通電加熱ホットスタンピングにおけるセラミックス工具を用いた

45 通電加熱ホットスタンピングにおける
セラミックス工具を用いた穴抜き部焼入れ防止
極限成形システム研究室 坂神 将斗
ホットスタンピング
引張強度
1.5GPa
炉加熱
ダイクエンチ 成形部材
後工程(トリム・穴あけ)
せん断加工
レーザー加工
ホットスタンピングによる
高強度部材
加工荷重:大
加工時間:大
金型・工具の
寿命低下・破損
コストの増加
研究目的
セラミックス工具を用いた局部昇温抑制による
穴抜き部焼入れ防止法と冷間穴抜き加工
セラミックス
工具
熱伝達
パンチ
鋼板
昇温抑制部
電極
焼入れ防止部
電流
(1)通電加熱
・穴抜き荷重の低減
(2)ホットスタンピング
(3)冷間穴抜き加工
研究目的
・切口面性状,遅れ破壊の調査
目 次
1.局部昇温抑制および焼入れ実験方法
2.局部昇温抑制および焼入れ実験結果
3.ハット曲げ部品における冷間穴抜き加工
局部昇温抑制および焼入れ実験方法
熱間プレス成形用鋼板 155mm×90mm 板厚 1.6mm
目標最高温度 約930℃
通電加熱された鋼板
通電加熱条件 電流7.5kA (3.3s)
セラミックス工具 Ø10 mm
(アルミナ 熱伝導率31.4W・m-1・℃-1)
930℃
水焼入れ
電極
鋼板
コイルスプリング
焼入れ防止部
局部昇温抑制および焼入れ実験方法
熱間プレス成形用鋼板 155mm×90mm 板厚 1.6mm
目標最高温度 約930℃
通電加熱条件 電流7.5kA (3.3s)
パラメータ:セラミックス工具接触圧力 p
接触圧力 p
コイルスプリング
局部昇温抑制および焼入れ実験方法
熱間プレス成形用鋼板 155mm×90mm 板厚 1.6mm
目標最高温度 約930℃
通電加熱条件 電流7.5kA (3.3s)
パラメータ:セラミックス工具の外形間距離 l
距離 l
局部昇温抑制および焼入れ実験方法
板押え 7MPa
通電加熱 930℃
接触圧力 p=0.9MPa
外形間距離 l=20mm
セラミックス工具
鋼板
電極
セラミックス工具
電極
局部昇温抑制および焼入れ実験方法
板押え 7MPa
通電加熱 930℃
接触圧力 p=0.9MPa
外形間距離 l=20mm
目 次
1.局部昇温抑制および焼入れ実験方法
2.局部昇温抑制および焼入れ実験結果
3.ハット曲げ部品における冷間穴抜き加工
鋼板温度と硬さに及ぼす接触圧力の影響
セラミックス工具
セラミックス工具
800
600 オーステナイト化温度
p /MPa
400
0 x
0.1
0.9
200 電流
1.8
0
-15 -10 -5 0
5 10 15
距離 x /mm
硬さ /HV0.3
温度 /℃
1000
700
600
500
400
p /MPa
300
0 x
0.1
200
素板硬さ
0.9
電流
100
1.8
0
-15 -10 -5 0
5 10 15
距離 x /mm
焼入れ防止部間の温度と硬さに及ぼすセラミックス
工具の外形間距離の影響
950
900
850
800
750
700
650
鋼板温度 /℃
硬さ /HV0.3
l = 5mm
l = 10mm
700
600HV
600
500
焼入れ不十分
400
300
0 x
0 x
200
100
0 -20 -10
0
10 20 -20 -10
0
距離 x /mm
10
20
目 次
1.局部昇温抑制および焼入れ実験方法
2.局部昇温抑制および焼入れ実験結果
3.ハット曲げ部品における冷間穴抜き加工
焼入れ防止の有無における最大穴抜き荷重
および穴抜き加工後の成形部品
/kN
40
穴抜き荷重
50
30
45kN
パンチ直径 10mm
クリアランス比 10%
25kN
20
10
ハット曲げ成形部品
0
なし
あり
焼入れ防止の有無における穴抜き加工後の
切口断面と切口面
だれ
せん断面
焼入れ防止なし
破断面
0.5mm
だれ
せん断面
焼入れ防止あり
破断面
0.5mm
焼入れ防止の有無における穴抜き加工部の
遅れ破壊時間
1450
き裂なし
遅れ破壊時間 /min
1400
~
~
~
~
150
100
50
き裂
なし
35%塩酸溶液浸漬実験
あり
まとめ
1.
セラミックス工具の接触圧力の増加に伴い,
焼入れ防止範囲が増加した.
2.
2箇所の穴抜き部におけるセラミックス工具
の外形間距離が10mm以上において,焼入れ
防止部間で完全に焼入れされた.
3.
穴抜き部焼入れ防止により,焼入れ防止な
しのホットスタンピング部材と比較して穴抜き
荷重が1/2に低減し,遅れ破壊を防止した.