平成 27年度事業計画書

平成 27年度事業計画書
平成 27 年 3 月
学校法人
藤田学院
鳥取看護大学
鳥取短期大学
認定こども園
鳥取短期大学附属幼稚園
鳥取短期大学附属保育園
1
目次
1.法人の概要
(1)設置している各学校の建学の精神、教育・運営の基本
----------
3
(2)第四次中期計画
----------
7
(3)設置している各学校・学科等の入学定員
----------
7
(4)役員・評議員・教職員の概要
----------
8
(1)教育の充実
----------
9
(2)教員構成
----------
9
(3)地域貢献の推進
----------
10
(1)教育の充実
----------
11
(2)教育の質保証に向けた取り組み
----------
12
(3)学生支援等
----------
13
(1) 法人本部
----------
14
(2) 入試広報部
----------
14
(3) キャリア支援
----------
14
(4) 付属図書館
----------
15
(5) 地域交流センター
----------
15
(6) 北東アジア文化総合研究所
----------
15
(7) 絣研究室・絣美術館
----------
15
(8) 同窓会
----------
16
認定こども園 鳥取短期大学附属幼稚園・保育園
----------
16
(1)資金収支予算書
----------
18
(2)事業活動収支予算書
----------
20
2.事業の概要
鳥取看護大学
鳥取短期大学
事務部門および附属部門の状況
3.財務の概要
2
1.法人の概要
(1)設置している各学校の建学の精神、教育・運営の基本
【鳥取看護大学】
建学の精神
鳥取看護大学は、多くの地域の方々の願いと支援によって、平成 27 年 4 月に開学い
たしました。「地域に根づく看護者を育成すること」を建学の精神にかかげ、地域との
密接な関係を背景として看護教育を展開していきます。キーワードはどこまでも「地域」
です。
本学がめざす学生像
本学は、地域に根ざしたヒューマンケアを実現するために、以下の 3 つの人材育成を
教育の基本理念としてかかげます。
① 専門的な基礎知識と技能を持ち、豊かな人間性で患者に寄り添う人材
② 地域医療・在宅医療を支える人材
③ 地域で働くことに喜びと誇りを持つ人材
3 つのポリシー(方針)
1.ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
本学は、上記の 3 つの人材育成を教育の基本理念にすえたうえで、看護専門職に携わ
る者として、看護師が看護師であるかぎり備えておくべき力として、以下に示す5つの
「看護力」を培い、これをディプロマ・ポリシーとします。
① 向き合う力 広い視野と人を思いやる豊かな人間性をはぐくみ、人生の問題や課題
に誠実に向き合う力
② 寄り添う力
高い倫理性と堅固な使命感をもって生き抜き、ひとに寄り添う力
③ 論理的に看護実践する力 専門的な基礎知識と論理的思考にもとづいて看護実践す
る力
④ 連携・協働する力
⑤ 地域とともに歩む力
チームワークを重んじ、創造的に多職種と連携・協働する力
病院から地域・在宅へと療養の場が移るなかで、地域で暮ら
す人びとの健康と生活を支え、地域とともに歩む力
2.カリキュラム・ポリシー(教育課程編成の方針)
本学は、上述する 5 つの看護力を身につけるために、教育課程をとおして以下のよう
な能力の修得をめざし、これをカリキュラム・ポリシーとします。
① 多様な学問に触れて、ひとを総合的に理解できる広い視野と豊かな人間性を育み、
生命の尊厳・人権の尊重を遵守する能力を養う。
② 看護の対象となるひとを「からだ」
「病い」
「こころ」
「社会」という側面から総合的
に理解し、人びとに寄り添う力を育む。
③ 看護上直面するさまざまな課題や状況に向き合い、それに対応できる専門的知識・
技術・態度を学ぶとともに実践基礎能力を培う。
3
④ 近年の予防医療・地域医療・在宅医療に対応し、看護者として主体的に連携・協働
して活動できる基礎的能力を育む。
⑤ 国際的な視点を育みつつ、郷土のさまざまな保健・医療・福祉で人びとの命と健康
を支え、地域に貢献する能力を培う。
①の能力を主として「基礎分野」(教養科目)において、②の能力を「専門支持分野」
において、③の能力を「専門基礎分野」および「専門実践野」において、④の能力を「地
域包括支援分野」において、⑤の能力を「看護統合分野」および「保健師教育分野にお
いて培おうとします。
3.アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)
本学は、上記の 3 つの人材育成(基本理念)を実現するために、以下のような能力と
姿勢を有する人を求め、これをアドミッション・ポリシーとします。
①看護師になりたいという強い気持ちを持ち、誠実に努力し前向きに学ぶ姿勢を持って
いる。
②専門的な知識や技術の習得に必要な基礎学力を有している。
③看護の職業人として地域に貢献しようとする意欲を持っている。
【鳥取短期大学】
建学の精神
鳥取短期大学は、昭和 46 年 4 月に鳥取女子短期大学として創設され、
「地域の発展に
貢献する人材を育成すること」を建学の精神とし、教育に取り組んできています。平成
13 年 4 月には、地元の要請と時代の変化に対応すべく、男女共学に移行しました。
本学では、期待される人材を育てるために、各学科・専攻の専門知識、技術とあわせ、
豊かな教養と実際生活に必要な能力を修得させ、もって学生が自らの人格を培うことを
援助するよう、学則に定めています。さらに、この精神をより具現化させるため、「目
指す学生像」および「3 つの基本理念」を掲げています。
本学が目指す学生像
・人の意見を聞くと共に自分の意見がしっかり言える学生
・マナーを守り他の人を思いやる学生
・主体的に行動できる学生
これらの学生像は、人との関わりが不得手な若者が増加する現在の社会において、最
も求められる「協調性」「コミュニケーション力」「主体性」「実践力」を重視して設定
されています。本学では、各学科・専攻の専門教育、教養教育、および課外活動等、す
べての教育活動をとおして、教職員が一丸となって学生を目指す学生像へと育んでいく
ことをモットーとしています。
3 つの基本理念(大学の教育・運営の基本)
・一人ひとりの学生の顔のみえる大学
言い換えれば、一人として忘れられた学生のいない大学です。
・夢の実現を図る大学
4
夢を模索し、その実現のための「力」を培い、就職、進学、あるいは他の社会活動によ
ってそれを実現するよう徹底して支援します。
・地域と共に歩む大学
学生のキャンパスは大学自体および地域であり、夢を実現させる場は地域社会です。そ
して、本学は地域の方々との連携、支援を大切にします。
以上のように本学では、建学の精神を「目指す学生像」として具現化させ、さらには
そうした学生を育てるための方針を「教育・運営の基本理念」に具体化させて受け継ぎ、
「地域とともに」をキーワードとしながら、時代と社会のニーズに対応した教育に努め
ています。
教育目的と教育目標および学習成果
本学は、建学の精神に基づき、各学科・専攻ごとに「教育目的と教育目標」を定めて
います。それぞれの専門教育の具体的な目的・目標を示したものであり、これらについ
ては学生への周知を図るとともに、学外へもホームページ等により公開しています。さ
らに、全学科共通および各学科・専攻ごとに「学習成果」を設定しています。前述の目
指す学生像および教育目的・目標を前提として、育成すべき人材に必要とされる知識や
能力を具体的に示したものであり、達成度は全学で取り組む在学生アンケートや各学
科・専攻独自の各種データにより測定されます。
学習成果の測定結果は、教育内容・方法の見直しの指標として活用されます。また、
教育目的・目標および学習成果項目については、社会の変化、地域からの要請や期待と
もあわせ、定期的に必要な見直しが図られるようにしています。
3 つのポリシー(方針)
さらに本学は、建学の精神および教育目的・教育目標に基づき、次の 3 つのポリシー
を掲げています。学生たちをどのような人材として社会に送り出すかということ(学位
授与の方針)は高等教育機関の個性・特色を示すものですが、そのためにどのような教
育を行い(教育課程編成・実施の方針)、どのような学生を求めるのか(入学者受入の
方針)を明示しています。
1.ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
・人間関係を大切にし、幅広い視野をもって社会生活を送ることができる。
・職業および実際生活における専門的・実践的能力をそなえている。
・社会の構成員として、よりよい地域社会を形成しようとする。
2.カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
・全学共通の教養科目をとおして、社会生活に有用な幅広い視野と協調性と人間関係力
を育成する。
・専門教育科目をとおして、各分野で求められる専門知識・技能を身につけ、実践力を
もつ職業人・生活人を育成する。
・教育課程全体をとおして、卒業後のキャリア形成を意識させ、地域社会に貢献する人
を育成するカリキュラム編成とする。
3.アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)
5
・短期大学で学ぶために必要な基礎学力のある人。
・より良い自分をつくろうとする向上心をもつ人。
・ひととのつながりや地域社会を大切にしようとする人。
以上は「大学全体のポリシー」であり、あわせて学科・専攻ごとに3つのポリシーを示
し、公開しています。
【鳥取短期大学附属幼稚園・保育園】
本園は、大学と同じく昭和 46 年4月に鳥取女子短期大学附属幼稚園として創設され
ました。平成 23 年4月から、鳥取県初の認定こども園(幼稚園型)となり、平成 24 年
4 月に「幼保連携型」に変更ました。平成 27 年度からは、子ども・子育て支援新制度の
もとで、新たな幼保連携型の認定こども園としてスタートします。
本園は、「チクチク山で育つ強くやさしい子ども」を教育目標としていますが、新制
度のもとで本園の優れた環境を活かしながら 0 歳~5 歳を見通した一体的な教育・保育
を行うことを念頭に、これまでの<目指す子ども>と<本園が目指す教育>を新たに設
定し直しました。
<目指す子ども像>
・心も体も丈夫な子ども
・チャレンジ意欲に溢れる子ども
・思いやりのある心やさしい子ども
・粘り強く最後までやり抜く子ども
・豊かな創造力・表現力を持つ子ども
<本園が目指す教育>
・一人ひとりを大切にし、子どもの持ち味を引き出す教育
・遊びからの学びを大切にする教育
・子どもの好奇心を育み、チャレンジ意欲を高める教育
・異年齢交流を大切にして思いやりの心を育てる教育
・美しきものとの出会いを通して豊かな感性や人間性を育む教育
この<目指す子ども>、<本園が目指す教育>をベースに全体計画を作成し、独自性の
高い教育・保育を創出します。
6
(2) 第四次中期計画
第四次中期計画の特徴は、最大の課題である学生数の確保と学習成果の向上の二つ
を学科・部署の共通テーマにあげています。昨年度は、
「短大改革PJ」を立ち上げ 1
年を通して協議し、具体的な提案がありました。常任理事会からもその提案に対して
意見を述べ、平成 27 年度から取り組むべき事項を示しました。
2 年目となる平成 28 年度の中期計画は、それらの取り組みを計画に組入れ、短期
大学改革の一環として実行に移していきます。同時に共通テーマの推進と各部署の独
自の取組みを推進します。
加えて、第四次中期計画では、PDCAサイクルを特に意識しています。このこと
を意識して計画の作成・自己点検を行なっていきます。P=プランは 3 年間で何を行
なうか D=ドゥは当該期間で何を行なうか C=チェックは解析・評価をどのよう
に行なうか A=アクションは当該期間に何を行なったのか、つまり自己点検です。
その自己点検の結果、翌年度にどういうことを行なうのかということを考えるサイク
ルです。このサイクルが効果的に回るようにしなければ計画の意義はないと考えます。
外部環境が急激に変化する中で、入学する学生のニーズは多様化しています。文部
科学省の動きなどに敏感になって改革を進めていく考えです。
(3)設置している各学校・学科等の入学定員
平成 27 年 4 月 1 日現在
学校名、学科・専攻
開設年度
学生定員
入学定員
収容定員
鳥取看護大学
看護学部
H27
総合計
80
320
80
320
鳥取短期大学
学科
国際文化交流学科
H12
40
80
生活学科 情報・経営専攻
H12
35
70
住居・デザイン専攻
H12
30
60
食物栄養専攻
S48
50
100
S46
145
290
300
600
幼児教育保育学科
計
専攻科 国際文化専攻
H15
10
20
経営情報専攻
H15
5
5
住居・デザイン専攻
H14
10
10
食物栄養専攻
S52
10
10
福祉専攻
S52
20
20
55
65
355
665
計
総合計
7
学校名
開設年度
年齢
定員
鳥取短期大学附属幼稚園・附属保育園
認定こども園 鳥取短期大学附属幼稚園
H27
3歳~5歳
144
認定こども園 鳥取短期大学附属保育園
H27
0歳~2歳
36
総合計
180
(4)役員・評議員・教職員の概要
1)役員(理事・監事)に関する概要(理事定数 7~8 人、監事定数 2~3 人)
平成 27 年 4 月 1 日現在
理事・監事の区別
職名又は役職
氏名
当学校法人の役職
理事(常勤)
理事長
山
田
修
平
理事(常勤)
看護大担当
近
田
敬
子 看護大学学長、教授
理事(常勤)
幼稚園担当
横
濵
純
一 附属幼稚園・保育園園長
理事(常勤)
短大教学担当
松
本
典
子 副学長、教授
理事(常勤)
事務部門担当
髙
木
新
一 事務局長
理事(非常勤)
長 谷 川 善 一
理事(非常勤)
藤
田
一
憲
理事(非常勤)
藤
井
喜
臣
監事(非常勤)
廣
田
和
幸
監事(非常勤)
曽
我
紀
厚
監事(非常勤)
子
道
短期大学学長、教授
壽 美 子
2)評議員に関する概要
平成 27 年 4 月 1 日現在
単位人
選任区分
定数
実数
1号
法人の職員から選任 4 人
4
4
2号
設置学校卒業生から選任 3 人
3
3
3号
学識経験者から選任 7 人
7
7
4号
法人功労者から選任 3 人
3
3
17
17
計
3)教職員に関する概要
平成 27 年 4 月 1 日現在
設置校名
単位人
教員数
職員数
非常勤教員数
鳥取看護大学
27
9
13
鳥取短期大学(看護大兼務含む)
42
43
66
鳥取短期大学附属幼稚園・保育園
17
4
11
8
2.事業の概要
【鳥取看護大学】
(1)教育の充実
1)人間教育の充実
看護者になによりも求められるのは深い人間理解と人間関係力、そしてコミュニケー
ションスキルです。こうした側面を重視して、教養科目ならびに看護専門科目の基礎と
なる専門支持科目のなかに、人間を多面的・総合的に捉える理論的・実践的科目を配置
しています。
(たとえば、
「人間学」
「心理学」
「宗教学」
「文学」
「多文化共生論」
「発達心
理学」
「臨床心理学」
「ホスピタリティ論」
「人間関係論」
「人権論」
「家族社会学」
「コミ
ュニティ論」など。
)また地域との結びつきを背景とする大学として「山陰論」、および
鳥取県が人権上の施策としている「手話」を必修科目としています。
2)看護専門教育の特徴
ほかの大学にはない本学独自の看護教育の特徴は「地域包括支援分野」にあります。
高齢化が進展するなかで、日本の医療は病院から地域・在宅へ転換しようとしています。
そのために、地域包括ケアシステムを軸とした新しい看護のあり方が求められています。
そうした時代のニーズに応えるべく、本学の看護教育は「地域包括支援分野」を専門
科目の中心にすえています。「老年看護学」「精神看護学」「在宅看護学」の各領域をこ
こに配置し、さらに「連携・協働」
(地域看護学)領域として「地域連携・協働支援論」
「地域連携・協働実習」
「地域密着看護実習」
「まちの保健論」の科目をおいて、将来の
地域医療を支える人材を育てます。
3)保健師教育
卒業と同時にとれる資格として、看護師国家試験受験資格のほかに、保健師国家試験
受験資格がとれます。保健師資格については、他大学では実習先の関係で人数制限して
いる大学が大半ですが、本学では希望する全学生が履修することができます。本学の保
健師教育課程はその約半分を4年次に開講し、ほかの半分を3年次までの看護師資格課
程のなかにおいているのが特徴です。保健師は地域医療の一翼を担う職務であり、病院
医療とは別に地域医療の重要な知識・経験を培います。
4)臨地実習
本学は鳥取県で働く看護師の養成をめざしており、卒業生が地元に根づくために実習
先は重要な要素だと考えています。鳥取県を東部・中部・西部に区分し、県下全域に領
域ごとの実習先約 150 所を確保しています。ただし、小児看護学実習については一部島
根県の病院を、母性看護学実習については一部岡山県の病院を確保しています。学生は
基本的に自宅から地元の実習先に行くこととしています。
(2) 教員構成
1)専任教員
専任教員 30 名からなる充実した教員体制をとっています。教授 12 名、准教授7名、
助教 11 名。分野別では、基礎分野(教養)2名、専門支持分野2名、専門基礎分野(基
盤看護学)5名、専門実践分野8名(成人看護学4名、母子看護学4名)、地域包括支
援分野9名(老年2名、精神2名、在宅看護学2名、地域看護学(連携・協働)3名)、
保健師教育分野4名。
また、30 名の専任教員のうち 26 名が看護師の免許をもっており、
9
9名が保健師の免許をもっています。
2)地域コーディネーター
先述のように、本学の実習先は県内約 150 所にわたっています。それはとりもなおさ
ず、実習について教育格差がおこる可能性が潜んでいます。そうした実習環境・実習レ
ベルのバラツキを解消するために、鳥取県の東部・中部・西部のそれぞれに専門的知識
と豊富な経験をもつ看護者各2名(看護師と保健師)を嘱託職員として配置しています。
この地域コーディネーターをキーパーソンとして、各地域のネットワークが機能し、病
院間・実習施設館の連携・協働が進展することを期待しています。
(3) 地域貢献の推進
1)実習における地域との連携・協働
臨地実習の効果的な運営をめざして、本学は看護教員・地域コーディネーター・実習
施設の3者による「臨地実習教育会議」ならびに「臨地実習調整会議」を定期的に開催
します。これは実習の運営が第1の目的ですが、必然的に県内の医療機関相互のネット
ワーク化の推進・促進が期待されます。
2)まちの保健室等
本学は「地域とともに歩む大学」として、地域の公民館などを開催場所に「まちの保
健室」を実施する予定です。これは、血圧測定・骨密度測定などをとおして、地域の人
びとが気軽に健康相談に立ち寄ることができる仮設場所です。学生たちにとっては、地
域の住民や保健医療関係機関と触れあい、大学で学んだ専門知識・実習経験を応用する
場となります。学生と教員、看護職者と住民が、とともに協働して「まちの保健室」を
創設・運営していきます。
3)現職看護師研修会・講習会の拠点
看護大学の設置によって、鳥取県あるいは山陰地域における働く看護師の研修会・講
習会の拠点を担うことができます。実例として、すでに昨年の夏に、鳥取県看護協会の
主催のもとに、「鳥取県看護職員実習指導者養成講習会」が本学で実施されています。
病院・福祉施設などが看護学生の実習を受けもつためには、各病院・施設が所定の資格
をもつ「実習指導者」を有していなければなりません。そうした実習指導者を養成する
のが「看護職員実習指導者養成講習会」です。かつては鳥取県と島根県が共同で隔年ご
とに1回実施していたのですが、実習施設の大幅な拡充のために、鳥取県が毎年2回こ
の講習会を実施することになり、その1回が本学における実施となりました。
平成 27 年の正式な開学によって、現職看護師の研修会・講習会の拠点化が本格化す
ると考えています。
【鳥取短期大学】
(1) 教育の充実
本学では、平成 25 年度に続き、文部科学省の平成 26 年度「私立大学等改革総合支援
事業」に採択され、教学面における近年の取組みが評価されました。平成 27 年度にお
いてはさらなる向上を図るため、次の2つの点を強化します。1つは、学習成果の確実
な把握による教育内容・方法の見直しです。各学科における各種データの検討に加え、
改訂した「在学生アンケート」等により個々の学生の学習成果をより確実に把握し検討
10
を深め、必要な改革を行います。もう1つは、原点に返り教員個々の教育力を一層上げ
るための取組みです。本学の教員組織は、年代的にも経験年数的にも二極化しており、
ベテラン教員の在職中に引き継ぐべき本学の伝統的教育精神と、現代の学生に対応した
教授法等について、研修会などを通して研鑽を重ねます。
また、平成 26 年度末には近年継続して行ってきた教育環境整備事業仕上げの施設と
なる、生活学科食物栄養専攻の給食管理実習棟を新設しました。これにより、平成 27 年
度からの本専攻給食管理実習は、最新の設備のもとで実施することになります。さらに、
4年制の鳥取看護大学開学のメリットをいかし、大学祭をはじめとする学生諸行事やク
ラブ活動等の共同開催・運営により、学生相互の交流を積極的に図り、明るく活気ある
大学生活が送られるよう支援していきます。
1) 学科教育の充実
国際文化交流学科は、コミュニケーション力・プレゼンテーション力を身につけ、地
域社会に貢献できる人材の育成をめざします。授業評価アンケート、カリキュラムマッ
プ等の分析からカリキュラムを再検討し、さらに大学間連携事業「ソーシャルラーニン
グ」(文科省補助事業)などを効果的に活用することによって、より教育内容を充実さ
せ、教育の質保証に努めます。そして地域のフィールド体験・催し等への参画を通して
地域の人々との交流を図り、学科で培った基礎的・汎用的能力を実践で発揮・発展させ
ます。
また、本学科の教育の主軸や進路を明確に広報し、高校と連携強化を図って入学者数
の安定確保をめざします。専攻科国際文化専攻は、本科との連携を視野に入れてカリキ
ュラムを見直し、さらに可能性を広げることができる魅力ある専攻科への改革に着手し
ます。
生活学科情報・経営専攻は、情報処理能力とビジネス実務能力を兼ね備え、企業や地
域社会に貢献できる人材の要請を目指します。平成 27 年度も前年度に引き続き、学生
定員の安定確保のために、志願者動向の分析や入学者のニーズ把握、進学説明会やオー
プンキャンパスでの効果的プレゼンテーションにつとめます。
次に、学習成果の向上を図るために、カリキュラム説明資料の作成、学生の学習履歴
の把握を行い、学期ごとに重点を決めて自己点検・評価を継続します。さらに教育目標
や育成する人材像の見直しを行い、継続的に教育課程の改訂を行います。また 3 年度に
わたった CoRHD 事業(文部科学省採択、平成 24~26 年)の成果をふまえ、キャリア
支援部と連携を継続し、学生の自主的・自立的なキャリア形成の促進と支援の強化を図
ります。
生活学科住居・デザイン専攻は、建築・インテリアとデザイン・アートの2つの専
門分野を中心として基礎から応用能力を高めるよう、各学生の学力を高める教育を行
います。二級建築士やインテリア設計士など専門分野に関する資格、色彩検定、
Photoshop®クリエイター能力認定試験等については取得者の増加に向けて指導を行
います。キャリア教育の面では学生の進路決定に向けて個別支援を充実して就職率の
11
向上に努めます。
また、企業での実習や建築現場や美術展の見学など地域での学習機会を増やすとと
もに、学生の作品展の発表を学外で開催します。地域から要請のあるデザイン制作に
も学生の学習活動と関連づけてすすめます。こうした本専攻の教育内容や魅力を高校
などに積極的に発信して、志願者の増加につながるよう広報活動を行います。
生活学科食物栄養専攻は、食と健康に関する専門知識と、確かな技能を身につけ、地
域社会で人々の健康づくりに貢献できる即戦力となる栄養士の養成を目指します。栄養
士導入教育の充実を図るため、1 年前期に各職域の栄養士を学外講師として招聘し、栄
養士業務の理解を深め、将来のビジョンや目標に向かって学ぶ動機づけとなるよう教育
内容の充実を図ります。併せて職業意識を育てキャリア形成を促進します。
また、新設された給食管理実習棟の最新教育環境のもとで大量給食の技術と実践力を
高め、栄養士としての資質の向上を図ります。さらに学習成果のひとつの指標となる栄
養士実力認定試験の上位ランク者数を増やすこと、ならびにフードスペシャリスト資格
認定試験の合格率アップを目指して引き続き学生支援に取り組みます。
幼児教育保育学科は、山陰を代表する保育者養成校として学生に満足度の高い授業を
行い、教育内容を充実して、学生の基礎学力、生活力の向上を目指し、さらに地域や保
育現場の多様なニーズに対応できる質の高い保育者を育成します。実習指導は全員体制
で臨み、実習園との連携を強化して、実習とキャリア教育の推進をします。
また、定員確保を重点項目におき、教員、学生ともに積極的に学科の情報発信に努め、
様々な分野で地域の要請に応えた活動を行います。それと同時に退学者を出さないよう
過去の退学者について自己点検を行い、学生指導に関する方針や情報を共有して、個別
指導に力を入れた支援をします。県内幼児教育の拠点でもある付属幼稚園・保育園と共
同研究体制の枠組みを作り、相互研鑽をして、教員、学生ともに積極的に交流をします。
(2)教育の質保証に向けた取り組み
①FD・SD の取り組み
第四次中期計画に基づいて年間計画を作成し、積極的に FD・SD 活動を推進します。
FD に関しては、カリキュラムマップおよびカリキュラムツリーを活用してその教育効
果を検証するとともに、より良い教育課程編成のための検討を継続します。学生による
授業評価アンケートの集計結果を検討し、授業改善に役立てます。教員の教育力向上の
ための一方法として授業公開を検討し、その実施に繋げます。また、平成 26 年度に実
施した学生生活に関する新アンケートの結果に基づいて個々の学生の状況をより確実
に把握・検討し、より良い学生支援を目指します。
SD に関しては、部署間で内部監査のより良い実施方法を検討し、日々の業務の改善・
効率化に役立てます。また、高等教育機関に勤務する事務職員としての自覚をもち、本
学の教育目的・教育目標等を踏まえたより良い学生支援に向けて、さらに能力を向上す
るよう研修を実施します。
平成 26 年度より、FD・SD 部会の体制が強化されました。部会の企画のもと各種研
12
修を進め、教育の質の保証に向けた対策をさらに発展的に実施していきます。
②学習成果の取り組み
各学科の取り組みで得られた各種データを検討し、個々の学生の学習成果を確実に把
握することにより、授業内容・方法等の改善を進めます。前年度に引き続きシラバスに
示した「授業時間外での学習」と学習成果の関係について検討するとともに、「授業評
価アンケート」結果の分析をふまえた授業改善に取組みます。また、各学科が掲げる学
習成果項目の到達レベルを向上させ、有能感や自信を育むためのより良い指導方法につ
いて、引き続き検討します。
また、
「ルール・マナーの遵守」については、
「とりたんマインド」の徹底を図ります。
クリーンデイは定着してきていますが、やや実施率が低いクラスが見受けられるため、
教職員が支援してさらに浸透させていきます。乗車マナー等はいまだ十分とは言えませ
ん。そこで、平成 27 年度は、教職員はもとより学生と協働し、学生への呼びかけを徹
底し、ルール・マナーの向上を図ります。
(3)学生支援等
1)学友会活動・課外活動の活性化
平成 27 年度は、鳥取看護大学と鳥取短期大学の学生が初めて合同で学友会活動・課
外活動を行います。そこで、両大学の学生、学友会執行部、教職員がより良い協力体制
を取り、学友会活動・課外活動が活性化するよう、検討を重ね、実行します。平成 26 年
度の大学祭の反省点を踏まえ、効果的な大学祭のあり方を検討します。クラブ活動の活
性化を図るため、クラブ顧問のあり方を検討します。学生の各種活動の活性化を図るた
め、教職員によるより良い支援方法の検討を重ねていきます。
2)教育環境の充実
新設された体育館、アリーナ、大講義室、視聴覚教室、および改修教室の稼働率は、
平成 26 年度に上昇してきました。平成 27 年度には、新たに生活学科食物栄養専攻の給
食管理実習棟の使用が始まります。これを含め、ますます充実してきた施設設備の効果
的な活用に取り組んでいきます。
また、シグナス寮が新築され、鳥取看護大学、鳥取短期大学の学生が居住します。こ
うした教育施設・設備が、学生の充実した大学生活に繋がるよう、より良い活用方法等
を検討していきます。
3)大学間教育連携事業
①文部科学省
大学間連携共同教育推進事業「大学と地域社会を結ぶ大学間連携ソー
シャルラーニング」
本事業は、山陰の 5 大学が連携して取り組んでいる 5 か年事業(平成 28 年度まで)
です。昨年に引き続き、教養科目「実践スポーツ(山野実習)」と国際文化交流学科の
専門教育科目「地域社会体験」「山陰地域フィールド体験学習」を連携大学へ開講しま
す。国際文化交流学科ではこの 2 科目を含め、専門教育科目の有機的な連携を図り、さ
13
らに学習成果の向上をめざします。
また、これまでに導入したアクティブラーニング(グループディスカッション、グル
ープワークなどの手法を多用)、形成的評価(指導計画を途中段階で検討・修正し学生
への補充的な指導を導入)、ルーブリック評価(学習結果のレベルを数段階に分けて記
述し、学習の達成度を判断する評価方法)の妥当性、有効性の検証を行います。さらに、
教育目標の提示方法や教育方法を見直し、学生の課題発見・解決能力の向上に繋げてい
きます。また、ピアサポーターとしての学生の能力向上を図り、連携大学の学生間交流
を促進します。
なお、文部科学省 産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業「中国・
四国産業界の人材ニーズに対応した協働型人材育成事業」については、当初の予定通り
平成 26 年度をもって終了しました。本学では、本事業を通して得られた成果をもとに、
平成 27 年度以降も生活学科情報・経営専攻においては課題解決型学習(PBL)を新
規専門教育科目で展開し、インターンシップについては全学科対象として継続実施しま
す。さらに、実効あるキャリア教育へつなげるため、事業のFD授業改善研究会での知
見を基に、本学の指導体制を検証していきます。
事務部門および附属部門の状況
(1) 法人本部
平成 27 年度から法人本部事務局を設置します。これは、鳥取看護大学開学に伴い事
務体制をより充実するために事務局長、企画部及び経理部を置きます。配置する事務職
員は当面は専任を置かず兼務となります。企画部は本学が設置する学校全体の経営戦略、
広報体制を担当します。経理部は二つの大学の経理及び認定こども園を含めた法人の経
理業務・予算決算業務を担当します。特に経理業務の効率化を優先します。
従来、これらの業務は短期大学総務部で行なっていましたが、平成 27 年度から法人
本部が全体を見るようになります。その他、鳥取看護大学の事務体制も出来るだけ簡素
化しました。看護大事務室は総務・経理・教務・学生業務の窓口として機能します。学
生及び教員サービス第一で取り組む体制にします。
(2) 入試広報部
入学者 300 名の定員を充足します。平成 26 年度においては、全教職員が募集広報へ
の共通認識を持ち、全学一体となって活動しました。そこで、平成 27 年度においては、
この体制はもちろんのこと、さらには入試広報課の機能を充実させます。具体的には、
入試広報課の質的向上を図り、より専門化した業務の徹底を図ります。さらには、鳥取
看護大学と相乗効果を図る募集広報活動を行うために、相互の募集活動内容を明確化し、
連携を強化します。
昨年度より実施している放課後進学説明会の継続に加え、大学見学会の充実、高校に
ガイダンスにも各学科からの参加を強化し、入試広報課と各学科との両輪で募集広報活
動の充実を図り、入学定員確保に取り組みます。
(3)キャリア支援部
14
短大部分としては、①就職活動の後ろ倒し対応を進めます。②1年生は特別科目とし
てのインターンシップ A/B を実施していきます。③個々の学生のよりキメの細かい対応
を図ります。④学科との情報共有・対応方針の一本化を図ります。⑤卒業生の就職先で
の定着状況の追跡アンケートを継続します。
看護大学準備部分としては、①1年生への窓口として必要な体制の充実を図ります。
②4 年間を見据えた支援体制の充実を図ります。
共通部分としては、①学生・企業等・進学先の 3 データベースの運用充実としていき
ます。②大学・短大の既存学事システムの接続を図ります。
(4)付属図書館
図書館は、今年度から鳥取看護大学と鳥取短期大学共同の付属図書館となり、看護棟
には別館が新設されました。今後もシラバス掲載図書の購入、推薦図書の購入と集約な
ど資料の充実を図って学生・教員への更なる学習支援・教育研究支援に努めていきます。
また、学生の図書館利用を期待して、新着図書等の展示、利便性を考えた開架書架の工
夫、学生選書による蔵書の刷新化など、利用しやすい魅力ある図書館を目指します。
さらに、公共図書館、他大学図書館等と連携協力し、講演会等の開催による文化情報
の発信、学外利用者へのサービスなどに努め、地域に開かれた図書館としての姿を学内
外に伝えていきます。
(5)地域交流センター
地域交流センターは、大学の教育・研究資源を活用して、地域の文化、教育、福祉、
健康、産業を支援する取組みを行っています。平成 27 年度からは鳥取看護大学および
鳥取短期大学と地域をつなぐ交流・研究の拠点として、地域連携ならびに地域貢献をさ
らに推進していきます。新たに鳥取看護大学による「まちの保健室」が開設され、地域
の保健・医療を支援する取組みを始めます。引き続き産官学金連携事業の推進、公開講
座の実施、大学と地域との交流・連携等に関する共同研究の推進、受託研究の促進など
に取り組み、「地域研究・交流活動推進事業助成金」制度や「地域貢献賞」の運用実施
による地域貢献を果たします。また、倉吉市などの自治体と連携して地域の課題解決に
当たる全学的な取組により、様々な人材や情報・技術が集まる地域コミュニティの中核
的存在としての大学の機能の強化をめざします。大学案内、地域交流センターだよりな
ど交流促進のための情報発信を強化し、「地方創生」時代における大学の役割に関する
兼担研究員による共同研究活動もさらに継続していきます。
(6)北東アジア文化総合研究所
北東アジア文化総合研究所は、平成 27 年度から鳥取看護大学と鳥取短期大学の共同の
付属研究機関となります。これを機に研究所の陣容を整え、研究方針、研究活動、組織
体制などを見直し、研究所の新たな発展の方向性を模索していきます。一方で、北東ア
ジア地域における研究交流、県内の姉妹都市交流には引き続き参加協力し、学内外への
情報発信、研究成果の公刊、学生への学習支援などに取り組みます。
15
(7)絣研究室・絣美術館
絣研究室の研究生の入学者は、一昨年までの 3 年間少し低調でしたが昨年は 6 名と
持ち直しました。特別研究生(1年修了した後の研究生)は、27 年度は 10 名前後に
なりそうです。
しかし、如何にして研究生を増やすのかは毎年の最大の課題です。27 年度の応募者
にはシグナス祭での募集活動で応募を決めた人もいます。今年度も、募集と研究作品
の質向上に計画的に取り組んで行きます。倉吉絣を広めることは、本学の地域貢献の
象徴でもあり、しっかり取り組んで行きます。
(8)同窓会
本学は、卒業生・卒業生に愛される大学づくりを目指しています。平成 27 年度は、
米子での地区同窓会開催(7 月に開催)を計画しています。その他、2 年前から実施し
ている毎月 1 回発行の「メールマガジン」などで、卒業生へ近況をお知らせしていきま
す。
また、本学は多くの卒業生が母校を訪ねてきます。成長しているのをみるのが楽しみ
であります。卒業生の声を直接お聞きして外から見た本学の様子について忌憚のないご
意見もお聞きし、運営に生かしていきたいと思います。今年度も「おもてなし」の気持
ちをもって、教職員が親身になって相談できるように心がけていくようにします。
【認定子ども園 鳥取短期大学附属幼稚園・保育園】
1 新たな幼保連携型認定こども園としての組織・体制の整備
本年度から子ども・子育て支援新制度が始まり、本園は新制度のもとで幼保連携型
の認定こども園としてスタートします。最大の変化は、0 歳〜5 歳児に対して一体的な
教育・保育を行うようになり、保育園、幼稚園の区分がなくなることです。また、就
学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども
園法)が適用され、幼稚園教育要領、保育所保育指針に変わって幼保連携型認定こど
も園教育・保育要領に沿って教育・保育を行うことになり、教職員の意識改革が強く
求められます。これに合わせて園名変更を行う必要があり、
「認定こども園鳥取短期大
学附属こども園」の方向で検討していきます。
この度の制度変更は、本園にとっては自然環境や施設設備を有効に活用して独自性
の高い教育・保育を打ち出していくよい機会になると考えます。地域や保護者のニー
ズを踏まえ、教育と保育の内容に関して全体的な計画を作成します。
また、1 号認定、2 号認定、3 号認定の園児や保護者の状況を的確に把握し、願いや
思いにきめ細かく対応します。
2 少子化の中での定員の確保
これまで、定員は 3~5 歳児(幼稚園)180 人、0~2 歳児(保育園)30 人の合計
210 人でした。しかし、近年、幼稚園の定員は未充足の状況が続き、保育園では不足
傾向にありました。
このようなことから、新たな幼保連携型の認定こども園への移行を契機に定員を見直
16
し、全体定員を 180 人にするとともに、3~5 歳児の定員は 144 人、0~2 歳児は 36 人
としました。0~2 歳児の定員は実質的に増加しましたが、これは働こうとされる女性
を応援したいという考えによるものです。
しかし、募集を開始すると、2 歳児は応募があるものの、1 歳児については、14 人の
定員を下回っています。少子化の中で 0~2 歳児を確保していくことは、3~5 歳児の
確保につながるだけに大切です。このようなことから、地域や働く気持ちをお持ちの
女性の声をお聞きしながらニーズを発掘し、戦略を打ち出します。
3 教員の指導力向上と短大との連携
日々、園児に接する教員は、指導力を向上させるため研修や研鑽を行う必要があり
ます。とりわけ、新たな幼保連携型認定こども園として、教育・保育活動の充実が求
められている今、教員の指導力向上は喫緊の課題です。しかし、現実は研修・研鑽の
時間は十分に確保されておらず、抜本的な対策が求められています。
このような中、平成 27 年度は、教員増となり、非常勤職員も増えることになりまし
た。この職員増を最大限に活用し、教員が研修しやすい、研修に出かけやすい組織や
システムを構築していきます。
また、短大との連携を強めていくことも、教育・保育を充実させていく上でとても
重要です。短大とは、教育実習や課外活動等で協力し合っていますが、教育・保育の
研究や実践に関することなど、コアの部分での連携が弱まってきているように思いま
す。このようなことから、短大教員と園の教員との連携を深める方策を検討し、可能
なことは実施します。
4 特別な支援や配慮を必要とする子どもへの対応
近年、全国的に特別な支援を必要とする子どもが増加しており、本県でも同様の傾
向にあります。本園では、特別な支援を必要とする子どもに対しては加配教員を措置
したり専門機関と連携したりして対応していますが、引き続き早期対応の視点で保護
者の理解をいただきながら特別支援教育を充実させていきます。
また、食物アレルギーの園児に対する対応も万全を期さなければなりません。誤
食・誤飲等は命に直結する問題であり、職員間で園児の情報を確実に共有して給食や
日常の活動の中で最大限に配慮していく必要があります。
このようなことから、食物アレルギーマニュアルを作成し、事故の未然防止に努め
ます。
5 中国四国音楽教育研究大会に向けた取組
平成 28 年度に本園で開催される中国四国音楽教育研究大会幼稚園部門の公開保育に
向けて、着実に準備を進めます。発表に際しては、一過性の行事としてとらえるので
はなく本園の音楽教育革新の機会としてとらえ、チクチク山で育つ感性豊かな子ども
を念頭に置いて、音楽教育カリキュラムを作成します。
17
3. 財務の概要
このたび、学校法人会計基準の一部を改正する省令(平成 25 年 4 月 22 日文部科学省令
第 15 号)が公布され、平成 27 年度(知事所轄学校法人については平成 28 年度)以後の会
計年度に係る会計処理及び計算書類の作成から適用されることとなりました。
改正の趣旨は制定以来 40 年が経過し、社会・経済状況の大きな変化、会計のグローバル化
等を踏まえた様々な会計基準の改正、私学を取り巻く経営環境の変化等を受けて、公教育を
担う学校法人の経営状態について、社会にわかりやすく説明する仕組みが求められていま
す。
この結果 27 年度予算から、収支状況について経常的な収支と臨時的な収支が区分できるよ
うに変更いたしました。
●資金収支計算書は、科目の名称変更等の一部の変更点はありますが、全体的には従前の
様式と大きな変更はありません。
●消費収支計算書は経常的及び臨時的収支に区分して、それらの収支状況を把握できる
よう「事業活動収支計算書」へ変更します。
(1)資金収支予算
【収入の部】
(単位:千円)
科
目
平成 27 年度
学生生徒等納付金収入
平成 26 年度
増
減
718,984
601,060
117,924
手数料収入
16,577
14,900
1,677
寄付金収入
14,000
13,910
90
補助金収入
621,957
1,434,327
△ 812,370
資産売却収入
50,000
250,000
△ 200,000
付随事業・収益事業収入
50,520
39,919
10,601
2,202
5,326
△ 3,124
48,579
31,550
17,029
借入金収入
250,000
1,200,000
△ 950,000
前受金収入
172,670
165,350
7,320
その他の収入
927,999
199,586
728,413
内部資金収入
37,958
683,760
△ 645,802
△ 167,733
△ 830,514
662,781
2,743,713
3,809,174
△ 1,065,461
前年度繰越支払資金
706,417
1,544,441
△ 838,024
収入の部
706,417
9,162,789
△ 2,968,946
受取利息・配当金収入
雑収入
資金収入調整勘定
(当年度収入計)
合計
18
【支出の部】
科
目
平成 27 年度
平成 26 年度
増
減
人件費支出
880,086
602,641
277,445
教育研究費支出
259,980
199,800
60,180
管理経費支出
112,990
116,258
△ 3,268
借入金等利息支出
5,170
5,162
8
借入金等返済支出
979,508
229,508
750,000
施設関係支出
4,000
2,268,465
△ 2,264,465
設備関係支出
63,500
331,640
△ 268,140
資産運用支出
50
50
0
その他の支出
249,000
214,290
34,710
内部資金支出
37,958
683,760
△ 645,802
〔予備費〕
21,500
21,500
0
△ 48,180
△ 25,876
△ 22,304
2,565,562
4,647,198
△ 2,081,636
884,568
706,417
178,151
6,015,692
10,000,813
△ 3,985,121
資金支出調整勘定
(当年度支出計)
翌年度繰越支払資金
支出の部
合計
●資金収支予算の概要
・当年度収入(前年度繰越支払資金を含まない収入)は、対前年度比 28.0%減、10 億 65
百万円減の 27 億 43 百万円を計上。
・当年度支出(翌年度繰越支払資金を含まない支出)は、対前年度比 44.8%減、20 億 81
百万円減の 25 億 65 百万円を計上。
・当年度収入と当年度支出の収支差額は、1 億 78 百万円の収入超過。
19
(2)事業活動収支予算
科
(単位:千円)
目
平成 27 年度
学生生徒等納付金
平成 26 年度
増
減
718,984
601,060
117,924
手数料
16,577
14,900
1,677
寄付金
14,100
14,010
90
621,957
1,434,327
△ 812,370
付随事業収入
50,520
39,919
10,601
雑収入
48,578
31,953
16,625
1,470,716
2,136,169
△ 665,453
人件費
890,896
612,979
277,917
教育研究費
498,880
337,800
161,080
(199,100)
(100,000)
(99,100)
管理経費
125,590
127,457
△ 1,867
(減価償却費)
(9,400)
(6,800)
(2,600)
0
0
0
教育活動支出計
1,515,366
1,078,236
437,130
教育活動収支差額
△ 44,650
1,057,933
△ 1,102,583
受取利息・配当金
2,202
5,326
△ 3,124
0
0
0
教育活動外収入計
2,202
5,326
△ 3,124
借入金等利息
4,570
5,162
△ 592
0
0
0
4,570
5,162
△ 592
△ 2,368
164
△ 2,532
△ 47,018
1,058,097
△ 1,105,115
資産売却差額
0
0
0
その他特別収入
0
0
0
特別収入計
0
0
0
資産処分差額
0
123,230
△ 123,230
その他特別支出
0
0
0
特別支出計
0
123,230
△ 123,230
特別収支差額
0
△ 123,230
123,230
11,300
11,300
0
基本金組入前当年度収支差額
△ 58,318
923,567
△ 981,885
基本金組入額合計
△ 75,008
△ 2,332,260
2,257,252
△ 133,326
△ 1,408,693
1,275,367
△ 1,803,112
△ 871,366
△ 931,746
0
476,947
△ 476,947
△ 1,936,438
△ 1,803,112
△ 133,326
事
業
活
動
収
入
の
部
教
育
活
動
収
支
教
育
活
動
外
収
支
経常費等補助金
教育活動収入計
事
業
活
動
支
出
の
部
収
入
の
部
支
出
の
部
(減価償却費)
徴収不能額等
事
業
活
動
事
業
活
動
その他教育活動外収入
その他の教育活動外支出
教育活動外支出計
教育活動外収支差額
経常収支差額
収
入
の
部
特
別
収
支
支
出
の
部
〔予 備
事
業
活
動
事
業
活
動
費〕
当年度収支差額
前年度繰越収支差額
基本金取崩額
翌年度繰越収支差額
20
●事業活動収支予算の概要
○教育活動収入
・学生生徒等納付金は、対前年度比 19.6%増、1 億 17 百万円増の 7 億 18 百万円を計
上。
・経常費等補助金は、対前年度比 56.6%減、8 億 12 百万円減の 6 億 21 百万円を計上。
○教育活動支出
・人件費は、対前年度比 45.3%増、2 億 77 百万円増の 8 億 90 百万円を計上。
・教育研究経費は、対前年度比 47.7%増、1 億 61 百万円増の 4 億 98 百万円を計上。
・管理経費は、対前年度比 1.5%減、1.8 百万円減の 1 億 25 百万円を計上。
○経常収支差額
・当年度の経常収支差額は、対前年度比 104.4%減、11 億 5 百万円減の 47 百万円の支
出超過。
○基本金組入額
・シグナス寮に設置する備品等のほか、設備関係で 75 百万円を予定。
○収支差額
・当年度の収支差額は、1 億 33 百万円の支出超過。累計で 19 億 36 百万円の支出超過。
以上
21