那智勝浦町立新病院建設事業 要求水準書2 平成27年6月 那智勝浦町立温泉病院 目 則 次 1 総 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2 2 敷地条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 3 3 建築計画に関する要件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 構造計画に関する要件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 14 5 設備計画に関する要件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 15 添付資料 地質調査資料 1 P 4 1 総則 (1)本事業共通の留意事項 ア 業務の実施にあたっては、那智勝浦町立温泉病院(以下「病院」という。)の那智勝 浦町立温泉病院新病院建設基本計画書(以下「基本計画書」という。)の基本方針を十 分理解した上で行うこと。 イ 病院の機能を十分に理解し、患者に優しい施設であるとともに、病院スタッフが質の 高い医療を提供できる施設とすること。 ウ 本要求水準書の各業務の要求水準に特段の記載がない場合でも関係法令を遵守するこ と。 エ 本要求水準書の各項目の記述中に特に指示・指定している場合を除き、必ずしも国土 交通省大臣官房官庁営繕部監修の各種工事標準仕様書の基準による必要はなく、本書で 要求する基準を満たす限りは事業者が独自に有する仕様書※の基準により設計及び工事 を施工することも妨げない。(※社団法人日本建築家協会監修の各種工事共通仕様書及 び社団法人日本建築学会建築工事標準仕様書を参考とすること。) オ 建築材料及び設備機器等を選定する際は、経済性、効率性、耐久性(長寿命化)及び メンテナンスの容易さに配慮し、ライフサイクルコスト(LCC)の観点からコスト削 減を図ること。 カ 医療環境の変化に対応するため柔軟性を確保した計画を行い、将来の諸室の用途変更 や大型医療機器の更新等に対応可能なものとすること。 キ 質の高い医療サービスを提供するために、財団法人日本医療機能評価機構が実施する 病院機能評価の認定基準に対応できる施設とすること。 ク 災害時においても病院機能を維持しうる構造・設備計画とすること。 ケ 台風等による暴風雨や塩害など、当地域の気候風土の特性を十分に考慮した建築・設 備計画とすること。 コ 本要求水準書の施設名称や各階構成については、病院の独自想定で記載しており、事 業者からの提案を固定するものでなく、より良い提案を求めるものである。 2 2 敷地条件 (1)敷地概要等 1.敷地概要 地番地名 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字天満1185番地4 2.法的条件 都市計画 都市計画区域内 用途地域 指定なし 建ペイ率 70% 容積率 300% 防火地域 指定なし 高さ制限 道路斜線:1.5 区域区分非設定 建築基準法第22条地域 隣地斜線:31m+勾配2.5 日影規制:なし (2)インフラ整備状況 ア 上水道:公営上水道 イ 下水処理:合併処理浄化槽(一般汚水) 雨水、汚水とも既設の側溝へ接続 ウ ガス:プロパンガス エ 電話:NTT オ 電気:関西電力 (3)地質調査 参考資料として建設地の地質データ(※)を添付するが、事業者は本データ以外に、 別途調査及び試験が必要な場合は事業者の負担により行うこと。 ※添付資料参照 3 3 建築計画に関する要件 (1)全体計画 ア 基本方針 (ア)建物構成 a 施設は次の表のように構成される。 建物名称 内 容 病院本体 延床面積8,500㎡程度 外構 フェンス、排水工 付帯施設 医師等職員住宅棟、駐車場、自転車等駐車場、車庫 イ 供用開始スケジュール (ア)次の表のとおりとする。 建物(供用開始日) ウ 平成30年3月 配置計画 基本計画書及び本要求水準書を参考に、よりよい提案をされたい。 エ 外構計画 (ア)構内の歩道の床面は雨の日等に滑らない材料を選定し、患者が転倒しないようにす ること。 (イ)道路境界にフェンスを設け、防犯対策に努めること。また、住宅に近接している箇 所は目隠しフェンスとするなど、プライバシーの配慮にも努めること。 オ 医師等職員住宅棟計画 (ア)諸室構成は、単身用10戸、家族用4戸、当直室1室、会議室1室とする。 (イ)3階建てを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 カ 駐車場・自転車等駐車場計画 (ア)基本計画書に記載の駐車場台数250台(患者用160台、職員用90台)は、将 来計画を踏まえた台数であり、当面は敷地規模から駐車場として180台以上の台数 を確保する。うち、4台以上は障がい者用駐車場として通用口の近くに設け、病院玄 関までのアプローチには屋根を架けること。 (イ)駐車場は、原則として平面駐車場とする。 (ウ)エントランスの前には、一般車両3台、タクシー2台程度が停車できる車寄せを設 けること。 (エ)上記以外に2台程度の送迎バス(30人乗りバス程度)の待機スペースを設けるこ 4 と。 (オ)来院者の雨濡れ、風除室への雨の吹込み対策として、車寄せからエントランスに適 切な大きさ・形状のキャノピーを設けること。 (カ)エントランスから遠くない位置に、来客用の屋根付きの自転車等駐車場及びミニバ イク置場を設けること。また、適切な位置に職員用自転車等駐車場を設けること。 キ アプローチ計画 (ア)業務系車両のアプローチは来院者車両のルートとは分離すること。また、来院者車 両と業務系車両の危険な交錯が発生しないように配慮した車路計画を策定し、整備す ること。 (イ)構内は車いすの通行に支障がないように配慮するとともに、点字ブロックを設ける 等、身体障がい者に配慮すること。 (ウ)構内は歩車道を明確に分離し、歩行者の安全を確保すること。 ク 平面・断面計画 (ア)患者動線、スタッフ動線及び物流動線は明確にし、できる限り交錯しないように配 慮し、機能性及び安全性を考慮した動線計画を策定し、整備すること。なお、上下の 位置関係にも配慮した計画とすること。 (イ)エントランスは外部から認識しやすい位置に配置し、庇等により利用者が雨に濡れ ないように配慮すること。 (ウ)エントランスの風除室は利用者が多い場合も風の吹込みがないように配慮すること。 ただし、回転扉の設置は不可とする。 (エ)メインとなるエントランスのほかに、病院内の業務用(寝台用)エレベーターから 近い位置に通用口を設置すること。 (オ)外来患者が自分の位置を把握しやすいように各部門を配置すること。 (カ)入院患者と外来患者の動線はできる限り交錯しないように配慮すること。 (キ)大型の医療機器を配置する部屋は、将来の機器更新等における搬入をも想定した構 造及びレイアウトとすること。 (ク)平面・断面計画を策定する際には、病院各部門と十分な協議を行った上で決定する こと。 ケ 外装計画 (ア)病院施設の外観は、周辺環境と調和し、地域の街並みに配慮した建物形状とするこ と。 (イ)建物の外観デザインはシンプルなものとし、外装についても経済性、耐久性に優れ、 メンテナンスが容易なものとすること。 (ウ)防水、防湿、防錆、防音及び断熱、結露について十分な対応を行うこと。 コ 内装計画 5 (ア)内装材は、清掃しやすく防汚性の高い材料を使用すること。 (イ)仕上げ材料、建具及び手すり等については、機能性及び安全性に配慮して選定する こと。 (ウ)シックハウス対策として揮発性有機化合物を含まない材料(JIS・JAS規格の 「F☆☆☆☆(エフフォースター)」)を採用すること。 (エ)ベッドやカート等の移動の際、出隅や腰壁等に損傷を与えないよう院内の各部門の 特性に応じた保護対策を行うこと。 (オ)病室等の天井については、模様により患者がせん妄を起こす恐れのある材料は使用 しないこと。 (カ)患者が歩行するエリアの床材については、転倒や滑りの恐れのある材料は避けるこ と。特にトイレ、浴室、シャワー室等の水廻りや雨の吹き込みや持ち込みがある廊下 や半屋外空間等は防滑仕様のものを採用すること。 (キ)患者が利用する扉は引戸とし、必要に応じて自動ドアとすること。ただし、納まり 上設置が不可能な箇所についてはこの限りでない。自動ドアは停電時においても容易 に開閉可能な形式とし、必要に応じて非常用電源対応とすること。 (ク)廊下の幅員は、内法幅は両側居室の場合は2.7m以上、片側居室の場合1.8m 以上を確保する。 (ケ)通路、開口部、建具等の有効幅員は当該部位の通行想定に応じて、適切な幅員を確 保すること。 (コ)病室及びスタッフステーションについては内装工事施工前にモックアップを作成し、 病院スタッフとレイアウトについて調整すること。 (サ)患者が利用するスペースは自然光を利用した明るく落ち着いた空間となるように工 夫をし、音や風の流れにも配慮すること。 (シ)外窓は結露対策として窓枠の種類は樹脂サッシ以上のものとする。 (ス)病院として静ひつかつ清潔感のある色彩及びデザインとすること。 (セ)外窓及びその他必要な箇所には、カーテン又はブラインドを設置すること。 (ソ)病棟、外来、診療その他各諸室の内装については、その用途、特性等を考慮した仕 上げとする。 (タ)造作家具、据付装備については、必要とされる室・部位に設置するものとする。 サ サイン計画 (ア)サイン計画は、施設利用者にわかりやすいものとすること。また、文字の大きさ等 については高齢者、視覚障がい者等にも配慮した計画とすること。 (イ)建物内、外構ともに統一性を図ること。 (ウ)案内表示は患者の流れをよく理解し、目的の諸室に正確かつ容易に行くことができ るように配慮すること。 (エ)敷地内への出入口付近に敷地全体の案内図を設置し、エントランスホールに病院全 体の案内図及び診療科一覧表を設置すること。また、掲示板を適宜設置すること。 (オ)建築物の壁面に設置する等、敷地外からも施設の名称がわかるようなサインを設置 6 すること。なお、設置されたサインによって、施設利用者がけが等をしないよう安全 性を確保すること。 (カ)変更頻度の高いサインについては、表示面の変更が容易にできるものとすること。 (2)部門構成 病院の部門構成は次のとおりとする。 部 門 機 能 区 外来部門 一般外来、看護外来、中央処置室 病棟部門 病棟 救急部門 救急室 手術・中材部門 手術室 薬局部門 薬局 臨床検査部門 臨床検査室 内視鏡部門 内視鏡室 放射線部門 放射線室 リハビリテーション部門 機能訓練室、言語聴覚室 臨床工学部門 ME 室 栄養給食部門 栄養給食室 健診部門 健診室 地域連携部門 地域連携室 分 一般病棟 療養病棟 検体検査 生理検査 医局 事務部門 医事、医療情報 管理、厚生、物品管理室 スポーツ温泉医学研究所 温泉運動実験室、電気生理実験室、解析室、 地域医療研究センター (3)断面構成 本要求水準書を参考に、事業者からのよりよい提案を求めるものである。 (4)部門別要件 ア 病棟 (ア)病床配置 7 a 病床及び病室の構成は、基本計画書の必要諸室のとおりとする。なお、本表は、病 棟構成等を想定したものであり、事業者からの提案を固定するものではない。 (イ)病棟の配置条件等 a 病棟は3~4階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があれば この限りではない。 b 1看護単位60床を基準とする。 c 将来の医療需要の変化にフレキシブルに対応できるような配置とすること。 d 病室面積は1床あたり10㎡以上を確保すること。 e 各病室には良好な療養環境確保のためにできるだけ大きな開口部を設けるものとす るが、方位に応じて、日射対策、断熱対策を施すものとすること。 f すべてシャワー付トイレとすること。 g 各ベッド間にはカーテンを設置すること。 h スタッフステーションは、一般用エレベーターから病棟内部への出入りをチェック でき、かつ、病棟全体を見渡せる位置に設けるものとすること。 i スタッフステーションは、患者・見舞客等からアクセスがしやすいよう考慮するこ と。 j 病棟内部には入院患者がベッドから離れて食事ができる食堂を設けること。 k 病棟内部には患者が寛げる、あるいは見舞客と話ができるような談話室を設けるも のとすること。 l 独立した脱衣室を持つ一般浴室と特殊浴室を病棟内に設けること。 m 車いすトイレを適宜設けること。 n 汚物処理室を病棟内にバランスよく数カ所設けること。 o ランドリーは浴室に近接した位置に設けること。 p 業務用エレベータは厨房の近くの位置に設けること。 q スタッフステーション内部には、処置室、カンファレンス室及び休憩室を設けるこ と。 r スタッフステーション内部または近接した位置に器材等を収納する倉庫を設けるこ と。 イ 外来 (ア)外来診察室 a 外来診察室は、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があ ればこの限りではない。 b 患者とスタッフの動線は明確に分離すること。 c 診察室の後背にスタッフ専用通路を設け、複数の診察室・処置室等が繋がる外来業 務エリアとして機能させること。 d 外来診察室、処置室等の配置(ブース・レイアウト)については、病院の外来診療 のシステム、外来部門の運営方針、医療者の要望、本計画における様々な制約等を 8 理解した上で、事業者が提案を行い、病院側がそれらを精査し決定することとする。 e 患者が自分の診察開始等を過ごすための待合エリアについて、患者の待ちストレス を最小限に抑える解決方法を検討すること。 f 患者のプライバシーや個の権利を最大限に配慮し保護する施設運営スタイルを前提 とすること。 g 車いす利用者にも配慮した通路幅、扉幅及び扉形状とすること。ブースにおいても 車いすやストレッチャーの出入が可能なものとする。 h 診察台が設置されている室等では、患者プライバシー保護のため目隠しカーテン等 を設置すること。 i 感染症の患者あるいはその疑いがある患者に対応できるように、隔離できる感染症 対応エリアを設け、他の患者との接触を避けられる入退室の経路を確保すること。 j 外来者用トイレは、分かりやすい位置に設ける。 k 外来者用トイレの少なくとも1ブースは介助が行える広さとし、必要に応じておむ つ交換スペースも設けること。 l スタッフ用のトイレは患者・外来者用とは別にスタッフ専用のエリアに設けること。 m 掲示板のほか、大型の液晶ディスプレイ等を置き、利用者への情報発信が容易に行 えるようにすること。 n 「待合」として機能するようにソファ・ベンチ等を適宜配置するためのスペースを 確保すること。 (イ)中央処置室 a 中央処置室は、患者・医療者の動線を考慮し、1階に配置することを想定するが、 事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 b 主な外来診察室からアクセスしやすい動線を確保すること。 c ベッドを6床以上配置できるスペースを設けること。そのうち、個室を2床程度設 けること。 ウ 手術室 a 手術室は、職員動線等に配慮し、2階に配置することを想定するが、事業者からの より良い提案があればこの限りではない。 b 手術室内装システム(壁埋込機器、各種モジュールを含む)を整備すること。 エ 内視鏡室 a 内視鏡室は、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があれ ばこの限りではない。外来患者及び入院患者の利用に配慮した配置とすること。 b 検査を受ける患者に配慮した待合いスペース等の整備を図ること。 c 検査前に利用しやすい位置にトイレを設置すること。 d 患者が通る通路等とスタッフ動線をできるだけ分離すること。 e 車いす利用者及びベッド搬送に配慮した通路幅、扉形状・幅とすること。 9 オ 臨床検査部門 (ア)検体検査 a 検体検査は、検体搬送動線に配慮し、1階に配置することを想定するが、事業者か らのより良い提案があればこの限りではない。 b 効率よく業務が行えるように検体搬送動線は極力短くなるように計画すること。 c 適切な空調管理を行うこと。 d 仕上材等は耐薬品性を持つものとするとともに、清掃が容易なものとすること。 e 採尿トイレを検体検査室に隣接して設置すること。 (イ)生理検査 a 生理検査は、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があれ ばこの限りではない。 b 外来患者が利用しやすい位置に設けること。 c 必要に応じて、患者通路の一角に待合スペースを設けること。 d 各検査室はレイアウト及びサイン・色彩等で利用者が判別しやすいように配慮する こと。 e 車いす利用者及びストレッチャー搬送に配慮した通路幅、扉形状・幅とすること。 カ 放射線室 a 放射線室は、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があれ ばこの限りではない。 b 外来患者及び入院患者の利用に配慮した配置とすること。 c 入口の分かりやすい位置に「受付」を設けること。 d 患者が通る通路等とスタッフ動線をできるだけ分離すること。 e 各検査室の近くに必要に応じて「待合スペース」を設けること。 f 操作スペースと撮影室の間に、必要な箇所には放射線防護された患者観察用のガラ ス窓を設けること。 g 更衣・前処置等が必要な室には「前室」を設けること。 h 各検査室はレイアウト及びサイン・色彩等で利用者に分かりやすいように配慮する こと。 i 将来の機器の更新に備えた設備容量や床荷重を想定し、機器の入れ替えを容易に行 えるような搬出入ルートに配慮した計画した整備を行うこと。 j 車いす利用者及びストレッチャー搬送に配慮した通路幅、扉形状・幅とすること。 k 将来の機器の更新による電気容量の増加を十分に見込んだ電気容量とすること。 キ リハビリテーション室 a リハビリテーション室は、外来及び病棟からの利用患者の動線に配慮し、1階に配 置することを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 10 b 機能訓練室とリハビリ診察室は、隣接して設置すること。 c 外来及び病棟からの利用を考慮した配置及び動線計画とすること。 d スタッフが目配りできるように視認性を確保すること。 e 大スパン等の採用によってできるだけ内部に柱がでない開放的な空間とすること。 f 室内には段差がないこと。 ク 薬局 a 薬局は、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があればこ の限りではない。 b 薬品の搬入・検収から、ストック、調剤、払い出しへの効率よい業務が可能なレイ アウトとすること。 c 院内各所への供給を容易にする動線の確保に留意する。 d 適切な空調管理を行えること。 e 必要に応じたカート置場を確保すること。 f 薬品を保管するための倉庫を設けること。 ケ 栄養給食室(厨房) a 栄養給食室(厨房)は、病棟に食事を供給するための動線に配慮し、1階に配置す ることを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 b 食材の搬入・検収及び厨芥搬出がしやすい車寄せに近接させること。 c 清汚に配慮した効率のよい下処理・調理・盛付け、及び残材処理及び洗浄等が衛生 的に行なえるようにHACCP手法に準拠した内部レイアウトとすること。 d 必要台数の温冷配膳車がプールできるスペースを確保すること。 コ 地域連携部門 (ア)地域連携室 a 地域連携室及び相談室は、エントランス及び外来・医事担当との患者動線に配慮し、 1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りで はない。 b 相談室は、プライバシー保護のために遮音性に配慮すること。 c エントランスホール側からの入口のほかに、目立たない位置にも入口を設けること。 サ 管理部門 (ア)医局 a 医局、図書室、医師当直室、医師更衣室等は、病棟・外来への動線に配慮し、2階 に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではな い。 b 医局は想定される人数に応じたデスク配置が可能な書棚付ローパーティションを設 置し、区画を設けること。 11 c 院長室には応接スペースを設けること。 d 浴室とトイレを設置した当直室を設けること。 e 原則として床はフリーアクセスフロアとすること。 (イ)医事(受付・会計・請求・入退院) a 医事(受付・会計・請求・入退院)は外来エントランス付近に配置すること。 b 外来エントランスからの視認性に配慮すること。 c 初診受付、再来、会計などの窓口の位置は、サインだけでなくレイアウト的にも利 用者から分かりやすいように配慮すること。 d 車いす利用者にも利用しやすいカウンター形状とすること。 e サーバ室は、外部から隔離し、入退室履歴管理等セキュリティを高めたものとし、 システムに適した環境として配慮された空調設備等を計画すること。また、停電時 のバックアップ電源を確保した計画とすること。 f 原則として床はフリーアクセスフロアとすること。 (ウ)庶務 a 事務室は、医局及び看護部との近接性を確保するため、2階に配置することを想定 するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 b 想定される人数に応じた事務室を設けること。 c 倉庫を設けること。 d 原則として床はフリーアクセスフロアとすること。 (エ)廃棄物保管庫 a 感染性医療廃棄物の保管が厳重に行えるように、入退室管理、空調換気管理等のセ キュリティが担保される計画とすること。 b 非感染性廃棄物、一般廃棄物、リサイクル廃棄物などの適切な分別と保管が行える ようなスペース、室配置とすること。 (オ)清掃・洗濯関係室 a 清掃・洗濯関係諸室は、病棟等に寝具類、清掃備品等を供給するための動線に配慮 し、1階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限 りではない。 b 業務用機器等が発する音と振動が周囲あるいは上階へ伝播しないように対策を行う こと。 c 委託業者スタッフの休憩室を設けること。 d 外部からの委託業者等による搬出入の動線に配慮すること。 シ 患者アメニティ施設 (ア)売店 a 売店は、患者・患者家族の利用しやすい配置とし、エントランス付近に設置を想定 するが、事業者からのより良い提案があればこの限りではない。 12 b 営業時間外も利用できる自動販売機コーナーも設けること。 c 車いす利用者にも配慮した通路幅等とすること。 d 売店の運営は、別途、病院が契約する事業者が実施するため、内装・備品の設置は 本業務の対象外とすること。 ス 福利厚生施設 (ア)職員更衣室 a 職員更衣室は、2階に配置することを想定するが、事業者からのより良い提案があ ればこの限りではない。 b 男女別とし、利用人数に見合ったロッカーを配置できる面積・室形状とすること。 (イ)休憩室 a スタッフの控室、休憩、小規模な打合わせ等に利用する室とする。 b 面積は、同時利用人数及び各部門の利用特性に合わせること。 c 外部に話し声等が漏れない程度の遮音性を有すること。 d ミニキッチン及びキッチン上部に吊り戸棚を設置すること。 (ウ)職員食堂 a 職員10名程度が食事できるスペースとし、会議室としても利用可能な室とする。 b 外部に話し声等が漏れない程度の遮音性を有すること。 セ その他共用部分 (ア)エントランスホール・中央待合 a エントランス・中央待合は1階に配置することを想定するが、事業者からのより良 い提案があればこの限りではない。 b エントランス及び風除室は、室内の空調された空気が流失し難い扉形状とするが、 歩行速度が異なる一般来院者や車いす利用者などが、双方向に安全に通行できるよ うに配慮すること。 c 風除室の近傍に貸出用車いす5台、ストレッチャー2台を収納するスペースを見栄 えよく確保すること。 d エントランスホールは利用者が目的の場所への経路を短時間で認識できるような空 間意匠、色彩、サイン計画とすること。 e 待合スペースは、利用者の身体的な状況や、付添いや同伴者の有無など、様々な利 用者にとって快適な環境となるように配慮すること。 (イ)エレベーターホール、廊下等 a エレベーターホール、廊下等は、患者、スタッフ等の通行に支障がないようにする とともに、車いす、ストレッチャー等の通行にも配慮して、十分なスペースまたは 幅員を確保すること。 b 床には、滑りにくく、かつ、耐久性が高く、清掃が容易な材料を使用するとともに、 13 壁は台車、ストレッチャー、車いすなどの接触・衝突によっても破損しないような 材料を選定すること。 c 床には段差は設けず、スロープも極力設けないようにする。段差やスロープを設け る場合は、勾配を緩くするとともに、色彩等により高齢者等でも容易に認識できる ように配慮すること。 (ウ)階段 a 階段は基本的には患者及び見舞客は利用しないように計画し、スタッフが頻繁に利 用する階段は、安全な蹴上げ・踏面寸法とするとともに、十分な幅員を確保するこ と。 (エ)設備機械室 a 主要な設備機械室は1階及び屋上に屋外設置型設備機器スペースを配置することを 想定するが、事業者からのより良い提案があればこの限りでない。 b 必要な騒音対策も施した上で設備機器の運転に必要な換気容量を確保すること。 c 隣接した室及び上下階への遮音対策及び防振処置を十分に行うものとすること。 (5)諸室リスト 具体的な諸室については、基本計画書の必要諸室のとおりとする。 4 構造計画に関する要件 (1)基本方針 ア 災害発生時において、患者及びスタッフ等の安全、通常病院機能の確保、収容物の保 全が確実に図れるとともに、医療機能が、地域に対して十分に発揮できる構造計画とす ること。 イ 極めて稀に発生する地震が起きた場合にも、地震直後から補修することなく建物を使 用でき、地震動時にも機能が停止しない構造計画とすること。 (2)構造要件 ア 「官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説公共建築協会編」に基づく「耐震安全性の 目標分類」は下表による。 対象建物 病院 耐震安全性の分類 構造体 建築非構造部材 建築設備 Ⅱ類 A類 甲類 14 イ 適切な積載荷重(必要に応じて、将来の用途変更及び医療機器等の入替えを考慮する) の床構造とすること。 ウ 極めて稀に発生する地震動における鉛直動及び水平動に対し十分安全な構造とするこ と。 エ 構造体は、医療行為及び居住性に配慮し、常時の歩行、機械等の運転及び稀に発生す る風に対して過大な変形や振動が生じないようにすること。 (3)構造方式 施設は耐震構造とすること。 (※なお、免震構造は必須条件としているものではないが、総事業費とのバランスを踏ま えて提案することは可能である。) (4)構造種別 ア 施設の構造種別(SRC造、RC造、S造)については、事業者の提案とする。 (5)下部構造 ア 支持地盤及び基礎形式は上部構造の性能が十分に発揮できる構造体とすること。また 構造に対しては、極めて稀に発生する地震動において許容応力度以下となるように設計 すること。 (6)建築非構造部材の耐震安全性 ア 極めて稀に発生する地震動においても、外装材、内装材、建具等の脱落及び破損が生 じないよう配慮し、家具等の什器備品の転倒防止にも配慮した計画とすること。 (7)建築設備の耐震安全性 ア 建物に機器を設置する場合は機器本体の耐震仕様について十分な検討を行うこと。ま た、据え付け部については構造計算を行い、極めて稀に発生する地震動においても破損 及び転倒しないよう安全な計画とすること。 5 設備計画に関する要件 (1)基本方針 ア 設備要件 (ア)室内環境条件は、各室の使用目的、条件等を十分検討し、できるだけ個々に環境 調整できるようにすること。 15 (イ)CO2 排出量削減等地球温暖化防止に努め、環境負荷の低減を図ること。 (ウ)防災設備に関しては、「建築基準法」、「消防法」等の関係法令を遵守すること。 イ 災害時の信頼性確保 (ア)災害時においても病院機能を維持しうる設備計画とすること。 (イ)設備機器、配管等の損傷による二次災害を生じさせることのないようにすること。 (ウ)集中豪雨、暴風、雷等気象災害に対する被害防止対策を講ずること。 ウ ライフサイクルコスト(LCC)の縮減 建設費、光熱水費、維持管理費等を総合的に評価し、ライフサイクルコスト(LC C)の最小化を図ることが可能な設備を導入すること。 エ 設備機器の更新性確保 (ア)設備機器類の更新性に配慮したものとすること。 (イ)将来の諸室の用途変更、レイアウト変更、医療機器の入替え等にも対応できる配 管・配線等の計画とすること。 (2)電気設備計画 ア 設備項目 受変電設備、非常用自家発電機設備、直流電源設備、無停電電源設備、中央監視設 備、幹線動力設備、電灯設備、コンセント設備、医用接地設備、電話通信設備、情報 用通信設備、時計設備、拡声設備、テレビ設備、ナースコール設備、インターホン設 備、監視カメラ(ITV)設備、視聴覚設備、セキュリティ設備、防災設備、避雷設 備及びその他必要な設備を整備すること。 イ 共通事項 (ア)災害及び事故対策を含めた安全性を十分確保すること。 (イ)必要な場所については防火区画を行い、その性能は「建築基準法」を遵守するこ と。 (ウ)電気室等の配置については、できる限り水場の位置から遠ざけること。特に電気 室等の上階には給排水設備を設けないこと。 (エ)経済的で信頼性が高く、保安が容易な設備とすること。 ウ 各設備項目 (ア)受変電設備 a 受変電設備は、原則として屋内キュービクル型を想定するが、事業者からのより良 い提案があればこの限りではない。なお、塩害等の風土特性や、信頼性、保守管理、 拡張性等を十分に考慮すること。 b 変圧器は、高効率型モールドトランスとすること。 c 受変電構成は、無停電でメンテナンスを行えるシステムとすること。 d 力率改善や高調波抑制を考慮すること。 16 (イ)非常用自家発電機設備 a 発電機の容量は、「建築基準法」及び「消防法」に基づいた負荷並びに医療上及び 病院運営上必要な負荷を計画すること。 b 原動機は空冷式又はラジエター方式とすること。 c 非常用自家発電装置は、災害時等においても病院運営上の支障が生じないように必 要かつ十分な電力供給が可能となる能力・仕様を有するものとする。 d 燃料備蓄は100時間以上を確保すること。 (ウ)直流電源設備 a 直流電源設備は電圧降下を考慮し、適切に設置すること。 b 蓄電池を設ける場合は、メンテナンス及び寿命を考慮したものとすること。 (エ)無停電電源設備 a 瞬時特別非常電源を使用する部屋は、病院電気設備の安全基準(JIST1022)に記載 の医用室(「必要に応じて設ける」を含む。)並びに医療上及び病院運営上必要な 諸室とすること。 b 患者の生命維持に関連する精密医療機器に対して、安定して電力を供給できる質の よい無停電電源設備を設置すること。 c 医療系無停電電源装置の停電保証時間は、医療機能を維持するために必要な時間と すること。 (オ)中央監視設備 a 中央監視設備では、病院施設の電力、照明、防災設備等の監視制御を行う。 b 停電及び瞬時電圧低下の復電時には、速やかに各設備を停電前の状態に復帰する機 能を有すること。 (カ)幹線動力設備 a 医療上及び病院運営上重要な負荷の幹線は、保守時における無停電にてバックアッ プが可能な構成とすること。 b 負荷の種別に対応した系統で構成すること。 c 医療負荷は電源トリップ警報を可能とし、医療機器の用途に応じた電源・電圧を設 計すること。 d 電磁接触器等をはじめ、すべての機器は瞬時電圧低下発生時にも支障なく設備運用 が続行されるものとすること。 e 幹線設備の更新等を行う場合、医療機器を停止させることのないよう配慮すること。 (キ)電灯設備 a 照明器具は、原則として LED とすること。シールドやノイズ、調光などで LED 設 置が難しい場所は、高効率蛍光灯又はコンパクト蛍光灯を使用すること。 b 建築意匠との調和及びサイン計画と整合性の取れた照明計画を行うこと。 c 器種については省エネルギータイプを採用すること。また、「建築基準法」及び「消 17 防法」に基づき、誘導灯及び階段通路誘導灯(非常照明器具兼用型)を設置するこ と。なお誘導灯は長時間定格とすること。 d 点灯・消灯システムは、遠隔操作(待合等)、自動点灯・消灯(スタッフ廊下、階段、 トイレ、洗面所等)、点灯エリアの区分等により省エネを実現すること。 e 診療及び治療上必要となる場所等には、調光設備を設けること。 f 病室については天井照明等が直接視線に入らないよう配慮すること。また、夜間の ベッド足元廻りの照明、調光が可能な読書灯を設置すること。 g 廊下等に常夜灯を設けること。 h 設計照度は、指定のない限り日本工業規格照度基準(JIS Z9110)によること。 (ク)コンセント設備 a コンセントの取り付け位置、形式、数量及び容量については、その部屋の用途及び 目的に応じた数量とし、病院スタッフの意見をもとに合理的な配置計画とする。 b 非常用発電機系電源を使用する部屋は、病院電気設備の安全基準(JIST1022)に記 載の医用室(「必要に応じて設ける」を含む。)並びに医療上及び病院運営上必要 な諸室とすること。 c 医用コンセントの電源は、感電を防ぐ等医療用電気設備の安全確保のために、病院 電気設備の安全基準(JIS T1022)を遵守すること。 (ケ)医用接地設備 a 各諸室において医療機器を使用する部屋には、病院電気設備の安全基準(JIS T1022) に記載の医用接地を設けること。 (コ)電話通信設備 a 電話交換機はナースコール設備と連動可能とし、内線子機は固定式及び院内移動式 携帯電話機を必要台数設置すること。なお、電話システムは信頼性、機能性及び経 済性を考慮したシステムとすること。 (サ)情報通信設備 a 電子カルテシステムを中心とした病院情報システム等を導入するため、病院運営上 必要な各室とサーバ室間に2系統のLANを構築できるよう、配管、コンセントプ レート等の設備を設けること。 b 電波が届かない死角エリアやアクセスポイント同士の電波の干渉がないよう配慮し、 良好なネットワーク環境を構築すること。 (シ)時計設備 a 親時計は電波、GPS、ラジオ等による自動更正機能付きとし、正副駆動自動切換 方式とする。子時計は、患者や病院スタッフ等が多く集まる場所に適宜設置するこ と。 (ス)拡声設備 a 非常時の避難誘導放送を行うために、「消防法施行令第24 条」に規定されている非 18 常放送設備を設置すること。このため増幅器は一般業務・非常放送兼用型とし、リ モートマイクを事務室(庶務)に設置すること。 b 一般業務放送は部門ごとのゾーニングとし、BGMが可能なものとすること。また、 基本計画書の必要諸室に示す諸室については別途個別にBGMが可能なものとする こと。なお、各諸室において一般業務放送のオン・オフが可能なものとすること。 (セ)テレビ設備 a 地上波デジタル、任意のVTR及び自主放送の視聴が可能な設備を設置すること。 b 必要諸室にテレビ端子を設置すること。 (ソ)ナースコール設備等 a 病棟では、病床、トイレ、浴室等とスタッフステーション間の連絡用として、病棟 ごとに多回線同時通話方式のナースコールシステムを設置すること。 b 副親機は移動式携帯電話機と連動とし、患者からの呼出しに迅速に対応できるよう 必要台数を用意すること。 c 病棟のナースコールシステムは、生体監視装置等のME機器と連動し、異変があった 場合にナースコール親機及び移動式携帯電話機に発生場所等を表示させること。 (タ)監視カメラ(ITV)設備 a 各出入口、エレベーター内の他、安全管理上必要な場所に監視カメラを設置するこ と。なお、その映像は夜間事務室でモニターし、かつ、映像を7日保存できる設備 を設置すること。 (チ)視聴覚設備 a 会議室には、音響設備を設置すること。 b 音響設備の主な仕様は以下のとおりとする。 ・パワーアンプ、スピーカー、マイクロフォン一式 (ツ)セキュリティ設備 a 医局、その他のセキュリティ管理上重要な室又はエリアに対して、入退室管理を導 入すること。 (テ)防災設備 a 自動火災報知設備は「消防法」に基づき設置すること。なお、各病棟のスタッフス テーションに副表示盤を設置すること。 b 防排煙設備は、「建築基準法」に基づき設置すること。 (ト)避雷設備 a 建築基準法、JIS (JIS A4201-2003「建築物等の雷保護」)、消防法、危険物の 規制に関する政令、危険物の規制に関する規則等に準拠し、適切に設置すること。 b 情報系などの重要負荷に対しては内部雷保護設備を設置すること。 19 (3)空調設備計画 ア 設備項目 空調設備、換気設備、排煙設備、自動制御設備その他必要な設備を設置すること。 イ 共通事項 (ア)患者及びその家族、病院スタッフ等の安全性及び快適性に十分配慮すること。 (イ)効率的な空調システムを構築し、省エネルギーかつ省コストを図ること。 ウ 各設備項目 (ア)空調設備 a 熱源システムは、ライフサイクルコスト(LCC)、耐久性、操作性、メンテナン ス性、環境性等について考慮するほか、各室・各系統の用途及び使用時間帯に十分 配慮して計画を行うこと。 b 熱源システムは低負荷時にも効率的運用が可能なシステムとすること。 c 災害時に病院機能が維持できる熱源計画とし、燃料の備蓄等を行うこと。 d 災害時に運転を行う系統は信頼性の高いシステム構成とすること。 e 浴室及びシャワー室に暖房設備(乾燥機能付)を設置すること。 f 各部門や室の使用目的、室内条件、管理運営方式等を考慮して、適切な空調方式を 選定すること。 g 災害時等においても病院運営上の支障が生じないように、必要かつ十分な空調機能 を100時間以上の継続運転が可能となるように燃料の備蓄・供給を行うこと。 H 温度については部屋ごとに調整ができるようにすること。 (イ)換気設備 a 関係法令で定められた諸条件を考慮し、適切な換気設備を設置すること。 b 諸室の用途に応じて、細菌除去、脱臭除去等の排気処理を行うこと。 c 臭気排気は、原則として建物最上部で行うこと。また、排気口は外気取入口との配 置及び距離を考慮すること。 (ウ)排煙設備 a 「建築基準法」及び「消防法」に基づいて設置すること。 b 機械排煙の系統については、用途区画及び安全区画を考慮して計画を行うこと。 (4)給排水衛生設備計画 ア 設備項目 衛生器具設備、給水設備、排水設備、厨房除害処理設備、給湯設備、消火設備、ガス 設備、医療ガス設備、厨房設備、医用水設備その他必要な設備を整備すること。 イ 共通事項 (ア)院内感染を防止し、安全性を高めるような設備計画とすること。 20 (イ)必要諸室に給排水設備を設置すること。なお、多床室の個室化等、将来の室用途 変更、レイアウト変更等が容易に対応できる計画を行うこと。 (ウ)給水及び給湯に関する設備は、衛生的な水又は湯を十分に、かつ、汚染されるこ となく供給すること。また、排水及び通気系統に関する設備は汚水、雑排水等を 人体に害を及ぼすことなく、確実かつ衛生的に排除すること。 ウ 各設備項目 (ア)衛生器具設備 a 原則として、器具内部での詰まりの除去等に容易に対処できる構造のものを採用す ること。 b 原則として、節水型器具を設置し、水資源の有効利用を図ること。 c 腰掛便器の便座は温水洗浄便座とすること。 d 小便器の洗浄弁はセンサー式とすること。 e 洗面器及び手洗器は自動水栓とすること。 f 洗面器及び手洗器は深型とする。カウンタータイプの場合は、一体成型等の清掃性 及び清潔性に配慮されたものを使用すること。 g 洗面器及び手洗器は車いすでの利用が可能なものとすること。 h 洗面器及びシャワー水栓にはサーモスタットを設けること。 i 医療用シンクの水栓は自動水栓とすること。 j 電気式作動の自動水栓及び洗浄弁は停電時にも使用可能な配慮を行うこと。 k 病棟患者用トイレの洗面器は車いすでのアクセスを考慮すること。 l 全ての洗面器及び手洗器にはペーパータオルを設置すること。 (イ)給水設備 a 給水方式は高置水槽方式を原則とし、水槽は用途ごとに受水槽及び高置水槽とする こと。 b 受水槽には緊急遮断弁を設けるなど、災害時の水の確保に配慮すること。 c 災害時の備蓄として、飲用はペットボトル等で対応し、雑用水用として100時間 分備蓄を原則とすること。 d 災害時の雑用水用として、井戸・揚水設備を設けること。なお、井戸の掘削は別途 工事で行う。 (ウ)排水設備 a 建物内の排水は、汚水、雑排水及び特殊排水を分流すること。 b 汚水、雑排水においては、合併処理浄化槽により処理した後、放流すること。 (エ)特殊排水処理設備 a 特殊排水においては、水質に対応した処理装置により処理した後、放流すること。 (オ)消火設備 a 適切な初期消火と本格消防活動が行えるように、消防関係法令を遵守した計画とす 21 ること。 (カ)医療ガス設備 a 酸素ガス配管設備、笑気ガス配管設備、吸引配管設備など必要な医療ガス配管設備 を整備すること。 b 供給設備は、バンク切替により安定して供給できる方式とすること。 c 病室、検査室、中央処置室等には、ベッド、リクライニングチェア、ストレッチャ ーの配置場所ごとにバルブ付アウトレットを設置すること。なお、直接患者の目に 見えないように工夫すること。 (キ)厨房設備 a HACCP 方式に基づく衛生管理技法に準拠した設備とし、厨房作業環境に考慮した計 画とすること。 b 衛生的かつ効率的な食事提供が可能な厨房設備を整備すること。 c 厨房設備は、災害時も稼動可能な計画とすること。 (ク)スポーツ・温泉医学研究所設備 a 温泉運動実験室に温泉を引き込む計画とすること。なお、泉源から本件土地内まで の引き込みは別途工事として取り扱う。 22
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