健 康 日 本 21推 進 全 国 連 絡 協 議 会 第 7回 栄 養 ・食 生 活 分 科 会 講演抄録 日 時: 平成27年3月20日(金) 場 所 : 中小企業会館 9階講堂 それでは、ただいまより健康日本2 ども、そのときに、食品の中に含まれるいろ 1推進全国連絡協議会 第7回栄養・食生活 んな栄養成分、例えば食塩が何グラム入って 分科会を開催いたします。 いるかという情報がきちんと示されていない ○事務局 と、なかなかその目標を達成することはでき 開催に当たりまして、当協議会の下光会長 ませんし、国民一人一人が困ってしまうとい から一言ご挨拶申し上げます。 ○下光会長 うことがございます。 皆さん、こんにちは。健康日本2 ということで、きょうは、消費者庁の食品 1推進全国連絡協議会の会長の下光でござい 表示企画課の食品表示調査官でいらっしゃる ます。 増田利隆様に「食品表示法と食品表示基準に 皆さんもご承知だと思いますけれども、こ の協議会には4つの分科会がございます。1 ついて」というご講演を賜りたいと思います。 つは栄養・食生活分科会、そして身体活動の ご講演の後、また皆さん、熱心な質疑応答 があればというふうに思います。 運動・スポーツに関する分科会、たばこ分科 それでは、よろしくお願いいたします。 会、そして、最近できましたのがメンタルヘ ルス分科会の4つの分科会ですが、本分科会、○事務局 それでは、ここからの進行は、公益 栄養・食生活分科会におきましては常に出席 社団法人日本栄養士会の迫専務理事にお願い 者が多く出席をされ、非常に活発な分科会だ したいと思います。よろしくお願いいたしま と思っております。 す。 健康日本21も第二次になりまして、第一 ○迫座長 ただいまご紹介いただきました公益 次のときは多くの目標値がありました。栄養 社団法人日本栄養士会専務理事の迫でござい や運動に関しても個人に対するさまざまな目 ます。どうぞよろしくお願いいたします。そ 標が立てられて、例えば食塩摂取量を何グラ れでは、座って失礼させていただきます。 ムにするとか、あるいは運動に関しては歩数 食品表示法が成立しまして、いよいよ20 を何歩増やすというような目標が立てられま 15年4月1日施行という時期を迎えたわけ したけれども、個人に対するアプローチだけ でございます。先ほど下光会長からご挨拶が だけではなかなか目標値が達成できず健康づ ありましたように、栄養・食生活を取り巻く くりは進まないということで、その反省も踏 環境整備の中で、非常に大きな部分をこの法 まえまして、第二次健康日本21は、一人一 律が占めていると言っても過言ではないと思 人の努力だけではなくて社会環境の整備とい います。 振り返ってみますと、栄養表示の義務化に うことが入ってきたわけであります。 その基本になるものは、ヘルスプロモーシ 関する検討会、食品表示一元化検討会、そし ョン(健康づくり)は、個人の努力と社会環境 て食品表示部会等々で食品表示基準について の整備が相まって初めて進むものであるとい 事細かに議論をし続けてきたというふうなこ う、1986年のオタワ憲章の理念に基づい とを今思っているところでございます。そし たものでございます。そういう中で、食事や て、いよいよ栄養表示が義務化される。あわ 栄養に関しても国民が様々な基準を国から示 せてもう1点、皆様方の、または消費者のと され、それを健康づくりのために役立てよう 言い直しましょうか、関心が高い機能性表示 といろいろ努力することになるわけですけれ 食品もこの4月1日から同時にスタートする。 1 もちろん、そこには経過措置期間もあるわ けでございます。いずれにしましても、5年 の間には栄養表示の義務化も完全に施行され ますし、その前に機能性表示を始め、さまざ まな食品表示がスタートしていくということ で、その直前のこの日に消費者庁の食品表示 企画課の増田様にご講演いただくということ でございます。 機能性表示食品のガイドラインがつい最近 出され、そして全国での研修会が積み重ねら れ、またこの後、さまざまな表示に関するQ 本来であればパワーポイントなんですけれ &Aが出てくる。そのお忙しい真っただ中に ども、配付資料で対応させていただきますの お時間をとっていただいたものでございます。 で、お手元の資料を見ながら聞いていただけ きょうのご講演の資料は、60ページと大 ればと思います。 量に用意していただいております。これをこ 実は、タイトルは「(案)」という形にし の1時間の中で触れるとなると、1枚1分と ていたんですけれども、このときは実際公布 いうものすごいスピードになるわけでござい がされていなかったものですから「(案)」 ますが、飛ばすところは飛ばしていただきな とさせていただきましたが、本日公布されま がらも、確実に必要なところをお話しいただ して、「(案)」が取れましたので、そちら くということでお願いしたいと思っておりま を最初にご報告いたします。詳細については す。 スケジュールのところでご説明させていただ それでは、増田様、よろしくどうぞお願い ければと思っております。 いたします。 ○増田 消費者庁食品表示企画課の増田と申し ます。本日、食品表示法と食品表示基準 (案)ということでご説明をさせていただこ うと思います。 ※このページ以降、縮小したスライドを入れ ておりますが、末尾に拡大したスライドも 再掲しておりますので、必要に応じてご参 照ください。 資料をおめくりいただきまして、2ページ 目です。「現行の食品表示に関する法律」と いうところですけれども、ご存じの方も多い かもしれませんけれども、実は今、3つの法 2 律から表示が成っているというところでござ かりにくいということもございまして、消費 います。 者庁ができたときに、こちらの表示に関する まず1つ目が一番左の青のところ、食品衛 部分は全て消費者庁に一元化されまして、1 生法ということで、飲食に起因する衛生上の つにまとめていくということが決まったとこ 危害発生防止という目的でさまざまな表示事 ろでございます。 項が決まっています。真ん中のオレンジのと それをもとに議論を重ねまして、先ほど座 ころがJAS法と呼ばれるものでして、こち 長の迫先生からご紹介がございましたけれど らは品質に関する適正な表示に関する法律で、 も、一元化を行いまして、次の3ページに進 品質についての表示が決められています。も んでいきますと、食品表示法という法律で3 う1つがピンクのところで、健康増進法とい つの法律の表示の部分を1つにまとめたとこ うことで、国民の健康の増進を図る目的とし ろでございます。 て栄養表示基準のようなものが策定されてい る。この3つの法律から成っているというこ とで、消費者にとっても、事業者にとっても 制度がわかりにくいというご指摘をいただい ていたところでございます。 右側の表示の例を見ていただきますと、下 線がいろんな色でついているかと思います。 それぞれの法律でどういったものが街頭で表 示されているのかをこちらで簡単に示したも のですけれども、さまざまな色がついている ような状況ですので、ちょっとわかりにくい。 さらに、事項としてどういったものがある 3ページの一番上に目的が書いてあります かというのが左の下にあります。JAS法に けれども、「食品を摂取する際の安全性及び ついては、黄色の部分の品質ということで、 一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の 原材料名であったり、内容量、原産地といっ 機会を確保するため」ということで、3つを たもの。さらに、食品衛生法と重なる網かけ 統合したところです。それによりまして、一 の部分ですが、名称とか賞味・消費期限、保 番上の右側ですが、整合性のとれた表示基準 存方法、遺伝子組換え、製造者名については の制定とか、消費者、事業者双方にとってわ かぶっているところもあります。食品衛生法 かりやすい表示、消費者の日々の栄養・食生 の食品安全の確保については、添加物とアレ 活管理による健康増進に寄与すること、効果 ルギーがある。さらに、それとはちょっと離 的・効率的な法の執行といった観点を踏まえ れておりますけれども、栄養表示ということ まして、法律を制定したところでございます。 で、健康増進法のものがまたあるというとこ さまざま法律がございますけれども、本日、 ろが現在の法律の体系になっております。 中心的にお話しさせていただきますのは赤で こちらは、今までは厚生労働省と農林水産 囲ったところ、第4条の食品表示基準という 省の2省で管轄していたんですけれども、わ ところでございます。こちらは内閣総理大臣 3 が策定をすることになっているものでして、 ブリックコメント等を経て本日公布されたと ①のところで、名称、アレルゲン、保存の方 ころでございます。周知期間は4月1日まで 法、消費期限、原材料、添加物、栄養成分の ですので2週間程度ですけれども、周知期間 量及び熱量、原産地その他食品関連事業者等 を経て4月1日から適用されるところでござ が表示すべき事項ということで、義務がかか います。 る表示事項をこの基準で定めるという形にな 適用されるんですけれども、真ん中の段の っております。それ以外にもさまざまござい 一番右のところに括弧書きで経過措置を設け ますけれども、時間の関係がありますので割 ておりまして、加工食品と添加物については 愛させていただきまして、本日は4条を中心 5年、生鮮食品については1年6カ月の経過 にお話をしたいと思っております。 期間を設けております。こちらは、現在の法 律でつくった包材の廃棄や市場に出回ってい る食品の回収はできませんので、経過措置と いう形で一定期間を置く形をとらせていただ いているところです。ですので、最終的には 平成32年の3月末には全ての食品について 新しい食品表示法に基づく基準で表示がされ る形になります。 ページをおめくりいただきまして、4ペー ジです。食品表示法の施行に向けたタイムス ケジュールでございます。一番上が食品表示 法で、この法律は平成25年6月28日に公 布されたものです。まだ施行はされていない ものですけれども、公布の日から起算して2 年を超えない範囲で政令で定める日という形 になっておりまして、この政令が3月6日に 続きまして、食品表示基準を策定する策定 公布され、平成27年の4月1日から施行さ 方針を決めさせていただいておりましたので、 れるという形になっております。それ以外に そちらをご紹介しますけれども、5ページで 権限の委任を定める政令というのがございま ございます。現行の基準は実は58本ござい して、法の執行を行うためのものですけれど ます。それを1つに統合しなければならない も、一部の権限を都道府県とか自治体様にお ということで、大きく5つの方針を立てさせ ろしているというものでございます。 ていただいたところでございます。 その下に「表示基準等」と書いております 大きなものとしましては、青字で書きまし けれども、こちらも策定をしていまして、パ たけれども、「消費者の求める情報提供と事 4 業者の実行可能性とのバランスを図る」とい うことで、双方にわかりやすい基準の策定と いうところに主眼を置いております。 1つ目は、「原則として、表示義務の対象 範囲については変更しない」という形にして おります。例外として、食品衛生法とJAS 法に関しては加工と生鮮の区別がございまし て、現状はJAS法に合わせて考え方を整理 したところでございます。 2番目として、「基準は、食品と事業者の 分類に従って整序し、分かりやすい階層構造 次のページに行っていただきますと、実際 とする」という形にしております。こちらに の基準統合のイメージということでつけさせ ついては後ほど詳しくご説明させていただけ ていただいております。JAS法の関係が一 ればと思います。 番多くて52本、それに食品衛生法の5基準 3番目として、「2の区分ごとに、食品の と栄養基準の1基準を、緑のところの「食品 性質等に照らし、できる限り共通ルールにま 表示基準」に統合したところでございます。 とめる」ということで、先ほどお示ししまし たが、食品衛生法、JAS法で重複していた ものについて整理をするという形にしており ます。 4つ目として、「現行の栄養表示基準を、 実行可能性を踏まえた上で義務化にふさわし い内容に見直す」ということでございます。 5番目として、「安全性に関する事項に係 るルールについては、より分かりやすいよう に見直す」ということでございます。これは どういうものかというと、アレルギー表示の 次の7ページが食品表示基準の構成です。 ようなものについて若干わかりにくいという 先ほど、わかりやすい階層構造と言いました ご指摘がありましたので、そちらを整理させ けれども、1つは食品の区分に従って分類す ていただきました。こちらも策定方針に従い るということで、大きく3つに分けておりま まして基準の統合を行ったところでございま す。それが第二章にあります加工食品、第三 す。 章の生鮮食品、第四章の添加物という食品の 分類をしております。 その中をさらに事業者の分類に従って分け ることにしております。例えば、第二章の加 工食品のところを見ていただきますと、上に あります「食品関連事業者に係る基準」とい 5 うところと、一番下の「食品関連事業者以外 の販売者に係る基準」という2つに分けてお ります。 この2つの違いは、食品関連事業者は、食 品の販売とか製造、加工・輸入を業とするよ うな事業者になります。食品関連事業者以外 の販売者は、町内会のお祭り等で食品を販売 するような、反復継続性のない販売を行う者 という形に分けておりまして、バザーのよう なものは食品関連事業者以外の販売者に係る ところでございます。 続きまして、8ページです。「基準案のポ さらに、食品関連事業者に係る基準はさら イント」ということでお示ししていますけれ に2つに分けております。オレンジで囲って ども、3つの法律に基づく基準を統合すると いますけれども、一般用加工食品と業務用加 ころは同じですが、2番目として、現行制度 工食品という形で分けておりまして、これに からの主な変更点として9つ挙げております。 よって義務の範囲が変わっていきます。 こちらは9ページから詳しくご説明をさせて さらに、一般用加工食品の中を見ていただ いただければと思います。 きますと、第三条の「横断的義務表示」では、 9ページは字が小さく申し訳ございません。 一般用加工食品であれば全てに共通的にかか 先ほどちょっと迫先生のほうからご説明があ わる義務の表示を書いていまして、第四条に りましたけれども、こちらは全国説明会のと ついては「個別的義務表示」がかかっている きの資料でして、内容が重複していますので ものに分けております。「義務表示の特例」 割愛しますが、9ページの右側、「現行制度 を第五条で示しておりまして、第六条につい からの主な変更点」というところからご説明 ては「推奨表示」、第七条は「任意表示」と させていただければと思います。 いうことで、特色ある原材料とか、栄養強調 表示のようなものはこちらに当たるんですけ れども、そういった形になっております。第 八条については「表示の方式等」です。どう いったもので表示するのかを具体的に示して いるものでございます。第九条が「表示禁止 事項」ということで、表示できないものとい った構造になっております。 これが全ての業務用加工食品や生鮮食品の 一般用、業務用という形で全て同じような構 造でつくっております。こういった構成のも 1つ目が「加工食品と生鮮食品の区分の統 とに基準をつくらせていただいたところでご 一」というところです。JAS法と食品衛生 ざいます。 法において食品の区分が異なっていたところ 6 がありましたので、JAS法の考え方に基づ 供を求められた場合に回答する者の連絡先、 く区分に統一・整理をしたところです。実際 もしくは、そういったところを表示したウエ にどういうものかというと、さらに下にあり ブサイトのアドレス、または全ての製造所の ますが、現行の食品衛生法では表示の対象と 所在地を表示していただくという3つを示し されていない軽度の撒塩とか生干し、湯通し ております。これらのいずれかの対応をして とかという簡単な加工を施したものは、加工 いただければ、記号を使っても大丈夫という 食品に分類されていなかったんですけれども、 形に変更したものでございます。 新たに今回加工食品として分類される形にな 9ページの右の一番下です。業務用の食品 っております。それによって表示事項が少し については今回ルールの改善の対象外にして 変わりますので、そういったところに若干の おりまして、これまでどおりという形になっ 変更がございます。 ております。 2番目が「製造所固有記号の使用に係るル ールの改善」でございます。こちらは例をつ けておりまして、丸がついていますが、「販 売者」のところの「○○食品」の横に記号で 「KS」と書いてあります。これが製造所固 有記号です。これは、製造場所がどこかとい うのを住所ではなくて記号にかえているとい う制度でして、多くの食品で用いられていま すけれども、今は届出をすればどのような食 品でも全て自由に使うことができますけれど も、こちらのルールの改善を行いました。 どう変えたかといいますと、下線の部分で 次の10ページで、3番の「アレルギー表 すが、原則として同一製品を2つの工場で製 示に係るルールの改善」というところです。 造する場合に限って利用が可能というふうに (1)番として「特定加工食品及びその拡大 変更しております。もともと、記号だけをか 表記を廃止する」と書いております。用語が えれば、A工場でつくっているのか、B工場 わかりにくいんですけれども、注をつけてい でつくっているのかがわかればいいので、同 ます。下のところ、「特定加工食品」とは、 じ包材で記号だけを後で記入すれば、同じ包 特定原材料名(特定の原材料を指定していま 材が使えるというメリットがありましたので、 す)に係る代替表記ということで、別の名称 それを認めていたところです。しかし、今で でつけるというものです。 は1工場でも記号で書いているところもあり 代替表記は下にあります。表記の方法や言 ますので、そういったところを利用できない 葉が違うが、アレルゲンを含む食品と同一で 形で見直しをしております。 あることが理解できる表記ということで、要 2つ目として、製造所固有記号を使用する は、卵であれば、卵を含むことは当たり前で 場合には、次のいずれかの事項を表示するこ すので、通常であれば「卵を含む」と書かな ととしております。製造所の所在地の情報提 ければなりませんけれども、「卵」でいいと 7 いうのが代替表記でございます。 特定加工食品は、マヨネーズであれば、卵 を使っているというのは皆さんご存じであろ うということで、これまでは「マヨネーズ」 と書いてあれば、「卵を含む」ということは 省略してもよい。ほかにも、パンであれば 「小麦を含む」。小麦を使ってつくるものな ので、こちらは省略できたのですけれども、 それを廃止する。なので、パンであっても 「小麦を含む」とか、マヨネーズであっても 「卵を含む」と基本的には書いていただくと まず1つ目が「消費者における表示の必要 いうルールの見直しでございます。 性」ということで、国民の摂取状況とか生活 (2)番目として、「個別表示を原則とし、 習慣病との関連を踏まえて考えたものです。 例外的に一括表示を可能とする」と書いてお 2つ目として「事業者における表示の実行可 ります。これは現在と逆になるんですけれど 能性」、3つ目として「国際整合性」という も、こういった形をとらせていただきます。 3つの観点を整理させていただいたところで さらに(3)、一括表示をする場合は、一括 す。 表示欄に全ての表示をしていただくような形 こちらの3つの観点を満たしているものと でお願いをするものでございます。 して、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水 こちらがアレルギー表示に係るルールの改 化物、ナトリウムがございます。 善でございます。 それ以外に、①番の要件の「消費者におけ 続きまして、4番目として「栄養成分表示 る表示の必要性」があるものとして、飽和脂 の義務化」です。こちらは、「原則として、 肪酸と食物繊維がございましたので、こちら 全ての消費者向けの加工食品及び添加物への は任意ですけれども「推奨」ということで、 栄養成分表示を義務付け」たところですけれ 積極的につけていただきたいということを明 ども、こちらについてはちょっと丁寧にご説 確にしたものでございます。 明させていただきたいと思っております。 ページが飛んで申し訳ございません。31 ページをごらんください。こちらは、栄養成 分のどれを義務化するのかという考え方です。 食品表示法においては、3つの観点を満たす ものについて義務とするという考え方を示し ております。 8 ①番の要件を満たさないものとしては、任 のナトリウムは、真ん中の「①基本ルール」 意表示の「その他」ということで、糖類、ト というところでは「食塩相当量」に書かれる ランス脂肪酸、コレステロール、ビタミン・ というものでございます。 しかし、例外を設けておりまして、任意の ミネラル類を整理させていただいたところで ルールですけれども、「ナトリウム○○mg す。 (食塩相当量○○g)」と書いていいもの 義務の5成分については義務化される形に も一部設けました。こちらは、原材料由来の なっております。 義務化される5成分のうち、次の32ペー ナトリウムがどうしても含まれてしまう食品 ジですが、ナトリウムについてです。現状の があります。100%の野菜ジュースとか、 栄養成分表示では「ナトリウム」と書いてい 果物のジュースのようなものはどうしても原 ますけれども、消費者にとってみると、活用 材料由来のものとして入ってしまいますので、 がなかなかできないといったお声をいただき そういったものは食塩を入れているわけでは ました。なぜかといいますと、病院の減塩の ないということで、いろいろご議論がござい 指導とかで食塩を何グラム減らしてください まして、ナトリウム塩を添加していない食品 という指導があるかと思いますけれども、そ ──ちょっとこちらはナトリウム塩無添加の ういったときに食塩相当量で通常指導されて、 強調表示ですけれども、そちらの基準に合致 ナトリウムの量では言われていないと思うん するものについては、任意の表示として「ナ です。そうしますと、なかなか計算をするの トリウム○○mg(食塩相当量○○g)」 が難しいということがございましたので、今 という表示を認めるということでお示しした 回、ナトリウムの表示については「食塩相当 ところでございます。 量」という表示に変えていただくようお願い ですので、表示といたしまして、今後は① をしたものでございます。ですので、表示自 番になりますけれども、②番も一部商品とし 体は「食塩相当量」とされます。 ては出回るというところでございます。 33ページを見ていただきますと、実際の おめくりいただきまして、34ページ、栄 例をお示ししております。現行は一番左側で 養表示の義務化の対象食品でございます。 す。5成分を書いていただきまして、一番下 「考え方(案)」のところですが、下線を引 9 いております。「原則として予め包装された いう形にしております。あと、酒と小包装の 全ての加工食品と添加物について、栄養成分 食品。 の量及び熱量の表示を義務とする」としてお それと、極短期間でレシピが変更される食 ります。しかし、こちらも3つの観点(消費 品ということで、日替わり弁当のようなもの 者における表示の必要性、事業者における表 を想定しておりますけれども、日々その場で 示の実行可能性、国際整合性)を踏まえまし 中に入れるものがかわるようなものはなかな て、一部の食品については表示を免除しては か栄養表示をつけることが難しいということ どうかというご議論をいただきました。 で、こちらも除いております。 あとは、製造場所で直接販売される食品と か、学校や病院等で販売に供する食品も除い ているところでございます。 こういった形で任意表示を変えております。 それをもとに、35ページですが、整理を させていただきました。新基準の「義務」の ところに、加工食品と添加物に「○」がつい ておりますけれども、注)をつけております。 注)が下にありますが、「以下に該当する食 品は表示義務を免除する」という形です。こ のときは議論用の資料でしたので「免除」と 書いてありますけれども、現状は「省略する ことができる」というふうに基準上はなって おります。 「栄養上、意味のない食品」は、社会通念 上摂取量が少ない、香辛料のようなものです。 こしょうを0.何グラム使っても健康への影 響が少ないということで、そういったものに 続きまして、もともとのページでいくと次 ついては表示しなくてもいい形にしておりま は強調表示の表ですので、このまま続けさせ す。 ていただきまして、37ページです。栄養強 「加工食品の原材料として使用される食 調表示ということで、「カルシウムたっぷ 品」についても、栄養表示は義務ではないと り」とか、「塩分30%カット」とか、そう 10 いった形の強調表示と呼ばれるものの規定に 120ミリグラム以上減らしていれば、ナト ついてでございます。 リウムを減らしていますと書いていいという 37ページは現行の規定について書いてお ルールになっています。しかし、意味合いが ります。日本の基準を見ていただくと、「低 2つございまして、まずAのほうを見ていた 減された旨の表示」ということで、「カロリ だくと、もともとの比較対象食品、もともと ー何%カット」とか、「低脂肪」とか、「コ の食品が470ミリグラムのナトリウムを含 レステロールゼロ」とかいろいろございます んでいるものを120ミリグラム減らします けれども、そういったものも基準が一応ござ と350ミリグラムになる。一定程度減らし います。これは基準値が決められておりまし ていると。これは基準値を満たしていますの て、その基準値以下であれば表示ができると でいいんですけれども、パーセントを見てい いうものでした。 ただくと26%減です。一方、Bのほうを見 強化された旨の表示も同様でして、「カル ていただくと、もともとの食品に含まれるナ シウムたっぷり」とか、「ビタミンCがたく トリウム量が多いものを120ミリグラム減 さん入っている」といったものを書くものが らしても、880ミリグラムということで、 こちらですけれども、こちらも基準値以上で 割合にすると12%減と、意味合いが全く違 あればどういう形でも書けていたのですけれ ってくるということがございます。 ども、コーデックスのほうを見ていただきま 同じ表示が現状ではできてしまうんですけ すと、一定値以外に比較対象食品との相対差 れども、意味合いが全く違いますので、こち が25%以上というのが、右から2番目、下 らを直そうということで、必ず絶対差「12 から2番目のますに書いてあります。こうい 0ミリグラム以上」というものに加えて、こ った相対差の考え方を入れてはどうかという の差を相対差ということで、「25%以上の ことでご議論をいただいたところでございま 相対差がなければ表示できない」というよう す。 にルールの変更をしております。こちらが国 際整合性を合わせるという形で、コーデック スのガイドラインという国際基準に合わせた ところでございます。 実際には、38ページを見ていただければ と思うんですが、現在の日本の栄養表示基準 では、ナトリウムの量の例ですが、Aの場合、 11 それを一覧表にまとめたのが39ページで 更」です。栄養機能食品は、ご存じの方もお して、今までの基準値以上の絶対差だけでは られるかと思いますけれども、どういうもの なく、25%以上の相対差を加えたところで かというと、身体の健全な成長発達、健康の ございます。このような形で強調表示のルー 維持に必要な栄養成分(ビタミンとかミネラ ルの変更を行ったところでございます。 ルですけれども)の補給を目的として、栄養 また10ページにお戻りください。10ペ 成分の機能を表示する食品につけられる表示 ージの右側の5の「栄養強調表示に係るルー のことです。ですので、「カルシウムは歯や ルの改善」の(1)を今お話ししたところでご 骨の形成を助ける栄養素です」というような ざいます。 表示をする場合にルールが設けられているも のでございます。 現状として、5種類のミネラルと12種類 のビタミンになっていますけれども、そちら に今回新たに追加したところです。追加した ものとしては、「n-3系脂肪酸」と「ビタ ミンK」と「カリウム」でございます。カリ ウムについては過剰摂取の可能性があります ので、錠剤、カプセル等の食品は対象外とい うことを明確にしているところでございます。 こちらの追加に当たってどういう基準で検 討したかというところは、資料がなくて申し 今度は、(2)に「無添加強調表示」と記載 訳ございません。1つ目として、国民の栄養 しております。現行のルールでは、無添加強 摂取の状況から見て、欠乏が国民の健康の保 調表示と言われる、例えば「食塩不使用」と 持増進に影響を与える栄養成分で、それが厚 か、「糖類無添加」とかという表示ですけれ 生労働省令で定める栄養素であるかどうか。 ども、こちらについては基準としては規定し かつ、食事摂取基準に基準値が定められてい ていなかったところでございます。国際的に る成分かどうかを1つ目とさせていただきま もルールがなかったんですけれども、201 した。 2年と2013年に新しい考え方が導入され、 次は、公的統計において国民の平均的な摂 糖類の無添加とナトリウム塩(食塩)の無添 取量が把握されている成分。結局、こちらは 加に関する基準がつくられました。それに合 補給を目的としておりますので、摂取量がわ わせて今回、日本においても同様の考え方を からないものを幾らとらせても、十分とって 取り入れたというものでして、糖類の無添加 いるものをさらにとらせるのはおかしいとこ に関するものとナトリウム塩の無添加に関す ろがございますので、摂取量がまず把握され る基準を設けました。ですので、これまでノ ている成分という形にしております。 3つ目として、過剰摂取の懸念がない成分 ールールだったところにルールを設けさせて といたしました。上限が幾らあってもいいわ いただいたというところでございます。 けではございませんので、そういった形をと 6番目が「栄養機能食品に係るルールの変 12 していただくように表示事項を追加したとこ らせていただきました。 ろでございます。 最後は、通常の食生活を補完する目的で摂 取するという目的がありますので、それによ って対象者において健康の維持増進の効果が 期待できる成分を検討しました。それに合致 したものが今回挙げさせていただいた3つで ございます。 (2)番として、対象食品について範囲の変 更を行っております。現状は、生鮮食品にお いて鶏卵のみが対象だったんですけれども、 全ての生鮮食品についても適用対象とすると いうふうに変えております。 (3)番として、表示事項の追加・変更を行 続きまして、11ページです。7番目とし っております。これまでは栄養素等表示基準 て、原材料名等表示に係るルールの変更でご 値というものがございまして、こちらは表示 ざいます。原材料の表示は、JAS法関係の をするための基準値です。通常では、食事摂 基準では原材料と添加物を区分して、それぞ 取基準で性、年齢階層別に全て基準値があり れの重量順に表示することを基本としており ますけれども、それを表示で全て書くことは ました。新基準もこの考え方を取り入れると 物理的にできないので、1つの基準として表 いうことで、(1)ですが、パンとか植物油脂、 示をするための基準値を算出しております。 ドレッシングといったものについて、それぞ それは日本人の食事摂取基準をもとに人口構 れに占める重量の割合の高いものから順に表 成で加重平均を求めた値です。対象年齢とか、 示をしていただきます。 基準の熱量はこれまでお示ししていなかった (2)番目として、複合原材料を構成する原 んですけれども、そちらを明確に書くという 材料を分割して表示したほうがわかりやすい ことを今回加えました。ですので、対象年齢 場合については、分割して表示可能とすると を18歳以上、さらに基準の熱量は2,20 いうものでございます。この文章だとわから 0キロカロリーですと、その人にとっての割 ないと思うんですけれども、要は、ホットケ 合が書かれるような形で変更しております。 ーキミックスのようなものは、小麦粉と膨ら 次は、特定の対象者(疾病に罹患している し粉とか、砂糖とか、いろんなものが入って 者とか、妊産婦等)に対して、定型文以外の いますけれども、それらを原材料としてつく 注意が必要なものについては、そういった注 るものです。どら焼の皮みたいなものかと思 意喚起をしていただくと。 うんですが、その原材料は何とかミックス、 さらに、食品の単位ですけれども、1日当 粉のミックスみたいな形で現状は書かなけれ たりの摂取目安量という形にしていただくよ ばならないとなっているんですが、そうする うに変更しております。 と何が入っているのかよくわからないので、 今回、生鮮食品に対象を拡大しましたので、 そういった場合に中身を分解した形、小麦粉 生鮮食品の場合については保存の方法も表示 とか、砂糖を使っているとか、何が入ってい 13 るかというのを全部書いた上で、重量順に書 んですけれども、表示可能面積がおおむね3 いていただくという形にルールの変更をして 0平方センチメートル以下の場合について、 おります。 安全性に関する表示事項については、「名 (3)番目として、これは細かな話ですけれ 称」、「保存方法」、「消費期限又は賞味期 ども、プレスハムとか混合プレスハムに関し 限」、「表示責任者」、「アレルゲン」及び てでん粉の含有率を併記していましたが、こ 「L-フェニルアラニン化合物を含む旨」に ちらについては、表示事項に項目を立てて表 ついては省略できないんですけれども、それ 示していただくように変更しているものでご 以外のものは省略できる形にしております。 (2)番目として、先ほど言った食品関連事 ざいます。 8番目として、添加物のルールの改善です。 業者以外の販売者が製造するものについては、 添加物についても、消費者の選択に資する表 「表示責任者」を表示しなくていい場合があ 示ということで、販売される全ての添加物に ったんですけれども、どこでつくったかとい ついて、安全性に関する食品衛生法の表示義 う所在地については省略ができないというル 務、商品選択に資する情報として、新たに ールの変更をしております。 「内容量」と「表示責任者の氏名又は名称及 (3)番目は、原材料と添加物の区分を明確 び住所」の表示を義務づけたものでございま に表示というところです。現在、JAS法上 す。 は区分が明確になっていないところがありま (2)番目として、業務用のものについても、 すけれども、今回は区分を明確にしていただ 新たに「表示責任者の氏名又は名称及び住 き、ここからが添加物ということがわかるよ 所」を表示していただくように変更している うにしていただくように変更しております。 ものでございます。 例えばスラッシュで区切るとか、改行をして 9番目として、通知等に規定されているル いただく、線で区切っていただくとかさまざ ールの一部を基準に規定ということです。こ まございますけれども、こういったものは通 れまで通知でいろいろな基準をつくってしま 知でお示しする予定ですが、明確に区分をし っていたところがございましたので、今回い ていただくようにルールの変更をしていると ろいろ整理いたしまして、内閣府令で明確に ころでございます。 させていただいたというものです。フグの食 最後に11として、経過措置期間というこ 中毒対策の表示とか、ボツリヌス食中毒対策 とで、先ほど言いましたように加工食品と添 の表示を基準に設けております。 加物については5年で、生鮮食品については 1年6カ月という経過措置を設けさせていた あとは、わかりやすい食品表示基準の策定 だいたところでございます。 という観点から、基準に規定すべきものとし て、栄養素等表示基準値とか、栄養機能食品 こういった形で変更点を主にご説明しまし である旨とか、栄養成分の名称の表示の方法 たけれども、58本の基準を統合するに当た についても規定をさせていただいたというも って、いろいろなものを整理させていただい のでございます。 たところです。こちらも今回で終わりという 10番目として、表示レイアウトの改善で わけではなくて、どうしても整理し切れなか ございます。パッケージが小さなものになる ったところが実はございまして、そういった 14 ものについては今後も引き続き検討をさせて まず、43ページの上の段の四角の中に いただきながら、調整させていただければと 「事項名」として書いてありますのが規制改 思っているところでございます。 革の内容です。下線を引いていますけれども、 次が新たな機能性表示制度についてでござ 「機能性表示を容認する新たな方策を検討し います。11ページのところでご説明しても て結論を得る」という形になっております。 ちょっとわかりにくいかと思いますので、サ そのときに、次の下線のところ、「米国のダ ンプルを後ろにつけております。41ページ イエタリーサプリメントの表示制度を参考に が表題ですので、42ページからでございま し、企業等の責任において科学的根拠に基づ す。 いて、加工食品と農林水産物について安全性 を確保した上で、可能な表示制度を創設する ように」という形でございます。それをもと に、下の段、日本再興戦略のほうにも同じよ うな形で載せておりますけれども、こういっ たものが決められたというところでございま す。 まず、新しい制度がなぜ議論されたのかと いうところから説明をさせていただければと 思います。規制改革実施計画というものがご ざいまして、こちらに基づいてやるという形 になっております。アベノミクスの第3の矢 と言われるようなものですけれども、その中 の日本再興戦略の一環として位置づけられた ものでございます。 15 限っておりまして、一般の食品は書けないと 44ページをおめくりいただきまして、ど いう制度でございます。 ういった表示のお話かということをイメージ としてつくったものでございます。現在、食 「課題」のところですけれども、栄養機能 品と食品以外の医薬品に大きく分けられます 食品は、先ほど言いましたように、12のビ けれども、その食品の中で現状として機能が タミンと5のミネラルのみでございます。特 書けるものは、先ほど説明した栄養機能食品 定保健用食品については、食品ごとに有効性 というもので、ビタミン、ミネラルについて とか安全性に係るヒト試験が必須ですので、 はこちらで書ける。さらに、特定保健用食品 許可に時間と費用がかかるということがござ (トクホ)についてもこちらは許可していま いましたので、それを変えなければならない。 すけれども、科学的根拠に基づいて表示をし ということで、規制改革会議の検討結果と して、右側の一番上ですが、病気や介護を予 ていただいているものでございます。 機能性が書けるものはこの2つだけです。 防し、健康を維持して長生きしたいという国 それ以外に青でぼやっとしているところがご 民のニーズがあること、あとは世界に先駆け ざいますが、これが企業の責任で機能表示が て健康長寿社会を実現するためにということ 可能な範囲ということで、一般的に言われて で新たな検討を行いなさいとしてでございま いる健康食品のようなものの分類のところで す。 すが、ここの表示制度について検討するよう 次に、検討するにあたり要件が3つありま にということでスタートしたものでございま して、赤字で示しております。企業等の責任 す。 で科学的根拠をもとに機能性を表示できる新 たな方策を検討する。検討に当たっては、米 国のダイエタリーサプリメントの表示制度を 参考にしなさいと。しかし、そこに関しては、 安全性の確保も含めた運用が可能な仕組みと することを念頭にしなさいという形でござい ます。 この3つの要件を踏まえた上で、実際に表 示ができるのが下のところでありまして、黄 色の部分がちょっと拡大するという形で検討 をしているものでございます。 こちらの制度を検討するときに、規制改革 実際にそういった形で閣議決定がされまし 会議というところで議論が行われました。そ たので、当庁のほうで検討会を構成させてい れが45ページの下段の図になります。現状 ただきました。それが46ページです。14 としては、左側の上のところですが、先ほど 名の先生に参画いただいております。学識経 言いましたように、機能性の表示ができるも 験者、消費者関係団体の方、事業者団体等で のは栄養機能食品と特定保健用食品の2つし 構成しておりまして、座長は、下から3番目 かない。そうしますと、真ん中の図ですけれ の松澤先生にお願いして、合計8回のご議論 ども、機能表示が可能なところはこの2つに をいただいたところでございます。 16 ところです。 ページをおめくりいただきまして、検討会 の報告書をまとめたものです。「安全性の確 保の観点」は、大きく分けて4つありまして、 (1)が、対象となる食品、成分の考え方と摂 取量のあり方ということで検討させていただ きました。1つ目として、食経験というもの を評価させていただくというふうにしており ます。食経験の情報では、安全性が十分でな 検討結果については、次のページからご説 い場合については安全性試験に関する情報を 明させていただきます。47ページです。新 評価する。さらに、機能性関与成分と医薬品 制度に向けた基本的な考え方は、ピンクで囲 等の相互作用も見る必要がありますので、そ ったところですけれども、「消費者の誤認を の相互作用の有無を評価するというところが 招かない、自主的かつ合理的な商品選択に資 1つ目でございます。 (2)として、生産・製造と品質の管理です。 する表示制度」にしなければならないという こちらも、提供される食品が安全でなければ ことが一番大事なところでございます。 その上で、3つの観点から検討させていた ならないので生産のところで見るということ だきました。一番上にありますように「安全 で、HACCPであったり、GMPといった 性の確保」は大前提ですので、こちらは確保 品質管理の取り組みを評価する。 2つ目として、企業等が摂取量を踏まえた させていただくところでございます。 左下は「機能性表示を行うに当たって必要 製品の規格を設定するとともに、製品分析、 な科学的根拠の設定」ということで、科学的 成分検査を登録検査機関でしていただくこと 根拠はどういったものであればいいのかとい を言っております。 3つ目として、健康被害発生時における検 う議論をいたしました。 証のために、検証に十分な量の製品は必ず確 右下ですが、「適正な表示による消費者へ の情報提供」という観点も必要ということで、 保していただくということも報告書に明記し たところでございます。 こちらについても議論をさせていただいた 17 (3)として、健康被害等の情報収集です。 研究結果についても、CONSORT声明 1つ目が、企業等における健康被害等の情報 という国際的にコンセンサスが得られた指針 収集体制を整備してくださいというものでご がございまして、それに準拠した形式で査読 ざいます。2つ目として、行政による効率的 付きの論文によって報告しているということ な健康被害の情報収集ということで、幅広い を明記しているところでございます。 (2)番目の研究レビューのほうですけれど チャンネルを活用して情報収集をするという も、こちらも要件を幾つか書いております。 ことを書かせていただきました。 (4)として、危険な商品の流通防止措置等 1つ目が査読付きの論文、あとは広く入手可 ということで、必要がある場合については消 能な文献を用いたシステマティック・レビュ 費者庁や厚生労働省が注意喚起や販売禁止等 ー を 実 施 し て い た だ く 。 Totality of を措置するということも明記させていただい Evidence という観点から評価をするという たところでございます。 ところでございます。 2つ目として、レビューの結果、査読付き の論文が一本もない場合、または表示しよう とする機能について査読付き論文がこれを支 持しない場合は、機能表示はできないという ふうに書かせていただいております。 さらに、サプリメント形状の加工食品につ いては、臨床試験において肯定的である結果 が得られていることを要件としております。 それ以外に、その他の加工食品と生鮮食品に おいては、臨床試験または観察研究で肯定的 であるということも書かせていただいている ところでございます。 49ページ、次は機能性表示を行うに当た って必要な科学的根拠の考え方でございます。 ですので、科学的根拠についてはこの2つ のどちらかという形にしております。 1つ目として、最終製品を用いた臨床試験と いう形にしております。もう1つは、最終製 品又は機能性関与成分に関する研究レビュー のどちらかを実施していただくという形でご ざいます。 (1)番目の最終製品を用いた臨床試験です が、こちらは特定保健用食品と同様の方法を とっておりますけれども、トクホより明確に させていただいたところがございます。こち らは研究計画において、UMINという臨床 試験登録システムがあるんですけれども、こ ちらに事前登録をしていただきたいと。 18 届出を受理した場合については、販売前に消 続きまして、誤認のない食品の機能性表示 費者庁のほうで原則公開をするということが の在り方ということでございます。 報告書に書かれております。 こちらは3つありまして、(1)が適切な機 能性表示の範囲です。対象の食品は、基本的 には食品全般ですけれども、一部除外をさせ ていただきました。これはトクホと同じです けれども、アルコール含有の飲料であったり、 ナトリウムや糖分を過剰に摂取させる食品な どは除くという形にしております。 対象の成分は、作用機序が考察されている とか、定量可能な成分といった形をとってお ります。 ③番目として、対象者です。生活習慣病等 に罹患する前の人、または境界域の人という 形にしていまして、未成年とか疾病に罹患し (2)番目として、新制度の規定・適切な運 ている人、妊産婦等については訴求しないよ 用ということで、こちらは食品表示基準に基 うにということを明確にしているところでご 準を設けるということでございます。 ざいます。 (3)番目としては名称でございます。最終 ④番目として、可能な機能性表示の範囲と 的には「機能性表示食品」に落ち着きました いうことで、部位も含めた健康維持・増進に けれども、検討会ではこういったことが報告 関する表現はできるという形で書かせていた として記載されております。 だいているところです。 (4)番目として消費者教育等ということで (2)として、容器包装への表示でございま す。消費者庁が関係機関と連携しまして、制 す。こちらも5つほどございまして、必ず義 度の理解増進に向けた取り組みを継続的に実 務的表示事項という形で書いていただくもの 施するということが書かれたところでござい を列挙しております。 ます。 (3)として、容器包装への表示以外の情報 こちらの報告書をもとに実際の基準に記述 開示ということで、パッケージにはどうして をさせていただいたところです。実際に規定 も限りがありますので、安全性に係る評価結 したものは52ページ以降にあります。 果や品質管理の取り組み状況、あとは機能性 53ページは、基準の概要ということで機 に係る科学的情報について情報開示をしてい 能性を抜粋したものでございます。 くというところでございます。 まず、根拠法等ということで、食品表示基 続いて51ページで、国の関与の在り方と 準のところに書いておりまして、その運用に いうところです。こちらも4つほどありまし 係る事項は通知とガイドラインをつくってお て、1つ目が販売前の届出制の導入というこ りまして、そちらで具体的に規定をさせてい とです。安全性とか有効性に関する製品の情 ただくというものでございます。 報について消費者庁に販売前に届出をする。 下に行きまして、名称とか、表示の対象者 19 つ挙げております。 は報告書のとおりです。名称は先ほど言った 1つ目は、疾病の治療効果とか予防効果を とおりで、対象者については先ほどの報告書 標榜する用語はだめと。 と同じです。対象食品も同じでございます。 5番目の事前の届出制は、消費者庁に発売 あとは、消費者庁長官に届け出た機能性関 日の60日前までに届け出るという形にして 与成分以外の成分を強調する用語。 おります。そのときに必要な表示事項として、 届出をされる企業の方の情報、安全性と機能 許可または承認を受けたものと誤認させる ような用語。 性の根拠に関する情報、生産・製造、品質に あとは、「別表第九の第一欄に掲げる栄養 関する情報、健康被害の情報収集体制という 成分」と書いてありますけれども、結局、栄 ような報告書にあったものを全て届出ていた 養成分として規定されているものとしては、 だくという形に整理したものでございます。 たんぱく質であったり、脂質、エネルギーで 54ページです。こちらは義務的表示事項 あったり、ビタミン、ミネラルというもので ということで、必ず表示をしていただく事項 すけれども、そういったものの機能を示す用 です。16項目ありまして、報告書にあるも 語は認められないという形ですので、その前 のと同様ですが、こういったものを表示して 駆体であったり、それに近いようなものであ いただくという形で整理いたしました。 れば表示はできるんですけれども、通常の栄 55ページに表示禁止事項ということで4 養成分は表示できないというふうに整理させ 20 ていただいたところです。 8番目は表示の方式ということで、機能性 表示食品であるということは、容器包装の主 要面に表示していただくこと。 2)番目として、関与成分及び当該成分ま たは当該成分を含有する食品が有する機能や 安全性について、国に評価を受けたものでは ないものは同一面に表示をするということも 規定したところでございます。 こちらが基準に盛り込ませていただいたも のでして、報告書と同様の形となっておりま す。 55ページの下は、通知に関する主な事項 ということで、基準に規定されている事項の 具体的な内容は通知に盛り込みますと。 さらに、2番の「ガイドラインに規定する 主な事項」として、安全性や有効性に関する 評価等ということで、(1)番、(2)番と いうものを書いております。 2)は、届出に関する事項ということで、 様式、添付資料を示しております。 3)の情報開示に当たっての考え方であっ たり、4)で健康被害の情報収集体制といっ たものもガイドラインにお示ししたところで ございます。 56ページ以降がガイドラインに書いてい るものですけれども、実際に企業の方が見て、 自社の商品が機能性表示食品の届出に合致す るものかどうかを判断するためにフロー図を つけていまして、最終的にこちらを全てクリ アすれば、59ページのところにありますよ うに、届出ができるという流れにしておりま 21 最たるものは、20年ほどで1,000品以 す。 すごく駆け足で、かなりかいつまんで早口 上に増えた特定保健用食品だと思うんですけ になってしまいましたけれども、ご説明は以 れども、そういうものが増えたことによって 上でございますが、機能性表示食品も届け出 国民の健康水準はどのように向上したか、改 ていただく内容もたくさんございますし、さ 善したかということに関する検証なり議論は、 まざまなお問い合わせもいただいているとこ そもそもこの検討が始まったときに行われた ろですので、本日もわからないところは聞い のか、行われなかったのか、その辺について ていただければと思います。 伺いたいと思います。 本日は、長時間でございましたけれども、 ○増田 そちらについては検証ができていない というのが現状でございます。先ほど44ペ ご清聴ありがとうございました。(拍手) ージのところでお示しをしておりますけれど ○迫座長 大変短い時間で60ページからの資料につ も、青いところはいろんなものが現状として いてご説明いただきました。詳細にきちっと あるというところでございます。表現を変え 説明していただくと多分3時間、4時間かか てさまざまなものを売っているという状況が るような内容を、ポイントだけに絞り込んだ ありまして、そのときに誤った認識で買われ 形でご説明いただいたと思います。 ることもございます。 それでは、フロアのほうからご質問等がご そういったところの是正も含めた形で「健 ざいましたらお受けしたいと思うのですが、 康意識への高まり」というところもあります ご質問をいただく場合にマイクを使っていた ので、そういったところに適切な表示をし、 だきたいということと、団体名、お名前を先 消費者の方が適切な表示を見て商品が選択で におっしゃっていただいてからご質問に入っ きるというところが議論のスタートでござい ていただければと思います。 まして、トクホによってどれぐらいの効果が 大変簡潔に説明 あったかというところまでは出ていないんで をいただき、ありがとうございました。公衆 すけれども、そういったところを視野に入れ 衛生学会から参りました女子栄養大学の武見 た形の検討結果になっています。すみません。 と申します。 お答えになっていないんですけれども、トク ○日本公衆衛生学会(武見) 最後のところにありましたけれども、食品 ホによって健康が増進したという結果をもと の機能性表示制度の前提的な議論を伺いたい にスタートしたところではないということに んですけれども、45ページ、46ページあ なってしまっております。 たり、もともとこれからスタートして検討結 ○日本公衆衛生学会(武見) そういう議論は 果のお話があったんですけれども、45ペー あったんですか。つまり、確かに難しい検証 ジに、国民が病気や介護を予防し、健康を維 だと思うんですけれども、そういうことにつ 持して長生きしたいというニーズがある。だ いては検証はできていないけれどという前提 から、機能性を表示していくことがそれに資 の議論はあったんですか。それはなかったん するだろうという前提でスタートしていると ですか。 思うんですね。 ○増田 すみません。私は議論があったのかな いのか記憶はしていないんですけれども、一 そういう意味でいうと、この機能性表示の 22 番最初は、日本再興戦略のところもございま ならないと考えておりました。結局、届出を したので、経済の活性化がどちらかというと すれば一応書けるという制度にしております 主眼に置かれていたのかなというところは認 けれども、届け出れば何でも書けるというわ 識として持っております。 けではないというところを明確にさせていた ○日本公衆衛生学会(武見) だいたところが1点でございます。 ありがとうござ 届け出られたものは科学的根拠があるかど いました。 ちょっと関連で私のほうから。規制 うかを全て情報開示すると今回は規定してお 改革実施計画とか再興戦略という中で機能性 ります。そのときにアメリカの制度を参考に 表示食品をつくるという方向性になっていっ という形でした。実はアメリカは、販売後3 た。そういう中で当初、いわゆる健康食品が 0日以内に届け出ればいい、情報開示もしな 全ての機能性について表示できるというふう くていいという制度でして、どうしても健康 な、ちまたでの認識が多数あったと思ってお 被害が生じているという話もありました。届 ります。実際に、機能性表示食品に関して6 け出られた科学的根拠もかなり脆弱なものだ 0日前に種々の届出をすること。そして、届 ったというところも調べておりますので、そ 出番号等が明確についてくること。規制改革 ういったことにならないように販売前に届け の方向の中で当初受け取られた印象と、現在 出るという形にしております。 ○迫座長 販売前に届け出をしていただく理由として での進め方はかなり乖離しているものではな は、結局、そのときに国民であれば誰でも見 いかと思うところでございます。 られる形にさせていただこうと思っています。 実際にこういう方向に進めてこられた。な おかつ、これから、トクホ(特定保健用食 そうしますと、まずは有識者の先生方も見る 品)、栄養機能食品、機能性表示食品、そし ことができますし、一般消費者の方や、いろ ていわゆる健康食品、4つのジャンルのもの んな企業間でもその根拠を見る形になります が動き出していくというところで、私どもは ので、変な根拠で出していれば、消費者庁の さまざまな組織、団体に入っていますので、 ほうに疑わしいのではないかという情報も上 信頼度の優先性みたいなところをもう一度お がってきますし、お互いの牽制もありまして、 伝えいただければ大変ありがたい。今までお そういった業界内での監視の目というか、全 話しいただいたところでは、いわゆる健康食 ていろんな方向からの監視ができるのではな 品については触れないで、そういうお言葉を いかということも踏まえました。 使わずに説明されたので、そこをはっきり言 ちゃんとしたものを届け出なければ健康食 っていただいたほうが、私どもとしては大変 品の今後はないと産業界でも思っているよう ありがたいと思っております。 でして、いわゆる健康食品を排除するという いわゆる健康食品というくくりで、4 意味合いでも、ちゃんとした製品をちゃんと 4ページの青いところも通常言われておりま 消費者の方に情報提供した上で販売していく した。今回の制度とのそういったところの違 という流れに持っていきたいということもご いですけれども、実は、いわゆる健康食品も ざいまして、今回、いろいろなエビデンスの なるべく規制がかかるというか、なくなるよ 要件とか、安全性に関する要件として一定程 うな方向で消費者庁としては検討しなければ 度のハードルを設定させていただいておりま ○増田 23 していただけますか。 す。 ○迫座長 ありがとうございました。 ○増田 これまで鶏卵のみが栄養機能食品の対 ほかに何かご質問ございますでしょうか。 象になっていた経緯としては、製品管理の関 頭の中にいろんな言葉が飛び交っているよう 係が一番大きかったかと思います。鶏卵であ な状況かなという感じもいたしますけれども、 れば、えさの配合によって卵に含まれるビタ ミンとかミネラルがかなりコントロールでき いかがでございましょうか。 るというエビデンスがあるという状況がござ そうしましたら、一つ二つ質問をさせてい いまして、そういった観点から鶏卵のみが表 ただきます。 示できるという形でございました。 まず栄養表示の義務化に関して、ナトリウ ム塩の問題でございます。資料の32ページ、 今回、機能性表示食品も規格がちゃんとで 33ページになるかと思いますけれども、例 きて製品管理ができる場合については、機能 えばこのミネラルウォ−ターですが、ナトリ 表示を認めるということでございましたので、 ウム塩を添加していない食品と。現在、ここ 栄養機能食品におきましても、栄養機能食品 の表示の中には「ナトリウム」という表示に の場合は上限値と下限値を決めていますが、 なっておりますけれども、ナトリウム塩を添 その間にちゃんと生鮮食品が製品管理できる 加していないということで、ナトリウム塩の という場合であれば、書いていただけるとい この数字の後ろに「(食塩相当量)」という うふうに緩和したところでございます。 表示でいくと、33ページの任意ルールの表 ○迫座長 現実問題として生鮮食品に栄養機能 示の仕方が使われるということで確認させて 性表示というのは、例えばビタミンCを含有 いただいてよろしいでしょうか。 しているものは結構生鮮食品には多いですよ 今のご質問ですけれども、原則として ね。今の製品管理ができるという具体的な話 は真ん中の①になります。もしミネラルウォ になったときに、その含有量が常に基準値の ーターのようなものを販売される事業様がナ 中にあるということとか、それ以外に生鮮食 ○増田 トリウムを表示したいという場合については、 品でいくつかの栄養機能が表示できる可能性 33ページの②番が出てくる可能性があると はあるかもしれませんが、加工食品と比べて、 いうところでございます。 生鮮食品の製品管理はかなり難しいのではな 両方のどちらかを選べるというふう いかという気がしてます。機能性表示食品と に考えていただくということでございます。 栄養機能食品の製品管理のレベルの違いが想 消費者の方々と接する方は、ぜひその辺も消 定されるのかされないのかというところはい 費者に対する説明の中に入れていただく必要 かがでしょうか。 ○迫座長 があるかなというところでございます。 ○増田 実際に製品があるのかというところだ 栄養機能食品についてですが、10ページ と思いますけれども、品種改良とか生育法、 の「栄養機能食品に係るルールの変更」とい 生鮮食品ですと畜産物とか水産物も入ってき う中で、まず対象食品の範囲で生鮮食品が入 ますけれども、そういった形の生産の研究を ってきている。機能性表示食品に関しても生 ずっとされておりますので、そういった中で 鮮食品が入ってきている。これは従前と全く 鶏卵のような形でかなりコントロールできる 違う考え方だと思うのですが、この辺を補足 ようなものが出てくればということなので、 24 それを妨げないということです。実際に生鮮 れているかどうかを確認させていただくとい の野菜とかで現状どこまでコントロールでき う形になります。 るのかは私もわからないところがありますけ 経過措置も基本的には5年間ととっており れども、製品管理ができるという前提の上で ますけれども、順次新しい基準に移行してく の話ですので、現状何か想定があるわけでは ださいというのがこちらの意向ですので、5 ないんですが、そういった管理ができるもの 年間を設けておりますけれども、どうしても については排除しないという形です。基準値 できないような食品があればそこをすくえる が外れれば取り締まりの対象になってしまう ようにということですので、基本的にはもっ というところでございます。 と前倒しをしてどんどんやっていっていただ ○迫座長 きたいという考え方でございます。 ありがとうございます。食品表示基 準の経過措置が5年間、施行が4月1日、そ ○日本食生活協会(上谷) 48ページの「安 して5年後までの間に経過措置としていく。 全性確保の在り方」というところで、「機能 その間にきちっとした表示ができるようにし 性関与成分を中心とする食品について、食経 ていく。栄養機能食品の基準値が改定されて、 験を評価」と書いてあるんですが、食経験と 2,200キロカロリー、ビタミンその他も いうのはどういう事を書いてあるのか。それ かなりのものが増えているんですけれども、 から、その後に「食経験の情報では安全性が これの施行で経過措置5年だったら食事摂取 十分とはいえない場合は、安全性試験」とい 基準がまた変わってしまうと思うんですけれ うのは、臨床試験ということで考えてよろし ども、今回の数値そのものはいつからそれに いんでしょうか。 準じなければいけないのか。経過措置はそこ それから、最後の(4)番、消費者庁及び厚 は別になるのかどうかというところはいかが 生労働省がご注意、販売禁止等を措置すると。 でございましょうか。 これは何法で措置するんですか。食品衛生法 経過措置の考え方ですけれども、原則 でしょうか。それとも、消費者庁であれば、 4月1日に施行がされますと旧基準は全部廃 今定められた食品表示の基準法とかという感 止という取り扱いになります。考え方は、廃 じになるのか。その辺の罰則義務があるのか。 止はされるんですけれども、旧法律で表示さ 届出制の機能性食品についての取り扱いを教 れるものについては旧法律でも構いませんと えていただきたい。 ○増田 いう考え方ですので、商品を見ていただいて、○増田 食経験の評価のところですけれども、 結局、特定の地域で食されているものが食経 どちらの基準なのか。 ですので、栄養表示を見ていただいたとき 験になるかと言われれば、例えがちょっと悪 に「ナトリウム」と書いてあれば、旧基準な いんですけれども、どこかの島で昔から食べ んだというふうに判断しまして、旧基準で表 られているもので、日本全国で食べられてい 示されていれば、旧基準が復活しております ないものであれば、それは食経験とは言えな ので、そちらで取り締まりの対象にはならな いでしょう。日本全国で昔から食べられてい い。しかし、栄養成分表示が「食塩相当量」 るようなものであれば、食経験として見られ と書いてあれば、新しい基準で表示されてい る。長年食べてこられて健康被害が出ていな るものですので、全て新しい基準で表示がさ いものであれば大丈夫でしょうと判断をさせ 25 ていただくという形でございます。それがで 締まりますし、食品衛生法として食品の安全 きない場合については、安全性の試験に関す 性で被害が出る場合については、消費期限内 る情報ということで、こちらは臨床試験のよ に異物混入とかほかの要因で健康被害が出れ うな形で摂取の状況を判断していただくとい ば、通常の食品と同じような形の取り締まり うところでございます。 もできます。今でもいろんな健康被害が出た 罰則については、基本的には届出事項に関 ときに、食品衛生法でとるのか、表示として しては食品表示法の罰則が全てかかりますの とるのかとさまざまございますので、どれで で、そちらのほうで取り締まりをしていきま とれるかということを判断させていただくと す。 いう形で、必ずしも食品表示法だけではない 健康被害の情報収集のところですけれども、 という状況かと思います。 いろんなチャンネルがあると考えております。○日本食生活協会(上谷) ありがとうござい ます。 機能性表示食品ですので、消費者庁に直接お 問い合わせいただく、情報提供いただくとい ○迫座長 ありがとうございました。最後は監 うこともあります。消費者の方が来ることも 視・指導というところの多分これから大きな あります。企業のほうに、その食品を摂取す 課題になってくる部分、そして、各省庁間で ることによって体調が悪くなりましたという の連携、情報交換等々も非常に重要になって ふうに販売元に情報が行くこともあると思い くる部分についてまで触れていただきました。 ます。その場合も、消費者庁のほうに一定の 食品表示法は、冒頭で先生がおっしゃいま 基準のもとに報告をいただくように決めて、 したように、JAS法と食品衛生法、そして ガイドラインで示しております。 健康増進法の表示の部分3法を一元化したも それ以外に、保健所に病院のほうからも食 のであるというところをご確認いただきまし 中毒の疑いが出ているけれどもという情報が て、本日の資料は大変膨大な資料でございま あれば、そちらのほうの情報として上がって すので、中身をまた十分に読み込んでいただ いる可能性がある。国民生活センターのよう きますようお願いします。法施行は4月1日 なところでも、健康食品の健康被害というこ ですけれども、それから数年の間、最大5年 とがあれば、消費者安全法というほかの法律 の間はさまざまな表示の食品が出回るという もありますので、そういったところで集まっ ことを留意して、それぞれを見ていくという てくる。そういった情報を全て把握した上で ことが求められるところでございます。 適切に措置をとっていくという形で、いろん ○J ミルク(木村) い。 なチャンネルから情報が集まるような形で今 申し訳ございません。一般社団法人Jミル 考えているところでございます。 ○日本食生活協会(上谷) 1つ質問をさせてくださ クの木村と申します。 結局、窓口は最終 大変間抜けな質問になっているのかもしれ 的には消費者庁で処理されるということで考 ませんけれども、56ページに、ガイドライ えてよろしいんですか。 機能性表示食品は、消費者庁として処 ン構成のところで、対象食品のことでポツの 置ができるのは結局表示のところですので、 2つ目に「機能性関与成分が明確であり、食 表示として取り締まりができるところは取り 事摂取基準が定められた栄養素でない」とい ○増田 26 うことで、この話は50ページの(1)の② ○J ミルク(木村) そちらで書けるから、こ っちはだめですよと。 の対象成分にも書いてあります。 当然食事摂取基準が定められている栄養素 ○増田 現状としてはそうですね。そこはさら がやはり国民生活に重要であるという認識を に整理しなければなりませんので、現行制度、 私は持っていたもので、ここが意外だなと思 このスタートの時点では、ビタミン、ミネラ っておりましたし、先ほど迫専務理事のほう ルについては表示ができないという整理をさ からビタミンCといった具体的な例も出たと せていただいたところでございます。 いうこともあって、ちょっと混乱をしている ○J ミルク(木村) というのが正直なところでございます。 ○迫座長 承知しました。 ありがとうございます。 この後に、「今後さらに慎重な検討が必 先ほど追加されたというお話のn-3系の 要」というのがさっぱりわからないのでござ 脂肪酸は、従前から言われている動脈硬化 いまして、これは既に食事摂取基準に載って 等々の有効性というところではなくて、皮膚 いるものはだめよと言っているわけですね。 等に対しての有効性という表示の仕方が栄養 そこのところのご解説をお願い申し上げます。 機能食品の中で許可されているものというこ 食事摂取基準に定められているものに とでございます。栄養機能食品に関しての具 ついては、一部栄養機能食品として、ビタミ 体的な表示の仕方等々についても今後ご確認 ン、ミネラルについてですけれども、機能性 をしていただければありがたいと思っており の表示はできるというところでございます。 ます。 ○増田 今回の機能性表示食品についてはそこは除き いずれにしましても、特定保健用食品、栄 ましょうという議論のもとでございます。で 養機能食品、そして機能性表示食品、さらに すので、n-3系脂肪酸が今回新たに栄養機 全ての食品について、一部免除はありますが 能食品として追加されていますけれども、そ 栄養表示が義務化されていくという方向でこ の構成要素でありますDHAとEPAについ れから数年の間に動いていくということでご ては、機能性表示食品として届け出られる可 ざいます。 能性はある。ビタミンの前駆体でありますβ 増田調査官には公務ご多忙の中で長時間に クリプトキサンチンのようなものとか、そう わたりお話をいただきまして、大変ありがと いった個別の成分として定量されているもの うございました。皆様、どうぞもう一度大き として機能性が証明されるものについては、 な拍手をお願いします。(拍手)ありがとう その表示がされることが考えられるというと ございました。 ころでございます。ですので、食事摂取基準 それでは、予定の時間がそろそろ迫ってお にあるものは基本的に現状としては表示がで りますので、本日の栄養・食生活分科会はこ きないという形になります。 れをもちまして終了とさせていただきたいと ○J ミルク(木村) 存じます。皆様のご協力、ありがとうござい そうすると、単純に基準 ました。 にあるものは栄養機能食品でとれるから、そ ちらにしなさいということですか。 ○増田 そちらにしなさいというわけではなく て、現状としてそちらでも書けますので……。 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57
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