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2015年5月7日
ホームページ用研究紹介
ループヒートパイプ蒸発器に関する研究
西川原
理仁
豊橋技術科学大学大学院工学研究科 助教
研究背景
宇宙開発の熱的要求は多様化
高度な
ミッション
小型化
搭載機器の
高性能化
低コスト化
Sun
Venus
Earth
金星探査機の太陽光熱流束は地球の2.7倍
内惑星探査(イメージ)
高効率な冷却デバイスが必要
無電力で動作する二相流体ループ
Loop Heat Pipe (LHP) に注目。
2004年打上げのNASAのSWIFT1
(ガンマ線検出器180Wの冷却にLHPが使用2)
1. NASAホームページ, 2. M. K. Choi, AIAA Paper, 2000.
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ループヒートパイプ (LHP)
吸熱 Q
電子機器の小型化や高性能化に伴い
高効率な冷却デバイスが必要とされている。
CC
動作原理

蒸発と凝縮を利用し、吸熱・排熱を行う。

多孔体で働く毛細管力により,無電力で
蒸気管
排熱 Q
LHP概略図
LHP特長
Pcap

電力が不要

長距離・大量熱輸送  熱ダイオード

パッシブ動作
自由なレイアウト
LHPは、人工衛星やパソコンなど電
子機器の冷却への応用が期待される
蒸発
熱輸送量限界

Pcap _ max  Pall Q
最大
毛細管力
凝縮器
熱輸送・流体循環が可能。

ウィック
(多孔体)
蒸発器
Pall
液管
毛細管力
Pv
吸熱
ループ内
圧力損失
環状のため従来のHP
よりも輸送距離が長い
表面張力 σ
界面での圧力平衡
(ラプラスの定理)
Pl
Pcap    Pv  Pl
毛細管力 界面圧力差
μmの空孔
動作原理 | メニスカスでの蒸発
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行ってきたこと
実験および解析の両面から熱輸送機構の解明および高性能化方法に関して研究
実験
解析
(高性能化)
(現象解明)

蒸気管(1m)
ケース
蒸気管(1m)
蒸発器
蒸発器
y
Ly
グルーブ
凝縮器
凝縮器
z
ウィック
(多孔体)
x
液管
Lz
Lx=4 mm
Lx
Ly=3.5 mm
CC
蒸発器計算領域(3D) Lz=1.5 mm
LHP動作(8倍速)
ループヒートパイプ動作中のサーモグラフィ画像
(蒸発器での熱を1m先の凝縮器まで無電力で輸送)
(蒸発器の熱を1m先の凝縮器まで輸送)
PTFE ウィック
多孔体3次元再構築
温度分布
空孔
バルク
Pore
Throat
m north
i
m west
m east
m south
ポアネットワークモデル
(多孔体内の空隙をモデル化)
圧力分布
熱流束
ステンレス
ケース
グルーブ
[°C]
グルーブ
気相
[Pa]
気相
Φ10mm
y
(162μm立方)
x
z
液流入)
液相
液相
4.0 mm
CC(液流入) 4.0 mm
グルーブ内流動の可視化(実験)

グルーブ内気液二相熱流動挙動をカメラで観察し蒸発器
性能に与える影響を調べる。

可視化用LHP設計・製作・実験などを行う。
蒸気管1000 mm(Φ3 mm)
A
CC
蒸発器
液管
ウィック
(多孔体)
A'
蒸気管
蒸発器
(Φ12 mm)
CC(Φ22 mm)
グルーブ
凝縮器
コア
蒸発器断面(A-'A)
液管(Φ3 mm)
凝縮器540 mm
研究テーマの概略図
(ケースをガラスで製作しグルーブにおける気液分布を可視化)
LHP写真
冷媒
(CCと蒸発器をガラスで製作)
5
蒸発器の非定常3次元解析(計算)


多孔体内の気液熱流動を含む蒸発器非定常3次元シミュ
レーション
プログラミング言語によりコードを製作し、LHP起動な
どの過渡特性を解析的に解明する。
計算のイメージ
ケース
ケース
y
遷移?
Ly
グルーブ
z
多孔体
x
液相領域
Lz
Lx
Ly
グルーブ
z
多孔体
x
液相
Lx
平衡状態
起動前
Heat flux
気相
液相
Lz
気相領域
グルーブ
遷移?
y
z
y
1.5 mm
x
Liquid
液相領域
起動前の気液界面
平衡状態の気液界面
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