の価値観を尊重し意思決定を支え、最良の医療を実現するために看護職は専門職として
役割を遂行する。患者に身近な存在であり、仕事の特性としても看護が担いやすく、求められる役
割として、患者・家族の代弁者、患者・家族の人権擁護、タイムリーな情報提供、患者の意思が尊
重され生活実態に即した支援目標になっているかどうかの確認、支援効果の確認、チームの調整
役などがある。
関連職種が協働し患者(家族)に最良の医療を提供し成果を得るには、各職種が相互に専門性
の理解を深め尊重し合う関係づくりをする。そのためには、多様な価値観の許容、複眼的思考、柔
軟性などが大切になる。看護では、看護実践能力を養いコミュニケーション能力、論理的思考力、
倫理観の醸成等がチーム医療推進に役立つ。
上記を基にチーム医療に関わる継続的・段階的な教育計画を立てた。
1 年次・2 年次は、主にチーム医療の基盤となる基礎的知識を学修する。内容は、看護・医療の
18
原点、看護・医療の変遷、看護の活動の場、看護の役割・機能、看護ケアの基本、看護職ならびに
関係職種の法的側面、医療技術の進歩と今日的課題、人権擁護、自己決定権、情報活用・保護、
課題解決法、メンバーシップ、リーダーシップ等である。
関連科目は、コミュニケーション論、情報リテラシー、生命倫理学、看護学概論、現代医療論、看
護関係法規、看護倫理、社会福祉論、国際保健医療論、ボランティア学、リハビリテーション概論、
精神保健論、臨床心理学、看護カウンセリング、看護援助論Ⅰ~Ⅴ等がある。また、専門基礎科
目や専門科目の概論など専門職の基礎となる科目を学び実習科目の統合的学修に繋げる。
1・2年次の実習科目は、実践現場で関連職種の活動状況に触れるが、この段階では、看護チ
ームの中で患者中心の看護に主眼をおいた学修をする(基礎看護学実習Ⅰ・Ⅱ)。
3年次・4年次は、専門科目の学修を深め、学修者主体の課題解決型学修が増える。看護実践
能力の育成に力を入れ、コミュニケーション能力や論理的思考力の強化を図る。
3年次後期は各論実習、4年次前期は統合実習と実践現場での学びが中心となり、学んだ知識
を“活用する”、“統合する”などの学修が中心となる。3・4年次のチーム医療に関連する学修は、
具体的かつ広がりが出てくる。老年看護学、精神看護学、在宅看護学などは、実習を含めチーム
医療を包含する教科内容であり、家族看護学、看護管理学、感染看護学、異文化看護論、国際医
療と看護、災害看護、危機管理、統合実習などの教科もすべてチーム医療の観点を含む内容構
成である。学生は、諸条件をもつ患者の受け持ち看護を通してチーム医療を実体験し学修内容を
深める。
4 年次後期「チーム医療論」は、チーム医療の集大成として学部共通の学修内容としている。実
践現場のチーム代表者による事例紹介や学生主体のアクティブ・ラーニングを通し、患者中心の
最良の医療を提供するために医療チームが協働することの重要性、その中で看護職が果たす役
割、さらに将来自分が貢献できることなどについて深め、学修のまとめとする。
3) 地域に貢献できる看護職の養成
【地域特性を理解し積極的に地域に貢献する】
大学が設置される地域は、人口は30代後半から40代前半が多く、同区内に通勤通学
している人の割合は50%、20%は東京に通勤、通学している、老年人口は10年前と
比較すると1.5倍、要介護認定者数8,794人の多くが介護保険サービスを利用して
いる、救急件数は数年増加傾向にある(資料:データで見る戸塚区統計要覧
横浜市戸塚
区役所より)などこの地域の特性を踏まえ看護上のニーズに応える支援サービスに積極的
に参加できる人材を養成する。地域貢献の必要性や意義を育むうえで「ボランティア学」
を置いた。また、現在では、在宅療養者が医療機器を使用している療養者が増える傾向に
あることを考慮し、それらに対応することができるよう「在宅看護方法論Ⅲ(在宅医療機
器論)
」を置いている。
19
2 リハビリテーション学科
1)専門知識に基づいた高い実践能力の養成
【臨床医学を幅広く学習する】
我が国のリハビリテーション医療をとりまく環境は日々変化しており、その中核を担う
理学療法士・作業療法士の活躍の場は、高齢者や障害(児)者の機能回復にとどまらず、
社会参加の支援や障害予防など年々拡大している。このような社会的ニーズに対応するた
めには基礎医学・臨床医学の知識を土台として、障害構造を的確に捉える能力が求められ
る。よって、リハビリテーション学科では7つの診療科別の医系科目に加えて、臨床心理
学や病理学を必修とし、講師はグループ関連病院の現役医師等を中心としておくことで、
疾病・障害の基礎から実際の臨床例を交えた講義を実践する。また、婦人科、泌尿器科等、
今後のリハビリテーション専門職の介入が望まれる診療科については一般臨床医学として
設置する。さらに、サルコペニアや肥満、摂食嚥下障害等の問題に対応できるための基礎
知識の修得を目指して、栄養学を必修科目とした。
2)チーム力を発揮できる教育
【問題解決型学習を実践する】
リハビリテーション医療は、対象者の最大限の機能回復を引き出し,社会復帰を支援す
るためチームによって全人的アプローチを行うものであり、そのためには他職種との密接
な連携が重要である。チーム医療においては、専門的知識・技術が高いことに加えて、対
人関係能力や意思疎通力、さらにメンバーのやる気を高める動機づけ等のコミュニケーシ
ョン能力が求められる。よって、リハビリテーション学科では、臨床現場における問題解
決能力を高めるために、問題解決型学習というグループディスカッションを通じて課題を
解決していく学習方式を多く取り入れる。能動的なグループディスカッションを経験する
ことで、受け身になりがちな講義形式の授業と比べ、より意欲的な学習が得られる。科目
としては、理学療法学専攻では理学療法概論演習、運動学演習、動作解析学、日常生活活
動学演習、地域理学療法学演習、理学療法研究法演習等において、作業療法学専攻では日
常生活支援論、生活環境整備論、社会生活支援論、クリニカルリーズニング等において実
施する。
問題解決型学習を実践する科目では、学生が6~10名のグループになり、臨床における
事例について検討する。学生はディスカッションを通して、その事例の問題点を明確にし、
問題解決に必要な情報を調べ、情報交換・発表を行う。また、学生が小グループで効果的
に討議や発表ができるようにする。問題解決型授業を行う日程については大教室と複数の
20
演習室等を確保でき、講義室の数が十分になるよう学科及び専攻で使用教室について事前
に協議し、講義室の数を十分に調整する。また、科目担当教員は必要に応じて複数の教員
の協力を得る。学生には学内 LAN でインターネットに接続可能なノートパソコンの貸与を
することで、思考を補完する情報や図書館情報を円滑に調査できるようにする。また、教
室内にはプロジェクターを設置し、個々人やグループの思考過程を敏速に共有できるよう
な教育環境を整える。これらのことにより、マンパワー不足の影響を最小限にして、学生
の主体的な思考、発言、動機づけなどが促進できるように配慮することで、教育の質が担
保できるようにする。
【段階的、かつ、継続的にチーム医療を学ぶ】
リハビリテーション学科では、4年間にわたりチーム医療を段階的、かつ、継続的に学
び、各年次における学修目標を以下のとおりとし、科目を配置する。
1年次は、主にリハビリテーションに関する制度や活動について、基礎的な概念・各専
門職の役割を理解することを目標として、リハビリテーション概論、理学療法概論、作業
療法概論、医療制度と関連法規を配置する。この3つの概論科目においては、チーム医療
を意識した講義を実践し、協業・協力関係を構築する土台とする。医療制度と関連法規で
は、法的規定に基づいた各専門職の役割・業務の実際について、実践事例を通して学ぶ。
また、ふれあいグループ関連施設で実施する見学実習(理学療法)、見学実習(作業療法)
では、医師、看護師、介護福祉士、栄養士、ソーシャルワーカー等の見学時間を設け、各
専門職の現状、リハビリテーション職種との連携について学ぶ。
2年次は、医系科目の講義を通じて各診療科の特性と役割を学ぶことを目標とし、医系
科目を充実させる。これらの医系科目は、グループ関連施設より各診療科の現役医師と臨
床心理士を非常勤講師として招聘する。医系科目では、医療従事者が理解しておくべき医
学・医療の基礎を学ぶとともに、健康、疾病、治療、予防、死といった医療の基本的な概
念を理解する。
3年次の専門共通(司法精神科作業療法・生活支援機器論・地域高齢者支援論・徒手療法・
ウーマンズヘルスケア・スポーツ理学療法学)では、相互の専門科目を学ぶ機会とし、そ
れぞれの立場や役割・専門性の理解を深めることにより、柔軟かつ実践的なチーム連携を
発揮できる資質を養う。
4年次は、チーム医療の中での理学療法(士)・作業療法(士)の役割と他(多)職種と
の連携の実際を学び、チーム医療の中で果たす役割について思考を深めることを目標とし
て、総合臨床実習Ⅰ・Ⅱ(理学療法)、総合臨床実習Ⅰ・Ⅱ(作業療法)、チーム医療論を
配置する。
チーム医療論の前半はふれあいグループ関連施設からゲストスピーカーを招聘し、グル
ープ関連施設で実施される褥瘡対策・緩和ケア・在宅医療等のチーム医療実践例を紹介す
る。専門職を個別に招聘するのではなく、各チームの代表を招聘し、チームとしての活動
21
について教授し、臨地実習・臨床実習を終えた学生が知識と経験を集約する機会とする。
さらに後半では演習形式で模擬ケースに必要な医学的ケア・社会資源の活用についてグル
ープで議論する。本演習では、教員があらかじめチームの構成を指定するのではなく「ケ
ースを支援する上でどのようなチームを形成すべきか」という視点に立ち、時期に応じた
チームとしての目標設定と構成メンバー、協力体制のあり方まで思考を深める機会とする。
3)地域に貢献できる理学療法士・作業療法士の養成
【保健・福祉・行政に関わる科目を設置する】
近年、理学療法士・作業療法士の活躍の場は、医療機関でのリハビリテーションの専門
家としてチーム医療の一翼を担うだけにとどまらず、保健・福祉・行政など地域分野に広
がっている。こうしたニーズに対応し、関連する職種と連携して、地域社会において対象
者に必要なアプローチを総合的に実践できる理学療法士・作業療法士の養成を目標として、
チーム医療論、国際保健医療論、社会福祉論、コミュニケーション論、医療制度と関連法
規、老年医学概論、終末期医療論、保健行政論等の科目を設置した。
4)理学療法学専攻の特色
①専門知識に基づいた高い実践能力の養成
【疾患別・障害別理学療法の理解と統合を促す】
我が国では医療技術の急速な進歩を背景に、重症高齢者や重症低出生体重児の生命予後
が改善し、様々な病期・病態の患(児)者を対象とした理学療法介入が求められている。また、
平成24年の診療報酬改定によるがん患者リハビリテーション料の認定、増加するCOP
D患者に対する呼吸リハビリテーション需要の高まりなど、リハビリテーション医療を取
り巻く環境は年々変化している。このようなニーズに柔軟に対応できる高い専門知識と実
践力を備えた理学療法士の養成を目標として、理学療法治療学は、従来の運動器、神経系、
呼吸・循環器系、発達系に加えて代謝系、老年期を配置し、正確な病態像評価に基づいた
理学療法を展開できる能力を育成する。さらに、クリニカルリーズニング論を配置するこ
とで、細分化・専門化された治療学の統合と臨床応用の実際を学ぶ。
②チーム力を発揮できる教育
【多職種と連携した講義ならびに実践事例を交えた演習科目を効果的に設置する】
近年、理学療法士の活躍の場は、医療機関でのリハビリテーションの専門家としてチー
ム医療の一翼を担うだけにとどまらず、保健・福祉・行政・スポーツなど多彩な分野に広
22
がっている。こうしたニーズに対応し、関連する職種と連携して対象者に必要なアプロー
チを総合的に実践できる理学療法士の養成を目標として、学内教育から他職種による講義
科目と理学療法士教員による実践事例を交えた演習科目を効果的に設置する。
1年次の理学療法概論演習では、障害を疑似体験したうえで、障害を持つ人を支える社
会福祉制度や技術、それに伴う課題についてグループディスカッションを行い、患者を主
体とする基本概念を身につける。
2年次には医系科目を多数設置し、グループ関連施設より各診療科の現役医師と臨床心
理士を非常勤講師として招聘する。疾患の特性や治療法のみならず、各診療科の役割やリ
ハビリテーション専門職との関わりを通じて医療現場における理学療法士のニーズと役割
について学ぶ。地域理学療法学演習においては、地域における要介護者の実態、地域で活
躍する理学療法士の紹介等の実例を通して、地域社会における理学療法士のニーズと役割
について学ぶ。
3年次には、呼吸・循環系理学療法演習において看護師による吸引のデモンストレーシ
ョン、ウーマンズヘルスケアにおいて助産師による講義、司法精神科作業療法・生活支援
機器論・地域高齢者支援論において作業療法士が講義を担当し、他職種の「専門知識・技術
を理解し、協業の在り方を学ぶ。
理学療法治療学の各演習科目では、ICU における多職種のとの連携(呼吸・循環系理学
療法学演習)
、地域包括ケアシステムにおける多職種との連携(老年期理学療法学、日常生
活活動学演習等)
、緩和医療における多職種との連携(代謝系理学療法学)等の実践事例を
提示する。さらにクリニカルリーズニング論においては、代表的な各疾患の評価から理学
療法アプローチまでの一連の流れの中で、多職種とどのようなタイミングでどのような情
報を共有し、活用していくかを学んで臨床実習につなげる。
4年次は、チーム医療の中での理学療法(士)の役割と他(多)職種との連携の実際を
学び、チーム医療の中で果たす役割について思考を深めることを目標として、総合臨床実
習Ⅰ・Ⅱ(理学療法)
、チーム医療論を設置する。
【工学・リハビリテーション関連産業との連携を見据えた科目を設置する】
現在のリハビリテーションにおいては、治療訓練の再現性の確保、十分な治療訓練量の
確保、セラピストや介護者の身体的負担の軽減を目的として、自立支援ロボット、介護支
援ロボット、訓練・評価支援ロボット等の開発や臨床応用が進められている。理学療法士
は従来の医学的知識に基づくトレーニングだけでなくこのようなロボティクスリ
ハビリテーション技術を効果的に活用し、さらには開発・効果判定に積極的に介入
することが求められる。よって、理学療法学専攻では、バイオメカニクスの基礎を学ぶ
動作解析学をはじめとして義肢装具学Ⅰ・Ⅱ、リハビリテーション工学、バリアフリーを
開講する。
動作解析学では、バイオメカニクスの基礎と、機器を用いた身体評価、障害評価の実際
23
を学ぶ。また義肢装具学Ⅱにおいては、ロボット義足やハイテク義足を取り上げ、適応・
チェックアウト時の義肢装具士との連携について学ぶ。
リハビリテーション工学においては、特に運動機能障害に対するリハビリテーション支
援ロボットに着目して、その分野におけるロボット研究の現状や理学療法(士)のロボッ
ト研究への介入の実例、神奈川県の「さがみロボット産業特区」における生活支援ロボッ
トの実用化・普及を目指した産学連携の活動等を提示し学生の興味関心を促す。さらに、
バリアフリーにおいて、高齢者や障害(児)者の生活上の物理的制約・障害を改善する福
祉機器選択・住宅環境整備とそのための法制度や企業との連携について学ぶ。
③地域に貢献できる理学療法士の養成
【多角的な地域リハビリテーションのアプローチ方法を学ぶ】
自宅で生活する高齢者や障害(児)者の疾病予防、障害の軽減ならびに生活能力の改善を目
的とした理学療法の役割は、医療・保健・福祉の広い分野にわたり大きくなっている。地
域での理学療法は病気や障害を抱えた人々の身体機能だけでなく、生活している場所で起
きている生活問題の解決を図ることを目的としており、多領域にわたる幅広い知識が必要
となる。理学療法学専攻では、地域に貢献できる理学療法士の養成を目標として、疾患別・
病期別の理学療法治療学をはじめ、地域理学療法学、バリアフリー、リハビリテーション
工学、医療制度と関連法規、終末期医療論、司法精神科作業療法、地域高齢者支援論等の
科目を設置することで、多角的な地域リハビリテーションのアプローチ方法の知識と技術
を付与する。
5)作業療法学専攻の特色
①専門知識に基づいた高い実践能力の養成
【各障害領域別作業療法の専門性の理解と統合を促す】
医療技術の高度化、障害構造の重度化・複雑化、さらに、価値観の多様化により、種々
の社会的ニーズに応えられる専門職が求められている。これらの社会的ニーズに応えられ
る実践的観察力・分析力を身につけるため、対象者を多角的に捉えられるよう各種評価学
を配置し、評価結果に基づきより適切な作業の適応ができるよう作業技術学と各障害領域
別の作業療法学を配置した。さらに、理論的な思考で作業療法実践を統合して考えられる
よう作業療法理論やクリニカルリーズニングを配置、各障害領域別の新しい知見が得られ
るよう作業療法特論を設置した。これら一連の科目を通して、高度な専門知識・技術を用
いた対象者支援が適切に実践できる人材を養成していく。
24
②チーム力を発揮できる教育
【実践事例を交えたチーム連携の実際を学ぶ】
病院や施設から地域生活への移行や地域生活の継続に向けた効果的・効率的な支援には、
医師・保健師・看護師等の保健医療スタッフと社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士
等の福祉スタッフとの協業が必須である。このような多職種チームで協業できる職業能力
を養うことを目指し、学部内で共に演習を通して学ぶチーム医療論等を設置した。また、
授業科目の概要に示すとおり、学年進行に従って段階的に多職種協業・チーム連携につい
ての理解を深められるよう科目配当した。まずは 1 年次の作業療法概論や見学実習(作業
療法)で、対象者中心の考え方やチーム連携に関する入門的・基礎的な考え方を学ぶ。2 年
次には社会福祉論や保健行政論で、各種制度・施策や保健医療福祉行政に関する基礎知識
を修得し、多職種協業の前提として必要となる基礎知識を身につける。その後、主に 3 年
次に、専門科目である司法精神科作業療法、地域高齢者支援論、地域作業療法学Ⅰ・Ⅱ、
生活環境整備論、社会生活支援論で、実践事例を交えたチーム連携の実際を、学内外の多
職種の協力・参画を得て実践的な演習形式を交えて学ぶ。さらに、多職種連携の実際を経
験できるよう4年次前期の総合臨床実習で実践的な展開・発展の場を提供する。一連の学
修の後、集大成としてチーム医療論にて、チームの一員として多職種チームで協業できる
職業能力を深める。
③地域に貢献できる作業療法士の養成
【触法障害者・認知症患者とその家族への包括的な支援の実際を学ぶ】
今後迎えるさらなる超高齢社会に向かって、国の示す地域包括ケアシステムが具現化で
きるよう、多様なニーズに柔軟・迅速に対応できる人材が求められている。さらに、地域
差が拡大すると予測されており、その特性を的確に見極め、保健・医療・福祉・教育・雇
用の各側面を切れ目なく一体的につなげる展開のできる能力を有する人材が求められる。
このような社会的背景をふまえて、地域に貢献できる作業療法士の養成を目標とし、作業
療法学専攻では専門科目における認知症関連の科目を充実させる。医学的な基礎知識の修
得にとどまらず、老年期作業療法学、作業療法特論Ⅳ(老年期障害)、地域高齢者支援論、
総合臨床実習等の科目を配置して生活者の視点をふまえた作業療法介入の実際を紹介し、
体系的に学ぶ機会を提供する。
さらに、司法精神科作業療法を配置し、触法障害者の特性を理解して対象者の社会復帰
を目指したアプローチの理論と実際を学び、新たな作業療法分野の基礎を学ぶ機会を提供
する。
25
ウ 学部、学科の名称および学位の名称
設置する大学名、学部名、学科名および学位の名称は、次のとおりとする。
大学の名称
湘南医療大学(英語表記 Shonan University of Medical Sciences)
学部の名称
学科の名称
専攻の名称
看護学科
学士(看護学)
(Department of
―
Nursing )
リハビリ
Medical Sciences)
テーション学科
(Department of
Rehabilitation)
Ⅰ
(Bachelor of
Nursing)
保健医療学部
(Faculty of
学位の名称
理学療法学専攻
学士(理学療法学)
(Division of
(Bachelor of
Physical Therapy)
Physical Therapy)
作業療法学専攻
学士(作業療法学)
(Division of
(Bachelor of
Occupational
Occupational
Therapy)
Therapy)
大学の名称理由
大学の名称は、設置法人が「湘南ふれあい学園」であること、学園発祥の地が湘南で
あることから「湘南」の名を冠し、医療専門職を養成する目的を表すため「湘南医療大学」
とする。
英語表記は、学士としての教養と専門知識を身につけ、科学的根拠に基づいた専門知
識をもった医療職を養成することを示すため「Shonan University of Medical Sciences」
とする。
Ⅱ
学部の名称理由
保健師、看護師、理学療法士、作業療法士といった保健医療に関わる学問領域について
学ぶことを表すため、学部の名称を「保健医療学部」とする。
英語名称は、将来にわたり「医療」の中の専門職の人材養成に力を入れていくことを示
すため「Faculty of Medical Sciences」とする。
26
Ⅲ
学科・専攻の名称理由
学科名は、中心的な学問領域を表すために「看護学科」(Department of Nursing )、
「リ
ハビリテーション学科」(Department of Rehabilitation)とする。
さらに、リハビリテーション学科には、理学療法士を養成するために必要な教育を行う
「理学療法学専攻(Division of Physical Therapy)」と、作業療法士を養成するために必
要な教育を行う「作業療法学専攻(Division of Occupational Therapy)
」を設ける。
英語名称は、社会的通用性を考慮し、一般的に用いられている表記とする。
Ⅳ
学位の名称理由
学士の名称、英語名称については、社会的通用性を考慮し、一般的に用いられている表
記とする。
「学士(看護学)
」 (Bachelor of Nursing)
「学士(理学療法学)
」
(Bachelor of Physical Therapy)
「学士(作業療法学)
」
(Bachelor of Occupational Therapy)
27
エ 教育課程の編成の考え方および特色
本学の教育課程は、教育目的(7頁)を達成するために、学部共通科目として「総合教育
科目」を設置し、学科ごとの専門を学ぶ科目ついては、看護学科が「専門基礎科目」
「専門
科目」
「統合科目」
「公衆衛生科目」に区分し、リハビリテーション学科が「専門基礎科目」
「専門科目」に区分して構成し、それぞれが連携し体系的に学ぶことができるように編成
した。
カリキュラムは、ふれあいグループの「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の理念に基づ
き対象者を全人的に理解するとともに、専門分野に関する知識・技術と他職種・関連分野
への理解を深めることを可能とするものとした。さらに、地域医療・地域保健のみならず、
福祉や行政など地域社会全体への関心を促す科目を設置した。
科目については、それぞれの教育が有機的に連携し体系的な学習に結びつくよう4年間を
通して効果的に配分する。
また、科目担当のあり方は、章ごとに専門性の高い内容で構成された科目や広範な内容を
含む科目あるいは技術演習を含む科目等は、オムニバス方式の方が各教員の教育・実務経
験あるいは研究成果等をエビデンスとして生かしやすく授業の質を担保しやすいと考えオ
ムニバス方式を採用した。オムニバス方式の円滑な運用を図り内容の統一性を維持するた
めに科目責任者を置いた。科目責任者は、教員間の打ち合わせを十分に行い、シラバスの
作成・運用、試験、成績評価、学生対応等その科目に関する責任を持つこととした。
Ⅰ
看護学科
看護学科の教育課程は、大学の理念・目的、学部の教育目的と、以下に示す看護学科の
教育目的・目標、カリキュラムポリシーに基づき体系的に編成した。
1 教育目的
看護学科の教育目的は、ふれあいグループの「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の理
念に基づき、幅広い視野で人間を理解できる教養を備え、専門職業人としての倫理観を育
み、科学的根拠に基づいた看護を実践できる基礎的能力を身につけ、地域・社会に貢献で
きる能力を養う。
2 教育目標
1)生命に対する畏敬の念をもち、倫理に基づいた行動ができる能力を養う。
2)人間を身体的・精神的・社会的に統合された存在として理解する能力を養う。
3)科学的根拠に基づき人びとの健康上の課題に対処できる能力を養う。
28
4)関連職種と連携・協働し看護を実践する能力を養う。
5)人として自己成長を続けながら地域に貢献することができる人材を養う。
3 カリキュラムポリシー
本学の理念である「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」が、人々の健康に寄与するもの
の根本精神として、全ての科目を学ぶ中で培えるように配慮する。教育目的・目標を達成
するために、図1に示すように、段階的に学習を積み上げられるようにする。
1)
「教育理念の醸成と看護観や倫理的感性の涵養」を目的とした科目を基盤におく。
2)
「豊かな人間性と人びとの健康課題を理解する」科目をおく。
3)
「看護の専門科目を学習し知識・技術を学ぶ」科目をおく。
4)
「専門的な知識と看護実践能力を養う」科目をおく。
5)
「既習内容を統合・発展させ応用力を養う」科目をおく。
看護学科の教育課程は、「総合教育科目」、「専門基礎科目」、「専門科目」「統合科目」に
区分し、それぞれが連携し体系的に学ぶことができるように編成している。
29
図1 看護学科 教育課程編成の考え方
4 総合教育科目
「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の理念に基づき医療を通して地域・社会への貢献
を目指す本学においては、医療に関する専門知識とともに倫理観や社会性、多様性を認め
て尊重できる心を教育する必要がある。
そのために看護学科では、総合教育科目を豊かな人間性と人々の健康課題を理解し(図
1)、多角的な視野や柔軟な感性、幅広い教養を養うための科目群として位置づけ、「人間
とコミュニケーション」
「人間と文化」「人間と健康」「人間と情報」「人間と環境」
「人間の
本質と尊厳」の6つの科目区分で構成した。
なお、総合教育科目は豊かな人間性を育む教養科目と専門教育の基礎に位置づく科目の
両方を含め2学科の学生が学科の枠を超えて合同で学ぶことにより、連携意識を醸成する
とともに、両学科の専門性を基盤とした事例検討演習であるチーム医療論の実施等により、
他職種の理解を深めることに配慮した教育を行う。
1)人間とコミュニケーション
ケアや社会福祉援助では常に人と人との関係性のあり方が問題となる。これらを理解す
30
ることを目標に「コミュニケーション論」を配置した。また外国語科目では、共通言語で
ある英語を主体に英語Ⅰ~Ⅲ(英語Ⅰ・Ⅱは必修)までの3科目を配置し、医療従事者に
必要な用語や表現、外国人患者と接する際に必要な心構え、医療従事者間での英語による
コミュニケーションを学ぶことを目標とした。
また、
「中国語」および「韓国語」の2科目を配当し、中国、台湾、シンガポール、韓国
等東南アジアの国々の文化、言語に触れながら日常的なコミュニケーションの基本を身に
付けることを目標とした。
2)人間と文化
文化とは、人間が自然に手を加えて形成してきた有形無形の成果の総体である。
「人間と
文化」では、文化の多様性と共通性を理解し、本学の理念である「人を尊び」「個を敬愛」
する感性を養う。具体的には、自国・他国の文化や様々な社会背景を学ぶために文学、文
化人類学等を、国際社会における日本の役割を知り、保健医療分野での国際貢献について
学ぶために国際関係論、国際保健医療論を設置した。
3)人間と健康
健康とは身体的・精神的・社会的に完全に良好な動的状態であり、疾病の有無だけで判
断することはできない。
「人間と健康」では、生命を維持し、成長、生活活動を続けていく
ために必要な知識を身に付け、本学の理念である「命を尊ぶ」姿勢を養う。具体的には、
薬の作用・副作用や食物との関係を理解するために薬理学、栄養学を、あらゆる年代、障
害等を考慮した身体運動を体験することでノーマライゼーションの考え方を学ぶ障害者ス
ポーツ、レクリエーションスポーツを設置した。
4)人間と情報
現代では、情報は社会システムの中心となっており、その選択、解釈、利用、発信につ
いて正しい知識を備えておく必要がある。
「人間と情報」では多様な情報を科学的に分析し、
効果的に活用するための能力を養う。具体的には、不特定多数の人に正確な情報を伝達す
るために、情報の持つ意味を理解できるようになることを目的に情報リテラシーを、多様
な情報を適切に解釈し効果的に活用するための基礎能力を養うために研究法入門を設置し
た。
5)人間と環境
学生が一人の生活者として広く社会環境を理解することを目指して、法学、公衆衛生学、
保健行政論、環境論、物理学の科目を配置した。また人間の内部環境を理解することを目
標に生物学、生化学の科目を配置した。さらに、自然環境の保全と科学技術の利用の在り
方について学ぶことを目標に放射線概論を配置した。
31
6)人間の本質と尊厳
医療に携わる者として、生きることや存在の意味について主体的に深く思索することを
目指して、哲学、倫理学を配置した。また、人間の行動の法則性、一生涯という全行程の
発達プロセスを理解することを目指して、心理学や発達心理学を配置した。
5 専門基礎科目
専門基礎科目は、看護学の学習を支える基礎的な知識・理論を学び、専門科目への導入
とする。科目群に系統性をもたせるため、
「人体の構造と機能・疾病の成り立ちと回復」、
「健
康支援と社会保障制度」の2つに区分した。
1)人体の構造と機能・疾病の成り立ちと回復
この科目群は、主に人間の身体的側面を学ぶための科目として「人体の構造と機能」
、健
康が障害された場合、人体にどのような影響を及ぼすのかを学ぶための科目として「病態
学」、「微生物学」、
「病理学」をおいた。いずれの科目も科学的根拠をもって人間を理解す
る上で必要な科目であり、7科目14単位は全て必修科目である。1年次前期から2年次
後期にわたって履修する。
2)健康支援と社会保障制度
本区分には、人間を多面的に理解し、健康の維持や健康障害の予防、健康が障害された
場合の支援等について理解するための科目が含まれている。
「精神保健論」、
「臨床心理学」
、
「臨床栄養学」、「疫学」および「保健統計学」等9科目を設定した。人間が健康に生きる
上で理解しておきたい諸制度について学ぶことができる。保健師課程選抜者の必修科目で
ある「疫学」と「保健統計学」は看護師課程の学生にも必修科目とした。
「リハビリテーシ
ョン概論」、「臨床栄養学」を選択科目に含めたほか、医療の電子化が進行に伴い保健医療
情報が増大している現状を踏まえ「保健医療情報処理論」を選択科目として設定した。す
べて2年次に履修する。
6 専門科目Ⅰ
専門科目Ⅰは、看護の本質や看護の方法、看護の職業倫理等あらゆる看護学の基礎・基
盤となる科目が含まれている。エビデンスに基づいた看護判断と看護援助の基本を学習す
る。科目としては「看護学概論」
、「看護倫理」、「看護援助論」ならびに実習科目を含め9
科目、13単位すべて必修である。看護職を目指して入学した学生に看護とは何か、看護
職とは何をする人か、など入学したての学生に看護学への導入をする意味から1年次前期
から2年次後期にわたり履修する。看護が職業的特性から特に倫理性が求められる意味に
32
ついても学習する。
7 専門科目Ⅱ
専門科目Ⅱは、看護対象者のあらゆる発達課題、健康レベル等に合わせ、相手の立場に
立った援助が行えるよう看護の実践能力を養うための科目が設定されている。「成人看護
学」
、
「老年看護学」
、
「精神看護学」
、
「母性看護学」
、
「小児看護学」が含まれている。また、
時代性を考慮し、
「がん看護論」
、
「認知症看護論」等4科目を選択科目として配置した。
各専門領域の授業科目は、
「概論」
、
「看護方法論」
、
「看護学実習」の三段階に分けて展開
する。
各看護学は、
「概論」で学習した知識を基に「看護方法論」において、看護を必要として
いる人々の健康上の課題を判断し、看護援助に繋げる学習をする。
2年次前期には、専門科目Ⅰの基礎看護学で一部残っている科目と各論の概論を同時進
行で履修する。専門分野の学習が徐々に増えていくため、学生は学習が段階的に積み上げ
られていくことを実感できる。また、科目間の関連性や独自性に気づくことが、学習の転
移や内発的動機付けを得るきっかけになる。さまざまな機会を利用し、学生が主体的な学
習者になれるよう支援する。教科の枠を超えて学生の成長を育むことができるのもこのこ
ろからである。
各看護学における実習は、各領域の「概論」と「看護方法論」で修得した知識・技術・
態度を看護の実践場面に適用する。理論と実践を統合する能力を養い、また、保健医療福
祉チームと連携・協働して看護を提供する学びとする。実習は3年次後期に配置した。
8 統合科目
統合科目は、
「在宅看護学」のほか、看護学をより広く、あるいはより深く学ぶことによ
り、人々の多様なニーズに対応できるよう科目立てをした。また、これまでの学習を振り
返り、自らの課題を持ち、卒業後も学習を継続させることができるよう科目設定をした。
在宅看護学は、概論と方法論、「家族看護学」、実習科目で構成した。方法論Ⅲには、医
療機器を使用しながら在宅で療養している人が増えているため、そのような療養者・家族
に対応することができるよう、
「在宅医療機器論」を配置し、選択科目とした。
この他、統合分野には、必修科目として6科目、
「看護管理学」、
「国際医療と看護」、
「災
害看護」
、
「危機管理」
、
「看護研究」
、
「統合実習」を、選択科目として5科目、
「感染看護学」、
「異文化看護論」
、「看護カウンセリング」、「キャリア形成論」、「インターンシップ」を配
置した。
33
9 公衆衛生科目
公衆衛生科目は、保健師養成に必要な「公衆衛生看護学概論」以下10科目20単位を
必修科目として配置した。また、公衆衛生看護学実習は、「公衆衛生看護学実習Ⅰ」4単
位を保健所並びに市町村等において、「公衆衛生看護学実習Ⅱ」1単位は、学校・産業保
健、老健施設等で実習することとした。
なお、「疫学」、「保健統計学」、「公衆衛生看護学概論」および「健康危機管理論」
の4科目8単位は、看護師教育にも必要な科目と考え必修科目とした。
34
Ⅱ
リハビリテーション学科
リハビリテーション学科の教育課程は、大学の理念・目的、学部の教育目的と、以下に
示すリハビリテーション学科の教育目的・目標、カリキュラムポリシーに基づき体系的に
編成した。
1 教育目的
リハビリテーションは心身機能の低下やそれに起因する社会的不利を改善し、障害者と
家族の社会統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーション医療の
中核を担う理学療法士・作業療法士は、日々変化する医療・社会情勢を的確にとらえ、科
学的根拠に基づいた知識と技術を提供しなければならない。リハビリテーション学科では、
多様化する個人・家族・社会のニーズに柔軟に対応し、地域において問題解決能力と実践
力を発揮できる人材の養成を目的としている。
2 教育目標
1)対象者を全人的に理解し、専門性をもって個人の生活を支援する高い倫理性を養う。
2)理学療法学専攻では身体機能の専門職として健康増進、疾病・介護予防、治療に関す
る知識と技術を養う。
3)作業療法学専攻では主に身体と精神に障害を持つ人の社会的役割、QOL、意欲、環
境など生活(作業)再建と健康に関する知識と技能を養う。
4)地域を基盤とした包括的・継続的なリハビリテーションを学び、保健・医療・福祉・
教育・産業の分野で幅広く貢献できる実践能力を養う。
5)卒業後も自己研鑽に努め、探究する姿勢を身につける。
3 カリキュラムポリシー
本学の理念である「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」が、人々の健康に寄与するもの
の根本精神として、湘南医療大学研究倫理規程【資料エー1】と湘南医療大学研究倫理委
員会規程【資料エー2】を遵守したうえで全ての科目を学ぶ中で培えるように配慮する。
教育目的・目標を達成するため、
(図2・図3)に示すように、段階的に学習を積み上げら
れるようにする。
1)「教育理念の醸成と倫理的感性の涵養」を目的とした科目を基盤におく。
2)「ひとや社会を知り、学際的思考を身につける」科目をおく。
35
3)「理学療法・作業療法と医学の基礎を学ぶ」科目をおく。
4)「専門的な知識・技術を養う」科目をおく。
5)「実践力・応用力を養う」科目をおく。
4 総合教育科目(学科共通)
「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の理念に基づき医療を通して地域・社会への貢献
を目指す本学においては、医療に関する専門知識とともに倫理観や社会性、多様性を認め
て尊重できる心を教育する必要がある。
そのためにリハビリテーション学科では、総合教育科目を人や社会を知り、学際的思考
を身に付けることで(図2・図3)
、多角的な視野や柔軟な感性、幅広い教養を養うための
科目群として位置づけ、「人間とコミュニケーション」「人間と文化」「人間と健康」「人間
と情報」
「人間と環境」
「人間の本質と尊厳」の6つの科目区分で構成した。
なお、総合教育科目は2学科の学生が学科の枠を超えて合同で学ぶことにより、連携意
識を醸成するとともに、両学科の専門性を基盤とした事例検討演習であるチーム医療論の
実施等により、他職種の理解を深めることに配慮した教育を行う。
1)人間とコミュニケーション
ケアや社会福祉援助では常に人と人との関係性のあり方が問題となる。これらを理解す
ることを目標にコミュニケーション論を配置した。また外国語科目では、共通言語である
英語を主体に英語Ⅰ~Ⅲまでの3科目を配置し、医療従事者に必要な用語や表現、外国人
患者と接する際に必要な心構え、医療従事者間での英語によるコミュニケーションを学ぶ
ことを目標とした。
また、中国語および韓国語の2科目を配当し、中国、台湾、シンガポール、韓国等東南
アジアの国々の文化、言語に触れながら日常的なコミュニケーションの基本を身に付ける
ことを目標とした。
2)人間と文化
文化とは、人間が自然に手を加えて形成してきた有形無形の成果の総体である。
「人間と
文化」では、文化の多様性と共通性を理解し、本学の理念である「人を尊び」「個を敬愛」
する感性を養う。具体的には、自国・他国の文化や様々な社会背景を学ぶために文学、文
化人類学等を、国際社会における日本の役割を知り、保健医療分野での国際貢献について
学ぶために国際関係論、国際保健医療論を設置した。
36
3)人間と健康
健康とは身体的・精神的・社会的に完全に良好な動的状態であり、疾病の有無だけで判
断することはできない。
「人間と健康」では、生命を維持し、成長、生活活動を続けていく
ために必要な知識を身に付け、本学の理念である「命を尊ぶ」姿勢を養う。具体的には、
薬の作用・副作用や食物との関係を理解するために薬理学、栄養学を、あらゆる年代、障
害等を考慮した身体運動を体験することでノーマライゼーションの考え方を学ぶ障害者ス
ポーツ、レクリエーションスポーツを設置した。
4)人間と情報
情報化社会と称される現代においては、情報は社会システムの中心となっており、その
選択、解釈、利用、発信について正しい知識を備えておく必要がある。「人間と情報」では
多様な情報を科学的に分析し、効果的に活用するための能力を養う。具体的には、不特定
多数の人に正確な情報を伝達するために、情報の持つ意味を理解できるようになることを
目的に情報リテラシーを、多様な情報を適切に解釈し効果的に活用するための基礎能力を
養うために研究法入門を設置した。
5)人間と環境
学生が一人の生活者として広く社会環境を理解するために、法学、公衆衛生学、保健行
政論、環境論、物理学の科目を設置した。また、人間の内部環境を理解すること目標に生
物学、生化学の科目を配置した。さらに、自然環境の保全と科学技術の利用の在り方につ
いて科学的について学ぶことを目標に放射線概論を配置した。
6)人間の本質と尊厳
医療に携わる者として、生きることや存在の意義について主体的に深く思索することを
目標に哲学、倫理学を配置した。また、人間の行動の法則性や一生涯という全行程の発達
プロセスを理解することを目標に心理学や発達心理学を配置した。
37
5 理学療法学専攻の教育課程の編成方針と内容
理学療法学専攻では、身体機能の専門職としての知識と技術を有し、保健・医療・福祉・
教育・産業の分野で貢献できる理学療法士を養成することを目標としている。理学療法は
身体機能障害だけでなく、心理的問題や家族関係、社会的背景など多様で複雑な要因を考
慮して実践する必要がある。そのため理学療法学専攻では、教育課程を総合教育科目、専
門基礎科目、専門科目に区分し、3つの科目群を有機的に結び付けることで総合的な学習
および重点的積み上げの双方を可能とする。
図2 リハビリテーション学科理学療法学専攻 教育課程編成の考え方
38
1)専門基礎科目
専門基礎科目は、基礎医学、臨床医学、リハビリテーション医学を含んだ理学療法基礎
科目で構成される。専門科目で学習する理学療法を科学的に解釈・理解するための基礎と
なるものである。専門基礎科目は理学療法と医学の基礎を学ぶことを目標としており(図
2)、「人体の構造と機能および心身の発達」、「疾病と障害の成り立ちおよび回復の過程の
促進」
、
「保健医療福祉とリハビリテーションの理念」の3つに区分した。
① 人体の構造と機能および心身の発達
身体の仕組みや働きを系統立てて理解するために解剖学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、生理学Ⅰ・Ⅱ、基
礎運動学、運動機能学、運動生理学等を配置した。
② 疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進
理学療法の対象として遭遇する機会の多い疾病や障害について、その予防と回復過程の
促進を合わせて理解するために病理学概論、内科学Ⅰ・Ⅱ、整形外科学Ⅰ・Ⅱ、脳神経外
科学、小児科学、リハビリテーション医学等を配置した。
③ 保健医療福祉とリハビリテーションの理念
理学療法をとりまく社会構造や、社会の中でのリハビリテーションの意味と役割を学ぶ
ためにリハビリテーション概論、終末期医療論を、医療とはじめとする社会制度全般への
関心を促し問題意識をもって専門科目を学べるように医療制度と関連法規を配置した。
2)専門科目
専門科目は理学療法の専門に特化した科目で編成し、専門的な知識・技術を養うことに
加え、実践力と応用力を養うことを目標として(図2)
、
「基礎理学療法学」
「理学療法評価
学」
「理学療法治療学」「専門共通」
「地域理学療法学」「臨床実習」に区分する。
基本的な理学療法実施に必要な知識と技術を修得するため、
「基礎理学療法学」と「理学
療法評価学」
「地域理学療法学」を核として位置づけ、すべて必修科目とした。また「理学
療法治療学」では実践の場で遭遇する頻度の高い疾患や障害に対する理学療法に関する科
目を必修とし、将来の専門性や医療機関以外での理学療法を視野に入れた専門知識や技術
の修得を目指す科目を選択科目とした。さらに、理学療法と作業療法の専門性を相互に理
解する科目を「専門共通」として配置した。
① 基礎理学療法学
理学療法学実践の基礎となる概念や理学療法士としての倫理観を養うため理学療法概論、
理学療法概論演習を、医療過誤や院内感染防止などの安全管理について学ぶために理学療
法管理・リスクマネジメントを配置した。また、卒後に理学療法研究を行う上で土台とな
39
る研究方法や研究倫理について学ぶために理学療法学研究法を配置する。理学療法卒業研
究は必修とし、創造的な知の探究を推進する。
② 理学療法評価学
身体的な疾患・障害の評価に関する知識・技術を身につけ、身体障害の問題抽出能力お
よび問題解決能力を養うために、検査測定学概論、検査測定学演習、運動器系検査測定学、
神経系検査測定学、動作解析学を1年次から3年次までに配置し、全科目を必修科目とし
た。
③ 理学療法治療学
専門基礎科目と理学療法の基礎で修得した基礎的知識をもとに、主要な疾患・障害に応
じた理学療法に関する知識と技術を修得する。将来理学療法士として接する機会の多い疾
患である運動器疾患、神経系疾患、内科疾患に関連する科目である運動器系理学療法学、
神経系理学療法学、呼吸・循環系理学療法学に関しては講義と演習でそれぞれ30時間の
科目として配置した。また、理学療法の対象となる幅広い疾患と障害についてさらなる学
習を促し、医療機関にとどまらず広域の保健・福祉・教育分野でのリハビリテーションを
理解するために、代謝系理学療法学、発達系理学療法学、老年期理学療法学を配置した。
さらに義肢や補装具は機能低下を補い日常生活の範囲拡大を遂行するためのものとして必
須の知識であるため、義肢装具学Ⅰ・Ⅱを配置した。
④ 専門共通
柔軟かつ実践的なチーム連携を発揮できる資質を養う一環として、理学療法及び作業療法
の立場や役割・相互の専門性理解を深め学べるよう、「司法精神科作業療法、生活支援機器
論、地域高齢者支援論、徒手療法、ウーマンズヘルスケア、スポーツ理学療法学」を配置
した。
⑤ 地域理学療法学
地域における生活の支援、保健・福祉分野において他職種と連携し専門性を発揮するた
めの知識・技術を身につけるために地域理学療法学、バリアフリー、リハビリテーション
工学を配置した。また、これらの科目では営利法人によるリハビリテーション・介護サー
ビスや、工学分野の医療参入などの実例を提示し、様々な視点からの障害者や高齢者支援
のあり方を学ぶ。
⑥ 臨床実習
理学療法の評価の結果から理学療法の計画を立案し、実践的に理学療法を実施できる知
識・技術を身に付ける。理学療法評価の結果から理学療法の計画を立てられ、実践的に理
40
学療法学を実施できる知識・技術を身に付けるために評価学実習、総合臨床実習Ⅰ(理学
療法)
、総合臨床実習Ⅱ(理学療法)を配置した。
41
6 作業療法学専攻の教育課程の編成方針と内容
作業療法学専攻では、身体又は精神に障害のある者の応用的動作能力や社会的適応能力
の回復を支援する専門職として、その知識と技術をもって、保健・医療・福祉・教育・産
業の分野に貢献できる作業療法士の養成を目標としている。そのため作業療法学専攻では、
教育課程を総合教育科目、専門基礎科目、専門科目に区分した。
図3 リハビリテーション学科作業療法学専攻 教育課程編成の考え方
42
1)専門基礎科目
専門基礎科目は、基礎医学、臨床医学、リハビリテーション医学を含んだ作業療法基礎
科目で構成される。専門科目で学習する作業療法を科学的に解釈・理解するための基礎と
なるものである。専門基礎科目は作業療法と医学の基礎を学ぶことを目標としており(図
3)、「人体の構造と機能および心身の発達」、「疾病と障害の成り立ちおよび回復の過程の
促進」
、
「保健医療福祉とリハビリテーションの理念」の3つに区分した。
① 人体の構造と機能および心身の発達
身体の仕組みや働きを系統立てて理解するために解剖学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、生理学Ⅰ・Ⅱ、運
動学Ⅰ・Ⅱ、人間発達学等を配置した。
② 疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進
作業療法の対象として遭遇する機会の多い疾病や障害について、その予防と回復過程の
促進を合わせて理解するために臨床心理学、内科学Ⅰ・Ⅱ、整形外科学Ⅰ・Ⅱ、精神医学
Ⅰ・Ⅱ、脳神経外科学、神経内科学、リハビリテーション医学等を配置した。
③ 保健医療福祉とリハビリテーションの理念
作業療法をとりまく社会構造や、社会の中でのリハビリテーションの意味と役割を学ぶ
ためにリハビリテーション概論、終末期医療論を、医療とはじめとする社会制度全般への
関心を促し問題意識をもって専門科目を学べるように医療制度と関連法規を配置した。
2)専門科目
専門科目は、作業療法の専門に特化した科目で編成し、専門的な知識・技術を養うこと
に加え、実践力と応用力を養うことを目標として(図3)、「基礎作業療法学」、「作業療法
評価学」
「作業治療学」
、
「専門共通」
、
「地域作業療法学」、
「臨床実習」に区分した。
基本的な作業療法実践に必要な知識と技術を修得するため、
「基礎作業療法学」と「作業
療法評価学」を基盤科目として配置した。そして、
「作業治療学」では実践の場で遭遇する
頻度の高い疾患や障害に対する作業療法に関する科目を必修とした。また、将来の専門性
や医療機関以外の作業療法領域での専門知識や技術を学ぶ科目を選択科目とした。教育目
標のひとつである地域で貢献できる人材、チーム連携の図れる人材に求められる知識等を
修得するため、
「地域作業療法学」を配置した。さらに、理学療法と作業療法の専門性を相
互に理解する科目を「専門共通」として配置した。
また、学内での学びを実践現場での作業療法と結びつけるねらいをもって、教育課程の
学習段階に応じた「臨床実習」を配置した。
43
① 基礎作業療法学
作業療法の基礎となる概念や作業療法士としての倫理観を養うため作業療法概論、作業
療法理論を配置した。また、実践場面での作業活動の治療的応用の基本的知識を修得する
ため基礎作業学、作業技術学、作業分析学等を配置した。
さらに、卒後に作業療法研究を行う上で土台となる研究方法や研究倫理について学ぶた
めに作業療法研究法、同演習を配置した。作業療法卒業研究は必修とし、創造的な知の探
究の基本を推進する。
② 作業療法評価学
心身の機能・身体構造の評価に関する知識・技術を身につけるための科目を配置した。
身体障害の問題集抽出能力および問題解決能力を養うために、作業療法評価学概論、作業
療法評価学(身体Ⅰ・Ⅱ)を配置した。精神機能面に主眼をおいた問題抽出能力および問
題解決能力を養うため、作業療法評価学(精神)を配置した。評価学は、対象者理解の基
盤となる科目のため、全科目を必修科目とした。
③ 作業治療学
専門基礎科目と基礎作業療法学、作業療法評価学で修得した基礎的知識をもとに、主要
な疾患・障害に応じた作業療法に関する知識と技術を修得する。将来作業療法士として接
する機会の多い代表的な疾患に対する作業療法を障害領域別に修得する。各障害領域別に
必要となる専門知識を理解すると共に、演習を通して知識を実践するための技能の修得の
機会とする。また、作業療法実践にあたりその基盤に臨床推論が行えるようクリニカルリ
ーズニングを配置した。さらに、卒後多種多様な症例に対応できるようになるための知見
を広めると共に、時流に対応できるよう、各領域別のトピックス的テーマが学べる作業療
法特論を選択科目として配置した。
④ 専門共通
柔軟かつ実践的なチーム連携を発揮できる資質を養う一環として、理学療法及び作業療
法の立場や役割・相互の専門性理解を深め学べるよう、
「司法精神科作業療法、生活支援機
器論、地域高齢者支援論、徒手療法、ウーマンズヘルスケア、スポーツ理学療法学」を配
置した。
⑤ 地域作業療法学
さらなる超高齢社会に向けて地域包括ケアシステムが具現化できるよう、対象者を取り
巻く地域特性を的確に見極め、保健・医療・福祉・教育・雇用の各側面を切れ目なく一体
的につなげ展開できる能力を得るため、その基礎を学ぶために地域作業療法学Ⅰ(総論)、
44
地域作業療法学Ⅱ(各論)を配置する。生活者としての視点に立ち、対象者を取り巻く地
域を多角的に捉えられるよう生活環境整備論、社会生活支援論を配置した。
⑥ 臨床実習
学内での学びを実践現場で結びつけ統合し、専門職としての一連の作業療法実践過程が
実施できるよう、その基本的な修得を段階的に学べるよう検査・測定実習、評価実習、総
合臨床実習Ⅰ(作業療法)
、総合臨床実習Ⅱ(作業療法)を配置した。
45
オ 教員組織の編成の考え方および特色
湘南医療大学では、大学の理念・目的を尊重し、保健医療学部で掲げている教育目的、
大学の特色、2学科の特色等を考慮し、学生と真摯に向き合い、教育への情熱と研究活動
も含めて意欲をもって教育に取り組むことのできる教員で組織を編成する。
総合教育科目は、非常勤講師に多くを委ねる。2学科の学生は、目指す職業は異なるが、
人びとの健康に寄与する点においては共通である。時代の趨勢から関連職種それぞれが専
門性を尊重し協働することでチーム力の強化をはかり支援に生かすことが医療職には求め
られている。チーム医療の推進は本学の教育が目指している柱の1つでもある。専任・非
常勤を問わず教員間の連携をはかり、全ての科目で合同授業を取り入れている意図を生か
した授業展開ができるよう教員の組織づくりをする。また、学生に多様な価値に触れる機
会を用意することも大切であり教員の人材確保の面においてもそのことを考慮した。
Ⅰ
看護学科
1
教員組織の編成の考え方
学部の目的に掲げた「高度な専門知識と技術」、「チーム医療の推進」、「地域貢献」を重
視し教育研究に携われるよう教員組織の編成を行った。
さらに、看護学科では、①主体的学習力、科学的思考力、判断力、問題解決力、対人関
係能力、看護実践能力の育成,②豊かな人間性と倫理観の醸成、③本学の教育理念である、
「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の精神の具現化を効果的に実現するために、次の点
を考慮し教員の確保に努めた。
・看護実践の経験と実績があり円満な人柄の教員
・看護大学教育の経験豊富な教員
・将来、国際的にも活躍できる看護職である教員
・看護教育研究の充実を図り、将来大学院開設に備え、博士、修士の学位および、専門
看護師の認定資格を持つ教員
2 教員の配置について
専任教員は28名、助手2名、非常勤講師59名である。
専任教員の28名の配置は、専門基礎科目1名、基礎看護学4名、成人看護学は4名
および統合看護学1名、その他は3名の配置とした(表4)
。
46
表4 教員数と専門分野
教員数
専門基礎
専門分野
科目区分
教授
准教授
専門基礎科目
1
基礎看護学
2
1
1
成人看護学
1
1
1
老年看護学
1
小児看護学
1
母性看護学
2
助教
計
助手
1
1
精神看護学
在宅看護学
講師
1
4
1
4
2
3
1
3
1
3
2
1
3
1
1
3
統合看護学
1
公衆衛生看護学
1
1
計
10
7
5
2
1
1
3
6
28
2
1)職位
・教授10名、准教授7名、講師5名、助教6名である。
・助手2名については、実務経験5年以上で、学士または修士の学位を持ち、臨地実習
先の師長と同レベルの能力を有する人とする。助手は、教授、准教授の指導責任の下
で領域を超えて補佐する。
・専門分野9領域のうち、精神看護学、統合看護学を除く7領域は教授を1~2名配置
した。学科長は全体をマネジメントする必要があるため学科長の専門領域母性看護学
にはもう一人教授を配置した。基礎看護学は、新設大学であり専門科目の基礎固めが
重要であることから教授2名を配置した。精神看護学は、教授がいないため准教授を
2名配置した。
・専門科目の非常勤講師は、担当科目の分野における第一人者を招く。
・臨地実習指導者のうち条件を満たす者に「臨地実習助手」(実習指導者)の辞令を交付
し、実習指導に携わってもらう(92頁)
。
2)学位
平成26年8月20日現在、博士の学位を有している教員は7名である。専門基礎科目、
基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、公衆衛生看護学を専門にしている。
その他の教員は、修士の学位である。また、現在修士の学位を持つもので、平成27年度
~平成30年度までに博士の学位を取得する予定の教員が5名いる。
47
3)講義・演習、実習の担当の仕方
専任教員の講義・演習、実習の担当の仕方は、「平成27年度~平成30年度専任教員講
義・演習、実習科目担当表」に示したが、講義・演習、実習等の担当が最小となるよう調
整した。
【資料オー1】
なお、基礎看護学の「看護援助論Ⅱ(生活援助技術)」、
「看護援助論Ⅲ(診療に伴う援助
技術)」、
「看護援助論Ⅳ(健康診査)」は、実技を伴う学習が多いため2クラスに分けて授
業を行う。また、
「看護援助論Ⅴ(看護過程)
」、「
「成人看護方法論Ⅲ(生活調整・生活再構
築)
」
、
「
「母性看護方法論Ⅱ」
、
「在宅看護方法論Ⅰ」
、
「在宅看護方法論Ⅱ」の演習授業では、
指導効果を上げるため複数の教員による共同授業を展開する。さらに、演習室等で援助技
術の指導を行う場合は時間割、担当教員を調整し、2クラスに分けて授業を行う。
実習指導体制については、小児看護学実習、母性看護学実習、精神看護学実習、在宅看
護学実習、統合実習は、学生3~5名を1グループとし、1グループ1教員を当てること
とした。しかし、基礎看護学Ⅰ・Ⅱ、成人看護学実習Ⅰ・Ⅱ、老年看護学実習Ⅰ・Ⅱにつ
いては、一人の教員が2~6グループを担当する。
4)27年度専任教員の年齢構成
学科内専任教員の年齢構成を職位別にみると、教授職は51歳~60歳3名、61歳~
70歳5名、71歳以上2名である。准教授は、31歳代~40歳1名、41歳~50歳
2名、51歳~60歳4名、講師は、41歳~50歳4名、51歳~60歳1名、助教は、
31歳~40歳3名、41歳~50歳1名、51歳~60歳2名となっている。専任教員
全体の平均年齢は51歳であり、職位別の平均年齢は、教授59歳、准教授50歳、講師
。専任教員は、平均年齢、職位による年齢バランスから
45歳、助教43歳である(表5)
みて特別問題ない年齢構成となっている。
表5 予定教員の年齢構成
職位
20~
31~
41~
51~
61~
30歳
40歳
50歳
60歳
70歳
3
5
教授
准教授
1
講師
助教
3
2
4
4
1
1
2
71歳以上
2
5)教員の定年制と完成年度後の教員の配置計画
教員の定年制については、「湘南医療大学教育職員定年規程」で定めている。
【資料オー
2】
48
教授、准教授、講師、助教の定年は65歳であり、定年の延長についても同規程で定め
ている。完成年度に定年退職する教員は7名である。完成年度末に定年に達していない教
員は、昇任または継続または退職する。退職等により欠員が生じた場合は後任の教員を職
位、年齢等を考慮し補充する。また、採用時には公募を行う。
「湘南医療大学教員職員定年規程」に基づき教育・研究の円滑な推進を図るため完成年
度後の教員配置計画を作成した。【資料オ-3】
3 研究・研修日、若手教員の育成計画
教員自らが自己研鑽に努め、学生教育に還元することを目的に専任教員が研究活動なら
びに研修活動に充てる時間を確保する。
教員は本来教育研究職であることなどから、研究・研修の必要な時間は各自が決めてい
くという体制にあっても良いと考えるが、研究内容や研究環境を考慮し週半日~1日とし、
研究の推進を図る。
また、修士から博士課程に行くための支援体制については状況を見ながら判断していく。
若手教員の育て方は、①教育面に関しては、教案作成から評価に至る一連の過程におい
て、所属する領域内の教員を中心にサポートする。授業内容の改善に関する組織的な取組
は、後述する(
「ソ 授業内容方法の改善を図るための組織的な取組」123~130頁)
。
②研究面に関しては、次のような支援体制を計画している。
ⅰ.本学部・学科の特色に掲げている「質の高いチーム医療教育」に資する研究を推進
する環境を整備する。
執行機関として「研究推進室」が設置される。学内の教員がどのような研究を行っ
ているか相互に知る機会を設ける。学科や領域を超え共通テーマでプロジェクトチー
ムをつくり研究を進め、研究成果を教育にも反映させる。このような取り組みを継続
させ、研究の質的向上と教育内容の充実を図る。若手教員が教育・研究に意欲を持っ
て当たることのできる環境を作る。
ⅱ.学位論文や学会発表演題を論文にまとめ学術誌への投稿を勧め、必要に応じて支援・
指導を行う。
ⅲ.年間を通じて研究活動が継続できる体制づくりをする。
全ての専任教員が揃う平成29年度から30年度までの2年間に各教員が担当する
科目(実習を含む)を教員ごとに曜日単位で示した(【資料オ-4-1、2、3、4】
)
。
領域や個人により担当のしかたは異なるが、本学では、実習期間中も週一日の研究・
研修日を確保できるよう実習場と実習指導体制の調整を行った。
ⅳ.科学研究費の申請を行うために研究を積み上げられるよう支援体制を整える。
科学研究費をはじめ外部の研究助成金を活用し研究の活性化を図ることを目指し、
経験者から申請にあたっての留意点や研究成果等の教授をしてもらう機会をつくる。
49
研究助成金の申請を行う際、申請するテーマに関し基礎的研究(事前の研究)の積
み上げを行うため、学内研究費の有効活用により計画的・継続的に研究をすすめてい
けるよう支援する。
50
Ⅱ
リハビリテーション学科
1 教員組織の編成の考え方
学部の目標に掲げた「高度な専門知識と技術」、「チーム医療の推進」、「地域貢献」を重
視し教育研究に携われるよう教員組織の編成を行った。
さらにリハビリテーション学科では、①主体的学習力、科学的思考、判断力、問題解決
力、対人関係能力、理学療法実践能力・作業療法実践能力の養成、②豊かな人間性と倫理
観の醸成、③本学の教育理念である「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の精神の具現化
を効果的に実現するために、次の点に留意した。
・理学療法士または作業療法士としての臨床経験と研究実績のある教員
・将来、国際的にも活躍できる理学療法士または作業療法士である教員
・理学療法研究ならびに作業療法研究の充実を図り、将来の大学院開設に備え、博士、
修士の学位を持った教員
・新設大学であることを考慮し大学教育の経験豊富な教員
2 教員の配置について
専任教員は理学療法学専攻11名、作業療法学専攻9名、非常勤講師65名である。
作業療法学専攻では、さらに2名の専任教員を配置する。
1)職位
①理学療法学専攻
教授は4名、准教授は3名、講師は2名、助教は2名である。
②作業療法学専攻
教授は4名、准教授は2名、講師は3名である。さらに2名の専任教員を配置する。
追加の専任教員は、平成 28 年と平成 29 年の 4 月に、各々1名ずつ配置する。
非常勤講師は、担当科目の分野において十分な業績を有することを条件として招聘する。
2)専任教員の配置
専任教員数の設定に関しては、両専攻ともに4~5名の学生に対して1名の教員が対応
できる構成とした。年齢構成に関しては年代の偏りがないように努めた(表6)
。
51
表6 予定教員の年齢構成(平成26年3月1日現在)
【理学療法学専攻】
職 位
20~
31~
41~
51~
61~
71歳
30歳
40歳
50歳
60歳
70歳
以上
3*
1
教 授
准教授
2
1
講 師
1
1
助 教
1
1
*1名は解剖学教員
【作業療法学専攻】
職 位
20~
31~
41~
51~
61~
71歳
30歳
40歳
50歳
60歳
70歳
以上
3
1
教 授
准教授
講 師
2
1
2
3)学位
①理学療法学専攻
平成26年8月22日現在、博士の学位を有しているのは7名である。その他の教員は
修士号を取得している。
②作業療法学専攻
平成26年8月22日現在、博士の学位を有しているのは4名である。その他の教員(1
名を除く)は修士号を取得している。
4)教員の担当時間数
教授・准教授は、講義・演習・実習を含めて週4~8コマを上限とする。講師、助教は
演習・実習の補助も含めて週5~8コマを上限とする。
3 研究・研修日、若手教員の育成計画
教員自らが自己研鑽に努め、学生教育へ還元することを目的に専任教員が研究活動なら
びに研修活動に充てる時間を確保する。臨床実習施設への訪問・指導等に関して担当施設
数及び訪問頻度等を明確にし、授業等の教育に支障のないよう配慮の上、教員ごとの研究・
52
研修等の時間を設定した。
【資料オ-5、資料オ-6】時間数については、研究内容や研究
環境を考慮し週に半日~1日とする。修士から博士課程に行くための支援体制については
状況を見ながら判断していく。
若手教員の育て方は、①教育面に関しては、教案作成から評価に至る一連の過程におい
て、専攻内の教員を中心にサポートする。②研究面に関しては、科研費申請が行えるよう
関心のあるテーマについての研究を積み重ねていけるようサポートする。
53
カ 教育方法、履修指導方法および卒業要件
Ⅰ
看護学科
1 教育方法
1)授業の方法
看護学科における授業方法は、知識の理解を目的とする教育内容については講義形式を
中心としているが、必要に応じてオムニバスによる授業や少人数のグループ学習、学生の
参加型学習等双方向型の学習を展開する。また、態度・指向性および技術や技能の修得を
目的とする教養教育については演習形式による授業形態とすることとし、学生の主体的・
能動的な学びを引き出すことができるようにする。特に、基礎看護学科目区分の看護援助
論Ⅱ(生活援助技術)、看護援助論Ⅲ(診療に伴う援助技術)、看護援助論Ⅳ(健康診査)
の演習においては、2クラスに分けて授業展開する。さらに、理論的知識や技術を実践に
応用する能力を身につけることを目的にする教育内容については、実習形式による授業形
態をとることとする。
2)学生数の設定
授業の内容に応じた学生数の設定については、教育目的を効果的かつ確実に達成するた
めに、授業科目ごと授業形態に則して、講義形態では40~80名、演習形態では25~
40名、臨地実習では1か所あるいは1病棟につき学生3~5名とする。
3)配当年次
配当年次は、基礎から専門へと体系的な学習が可能となるようにする。講義科目・演習
科目・臨地実習科目を考慮し、また、それらの授業の内容と科目間の関係や履修の順序に
留意して配当する。
4)履修登録
学生の主体的な学修を促し、学習効果を高めるために、各学年の標準的な履修単位は3
8単位程度とする。
なお、4年次の履修単位数は少ないが、卒業後に看護専門職としての役割を果たせるよ
うに、この間に既習内容の統合、再整理をする。そして、学習内容の全体を俯瞰し、自己
の課題を見つけ、その課題解決に向けて学修する期間とする。また、看護研究科目におい
ても卒業後の研究課題を見つけ学修する時間とする。また、履修登録可能単位キャップ制
については、看護学科としては特には取り入れない。今後、履修状況をみながら検討する。
54
5)成績判定
卒業時における学生の質を確保する観点より、予め学生に対して各授業における学習目
標やその目標を達成するための授業の方法、授業計画を明示する。そのうえで、成績評価
基準、卒業認定基準を提示し、これに基づき厳格な評価を行う。また、GPA制度を導入
する。これにより、客観的な評価基準となり厳格な成績評価となる。
6)シラバスの作成
学生の4年間の履修計画を支援するために、すべての授業科目においてシラバスを作成
する。その内容は、授業概要、到達目標、授業の回数、授業のテーマ・内容、評価方法、
教科書、参考図書および事前・事後学習内容と留意事項を丁寧に記載し、学生が学修に役
立てられるようにする。なお、事前学習や事後学習内容とオフィスアワーは別途初講義日
に提示する。
7)チューター制の導入
チューター制を実施する。それにより、学生の入学から卒業までを、学生生活や履修方
法に関する相談に応じ、学生の状況に合わせた個別的、きめ細やかな指導を行う体制を整
える。
2 履修指導方法
1)看護学科における履修指導方法
授業を受ける学生に対して教員が相談に応じる専用の時間(オフィスアワー)を設ける
ことにより、きめ細やかな教育指導を行う体制を整える。オフィスアワーの利用状況の管
轄は、教務委員会とし、年1回、各教員から学生の利用状況の報告を受ける。なお、学生
の生活面を指導するチューター制を実施し、オフィスアワーの利用状況によっては、チュ
ーターとの連携を行う。さらに、学年ごとの学年別履修ガイダンスを実施したうえで、学
生の適性や能力に応じて履修科目の選択に関する助言を行うなど個別の履修相談にチュー
ターが応じることができるように、学生の履修指導体制を整備する。また、学生自身で学
習目標に沿った授業科目履修ができるように学生に「カリキュラムマップ」を提示し、履
修ガイダンスをする。
2)保健師選抜者の選択履修に関する指導方法
保健師国家試験受験資格取得のための履修者は、学生定員中20名を限度とする。
55
①履修者の選択時期
保健師の履修希望者は2年次後期(学年末)に所定の方法により申し出る。
2年次後期の学生は、入学時から2年間、
「総合教育科目」、
「専門基礎科目」
、
「専門科目」
を履修し、看護の全体像(看護学および看護職について)の理解をしていると考える。ま
た、それらをもとに学生が自身の方向性を考えられる時期であることより、また、2年次
に保健師の必修科目である疫学や保健統計学を履修していることより、学生自身の選択動
機が明確になると考える。
②履修者の選択方法
a)選択学生の申請と選考試験
・選択学生の申請を2年次学年末に受けつける。
・申請した学生の選抜者の決定は、選考試験を実施する。
・選考試験は、書類選考、学力試験(英語、専門科目)
、小論文、面接によって行う。
なお、これらの選考試験は、学部生・編入学生を問わず希望者には、3年次進級ガ
イダンス期間中に一斉に同一試験を実施する。これにより、公平性を保つようにする。
b)選抜基準
・2年次までの必修科目の全ての単位を取得しており、かつ、成績評価は「良」以上で
あることとする。
(湘南医療大学学則第31条より)
・GPAによる成績評価は、2.5以上とする。
c)運用方針
・新入生ガイダンスにおいて公衆衛生看護学の選択と履修に関する指導の際、選択基準
についても周知徹底する。
・2年次進級時に実施する授業ガイダンスや掲示板を活用し、周知する。
・1年次からチューター教員や公衆衛生看護学教員との相談指導の機会を設け、履修の
選択を十分にできるようにする。
・履修希望者は、2年次後期に履修申請書と志望理由を提出する。
・編入学生については、
「編入学募集要項」に、定員数、選択時期、選考試験、選抜基準
を明確に記載し、公平性を保つように周知する。
(112頁)
・履修者の審査は、履修申請書および志望理由書、成績評価、学業生活全般の情報のも
とに、公正かつ客観的に総合的に選抜する。
・審査結果は、学生が不利益を被ることがないように学内公表(掲示)とする。
56
d)選考体制
・公衆衛生看護学履修生選考委員会を設置する。選考委員会については別途定める。
・選考委員会は選考試験の結果により選抜者を判定する。その結果を看護学科内で審議
し選抜者を決定する。
・選考委員長は選抜者を教務委員会に報告する。
・教務委員長は選抜者を教授会に報告し承認を得る。
③ 履修スケジュール
保健師資格取得の必修科目は、下記の表で示すように2年次・3年次に配置した。また
公衆衛生看護学実習を4年次後期に配置した(表7)
。
表7 保健師国家試験受験者の履修スケジュール
授業科目名
単位数
開講時期
疫学
2単位
2年次前期
保健統計学
2単位
2年次前期
公衆衛生看護学概論
2単位
3年次前期
公衆衛生看護方法論Ⅰ
2単位
3年次前期
公衆衛生看護方法論Ⅱ
2単位
3年次前期
公衆衛生看護活動論
2単位
3年次前期
産業保健・学校保健論
2単位
3年次前期
健康危機管理論
2単位
3年次前期
公衆衛生看護管理論
2単位
3年次前期
保健医療福祉行政論
2単位
3年次前期
公衆衛生看護学実習Ⅰ
4単位
4年次後期
公衆衛生看護学実習Ⅱ
1単位
4年次後期
計
25単位
④履修指導
・入学時および2年次進級時ガイダンスにおいて授業科目の配置を意識づけるよう指導
し、特に各科目の開講学年の履修ガイダンスでは修得しなければならない科目につい
て強調して指導する。
・1年次では2年間の授業科目配置のなかで、保健師を目指す場合に必修となる科目に
ついて説明するとともに、その科目の配置年次についても説明する。特に2年次前期
の「疫学」や「保健統計学」は保健師として必要な知識を修得するための科目である
57
ことを周知する。
また、保健師希望者から履修者を選択する時期・方法についても説明する。
・社会的・職業的自立のための指導の一環として。2年次を中心に全学生を対象にキャ
リア発展としての話を聞く機会を持つので参加するように指導する。
・2年次進級時ガイダンスでは、保健師への希望者から履修者を選択する方法について
具体的に説明する。
3 卒業要件
看護学科における卒業要件は、本学に4年以上在学し、体系的な授業科目の履修により、
126単位以上を取得していること。その内訳は、総合教育科目では33単位以上(必修
16単位および選択科目17単位以上)、専門基礎科目は、22単位以上(必修21単位
および選択科目1単位以上)専門科目Ⅰは必修科目13単位、専門科目Ⅱは39単位以上
(必修37単位選択科目2単位以上)、統合科目15単位以上(必修13単位、選択科目
2単位以上)、公衆衛生科目必修科目4単位を履修し、合計126単位以上を取得する。
(表8)
。
表8 看護学科卒業要件
区
分
必
修
選
択
卒業要件
総合教育科目
16単位
17単位以上
33単位以上
専門基礎科目
21単位
1単位以上
22単位以上
専門科目Ⅰ
13単位
専門科目Ⅱ
37単位
2単位以上
39単位以上
統合科目
13単位
2単位以上
15単位以上
公衆衛生科目
合
計
13単位
0単位
4単位
104単位
22単位以上
4単位
126単位以上
また、保健師国家試験受験資格を取得する者の最低必要単位数を143単位とする。
その内訳は、看護師国家試験受験者の卒業要件126単位以上に加えて、公衆衛生科目
選択科目の公衆衛生看護方法論Ⅰ2単位、公衆衛生看護方法論Ⅱ2単位、公衆衛生看護活
動論2単位、産業保健・学校保健論2単位、公衆衛生看護管理論2単位、保健医療福祉行
政論2単位、公衆衛生看護学実習Ⅰ4単位、公衆衛生看護学実習Ⅱ1単位の計17単位を
必修科目として履修し、合計143単位以上取得する。
学生には、履修モデルを提示しガイダンスする。
【資料カ-1】なお、他大学における授
業科目の履修等の取り扱いは、学則に定める通りとする。
58
Ⅱ
リハビリテーション学科
1 理学療法学専攻
1)教育方法
① 授業の方法
理学療法学専攻における授業方法は、知識の理解を目的とする科目については講義形式
の授業形態とし、必要に応じてオムニバスによる授業を展開する。また、技術の修得、少
人数のグループ学習、学生参加型・双方向型の授業については、演習形式による授業形態
とし、学生自らの主体的・能動的な学びを促すよう工夫する。さらに、講義・演習で得た
知識・技能を統合し実践に結びつけるために実習を配置する。
② 学生数の設定
講義内容に応じた学生数については、教育目的を効果的かつ確実に達成するために講義
形式の科目では教員1名で40名を担当し、演習形式の科目では補助の教員が1名加わっ
て教員1名で20名を指導するように設定している。また見学実習(理学療法)は1施設
につき5~6名、評価学実習と総合臨床実習Ⅰ(理学療法)
・総合臨床実習Ⅱ(理学療法)
は関連施設については1施設3~5名、関連施設以外の施設については1施設1名とする。
③ 配当年次
配当年次は、総合教育科目か専門基礎科目、専門科目へと体系的な学習が可能となるよ
うにする。特に専門科目においては、専門基礎科目で修得した医学的基礎知識を土台とし
て、知識、技術、実践・応用といった授業の内容と科目間の関係や履修の順序に留意して
配当した。
④ 履修登録
学生が興味に合わせて選択科目を履修し、履修期間がある一学期間に集中しないよう年
間の履修科目の登録上限は45単位、半期の履修科目の登録上限を25単位とした。履修
指導にあたる教員は、登録上限の範囲内で無理なく効果的に学べるように指導していく。
具体的な例として、運動器系障害、神経系障害、内部障害に加えて「高齢期を詳しく学習
する履修モデル」と「近代医療技術分野を詳しく学習する履修モデル」を示す。
【資料カ-
2】
理学療法学専攻における卒業に必要な取得単位数を126単位とし、その内容は表9の
ように設定する。
59
表9 理学療法学専攻卒業要件
区
分
必
修
選
択
卒業要件
総合教育科目
15単位
18単位以上
33単位以上
専門基礎科目
27単位
2単位以上
29単位以上
専 門 科 目
61単位
3単位以上
64単位以上
106単位
20単位以上
126単位以上
合
計
以上の単位を取得すると、卒業と同時に理学療法士国家試験受験資格が取得できる。
なお、他大学における授業科目の履修等の取り扱いは、学則に定める通りとする。
⑤ 成績判定
各授業の初回開講時には成績評価基準を提示する。これに基づき厳正な評価を行うとと
もに、客観的な評価基準を適用するために、GPA制度を利用する。
⑥ シラバスの作成
学生の履修計画支援としてシラバスを作成する。内容は、講義の内容と目的、授業計画、
評価、計画書、参考図書等を明示する。年度当初のオリエンテーションでは、理学療法士
作業療法士学校養成施設指定規則および理学療法士作業療法士養成施設指導要領を充足で
きるよう履修指導を行う。
60
2 作業療法学専攻
1)教育方法
① 授業の方法
授業方法は、知識の理解を目的とする科目については講義形式の授業形態とし、必要に
応じてオムニバスによる授業を展開する。また、思考・判断を促す科目や関心・意欲・態
度・技能・表現の促進を目指す科目は、少人数のグループ学習、学生参加型・双方向型、
演習形式による学習を組み合わせた授業形態とし、学生自らの主体的・能動的な学びを促
すよう工夫する。さらに、講義・演習で得た知識・技能を統合し実践に結びつけるために
実習を配置する。
② 授業に適した学生数の設定
教育目的を効果的かつ確実に達成するために、講義形式の科目では教員1名で40名を
担当し、演習形式の科目では補助の教員が1名加わって教員1名で20名を指導するよう
に設定している。また、臨床実習は、学習段階および施設の状況に応じて次の学生数を配
置することを基本とする。見学実習(作業療法)はグループ関連施設での実習を基本に、
1施設につき3~5名程度、検査・測定実習・評価実習・総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
・総
合臨床実習Ⅱ(作業療法)は関連施設では1施設1~3名程度、関連施設以外では1施設
1~2名程度とする。
③ 授業配当年次の設定
配当年次は、総合教育科目から専門基礎(基礎医学系)科目、専門科目へと体系的な学
習が可能となるようにする。特に専門科目においては、専門基礎科目で修得した医学的基
礎知識を土台とし、知識、技術、実践・応用といた授業の内容と科目間の関係や履修の順
序に留意して配当した。ただし、作業療法士への動機付けや自覚を高める目的で、1年次
より専門科目の一部を配置する。
④ 成績判定
各授業の初回開講時には成績評価基準を提示する。これに基づき厳正な評価を行うとと
もに、客観的な評価基準を適用するために、GPA制度を利用する。
⑤ 履修登録
学生が興味に合わせて選択科目を履修し、履修期間がある一学期間に集中しないよう年
間の履修科目の登録上限は45単位、半期の履修科目の登録上限を25単位とした。履修
指導にあたる教員は、登録上限の範囲内で無理なく効果的に学べるように指導していく。
61
具体的な履修モデルとして、
「精神障害への支援を詳しく学習する履修モデル」と「認知
症高齢者への支援を詳しく学習する履修モデル」を示す。【資料カ-3】
作業療法学専攻における卒業に必要な取得単位数を126単位以上とし、その内容は以
下のように設定する(表10)
。
表10 作業療法学専攻卒業要件
区
分
必
修
選
択
卒業要件
総合教育科目
15単位
18単位以上
33単位以上
専門基礎科目
27単位
1単位以上
28単位以上
専 門 科 目
61単位
4単位以上
65単位以上
103単位
23単位以上
126単位以上
合
計
上記の単位を取得すると、卒業と同時に作業療法士国家試験受験資格が取得できる。
なお、他大学における授業科目の履修等の取り扱いは、学則に定める通りとする。
⑥ シラバスの作成
学生の履修計画支援としてシラバスを作成する。内容は、講義の内容と目的、授業計画、
評価、計画書、参考図書等を明示する。年度当初のオリエンテーションでは、理学療法士
作業療法士学校養成施設指定規則および理学療法士作業療法士養成施設指導要領を充足で
きるよう履修指導を行う。
62
キ 施設、設備等の整備計画
Ⅰ
校地、運動場の整備計画
1 校地
本学は、関連する医療福祉法人グループより、所有する横浜市戸塚区上品濃16-48他
の土地の一部を、長期の貸与を受け、設立予定地としている。校地はJR線東戸塚駅北西
約1kmに位置し、徒歩約15分と学生の通学の便も良い。周辺は緩やかな丘陵地帯で手
付かずの保存緑地を広く有する地域であるため、学生は静穏な環境の中で学習に励むこと
ができると考える。
敷地面積は6,629.41㎡であり、敷地内に大学本館(講義・実習・管理・厚生施設)
、
体育館・図書館棟を配置する他、隣接する建物内に一部の研究室等を配置する。加えて駐
輪場を設ける。隣接する医療法人社団健齢会 ふれあい東戸塚ホスピタル敷地内の保存緑地
を学生の休息および散策が可能な緑地とする他、体育館・図書館棟の最上階には屋上庭園
を配置し、学生が休息および憩いの場として利用できるよう整備する。
また、当地は隣接地にふれあいグループ施設である「ふれあい東戸塚ホスピタル」や「介
護老人保健施設ヒルズ東戸塚」、「有料老人ホームシニアホテル東戸塚イーストウイング
およびサウスウイング」があり、臨床教育の連携に極めて効果的である.
2 運動場
1)運動場の使用について
運動場は、1252.57㎡の敷地を本学校地と同区内に設ける。
本学における体育関係の授業については、「障害者スポーツ」と「レクリエーションスポ
ーツ」を設置した。両科目は年代、体力、障害等を考慮した身体運動の理論と実践を通じ
てSports
for
Allやノーマライゼーションの理念を養うことを目的として
設置しており、講義内容の特性から体育館を使用する科目として設定した。よって運動場
は主に部活動やサークル等の課外活動、行事等での使用を計画している。そのため学生の
使用希望に適切に対応し、使用しやすい環境を整備する。
2)運動場までの行程
通常、本学から運動場までは図4に示したとおり、所要時間として37分(電車待ち時
間含まず)かかるため、電車の待ち時間等を含めると、移動には45分程度かかることが
想定される。
63
移動にかかる時間の短縮および学生の安全面確保のため、原則、本学から運動場までの
移動はシャトルバスを利用することとする。シャトルバスでの移動については図5で示す。
○
本
学
徒
歩
(
1
5
分
)
○
東
戸
塚
駅
○
戸
塚
駅
J
R
(
5
分
)
○
踊
場
駅
横
浜
市
営
地
下
鉄
(
2
分
)
○
運
動
場
徒
歩
(
1
5
分
)
37分(電車待ち時間含まず)
図4 本学~運動場の行程(電車+徒歩)
○
本
学
○
運
動
場
7.55km
19分(渋滞時間含まず)
図5 本学~運動場の行程(シャトルバス)
Ⅱ
校舎等施設の整備計画
表11 湘南医療大学 校舎面積
施
設
面
大学本館(講義・実習・管理・厚生施設)
積
10,553.58㎡
体育館・図書館棟
3,195.11㎡
設備・機械室棟
196.75㎡
有料老人ホーム(一部使用)
699.70㎡
合
計
14,645.14㎡
大学本館(講義・実習・管理・厚生施設)および体育館・図書館棟は、保健医療学部看
護学科およびリハビリテーション学科の科目を履修するために、知識と看護およびリハビ
リテーション技術を習得するための施設として新築する。
64
〔本館〕
・ 1年次から4年次までの看護学、リハビリテーション学の講義を受講する講義室およ
び臨床実習に備え、技術を習得する実習室の他、カンファレンス室などを配置し、充
実した学習環境を整備する。
・ 学生にノートパソコンを無償貸与し、学内のどこでもインターネットを利用し、文献
検索や学習に必要な情報をいつでも取得できるよう全館に無線LAN環境を整備する。
・ 学生食堂、売店、屋上庭園などを配置し、学生の学習や研究を生活の面からも支援す
る施設整備を行う。
・ 大学本部施設として学長室、事務室、会議室、応接室等を配置する。
・ 教員の研究室および学生との面談などを行うカウンセリング室も配置するが、一部の
研究室は隣接する建物の地下1階を改修して整備する。【資料キ-1】
・ 教育課程、授業形態、学生数等から必要な諸室を表12の通り配置する。
表12 湘南医療大学 講義室等名称および面積
室
名
面積(㎡)
講義室
室数
86.85~222.28
17
カンファレンス室
15.24~32.74
11
基礎看護学実習室
358.05
1
臨床看護学実習室Ⅰ
210.97
1
臨床看護学実習室Ⅱ
134.88
1
在宅・公衆衛生看護実習室・日常生活活動実習室
135.77
1
87.16
1
基礎医学実習室
146.43
1
義肢装具兼障害者支援工学室
169.85
1
評価・測定・解析実習室
104.22
1
76.71
1
361.19
1
99.15
1
147.33
1
76.71
1
164.36
1
栄養学実習室
発達・高次脳機能障害実習室
理学療法学実習室Ⅰ・Ⅱ
理学療法学実習室Ⅲ
作業療法学実習室Ⅰ・Ⅱ
作業療法学実習室Ⅲ
評価実習室
65
〔体育館・図書館棟〕
・ 屋内運動場である体育館と情報検索コーナーを備えた図書館を整備する。
・ 本館同様、学内のどこでもインターネットを利用し、文献検索や学習に必要な情報を
いつでも取得できるよう全館に無線LAN環境を整備する。
・ 棟下に駐輪場を整備し、その脇に課外活動の一環であるクラブ活動に使用する部室を
6部屋整備する。
尚、本学は、神奈川県から看護職員等確保対策の促進及び地域医療体制の連携強化を期
待され、
「神奈川県地域医療再生計画(平成24年度補正予算)
」において、大学施設設備整
備補助を受ける。
Ⅲ
図書等の資料および図書館の整備計画
本学では、神奈川県の地域密着型の図書館として、学生および教員の主体的な学習・研
究をサポートすると共に、地域の医療従事者に対しても保健・医療・福祉・教育の分野に
おける図書館サービスを提供していく。
1 図書等の資料について
図書、その他資料については、
「豊かな人材と質の高い専門性を併せ備えた人材」、
「臨床
現場で連携できる医療人材」および「地域に必要な医療人材」の養成という大学設置の趣
旨を踏まえ、本学のカリキュラムの内容に沿ったものを以下のとおり選定する。
1)一般教養に関する図書・資料の選定
多角的な視野や柔軟な感性、幅広い教養を養うために、
「人間とコミュニケーション」、
「人
間と文化」、
「人間と健康」
、「人間と情報」、「人間と環境」、「人間の本質と尊厳」という科
目群の内容を反映したものを選定する。
2)専門分野に関する図書・資料の選定
看護学の分野として「人体の構造と機能・疾病の成り立ちと回復」、「健康支援と社会保
障制度」、「基礎看護学」、
「専門看護学」、「統合看護学」、「公衆衛生看護学」を反映したも
のを選定する。
また、リハビリテーション学の分野としては、
「人体の構造と機能および心身の発達」、
「疾
病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進」、
「保健医療福祉とリハビリテーションの理念」
、
「基礎理学療法学」、
「理学療法評価学」、「理学療法治療学」、「地域理学療法学」、「基礎作
業療法学」、「作業療法評価学」、
「作業治療学」、「地域作業療法学」を反映したものを選定
する。
66
上記、図書の蔵書構成として、開学前年度から3年計画で、一般教養科目2,650冊
(和書2,227冊、洋書423冊)、専門基礎科目3,846冊(和書3,493冊、
洋書353冊)、専門科目3,804冊(和書3,480冊、洋書324冊)、合計10,
300冊(和書9,200冊、洋書1,100冊)を系統的に選書して新規購入し整備す
る。
学術雑誌については、国内外の最新情報を知見することができ、教育・研究の資料とし
て活用度が高い有効な資料であるため、看護分野に関する学術雑誌を中心に、電子ジャー
ナルを含め120種(和雑誌100種、洋雑誌20種)を整備する。
また、文献検索、情報検索としてインターネットを利用するデータベースについては、
医学中央雑誌Web、最新看護索引Web、メディカルオンライン、系統別看護師保健師
国家試験問題Web、Nursing Resource Center を配備して幅広
い学術文献情報の検索や、文献の取得ができる環境を整備する。
視聴覚資料は、看護学・リハビリテーション学の各分野において技術の習得に欠かせな
いものであり、授業の予習・復習、学内演習、臨地実習、学生の自己修練には必須である。
視聴覚資料を用いての学習を効果的にするためにも、市販されている視聴覚資料はカリキ
ュラムの講義内容に沿ったものを購入し、また本学の各講座からのオリジナル教材も管理
する。視聴覚資料は268本を購入整備する。
2 図書館設備および管理について
図書館の面積は486.91㎡で、一般閲覧席(104席)、自習スペース(21席)、
AV視聴席(6席)、ブラウジングコーナー(8席)、グループ学習室(22席)および
レファレンス室(3席)を整備する。また、全館を無線LAN対応とし、場所を問わずネ
ットワークが利用できるよう整備する。【資料キ-2】
1つのフロアを勉強に集中できる場、レファレンスに集中する場、視聴覚を視聴する場
に分ける。所蔵冊数は開架書架で18,900冊を計画する。
管理については、図書管理システムを整備し、書誌情報をデータベース化し、適切な貸
出・返却サービス、蔵書点検等、図書館としての機能と利用者とが利便性を図れるシステ
ムを構築する。さらに、図書館のサービスの一環として、図書館のホームページを立ち上
げ、学生への情報提供やデータベース、電子ジャーナルなどインターネットを介して利用
できる環境を構築する。
また、図書館が学生をはじめとする利用者の学習・教育研究支援に効果的に機能するよ
うに、図書館職員等によるツアーガイダンス、レファレンスサービスを充実させると共に、
学術情報ネットワーク(NACSIS-CAT/ NACSIS-ILL)に参画し、他大
学や全国の国公私立図書館との文献相互利用サービスを提供していく予定である。
67
Ⅳ
看護学科各実習室の使用計画について
看護学科では、①基礎看護学実習室、②臨床看護学実習室Ⅰ、③臨床看護学実習室Ⅱ、
④在宅・公衆衛生看護実習室・日常生活活動実習室の4室を使用する。
実習室の使用には主に3通りある。
(1)教科目の授業で使用する。
(2)授業の前後に学生が技術訓練で使用する。
(3)臨地実習に備えた技術訓練で使用する。
(1)については、実習室を使用する授業が重ならないよう調整する必要がある。
各実習室について完成年度までの使用状況を調整し、重複していないことを確認した。
①基礎看護学実習室、②臨床看護学実習室Ⅰ、③臨床看護学実習室Ⅱの実習室の使用計画
は【資料キ-3】にまとめた。④在宅・公衆衛生看護実習室・日常生活活動実習室につい
ては、看護学科とリハビリテーション学科で共用するため、2学科の使用計画を立て前回
の申請時に提出した。
(校地校舎等の図面15頁 在宅公衆衛生看護実習室・日常生活活動
実習室 使用計画)
(2)と(3)の授業前後の技術訓練や実習に備えた実技訓練の際の実習室の使用は、授
業で使用していない時を利用する。しかし、実習室はできるかぎり使用したい時使用でき
る状況が望ましい。シラバスを基に各実習室前に使用予定表を掲示し、学生にも周知し計
画的な使用ができるようにする。また、各実習室の管理はルールを決めて行い、整理整頓
は教員と学生が協力し教育の一環として行う。
68
ク 入学者選抜の概要
Ⅰ
受入方針(アドミッションポリシー)
本学では、
「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」という理念に共感し、次のような学生を
求め、受け入れることとする。
【看護学科】
① 入学後の修学に必要な基礎学力を有している。
② 人が好きで、生命に対する倫理観がしっかりしている。
③ 保健・看護に対する意欲や関心が高く、この分野に貢献したいという目的意識と情熱
を持っている。
④ 入学後も生涯にわたって自己啓発・自己学習・自己の健康増進を継続する意欲がある
幅広い人間性、協調性と柔軟性を持ち、周囲の人々と良好な関係を保つことができる。
⑤ 自分の行動や考えに責任を持つことができる。
【リハビリテーション学科】
① 思いやりと敬意をもって他者と接することができる。
② 保健・医療・福祉・教育・研究に対する意欲や関心が高く、この分野に貢献したいと
いう目的意識と情熱を持っている。
③ 知的好奇心と創造性に富み、主体的、継続的に勉学する姿勢を持っている。
④ 積極的に課題を探求し、問題解決のために前向きに努力する。
⑤ 自らの行動や考えに責任を持ち、物事に真摯に取り組める。
Ⅱ
募集定員
各学科および専攻の募集定員は、下表の通りである。
(単位:人)
平成27年度
学科・専攻
看 護 学
入学
定員
募集定員
推薦入学試験
(指定校・公募)
一般入学試験
科
80
40
40
理学療法学専攻
40
20
20
作業療法学専攻
40
20
20
69
平成28年度以降
(単位:人)
募集定員
学科・専攻
看 護 学
Ⅲ
入学
推薦入学試験
定員
指定校・公募
一般入学試験
(指定校・公募)
(一般・センター)
科
80
40
40
理学療法学専攻
40
20
20
作業療法学専攻
40
20
20
選抜方法および選抜体制
入学者の選抜方法、選抜体制等については、入学者選考規程に基づき、入学試験委員会
を設置し、大学設置基準第2条の2に従い、準備から実施、合否判定に至るまで、公正か
つ適正な方法により実施するものとする。【資料ク-1】
1 一般入学試験
一般選抜試験においては、平成27年度(初年度)入学試験は、面接および基礎学力検
査(必須2科目、選択1科目)を実施し、その成績および調査書から総合的に評価して選
抜する。また、平成28年度入学試験以降は、大学入試センター試験利用型入学試験を導
入する。面接では、本学のアドミッションポリシーに適った人材であるかどうかを評価す
る。なお、入学試験は看護学科、理学療法学専攻、作業療法学専攻がそれぞれ個別に実施、
合否判定を行う。基礎学力検査では、本学における基礎教育科目との円滑な接続および看
護学、リハビリテーション学を学ぶ基礎学力を評価することを目的に、「英語」および「国
語」を必須科目とし、
「数学Ⅰ」、
「理科」(物理基礎・化学基礎・生物基礎から1科目)か
ら1科目を選択し、合計3科目とする。
平成27年度入学試験(案)
入学試験区分
選抜方法
面接、調査書、基礎学力検査
一般入学試験
【必須】「国語」
「英語」
【選択】
「数学Ⅰ」、
「理科」
(物理基礎、化学基礎、
生物基礎)
70
平成28年度入学試験以降(案)
入学試験区分
選抜方法
面接、調査書、基礎学力検査
一般入学試験
【必須】「国語」
「英語」
【選択】
「数学Ⅰ」、
「理科」
(物理基礎、化学基礎、
生物基礎)
面接、調査書、基礎学力検査
大学入試センター試験
利用型入学試験
【必須】「国語」
「英語」
【選択】
「数学Ⅰ」、
「理科」
(物理基礎、化学基礎、
生物基礎)
2 特別選抜試験
特別選抜試験においては、推薦入学試験(指定校・公募)を実施する。推薦入学試験(指
定校・公募)では小論文および面接、調査書・推薦書から総合的に評価する。面接や調査
書・推薦書では、高等学校における平素の学習力・態度・意欲および課外活動などの成果
を評価する。また、小論文では本学での基礎教育科目との円滑な接続および看護学、リハ
ビリテーション学を学ぶ基礎学力を評価することを目的に、論文課題の読解力や基礎知識
をもとに自分の考えを的確に表現し文章構成できる力を評価し、選抜することとする。
入学試験区分
選抜方法
推薦入学試験(指定校・公募)
小論文および面接、調査書・推薦書
3 編入学試験
編入学規程に基づき、保健医療学部看護学科への編入学試験を実施する。短期大学の看
護系学科(3年課程)を卒業または専修学校の専門課程を修了し、看護師免許を有する者
に対し実施し、学力試験(英語、専門科目)および小論文、面接、調査書から総合的に評
価する。
【資料ク-2】
入学試験区分
募集定員
編入学試験
10名
選抜方法
学力試験(英語、専門科目)、
小論文、面接、調査書
71
4 聴講生および科目等履修生
1)聴講生
聴講生規程に基づき、本学正規課程の学生の教育に支障がない場合に限り実施し、面接
および書類選考から総合的に評価する。
【資料ク-3】
2)科目等履修生
科目等履修生規程に基づき、本学正規課程の学生の教育に支障がない場合に限り実施し、
面接および書類選考から総合的に評価する。
【資料ク-4】
72
ケ 資格取得を目的とする場合
Ⅰ
取得可能な資格
学科・専攻等
看
看護師国家試験受験資格
護 学 科
リハビリテーション学科
Ⅱ
取得可能資格
保健師国家試験受験資格
理学療法学専攻
理学療法士国家試験受験資格
作業療法学専攻
作業療法士国家試験受験資格
資格取得の条件
1 看護師
本学保健医療学部看護学科において、卒業要件に必要な単位数を取得し卒業した者は、
看護師の国家試験受験資格を取得することができる。
2 保健師
本学保健医療学部看護学科が指定する卒業要件126単位以上の他に、必要な公衆衛生
科目を履修し、143単位以上取得した者は保健師の国家試験受験資格を取得することが
できる。
保健師の国家試験受験資格を取得することを希望する者は、定員20名の選択制を取っ
ているため2年次後期に申請を行う。履修者の選択方法・時期は、56~57頁の通りで
あるが、
「選抜基準」は2年次までの必修科目を全て取得し、成績評価が「良」以上、GP
A評価2.5以上となっている。履修者の選考は、
「公衆衛生看護履修者選考委員会」が行
う。
なお、保健師国家試験を受験する者の履修について定員を20名としたのは以下の理由
による。
神奈川県は保健師就業者率が全国最下位(平成24年衛生行政報告例(就業医療関係者)
の概況より)であり、かつ横浜市の地域特性として高齢者世帯や子育て世帯の増加が見込
まれており、地域住民の健康支援者として保健師に対する期待は高い。これまで保健師の
活躍の場は市町村を中心としていたが、ふれあいグループでは、今後、地域住民の健康レ
ベルに応じた支援を地域密着型で提供していくことを目指し、現在、病院に併設する健康
管理センターで行っている健康管理指導、患者の検診指導などの業務の拡大、介護保険施
73
設における保健師有資格者の積極的な採用等を計画しており、グループ内での保健師需要
は拡大すると見込んでいる。
また、高校生3624人を対象とした調査「興味がある(取得したい)資格」で、「保健
師」と回答した者が386人であった(丸善株式会社大学経営コンサルティング部
速報
。
値 平成26年1月)
多くの人々が望んでいる健康長寿社会に貢献度の高い保健師需要は、住民の立場からも、
次世代を担う若者の目指す職業観から見てもその需要は高まることが予測される。
保健師国家試験受験資格を取得するための科目のうち公衆衛生看護学8科目16単位を
3年次前期、臨地実習5単位を4年次後期に設定している。3年次前期は後期の集中実習
に備え復習や技術訓練を行う。4年次前期は在宅看護学実習、統合実習を履修し、後期前
半に保健師国家試験を受験するために必要な臨地実習が開始される。4年次後期は、必修
科目「チーム医療論」や「看護研究」を履修しながら国家試験対策や就職活動を行う。こ
のように、保健師の国家試験受験資格に必要な単位を取得するには、強い保健師志向と旺
盛な学習意欲、優れた知的能力、体力、人間力等を兼ね備えていることが求められる。
以上の諸条件を考慮して20名とした。また、神奈川県の実習受け入れ状況からみて2
0名以内であると提示されていた。
3 理学療法士
本学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻において、卒業要件に必要な
単位数を取得し卒業した者は、理学療法士の国家試験受験資格を取得することができる。
4 作業療法士
本学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻において、卒業要件に必要な
単位数を取得し卒業した者は、作業療法士の国家試験受験資格を取得することができる。
74
コ 実習の具体的計画
Ⅰ
看護学科
1 実習の構成と概要および実習先の確保状況
1) 実習の構成と概要
① 実習の構成
臨地実習は、4段階に構成した。
その第1段階は1年次に、看護実践の基礎・基本を学ぶ実習とし基礎看護学実習Ⅰを配
置した。第2段階は、看護過程の展開を通して、日常生活行動の援助を中心に、対象者に
適した援助のプロセスを2年次に基礎看護学実習Ⅱを配置する。第3段階は3年次に専門
看護学実習を配置し、対象特性を踏まえた援助を積み重ね、看護実践能力の基礎を実習す
る。第4段階として、4年次に在宅看護学実習において、地域住民の多様なニーズに応じ
た看護を関連職種と協働し実習する。また、統合実習では、これまでの学内と臨地実習で
の学びを統合させ、実習病棟や外来における看護管理者、チームリーダー、メンバーの役
割など、それらの実際を学び臨床現場で行われている看護実践の実際を実習する。
(図6)
必 修 科 目
選択科目
4年次 第4段階実習
看護を応用・ 発展させ、 関
連職種と協働し、 地域住
民の多様な ニーズ に応じ
た看護を学ぶ
統 合 実 習
公衆衛生看護学実習Ⅱ
在宅看護学実習
公衆衛生看護学実習Ⅰ
統合看護学実習
公衆衛生看護学実習
3 年次 第3 段階実習
対象特性を踏ま え た援助
を積み重ね、 看護実践能
力の基礎を学ぶ
精神看護学実習
母性看護学実習
小児看護学実習
老年看護学実習Ⅱ
老年看護学実習Ⅰ
成人看護学実習Ⅱ( 慢性期)
成人看護学実習Ⅰ( 急性期)
専門看護学実習
2年次 第2段階実習
看護過程の展開を通して 、
生活行動の援助を中心に、
対象者に適した援助のプ ロ
セス を学ぶ
基礎看護学実習Ⅱ
1 年次 第1 段階実習
基礎看護学実習Ⅰ
看護実践の基礎・ 基本を
学ぶ
基礎看護学実習
図6 臨地実習の構成図
75
② 実習計画の概要【看護実習資料1・2】
臨地実習では既習内容を統合させて学修する。その過程において、探究心と研究心を養
い、看護実践能力の基礎を学ぶ。さらに、看護の本質も追及する。よって、臨地実習でこ
そ「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」の建学の理念を深く学修でき、醸成・涵養するこ
とができる。以上から、臨地実習の概要を下記のようにした。
(表13)
表13 看護学科 臨地実習の概要と構成
区
分
実習科目
基礎看護学
基 実習Ⅰ
礎
看
護
学 基礎看護学
実習Ⅱ
成人看護学
実習Ⅰ
(急性期)
成人看護学
実習Ⅱ
(慢性期)
単位数等
授業概要
実習方法
実習年次
実習施設
1単位
45時間
本教科は、看護学実習のスタートとなる科目である。基礎的な
看護学の知識を看護の実践に繋げ、医療・看護が療養者中心
1年次 後期
に行われることの重要性について実際の看護場面を通して学
1週間(H27~)
ぶ。本科目の学習経験が看護の魅力を高め、より専門的な看護
学の学習に意欲的に取り組めるような学びとする。
5~6名が1グループとなって、医療施設(主に病院)
において実習する。学生は「看護とは何か」を学習す 病院
る。
2単位
90時間
了承の得られた患者を受け持ち、看護過程のプロセスを踏み
ながら看護を実践する。患者の背景、生活歴、健康観、人生観 2年次 後期
などを総合的に判断し、その人に必要な看護を考え、援助を行 2週間(H28~)
う。学びの過程を振り返り看護を探求し、次の学習に生かす。
5~6名が1グループとなって、成人系病棟において実
習する。学生は一人の患者を受け持ち、日常生活の 病院
援助技術を中心に看護過程を展開する。
3単位
135時間
「成人看護方法論Ⅰ(周手術期ケア・クリティカルケア)」での
学びを生かし、実際の医療現場で患者を受け持ち、その人がど
のような援助を必要としているかを考え、援助を実施する。行っ 3年次 後期
た援助がその人のニーズ解決に役立ったか否かを検証し、急性 3週間(H29~)
期看護の学びを深める。これらの学びは患者、病棟の協力のも
とで行う。
3単位
135時間
成人看護方法論Ⅱ(慢性期・ターミナル期)での学びを生か
し、慢性の経過をとる疾患をもち療養している患者を受け持ち、
その人が必要としているケアを考え、援助を実施する。行った援 3年次 後期
助がその人のニーズ解決に役立ったか否かを検証し、慢性期看 3週間
護の学びを深める。上記の学びの過程においては病棟の協力
を得る。
看成
護人
学看
実護
習学
、実
小習
児Ⅰ
看お
護よ
学び
実Ⅱ
習、
を老
ロ年
ー看
テ護
ー学
シ実
ョ習
ンⅠ
すお
る よ
。び
Ⅱ
、
精
神
看
護
学
実
習
、
母
性
5名~6名が1グループになり、成人系病棟
(外科系)で実習する。学生は外科的治療を
受ける成人患者1名を受け持つ。
病院
5名~6名が1グループになり、成人系病棟で
実習する。学生は慢性期等の患者を1名受け 病院
持つ。
・介護老人
保健施設
5名~6名が1グループになり、介護老人保健
・有料老人
施設、有料老人ホーム、認知症のグループ
ホーム
ホームにおいて実習する。
・認知症グ
ループホーム
老年看護学
専 実習Ⅰ
門
看
護
学
老年看護学
実習Ⅱ
1単位
45時間
高齢者の特性を理解するためのコミュニケーション技術、アセ
スメント技術について学習し、高齢者にとって健康に望ましい生 3年次 後期
活行動とはどのようなものかを考え、具体的な援助技術につい 1週間
て学習する。
3単位
135時間
これまでの知識、技術に加え、長年生活してきた高齢者個人
に対応するための知識・技術を深め、学習する。高齢者が療養
3年次 後期
する医療施設において臨地実習を行うことにより、健康問題のア
3週間
セスメントし、看護の実践力を高め、高齢者看護の役割りと機
能、チーム連携を学ぶ。
精神看護学
実習
2単位
90時間
精神科病院および地域リハビリテーション施設等の機能を知
るとともに、精神疾患をもつ患者の回復過程、社会復帰および
状態安定の維持に必要な看護援助について学習する。
母性看護学
実習
2単位
90時間
妊・産・褥婦と新生児の特徴を理解し、看護過程の展開を通し
て、対象に必要な看護を提供する。また、実習を通して生命の 3年次 後期
誕生とその神秘さ、人を尊び、命を尊び、併せて母性看護の役 2週間
割を理解することができる。
小児看護学
実習
2単位
90時間
健康な小児の成長・発達の特徴を幼稚園での生活や養育環
境を通して学習する。また、健康障害をもつ子どもとその家族の 3年次 後期
健康回復・維持・増進のための支援と健康教育の方法について 2週間
実習を通して学習する。
在宅看護学
実習
2単位
90時間
在宅看護活動を通して地域における看護の機能と看
護職の役割を学ぶ。また、在宅生活の中で看護を必要
4年次 前期
としているあらゆる健康のレベルにある人々やその家
2週間(H30~)
族を理解し、現状の生活をふまえた看護援助が実践で
きる基礎的技術と態度を学習する。
学生90名(編入学生10名含)が、学生は5~6名が1
グループになり、訪問看護ステーション、デイサービ
ス、地域包括支援センターで実習する。
2単位
90時間
外来、病棟での看護実践における看護管理者、 チー
ム リ ー ダ ー 、メ ンバ ーの 役割 、と その 実際 を学 習す
4年次 前期
る。また、複数の患者を受け持ち、優先順位を付 けて
2週間(H30~)
看護を実施する方法を学び、臨床現場で行われて いる
看護実践の実際を学習する。
学生90名が、前半と後半グループに分かれて実習す
る。専門看護学実習と同一病棟のいずれかの病棟と
その関連外来で実習する。5~6名が1グループにな
病院
り、2日程度は同時に複数(2名程度)の患者を看護師
と共に受け持つ。病棟等の管理やチームリーダーの
役割についても学ぶ。
4単位
180時間
地域保健福祉センターの実習を通して、地域社 会で
生活する住民や家族の個別保健ニーズと地域の健 康課 4年次 後期
題を包括的にとらえ、課題を解決するための地域 看護 4週間(H30~)
活動方法を学習する。
学生は2~3名が1グループになり、県域保健所およ
び地域保健福祉センターで4週間実習する。
1単位
45時間
公衆衛生看護活動展開の場である学校・産業保健、
病院の外来、訪問看護ステーションおよび老健施設で
4年次 後期
の実習を通して、それぞれの場における保健活動の概
1週間(H30~)
要と健康課題および実践されている看護活動の実際と
その展開方法について学習する。
・健康管理室
・学校
学生は2~3名が1グループになり、幼稚園、事業所の
・訪問看護
健康管理室、病院の外来、訪問看護ステーション、介
ステーション
護老人健康施設で1週間実習する。
・介護老人
保健施設
統
合
看
護
学
統合実習
公衆衛生看
公 護学実習Ⅰ
衆
衛
生
看
護 公衆衛生看
学 護学実習Ⅱ
76
3年次 後期
2週間
5名~6名が1グループになり、内科系、外科
系病棟で実習する。学生は1名の高齢者を受 病院
け持つ。
5名~6名が1グループになり精神科病棟で実
習する。学生は1名の患者を受け持つ。週一 病院
日はリハビリテーション部門で実習する。
4名~6名が1グループになり産科病棟で実習
する。学生は1名の妊産褥婦及び新生児を受 病院
け持つ。
4名~6名が1グループになり小児科病棟で実
幼稚園
習する。学生は1名の小児を受け持つ。また、
病院
実習初めの2日間は、幼稚園で実習する。
・訪問看護
ステーション
・デイサービス
・地域包括支
援センター
県域保健所、
地域保健福祉
センター
実習目的は、
【看護実習資料1】の3頁に記載のように「相手の立場に立ち、知識を統合
し、科学的・論理的判断に基づき、相手に適した看護を実践する。その活動を通して看護
実践能力の基礎を培うこと」とした。
2) 実習先の確保の状況【看護実習資料3・4】
実習先の確保は、ふれあいグループの病院および施設を中心に確保した。それらの施設
は、高度で最新の医療の提供と「人を尊び、命を尊び、個を敬愛する」とするグループの
理念のもと、安全で安心な看護を提供している施設である。学生の実習環境としては最適
な実習施設である。
学生受け入れ人数は、1病棟に4名~5名で配当した。また、学生1グループに、実習
指導者1名が専任で担当する。
なお、ふれあいグループ以外の2病院も同様に実習環境も整っている。
① ふれあいグループ内の実習先
ふれあいグループ内実習施設は、神奈川県内の病院が湘南東部総合病院、ふれあい横浜
ホスピタルはじめ7病院、神奈川県外の病院がふれあい沼津ホスピタルの1病院、合計8
病院である。また、病院以外のグループ内施設・幼稚園・訪問看護ステーションは、介護
老人保健施設ふれあいの丘、介護老人保健施設ふれあいの渚、みどり幼稚園など14施設
である。
② ふれあいグループ以外の実習先
ふれあいグループ以外の実習先は、病院は、小児看護学実習の東海大学医学部付属大磯
病院と横浜労災病院の2病院と公衆衛生看護学実習Ⅰで実習する保健所および市町村の施
設である。
③ 実習先が遠隔地の場合、その意図や巡回指導計画などの配慮
精神看護学実習において、静岡県にある「ふれあい沼津ホスピタル」で、40名の学生
が実習する。ふれあい沼津ホスピタルは、急性期医療から社会復帰・地域生活に移行する
まで、精神を病む人々の人権の配慮とQOL向上をめざし、質の高い看護が提供されてい
る。また、関連施設に「グループホーム」や「メンタルクリニックあゆみ橋」を併設し、
ベッド数は293床と恵まれている。このように社会復帰と自立支援をめざす精神科専門
病院で、実習する意義は大きい。
ふれあい沼津ホスピタルは実習施設までの移動時間が、大学より2時間9分で遠い。し
かし、ふれあい沼津ホスピタルの近隣の学生の場合は通学圏内であり、また、必要時は、
施設内に実習学生の宿泊棟も整備されている。
なお、実習指導体制は、担当教員1名が専任で1グループ5名の学生を受け持ち、実習
77
指導者と連携して実習指導にあたる体制をとる。
④ 専門学校との実習施設のすみわけについて 【看護実習資料18】
ふれあいグループが持つ実習施設(病棟)は【看護実習資料18】のとおりである。
平成27年度以降の基礎看護学実習Ⅰの実習時期は、開設年度以降完成年度までのすべ
ての実習スケジュールにおいて看護学科のみの実習となっており、茅ヶ崎専門学校との重
複はない。実習施設は【看護実習資料7】およびに【看護実習資料18】にある施設で実
習する。
平成28年度、基礎看護学実習Ⅱの実習時期は、看護学科のみの実習となっており茅ヶ
崎専門学校との重複はない。実習施設は【看護実習資料8】および【看護実習資料18】
にある実習施設で実習する。
平成29年度の基礎看護学実習Ⅱは看護学科と茅ヶ崎看護専門学校と同時期の実習スケ
ジュールであり、重複している。
しかし基礎看護学実習Ⅱの実習可能施設(病棟)が【看護実習資料18】のように8施
設(27病棟)である。
看護学科は【看護実習資料8】および【看護実習資料18】の赤丸のように、湘南東部
総合病院以下5施設(16病棟)で実習する。茅ヶ崎看護専門学校はそれ以外の実習施設
(病棟)で実習をすることが調整できており、実習施設(病棟)のすみわけができている。
平成29年度以降の3年次各看護学実習における実習施設(病棟)は以下のようにすみ
わけができている。
成人看護学実習、老年看護学実習は看護学科と茅ヶ崎専門学校が同時期に実習可能な実
習施設(病棟)数は【看護実習資料18】のように、成人看護学実習Ⅰは3施設(7病棟)
、
成人看護学実習Ⅱは6施設(20病棟)、老年看護学実習Ⅱは5施設(16病棟)である。
成人看護学実習および老年看護学実習において看護学科が実習する施設(病棟)は【看
護実習資料18】の赤丸のついている実習施設(病棟)である。茅ヶ崎看護専門学校と実
習施設(病棟)のすみわけができている。
小児看護学実習は、
【看護実習資料9】のように看護学科は、湘南東部総合病院および東
海大学医学部付属大磯病院と横浜労災病院の3実習施設で実習する。同時に実習する施設
は【看護実習資料9】のように2施設であり、茅ヶ崎看護専門学校との実習施設のすみ分
けができている。
母性看護学実習の実習施設は、
【看護実習資料9】および【看護実習資料18】のように
なっている。看護学科が湘南東部総合病院とふれあい横浜ホスピタルで実習することです
みわけできている。
精神看護学実習の実習施設は、
【看護実習資料9】および【看護実習資料18】のように、
看護学科は湘南東部総合病院とふれあい沼津ホスピタルで実習する。ふれあい沼津ホスピ
78
タルは【看護実習資料18】のように実習病棟は 7 病棟と十分な数があり、茅ヶ崎看護専
門学校および他看護専門学校と重複していないことを確認している。
平成30年度4年次の統合実習の実習可能施設(病棟)は、
【看護実習資料18】のよう
に実習施設(病棟)は、7施設(25病棟)である。看護学科が同時に実習する実習施設
は【看護実習資料12】のように9病棟であり、茅ヶ崎看護専門学校との実習すみわけが
できている
また指導者の確保についても専門学校との調整が済んでおり、すみ分けができている。
以上から臨地実習の実施に問題は生じない。
2 実習先との契約内容
1)個人情報保護 【看護実習資料5】
個人情報の保護については、実習施設とも十分に協議し、医療者としての職業倫理とあ
わせて、
「実習における個人情報の保護」に基づいて徹底した指導を行う。基本事項として
は、
「カルテの閲覧」
、
「記録・メモの取り扱い」、
「学生自身の個人情報の取り扱い」などで
ある。これら実習中に知りえた秘密事項は、実習期間中はもとより、実習終了後も遵守す
るよう指導する。
2)事故防止【看護実習資料1】
事故防止については、【看護実習資料1】臨地実習要項(6~12頁)に基づいて、個人
情報の保護、感染予防、実習時の注意事項等を実習施設と十分に協議する。その上で、学
生には実習ガイダンスで【看護実習資料1】に基づいて、事故防止について十分に指導す
る。
また、事故が発生した場合は、
【看護実習資料1】10~11頁に記載のように、事故発
生時の対応や針刺し事故時の対応に沿って迅速に対応するようにする。さらに傷害保険に
加入することを勧め、学生保険加入を実習の前提条件にする。
3 実習水準の確保の方策
各実習施設に各看護学実習の概要を説明する。また、実習先からの助言や要望、意見を
聞く機会として、定期的な会議を次項記載のように設ける。これらの会議や日々の実習時
の関係性、コミュニケーションを通し、実習指導における問題点を検討し、実習の水準を
確保する。
学生は多様な実習施設で実習する。それら実習状況の発表や実習まとめのカンファレン
スにより学びを共有し相互学修をする。それら学生たちの意見を担当教員は実習指導者と
の「実習まとめの会議」
(80頁)にも反映させ、実習施設間での実習水準の確保に努める。
79
4 実習先との連携体制
各実習施設と看護学科との連携を密にする目的で連携体制を次のように整える。
1)実習施設との会議による連携
開学前と開学後に、定期的な会議を実施し連携を図る。会議の種類は以下である。
a)実習調整会議
b)実習担当者会議
c)実習まとめの会議
① 開学前の実習調整会議
設置認可後に、看護学科長、設立準備室教員が各実習施設に赴き、病院等の看護部長、
教育担当部長等と「実習調整会議」を開催する。その目的は、臨地実習の概要を説明し実
習施設との連携を図ることにある。
会議内容は、教育理念、教育目的・目標、教育課程の編成の考え方および特色、実習目
的・目標をはじめ、各看護学実習の実習目標などである。また実習に関する全体的な事柄
についても協議・調整する。
② 開学後の定期的な会議
a)実習調整会議
実習調整会議の実施回数は、年度初めと全実習終了時の2回とする。
構成メンバーは、大学側は、保健医療学部長、看護学科長、各看護学領域の教授とし、
実習施設側は、看護部長、教育担当部長とで構成する。
会議内容は、教育理念、教育目的・目標、教育課程の編成の考え方および特色、実習目
的・目標をはじめ、各看護学実習の実習目標などである。また実習の具体的な進め方につ
いても調整する。
実習終了時の会議では、次年度実習の確認をする。
b)実習担当者会議
実習担当者会議は、年2回程度開催する。
構成メンバーは、大学側は、学科長、実習領域の教授はじめ各看護学領域の専任教員お
よび助手とする。実習施設側は実習病棟および実習施設の看護師長、実習指導者で構成す
る。
会議内容は、実習開始時には、実習要項に基づいて、実習全体の確認と調整をする。ま
た指導方略などを協議する。
80
実習終了時の会議内容は、各看護学実習目的・目標の到達度、実習方法等の評価会とす
る。そしてそれらを次年度実習に反映させていく。
c)実習まとめの会議
学年末に、大学において、大学および実習施設側の実習指導関係者が一堂に会し、まと
めの会議を行う。
構成メンバーは、大学側は、湘南医療大学長、保健医療学部長、看護学科長および全専
任教員とし、実習施設側は、看護部長、教育担当部長、実習指導者等とする。
会議内容は、年間の臨地実習全体のまとめ、実習目的・目標の到達度の報告をする。ま
た、課題の整理と解決策等である。
必要によっては、実習指導事例等を題材にFDを実施する等、相互に研鑽し効果的な実
習指導を目指し、79頁の実習水準の確保の項でも述べたように、各実習施設の実習水準
を確保することとする。
2)担当教員と実習指導者との連携
①臨地実習における連携体制
円滑で効果的な教育を行うために、大学は実習施設との連携体制を整え、密接に連携し
て下図のように実習指導に当たる。
学科長と看護部長とは開学前の会議(80頁)の項でも述べたように、設置認可後に第
一段階の実習調整会議をもつ。その会議での調整内容を学科長は、各看護学領域の教員等
に伝達し連携する。
実習施設側は、配下の病棟看護師長等に伝達する。以下、このように連携体制図により、
十分な連携を行う。
(図7)
81
大
学
実
学科長
習
施
設
看護部長
(
各看護学領域教授
教育担当部長)
病棟看護師長
各看護学領域准教授
実習指導責任者
各看護学領域講師・助教
各実習指導者
(助手)
図7
臨地実習の連携体制図
②担当教員と実習指導者の役割および連携方法
担当教員と実習指導者は、それぞれに指導上の役割をもち連携を持って、実習指導にあ
たる。
担当教員のおもな役割は、学生の体験の意味づけ、既習の諸理論の統合化への助言・指
導等に主たる責任をもつことである。担当教員は実習前に学内で学生に実習ガイダンスを
実施し、学生が実習前の準備ができるようにかかわる。そして、学生とともに実習施設に
赴く。
実習指導者のおもな役割は、患者に提供するケアについての主たる責任をもつ。その上
で、実習場のオリエンテーションや受け持ち患者の選定などを教員と連携しながら行い、
受け持ち患者を決定する。また、受け持ち患者の情報提供などを担当教員と学生に行い、
学生がスムーズに、そして効果的な実習ができるように支援する。必要時は臨地実習同意
書を取り交わす。
学生は了承の得られた患者を受け持ち、実習指導者や看護職員および教員に患者ケアの
指導を受けながら看護実践を行う。また、学生は患者ケアの実践や実習指導者・看護師、
担当教員、学生同士とのかかわりを通して得た学びを学内での学びと統合させ、看護実践
能力が身につくように主体的に、そして自律的に実習する。
(表14)
82
表14 担当教員と実習指導者の役割
担当教員の役割
実習指導者の役割
学生の体験の意味づけ、既習の諸理論の統
患者に提供するケアについての主たる責任
合化への助言・指導の主たる責任をもつ
をもつ
① 実習計画立案、事前実習ガイダンス
① 実習場についてのオリエンテーション
② 学生の実習記録等に関する助言・指
② 実習環境および諸問題の調整(対象者の
導
選定と承諾の確認、情報提供・紹介、ス
③ 対象者へのケアと実習記録などに関
する助言・指導
タッフ等への紹介など)
③ 対象者へのケアと実習記録などに関す
④ 学生カンファレンスへの参加・助
言・指導
る助言・指導
④ 学生カンファレンスへの参加・助言・指
⑤ 実習の評価(学生個々の課題の明確
化への助言・指導を含む)
導
⑤ 実習評価に関する実習情報の提供 等
⑥ 学生の健康管理への助言・指導
3) 担当教員の臨地研修および勉強会における連携
担当教員は事前に約1週間程度の臨地研修を実施する。その研修で担当教員は実習施設
とのコミュニケーションを図るとともに臨地実習の場を把握する。また実習指導者と受け
持ち患者を検討するとともに実習指導計画を立案する。
さらに実習指導者との勉強会等を企画する。一例として実習指導事例を教材化し、相互
に研鑽することを通して実習指導能力の向上に努めるとともに連携を図る。
4)緊急時の連絡体制等
24時間体制で緊急連絡ができるように、大学で準備した携帯電話を所定の教員が携帯
する体制で対応する。看護学科の実習期間中は、実習施設ごとに責任者が緊急連絡用の携
帯電話を持ち対応する。また、学長への報告等の体制も整えておく。
5 実習前の準備状況(感染予防対策・保険加入状況・災害発生時の対応)
1) 感染予防対策
入学が決定した段階で、入学生と保護者宛に、指定された感染症抗体価の検査を受ける
こと、必要時は予防接種の勧奨を文書により通知する。そして、入学時にはそれらの確認
83
も含めて感染予防に努める。
また、感染予防対策として、【看護実習資料1】7~8頁に記載のように、学生自身が感
染源、あるいは感染を媒介することのないように健康管理に日頃から十分に注意すること
を指導する。
実習中には、担当教員は学生に日々の健康観察の大切さを指導し、感染予防を意識して
実習することを指導する。
2) 保険加入状況
保険加入は臨地実習履修の前提とする。それらを実習委託契約書に明記し、公文書を取
り交わす。また、
【看護実習資料1】10頁に記載のように保険加入を学生に周知・ガイダ
ンスする。
3) 災害発生時の対応
実習中の災害発生時の対応を各実習施設と協議し、実習要項に明記する。(【看護実習資
料1】11頁)
学生は実習初日に実習施設における災害発生時の対処方法、特に、災害等発生時の施設
における初動時の行動等施設の取り決め、一時避難場所、広域避難場所等の説明を受ける。
その上で実習を開始する。
学生はこれらを通して臨地実習においても自己の安全を確保することの大切さや防災意
識を学修する。なお災害発生時の対応や安全確保などは、入学時や平常時からも意識向上
するように指導していくこととする。
84
6 事前・事後における指導計画
1)臨地実習における前提条件
入学時および進級時ガイダンスにおいて、学生に臨地実習履修の前提条件を示し、それ
らの科目修得済、或は修得見込みにより実習が履修できることを十分に説明する(表15)
。
表15 臨地実習における前提条件
前提条件科目
実習科目名
年次
当年度に修得済み、ないし修得見
込みであること
修得済みで
あること
看護学概論
看護援助論Ⅰ(看護技術概論)
基礎看護学実習Ⅰ
1年次
看護援助論Ⅱ(生活援助技術)
看護援助論Ⅲ(診療に伴う援助技
術)
基礎看護学実習Ⅱ
3年次後期以降
臨地実習
2年次
3・4年次
看護援助論Ⅳ(健康診査)
基礎看護学
看護援助論Ⅴ(看護過程)
実習Ⅰ
3年次前期までの必修科目を修得済み、ないし修
得見込みである。
2)事前・事後における指導計画
①実習ガイダンスの実施
担当教員は、実習前に実習要項に基づいて各看護学実習全体のガイダンスを実施する。
また、各看護学実習の実習目的・目標、実習方法等の他に、各看護学領域実習に必要な基
本的ルール・態度、個人情報の保護および事故防止等も指導する。
②臨地実習中の指導
臨地実習中は、担当教員は常に実習指導者と連携し、実習が充実し、且つ学修が促進さ
れるように指導する。特に、担当教員は当該実習科目における学生のレジネスを踏まえ、
実習指導案を作成し実習指導者に提示する。また担当教員は、個々の学生の到達度等に課
題が発生した場合は、タイムリーに指導者と指導方略等を協議する。必要に応じては、学
生個々の実習個別指導案を作成し、実習指導者とさらによく協議し、知識・技術・態度の
指導にあたる。
85
③実習終了後の指導
担当教員は、実習終了後にも実習記録、実習成果の報告書、課題レポートにより学習支
援を行う。特に、知識・技術の不足内容や誤った認識等があった場合は、その改善に向け
て指導する。さらに、より伸長すべき学習内容についても指導する。これらにより学生は
実習終了後においても主体的に学修する姿勢を養い、自主性や自律性をさらに高めていく。
3)科目別実習計画
各看護学実習における実習目的、実習目標、実習場所、実習方法(グループ構成、指導
体制、実習ガイダンス、具体的実習方法、カンファレンス、および単位認定)の詳細につ
いては【看護実習資料2】に記載のとおりである。またシラバスによってもガイダンスす
る。
7 教員および助手の配置並びに巡回指導計画
1)各看護学実習における教員および助手の配置
①基礎看護学実習における教員・助手の配置 【看護実習資料6・7・8】
基礎看護学実習Ⅰでは、看護実践の基礎・基本を学習する。また、基礎看護学実習Ⅱで
は、看護過程の展開を通して、生活行動の援助を中心に、対象者に適した援助のプロセス
を学習する。その構成は、1年生で実習する基礎看護学実習Ⅰと2年生で実習する基礎看
護学実習Ⅱの2段階である。それらの実習は1学年の学生80名が一斉に実習する形態を
とっている。
【看護実習資料6】
基礎看護学実習ⅠおよびⅡの実習は、湘南東部総合病院、ふれあい横浜ホスピタル、ふ
れあい東戸塚ホスピタル、茅ヶ崎中央病院、および、茅ヶ崎新北陵病院の5病院で実習す
る。学生は16グループに分かれて実習する。
基礎看護学領域の教員は教授以下4名配置である。担当教員と助手の配置は、【看護実習
資料6・7】のように、一名の教員が1~3実習施設、学生グループは3~6グループを
担当する。実習担当病院は実習施設までの移動時間を勘案して配置した。【看護実習資料
7・8】
② 専門看護学実習【看護実習資料9・10・11】
専門看護学実習は、
【看護実習資料9】にあるように、成人看護学実習Ⅰ・Ⅱ、老年看護
学実習Ⅰ・Ⅱ、小児看護学実習、母性看護学実習、精神看護学実習はローテーションを組
んで3年次後期に実習する。
成人看護学実習Ⅰの実習は、ふれあいグループ内の湘南東部総合病院、ふれあい横浜ホ
86
スピタルの2病院、成人看護学実習Ⅱは、湘南東部総合病院、ふれあい鶴見ホスピタル、
茅ヶ崎新北陵病院の3病院で実習する。
老年看護学実習Ⅱの実習は、ふれあい東戸塚ホスピタル、ふれあい鶴見ホスピタル、茅
ヶ崎新北陵病院の3病院で実習する。
小児看護学実習は、湘南東部総合病院で40名、東海大学医学部付属病院で15名、横
浜労災病院で25名の学生が実習をする。
これらの専門看護学実習の教員および助手の教員担当は、
【看護実習資料9】のように配
置した。
成人看護学実習ⅠおよびⅡの担当教員は、学生の2グループ(2病棟)を担当する。
老年看護学実習Ⅰの教員の配置は、
【看護実習資料10】のようにした。学生は、介護老
人保健施設、有料老人ホームおよび認知症グル―プホームに分かれて実習する。実習スケ
ジュールは、学生は同一施設に4日間実習し、最終日のカンファレンスで各実習施設での
学びを学生間で共有する形態とした。それにより、学生は高齢者にとって健康で望ましい
生活行動とはどのようなものかを実習する。
小児看護学実習の担当教員の配置は【看護実習資料11】のようにした。みどり幼稚園
への教員の配置は1名とした。幼稚園の実習を通して学生は健康な小児を理解する。その
後に、病院実習を計画し、小児科外来と病棟での実習を通して、病児の理解、健康回復・
維持・増進のための支援について実習する。
小児看護学実習のローテーションは、みどり幼稚園を2日、各病院の小児科外来を3日、
小児科病棟の実習を4日とした。最終日にまとめのカンファレンスを行い、学びを共有と
統合、課題の整理をすることとした。
母性看護学実習の教員配置は【看護実習資料9】にあるように、教授、准教授を配置し
た。
精神看護学実習の教員の配置も【看護実習資料9】のとおりである。なお、精神看護学
実習のうち一日は、地域リハビリテーション施設であるティーエイチピーメディカルクリ
ニックで実習する。
精神看護学実習施設のふれあい沼津ホスピタルは、大学から実習施設までの移動距離が、
2時間9分と遠い。担当教員は助教が専任で担当し、講義のない時は准教授の一名も実習
指導を担当し、指導のサポートや実習指導者や実習指導責任者との連携を密に図るように
配置した。
③統合看護学実習【看護実習資料12・13】
在宅看護学実習は4年次前期に配置している。実習施設は、ふれあいグループ内の訪問
看護ステーション、デイケアサービスセンターおよび地域包括支援センターである。2週
間の実習スケジュールと担当教員は、
【看護実習資料13】のように配置し、各実習施設で
の学びをカンファレンスにおいて共有・統合する形態とした。
87
統合実習は、湘南東部総合病院、ふれあい横浜ホスピタル、ふれあい東戸塚ホスピタル、
茅ヶ崎中央病院、ふれあい鶴見ホスピタル、ふれあい平塚ホスピタル、茅ヶ崎新北陵病院
の7病院である。学生は、編入学生10名を含めて90名を18グループに分かれて実習
する。さらに前半グループと後半グループに分かれる。編入学生は学部学生との混合グル
ープで実習することで、相互に刺激し合い、また意欲的に学修できるグループ編成、学修
環境づくりとする。
統合実習の担当教員および助手は【看護実習資料12】のように配置し、1グループを
担当するようにした。また、統合実習の科目責任者を一名配置し、19名(助手2名は含
まない)の教員で担当する。科目責任者の担当教員は統合実習全体の調整・統括的役割を
持つことにした。
なお、茅ケ崎新北陵病院で実習する学生の帰宅においては、交通機関が少ないことが懸
念される。それに対しては、ふれあい学園グループのシャトルバスの利用で、学生の帰宅
時の安全と利便性の確保を図る予定で調整している。
④公衆衛生看護学実習【看護実習資料14】
保健師課程履修者の公衆衛生看護学実習は、ⅠとⅡで構成している。公衆衛生看護学実
習Ⅰは、保健所および市町村の実習となる。
公衆衛生看護学実習Ⅱは、訪問看護ステーション、幼稚園、病院の外来、介護老人保健
施設、および事業所の健康管理室でそれぞれ一日ずつ実習する。その実習スケジュールと
教員の配置は【看護実習資料14】のように教員2名で担当するようにした。
【資料オ-4】
【看護実習
2)担当教員等の巡回指導計画および指導体制 (【資料オ-1】
資料15】
)
各実習施設への移動時間は、
【看護実習資料15】にまとめた。もっとも遠距離のふれあ
い沼津ホスピタル(精神看護学実習)が2時間を超えるが、その他の施設は5分~1時間
前後であり、これらを勘案し担当教員の配置を行った。
指導担当は、既述(86頁)の通り、一人の教員が担当する学生グループ(5名)は、
基礎看護学実習は3~6グループ、専門看護学実習の成人看護学実習および老年看護学実
習は2~4グループ、小児看護学実習、母性看護学実習、精神看護学実習では1グループ
である。
実習指導体制については、次のような対策をとることにより指導の質を担保する。
①指導には各看護学の専門領域の助教以上の教員が当たる。
②基礎看護学実習、成人看護学実習のように、一部助手が担当する領域では教授、准教
授が指導の責任を持つ。
③担当教員が教育・研究・委員会等の活動の際は、臨時に大学で任命した臨地実習助手
に指導を依頼するシステムとする。
88
④担当教員と実習指導者との連携体制については、「4
実習先との連携体制」(80~
83頁)で詳述した。
次に、実習期間中も教育・研究・委員会活動等、大学教員としての活動が円滑に推進で
きる体制づくりについては次の通りである。
実習期間中講義・演習科目を同時に担当することは最小限となるよう調整した【資料オ
-1】
。しかし、実習期間中講義科目を並行して担当する教員もいる。教員ごとの活動計画
を把握するため、全教員が就任する担当科目予定を曜日によって確認した(【資料オ-4】)。
その結果を、実習科目別教員担当表【看護実習資料7~14】と照合し、実習期間中講義・
演習科目を同時に担当する教員ならびにその教員の所属領域を明らかにし、その間の実習
指導体制について検討した。
89
表
臨地実習と講義科目の重複と対策
講義と重複する期間、曜日、時限
成
人
①29 年度:9.25~1.26 の間の 11W
教授
看
護
学
②30 年度:9.24~2.1 の間の 11W
金-Ⅱ・Ⅲ
木-Ⅴ・金-Ⅱ・Ⅲ
①29 年度:9.25~1.26 の間の 6W 金-Ⅱ・Ⅲ
講師
教授
②30 年度:9.24~2.1 の間の 11W
対策
木-Ⅴ・金-Ⅱ・Ⅲ
教授、講師の指導の
もとに助手 2 名を当
てる。
①29 年度:10.2~1.12 の間の 6W 火-Ⅱ~Ⅴ
講義・実習が重複す
②30 年度:10.1~1.25 の間の 6W 火-Ⅱ~Ⅴ
る期間は、29 年度・
30 年度とも計 6W
老
助教 1
①29 年度:10.2~1.12 の間の 6W 火-Ⅱ~Ⅴ
であるが、【資料オ
②30 年度:10.1~1.25 の間の 6W
-4】の通り、1~2W
火-Ⅱ~Ⅴ
年
の実習後次の実習
看
開始まで 1~2W 空
護
いていることから、
学
助教 2
①29 年度:10.2~1.12 の間の 6W 火-Ⅱ~Ⅴ
②30年度:10.1~1.25 の間の 6W 火-Ⅱ~Ⅴ
連携により対応す
る。
臨地実習助手との
母
連携により対応す
性
看
臨地実習助手との
教授
護
①29 年度:11.24~1.19 の間の 4W 木-4
る。
②30 年度:9.24~1.25 の間の 10W 木-Ⅳ,Ⅴ、
学
在
教授
30 年度:6.4~7.13 の間の 6W
火-Ⅳ,金-Ⅳ・Ⅴ
宅
看
なるため、講義と並
准教授
30 年度:6.4~7.13 の間の 6W
木-Ⅳ・Ⅴ
助教
30 年度:6.4~7.13 の間の 6W
木-Ⅳ・Ⅴ、金-Ⅰ・Ⅳ・
護
学
巡回指導が中心と
Ⅴ
90
行して担当する。
3)大学における実習内容―専門学校との相違点―
看護学科における実習内容の担保及び実習指導体制とそれらの茅ヶ崎看護専門学校との
相違点は大きく以下3点である。
① 実習内容はエビデンス(科学的根拠)に基づき、またPDCAサイクルを回し、学生
が主体的に考え判断し行動する実習内容である。その指導体制は以下である。
ア 実習指導は各看護学領域の専門分野の助教・講師以上の専任教員が担当する
イ 大学が各実習部署に1名以上の実習指導助手を任命する
ウ 実習指導者との十分な連携の上での実習指導がなされる(81頁)
エ 学生4名~5名で1グループが構成され、きめ細かい指導が展開される
② 専門学校との教育課程における相違点
ア
教養教育を総合教育科目として区分され、必修科目16単位、選択科目17単位合計
33単位以上の履修を卒業要件としている
イ
各看護学は、領域専門の教授陣により教授され、学生は幅広く、また最新の学問・看
護理論等を学習できる
ウ 健康支援に役立つ科目を必修として履修する
健康支援と社会保障制度区分の「疫学」
、「保健統計学」
、また公衆衛生科目区分の「公
衆衛生看護学概論」
、
「健康危機管理論」を必修として学習する。
以上の学習内容をエビデンスとして実習展開ができる。また、その視点で担当教員は実習
指導にあたる。
③ 専門学校に比較して整備された学習環境
ア
専門学校に比較し整備された図書館により、医療、看護における最新情報等の文献検
索が可能である。
イ
実習施設と大学が近距離にあることから、実習期間中にも容易に文献検索ができ、そ
れらを活用したカンファレンス等実習内容が充実する
ウ 演習室、グループ学習できる教室の充実
実習に向けて学内演習を充実させ、またグループ学習することにより、実習の自薦・
事後学習ができる。
以上、実習内容の充実、指導体制の担保および学習環境の充実により、学生は保健医療学
部のディプロマポリシー(7頁)の到達が可能となる。学生は将来に渡って自らの専門領
域を実践し続ける素地を学習し、卒業後も自己成長できる実習内容と指導体制を担保して
いる点が専門学校と相違点である。よって、4 年制大学としてふさわしい実習内容が担保さ
れている。
91
8 実習施設における指導者の配置計画
1)実習指導者の配置
実習施設には、各実習部署に実習指導者を一名以上配置する。また、各施設に実習指導
責任者を置く。実習指導責任者は、臨地実習の連携体制の推進と担当教員および実習指導
者が効果的な指導が展開できるように調整する役割を担う。
なお、実習指導者の詳細は【看護実習資料2】の科目別実習計画に記載のとおりである。
2)臨地実習助手(実習指導者)の任命とその条件
臨地実習施設の指導者で、所属施設長の推薦を受けた者に対し大学より実習助手を書面
で任命する。名称は「臨地実習助手」とする。その条件は、以下とする。
①
臨床経験年数は5年以上とし、そのうち担当領域については3年以上とする
②
実習指導者研修を修了している
③
学士の学位を持っている
④
担当領域について相当の学識経験を有し、かつ、所属施設長の推薦を受けた者
なお、①、②の条件は必須条件とし、③、④についてはいずれかの条件を備えているこ
ととする。
3)臨地実習助手の配置見込
臨地実習助手の配置見込は各実習病棟に一名以上を任命する見込みである。
例えば、平成27年度に実習する基礎看護学実習Ⅰでは、資料【看護実習資料2-1・
2】および【看護実習資料7】のように、学生80名が16グループに分かれて実習する。
この実習では、臨地実習助手は16名以上を配置する見込みである。その内訳は、湘南東
部総合病院が6ヶ所の病棟、ふれあい横浜ホスピタルが2ヶ所、ふれあい東戸塚ホスピタ
ルが2ヶ所、茅ヶ崎中央病院が2ヶ所、そして茅ヶ崎新北陵病院は4ヶ所の病棟に各1名
以上ずつの合計16名以上が任命される見込みである。
また、平成28年度以降の各看護学実習における臨地実習助手の配置見込も同様である。
9 成績評価体制および単位認定方法【看護実習資料1】
1)全日程の4/5以上を出席することで単位認定の資格を得る。
2)各看護学実習の評価は出席状況、実習報告書、実習評価表などを基にして臨地実習担
当教員全員による総合的な判定で行う。その際、実習指導者の意見も参考にして成績
評価に反映させる。
92
なお、成績評価体制および単位認定方法の詳細は、
【看護実習資料1】6頁に記載のとお
りである。
10 教育課程と指定規則との対比表【看護学科資料16・17】
看護師学校および保健師学校の教育課程と指定規則との対比表は【看護実習資料16・
17】のとおりである。
11 その他特記事項
なし
93
Ⅱ
リハビリテーション学科
1 理学療法学専攻
1)実習の構成と概要および実習先の確保状況
①臨床実習の構成と概要(「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則(指定規則)」等
との対比)
臨床実習は1年次から4年次において表16・17のように「見学実習(理学療法)
」、
「評
価学実習」
、
「総合臨床実習Ⅰ(理学療法)」、
「総合臨床実習Ⅱ(理学療法)
」で構成した。
1年次の「見学実習(理学療法)
」では学習意欲の向上と将来像構築を目標とした早期体
験実習を行う。
3年次の「評価学実習」では学内の講義・演習で学んだ各種の評価法を対象者に適応さ
せ、結果の記載方法等を実際に体験的に学ぶ。
4年次の「総合臨床実習Ⅰ(理学療法)」、「総合臨床実習Ⅱ(理学療法)」では評価から
治療実践までを行い、総合的に理学療法を体験しリハビリテーションチームの一員として
の役割を学ぶ。また、本実習では学内教育で得た知識・技術を統合するとともにリハビリ
テーション医療の専門職に求められる適切な行動・態度、責任感を身につける機会とする。
その過程において探究心と研究心を養い、科学的根拠に基づいて判断できるよう、対象者
とその家族のもつ身体的・精神的・社会的な課題や問題を解決できる実践力を養成する。
指定規則(平成11年改正)に定められた臨床実習単位数18単位、ならびに臨床実習
総時間数810時間を満たし、1年次から4年次の学習を段階的に進められるように配当
年次に配慮した。また、指定規則では「18単位のうち実習時間の三分の二以上は病院ま
たは診療所にて行うこと」とされている。本専攻においては、「見学実習(理学療法)」を
除く3つの実習を病院等で実施する。
94
表16 理学療法学専攻 実習の概要と構成
実習科目
見学実習
(理学療法)
評価学実習
単位数等
実習概要
実習年次
1単位
45時間
学内で学んだ理学療法の基礎知識を基
に、病院・施設での見学実習を通じてリ
ハビリテーションの位置づけや各医療ス
タッフの業務内容・連携、また理学療法
士の具体的な業務を学習し、今後の授業
に活用できるようにする。
1年次前期
(8月上旬)
1週間
(H27年度~)
実習方法
実習施設
1施設に4~
5名の学生を 関連施設
依頼する。
3年次後期
各施設における実習指導者の指導・監督
(1月第2週~
1施設に1~ 神奈川県内
4単位
の下、実際の症例に対して理学療法評価
2月第2週) 3名の学生を および
180時間 を行い、その結果の解釈・統合、さらに
4週間
依頼する。
都区内の施設
治療計画の立案までを体験する。
(H29年度~)
3年次までの学内および学外学習を通じ
て得た知識・技術を駆使して、評価、
ゴール設定、プログラム立案、治療の実
総合臨床実習Ⅰ
7単位
践までの理学療法の問題解決プロセスを
(理学療法)
315時間
体験する。また本実習を通じて、リハビ
リテーション・チームとしてのアプロー
チについても学ぶ。
4年次前期
(4月第2週~
5月第4週)
7週間
(H30年度~)
1施設に1~ 神奈川県内
3名の学生を および
依頼する。
都区内の施設
3年次までの学内および学外学習を通じ
て得た知識・技術を駆使して、評価、
ゴール設定、プログラム立案、治療の実
4年次前期
践および再評価を行う理学療法の問題解 (6月第2週~7月 1施設に1~ 神奈川県内
総合臨床実習Ⅱ
7単位
決プロセスを体験し、その知識・技術、
第4週)
3名の学生を および
(理学療法)
315時間
さらには価値観を高い次元で統合する。
7週間
依頼する。
都区内の施設
また本実習を通じて、リハビリテーショ (H30年度~)
ン・チームとしてのアプローチについて
も学ぶ。
95
表17 理学療法学専攻 年間計画
月
大学スケ
授業週
(目安)
ジュール
4月
5月
1年次
3年次
総合臨床実習Ⅰ
(理学療法)
オリエンテーション
前期1
前期2
前期3
前期4
前期5
前期6
前期7
前期8
授業開始
総合臨床実習Ⅰ
(理学療法)
・実習報告会
・総合臨床実習Ⅱ
(理学療法)
オリエンテーション
前期9
6月
7月
8月
前期10
前期11
前期12
前期13
前期14
前期15
前期16
前期17
前期18
前期19
総合臨床実習Ⅱ
(理学療法)
実習報告会
前期試験
見学実習(理学療法)
オリエンテーション
前期20
9月
10月
11月
12月
前期21
前期22
前期23
前期24
前期25
前期26
後期1
後期2
後期3
後期4
後期5
後期6
後期7
後期8
後期9
後期10
後期11
後期12
見学実習(理学療法)
実習報告会
成績判定
授業開始
後期試験
(PT3年次のみ)
後期13
1月
年末年始期間
後期14
評価学実習
オリエンテーション
後期15
2月
3月
後期16
後期17
後期18
後期19
後期20
後期21
後期22
後期23
後期24
後期25
後期26
4年次
後期試験
評価学実習
実習報告会
再試期間(PT3年次のみ)
成績判定
96
②実習先の確保の状況【PT実習資料1】
先の実習展開の構成と、学科の教育目標を達成するための実習施設として、当法人の関
連病院を中心に東京都内・神奈川県内に31施設確保した。疾患や病期が偏重しないよう、
急性期から回復期までの施設を選定し、さらには発達障害やスポーツ障害に対する理学療
法の経験ができる施設を加えた。
なお、臨床実習時間の2/3(12単位)以上は、病院または診療所等において行うこ
ととする。よって、
「見学実習(理学療法)
」を除く「評価学実習」
「総合臨床実習Ⅰ(理学
療法)
」
「総合臨床実習Ⅱ(理学療法)」は、全員が病院等で実習を行うこととした。
2)実習先との契約内容【PT実習資料2】
実習承諾施設の臨床実習担当者に対して、事前に実習受け入れに関して内諾を得る。臨
床実習施設の契約に関しては、法人同士の契約であることから、公文書をもって実習契約
を締結する。実習契約については単年度毎に取り交わす。契約に際し、本学及び実習先の
責務を明確にするとともに、医療安全や個人情報保護についても契約規定を定める。
①個人情報保護について【PT実習資料3】
個人情報保護については医療者としての職業倫理とあわせて「実習における個人情報の
保護」に基づいて徹底した指導を行う。基本的事項としては「患者カルテの閲覧について」
「記録・メモの取り扱い」
「症例報告書の作成方法と管理」などである。なお、実習期間中
に学生が接する症例に対しては、臨床実習指導者が責任を持って対象となる本人および家
族の承諾を得るように依頼する。
②医療安全対策
実習の事前教育として、学生が起こしやすい事故の事例を提示し、事故の予防策や事故後
の報告の徹底、事故発生後の問題解決方法について理解させる。大学での事前教育内容は、
実習指導者会議ならびに実習要綱にて臨床実習指導者と共有し、リスクマネジメントに関
する指導を徹底する。
3)実習水準の確保の方策
実習施設については、専攻会議において、学生教育に相応しい実習施設を選定し確保す
るよう努める。また指導・教育方法については、本専攻が主催する臨床実習指導者会議に
て臨床実習指導者と情報を共有する。実習期間中においては綿密に連絡を取り、実習水準
の確保に努める。
97
4)実習先との連携体制
①臨床実習については、本専攻の専任教員のうち1名の責任者を置き、その責任者が中心
となって他の教員と協力して各臨床実習の計画、実施調整を行う。
②臨床実習の開始にあたり、事前に学外実習指導者会議を開催し、臨床実習の目的、方法、
評価等、臨床教育実習に関する事項の検討及び確認を行う。
③実習指導者には学生が指導を受ける主要な事例を数例選び、学生に過重にならないよう
に配慮を依頼する。また、学生が早期に実習に適応できるように実習開始時に臨床実習
施設の理学療法部門や他部門のオリエンテーション並びに施設全体の留意事項の説明を
依頼する。
④臨床実習期間中は、臨床実習施設に当専攻教員で構成した担当教員が巡回指導に出向き
(巡回指導計画は下記)、学外実習指導者と実習経過を検討したうえで学生への指導・助言
を行うとともに指導者と学生間の調整を行う。
⑤臨床実習の終了後は学生の実習への取り組み状況、評価に関する事項、カリキュラムに
関する事項などについて担当教官間で意見交換する。また臨床実習展開上の問題点や課
題を明確に整理し、本専攻で主催する実習指導者会議で報告・討議して今後の臨床教育
実習に役立てる。
⑥緊急時の連絡体制として、実習期間中は24時間体制で緊急連絡ができるように本学で
準備した携帯電話を所定の教員が携帯して即応する。また、学長への報告等の体制を整
え、全学職員での緊急対応方法について周知徹底しておく。
5)実習前の準備状況(保険加入状況・災害発生時の対応)
①感染予防対策
入学時の健康診断において感染症抗体価の検査を実施し、予防接種を勧奨する。抗体価
の低い学生に対しては3年次に再度抗体価検査を実施して確認する。実習前には感染予防
対策として、学生自身が感染源になることのないように、あるいは感染を媒介することの
ないように健康管理に十分に注意するよう指導する。
②保険加入
実習に参加する学生には、実習施設において発生しうる事故補償を担保・拡充するため、
問題に対応するため、学生教育保険・賠償責任保険への加入を義務付け、加入条件等の有
用な情報を常時提供する。
③災害対策
実習初日のオリエンテーションにて、臨床実習指導者より実習施設に関わる一時避難場
所や広域避難場所、災害時の対処などについて説明を受け、安全確保に努める。
98
6)事前・事後における指導計画
①実習前の準備状況
実習における前提条件
学生には、入学時や進級時のオリエンテーションで表18に記載している実習前提条件
を提示し、十分に説明する。
表18 理学療法学専攻 実習の前提条件
実習科目名
見 学 実
習
(理学療法)
年次
前提条件科目
専門基礎科目と専門科目のうち、1年次前期
1年次前期
に配置された科目をすべて履修しているこ
と
3年次前期までに配置された専門基礎科目
評 価 学 実 習
3年次後期
と専門科目をすべて修得済みで、理学療法特
論Ⅰを履修していること
総合臨床実習Ⅰ
(理学療法)
総合臨床実習Ⅱ
4年次前期
3年次までのすべての専門基礎科目と専門
科目を修得済みであること
(理学療法)
②事前・事後における指導計画
a)実習オリエンテーションの実施
実習前に実習オリエンテーションを実施する。実習オリエンテーションは実習ごとに行
い、臨床実習の目的、具体的な到達目標、基本的なルール・態度、個人情報の取扱い、事
故防止等について指導する。
b)臨床実習中の指導
○
a見学実習(理学療法)
見学実習(理学療法)期間中にトラブルが生じた際には担任または副担任教員が施
設に出向き、臨床実習指導者と検討したうえで学生への指導・助言を行う。
○
b評価学実習・総合臨床実習Ⅰ(理学療法)・総合臨床実習Ⅱ(理学療法)
臨床実習期間中は、臨床実習施設に担当教員が巡回指導に出向き、実習指導者と実
習経過の相談・検討をしたうえで学生への指導・助言を行って指導者と学生間の調整
を行う。
99
c)実習終了後の指導
○
a見学実習(理学療法)
実習終了時に学生には実習報告書を提出させる。見学実習(理学療法)は主に当法
人の関連施設15箇所で実施するため、実習終了後は4~5名程度のグループを作り、
グループ単位で経験した実習内容についての報告会を実施する。他学生や他のグルー
プの発表報告を通して、理学療法実践への理解を深める。専任教員をグループごとに
1名配置して、適宜、助言・指導を行う。
○
b評価学実習・総合臨床実習Ⅰ(理学療法)・総合臨床実習Ⅱ(理学療法)
実習終了後には、事例報告書を一部提出する。提出された事例報告書をもとに、症
例検討会を実施する。症例検討会では症例について学生主体でディスカッションを行
い、教員が適時修正・アドバイスを行う。特に、さらに伸長すべき知識・技術や不足
内容、誤った認識等があった場合は、その改善ができるよう課題を提示するなどして
事後学習を指示する。これらを通して学生が主体的に学び、自らの知識・技術等の学
修が深まるようにする。
③実習の評価
○
a各施設の指導者による実習評価
実習指導者には「実習指導報告書」の作成を依頼する。
見学実習(理学療法)における実習指導報告書では、実習施設の概要の理解、理学
療法士の役割の理解、医療従事者としての基本的な心構え等の項目について、到達度
を評価し記載する。
評価学実習と総合臨床実習Ⅰ・Ⅱにおける実習指導報告書は、各実習目標に対応し
た内容とし、
「専門職としての適性」、
「情報収集力」
、
「治療計画立案」
、
「理学療法実施」
を大項目として、それぞれ小項目を設ける。実習指導者は、小項目ごとに到達度を評
価し記載する。到達度の段階は表19のとおりとする。
実習指導者実習の総合評定(実習の合否判定)は行わず、小項目ごとの到達度につ
いて評価を行うよう依頼する。
表19 実習到達度
到達度
判定基準
優
わずかな助言・指導で〇〇〇ができた
良
時々の助言・指導で〇〇〇ができた
可
十分な助言・指導で〇〇〇ができた
不可
十分な助言・指導を与えても〇〇〇ができなかった
100
○
b実習の成績判定
実習の成績判定は以下を基準とする。
a)全日程の4/5以上出席することで単位認定の資格を得る。
b)実習の合否ならびに成績の判定は出席状況、事例報告書、実習指導報告書などを
基にして理学療法学専攻専任教員全員による総合的な判断で行う。
7)教員の配置ならびに巡回指導計画【資料 オ-5】
臨床実習施設の選択や各実習施設への学生の配置は、主に臨床実習責任者となった教員
が行う。臨床実習に関する事務的作業については、専攻教員の指示の下で学科事務職員(教
員以外)が行う。ただし、臨床実習指導者への連絡や実習地訪問等は、専攻教員全員で分
担して行う。評価学実習、総合臨床実習Ⅰ(理学療法)
、総合臨床実習Ⅱ(理学療法)にお
いては、1名の教員につき4施設程度の実習地訪問を担当するよう負担を分散する。
臨床実習における巡回指導は原則として各実習期間中1施設につき1回訪問して行う。
評価学実習(3年次後期・4週間)については、1月中旬から2月中旬に実施するもので
あり、後期の授業が概ね終了している時期であるため、他学年の後期試験期間・再試験等
に支障がないように調整して訪問する。また、複数回の訪問指導を要すると判断された学
生への訪問については、施設担当教員を増員し分担して訪問する。
総合臨床実習Ⅰ(理学療法)と総合臨床実習Ⅱ(理学療法)(4年次前期・7週間) につ
いては4月~7月に実施する。この実習の実施期間は前期科目の開講中であるため、教員・
施設側と十分に調整を行って授業運営に支障を来すことがないように配慮する。なお、各
専任教員においては、終日講義を担当しない曜日を週に1日以上設け、この日を実習地訪
問等に充てることが可能なように学年進行時間割を編成している。
101
2 作業療法学専攻
1) 実習の構成と概要および実習先の確保状況
①臨床実習の構成と概要(「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則(指定規則)」等
との対比)
臨床実習は1年次から見学実習(作業療法)、検査・測定実習、評価実習、総合臨床実習Ⅰ
(作業療法)
、総合臨床実習Ⅱ(作業療法)と段階的に構成した(表20・表21)
。
1年次の見学実習(作業療法)では学習意欲の向上と将来像構築を目標とした早期体験実
習を行う。検査・測定実習では対象者への基礎的な検査・測定の手順を体験し、担当する
対象者の多様な病態や障害を認識し、作業療法に関わる専門知識と技法の重要性を理解す
る。
3年次の評価実習では学内の講義・演習で学んだ各種の評価法を対象者に適応させ、結
果の記載方法等の実際を体験的に学ぶ。
4年次の総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
・総合臨床実習Ⅱ(作業療法)では対象者の疾患・
病期・病態像に応じた評価、治療計画立案、治療・介入といった一連の過程を体験し、リ
ハビリテーションチームの一員としての役割を学ぶ。総合臨床実習Ⅱ(作業療法)では、
総合臨床実習Ⅰ(作業療法)と異なる専門領域での作業療法実践を経験し、作業療法の共
通性と相違性への理解を深める。また、本実習では学内教育で得た知識・技術を統合する
とともに、リハビリテーション医療の専門職に求められる適切な行動・態度、責任感を身
につける機会とする。また、探究心と研究心を養い、科学的根拠に基づいて判断できるよ
う、対象者とその家族のもつ身体的・精神的・社会的な課題や問題を解決できる実践力を
養成する。
指定規則(平成11年改正)に定められた臨床実習単位数18単位、ならびに臨床実習
総時間数810時間を満たし、1年次から4年次の学習を段階的に進められるように配当
年次に配慮した。また、指定規則では「18単位のうち実習時間の三分の二以上は病院又
は診療所にて行うこと」とされている。本専攻においては、評価実習・総合臨床実習Ⅰ(作
業療法)
・総合臨床実習Ⅱ(作業療法)の3つの実習の内2つ以上の実習を病院等で実施で
きるよう留意する。
102
表20 作業療法学専攻 実習の構成と概要
実習科目
見学実習
(作業療法)
検査・測定実習
評価実習
単位数等
実習概要
実習年次
実習方法
実習施設
1単位
45時間
医療・福祉施設における作業療法士の業
務に直接触れ、チームの一員としての役
1年次前期
割を理解する。また、施設の概要を十分
1施設に4~ (関連施設)
(8月上旬)
に理解した上で、他職種の役割や連携の
5名の学生を 病院、介護老人保健
1週間
重要性についても学習する。一連の経験
依頼する。
施設
(平成27年度~)
を通し、今後の学習意欲の向上と将来像
構築の一助とする。
2単位
90時間
作業療法士の評価・介入場面の見学、初
歩的な検査・測定の手順を体験し、対象
3年次前期
1施設に1~ (関連施設)
者の障害の多様性や専門知識と技術の重 (8月中旬~9月)
2名の学生を 病院、介護老人保健
要性を理解する。臨床実習指導者から説
2週間
依頼する。
施設
明を受け、作業療法計画立案にいたるま (平成29年度~)
での思考・実践過程を理解する。
対象者に応じた情報収集、評価法の選
択、検査・測定の実施、結果の記録、統
3年次後期
(関連施設)
合と解釈、対応課題の抽出、初歩的な治
(1月第2週~2月 1施設に1~ 病院、介護老人保健
4単位
療・介入プログラムの作成までの一連の
第2週)
2名の学生を 施設
180時間 評価過程を体験する。また、情報収集等
4週間
依頼する。
(関連施設以外)
を通して、多職種協業の重要性を理解
(平成29年度~)
病院、福祉施設など
し、チームの一員として節度ある態度と
協調性を身につける。
対象者の疾患・病期・病態像に応じた評
価、治療計画立案、治療・介入といった
4年次前期
(関連施設)
一連の過程を体験する。各種疾患の障害
(4月第2週~6月 1施設に1~ 病院、介護老人保健
総合臨床実習Ⅰ
8単位
像や生活機能を理解するとともに背景因
第1週)
2名の学生を 施設
(作業療法)
360時間 子(環境、個人など)を考慮した作業療
8週間
依頼する。
(関連施設以外)
法実践力を養う。社会人として節度ある
(平成30年度~)
病院など
態度に留意しつつ、積極的かつ協調性の
ある連携を行いその技能を高める。
4年次前期
(関連施設)
「総合臨床実習Ⅰ」と異なる領域で、総
(6月第3週~8月 1施設に1~ 病院、介護老人保健
総合臨床実習Ⅱ
8単位
合臨床実習Ⅰと同様の内容を学ぶ。異な
第2週)
2名の学生を 施設
(作業療法)
360時間 る領域での実践経験をもとに、作業療法
8週間
依頼する。
(関連施設以外)
の共通性と相違性の理解を深める。
(平成30年度~)
病院など
103
表21 作業療法学専攻 年間計画
月
大学スケ
授業週
(目安)
ジュール
4月
前期1
5月
前期2
前期3
前期4
前期5
前期6
前期7
前期8
前期9
前期10
6月
1年次
3年次
総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
オリエンテーション
授業開始
総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
実習報告会
総合臨床実習Ⅱ(作業療法)
オリエンテーション
前期11
7月
8月
9月
10月
11月
12月
前期12
前期13
前期14
前期15
前期16
前期17
前期18
前期19
総合臨床実習Ⅱ(作業療法)
前期試験
前期20
見学実習(作業療法)
オリエンテーション
前期21
見学実習(作業療法)
前期22
前期23
前期24
前期25
前期26
後期1
後期2
後期3
後期4
後期5
後期6
後期7
後期8
後期9
後期10
後期11
後期12
実習報告会
実習報告会
検査・測定実習オリエンテーション
検査・測定実習
成績判定
実習報告会
授業開始
後期試験
(3年次のみ)
後期13
1月
2月
3月
後期14
後期15
後期16
後期17
後期18
後期19
後期20
後期21
後期22
後期23
後期24
後期25
後期26
4年次
年末年始期間
評価実習オリエンテーション
後期試験
評価実習
実習報告会
再試期間(3年次のみ)
成績判定
104
②実習先の確保の状況【OT 実習資料1】
先の実習展開の構成と学科の教育目標を達成するための実習施設として、当法人の関連
病院を中心に東京都内・神奈川県内に46施設確保した。施設一覧は【OT 実習資料1】の
とおりである。障害領域、疾患、病期が偏重しないよう、領域別に急性期から回復期まで
の施設を選定し、多種多様な作業療法の実践を学べる施設を確保した。
なお、一連の臨床実習時間の2/3(12単位)以上は、病院または診療所等において
行うこととする。よって、評価実習、総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
、総合臨床実習Ⅱ(作業
療法)の3つの実習のうちの2つ以上の実習を、病院等で行うこととした。
2)実習先との契約内容【OT 実習資料2】
実習承諾施設の臨床実習担当者に対して、事前に実習受け入れに関して内諾を得る。臨床
実習施設は、法人同士の契約であることから、公文書をもって実習の契約を締結する。実
習の契約は単年度毎に取り交わす。契約に際し、本学及び実習先の責務を明確にするとと
もに、医療安全や個人情報保護についても契約規定を定める。
①個人情報保護について【OT 実習資料3】
個人情報保護については医療者としての職業倫理とあわせて「実習における個人情報の
保護」
【OT 実習資料3】に基づいて徹底した指導を行う。基本的事項としてはカルテの閲
覧、記録・メモの取り扱い、事例報告書の作成方法と管理などである。なお、実習期間中
に学生が接する事例に対しては、臨床実習指導者が責任を持って対象となる本人および家
族の承諾を得るように依頼する。
②医療安全対策
実習の事前教育として、学生が起こしやすい事故の事例を提示し、事故の予防策や事故後
の報告の徹底、事故発生後の問題解決方法について理解させる。大学での事前教育内容は、
実習指導者会議ならびに実習要綱にて臨床実習指導者と共有し、リスクマネジメントに関
する指導を徹底する。
3)実習水準の確保の方策
実習施設については、専攻会議において、学生教育に相応しい実習施設を選定し確保す
るよう努める。また指導・教育方法については、本学が主催する臨床実習指導者会議にて
臨床実習指導者と情報を共有する。実習期間中においては綿密に連絡を取り、実習水準の
確保に努める。
105
4)実習先との連携体制
①臨床実習については、本専攻に専任教員のうち1名の責任者を置き、他の専任教員と協
力して各臨床実習の計画準備と実施調整を行う。
②臨床実習の開始にあたり、事前に学外実習指導者会議を開催し、臨床実習の目的、方法、
評価等、臨床教育実習に関する事項の検討及び確認を行う。
③実習指導者には学生が指導を受ける主要な事例を数例選び、学生に過重にならないよう
に配慮を依頼する。また、学生が早期に実習に適応できるよう、実習開始時に依頼先施
設の作業療法部門や他部門のオリエンテーション並びに施設全体の留意事項の説明を依
頼する。
④臨床実習期間中は、臨床実習施設には、当専攻教員で構成した担当教員が訪問指導に出
向き(巡回指導計画は下記)、学外実習指導者と実習経過を検討したうえで学生への指
導・助言を行うとともに指導者と学生間の調整を行う。
⑤臨床実習終了後は、各学生の実習への取り組み状況、評価に関する事項、カリキュラム
に関する事項について担当教員間で意見交換する。また、臨床実習展開上の問題点や課
題を明確として整理し、本学で主催する次年度実習指導者会議等で報告・討議して今後
の臨床実習展開に役立てる。
⑥緊急時の連絡体制として、実習期間中は24時間体制で緊急連絡ができるように本学で
準備した携帯電話を所定の教員が携帯して即応する。また、学長への報告等の体制を整
え,全学職員での緊急対応方法につい周知徹底しておく。
5)実習前の準備状況(保険加入状況・災害発生時の対応)
①感染予防対策
入学時の健康診断において感染症抗体価の検査を実施し、予防接種を勧奨する。抗体価
の低い学生に対しては3年次に再度抗体価検査を実施して確認する。実習前には感染予防
対策として、学生自身が感染源になることのないように、あるいは感染を媒介することの
ないように健康管理に十分に注意するよう助言・指導を行う。
②保険加入
実習に参加する学生には、実習施設において発生しうる事故補償を担保・拡充するため、
学生教育保険・賠償責任保険への加入を義務付け、学生にとっての加入条件等の有用な情
報を常時提供する。
③災害対策
実習初日の依頼先施設のオリエンテーションにて、臨床実習指導者より実習施設に関わ
る一時避難場所や広域避難場所、災害時の対処などについて説明を受け、安全確保に努め
る。
106
6)事前・事後における指導計画
①実習前の準備状況
a)実習における前提条件
学生には、入学時や進級時のオリエンテーションで表22に記載している実習前提条
件を提示し、十分に説明する。
表22 作業療法学専攻 実習の前提条件
実習科目名
見 学 実
習
(作業療法)
検査・測定実習
年次
前提条件科目
専門基礎科目と専門科目のうち、1年次前期
1年次前期
に配置された科目をすべて履修しているこ
と
3年次前期
3年次前期までに配置された専門基礎科目
と専門科目をすべて履修していること
3年次前期までに配置された専門基礎科目
評 価 実
習
3年次後期
と専門科目をすべて修得済みであること
作業療法評価学総合演習を修得見込みであ
ること
総合臨床実習Ⅰ
(作業療法)
総合臨床実習Ⅱ
(作業療法)
4年次前期
3年次までのすべての専門基礎科目と専門
科目を修得済みであること
②事前・事後における指導計画
a)実習オリエンテーションの実施
実習前に実習オリエンテーションを実施する。実習オリエンテーションは実習ごとに行
い、当専攻で取りまとめた臨床実習指導マニュアルをもとに、臨床実習の目的、具体的な
到達目標、基本的なルール・態度、個人情報の取扱い、事故防止等について指導する。
b)臨床実習中の指導
実習期間中は、臨床実習施設に担当教員が訪問指導に出向き、臨床実習指導者と実習経
過を相談・検討をしたうえで、学生への指導・助言を行って指導者と学生間の調整を行う。
107
c)実習終了後の指導
○
a見学実習(作業療法)
各実習終了時に学生には実習報告書を提出させる。見学実習(作業療法)はふれあ
いグループ関連施設での実施を基本とする。実習終了後は4~5名程度のグループを
作り、グループ単位で経験できた実習内容についての報告会を実施する。他学生や他
グループの発表報告を通して作業療法実践への理解を深める。専任教員をグループご
とに1名配置して適宜、助言・指導を行う。
○
b検査・測定実習、評価実習・総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
・総合臨床実習Ⅱ(作業療法)
実習終了後には、症例報告書を一部提出する。提出した症例報告書をもとに、実習
内容についての報告会を実施する。実習報告会では対象者について学生主体でディス
カッションし、教員が適宜、助言・指導を行う。特に、学習年次に則した知識・技術
のさらなる向上を目的として、各学生の未就学事項や不足内容を明らかとし、個々の
学生自身の課題や改善点を指導して事後学習の促進を図る。以上を通じて個々の学生
が主体的に実践学習し、学生個人の知識や技術等の学習を深める。
③実習の評価
○
a各施設の指導者による実習評価
実習指導者には実習指導報告書の作成を依頼する。
見学実習(作業療法)における実習指導報告書では、実習施設の概要の理解、作業
療法士の役割の理解、医療従事者としての基本的な心構え等の項目について、到達度
を評価し記載する。
検査・測定実習、評価実習、総合臨床実習Ⅰ・Ⅱにおける実習指導報告書は、各段
階の実習目標に対応した内容とし、職業人としての適正、評価、作業療法計画、作業
療法実施、再評価、記録・報告、管理運営の7項目とする。各大項目にはそれぞれ小
項目を設ける。実習指導者は、小項目ごとに到達度を評価し記載する。到達度の段階
は表23のとおりとする。
表23 実習到達度
到達度
判定基準
優
わずかな助言・指導で〇〇〇ができた
良
時々の助言・指導で〇〇〇ができた
可
不可
多くの助言・指導で〇〇〇ができた、
6割程度できた
十分な助言・指導を与えても〇〇〇ができなかった
108
○
b実習の成績判定
実習の成績判定は以下を基準とする。
a)全日程の4/5以上出席することで単位認定の資格を得る。
b)実習の合否ならびに成績の判定は出席状況、症例報告書、実習指導報告書、実習
報告会の評価などを基にして作業療法学専攻専任教員全員による総合的な判断で
行う。
7)教員の配置ならびに巡回指導計画【資料 オ-6】
実習施設の選択や各施設への学生配置は、主に臨床実習責任者となる本専攻教員が行う。
臨床実習に関わる諸事務業務は、専攻教員主導の指下で本学事務部門職員の連携のもとに
実施する。ただし、臨床実習指導者への連絡や実習地訪問等は、専攻教員全員で調整・分
担して行う。検査・測定実習、評価実習、総合臨床実習Ⅰ(作業療法)、総合臨床実習Ⅱ(作
業療法)においては、1名の専任教員につき5施設程度の巡回業務を担当して負担の分散
を図る。
臨床実習における巡回指導は原則として各実習期間中1施設につき1回訪問して行う。
見学実習(作業療法)(1年次前期・1週間)、検査・測定実習(3年次前期・2週間)
は、前期授業終了後の8月に実施するものであり、前期試験期間・再試験等に支障がない
ように調整し、訪問担当教員を決定する。同様に、評価実習(3年次後期・4週間)は、後期
授業終了後の2月に実施するものであり、他学年の後期試験期間・再試験等に支障がない
ように調整して訪問担当教員を決定する。また、複数回の訪問指導を要すると判断される
学生への訪問については、施設担当教員を増員し分担して訪問を実施する。
総合臨床実習Ⅰ(作業療法)
・総合臨床実習Ⅱ(作業療法)(4年次前期8週間) について
は4月~8月に実施する。この実習の実施期間は前期科目の開講中となるため、教員・依
頼施設側と十分に調整を行って授業展開に支障を来すことのないように配慮する。なお、
各専任教員においては、終日講義を担当しない曜日を週に1日以上設け、この日を実習地
訪問等に充てることが可能なように学年進行時間割を編成している。
109
サ 編入学の具体的計画
Ⅰ
編入学受け入れの目的
近年の医療の高度化と生活様式の多様化に伴って、地域社会の暮らしに密着した健康問
題を広い視野で捉え、保健・医療・福祉・教育の連携と発展に貢献できる看護職者の養成
が期待されている。
また、看護従事者からは、短期大学や専修学校等の卒業者が学士号を取得、保健師や助
産師資格の取得、上級課程に進学する機会を広げるなど、リカレント教育の要請も高まっ
ている。
本学保健医療学部看護学科は、短期大学および専修学校を卒業または卒業見込みの者を
対象に、看護学科第3年次に編入学生として受け入れ、教養教育および看護領域における
専門教育を行うことを目的とする。
Ⅱ
編入学制度の需要と学生確保の見込み
編入学の需要や、編入学を希望する理由などを調査するため、編入学意向調査を行った。
【資料サ-1】 調査対象は、医療法人社団康心会 湘南東部総合病院ほか13病院に勤務
する看護師、学校法人湘南ふれあい学園が運営する看護専門学校2校の在学生として、看
護師615名、看護専門学校生355名、准看護師等20名から回答を得た。
編入制度について興味を持っている割合は看護師、看護学生を併せて38.1%であった。
また、看護師・看護学生の16.9%(167名)が看護学科に「是非編入したい」また
は「編入を検討する」と回答している。それらの回答者に、その理由を調査した結果は、
看護師は「最新の看護学を学びたい」が最も多く59.1%であった。看護学生は「保健
師国家試験の受験資格がほしい」が63.5%で最も多かった。
自由記述欄には「学費の奨学制度、減免制度を設けてほしい」という意見が多くよせら
れ(看護師27件、看護学生6件)、「働きながら学べる制度を作ってほしい」という要望
もあった。
(看護師4件)
このアンケート結果から、編入学定員数10名(3年次)に対し「是非編入したい」と
の回答が57名あり、本学の編入学への潜在的なニーズが非常に高いことが確認できた。
また、編入学の希望理由について、特に現役の看護師から「最新の看護学を学びたい」と
の希望があること、また「働きながら学べる制度」や「授業料減免」の要望もあることか
ら、今後更なる現役看護師に対する編入学に対するニーズが増えていくものと考えられる。
一方、神奈川県内の既存の看護系学科をもつ四年制大学4校の公表データによると、平成
25年度入学試験の実質受験倍率は2.4倍、平成26年度は1.9倍と受験者数が確保
110
されている。
【資料サー2】
編入学制度を検討するにあたり、上述のアンケートでの「是非編入したい」との回答か
ら、十分な需要は見込まれるが、大学の施設の面や臨床実習先の確保の観点と、保健師教
育の必要性(5,6頁)で述べた、神奈川・横浜圏域の保健医療体制に貢献できる看護師
の養成を図っていく観点の兼ね合いから受入れ可能数と養成数を判断し、10名とした。
既存の四年制大学4校の定員と本学の定員10名を合わせても、定員総数は40名程度
で、グループ内で調査した希望者だけでも学生を確保できるものと考える。
Ⅲ
取得資格
1)卒業時には学士(看護学)の学位を授与する。
2)保健師の国家試験受験資格(選抜)
Ⅳ 出願資格
1)短期大学の看護系学科(3年課程)を卒業した者および卒業見込みの者
2)専修学校の専門課程(修業年限が3年以上の看護系学科で、課程の修了に必要な総
単位数97単位または3000時間以上)を修了した者および修了見込みの者
Ⅴ
入学者の選抜
大学において教養および看護学の学修を行うために、看護師としての基礎的な能力と、
看護専門職として社会に貢献したいという意欲を評価する。編入学の選抜方法は、書類選
考、学力試験(英語、専門科目)
、小論文、面接によって行う。
書類選考では、入学願書により看護の学習や活動の経過と自己評価、志望動機、大学で学
びたいことについて評価する。
面接では、看護学の基本的知識、コミュニケーション能力、編入学の目的と入学後の学
修計画と進路設計が明確か、卒業後に看護学への貢献が期待できるか等を評価する。
Ⅵ
修業年限および卒業要件
編入学生の修業年限は2年、在学年限は4年とする。卒業には、本学に2年以上在学し、
入学時に認定を受けた既修得単位と合わせて、所定の126単位を取得すること。編入学
111
生には履修モデルを提示しガイダンスする。また、保健師国家試験受験資格を取得する者
(58頁)
の最低必要単位数は143単位を取得すること。
Ⅶ
既修得単位の認定方法
短期大学等で履修した授業科目に関し、修得した単位のうち本学が定める授業科目に相
当するものについては、原則として本学における授業科目の履修により修得したものとみ
なす。総合教育科目、15単位、専門基礎科目、16単位、専門科目Ⅰ・Ⅱ、33単位、
統合科目、5単位を上限とし卒業に要する単位の一部として認定する。
認定方法は、編入学生に認定を希望する既修得科目のシラバスを提出させ、それを授業
科目担当者が審査し、その結果を教授会に諮る。教授会の審議を経て学長が本学における
授業科目の履修により修得したものとみなし認定する。
Ⅷ
保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者への周知方法など
1 保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修申し出時期、選抜方法等
1)編入学募集要項への記載
募集要項に保健師国家試験受験資格取得に係る項目の定員数(20名)、選択時期、選択
方法、選抜基準等を明確に記載し、編入学者が保健師国家試験受験資格取得に係る科目の
履修希望者が選抜において不公正にならないように周知する。
2)申し出時期
1年次からの入学生は保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者は2年次後
期(学年末)に所定の方法により申し出るのに対し(56頁)、編入学生の申し出時期は入
学願書提出時とし、入学願書の様式の中に受験者が保健師国家試験受験資格取得に係る科
目の履修を希望する旨を記載できる項目を作成する。
3)選抜方法(56頁)
保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者の選抜方法は、選考試験によって
行う。選考試験は、書類選考、学力試験(英語、専門科目)
、小論文、面接による。
なお、これらの選考試験は、学部生・編入学生を問わずに、4月当初3年次進級ガイダ
ンス期間中に一斉に同一試験を実施する。これにより公平性を保つ。
4)保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者に係る20名の配分方法
112
20名の配分方法は、選考試験において成績上位者20名を選抜し、編入学生に不利益、
不公平感を生じないようにする。
また選考試験があることを編入学生募集要項に明記し、編入学試験受験者に十分に周知
する。
2 進級ガイダンス
3年次進級ガイダンス時にも、編入学生も含めて保健師国家資格受験資格取得に係る科
目の履修希望者に対するガイダンスを別途実施する。ガイダンスでは、1年次入学生、編
入学生を問わず、履修科目や履修方法を十分に指導し、保健師選抜について公平性を保つ
ようにする。
(56頁参照)
3
保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者への周知方法・選考試験等のチ
ャート
第3年次編入学生
第1年次入学生
周知方法:
・新入生ガイダンス
・2年次進級時ガイダンス
(56頁参照)
周知方法:
編入学募集要項
(112頁参照)
申し出時期:
編入学募集要項提出時に希
望聴取(112頁参照)
申し出時期:
2年次後期に希望聴取
(56頁参照)
・ガイダンス:3年次にも、履修科目・履修方法等の同一
ガイダンスを実施
・履修指導: それぞれの履修モデル提示により実施
・選考試験: 3年次ガイダンス期間中に
同一選考試験実施(56頁参照)
・20名の配分方法:選考試験結果で成績上位者20名
113
Ⅸ
履修指導方法
1)個別面接により履修モデルを参考にして履修登録の方法などの支援・指導をする。
2)総合教育科目においては本学の設立の理念・沿革などの理解を深め、本学学部生とし
て理念に結実して本学の現況を理解する科目の履修をアドバイスする。
3)専門基礎科目においては、
「疫学」と「保健衛生統計学」を必修とし、疾病予防および
健康増進に関する理解を深める。
4)専門科目ⅠおよびⅡにおいては、各看護学概論は看護学における最新の学問体系を系
統的に学修する目的で必修とする。
5)統合科目においては看護学における最新の学問体系を系統的に学習し、探究心と研究
心および科学的な根拠に基づいて判断し実践する問題解決能力を学ぶ科目を履修する
ことをアドバイスする。
6)保健師国家試験受験資格取得に係る科目の履修希望者には、履修科目、履修登録、履
修スケジュール等について具体的な指導を行う。特に、1年次からの入学生が1年次
および2年次に履修する科目について、編入学生の場合は3年次および4年次に履修
できるよう完成年度までの時間割をすでに作成してある。
対象となる科目は、①法学(含日本国憲法)、②公衆衛生学、③保健行政論、④疫学、
⑤保健統計学の5科目である。
(57頁)
)
Ⅹ
教育上の配慮
1)編入学生に対する学習指導アドバイザーをつけ、個別面接により編入学生の履修計画
を作成するなど、きめ細やかな教育指導をする。
2)学部学生と相互に刺激し合い、意欲的に学修できる環境づくりをする。
3)編入学生が保健師選抜において不利益を被らないように、既修得単位認定科目の評価
については別途定める。
114
シ 管理運営
Ⅰ
管理運営体制の概要
本学では、最高の意思決定機関は理事会であるが、日常の大学運営については経営面を
担当する理事会と教学面を担当する教授会が、効率的かつ有機的に結合して機能すること
を意図して「運営管理会議」を置くこととした。これは、大学運営における各種場面での
判断が、経営面又は教学面の一方に偏ることなく、教育研究における自由な発想や新しい
試みが、財政的な裏付けに基づいて実行できるよう、重要事項の判断には、必ず法人側と
教学側の双方が参加する意思決定の場を設けたものである。
また、教育職員の人事についても教授会に一任するのではなく、経営面からの視点も加
えた客観的な評価に基づいて、任用、昇任、解任、表彰及び懲戒、契約の更新等を行うた
め、
「運営管理会議」が所管することとした。
「運営管理会議」の設置に伴い、
「教授会」の機能は、教育研究に関する重要事項の審議
を行うことに特化したものとした。
各種委員会は、学長の諮問に応じて、本学の運営に必要な専門的事項について調査検討
を行うために設置することとした。
Ⅱ
管理運営の組織
1 運営管理会議【資料シ-1】
運営管理会議は、学則第11条に基づき設置する。運営管理会議規程に定める通り、理
事長が主催し、必要に応じて随時開催する。会議は、理事長のほか、学長、副学長、法人
本部事務局長、学部長、学科長、大学事務部長等によって構成される。審議事項は以下の
通りとする。
・学則その他の重要な規則の制定及び改廃に関する事項
・学部・学科等の重要な組織の設置及び廃止に関する事項
・本学の重要な施設の設置及び廃止に関する事項
・職員の人事及び評価に関する事項
・学生の定員に関する事項
・学生の身分及びその厚生補導に関する重要事項
・理事会の諮問事項及び学長候補者の推薦
・その他、本学の運営に関する重要事項
115
2 教授会
教授会は、学則第12条に基づき設置する。教授会規程に定める通り、学長が主催し、
原則として毎月1回開催する。会議は、学長、副学長、保健医療学部の専任教授等によっ
て構成される。審議事項は以下の通りとする。
・入学(編入学、転入学、再入学を含む)、進級、卒業、転学、転学科、退学、休学及び
留学等学生の身分に関する事項
・入学試験に関する事項
・教育課程の編成に関する事項
・学生の試験及び評価に関する事項
・卒業及び進級の課程の修了に関する事項
・学生の表彰及び賞罰に関する事項
・学生の厚生補導に関する事項
・その他、本学の教育研究に関する学長の諮問事項
3 各種委員会
各種委員会は、学則第13条に基づき設置する。学長の諮問に応じて本学の運営に関す
る専門的事項の調査検討を行う「委員会」と、業務執行を行う「室」を設置する。なお、
開学当初は以下の委員会を設置する。
・教務委員会
・入学試験委員会
・自己点検・評価委員会
・FD/SD委員会
・図書委員会
・倫理審査委員会
・学生支援委員会
・ハラスメント防止委員会
・研究連携室
・地域連携推進室
4 学長職務の実施体制
学長は、
「本学を代表して校務を総理掌握し、所属教職員を統督する」存在であり、
「教
育研究を統括し、学生の指導管理に責任を負う」こととしている。また、学長は、教育
研究の審議及び調整機関である「教授会」の議長を担当することと定めている。
116
学長は、大学業務に対してリーダーシップを発揮し、意思決定を迅速に行うことのほ
か、大学と地域社会との連携が進む中、地域社会への貢献及び大学の存在感の向上に努
める活動にまで及ぶなど、学長の所管は広範にわたるため、これを補佐するため、副学
長を学長の下に2年任期の副学長を1名置くこととした。
【副学長の職務】
副学長の職務は、湘南医療大学「副学長に関する規程」
【資料シ-2】に明記されてい
るとおり、学長の職務を助け、その命を受けて校務をつかさどり、
「本学の管理運営およ
び教学に関して、学長の委任する特定の業務を行う」、「学長の指示により、学長の出席
を要する大学内外の諸会議、諸委員会に学長の代理者として出席する」、「学長が事故あ
るとき又はその他の事由により欠けた場合、副学長は臨時に学長代理としてその職務を
行う」として定められており、副学長は、学長が委任する業務を代行する他、その職務
分担に従い、学長を補佐する。
【保健医療学部長の職務】
学部長の職務は、学長及び副学長を統括的に補佐し、密に連携して共に学士課程教育
の推進、教育体制の構築、大学組織の編成、大学第三者評価への対応、教職員評価、組
織的な授業改善(FD)の取り組み等、全学的な教学上の重要課題の解決に重点を置く。
教学/研究の課題に係る企画・立案・助言、各部局・各委員会との連絡調整に当たる。
【その他学長を補佐する体制】
本学は、職員の立場から、学長のビジョンを具体化しつつ、大学の将来戦略を策定し、
大学教育・学生支援に係る戦略的な企画・立案する。そのために、グループ法人各部署
と連携して、法人本部に総括、教育研究、危機管理、財務等の専門性の高い職員を配置
し、学長を補佐する。
【学長が兼務する職務】
本学学長の現職は、5つの医療法人の理事長、1つの医療法人の理事、1つの社会福
祉法人の理事、1つの学校法人の理事長並びに2つの看護専門学校の学校長を兼務して
いる。
但し、茅ケ崎看護専門学校の学校長職は平成26年3月末日をもって退任する。また、
下田看護専門学校の学校長職も、本学開学までに後任が決まり次第退任する予定である。
したがって、学長予定者が大学開学後に兼務する業務内容は以下の通りである。
1)医療法人の理事長及び理事としての職務は、稟議書等の決裁業務及び法人の運営・
117
管理に関する会議への出席を併せて(月10時間程度)が主である。また、年10回
の理事会(1回1時間程度)の議長職が必須である。尚、現在は、診療を担当してい
ない。
よって、週3時間程度は大学業務以外を行うが、大学学長業務を大きく妨げること
はない。
尚、理事長の指示により、医療法人の病院の管理運営及び診療は、各病院長及び施
設長が責任をもって職務を行っている。また、理事長が事故等により欠けた場合、病
院長等定められた者が臨時にその職務を行う体制を事前から整えている。
2)社会福祉法人の理事としては、年2回(1回1時間程度)の理事会への出席である。
これも、1)と同様、大学学長業務を大きく妨げるものではない。
したがって、本学学長及び学校法人理事長として週4.5日はその職務を遂行でき
る時間が設けられていること。学長補佐体制として、副学長、学部長を置き、学長が
委任する業務を実行できる体制があること。そして、事務局長をはじめ、専門知識豊
富な職員スタッフが学長及び理事長を支える体制を整えていること。
以上から、本学学長は、学校教育法第92条第3項にあるように、リーダーシップ
を充分に発揮して校務をつかさどり、所属職員を統督することができる。
118
ス 自己点検・評価
学校教育法第109条および大学設置基準第2条、本学学則第2条に則り、教育研究水
準の向上を図り教育目標および社会的使命を達成するため、教育研究活動等の状況につい
て以下のとおり自己点検・評価を行う。
Ⅰ
基本方針
大学の社会的使命を自覚し、適切な水準を維持するとともに、学則第1条にある本学の
理念と目的の実現に向けて、全教職員が参画し、自らの活動を検証し、公益に資する大学
であり続けるための弛まぬ努力をする。
Ⅱ
評価項目
1 理念・目的等
使命・目的、教育目的の明確性、適切性、有効性
2 学修と教授
学生受入れ、教育内容・方法、学修および授業の支援、学修評価、教員配置、教
育環境の整備
3 経営・管理と財務
経営の規律、理事会の機能、ガバナンス、執行体制、財務基盤と収支、会計
4 自己点検・評価
自己点検・評価の適切性、誠実性、有効性
なお、評価項目については、自己点検・評価委員会において検討し、必要に応じて適宜
見直しを行う。
Ⅲ
実施体制
自己点検・評価委員会を設置し、評価活動を統括するとともに、実施結果の取りまとめ
を行う。委員会の構成は、学長、副学長、学部長、学科長、専攻長、教務委員長、図書館
長、事務部長、その他学長が必要と認めた者とし、委員会の事務は、事務部が執り行う。
119
Ⅳ
結果の活用と公表
自己点検・評価結果に基づき、改善が必要と認められるものについては、具体的に反映
されるよう努力する。自己点検・評価結果は報告書にまとめ、ホームページ等を通じ公表
するものとする。
Ⅴ
外部評価
政令で定められた期間ごとに認証評価機関から外部評価を受けることとする。
120
セ 情報の公表
大学が教育研究情報を公表することは、地域社会から認知され、社会的存在として発展
していくためにも欠かせないものであり、本学においても教職員および学生の個人情報の
保護に配慮しながら、積極的に情報を発信していく。
教育研究情報の公表については、適切な体制を整えたうえで、大学ホームページや、刊
行物、公開講座等の媒体や機会を利用するなど、広く周知できる方法によって行うことと
し、掲載URLは、http://sums.ac.jpを取得する予定である。各情報については「大学ト
ップページ」に表示した「大学案内」「学部・学科案内」「入学案内」などのメニューか
ら、検索できるように準備することとしている。
実施項目としては、次の教育研究活動等の状況について情報を公表する。
Ⅰ
大学の教育研究上の目的に関すること
設置申請時に提出した、大学および保健医療学部の目的・理念について公表する。
Ⅱ
教育研究上の基本組織に関すること
学部・学科・専攻の名称(英語名称)について公表する。
Ⅲ
教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位および業績に関すること
教員組織については、教員一覧(職位、氏名、学位、業績)、教員数については、学校
基本調査に基づき、男女別、職位別の人数を公表する。
各教員が有する学位および業績については、当該教員の専門性と教育内容に関して明ら
かにする。
Ⅳ
入学者に関する受け入れ方針および入学者の数
入学者受入方針(アドミッションポリシー)および志願者数並びに入学者数、収容定員
および在学生数、卒業者数および就職者数並びに進学者数、就職状況については病院、施
設等の内訳割合を公表する。
121
Ⅴ
授業科目、授業の方法および内容並びに年間の授業の計画に関すること
授業科目については、教育課程の体系的な流れがわかる資料のほか、学則(科目一覧)
を公表する。シラバスについても公表する。
Ⅵ
学修の成果に係る評価および卒業の認定に当たっての基準に関すること
評価、認定にかかる基準については、必修科目、選択科目別の必要単位修得数を明らか
にし、評価基準が明記されているシラバスを公表する。また、学則および評価、学位に関
する規程も公表し、取得可能な学位について明らかにする。
Ⅶ
校地・校舎等の施設および設備その他の学生の教育研究環境に関すること
学生生活の中心であるキャンパス概要として、校舎・設備、図書館、学習環境、周辺の
環境、交通手段などについて公表する。
Ⅷ
授業料、入学料その他大学が徴収する費用に関すること
学生納付金について規定している学則および関連規程について公開するほか、募集要項
の中にも記載して明確にする。
Ⅸ
大学が行う学生の修学、進路選択および心身の健康等に係る支援に関すること
学生が学習面や学生生活上の問題に関して質問したり、相談できる「オフィスアワー」
の状況について明らかにする。また、ケースに応じて医療機関やカウンセラーを紹介する。
就職や進路の相談については、担当教員が親身に対応することなどを明らかにする。
Ⅹ
その他
次の項目についても、ホームページ上から閲覧できるように準備を進める。
・規程集(教務関連規程)
・自己点検・評価報告書、認証評価の結果
122
ソ 授業内容方法の改善を図るための組織的な取組
Ⅰ
自律的な学生を育てるための取組
1 学生参加型の授業を取り入れる
学生が学修することに魅力を感じ、主体的、自律的に学修できるよう授業方法も段階を
踏ながら授業を行う必要がある。また、授業の事前・事後に意図的に学修課題を与え、学
生が事前・事後に学んだことが学修(授業)で役立つということを実感できるような授業
づくりをする。知識注入型の授業で学生が受け身になってしまわないよう、グループワー
ク、ディベート、プレゼンテーションなど学生参加型の授業を取り入れ、学生が学んだ知
識を活用することの喜びや充実感を感じられるようサポートする。
事前・事後の学習課題については、シラバスに記述欄を設け、それが効果的に活用でき
ているかどうかを学期末に確認する。
2 内発的動機を高める
内発的動機を高める要因として、学修者自身の動機、課題や教材、教師の熱意・教授法
などがある。組織的な取り組みとしては、以下の通りである。
1)シラバスには各教科の学習目標が明確であり、かつ達成可能なものを提示する。
2)教師の教育技術を高めるためにピア・レビューを行い、結果を生かす。
3)学生と教師とのコミュニケーションの機会を意図的に増やす。
既存の大学等で行われた調査によると、教員・学生間のコミュニケーションは学習意
欲を高める、という結果が多いことを認識し学生との関わりを大切にする。
4)双方向的授業も学習意欲を高めるため積極的に取り入れる。
5)教科に応じた少人数教育を取り入れる。
これらを意図的に教育に取り入れるにはそれぞれの教員の努力に負うところは多いが、
シラバス、少人数教育などの条件整備は教務委員会、ピア・レビューの企画等については
FD委員会など関連の委員会が連携協力する。
Ⅱ
人間を全人的に見ていく力を育てる取組
看護師、理学療法士、作業療法士いずれも職業的特性から人間を丸ごと見なければなら
ない。全人としての人間に目を向けるという力を育む実習は、事例を掘り下げて学べる環
境作りを行う。実習終了後は臨地の指導者と教員が交流会をもち指導の振り返りを行い次
の指導に役立てる。全人的なケアができるようにするためには、FD研修などで体験を出
123
し合い、学び合うことにより効果的な方法を共有する。
Ⅲ
授業評価の結果を生かし授業内容を精選し学生に理解できる授業を行う
「授業についていけない」と感じている学生が全体で約4割、理工系では5割を超えて
いる(benesse教育研究開発センター2013)
。このような結果をみると、本学で
も学生の授業内容・方法を周到に準備する必要がある。
具体的には次のように取り組む。
1)オムニバス方式の授業では、学生に指導教師の変更に伴って学修内容が著しく変
化するなど学生にマイナスの影響が及ばないよう教員間の連携を密にする
2)演習など複数の教員が共同で指導する場合、指導が偏らないよう事前の打ち合わ
せを十分に行うとともに、客観的な授業評価を行い次の授業に生かす。
3)抽象的で理解しにくい内容については、視聴覚教材、事例の活用、体験型の学習
などを適宜取り入れ理解を助ける。
上述のことに加え、本学では、各科目の授業終了時に定期的に「授業評価」を行うが、
それだけでは不十分であると考え、授業毎に学生の理解状況をリアクションペーパーなど
により把握し、次の授業に生かすようにする。また、関連科目の担当教員間で情報交換を
行い、無用な重複を避け授業内容の欠落をなくすとともに内容を精選する。また、授業展
開においては学生の理解状況を確認しながらすすめる。これらについては、教務委員会が
主となり、組織的に対応する。
Ⅳ
カリキュラム評価
設置時のカリキュラムは、教育理念から学科の教育目標まで体系性を重視して組み立て
ているが、カリキュラムは研究で言えば仮説に似ている。仮説が検証できたかどうかは結
果が証明する。設置時のカリキュラムで学んだ学生は到達目標でもあるディプロマポリシ
ーに掲げた能力が身に付いたか、学修の順序性や教授内容の難易度は適切であったか等カ
リキュラム評価を行う。完成年度を迎える時期まで学生・教員の両方を対象にカリキュラ
ム評価を実施し問題点を明確にし、改善する。カリキュラム評価に関しては、教務委員会
が中心となって行う。
Ⅴ
教育力の向上を図り授業内容の改善に繋げる取組としてのFD研修
本学の教育力の向上を図り、授業内容の改善に繋げる取り組みとして各学科・専攻教員
及び事務職員等から選出された教職員で構成されるFD委員会を設置し、計画的に研修を
行う。
124
看護師、保健師(選択制)
、理学療法士、作業療法士と養成する人材の違いはあるが、学
部は1学部であり、教育の目指す方向性には共通するものも多い。従って、学科の壁を越
え全学的なFD研修と学科の独自性を考慮した学科毎のFD研修を予定している。
特に、本学の教育目標の一つである質の高いチーム医療教育に準拠して、看護学、理学
療法学、作業療法学の立場から、医療現場における多職種と交流する能力、困難な事例に
対する問題解決能力、諸問題に対し妥当な情報を適確かつ敏速に集約する能力、得られた
情報を整理して伝達する能力等を、学生に対する授業に活かすことができるよう工夫し、
新任及びその他の教職員に対する研修、教育方法改善に向けての講演会、授業改善検討会
等の開催と教員相互の授業参観及び評価、FD成果の報告等を行う。
次の表(年次、FDテーマ、時期・年間回数等)に示すように初年度は、教員同士が教
育的な交流を図り、目指す教育の方向性を共有することから始める。学部の教育目標に掲
げた①高度な専門知識と技術、②チーム医療の推進、③地域貢献に添う教育研究を行うた
めに整えた諸条件(教育環境や教育課程、教育内容・方法等)が真に役立つものであるか、
また役立てられているか等について日常の教育研究活動に結びつけて検討する。本学では、
総合教育科目は2学科共通の教育課程となっており、情報を共有しやすいため、適切に学
生教育・指導ができるように全学的な研修において様々な観点で検討することが可能であ
る。さらに研修の成果として得られた授業内容については、学生から評価を受け、反映さ
せるようにする。
2年目は、総合教育科目の一部を残し、専門基礎科目に学びの中心が移り、徐々に専門
科目に移行する時期である。学生が入学当初に描いていたことと現実に学んでいることと
の間に乖離や矛盾などの問題が生じていないか、学修上の課題を抱えた学生への対応、よ
り効果的な学修指導等に関して有効な手段を検討する必要があるが、これは全学的にも学
科別にも必要である。特に、工夫された良好な授業を教員が参観することで、自己の授業
改善に活かすようにする。また、臨地・臨床実習教育における施設の指導者との連携、学
生教育方法、事例検討、学生評価方法等について、内外の経験者等を招聘した講習会等を
開催し学ぶ機会を得る。
3年目は、他大学で先行した発展的な方法について学ぶことにより、本学の教育方法に
適合できるようにする。また、プレゼンテーション技法や授業に用いることができる機器
の利用方法について学ぶ。
4年目は、これまでの成果実績を整理し、自己点検評価に関するFD研修を行い、今後の
教育に活かす。なお、学生に対する教育は継続的なものであるため、各々の内容は年間を
通して繰り返され、教員の教育研究の質的向上を図り、大学教員がその責務に関する共通
の認識を明確に持つために、ワークショップや講演を通して情報や学習の場を提供するこ
となどを予定している。特に、完成年度以降に特徴的なFDテーマとして、卒業生の修学・
就職・進学等の分析と今後の指導体制を再検討する。さらに、教員の地域貢献、研究活動
をより質の高いものにするための講習会の開催や大学カリキュラム全体の見直し等に重点
125
をおく内容で実施する。
表 FD年間計画例
年次
開学年
FDテーマ
①
時期・年間回数等
新任教員及びその他の教員に対
①
新任採用及び過年度採用(2 年
する教育方法、学生指導等の研修
目以降が該当)教員に対して、初歩
②
的な教育活動から近年の大学に関
学生による授業評価と結果の公
表
する広範な知識・技術を学習する必
③
教員相互の授業参観と評価
要があるため、新規入職の教職員に
④
実習形態が異なるため学科ごと
伴い前期の早い時期に年 1 回実施す
に前期終了後に 1 回実施する。
る。
②
前期及び後期の各最終授業時
に実施する。評価結果の公表は前期
及び後期ごとに集計され学生及び
教員に公表する。
③
授業参観と他教員から評価を
受けることについて、前期及び後期
ごとに 1 回以上実施する。
④
実習形態が異なるため学科ご
とに前期終了後に 1 回実施する。
2年目
①
教育方法改善検討会
①
年間の評価結果等をもとに年
②
新任教員及びその他の教員に対
度末に 1 回、実施する。
する教育方法、学生指導等の研修
②
③
目以降が該当)教員に対して、初歩
学生による授業評価と結果の公
表
新任採用及び過年度採用(2 年
的な教育活動から近年の大学に関
④
教員相互の授業参観と評価
する広範な知識・技術を学習する必
⑤
臨床実習指導方法に関する講習
要があるため、新規入職の教職員に
伴い前期の早い時期に年 1 回実施す
会
る。
③
前期及び後期の各最終授業時
に実施する。評価結果の公表は前期
及び後期ごとに集計され学生及び
教員に公表する。
④
授業参観と他教員から評価を
受けることについて、前期及び後期
126
ごとに 1 回以上実施する。
)
⑤
実習形態が異なるため学科ご
とに前期終了後に 1 回実施する。
3年目
①
他大学の教育方法の伝達
①
②
プレゼンテーション技法の講習
国に公開されているFD講習会に
会
③
教育方法の質の向上のため、全
教職員が参加し、先行する他大学の
教育技法改善のための機器の利
教育方法の伝達を年に 1~2 回実施
用に関する講習会
する。
④
②
新任教員及びその他の教員に対
教員相互の授業参観結果など
する教育方法、学生指導等の研修
を踏まえて、外部講師によるプレゼ
⑤
ンテーション技術の講習会を、新規
学生による授業評価と結果の公
入職の教職員に伴い年度末に 1 回実
表
⑥
教員相互の授業参観と評価
施する。
⑦
臨床実習指導方法に関する講習
③
会
⑧
プレゼンテーション技術を含
む教育技術の質的向上のためコン
教育方法改善検討会
ピュータやソフト等の利用法につ
いての講習会を、新規入職の教職員
に伴い前期の早い時期に 1 回実施す
る。
④
新任採用及び過年度採用(2 年
目以降が該当)教員に対して、初歩
的な教育活動から近年の大学に関
する広範な知識・技術を学習する必
要があるため、新規入職の教職員に
伴い前期の早い時期に年 1 回実施す
る。
⑤
前期及び後期の各最終授業時
に実施する。評価結果の公表は前期
及び後期ごとに集計され学生及び
教員に公表する。
⑥
授業参観と他教員から評価を
受けることについて、前期及び後期
ごとに 1 回以上実施する。
)
⑦
実習形態が異なるため学科ご
とに前期終了後に 1 回実施する。
127
⑧
年間の評価結果等をもとに年
度末に 1 回、実施する。
4年目
①
自己点検評価に関するFD研修
①
②
学生による授業評価と結果の公
とに、教育研究水準の向上のため、
表
個々のFDに関する取組をも
現状の利点及び改善点を自己評価
③
教員相互の授業参観と評価
するための講習会を前期あるいは
④
臨床実習指導方法に関する講習
後期終了後に、年 1 回実施する。
会
②
前期及び後期の各最終授業時
⑤
教育方法改善検討会
に実施する。評価結果の公表は前期
⑥
他大学の教育方法の伝達
及び後期ごとに集計され学生及び
教員に公表する。
③
授業参観と他教員から評価を
受けることについて、前期及び後期
ごとに 1 回以上実施する。
④
実習形態が異なるため学科ご
とに前期終了後に 1 回実施する。
⑤
年間の評価結果等をもとに年
度末に 1 回、実施する。
⑥教育方法の質の向上のため、全国
に公開されているFD講習会に教
職員が参加し、先行する他大学の教
育方法の伝達を年に 1~2 回実施す
る。
完成年度以
完成年度以降についてもFD委員会
降
を中心に計画的に実施する。
①
卒業生の修学・就職・進学等の分
①
卒業生の修学結果の分析から、
析検討会
留年、休学や退学学生の分析と指導
②
体制及び就職動向や進学動向の指
教員・大学としての地域貢献に関
する講習会
導体制について、前期に 1 回検討す
③
教員の研究活動の報告書の発刊
る。
④
教員と臨床現場との連携活動検
②
地域貢献の具体的事例の発表
討会
及び他大学の事例による講習会を
⑤
科学研究費等の外部資金講習会
後期に 1 回開催する。
⑥
カリキュラムの再検討会
③
⑦
授業評価、実習評価の妥当性に関
示し、後期に 1 回、今後の活動につ
128
教員の研究活動等を報告書に
する講習会
いて検討する。
⑧
④
学生による授業評価と結果の公
表
⑩
臨床実習施設の指導者との教
育・研究に関して、講習会や実習形
臨床実習指導方法に関する講習
会
態に関する検討会を前期 1 回実施す
る。
⑪
教育方法改善検討会
⑤
科学研究費等外部資金の申請
⑫
他大学の教育方法の伝達
書の記載方法に関する講習会や既
⑬
自己点検評価に関するFD研修
取得者との意見交換会を前期に 1 回
実施する。
⑥
授業の内容、順序性、各授業の
関連性等、カリキュラム全体につい
て、教職員から意見を求めながら、
前期及び後期終了後に検討案を提
示する。
⑦
各種評価様式の妥当性の再検
討をするための講習会及び検討会
を前期に 1 回実施する。
⑧
前期及び後期の各最終授業時
に実施する。評価結果の公表は前期
及び後期ごとに集計され学生及び
教員に公表する。
⑨
授業参観と他教員から評価を
受けることについて、前期及び後期
ごとに 1 回以上実施する。
⑩
実習形態が異なるため学科ご
とに前期終了後に 1 回実施する。
⑪
年間の評価結果等をもとに年
度末に 1 回、実施する。
⑫教育方法の質の向上のため、全国
に公開されているFD講習会に教
職員が参加し、先行する他大学の教
育方法の伝達を年に 1~2 回実施す
る。
⑬
個々のFDに関する取組をも
とに、教育研究水準の向上のため、
129
現状の利点及び改善点を自己評価
するための講習会を前期あるいは
後期終了後に、年 1 回実施する。
開学5年目以後は、以上のような取り組みの他、教員の教育研究の質的向上を図るため
に、大学教員がその責務に関する共通の認識を明確に持つために、ワークショップや講演
を通して情報や学習の場を提供することなどを予定している。
130
タ 社会的・職業的自立に関する指導等および体制
Ⅰ
看護学科
看護学科は看護師の養成を目的としており、長い職業生活において多様な看護ニーズに
対応できる応用力のある人材の養成が求められ、教育課程内においてはこれらに対応した
教育課程を編成した。
また、教育課程外の取組としては、チューター制の導入、保健医療学部学生支援委員会、
学生支援室(学生サポートセンター内)を設置し、これらと連携を密にはかり、学生の社
会的・職業的自立における指導、支援をしていく。
1 教育課程内の取り組みについて
教育課程においては、総合教育科目に「倫理学」、「ボランティア学」、「チーム医療論」、
「コミュニケーション論」
、
「公衆衛生学」を配置し、倫理観や尊厳の心の養成に努める。
「コ
ミュニケーション論」科目ではコミュニケーション力や人間関係力を養成していく。また、
労働衛生や疾病予防と健康管理について「公衆衛生学」で学習する。
専門科目Ⅰに、
「看護倫理」を配置し、倫理的ジレンマを含む事例の検討やディベート学
習等を通して、看護師としてのモラルや専門分野の知識を修得する。さらに、ディスカッ
ション能力、話す力、まとめる力などを養成する。
統合科目に、
「看護カウンセリング」、
「キャリア形成論」、
「インターンシップ」科目を選
択科目として設置し、キャリア形成や就職に役立つように支援する。
「看護カウンセリング」
では、学生自身の健康管理におけるセルフケア能力を身につける。さらにカウンセリング
技術を学び看護場面におけるコミュニケーション力が身につくようにした。
「キャリア形成
論」では、大学教員がコーディネーターを務め、外部講師による体験談の伝達を受け、そ
れらを素材にしたグループ討議等通して、働くことの意義や事例に則した専門職としての
モラルを学ぶ。
さらに、
「インターンシップ」科目では、ふれあいグループの施設で医療現場での実践を
見学・学習することを通して、自己の職業適性や将来設計について考える機会とし、主体
的な職業選択や就職後の職場への適応力を身につけることにする。
2 教育課程外の取り組みについて
1)チューター制の活用と学生支援委員会との連携
チューター制を導入し、社会的・職業的自立を図るための支援をしていく。看護学科内
において社会的・職業的自立に関する学生の課題について共有するとともに、学生支援委
131
員会に報告し共有し、課題解決に組織的に取り組んで支援する。
2)資格取得に向けた学習指導
看護学科学生支援委員とチューター教員、看護学科内学習支援委員および学生からの若
干名の委員が連携し、学生主体の資格取得に向けた支援をしていく。
3)経済的支援等
経済的支援が必要な学生には、奨学援護支援をしていく。
3 適正な体制の整備について
1)学生支援委員会の設置
学生のキャリア形成に関する教育課程内外の取り組み内容の骨子等を審議する場として、
看護学科、リハビリテーション学科の教員および事務部職員から構成される「学生支援委
員会」を設置する。
学生支援委員長は学長が任命する。学生支援委員会が審議する事項は次の通りであるが、
必要に応じて事項が追加されることがある。各事項の実施に際しては、教務委員会、教務
課、および学生支援室と密接に連携を取り行う。
・教育課程内の取り組みに関する事項
・研修の実施に関する事項
・インターンシップに関する事項
・キャリア形成支援に関する事項
・大学のキャリア形成支援の調査に関する事項
・学生支援室の運営に関する事項
・その他学生のキャリア形成に関する事項
2)学生支援室の設置
学生の社会的、職業的自立を図るために「学生支援室」が設置される。学生支援室の具
体的な業務は学生支援委員会と密に協力し、学生への支援を実施する。主な業務は以下で
ある。
・学生支援委員会で決定されたこと
・学生の就職支援のための施設との窓口業務
・学生の就職支援のための施設などの情報収集
・施設の求人開拓や学生への紹介業務
・施設見学会、説明会の実施に関する事項
・適性試験に基づく相談、就職に関する個別カウンセリングおよび就職相談会の実施
132
・保護者に対するキャリア支援実施状況の説明
・学生が必要とする書類作成指導、面接指導
・学生・卒業生、就職施設等へのアンケート対応、統計資料作成等
・その他
3)看護学科と学生支援室との連携
看護師として社会的・職業的自立を図る体制として、学生支援室を整備する。
133
Ⅱ
リハビリテーション学科
リハビリテーション学科は地域において多様なニーズに対応できる問題解決力と実践力
のある人材の養成を目的としており、教育課程の編成においてはこれらに対応した科目を
配置した。
また、教育課程外の取組としては、担任制の導入、保健医療学部学生支援委員会、学生支
援室(学生サポートセンター内)を設置し、これらと連携を密にはかり、学生の社会的・
職業的自立における指導、支援をしていく。
1 教育課程内の取り組みについて
教育課程においては、総合教育科目に「倫理学」
「ボランティア学」「チーム医療論」「コ
ミュニケーション論」「公衆衛生学」を配置し、倫理観や尊厳の心の養成に努める。「コミ
ュニケーション論」科目ではコミュニケーション力や人間関係力を養成していく。また、
労働衛生や疾病予防と健康管理について「公衆衛生学」で学習する。
専門科目では、
「理学療法概論」
・
「作業療法概論」を配置し、理学療法士・作業療法士の
立場から医療法や介護システムの矛盾や問題点を考察することで、職業意識の形成を促す。
また、
「理学療法管理・リスクマネジメント」
・「作業療法管理・運営」を配置し、医療・福
祉の現場で必要となる理学療法士・作業療法士としての倫理と管理運営について学ぶ。各
演習科目においては事例検討やグループワークを多く取り入れ、コミュニケーションの基
礎となる発信力、傾聴力、柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)を養う。
臨床実習では、知識と技術の統合だけでなく、患者との関係づくり、臨床実習指導者と
のディスカッションを通じて医療現場におけるコミュニケーションの実際を知り、状況把
握力と規律性を身に付ける。
2 教育課程外の取り組みについて
1)担任制の活用と学生支援委員会との連携
リハビリテーション学科では、専攻ごとに1学年に担任教員と副担任教員を1名ずつ配
置し、社会的・職業的自立を図るための支援をしていく。4年間の支援・指導に連携をも
たせるために、教員は4年間同じ学生を担当する。
社会的・職業的自立に関する学生の課題については、リハビリテーション学科内で共有
するとともに、学生支援委員会に報告し共有し、課題解決に組織的に取り組んで支援する。
134
2)資格取得にむけた学習指導
リハビリテーション学科学生支援委員と、担任・副担任教員が連携し、学生主体の資格
取得に向けた支援をしていく。
3)経済的支援等
経済的支援が必要な学生には、奨学援助支援をしていく。
3 適正な体制の整備について
1)学生支援委員会の設置
学生のキャリア形成に関する教育課程内外の取り組み内容の骨子等を審議する場として、
看護学科、リハビリテーション学科の教員および事務部職員から構成される「学生支援委
員会」を設置する。
2)学生支援室の設置
学生の社会的、職業的自立を図るために「学生支援室」が設置される。学生支援室の具
体的な業務は学生支援委員会と密に協力し、学生への支援を実施する。
3)リハビリテーション学科と学生支援室との連携
理学療法士、作業療法士として社会的・職業的自立を図る体制として、学生支援室を整
備する。
なお、看護学科およびリハビリテーション学科の以上における社会的・職業的自立に関
する指導等および体制の体系図を、図8に示す。
就職先
教育課程内の取組
・医療施設
・福祉施設
・医療福祉中間施設
・教育、行政、その他
求人票
・倫理観や尊厳の心・人間関係力
「倫理学」 「ボランティア学」
「チーム医療論」 「コミュニケーション論」
「看護倫理」
「理学療法管理・リスクマネジメント学」
「作業療法倫理・管理学」
教員
就
職
相談・指導
情報の共有化
・医療における安全管理力
「公衆衛生学」
教育
・学生支援室
・学生支援委員会
インターネット
・働く意義、職業観・自己の職業適性
「キャリア形成論」 「インターンシップ」
学生
就
職
支
援
キ
ャ
リ
ア
教
育
アクセス
・コミュニケーション力・セルフケア力
「看護カウンセリング」「対象者行動論」
指導
教育課程外の取組
・マナーとモラルの教育
・コミュニケーション力の強化
学習促進
国家試験対策
図8 保健医療学部における社会的・職業的自立に関する指導等及び体制の体系図
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