平成27年度 NO.2(平成27年05月20日)

≪概要版≫
社会保障・福祉政策の動向と対応
~ともに生きる豊かな福祉社会をめざして~
政策動向
平成 27 年度
№2/2015.5.20
新着情報

自民党・財政再建に関する特別委員会:報告(中間整理)とりまとめ 2015.5.13
P1

医療制度改革法案・衆議院可決
2015.4.28
P3

財政制度等審議会財政制度分科会:社会保障について
2015.4.27
〃

「保健医療 2035」策定懇談会(第 5 回)
2015.4.22
P8

社会保障制度改革推進会議(第 4 回)
2015.4.10
〃

医療法改正法案・閣議決定
2015.4.3
P10

まち・ひと・しごと創生本部:今後の取組方針
2015.4.3
P11

平成 27 年度 地方分権改革に関する提案募集
2015.3.23
〃

第 5 次地方分権改革一括法案・閣議決定
2015.3.20
〃
【規制改革】

国家戦略特別区域法等改正法案・閣議決定:規制改革事項の追加等 2015.4.3
P13
【社会福祉法人等】

社会福祉法等改正法案・閣議決定
2015.4.3.
P14

社会保障審議会福祉部会(第 14 回):報告書とりまとめ
2015.2.12
P15

第 6 期計画期間・平成 37 年度等の介護保険料等・公表
2015.4.28
P19

社会保障審議会介護給付費分科会(第 121 回):今後の検討 2015.4.23
〃

社会保障審議会障害者部会(第 61 回):総合支援法の見直し等 2015.4.28
P21

障害者政策委員会(第 20 回)
〃

障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ(第 8 回) 2015.4.8
P22

改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」等
2015.3.25
〃

認定こども園の数について・公表
2015.5.8
P24

社会保障審議会児童部会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会(第 7 回)
2015.4.6
〃

子供の未来応援国民会議
2015.4.2
〃

平成 25 年地域児童福祉事業等調査の結果・公表
2015.3.31
P26

平成 25 年度認可外保育施設の現況取りまとめ・公表
2015.3.31
〃

社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会(第 17 回)
2015.3.27
P27

少子化社会対策大綱・閣議決定
2015.3.20
〃

保育所入所待機児童数(平成 26 年 10 月)
・公表

子ども・子育て会議(第 23 回)・同基準検討部会(第 27 回)合同会議 2015.3.19
P29

必要な保育士の確保が難しい状況にある場合の対応:事務連絡
〃

生活困窮者自立支援事業の実施状況

生活困窮者自立支援法の施行に向けて‐6 自治体の取組・公表 2015.3.30
〃
【経済・成長政策】

経済財政諮問会議(平成 27 年度第 5 回):経済再生と財政健全化 2015.5.12
P32
【予算】

平成 27 年度予算:参議院可決・成立
2015.4.9
P35
【人材】

介護雇用管理改善等計画の全部改正案・答申
2015.4.13
P42

社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会(第 5 回):とりまとめ 2015.2.25
〃

個人情報保護法等改正法案・閣議決定
P43
【社会保障・財政】
【地方分権】
【高齢者】
【障害者】
【子ども・家庭】
【生活困窮】
【その他】
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
2015.4.17
〃
〃
2015.4.1
2015.3.10
政策委員会
P28
P31
目
次
〔政策トレンド〕
〔分類・事項〕
1.社会保障・財政・税制
【社会保障】
2.地方分権改革
【地方分権】
3.規制改革・行財政・特区
【規制改革】
4.社会福祉法人等
【社会福祉法人等】
5.高齢者
【高齢者】
6.障害者
【障害者】
7.子ども・家庭福祉
【子ども・家庭】
8.生活困窮・生活保護
【生活困窮】
9.経済・成長政策
【経済政策】
10.災害対策
【災害】
11.予算
【予算】
12.人材確保
【人材】
13.その他
【その他】
政 策 ト レ ン ド
【社会保障・財政・税制】
◆財政制度等審議会財政制度分科会等:社会保障について
4 月 27 日:社会保障について、当面の社会保障制度改革の基本的な考え方と医療・介護に関する制
度改革・効率化の具体案等について協議した。財政健全化計画においては、プライマリーバランス対象
経費の4割強を占め、今後も増加が見込まれる社会保障の改革が鍵であるとし、社会保障関係費の伸
びを抑制していくことが、社会保障制度の持続可能性確保のために必要であるとの考え方を示している。
医療・介護に関する制度改革・効率化の具体案においては、公的保険給付範囲の見直しとサービス
単価の抑制による給付の抑制、負担能力に応じた公平な負担の必要性にも言及している。また、生活保
護、障害福祉、年金、子ども・子育てについても制度改革・効率化に向けた考え方等が示されている。
(P3)
また、5 月 13 日には、自民党 財政再建に関する特別委員会が中間整理をとりまとめた。歳出改革に
ついては来年度予算編成作業に十分に間に合うよう、6 月末を目途に、政府・与党として歳出改革の方
向性を取りまとめることを目指すとしている。(P1)
⇒財政審では、本年夏頃に示す財政健全化計画において、今後 5 年間、社会保障関係費の伸びを
抑制する考え方、改革・効率化等の柱とそれに沿ったメニューを盛り込み、その上で、年末に
具体的な改革・効率化等の工程表を策定することが予定されている。今後の議論の具体化の推
移を把握し、予算確保の対応をはかる必要がある。
◆社会保障制度改革推進会議(第 4 回)
4 月 10 日:社会保障制度改革のスケジュールと医療保険制度改革のほか、当面の検討課題につい
て議論した。当面の検討課題としては、今後の社会保障のあり方について、人口の高齢化への対応、経
済・財政との両立、地域に相応しいサービス提供体制の構築、きめ細やかな「セーフティネット機能」の発
揮等の観点から、検討の視点が示されている。(P8)
⇒消費税増収分の使途については、平成 30 年度までの間、消費税増収分を社会保障の充実と安定
化に向けることが説明されており、平成 28 年度以降の予算編成における社会保障 4 経費への配
分などを把握・検証する必要がある。また、社会保障制度改革国民会議報告書やこれまでの議
論などを踏まえ、制度横断的な観点から当面の検討課題が示されており、今後の議論の具体化
の推移を把握し、予算確保の対応をはかる必要がある。
【地方分権】
◆まち・ひと・しごと創生本部:今後の取組方針
4 月 3 日:今後の地方創生の取組方針等について協議した。今後、6 月を目処に「まち・ひと・しごと創
生基本方針 2015」を策定する予定である。このため、「創生基本方針検討チーム」が設置(「基本政策
検討チーム」が名称変更)され、議論が進められる。取組方針では、政策の更なる推進のための「新型交
付金」の検討をはじめ、個別施策のフォローアップ、地方支援の展開などが掲げられている。これらの事項
は、創生基本方針 2015 にも盛り込まれる予定である。(P11)
i
⇒厚生労働省は、
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に対するサポートプランを示した。その「医
療・介護、福祉サービスの基盤整備に関する取組方針」においては、
「人材確保やサービス提供
が困難な地域の増加に備え、利用者の利便性等にも勘案し、高齢者福祉、障害者福祉、児童福
祉といった福祉サービスの融合を図ることが必要。その更なる推進方策とともに、福祉サービ
スの担い手となる専門職種を統合・連携させる方策を検討するための検討チームを厚生労働省
に設置」するとしており、今後の議論の推移を把握・検証する必要がある。
【規制改革】
◆国家戦略特別区域法等改正法案・閣議決定
4 月 3 日:政府は、国家戦略特別区域諮問会議での議論を踏まえ、規制改革事項の追加等に関する
「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提
出した。本法案は、経済社会の構造改革を更に推進し、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済
活動拠点の形成を図り、並びに地域の活性化を図るため、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区
域法において、新たな規制の特例を設ける等の措置を講ずるものである。(P13)
⇒主な事項としては、都市公園内における保育所設置の解禁(都市公園法の特例)、地域限定保育
士の創設と地域限定保育士に係る試験実施の特例(児童福祉法等の特例)等が盛り込まれてお
り、今後の制度の具体化に向けた推移を把握・検証する必要がある。
【社会福祉法人等】
◆社会福祉法等改正法案・閣議決定
4 月 3 日:政府は、「社会福祉法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。本法
案は、社会保障審議会福祉部会報告書(平成 27 年 2 月 12 日)等を踏まえたものであり、福祉サービス
の供給体制の整備及び充実を図るため、①社会福祉法人制度について経営組織のガバナンスの強化、
事業運営の透明性の向上等の改革を進めるとともに、②介護人材の確保を推進するための措置、社会
福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しの措置を講ずるものである。(P14)
◆社会保障審議会福祉部会:報告書とりまとめ
2 月 12 日(第 14 回):「社会保障審議会福祉部会報告書~社会福祉法人改革について~」(案)に
ついて、前回に引き続き審議が行われ、部会長一任でとりまとめられた。若干の文言修正の後に同日づ
けで公表された。
報告書では、社会福祉法人制度の見直しについての「基本的な視点」として、(1)公益性・非営利性の
徹底、(2)国民に対する説明責任、(3)地域社会への貢献、を掲げている。
「経営組織の在り方の見直し」
○「社会福祉法人が備えるべき公益性・非営利性を徹底するためには、公益法人制度改革を参考に
しながら、公益財団法人と同等以上の公益性・非営利性を担保できるガバナンスが必要である。」と
して、評議員会の議決機関化、理事・監事等の権限・責務等の明確化、一定規模以上の法人への
会計監査人の設置義務化等を行うとした。
「運営の透明性の確保」
ii
○「社会福祉法人は高い公益性と非営利性を備えた法人であり、その運営状況について、国民に対す
る説明責任を十分に果たす必要がある。」として、財務諸表、現況報告書、役員報酬基準及び総額
等の公表を義務付けるとした。
「地域における公益的な取組の責務」
○日常生活・社会生活上の支援を必要とする者に対して無料又は低額の料金により福祉サービスを
提供することを社会福祉法人の責務として法律上位置付けるとした。
「内部留保の明確化と福祉サービスへの再投下」
○「法人の公益性等を考慮すれば、いわゆる内部留保の実態を明らかにし、国民に対する説明責任を
果たすことが求められる。」として、内部留保のうち事業継続に必要な財産を除く再投下できる財産
を明確化することや再投下できる財産がある場合には、計画的に福祉サービスに再投下する仕組み
を構築するとした。
【行政の役割と関与の在り方】
○指導監督の機能を強化するとし、指導権限規定等の整備、専門性を要する分野等においては外部
の機関等を積極的に活用するとした。
【社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し】
○給付水準については、職員の定着に資するよう長期加入に配慮、国家公務員退職手当制度に準拠
した支給乗率とするとし、合算の期間を「2 年以内」から「3 年以内」に見直すとした。
○公費助成の廃止等については、障害者総合支援法等に関する施設・事業所については、既加入者
の期待利益に配慮した経過措置を講じた上で、公費助成を廃止するとし、保育所については、公費
助成の在り方について更に検討を加え、平成 29 年度までに結論を得るとした。
(P15)
⇒第 189 回の通常国会に社会福祉法等の改正法案が提出され、今国会での成立を目指すとしてい
る。社会保障審議会福祉部会の報告書等を踏まえた社会福祉法人改革の内容と実施上の課題に
ついて、全社協関係組織からの課題提起とともに、内容を具体的に確認していく必要がある。
これに先がけ通知されている、社会福祉法人における「現況報告書・法人の経営状況(総括
表)」の公表(義務)を徹底して実施することが必要である。
【障害者】
◆社会保障審議会障害者部会(第 61 回):総合支援法の見直し等
4 月 28 日:障害者総合支援法の対象疾病の拡大と障害者総合支援法施行後 3 年を目途とした見直
し等について協議した。(P21)
⇒施行後 3 年を目途とした見直しについては、障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理の
ためのワーキンググループがとりまとめた「論点の整理(案)」等にもとづきながら議論を進め、
本年 11 月~12 月を目途にとりまとめを行う予定である。今後、制度改革の具体化に向けた議論
と課題を把握し、意見提出をはかる必要がある。
iii
◆改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」等
3 月 25 日:厚生労働省は、改正障害者雇用促進法に基づく「障害者に対する差別の禁止に関する規
定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(障害者差別禁止指針)と、「雇用の分野
における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有す
る能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」
(合理的配慮指針)を策定し、告示した。今後、平成 28 年4月の施行に向けて準備が進められる。(P22)
⇒障害者差別禁止指針では、すべての事業主を対象に、募集や採用に関して障害者であることを
理由とする差別を禁止することなどを定めている。また、合理的配慮指針では、すべての事業
主を対象に、募集や採用時には障害者が応募しやすいような配慮を、採用後は仕事をしやすい
ような配慮をすることなどが定められており、今後、社会福祉法人・福祉施設、社協等での対
応が必要となる。
【子ども・家庭】
◆子供の未来応援国民会議
4 月 2 日:政府は、子どもの貧困問題に国、自治体、企業、子育て支援団体等が連携し取り組む「子
供の未来応援国民運動」を推進するため総理大臣官邸で発起人集会を開催した。集会では、「子供の
未来応援国民運動」趣意書が採択された。(P24)
⇒政府は、子どもの貧困対策の充実施策を検討し、夏を目処にその方向性をとりまとめる。また、
年末を目処に財源確保を含めた政策パッケージを策定する予定であり、施策の具体化に向けた
議論等を把握する必要がある。
◆少子化社会対策大綱・閣議決定
3 月 20 日:政府は、総合的かつ長期的な少子化に対処するための指針として「少子化社会対策大
綱」を策定した。大綱は、少子化社会対策基本法に基づく総合的かつ長期的な少子化に対処するため
の施策の指針であり、平成 16 年、22 年に続き、今回は 3 回目の策定となる。(P27)
⇒大綱は、今後 5 年間を「集中取組期間」と位置づけ、重点課題を設定し、政策を効果的かつ集
中的に投入すること、また、長期展望に立って、子供への資源配分を大胆に拡充し、継続的か
つ総合的な対策を推進すること等を基本的な考え方としており、施策の具体化に向けた取組を
把握し、働きかけていく必要がある。
【生活困窮・生活保護】
◆生活困窮者自立支援法の施行に向けて-6自治体の取組・公表
3月30日:厚生労働省は、生活困窮者自立支援法の平成27年4月の施行に向けて、先進的に「生活
困窮者自立促進支援モデル事業」に取り組んだ6自治体(横浜市、豊中市、佐賀市、釧路市、名張市、
臼杵市)をヒアリング調査し、具体的な取組事例を公表した。(P31)
⇒平成 27 年 4 月施行となる生活困窮者自立支援事業においては、必須事業である自立相談支援事
業のほか、生活困窮の解決・緩和に資する任意事業等が総合的に展開されることが重要であり、
iv
とくに取組が 3 割弱とされる任意事業の実施を働きかけるなど、各自治体における事業実施状
況の把握・分析、予算確保と施策の拡充に向けた検討・提案が必要である。
【予算】
◆平成 27 年度予算等・成立
4 月 9 日:平成 27 年度予算が参議院で可決・成立した。
一般会計の総額は 96 兆 3,420 億円と過去最大となり、社会保障費は、31 兆 5,297 億円で平成 26
年度当初から 3.3%増となり 2 年連続の 30 兆円を超える予算となった。厚生労働省関係の社会保障関
係費は、29 兆 4,505 億円となり、平成 26 年度比で 3.2%増となっている。(P35)
○子ども・子育て支援に 0.51 兆円(5,189 億円)を確保:0.7 兆円範囲で実施予定の「質の改善」項目
を全て実施
○社会的養護関係施設の職員配置基準改善等
○平成 27 年度の障害福祉サービス等報酬の改定率は±0%
○平成 27 年度の介護報酬改定率は▲2.27%:処遇改善:+1.65%、介護サービスの充実:+
0.56%、その他:▲4.48%
○生活困窮者自立支援策に 500 億円
○生活福祉資金貸付事業の事務費は原資取り崩しを認める
⇒平成 27 年度予算案については、年度内に参議院で可決・成立しなかったため、政府は、暫定予
算を編成した。その後、4 月 9 日に参議院で可決・成立した。
【人材】
◆社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会(第 5 回):とりまとめ
2月25日: 社会保障審議会福祉部会において、同福祉人材確保専門委員会報告書「2025年に向
けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」がとりまとめられた。
報告書では、介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方として、①持続的な人材確保サイクルの
確立、②介護人材の構造転換(「まんじゅう型」から「富士山型」へ)、③地域の全ての関係主体が連携
し、介護人材を育む体制の整備、④中長期的視点に立った計画の策定、を示している。
2025年に向けて、①総合的な確保方策の策定、②福祉人材確保指針の見直し、③介護人材需給推
計の定期的な実施、が必要であるとしている。(P42)
⇒厚生労働省は、報告書に掲げられた事項を具体的な施策に反映するための関係法令の整備や予
算化等の取組を進めるとしており、
「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会:中間まと
め」(2 月 4 日)等を含めた人材の「総合的な確保策」に関する内容を把握し、働きかけていく
必要がある。
v
【その他】
◆個人情報保護法等改正法案:閣議決定
3月10日:政府は、「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するた
めの番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。
マイナンバー制度の導入等にともない、個人情報の保護を図りつつ、パーソナルデータの利活用を促
進することにより、新産業・新サービスの創出と国民の安全・安心の向上の実現及びマイナンバーの利用
事務拡充のために所要の改正を行うものである。(P43)
⇒社会福祉法人・福祉施設、社協等における個人情報の取扱に関わる事項を把握し、法改正を踏
まえた個人情報保護等に向けた取組が必要である。
vi
1.社会保障・財政・税制
≪直近の動向≫
 2015.5.13
自民党・財政再建に関する特命委員会:報告(中間整理)とりまとめ
▶ 自由民主党政務調査会「財政再建に関する特命委員会」(委員長=稲田朋美
政調会長)の議論の中間整理がとりまとめ・公表された。これをもとに、今後、各
論の議論や 6 月をめどに最終とりまとめに向けた議論が行われる。
≪概要≫
1.財政再建の必要性と理念
○財政赤字は次世代による資源配分の自由を制約するものであり、世代間の公平性
と財政の持続可能性を確保する観点や、大規模災害等への対応力を維持する観
点から、持続可能な財政への抜本的な構造改革は避けられない。むしろ、次世代
に持続可能な社会保障制度や地方財政制度への構造改革を断行しなければ、わ
が国が持続的に成長することができないことを直視すべきである。
○団塊の世代が後期高齢者となる 2020 年代初めまでに社会保障制度の持続可能
性を高めなければならない。財政赤字の拡大は、高齢化に伴う社会保障費用の増
加によるところが大きく、社会保障の見直しが不可欠となるが、それは金額ありきで
財政再建のために社会保障費を削減するということではない。次世代への責任の
視点から、具体的な制度改革について国民の理解を得ていく必要がある。さらに、
改革は次世代のみならず今の高齢世代や現役世代のためでもある。
○経済再生との両立も次世代への責任の観点から重要である。デフレ脱却も経済の
安定成長を通じて次世代のためになるのであって、果断に取り組むべき財政再建
が次世代のための経済再生を腰折れさせてはならないことは当然である。
2.これまでの議論のポイント
(1)経済再生と財政再建の両立
○経済再生は税収増をもたらし財政再建にも貢献している。同時に、成長戦略による
経済の好循環の実現や、わが国の持続的発展のためには、財政に対する市場の
信認と社会保障制度の安定が不可欠である。
○経済再生と財政再建の好循環を実現するためにも、問題を先送りすることなく、現
世代の責任として、わが国の財政状況を直視し、国民の理解を得ながら改革を進
めていく必要がある。
(2)財政健全化目標
○政府・与党は、財政健全化目標として国・地方をあわせた基礎的財政収支(PB=
プライマリー・バランス)を 2020 年度までに黒字化し、その後の債務残高対 GDP 比
- 1-
の安定的な引下げを目指すことを掲げてきた。
○PB 黒字化目標を堅持して財政再建を進める必要がある。団塊の世代が 2020 年
代初めに後期高齢者になることを踏まえれば、2020 年度という目標年次を先送り
する余地はない。なお、PB 黒字化は、わが国財政健全化の改革における一里塚・
通過点にすぎず、長期的には財政赤字そのものの縮減を目指して、債務残高対
GDP 比の安定的な引下げを図る必要がある。
(3)当面の前提となる中長期試算の検証
(略)
(4)3つの改革
○財政再建には、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革を進めていく必要があ
る。
○歳入面の取組として、まずは経済成長を着実なものとし、2017 年 4 月の消費税引
上げに向けた環境を整えていく。それを前提として、歳出改革を中心とした議論が
重要と考える。
(5)歳出改革の基本的考え方
○国の一般会計 PB 対象経費の推移を見ると、第一次安倍政権の 2007 年度と
2015 年度を比較すれば PB 対象経費が 10.3 兆円増加しているが、社会保障関
係費の増加は 10.4 兆円であり、一般会計の増加要因が社会保障関係費であるこ
とは明らかである。
○世代間の公平性と財政の持続可能性を確保する観点から、社会保障の効率化は
避けて通れない。具体的には、行革本部検討委員会による検証が示したとおり、社
会保障の高齢化分を上回る増加を当面の効率化対象部分とすべきである。効率
化の観点からは、給付については真に支援を必要とする人を対象とし、負担につい
ては年齢によらず負担能力に応じたものとなるよう制度を見直す必要がある。ま
た、保険者や需要側である患者や利用者の行動に変化の誘因をもたらす制度改
革等を通じて、ICT も活用しつつ、自ずと社会保障の効率化を促していくという視点
も重要である。
○①社会保障、②社会保障以外の歳出、そして③地方財政という 3 つの分野の歳出
の制度改革の具体的な姿を明示し、その実現を通じて、PB 黒字化は不可能では
ないと考える。安倍内閣におけるこれまでの歳出改革の取組を継続・強化していく
ことで達成できるものであり、政治の覚悟をもって改革に取り組む。
○歳出改革に向けては、着実な歳出の見直しが図れるよう歳出額そのものに着目し
た目標を設定することも必要であろう。ただし、毎年度、個別の歳出項目毎に歳出
- 2-
抑制額を割り当てるといった機械的な目標であってはならない。また、経済情勢の
変化があっても柔軟性をもった対応を行える仕組みとする必要もあり、当面は集中
的に歳出改革を行うとしても、2020 年度に向けた中間段階で評価を行い、経済成
長や税収の動向等を踏まえ、改めてその後の歳入・歳出を通じた財政面での対応
を検討するという枠組みが適切と考える。
3.今後の検討に向けて
○本特命委員会は、上記の改革の必要性と理念を念頭に、これまでの議論を踏まえ
つつ、今後、最終とりまとめに向けて、歳出改革の具体策等を議論していく。歳出改
革については来年度予算編成作業に十分に間に合うよう、6 月末を目途に、政府・
与党として歳出改革の方向性を取りまとめることを目指す。
○特に団塊の世代が後期高齢者になることで加速度的に増加が見込まれる社会保
障給付費については、受益と負担の均衡が図られた制度設計となるよう、自助自
立を基本とし、共助そして公助を適切に組み合わせることにより、効率化・重点化の
ための改革を徹底して実行すべきであり、そのための具体策を示していく必要があ
る。
 2015.4.28
医療制度改革法案・衆議院可決
▶ 政府が 3 月 3 日に閣議決定し、国会に提出した「持続可能な医療保険制度を構
築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」が衆議院で可決、
参議院に送付された。本法案は、社会保障制度改革推進法に基づく措置とし
て、国民健康保険をはじめとする医療保険制度の財政基盤の安定化、負担の
公平化、医療費適正化の推進、患者申出療養の創設等の措置を講ずるもので
ある。
 2015.4.27
財政制度等審議会財政制度分科会:社会保障について
▶ 社会保障について、当面の社会保障制度改革の基本的な考え方と医療・介護
に関する制度改革・効率化の具体案等について協議した。
≪概要≫
【当面の社会保障制度改革の基本的考え方】
○財政健全化計画においては、プライマリーバランス対象経費の 4 割強を占め、今後
も増加が見込まれる社会保障の改革が鍵。また、社会保障改革は、財政健全化
のためでだけでなく、国民皆保険制度を次世代に引き渡すため、団塊の世代が後
期高齢者になりはじめる直前の 2020(H32)年度までに受益と負担の均衡がとれ
た持続可能な制度を構築することを目的として進める必要。
○社会保障関係費の伸びは、高齢化(人口構造の変化)のほか、その他の要因(医
療の高度化等)があるが、「その他の要因に伴う伸び」については、社会保障以外
- 3-
の経費と同様、制度改革や効率化等に取り組むことにより、その伸びを抑制してい
くことが、社会保障制度の持続可能性確保のために必要。
○過去 3 年間においては、経済雇用情勢の改善等と制度改革の効果により、社会保
障関係費の伸びは(自然増 1 兆円といわれたが)1.5 兆円の伸びとなっている。引
き続き、2020(H32)年に向けて、国民皆保険を維持するための制度改革に取組
み、経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果、医療の効率化などの取組
みの効果と相まって、今後 5 年間の社会保障関係費の伸びを、少なくとも高齢化
による伸び(+2 兆円強~2.5 兆円)相当の範囲内としていくことが必要。
※2020(H32)年までの間、財政健全化計画の中間見直しの段階で、それまで
の改革の効果や、その時点での社会保障給付費の動向等を検証。
○夏の財政健全化計画においては、上記のような社会保障関係費の伸びに関する
大きな考え方、改革・効率化等の柱とそれに沿ったメニューを盛り込み、その上
で、年末に具体的な改革・効率化等の工程表を策定することとする必要。
【医療・介護等に関する制度改革・効率化の具体案】
(1)公的保険給付範囲の見直し
○国民皆保険を維持し、限られた医療介護資源で疾病等に伴う大きなリスクに有効
に対応する観点から、同一効果を有する後発医薬品がある先発医薬品や、個人
が日常生活で通常負担するようなサービス等について、給付のあり方を見直し、公
的保険給付の範囲を重点化することが必要。
:次期介護保険制度改革における軽度者に対する生活援助サービス・その他給付
(例:通所介護)、福祉用具貸与・住宅改修に係る給付のあり方の見直し
→軽度者に対する生活援助は、日常生活で通常負担する費用であり、原則自
己負担(一部補助)の仕組みに切り替える必要。また、2015(H27)年度から
地域支援事業へ移行した予防給付(訪問介護・通所介護)についても同様の
観点からの見直しを行う必要。これらにより、事業者間の価格競争の促進と、
サービスの効率化、産業の発展が図られる効果も期待できる。
(2)サービス単価の抑制
○診療報酬本体・介護報酬についても、高齢化等によって医療機関・介護事業者の
収入総額(=医療費・介護費)が増えていく中、保険料等の国民負担の上昇を抑
制する観点からマイナスとする必要。
○公的保険給付の範囲の抜本的見直しができず、幅広く公的保険でカバーしていく
場合は、皆保険制度を持続するためには公的な保険給付の総量の伸びを抑制せ
ざるを得ず、2016(H28)~2018(H30)年度において、サービス単価(診療報酬本
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体・薬価、介護報酬)をさらに大幅に抑制することが必要。
(3)負担能力に応じた公平な負担
○世代間・世代内での負担の公平を図るため、年齢や就業先に関わらず、負担能力
に応じた公平な負担を求めることが必要。
:次期介護保険制度改革における負担能力に応じた利用者負担の見直し
・ 利用者負担限度額(高額介護サービス費)の見直し
・ 2 割負担となる対象者の拡大(住民税課税者等)
○マイナンバーも活用しつつ、預貯金等の金融資産も勘案して負担能力を判断する
仕組みに移行する必要。
【生活保護】
<基本的考え方>
○足下の被保護者数は、雇用環境が大幅に改善しているにもかかわらず依然として
高止まっており、最低限度の生活保障や自立助長といった制度趣旨を踏まえた見
直しが必要。制度全般について予断なく検討し、次期生活扶助基準の検証(2017
(H29)年度)までに必要な見直しを行うべき。
<就労を通じた保護脱却の促進>
○就労可能な受給者が多い「その他の世帯」の保護廃止が進んでいない状況を踏ま
え、被保護者の就労を通じた保護脱却を一層進めるため、例えば、保護受給の更
新期の設定や、正当な理由なく就労しない場合の保護費の削減などの仕組みの
導入について、検討を行うべき。
<医療扶助の適正化>
○生活保護費全体の約5割を占める医療扶助の適正化を一層進める観点から、頻
回受診の是正の強化に加え、一般の保険医療制度において、特許切れ医薬品に
ついて保険給付額を後発医薬品の価格に基づいて設定する制度や、外来受診時
定額負担が導入される場合には、その見直しの趣旨を踏まえて、例えば、後発医
薬品に基づく医療扶助基準の設定や、医療費の一部自己負担の導入等の医療
扶助制度の見直しについて検討を行うべき。
<世帯類型ごとの保護のあり方>
○次期生活扶助基準の検証にあたっては、被保護世帯と世帯構成が類似する一般
低所得世帯との均衡を踏まえつつ、最低限度の生活保障としての扶助基準の在り
方について予断なく検討し、整理することが重要。
○具体的には、一般低所得世帯の消費実態について、世帯構成や年齢、居住地域
等に応じてきめ細かく分析・検証し、例えば、
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・ 最低賃金水準との関係を踏まえた就労可能世帯の保護水準、
・ 年金受給者との均衡を踏まえた高齢者世帯の保護の在り方、
・ 教育費等や他制度による給付等を踏まえた有子世帯の保護の在り方
等について、検討を行うべき。
【障害福祉の制度改革】
○今後もサービス需要の伸びが見込まれる中で、真に支援を必要とする障害者に対
し必要な支援を確実に行き届かせるとともに、サービス提供を効率的なものとする
ことにより、制度を持続可能なものとすることが重要。
○2016(H28)年においては、障害福祉サービスの在り方等について、障害者総合支
援法の施行後 3 年を目途とした見直しを行うこととされている。この見直しに当たっ
ては、
①自立や就労を支援するための効率的なサービス提供の在り方
②必要な支援の度合いに応じたサービス提供の在り方
③制度を支える財源・利用者負担の在り方
等について、例えば以降に掲げる観点から幅広く検討を行い、必要な見直しを図る
べきではないか。
<執行の適正化>
・ 制度創設以降 9 年が経過し、これまで主にサービス量の拡充が図られてきたが、
今後はサービスの質の向上も重要。例えば、都道府県等による事業所等に対す
る実地指導について、実施率が低いことから、全事業所等に対する実地指導を
徹底するべきではないか。
・ 新たな判定式が導入された障害支援区分の判定結果を見ると、従来と比べ、全
体としてより上位の(重度の)区分にシフトしており、総費用額の増大につながって
いると考えられる。また、2 次判定における上位区分への変更においても依然とし
て大きな地域差が生じている。このため、新たな判定式の検証を行うとともに、不
合理な地域差の改善を図るべきではないか。
<制度上の見直し>
・ 本来の趣旨に則ったサービス利用という観点から、例えば、「短期入所(ショート
ステイ)」について、1ヶ月間利用している者が事業所ベースで一定数見られるこ
とから、その要因分析やその結果に基づく制度改正等が必要ではないか。また、
「生活介護」について、サービス利用者の「常時介護の必要性」の検証やその結
果に基づく制度改正等が必要ではないか。
・ 今後も、介護者の高齢化等により、障害福祉サービス等の需要は伸びると考えら
れるため、真に支援を必要とする障害者に対し必要な支援を行き届かせる観点
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から、以下を検討すべきではないか。
①居宅介護のうち「家事援助」(掃除や調理・配膳等)について、介護保険におけ
る「訪問介護」に係る議論等も踏まえつつ、必要性に応じた給付の在り方の見
直し(軽度の障害者の「家事援助」の利用割合は8割超)
②障害者の地域生活を推進するため、インフォーマルサービス(制度等に基づか
ない形でNPO等により提供されるサービス)の利用等を進めつつ、一部のサー
ビスについて地域の実情に応じ効率的にサービスを提供する枠組み(地域生
活支援事業)の活用
③支援を必要とする度合に応じてサービスが提供される仕組みへの見直し(就
労支援のサービスやグループホームなど、障害支援区分の認定が必要ない
か、支援区分が「非該当」であっても利用が可能なサービスの見直しや、障害
支援区分等に応じた利用限度額の導入等)
④通所サービス利用者に対する食費負担軽減措置の見直し(自立支援法施行
時に経過的に導入。通所サービスを利用しない障害者(施設入所者を除く)
や、介護・医療の通所・通院では食費補助はない)を含む利用者負担の在り
方の見直し
【年金に関する中期的課題】
<支給開始年齢の引上げ>
○平均寿命の伸びにより年金の平均受給期間が長期化していること、また、今後労
働人口が減少していく中、高齢者の就労促進が課題となっていることを踏まえれ
ば、先進諸国の例と同様、働ける高齢者の就労を促進するとともに、年金給付水
準を確保し、制度の持続可能性を一層強化するため、支給開始年齢の更なる引
上げが必要ではないか。
※2004(H16)年改正による現在の制度の下では、支給開始年齢を変えても、長
期的な年金給付総額は不変であることに留意。
<短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大>
○短時間労働者の将来の所得保障の充実を図るとともに、働き方の選択に中立的で
ない現在の仕組みを見直し、多様な働き方の実現、特に女性の活躍促進に資す
るよう、企業規模要件や賃金要件の緩和などの見直しによって、短時間労働者に
対する被用者保険の適用範囲の更なる拡大を行うべきではないか。
【子育て支援策の拡充と財源確保策】
○子育て支援は現在及び将来の労働力確保にも資する施策であり、社会全体でそ
の費用を賄う観点から更なる充実が必要な保育の現物給付(例えば保育所運営
費)に一定の事業主負担を導入すべきではないか。
○事業主負担の拡大に当たっては、現行の事業主拠出金の枠組みを活用すること
が考えられる。
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 2015.4.22
「保健医療 2035」策定懇談会(第 5 回)
▶ 20 年後の 2035 年を見据えた保健医療政策のビジョンのとりまとめを目的として、
厚生労働省に懇談会が設置された(2 月 24 日・第 1 回開催)。
▶ 平成 27 年 6 月中旬のとりまとめに向けて、この間、2035 年を見据えて保健医療
政策において優先して取り組むべき課題等についての構成員からのプレゼンテー
ション等にもとづく議論が進めらている。なお、懇談会は非公開とされている。
 2015.4.10
社会保障制度改革推進会議(第 4 回)
▶ 社会保障制度改革のスケジュールと医療保険制度改革のほか、当面の検討課
題について議論した。
≪主な内容≫
◎消費税増収分の使途について
・ 社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を⽬指す観点から、税制抜
本改⾰法に沿って消費税率 10%まで引き上げられた場合に消費税率1%分相
当を社会保障の充実に向けるという社会保障・税⼀体改⾰の議論の前提とされ
てきた最終的な姿と、増収分をまず基礎年⾦国庫負担割合2分の1への引上げ
に充て、残余を社会保障の充実と安定化に向けるという考え⽅に則った場合、
平成 30 年(2018 年)度における「社会保障の充実及び消費税率引上げに伴う
社会保障4経費の増」と「後代への負担のつけ回しの軽減」の⽐率は概ね1:2と
なる。
・ 平成 30 年度までの間も同様の考え⽅に則り、消費税増収分を社会保障の充実
と安定化に向ける。
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◎当面の検討課題(案)
(社会保障制度改革国民会議報告書やこれまでの議論などを踏まえ、制度横断
的な観点から整理したもの)
1.人口の「高齢化」に対応する社会保障
(検討の視点)
・ 社会保障における高齢者の概念の再整理(cf.「年齢別」⇒「負担能力別」)
・ 年齢にかかわりなく、働くことができる経済社会システムづくり
・ 地域の「互助」や支援ネットワークなど、高齢者が安心して生活できる環境整備
(cf.地域づくり・まちづくり)
・ 複数の疾患を抱える高齢者が身近な医師を受診することを促す体制の構築
・ 高齢期の就労と年金受給の在り方 等
2.「経済・財政」と両立する社会保障
(検討の視点)
・ 給付と負担のあり方(給付と負担のバランス、給付の効率化・適正化、負担の公
平化、費用対効果等)
・ 経済・財政の展望と社会保障の持続性確保
・ 医療・介護従事者の確保、医療・介護の質の評価や技術革新
・ 国・地方・企業等それぞれの役割と機能のあり方 等
3.「地域に相応しいサービス提供体制の構築」や「地域づくり・まちづくり」に資する社
会保障
(検討の視点)
・ 病床機能の分化・連携や地域包括ケアシステムと地域づくり・まちづくり
・ 福祉・子育て支援を含めた支え合いの仕組みとハード面、ソフト面におけるまちづ
くり等
4.「女性や高齢者の活躍」や「様々な働き方」と調和する社会保障
(検討の視点)
・ 被用者保険の適用拡大等、様々な働き方と調和した制度の構築
・ 働き方を問わず子育てができる環境の整備
・ 少子化対策に係る財源確保と取組強化
・ 人生の各ステージで女性が活躍できる社会づくり・環境整備 等
5.きめ細やかな「セーフティネット機能」を発揮する社会保障
(検討の視点)
・ 低所得者をより適切に把握する仕組み (cf.年金課税の取扱い)
・ 資産を含め負担能力に応じて負担する仕組み (cf.番号制度の活用) 等
6.その他「制度横断的」な課題
(検討の視点)
・ 医療と介護の連携(提供者間のネットワーク化、給付と負担の整合)
・ 介護保険と障害者支援、医療保険と生活保護、年金と生活保護等、隣接した
制度間の見直し
・ 社会保障教育 等
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 2015.4.3
医療法改正法案・閣議決定
▶ 政府は、「医療法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。本
法案は、医療機関相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するため、「地
域医療連携推進法人」の認定制度の創設等を内容とするものである。
*自民党 財政再建に関する特別委員会報告(中間整理)
https://www.jimin.jp/news/policy/127698.html
*医療法改正法案、医療制度改革法案(厚生労働省 HP)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/189.html
*財政制度等審議会財政制度分科会
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/index.html
*「保健医療 2035」策定懇談会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakaihosyou.html?tid=248884
*社会保障制度改革推進会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyou_kaikaku/dai4/siryou.html
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2.地方分権改革
≪直近の動向≫
 2015.4.3
まち・ひと・しごと創生本部:今後の取組方針
▶ 今後の地方創生の取組方針等について協議した。今後、6 月を目処に「まち・ひ
と・しごと創生基本方針 2015」を策定する予定である。このため、「創生基本方
針検討チーム」が設置(「基本政策検討チーム」が名称変更)され、議論が進め
られる。
▶ 取組方針では、政策の更なる推進のため平成 28 年度以降(~5 年間)の「新型
交付金」の検討をはじめ、個別施策のフォローアップ、地方支援の展開などが掲
げられている。これらの事項は、創生基本方針 2015 にも盛り込まれる予定であ
り、市町村の総合戦略(平成 27 年度)のもとに、地方の自主的な取組を財政面
で後押しする。
▶ 厚生労働省は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に対するサポートプランを示し
た。その「医療・介護、福祉サービスの基盤整備に関する取組方針」においては、
「人材確保やサービス提供が困難な地域の増加に備え、利用者の利便性等にも
勘案し、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉といった福祉サービスの融合を図
ることが必要。その更なる推進方策とともに、福祉サービスの担い手となる専門
職種を統合・連携させる方策を検討するための検討チームを厚生労働省に設
置」するとしている。
▶ なお、4 月 14 日には、まち・ひと・しごと創生会議が開催され、今後の取組方針に
ついて議論された。
 2015.3.23
平成 27 年度 地方分権改革に関する提案募集
▶ 「地方分権改革に関する提案募集の実施方針」(平成 26 年 4 月 30 日、地方分
権改革推進本部決定)に基づき、平成 27 年度の地方分権改革に関する全国
的な制度改正に係る提案募集が開始された(平成 27 年 6 月 10 日まで)。
▶ 提案募集は、平成 26 年度から委員会勧告に替わる新たな手法として導入さ
れ、地方公共団体への事務・権限の移譲及び地方に対する規制緩和に係る提
案を募るものである。
 2015.3.20
第 5 次地方分権改革一括法案・閣議決定
▶ 政府は、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関
係法律の整備に関する法律案」(第 5 次地方分権一括法案)を閣議決定し、国
会に提出した。
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▶ 義務付け・枠付けの見直し等の関連法として、認定こども園法における「保育所
型認定こども園に係る認定の有効期間の廃止」が盛り込まれている。具体的に
は、「子ども・子育て支援新制度では、将来の保育需要を見越した受け皿整備の
環境が整うこと等から、保育所型認定こども園に係る認定の有効期間の規定を
廃止することにより、有効期間経過後の事業の見通しに対する経営主体の不安
を解消し、認定こども園の活用を通じた保育体制の充実を促進する」としている。
*まち・ひと・しごと創生本部
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/
*地方分権改革(内閣府 HP)
http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/teianbosyu/teianbosyu-index.html
*第 5 次地方分権改革一括法案(内閣府 HP)
http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kakugiketteitou/kakugiketteitou-index.html
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3.規制改革・行財政・特区
≪直近の動向≫
 2015.4.3
国家戦略特別区域法等改正法案・閣議決定:規制改革事項の追加等
▶ 政府は、国家戦略特別区域諮問会議での議論を踏まえ、規制改革事項の追加
等に関する「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する
法律案」を閣議決定し、国会に提出した。
▶ 本法案は、経済社会の構造改革を更に推進し、産業の国際競争力の強化及び
国際的な経済活動拠点の形成を図り、並びに地域の活性化を図るため、国家戦
略特別区域法及び構造改革特別区域法において、新たな規制の特例を設ける
等の措置を講ずるものである。
≪主な事項≫
○都市公園内における保育所設置の解禁(都市公園法の特例)
保育等の福祉サービスの需要の増加に対応するため、保育所等の社会福祉施
設について、一定の基準を満たす場合には、都市公園の管理者は占用を許可。
○地域限定保育士の創設(「改定日本再興戦略 2014」に記載の規制改革事項)
保育士不足解消等に向け、都道府県が保育士試験を年間2回行うことを促すた
め、2回目の保育士試験の合格者に、3年間は当該区域内のみで保育士として通
用する資格を付与。
○地域限定保育士に係る試験実施の特例(児童福祉法等の特例) 等
地域限定保育士試験を政令指定都市市長が実施することを可能とする。
そのほか、設備投資減税等に関する課税の特例に係る規定を追加(課税の特
例)。
*国家戦略特別区域法等改正法案
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kokkasenryaku_tokku2013.html
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4.社会福祉法人等
≪直近の動向≫
 2015.4.3.
社会福祉法等改正法案・閣議決定
▶ 政府は、「社会福祉法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出
した。
▶ 本法案は、社会保障審議会福祉部会報告書(平成 27 年 2 月 12 日)等を踏ま
えたものであり、福祉サービスの供給体制の整備及び充実を図るため、①社会
福祉法人制度について経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向
上等の改革を進めるとともに、②介護人材の確保を推進するための措置、社会
福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しの措置を講ずるものである。
≪概要≫
1.社会福祉法人制度の改革
(1)経営組織のガバナンスの強化
○議決機関としての評議員会を必置(小規模法人について評議員定数の経過措
置)、一定規模以上の法人への会計監査人の導入等
(2)事業運営の透明性の向上
○財務諸表・現況報告書・役員報酬基準等の公表に係る規定の整備等
(3)財務規律の強化(適正かつ公正な支出管理・いわゆる内部留保の明確化・社会
福祉事業等への計画的な再投資)
○役員報酬基準の作成と公表、役員等関係者への特別の利益供与の禁止等
○「社会福祉充実残額(再投下財産額)」(純資産の額から事業の継続に必要な
財産額(※)を控除等した額)の明確化
※①事業に活用する土地、建物等②建物の建替、修繕に要する資金③必要な
運転資金④基本金及び国庫補助等特別積立金
○「社会福祉充実残額」を保有する法人に対して、社会福祉事業又は公益事業の
新規実施・拡充に係る計画の作成を義務付け等
(4)地域における公益的な取組を実施する責務
○社会福祉事業及び公益事業を行うに当たって、無料又は低額な料金で福祉サ
ービスを提供することを責務として規定
(5)行政の関与の在り方
○所轄庁による指導監督の機能強化、国・都道府県・市の連携等
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2.福祉人材の確保の促進
(1)介護人材確保に向けた取組の拡大
○福祉人材の確保等に関する基本的な指針の対象者の範囲を拡大(社会福祉事
業と密接に関連する介護サービス従事者を追加)
(2)福祉人材センターの機能強化
○離職した介護福祉士の届出制度の創設、就業の促進、ハローワークとの連携強
化等
(3)介護福祉士の国家資格取得方法の見直しによる資質の向上等
○平成 34 年度から養成施設卒業者に対し、国家試験を義務づけ(平成 29 年度
から受験資格を付与し、5 年間をかけて漸進的に導入) 等
(4)社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し
○退職手当金の支給乗率を長期加入者に配慮したものに見直し
○被共済職員が退職し、再び被共済職員となった場合に共済加入期間の合算が
認められる期間を2年以内から3年以内に延長
○障害者支援施設等に係る公費助成を介護保険施設等と同様の取扱いに見直し
【施行期日】
平成 29 年4月1日
(1 の(2)と(3)の一部、(4)、(5)の一部、2 の(1)、(4)は平成 28 年4月1日、2の
(3)は公布の日)
 2015.2.12
社会保障審議会福祉部会(第 14 回):報告書とりまとめ
▶ 「社会保障審議会福祉部会報告書~社会福祉法人改革について~」(案)につ
いて、前回に引き続き審議が行われ、部会長一任でとりまとめられた。若干の文
言修正の後に同日づけで公表された。
▶ これまでの部会の審議を整理し、社会福祉法人制度の見直し等について、制度
的対応が必要な事項を中心にとりまとめられている。
≪報告書の概要≫
【社会福祉法人制度の見直しについて:基本的な視点】
(1)公益性・非営利性の徹底
(2)国民に対する説明責任
(3)地域社会への貢献
【経営組織の在り方の見直し】
〇社会福祉法人が備えるべき公益性・非営利性を徹底するためには、公益法人制
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度改革を参考にしながら、公益財団法人と同等以上の公益性・非営利性を担保で
きるガバナンスが必要である。
◆理事・理事長・理事会の位置付け・権限・義務・責任の明確化
◆評議員・評議員会の位置付け・権限・義務・責任の明確化
※必置の評議員会を議決機関として法律上位置付け、理事・理事長に対する
牽制機能を働かせるため、評議員会に理事、監事、会計監査人の報酬や選
任・解任等の重要事項に係る議決権を付与
※現行の評議員会が担っている諮問機関としての機能の一部を代替する仕組
みとして、「運営協議会」を開催し、意見を聴く場として位置付けることにより、
地域や利用者の意見を法人運営に反映させる
◆監事の権限・義務・責任の明確化
◆会計監査人の設置義務
※一定規模以上の法人に対して、会計監査人による監査を法律上義務付け
【運営の透明性の確保】
〇社会福祉法人は高い公益性と非営利性を備えた法人であり、その運営状況につい
て、国民に対する説明責任を十分に果たす必要がある。
◆定款、事業計画、役員報酬基準を新たに閲覧対象とするとともに、閲覧請求者
を国民一般に拡大する
◆定款、貸借対照表、収支計算書、役員報酬基準を公表対象とすることを法令
上位置付ける
【適正かつ公正な支出管理】
〇社会福祉法人は、その高い公益性と非営利性にふさわしい財務規律を確立する
必要がある。
◆適正な役員報酬を担保するための役員報酬基準の策定と公表
◆関係者への特別の利益供与の禁止と関係当事者との取引内容の公表
◆会計監査人を含む外部監査の活用
【地域における公益的な取組の責務】
〇社会福祉法人には、営利企業等では実施することが難しく、市場で安定的・継続
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的に供給されることが望めないサービスを供給すること、すなわち、既存の制度の
対象とならないサービスを無料又は低額な料金により供給する事業の実施が求め
られる。
◆社会福祉法人において日常生活・社会生活上の支援を必要とする者に対して
無料又は低額の料金により福祉サービスを提供することを社会福祉法人の責務
として法律上位置付けることが必要である。
【内部留保の明確化と福祉サービスへの再投下】
〇法人の公益性等を考慮すれば、いわゆる内部留保の実態を明らかにし、国民に対
する説明責任を果たすことが求められる。
〇いわゆる内部留保の実態を明らかにし、現在の事業継続に必要な財産以外に活
用できる財産を保有している場合には、社会福祉法人の趣旨・目的に従い、これを
計画的に福祉サービス(社会福祉事業又は公益事業により供給されるサービス)に
再投下し、地域に還元することが求められる。
◆内部留保の明確化
※社会福祉法人が保有する、全ての財産(貸借対照表上の純資産から基本金
及び国庫補助等積立金を除いたもの) を対象に、当該財産額から事業継続
に必要な最低限の財産の額(控除対象財産額)を控除した財産額(負債との
重複分については調整)を導き、これを福祉サービスに再投下可能な財産額
として位置付ける
※控除対象財産額は、① 社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等
(土地、建物、設備等)、②現在の事業の再生産に必要な財産(建替、大規模
修繕に必要な自己資金)、③必要な運転資金(事業未収金、緊急の支払いや
当面の出入金のタイムラグへの対応)を基本に算定することが考えられる。
◆福祉サービスへの計画的な再投下
※「再投下財産額」がある社会福祉法人に対し、社会福祉事業又は公益事業の
新規実施・拡充に係る計画(「再投下計画」という。)の作成を義務付ける
※再投下財産がある法人においては、①社会福祉事業等投資額(利用者負担
の軽減措置や小規模事業への投資額を含む。)、②「地域公益事業」投資
額、③その他の公益事業投資額の順に検討の上、再投下計画を作成する
◆地域協議会の開催
※「地域協議会」が社会福祉法人による地域福祉活動の推進の基盤となること
が期待される
※各地域における福祉に関する協議会の設置状況、活動状況を踏まえた柔軟
な運用を認める
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【行政の役割と関与の在り方】
◆指導監督の機能強化
※指導権限規定等の整備、専門性を要する分野等においては外部の機関等を
積極的に活用する
【社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し】
◆給付水準の見直し
※職員の定着に資するよう長期加入に配慮、国家公務員退職手当制度に準拠
した支給乗率とする
◆合算の期間を「2年以内」から「3年以内」に見直し
◆公費助成の廃止等
※障害者総合支援法等に関する施設・事業所については、既加入者の期待利
益に配慮した経過措置を講じた上で、公費助成を廃止
※保育所については、公費助成の在り方について更に検討を加え、平成29年度
までに結論を得る
*社会福祉法等改正法案(厚生労働省HP)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/189.html
*社会保障審議会福祉部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html
*経営情報の公開、
「
「社会福祉法人の認可について」の一部改正について」
(平成 26
年 5 月 29 日・厚生労働省通知)への対応
全国社会福祉法人経営者協議会HP
http://www.keieikyo.gr.jp/
・
「社会福祉法人の認可について」の一部改正への対応
http://www.keieikyo.gr.jp/kaisei.html
- 18 -
5.高齢者
≪直近の動向≫
 2015.4.28
第6期計画期間・平成37年度等の介護保険料等・公表
▶ 厚生労働省は、第6期計画期間(平成27年度~29年度)及び平成37年度等
の介護保険の第1号保険料と、第6期介護保険事業計画のサービス見込み量
等についてとりまとめ公表した。
▶ 全国の介護保険料額(月額・加重平均)は「5,514円(第5期は4,972円)」とな
り、平成37年度には、「8,165円」になる見込みであることが示された。
≪概要≫
介護保険の第1号保険料
第5期
4,972円
第6期
→
5,514円
(+10.9%)
→
平成32年度
(見込み)
6,771円
(+36.2%)
→
平成37年度
(見込み)
8,165円
(+64.2%)
※ 第1期は2,911円、第2期は3,293円、第3期は4,090円、第4期は4,160円。
 2015.4.23
社会保障審議会介護給付費分科会(第121回):今後の検討
▶ 今後の分科会おける検討の進め方とスケジュール等について協議した。
≪概要≫
【今後の介護給付費分科会における検討について】
○平成27年度介護報酬改定を踏まえ、次期改定に向けた検討について、以下の
通り進めることでどうか。
(1)次期介護報酬改定が診療報酬改定との同時改定の予定であることも見据え、
次期改定に向けて、平成27 年度介護報酬改定に関する審議報告(平成27年1
月9日)(以下「審議報告」という。)に記載された事項も含めた課題への対応につ
いては、平成27 年度介護報酬改定検証・研究委員会における効果検証・調査
研究等を活用し、その結果も踏まえ、介護給付費分科会において検討する。
(2)(1)に加え、特に以下の項目については、審議報告等の指摘も踏まえ、平成27
年度以降に随時必要な検討等を行う。
①地域区分の在り方
②処遇改善加算の取得状況等
③介護事業経営実態調査の在り方
- 19 -
(3)平成29年度に予定される消費税10%引き上げに向けた対応については、消費
税8%引き上げ時の考え方及びその後の事業所等の実態等を踏まえ、必要な対
応を検討し、平成28年12月までに方針を策定。
※なお、その際には、医療保険における議論の動向も踏まえて検討する必要が
ある。
*第 6 期計画期間・平成 37 年度等における介護保険の第1号保険料等
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083954.html
*社会保障審議会介護給付費分科会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698
- 20 -
6.障害者
≪直近の動向≫
 2015.4.28
社会保障審議会障害者部会(第 61 回):総合支援法の見直し等
▶ 障害者総合支援法の対象疾病の拡大と障害者総合支援法施行後 3 年を目途
とした見直し等について協議した。
▶ 施行後 3 年を目途とした見直しについては、障害福祉サービスの在り方等に関す
る論点整理のためのワーキンググループがとりまとめた「論点の整理(案)」等にも
とづきながら議論を進め、本年 11 月~12 月を目途にとりまとめを行う予定であ
る。
≪概要≫
【障害者総合支援法対象疾病(難病等)の見直しについて】
○平成 25 年 4 月より、難病等が障害者総合支援法の対象となり、「難病患者等居宅
生活支援事業」の対象疾病と同じ範囲(130 疾病)としていた。
○難病の患者に対する医療等に関する法律および児童福祉法の一部改正法(平成
27 年 1 月 1 日施行)が成立したことに伴う指定難病及び小児慢性特定疾病の対
象疾病の検討を踏まえ、障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲を検討す
るため、「障害者総合支援法対象疾病検討会」を設置(H26.8.27)して、障害者総
合支援法の対象疾病の検討を行い、第1次として、平成 27 年 1 月より、130 疾病
から 151 疾病に拡大。
○平成 27 年 3 月に、同検討会において第 2 次拡大分の疾病の検討を行い、151
疾病から 332 疾病に拡大する方針が取りまとめられた。
【障害者総合支援法の施行後 3 年を目途とした見直しに係る今後の障害者部会の
スケジュール(案)】
○4 月 28 日(本日) 3 年後見直しに係るフリートーキング
○5 月末~6 月中旬 関係団体ヒアリング(4 回程度)
○7 月~11 月 個別論点について議論(月 2 回程度)
○11 月~12 月 目途とりまとめ(予定)
 2015.4.17
障害者政策委員会(第 20 回)
▶ 障害者政策委員会における第 3 次障害者基本計画の実施状況の監視について
- 21 -
協議した。今後、障害者権利条約に基づく政府報告の提出等に向けて、第 3 次
障害者基本計画の実施状況について点検・議論し、本年 9 月を目途にとりまとめ
を行う予定である。
≪概要≫
【基本的な考え方】
(1)障害者権利条約に基づく政府報告の提出等をにらみ、第 3 次障害者基本計画
の実施状況の監視を行う。監視は、分野別施策の基本的方向等に沿って行い、
「議論の整理」としてとりまとめる。なお、平成 27 年度は、第 3 次基本計画の実施
期間の中間年に当たるため、その時点において収集可能なデータに基づいて監視
を行うものであり、第 3 次基本計画の最終的な監視ではない。
(2)権利条約に基づく政府報告の作成にあたっては、第 3 次基本計画の実施状況の
監視を通じて、当委員会から意見を聴取し、反映する。
(3)監視を行うに当たっては、
①重複障害、発達障害、新たに法律で位置づけられた「難病」という分野にも十分
留意し、また、女性・子ども・高齢化といった横断的な視点にも立って行う。
②可能な限り、地域における障害者をとりまく状況の差異という視点も踏まえて行
う。
(4)特に、議論を深めるべきテーマについては、別途、ワーキング・セッションを開催し
て議論し、その成果を「議論の整理(たたき台)」としてとりまとめ、委員会での議論
の基礎とする。
 2015.4.8
障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ
(第 8 回)
▶ 障害者総合支援法の見直し等について、とりまとめに向けて論点整理に関する
議論を行った。今回は、常時介護を要する障害者、高齢の障害者等に対する支
援について検討した。また、資料4 障害福祉サービスの在り方等についての論
点の整理(案)が示され、とりまとめの項目だてについて説明された。
 2015.3.25
改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」等
▶ 厚生労働省は、改正障害者雇用促進法に基づく「障害者に対する差別の禁止
に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(障害
者差別禁止指針)と、「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な
機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮
の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指
針」(合理的配慮指針)を策定し、告示した。今後、平成 28 年4月の施行に向け
て準備が進められる。
- 22 -
▶ 障害者差別禁止指針では、すべての事業主を対象に、募集や採用に関して障
害者であることを理由とする差別を禁止することなどを定めている。また、合理的
配慮指針では、すべての事業主を対象に、募集や採用時には障害者が応募し
やすいような配慮を、採用後は仕事をしやすいような配慮をすることなどが定めら
れている。
≪概要≫
【障害者差別禁止指針】
○すべての事業主が対象
○障害者であることを理由とする差別を禁止
○事業主や同じ職場で働く人が、障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深め
ることが重要
○募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などの項目で障害者に対する差
別を禁止
例:募集・採用
・ 障害者であることを理由として、障害者を募集また は採用の対象から排除す
ること。
・ 募集または採用に当たって、障害者に対してのみ不利な条件を付すこと。
・ 採用の基準を満たす人の中から障害者でない人を優先して採用すること。
【合理的配慮指針】
○すべての事業主が対象
○合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供さ
れるべき性質のもの
例:募集・採用時、採用後 ※合理的配慮指針の別表より
・ 募集内容について、音声など で提供すること。(視覚障害)
・ 面接を筆談などにより行うこと。(聴覚・言語障害)
・ 机の高さを調節することなど作業を可能にする工夫を行うこと。(肢体不自由)
・ 本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと。(知的障害)
・ 出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること。(精神障害ほか)
*社会保障審議会障害者部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730
*障害者政策委員会
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/index.html#iinkai
*障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000068219.html
*改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000078980.html
- 23 -
7.子ども・家庭福祉
≪直近の動向≫
 2015.5.8
認定こども園の数について・公表
▶ 内閣府 子ども・子育て本部は、平成 27 年 4 月 1 日現在の「認定こども園」の数
を公表した。認定こども園は、全国で「2,836 件」となり、前年度の 1,360 件から
1,476 件増加し、およそ倍増する結果が示されている。
※認定こども園へ移行した施設の内訳は、幼稚園 639 か所、保育所 1,047 か所、認可外
施設 38 か所、認定こども園として新規開園したものが 16 か所となっている。複数の施設
が 1 つの施設に移行した場合等があるため、移行数と増加数は一致しない。
※また、認定こども園から認定こども園以外の施設へ移行したものが 128 か所、廃園した
認定こども園が 2 か所ある。
 2015.4.6
社会保障審議会児童部会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会
(第 7 回)
▶ 専門委員会では、児童虐待相談の対応件数の増加や多数の重篤な児童虐待
事例があることに鑑み、効果的な児童虐待防止対策について検討している。今
回は、自立に向けた支援のあり方に関する現状・課題について議論した。
▶ 課題・検討の方向性として、①児童の安全確保を最優先にした一時保護の実施
について、②親子関係再構築支援のための取組、③措置児童の確実な自立に
つなげていくため、施設、里親等に養育されている間に必要な取組について、③
施設退所児童等の円滑な自立のための居場所づくりの取組と工夫、が示され委
員からの意見・提案等にもとづきながら検討が進められた。
 2015.4.2
子供の未来応援国民会議
▶ 政府は、子どもの貧困問題に国、自治体、企業、子育て支援団体等が連携し取
り組む「子供の未来応援国民運動」を推進するため総理大臣官邸で発起人集会
を開催した。集会では、「子供の未来応援国民運動」趣意書が採択された。
▶ 安倍首相は、子供の貧困は頑張れば報われるというまっとうな社会の根幹に関
わる問題であるとし、厚生労働大臣を始めとする関係閣僚に対し、充実施策の検
討を指示し、夏を目途にその方向性を取りまとめ、年末を目途に財源確保を含め
- 24 -
た政策パッケージを策定することを述べた。
≪「子供の未来応援国民運動」趣意書・概要≫
~輝く日本の未来に向けて 子供たちに夢を!笑顔を!~
Ⅰ 国民運動の趣旨・目的
明日の日本を支えていくのは今を生きる子供たちです。その子供たちが自分の可
能性を信じて前向きに挑戦することにより、未来を切り拓いていけるようにすることが
必要です。
いわゆる貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあっては
なりません。子供たちと我が国の未来をより一層輝かしいものとするため、今こそ国
民の力を結集して全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現
を目指してまいりましょう。
そのために、このたび、関係各位のご賛同の下に「子供の未来応援国民運動」を
立ち上げ、推進していくことといたしました。
国民の皆様には、本国民運動の趣旨等にご理解をいただき、ご支援・ご協力を
賜りますようお願いいたします。
Ⅱ 国民運動事業の例
①国民への広報・啓発活動、地域における交流・連携事業の展開
・ シンボルマーク等を作成して協賛募集
・ 地域の実情を踏まえた関係者の顔の見える交流・連携の推進
②支援活動と支援ニーズのマッチング事業
・ 企業・団体が行っている支援活動と地域における様々な支援ニーズとをマッチング
③優れた応援事例の収集・情報提供・顕彰
・ 政府表彰事業の実施(総理大臣表彰等)
④支援情報の一元的な集約・情報提供
・ 各種支援情報の総合的なポータルサイトの整備
⑤民間資金を核とする基金創設の検討
・ 地域に根差した学習支援、生活支援等を行う支援団体への助成
・ スポーツ・芸術等の分野で意欲・能力のある子供の夢を応援するための支援
Ⅲ 国民運動事業の展開に向けた広報・募金活動
子供たちは無限の可能性を秘めた存在です。「子供の未来応援国民運動」は、
全ての子供たちが「できないことへの諦め」を「できることへの喜び」に変えられるよ
う、国、地方公共団体、民間の企業・団体等による応援ネットワークを構築し、民間
資金を核とする基金の活用等を通じて、各種支援事業を展開します。
これにより、『全ての子供たちにチャンスがあふれる日本』を、力を合わせて創っ
てまいりましょう。
Ⅳ 国民運動推進事務局の設置等
- 25 -
本国民運動の推進主体となる事務局について、平成 27 年年央の設置を目指し
て検討・準備を進めてまいります。
そのための準備組織を 3 府省(内閣府、文部科学省、厚生労働省)及び日本財
団を中心として立ち上げ、各種事業の内容の具体化や関係各方面との調整を進め
ます。
 2015.3.31
平成 25 年 地域児童福祉事業等調査の結果・公表
▶ 厚生労働省は、平成 25 年「地域児童福祉事業等調査」の結果を取りまとめ、公
表した。今回公表されたのは、「認可外保育施設利用世帯」に対し平成 25 年 10
月1日に実施した調査の結果である。
≪概要≫
○認可外保育施設を利用している世帯における父母の就業状況(上位3つ)
その他の認可外保育施設は、ベビーホテルと比べ「父 常勤」「母 無職」が多い
・ ベビーホテル:父:1 位 常勤 82.0% 2 位 自営業・家業 14.3% 3 位 非
常勤 1.3% 3 位 無職 1.3%/ 母:1 位 常勤 53.9%
2 位 非常勤
19.5% 3 位 無職 13.4%
・ その他の認可外保育施設:父:1 位 常勤 85.2%
2 位 自営業・家業
11.8%
3 位 非 常 勤 1.5% / 母 : 1 位 常 勤 53.7%
2 位 無職
20.4% 3 位 非常勤 16.5%
○認可保育所への入所の検討状況
・ ベビーホテル
認可保育所への入所を検討しなかった 34.4%
認可保育所への入所を検討したが、認可保育所に入所しなかった 65.6%
うち、認可保育所に入りたかったが、空きがなかった 40.7% 1 位
うち、認可保育所の保育時間が希望に合わなかった 25.9% 2 位
うち、認可保育所に入りたかったが、預けたい時期に入れなかった 18.6% 3位
・ その他の認可外保育施設
認可保育所への入所を検討しなかった 34.4%
認可保育所への入所を検討したが、認可保育所に入所しなかった 65.6%
うち、認可保育所に入りたかったが、空きがなかった 40.2% 1 位
うち、認可保育所の保育時間が希望に合わなかった 17.2% 3 位
うち、認可保育所に入りたかったが、預けたい時期に入れなかった 17.5% 2 位
(1~3 位:「認可保育所への入所を検討したが、認可保育所に入所しなかった」理由
上位 3 つ)
 2015.3.31
平成 25 年度 認可外保育施設の現況取りまとめ・公表
▶ 厚生労働省は、平成 25 年度「認可外保育施設」の現況をとりまとめた。
≪概要≫
- 26 -
○認可外保育施設の総数 7,939 か所(前年度比 105 か所の増)
(内訳)ベビーホテル 1,767 か所(同 51 か所の減)
その他の認可外保育施設 6,172 か所(同 156 か所の増)
○入所児童の総数 203,197 人(同 2,476 人の増)
(内訳)ベビーホテル 32,984 人(同 1,527 人の減)
その他の認可外保育施設 170,213 人(同 4,003 人の増)
 2015.3.27
社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会(第 17 回)
▶ 「社会的養護の課題と将来像」実現のための主な取組等とともに、平成 25 年度
の被措置児童等虐待への都道府県市の対応状況等を報告した。
≪被措置児童等虐待への都道府県の対応状況・概要≫
○平成 25 年度の被措置児童等虐待の届出・通告受理件数は 288 件で、うち虐待の
事実が認められたのは 87 件(前年度 71 件)。
このうち、児童養護施設が最も多い 49 件(前年度 51 件)(56.3%)、次いで里
親・ファミリーホーム 13 件(同 7 件)(14.9%)などとなっている。
○都道府県市別では、通告件数は東京都(41 件)、大阪府(38 件)、静岡県(29 件)
が上位となり、虐待事例件数では東京都(18 件)、長崎県(6 件)、千葉県(5 件)と
なっている。
 2015.3.20
少子化社会対策大綱・閣議決定
▶ 政府は、総合的かつ長期的な少子化に対処するための指針として「少子化社会
対策大綱」を策定した。大綱は、少子化社会対策基本法に基づく総合的かつ長
期的な少子化に対処するための施策の指針であり、平成 16 年、22 年に続き、
今回は 3 回目の策定となる。
▶ 大綱は、今後 5 年間を「集中取組期間」と位置づけ、重点課題を設定し、政策を
効果的かつ集中的に投入すること、また、長期展望に立って、子供への資源配
分を大胆に拡充し、継続的かつ総合的な対策を推進すること等を基本的な考え
方としている。
≪概要≫
基本的な考え方
(1)結婚や子育てしやすい環境となるよう、社会全体を見直し、これまで以上に対策
を充実
(2)個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくることを基本的な目
標 ※個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりするこ
- 27 -
とがあってはならないことに留意
(3)「結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない取組」と「地域・企業
など社会全体の取組」を両輪として、きめ細かく対応
(4)今後 5 年間を「集中取組期間」と位置づけ、重点課題を設定し、政策を効果的か
つ集中的に投入
(5)長期展望に立って、子供への資源配分を大胆に拡充し、継続的かつ総合的な対
策を推進
重点課題
1.子育て支援施策を一層充実
○「子ども・子育て支援新制度」の円滑な実施
○待機児童の解消
○「小1の壁」の打破
2.若い年齢での結婚・出産の希望の実現
○経済的基盤の安定
○結婚に対する取組支援
3.多子世帯へ一層の配慮
○子育て・保育・教育・住居などの負担軽減
○自治体、企業、公共交通機関などによる多子世帯への配慮・優遇措置の促進
4.男女の働き方改革
○男女の意識・行動改革
○「ワークライフバランス」・「女性の活躍」
5.地域の実情に即した取組強化
○地域の「強み」を活かした取組
○「地方創生」と連携した取組
 2015.3.20
保育所入所待機児童数(平成 26 年 10 月)・公表
▶ 厚生労働省は、平成 26 年 10 月 1 日の待機児童の状況を取りまとめ、公表した。
≪概要≫
○保育所入所待機児童数は、43,184 人で、平成 25 年 10 月と比較し 934 人減少
した。
※平成 25 年は 44,118 人で、前年同月と比較し 2,009 人減少した。
- 28 -
平成 24 年は 46,127 人で、前年同月と比較し 493 人減少した。
○平成 26 年 4 月の待機児童数 21,371 人から、21,813 人増加した。
※10 月 1 日の待機児童数は、自治体ごとに保育所入所手続き等が異なるため、
参考値として集計している。
全国的な待機児童数の動向は、毎年 4 月 1 日現在で把握している。
 2015.3.19
子ども・子育て会議(第 23 回)・同基準検討部会(第 27 回)合同会議:公定価格
▶ 子ども・子育て支援新制度の施行に向けた国の取組状況等と子ども・子育て支
援事業計画の進捗状況の点検及び評価等について協議した。
≪子ども・子育て支援事業計画の達成状況の点検及び評価について・概要≫
○基本方針においては、市町村及び都道府県は、各年度において、子ども・子育て
支援事業計画に基づく施策の実施状況(教育・保育施設や地域型保育事業の認
可等の状況を含む。)や、これに係る費用の使途実績等について点検、評価し、こ
の結果を公表するとともに、これに基づいて対策を実施すると定めされている。
点検及び評価の内容(例)
・ 事業ごとの「確保方策」の進捗状況。計画と実績に乖離がある場合は、その理由
の分析と今後の対応方策の検討
・ 計画の「量の見込み」と実際のニーズの乖離。乖離がある場合は、その理由の分
析と今後の対応方策の検討
・ 質の向上の進捗状況(指標例:質の向上項目の実施状況)
・ 計画を実施するために必要な財源の確保状況等
・ 計画全体の成果(アウトカム)(指標例:子育て支援全般についての住民満足度)
 2015.3.19
必要な保育士の確保が難しい状況にある場合の対応:事務連絡
▶ 厚生労働省は、事務連絡「保育所等において必要な保育士の確保が難しい状
況にある場合の対応について」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課)を
発出した。
▶ 事務連絡は、保育士の確保について、「保育士確保プラン」(平成 27 年 1 月)及
び、「待機児童解消加速化プラン」等を踏まえ、平成 27 年 4 月における保育所
等(認定こども園や地方単独保育施策におけるいわゆる保育室を含む。)の円滑
な利用に万全を期すため、保育所等において必要な保育士の確保が難しい状
況にあるかどうかを確認し、当該状況に応じて適切に対応をはかるよう各自治体
に依頼するものである。
≪概要≫
1 保育所等において必要な保育士の確保が難しい状況にあるかどうかの確認
- 29 -
2 必要な保育士の確保が難しい状況にある場合の対応
○保育士・保育所支援センター又はハローワークへの相談
○短時間勤務の保育士の活用
3 保育士の確保が特に難しい地域の保育所において保育する児童が少数である場
合における保育士数の取扱い
○保育所における保育士の配置については、児童福祉施設の設備及び運営に関
する基準において「保育所一につき 2 人を下ることはできない」とされているとこ
ろ、保育の受け皿の拡大が大きく進んでおり、かつ、当該市町村の区域が含まれ
る都道府県又はハローワークの管轄区域における保育士の有効求人倍率が高
いなど、保育士の確保が特に難しい地域においては、特例的に、平成 27 年度の
間は、朝・夕の時間帯に児童が順次登所し、又は退所する過程で、当該保育所
において保育する児童が少数である時間帯に、保育士1人に限り、当該保育士
に代え、保育士でない者であって保育施設における十分な業務経験を有する
者、家庭的保育者等適切な対応が可能なものを配置する取扱いもやむを得な
いものと考えており、自治体においても配慮をお願いしたいこと。延長保育の場合
についても、同様であること。
*認定こども園の数について(平成 27 年 4 月 1 日現在)
(内閣府 HP)
http://www.youho.go.jp/press150508.html
*社会保障審議会児童部会児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000081475.html
*子供の未来応援国民会議
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201504/02kodomo_mirai.html
(趣意書)http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kokuminundou/pdf/kokumin.pdf
*平成 25 年
地域児童福祉事業等調査の結果(厚生労働省 HP)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000080154.html
*平成 25 年度 認可外保育施設の現況取りまとめ(厚生労働省 HP)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000080127.html
*社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126712
*少子化社会対策大綱
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/law/taikou2.html
*保育所入所待機児童数(平成 26 年 10 月)(厚生労働省 HP)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000078441.html
*子ども・子育て会議、同基準検討部会資料
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/index.html
- 30 -
8.生活困窮・生活保護
≪直近の動向≫
 2015.4.1
生活困窮者自立支援事業の実施状況
▶ 全国の支援圏域(1,128 か所)での自立相談支援事業の実施状況は、行政直営
が「42.8%」(483 か所)、民間団体に委託が「57.2%」(645 か所)である。社協
は、「46.7%」(527 か所)で事業を受託している。
※全社協地域福祉部調べ。平成 27 年 4 月 1 日現在の速報値であり、今後変更があり得る。
(平成 27 年度都道府県・指定都市社会福祉協議会部・課・所長会議資料より)
 2015.3.30 生活困窮者自立支援法の施行に向けて-6 自治体の取組・公表
▶ 厚生労働省は、生活困窮者自立支援法の平成 27 年 4 月の施行に向けて、先進
的に「生活困窮者自立促進支援モデル事業」に取り組んだ 6 自治体をヒアリング
調査し、具体的な取組事例を公表した。
≪概要≫
*生活困窮者自立支援法の施行に向けて-6 自治体の取組
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000077844.html
- 31 -
9.経済・成長政策
≪直近の動向≫
 2015.5.12
経済財政諮問会議(平成 27 年度第 5 回):経済再生と財政健全化
▶ 経済再生と両立する財政健全化計画の策定に向けた論点整理・総論等につい
て協議した。
▶ 有識者議員の「論点整理・総論」においては、「長期にわたり赤字が継続している
我が国の財政とその大宗を占める社会保障制度が、現状のままでは立ち行かな
いことも明らかである」とし、「社会保障制度を持続可能なものとし財政健全化を
実現するためには、政府はもとより広く国民全体が参画する社会改革として、「経
済・財政一体改革」を断行すること」が必要であるとの考えを示している。
≪「論点整理・総論」の概要≫
【歳出改革】
○「公共サービスのムダをなくし、質を改善する」ため、広く国民、企業、地方自治体
等が自ら意欲を持って参加することを通じて歳出を抑制する社会改革。国、地方、
民間が一体となって国民運動として以下の①~③に取り組む。
①公共サービス(医療・介護、子育て等の社会保障サービスを含む(以下、同様))
及びそれと密接にかかわる周辺サービスについて、民間企業等が公的主体と協
力して担うことにより、選択肢を多様化するとともに、サービスを効率化する「公的
部門の産業化」。
②政府はもとより、国民、企業、自治体等が自らムダをなくし、公共サービスの質の
向上に取り組む意欲を喚起する「インセンティブ改革」。
③このような取組の基盤としての政策情報の開示と見える化、業務の簡素化・標準
化、その横展開を進める「公共サービスのイノベーション」。
○こうした取組により、公共サービスの質や水準を低下させることなく、また、経済を下
押しすることなく公的支出の抑制を実現する。このため、本計画(以下、「計画」と呼
ぶ ) 決 定 後 、速 や か に 改 革 工 程 、明 確な 成果 指 標 ( K PI : Key Performance
Indicator)等を具体化する。
【歳入改革】
○歳入面では、社会保障制度を維持するため、経済環境を整える中で、消費税率の
10%への引上げを平成 29 年 4 月に実施する。それ以外の国民負担増(社会保険
料を含む)は極力抑制する(特に低所得者等に配慮)。また、「歳入改革」として以
下の取組を行い、「経済構造の高度化、高付加価値化」を進めること等を通じて新
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たな税収増を実現する。
①今後、労働需給はさらにタイト化し、GDP ギャップが急速になくなるとともに、デフレ
からの脱却が実現していくことが予想される。こうした状況は、企業にとっては新
陳代謝を進めて高収益を実現する、個人にとっては成長分野や処遇のより良い
仕事に移動する好機である。良好なマクロ経済環境を持続するとともに、企業の
新陳代謝や労働の移動を円滑化する取組を強化することにより、企業収益と就
業者の所得の増加を支え、税収の一層の伸びを実現する。
②「公的部門の産業化」や「公共サービスのイノベーション」により、生産に占める企
業等民間のシェアが向上し、課税ベースが拡大することで、新たな税収増に結び
付く。
③マイナンバーの活用等により税徴収の適正化を進める。
④関係機関からの納付金など税以外の歳入の伸びを確保する。
○経済再生に寄与する観点から、現在進めている成長志向の法人税改革をできるだ
け早期に完了する。また、女性の活躍推進・子ども子育て支援、格差の固定化防
止等も含め、①低所得若年層・子育て世代の活力維持のための負担構造の見直
し、②働き方・稼ぎ方への中立性・公平性の確保、③世代間・世代内の公平の確
保等の観点から、経済社会の構造変化を踏まえた税制の構造的な見直しを計画
期間中に行うこととし、具体的な制度設計の検討に速やかに着手する。
*経済財政諮問会議資料
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/index.html#tab0120
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10.災害対策
≪直近の動向≫
≪経 過≫
 災害対策基本法
2014.1.17
中央防災会議:防災基本計画の見直し
▶ 平成 25 年 6 月の災害対策基本法改正と大規模災害からの復興に関する法律とと
もに、原子力規制委員会における検討を踏まえ、防災基本計画の修正について議
論された。
▶ 防災基本計画については、大規模災害への対策強化、原子力災害への対策強化の
観点から、修正が行われた。
▶ 大規模災害への対策強化のなかには、住民等の円滑かつ安全な避難の確保とし
て、指定緊急避難場所の指定による緊急時における住民等の安全の確保や避難行
動要支援者名簿の作成・活用による高齢者、障害者等の避難行動要支援者の適切
な避難誘導、安否確認の実施体制の整備が盛り込まれた。
2013.6.17
「災害対策基本法改正案」成立
▶ 4 月 12 日に閣議決定され、同 15 日に国会に提出された災害対策基本法改正案が
衆議院で可決、6 月 17 日に参議院で可決、成立した。
▶ 本法改正では、高齢者や障害者など、災害時の避難に支援などが必要な人の名簿
作成を市町村に義務づけ、その情報を、本人からの同意を得たうえで、あらかじ
め消防や民生委員に提供することを可能にする。なお、名簿の作成や提供には個
人情報保護法の制約があるため、政府は今後、市町村向けの指針を整備するもの
とされている。
▶ 災害によって、自治体の機能が大きく低下した場合に備えて、国が救助活動や、
障害物の撤去などを代行できる規定を新設した。
2012.6.27
改正「災害対策基本法」
公布
▶ 東日本大震災の主な教訓を踏まえ、所要の改正を実施
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11.予 算
≪直近の動向≫
 2015.4.9
平成 27 年度予算:参議院可決・成立
▶ 平成 27 年 1 月 14 日、政府は、臨時閣議において、平成 27 年度予算案を決
定し、国会に提出した。3 月 13 日、衆議院において可決、参議院に送付され、4
月 9 日、参議院で可決・成立した。
▶ 一般会計の総額は 96 兆 3,420 億円と過去最大となり、社会保障費は、31 兆
5,297 億円で平成 26 年度当初から 3.3%増となり 2 年連続の 30 兆円を超える
予算となった。
▶ 厚生労働省関係の社会保障関係費は、29 兆 4,505 億円となり、平成 26 年度
比で 3.2%増となっている
≪平成 27 年度予算案:厚生労働省関係の概要≫
(26 年度予算額)
(27 年度予算案)
(対 26 年度増額)
29 兆 454 億円 ⇒ 29 兆 9,146 億円
(+8,693 億円)
〔平成 27 年度における「社会保障の充実」の考え方〕
○消費税率 10%への引上げが平成 29 年 4 月に延期されたことに伴い、平成 27 年
度の「社会保障の充実」に充てられる消費税増収分は、1.35 兆円(※)となるため、
施策の優先順位を付けることで対応する。
※消費税増収分のほか、社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による
財政効果を活用し、平成 27 年度の「社会保障の充実」の規模は合計 1.36 兆円
【優先的に取り組む施策】
①子ども・子育て支援の充実
政府を挙げて取り組んでいる「すべての女性が輝く社会の実現」にとって重要
な施策であり、平成 27 年4月から予定どおり新制度を実施する。
⇒市町村計画の実現に必要な「量的拡充」に加え、0.7 兆円ベースの「質の改
善」をすべて実施するため、約 5,100 億円を措置
②医療・介護サービス提供体制改革の着実な実施
団塊の世代が 75 歳以上となり、医療・介護等の需要の急増が予想される
2025 年に向け、医療・介護サービス提供体制の改革を本格的に進める。
⇒地域医療介護総合確保基金について、医療分として前年度同額の約 900 億
円に加え、新たに介護分として約 720 億円を措置介護職員について月額 1 万
2 千円相当の処遇改善に必要な約 780 億円を措置認知症施策等の推進の
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ために約 240 億円を措置
③国保への財政支援の拡充
将来にわたり国民皆保険を堅持するため、喫緊の課題である国保制度の改革
に必要不可欠な国保への財政支援を拡充し、財政基盤の強化を図る。
⇒低所得者対策の強化のための財政支援として約 1,700 億円を措置するととも
に、財政安定化基金の創設のために約 200 億円を措置
【限られた財源の中で上記の対応を行うための方策】
○年金関係の充実(低所得者への福祉的給付、受給資格期間の短縮)について、
法律の規定どおり、消費税率 10%への引上げ時(平成 29 年 4 月)に実施。
○介護保険の 1 号保険料の低所得者軽減強化について、2 段階に分けて実施す
ることとし、第一弾として平成 27 年 4 月からは特に所得の低い方々を対象に一
部実施し(所要額約 220 億円)、消費税率 10%への引上げ時(平成 29 年 4 月)
に完全実施。
〔主要事項 ※抜粋〕
Ⅰ 女性・若者等の活躍推進
◆女性の活躍推進と少子化対策
子ども・子育て支援新制度の実施【2,195 億円】
※子ども・子育て支援新制度の施行(平成 27 年 4 月予定)に伴い、内閣府予算に計上。
(主な質の改善事項)
※子ども・子育て会議において「0.7 兆円の範囲で実施する事項」として整理された質の改
善事項はすべて実施)
○教育・保育関係
・ 3歳児に対する職員の改善
認定こども園、幼稚園、保育所における3歳児に対する職員配置を現行の 20:1から
15:1に改善する。
・ 職員の定着・確保のための給与の改善
民間の認定こども園、幼稚園、保育所等に勤務する職員給与の改善(平均 3%相当
の改善)を行う。
・ 保育標準時間認定に対応した職員配置の改善
・ 研修機会の充実
・ 小規模保育の体制強化
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保育所の配置基準を超えて保育士を1名配置するほか、障害児を受け入れている
場合の職員の加配等を行う。
・ 減価償却費、賃借料の算定
施設整備費補助金を受けない施設を対象に、減価償却費相当額や賃借料相当額
を加算する。
○地域の子ども・子育て支援関係
・ 放課後児童クラブの充実
18 時半を超えて開所するクラブに追加的な支援を行うほか、小規模なクラブへの職
員の加配等を行う。
・ 病児・病後児保育の充実
補助単価の引上げを行うほか、保育所における看護師の配置を推進する。
・ 利用者支援事業の推進
地域の子育て支援事業等の情報収集を及び利用に当たっての相談・助言等を行う
利用者支援事業を推進する。
待機児童解消等の推進など保育の充実【892 億円】
(参考)「待機児童解消加速化プラン」の推進(保育所等の緊急整備)
【26 年度補正予算 120 億円】
放課後児童対策の充実【575 億円】
※子ども・子育て支援新制度の施行(平成 27 年 4 月予定)に伴い、内閣府予算に計上。
妊娠・出産包括支援事業の展開【17 億円】
(参考)子育て世代包括支援センターの整備【26 年度補正予算 2.5 億円】
児童虐待防止対策の推進【48 億円】
(参考)児童相談所全国共通ダイヤルの 3 桁化【26 年度補正予算 6.2 億円】
社会的養護の充実【142 億円】
※子ども・子育て会議において「0.7 兆円の範囲で実施する事項」として整理された質の改
善事項はすべて実施)
(主な質の改善事項)
・ 児童養護施設等の職員配置の改善
児童養護施設等の職員配置について、現行の 5.5:1 を 4:1 に引き上げる等の改善
を行う。
・ 児童養護施設等における家庭的な養育環境の推進
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児童養護施設等における小規模グループケアや地域小規模児童養護施設の実施
箇所数の増を図る。
・ 職員の定着・確保のための給与の改善
民間児童養護施設等に勤務する職員給与の改善(平均 3%相当の改善)を行う。
ひとり親家庭の総合的な自立支援の推進【75 億円】
2.若者・高齢者・障害者等の活躍推進
◆障害者の活躍推進
障害福祉サービスの報酬改定【1 兆 385 億円】
○必要な障害福祉サービスの確保を図るとともに、平成 27 年度報酬改定にお
いては、福祉・介護職員の処遇改善、物価の動向、事業者の経営状況等を
踏まえ、±0%の改定率とする。
障害者等の就労促進と社会参加支援の充実【563 億円】
◆生活困窮者等に対する支援の強化
生活困窮者の自立支援及び生活保護制度の適正実施【2 兆 9,136 億円】
○平成 27 年度から施行される生活困窮者自立支援法及び改正生活保護法
に基づき、生活保護受給者支援策等との連携の下、生活困窮者の自立を
より一層促進していく。
なお、これまでセーフティネット支援対策等事業費補助金及び平成 26 年
度に終了予定の緊急雇用創出事業臨時特例基金(住まい対策拡充等支援
事業分)で実施してきた事業については、生活困窮者自立支援法及び改正
生活保護法の施行を踏まえ、新たな予算体系に組み替える。
○生活困窮者の自立支援【500 億円】
・ 新法等に係る負担金(必須事業) 218 億円
自立相談支援事業、住宅確保給付金、被保護者就労支援事業
・ 新法等に係る補助金(任意事業) 283 億円
就労準備支援事業、被保護者就労準備支援事業、一時生活支援事業
家計相談支援事業、子どもの学習支援事業
その他の任意事業:
生活福祉資金の貸付けに係る事務、ひきこもり対策、判断能力が不
十分な者に対する福祉サービスの利用援助、及び生活困窮者支援を
通じた地域づくりの取組など、生活困窮者等の自立の促進を図るために
必要な事業を実施する。
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(参考)
地域社会におけるセーフティネット機能の強化【26 年度補正予算 40 億円】
・ 都道府県社会福祉協議会が行う低所得者等向け生活福祉資金貸付の
原資の補助を行う。
自治体連携による生活困窮者等の就労・社会参加の促進
中山間地域等における「多世代交流・多機能型福祉拠点」の推進
【26 年度補正予算地域住民生活等緊急支援のための交付金(仮称)[地方
創生先行型]1,700 億円の内数(内閣府計上)】
○生活保護制度の適正実施
ア 住宅扶助基準及び冬季加算の見直し
イ 生活扶助基準の見直し
簡素な給付措置(臨時福祉給付金))【1,693 億円】
Ⅱ 「健康長寿社会」の実現
2.医療・介護サービスの提供体制改革
地域医療介護総合確保基金による医療・介護提供体制改革【1,085 億円】
平成 27 年度介護報酬改定【2 兆 6,311 億円】
○平成 27 年度介護報酬改定においては、介護職員の処遇改善、物価の動
向、介護事業者の経営状況、地域包括ケアの推進等を踏まえ、▲2.27%
の改定率とする。
・ 介護報酬改定:改定率▲2.27%(処遇改善:+1.65%、介護サービスの
充実:+0.56%、その他:▲4.48%)
・ 1 人あたり月額 1 万 2 千円相当の処遇改善
・ 介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化【110 億円】
※平成 27 年 4 月からは、第一弾として、特に所得の低い者に対して実施(新第1段
階について、保険料基準額に対する割合を 0.5 から 0.45 とし、消費税率 10%へ
の引上げ時(平成 29 年 4 月)からは、完全実施する)。
地域支援事業の充実【118 億円】
認知症施策の推進【48 億円】
東日本大震災からの復興に向けた主な施策:被災者・被災施設の支援
①介護等のサポート拠点に対する支援【18 億円】
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②被災地心のケア支援体制の整備【16 億円】
③寄り添い型相談支援事業の実施【4.4 億円】
④被災地の健康支援【4 億円】
⑤被災地における福祉・介護人材確保対策【1.8 億円】
⑥避難指示区域等での医療・介護・障害福祉制度の特別措置【138 億円】
⑦被災地域における地域医療の再生支援【172 億円】
⑧被災した各種施設等の災害復旧に対する支援【207 億円】
⑨被災者健康・生活支援総合交付金の創設(復興庁所管)【59 億円の内数】
≪平成 27 年度税制改正:厚生労働省関係の主な事項≫
○子ども・子育て支援新制度の施行に伴い必要な税制上の所要の措置
〔不動産取得税、固定資産税、都市計画税、事業所税等〕
子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、児童福祉法に規定する家庭的保育
事業、居宅訪問型保育事業及び事業所内保育事業について、事業所税を非課税
とするほか、家屋及び償却資産に係る固定資産税、都市計画税及び不動産取得
税について、課税標準を価格の 2 分の 1 とする(利用定員 6 人以上の事業所内保
育事業の用に供する固定資産等については非課税とする)などの措置を講ずる。
○個人寄附に係る税額控除の要件の見直し〔所得税〕
少子化の進展に伴い、園児数等が減少していく中で、保育所等における教育・子
育ての環境の充実を図る観点から、保育所、認定こども園、児童養護施設、放課
後児童クラブ、障害児通所支援事業等を行う社会福祉法人等に寄附した場合の
税額控除制度について、その適用の可否を判定するパブリックサポートテスト要件
のうち寄附者 100 人以上との要件を緩和し、法人が設置するこれらの施設の定員
の合計数が 5,000 人に満たない場合には、これを最低 10 人(定員を 5,000 で除し
た数に 100 を乗じた数)以上、かつ、年平均の寄附金総額が 30 万円以上であるこ
ととする。
○介護保険法改正に伴うサービスの見直しに係る税制上の所要の措置
〔消費税、固定資産税、不動産取得税等〕
介護保険法改正に伴い、予防給付のうち地域支援事業へ移行される各サービ
スについて、引き続き従前のサービスと同様の税制上の所要の措置を講ずる。
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また、同様に、通所介護のうち地域密着型通所介護へ移行される小規模な通
所介護について、引き続き従前のサービスと同様の税制措置を講ずる等、法改正
に伴う税制上の所要の措置を講ずる。
*平成 27 年度予算案・税制改正
財務省 HP
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/seifuan27/index.htm
厚生労働省 HP
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/15syokanyosan/
税制改正:厚生労働省関係
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000070200.html
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12.人材確保
≪直近の動向≫
 2015.4.13
介護雇用管理改善等計画の全部改正案・答申
▶ 厚生労働省が平成 27 年3月6日に労働政策審議会に諮問した「介護雇用管理
改善等計画の全部改正案」について、同審議会職業安定分科会雇用対策基本
問題部会で審議が行われた結果を踏まえ、厚生労働大臣に対して答申が行わ
れた。厚生労働省は、この答申を踏まえ、平成 27 年度から実施する介護雇用
管理改善等計画を作成し、介護労働者の雇用管理の改善等に取り組む。
▶ 介護雇用管理改善等計画は、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律
に基づく計画であり、今般の計画策定の目的は、「介護労働者が生き生きとやり
がいをもって働くことのできる魅力ある職場づくりを力強く支援」とされた。計画期
間は、平成 27 年度~平成 32 年度であり、主な内容は、介護労働者の雇用の
動向、計画の目標、施策の基本となるべき事項等である。
 2015.2.25
社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会(第 5 回):とりまとめ
▶ 社会保障審議会福祉部会において、同福祉人材確保専門委員会報告書
「2025 年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」がとり
まとめられた。
▶ 報告書では、介護人材確保に向けた4つの基本的な考え方として、①持続的な
人材確保サイクルの確立、②介護人材の構造転換(「まんじゅう型」から「富士山
型」へ)、③地域の全ての関係主体が連携し、介護人材を育む体制の整備、④
中長期的視点に立った計画の策定、を示している。
▶ 2025 年に向けて、①総合的な確保方策の策定、②福祉人材確保指針の見直
し、③介護人材需給推計の定期的な実施、が必要であるとしている。
▶ 厚生労働省は、報告書に掲げられた事項を具体的な施策に反映するための関
係法令の整備や予算化等の取組を進める。
*介護雇用管理改善等計画の全部改正案
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000081554.html
*社会保障審議会
福祉部会福祉人材確保専門委員会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=224742
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13.その他
≪直近の動向≫
 2015.3.10
個人情報保護法等改正法案:閣議決定
▶ 政府は、「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識
別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決
定し、国会に提出した。
▶ マイナンバー制度の導入等にともない、個人情報の保護を図りつつ、パーソナル
データの利活用を促進することにより、新産業・新サービスの創出と国民の安全・
安心の向上の実現及びマイナンバーの利用事務拡充のために所要の改正を行う
ものである。
≪概要≫
*個人情報保護法等改正法案(内閣官房 HP)
http://www.cas.go.jp/jp/houan/189.html
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平成 25 年度から「社会保障・福祉政策の動向と対応~ともに生きる豊かな福祉社会をめざ
して~ 政策動向」として発行。
◇通巻「第 16 号」◇
社会福祉法人 全国社会福祉協議会 政策委員会