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京都大学 ELP
by
思修館
Kyoto University
Executive Leadership Program
by Shishukan(KUELPs) 2015
What is KUELPs ?
京都大学大学院総合生存学館 ( 思修館 ) によるエグゼクティブのための教育プログラムです。
受講者には産官学のあらゆる組織から将来のリーダー候補が集まります。講師には、京都大
学の教授を選出し、さらに各分野で素晴らしい業績を作られている方々をお招きします。
分野を超えて「本質」を問う講義を通じて、これからの時代の新たな価値を創り出すに足
るリーダシップの知性を磨く「知の道場」をめざします。
Program Concept
「務本之学、京 ( みやこ ) 八思」
− 次世代に向けた本質理解と世界観構築 −
「務本の学」とは、即ち「本 ( もと ) を務むの学」。先の見えない複雑な世界だからこそ、
枝葉末節ではなく、本質を理解する学問、務本の学が必要になります。そして、
「八思」とは、
総合的な学術基盤となる、人文・哲学、経済・経営、法律・政治、異文化コミュニケーション、
理工、医薬・生命、情報・環境、芸術の 8 つを表しています。
これらの根本の学問の知識・知恵を手の内のものにすることで、先の見えない時代の様々
な問題に対する解を見つけ、次世代の新たな価値を創り出すことができます。
Program Objectives
「八思」の受講
学術基盤となる、人文・哲学、経済・経営、法律・政治、異文化コミュニケーション、理工、医薬・
生命、情報・環境、芸術の 8 つを表しています。これらの学問の知識を導入するだけではなく、
それらの連関にこそ本質は潜みます。そのために、講師と受講生、受講生同士の対話に重きを
おいたプログラムを提供します。
「本質」の追究
講師は該当分野の世界最先端の知識を講義するだけでなく、むしろ、その分野における普遍
的な問いについて考える講義をします。最先端は明日最先端でなくなります。先が見えない時
代にこそ、最先端に加えて、時代や場所を越えて存在してきた根源的な命題、まさに「本質」
を押さえた議論を展開するプログラムを提供します。
「京」の地
京都にゆかりのあるノーベル賞受賞者は 10 名をこえます。世界トップの研究者を育んできた
京都で「八思」を学び、語らう。そして、茶道、華道、書道など、日本文化の伝統を受け継ぐ
中心でもある京都で、その本物に直接触れるプログラムを提供します。
Benefit for You and
Your Organization
For You
1. 八思を学ぶことで、物事に対する広い視野を獲得でき、今ま
で解決が難しいと考えていた課題に対する解決方法を見つけ
やすくなります。
2. 卓越した他者と多くの交わりを持つことで、自己の資質に対
する理解を深め、潜在している能力の発露を促します。
3. 深い知識と確固たる意志を身につけることで、周りを導くこ
とができる強いリーダーシップを身につけることができます。
For Your Organization
1. 自身の所属する組織が持つ課題に対して、今まで考えつくこ
とのなかった新たなブレイクスルーを見つけ出すことに繋が
ります。
2. 現状の延長線上にある顕在化している課題を解決するだけで
はなく、潜在的な課題を見出すことが新たな価値観を創出す
るトリガーとなります。
3. 自社にない新しい視点を持ちながら、固定された社内文化を
いい意味で壊し、より多くの価値を創り出す組織へと再構築
できる人材を育成します。
Who are the participants?
・企業や行政機関などの組織で次代を担うリーダー及びリーダー候補
・100 年後の日本、世界のビジョンを考えることができる方
Message from Dean
日本を取り巻くグローバル化の速い潮流の中で、イノベーション
の担い手が、
「大企業を中心とした閉じた系列ネットワーク」から「イ
ノベーターたちの開かれたネットワーク」に変容したにもかかわら
ず、日本の産業構造はこれまでの産業モデルへの執着を捨て切れて
いません。しかも 21 世紀に入ってリスク挑戦力を見失い、研究・
開発で創造してきた多くの新技術を経済的価値に変えることには必
ずしも成功せず今日に至っており、日本の産業競争力は停滞から脱
し切れていません。
また、東日本大震災時の原子炉事故においては、大学に代表され
る知識人たちが明確な処方箋を提示できず、責任を果たしきってい
ません。このことは、政府や企業だけでなく、日本における知識や
技術のマネジメント能力の限界を見せつけたともいえます。
なぜ、日本は「イノベーターたちの開かれたネットワーク」であ
る新しい産業のシステムを築こうとせず、知識や技術のマネジメン
ト能力を発揮することができないのでしょうか。それは、1990 年
代後半に「中央研究所の時代の終焉」を迎えて 20 世紀型のイノベー
ション・モデルから脱した後、それに取って代わるべきイノベーショ
ン・モデルを見出せずに、新時代を担う新産業の創出にむかうグラ
ンド・デザインを描いてこなかったからではないでしょうか。換言
すれば、今日、我々が直面している課題は、“ システム ” が産みだ
したものであるという認識と、個別的な課題対処では本質的解決に
は至らずシステム自身を変革させる必要があるという意識とを持た
なかったことにあるのではないでしょうか。
では、新しいグランド・デザインを描くための 21 世紀型のイノベーション・モデルとは何でしょう。そこには、「創発」
(abduction)と「回遊」
(transilience)という、知的営為を基軸にすることから再出発する方法を模索する必要があります。「創発」
とは、
「思いもよらない物事を見つけたり、あらしめたりする」
能力です。中央研究所の機能を損なってしまった日本企業がこの「創
発」を自分のものにするためには、最先端の「科学知」とそれを見つけ出した人間の知的プロセスを知悉する必要があります。
また「回遊」とは、「縦横無尽に知の越境を達成し、分野横断的に問題を解決する」能力のことです。すなわち、総合的な学
術基盤となる「八思」(人文・哲学、経済・経営、法律・政治、異文化コミュニケーション、理工、医薬・生命、情報・環境、
芸術)を自分の手の内のものにすることが必要です。これらに通ずる背景として、
「未科学」の考え方があります。これは、こ
れまで科学の対象とならなかった分野に科学としてのメスを入れることで新たに科学の対象とするものです。そこに新時代を担
う新産業創出の萌芽があり、知的営為の方向性が存在するのです。
Program
講義は、八思に基づき、人文・科学、経済・経営、法律・政治、異文化コミュニケーション、理工、医薬・生
命、情報・環境、芸術と分野を超えた幅広い知識を学ぶ構成になっています。講義の中にディスカッションの場
を設け、受講者と講師、受講者同士が双方向に活発な議論ができるようになっています。
芸術
人文・哲学
情報・環境
経済・経営
細分化される知の系譜を総合的に俯瞰し、分野を超えて学び
を得るために、8つの指標・枠組みを「八思」とします。
本プログラムでは、豊富な課外プログラムを準備しています。
芸術分野では、茶道や華道、書道の継承者による講義および
医薬・生命
法律・政治
実際に体験するプログラムを準備しています。
また、寺院の修行体験など、見る、聞くだけでなく経験して
学ぶ講義を行います。
理工
異文化コミュ
ニケーション
人文・哲学
考古学
哲学
学問論
イノベーション論
人類進化論
西洋史学
経済・経営
経済学
エナジーファイナンス
リスクマネジメント
資源・エネルギーの問題
グリーンエコノミー
貧困の問題と教育格差
法律・政治
憲法学
国際政治と日本外交
西洋各国の法の歴史
正義論
グローバルコミュニケーション
国際協力論
有機化学
宇宙学
複雑系科学
サスティナビリティ学
分子技術
医薬・生命
医学
薬学
総合生存学
人類の脅威と感染症
環境農学
難治性疾患
医療系データベースを用いた疫学
バイオマス科学
情報・環境
情報学
地球水資源評価
地球環境学
リモートセンシング
応用数学
人工知能
茶道
書道
仏教
陶芸
華道
建築庭園
音楽
異文化コミュニケーション
八思
理工
芸術
Professors
• 京都大学に在籍する分野最先端の研究者
• 日本を代表する著名な経営者
• 世界で活躍する国内最高レベルの研究者
• 茶道、華道、書道など日本伝統・日本芸能の継承者
飯吉 透
池田 裕一
池坊 由紀
泉 拓良
磯部 洋明
稲垣 暢也
宇佐美 誠
大石 眞
大垣 英明
大嶌 幸一郎
垣塚 彰
勝見 武
金村 宗
河合 江理子
川井 秀一
川上 浩司
北野 宗通
木邨 洗一
杭迫 柏樹
小西 哲之
小山 哲
三枝 成彰
阪井 康能
櫻井 繁樹
柴田 一成
関根 秀治
千 玄室
惣脇 宏
武田 修三郎
竹本 佳司
田村 正行
千葉 勉
趙 亮
Dimiter IALNAZOV
Marc-henri Deroche
時任 宣博
中西 寛
中村 佳正
縄田 栄治
西田 豊明
林 民生
林 信夫
原 千秋
藤田 正勝
前 一廣
松本 紘
光山 正雄
宮野 公樹
村瀬 雅俊
森本 幸裕
矢野 浩之
山極 壽一
山口 栄一
山敷 庸亮
山名 元
山本 尚
吉川 左紀子
京都大学高等教育研究開発推進センター長
京都大学大学院教授
華道池坊次期家元
京都大学大学院教授
京都大学大学院准教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院准教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
長岡禅塾
京都大学大学院教授
北斗会主宰 日展理事
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
作曲家 / 東京音楽大学教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
裏千家事務総長
裏千家大宗匠(前家元)
京都大学大学院教授
京都大学大学院思修館特任教授 文科省参与
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院准教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院准教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
国立シンガポール大学教授
京都大学大学院教授
京都大学教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
前京都大学総長
京都大学大学院教授
京都大学学際融合教育研究推進センター准教授
京都大学基礎物理学研究所准教授
京都学園大学特任教授/京都大学名誉教授
京都大学大学院教授
京都大学総長
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
京都大学大学院教授
米国シカゴ大学名誉教授
京都大学心の未来研究センター教授 センター長
「オープンエデュケーション」
情報技術による知の革命
「いけばなの美と哲学」
いけばなにみられる日本の美意識と精神性を造形から解く
「宇宙科学の最前線」
宇宙はフロンティアからフィールドへ
「正義論」
正義のフロンティアを探る
「アセアン地区におけるエネルギーの状況」
再生可能エネルギーの導入状況について理解する
「難治性疾患に対する新規治療法の開発」
未来の難治性疾患治療に向けた挑戦
「エナジーファイナンス、リスクマネジメント」
ビジネスとアカデミアの融合を目指して
「総合生存学、森林学」
人と自然の共生
「禅の実習」
禅修行の一端に触れる
「社会・経済物理学、複雑系科学」
複雑系を理解すれば世界が分かる
「人類はなぜ文明を持ったのか」
比較考古学の観点から
「臨床医学」
高齢化社会と慢性疾患
「統治機構改革の展望」
現代社会における憲法の意味と役割を考える
「有機合成化学」
研究の進め方・醍醐味
「地盤工学、地球環境工学、地球環境学」
地球の成分
「グローバルコミュニケーション」
グローバルコミュニケーションと異文化理解
「医療系データベースを用いた疫学、経済研究」
社会における医療の意義と健康の価値
「国際協力論~援助の歴史と課題、最新状況」
世界の動向と援助(政府開発援助)について、その概要と実際
「サステイナビリティ学」
持続可能なエネルギーシステムとは何か
「書道 文字の美しさは一国の文化のバロメータ」 東洋芸術の第一であった書の過去・現在・未来
「西洋史学、近世・近代のヨーロッパ史」
ヨーロッパ史のもう1つの地下水脈を探る―ポーランド史からみるヨーロッパ
「なぜ西洋音楽は、世界標準になれたのか?」
” クラシック ” の歴史と思想を解き明かす
「資源・エネルギーの問題」
資源・エネルギー問題の本質
「太陽宇宙プラズマ物理学」
宇宙を満たすものとは何か
「茶の心 ― 和・敬・清・寂 ―」
茶道精神が普遍的な平和思想である
「貧困の問題と教育格差」
貧困はなぜ問題か、教育格差の何が問題か
「化学系薬学、有機合成化学、医薬品化学」
薬のつくりかた
「がん研究とがん治療の最前線」
がんはどうしてできるのか? 防ぐ方法か? 治療法は?
「グリーン・エコノミー(GE)論」
再生可能なエネルギー主導型経済への移行
「有機元素化学」
元素化学の歴史と最前線
「応用数学、計算アルゴリズム」
大量の情報をどう整理しているのか
「人工知能」
人工知能の歴史、本質、発展の方向
「ローマ法、西洋各国の法の歴史」
法の誕生とその歴史
「京都学派の哲学」
その特徴と意義
「宇宙と人間」
太陽系文明へ
「導入ワークショップとしての学問論」
なぜ今ここにいるのか
「京都の名園と環境」
景観生態学から見た生物親和の理論と応用
「人類進化論」
ゴリラを通じて人間の本性を探る
「地球水資源評価」
水惑星地球の水資源評価
「農芸化学(応用微生物学、応用分子細胞生物学)」微生物の多様な潜在能力を利用する諸問題の解決と総合生存学
「知政学(noe-politics)」
21 世紀をリードする心を作る
「衛星リモートセンシング」
地球観測衛星による災害監視と環境計測
「情報学基礎、組み合わせ最適化、アルゴリズム」 情報処理手法の最先端研究に迫る
「東西比較思想史」
仏教における「聞思修」と西洋哲学の智慧の探究
「国際政治と日本外交の歴史と現在」
日本外交の現在を歴史と国際政治を踏まえて考える
「熱帯地域における農業環境の維持と食料生産」
在来農法の限界と変容 ―東南アジアの焼畑
「有機化学、有機金属化学、有機合成化学」
化学が織りなす物質の世界
「金融の経済学」
経済学者が見る金融市場
「地域社会におけるバイオマス利用技術戦略」
バイオマス資源ベースの新スマート化学産業像
「人類の脅威としての感染症-医学と社会学」
国境を超える感染症(伝染病)のグローバルな理解
「未来創成学への挑戦」
想定外事態、人的失敗を前提とする学問創成
「バイオマス科学、ナノファイバー工学」
生き物の力を借りて高性能材料を作る戦略
「イノベーション創生論」
イノベーションの本質
「量子リサイクル工学」
原子力の認識論、再構築への試み
「分子技術」
「こころの学際研究」
化学から育つ新ディシプリン
「つなぐ」価値と学際研究の未来に関する考察
Location
講義は主に橘会館(旧総長官舎)で行われます。橘会館は、歴代総長が滞在されたことのある和風建築の邸宅です。
講義室の他に座敷もあり、静かで落ち着いた雰囲気の中、集中して学べる環境になっています。
Schedule
5 月から 7 月(前期)及び 10 月から 12 月(後期)の 2 期制とし、通期で学んでいただきます。
毎週土曜日に 4 コマの授業を行ない、各期全 40 コマ(1 コマ= 90 分)をご提供いたします。
(なお、ご希望の方には、前期あるいは後期の 1 期のみの受講が可能です。)
前 期
後 期
前期スタート合宿
5月
オリエンテーション
導入ワークショップ
後期スタート合宿
10 月
前期講義開始
6月
講義期間(毎週土曜日)
総括ワークショップ
導入ワークショップ
後期講義開始
11 月
講義終了
7月
オリエンテーション
講義期間(毎週土曜日)
講義終了
12 月
前期修了式
総括ワークショップ
後期&通期修了式
Time Table
講義は 10 時から始まる 1 限から 4 限になります。
1 日の流れ
1 限 10:00 〜 11:30(90 分)
• 講義は、2限を1セットとします。
講義 A(前半)
• 午前、午後あわせて、1 日 2 名の教授による講義が行われます。
2 限 11:40 〜 13:10(90 分)
(講義内容やテーマにより、コマ割りが変則的になる場合があります。)
• ディスカッションタイムでは、一日の講義を振り返って受講生間
で意見交換を行います。
• 自由参加の課外プログラムでは、京都大学のネットワークを活か
した特別プログラムを準備しています。
講義 A(後半)
13:10 〜 14:10(60 分)
ランチタイム
3 限 14:10 〜 15:40(90 分)
講義 B(前半)
4 限 15:50 〜 17:20(90 分)
講義 B(後半)
17:20 〜 18:00
ディスカッションタイム
課外プログラム、勉強会など
(自由参加)
Relationship
京都大学 ELPs には多くの繋がりが待っています。
•
講師陣と講義時間以外でも、密なコミュニケーションを取れる環
境を用意し、より深い関係を築くことができます。
•
自由参加の課外プログラムでは、京都大学のネットワークを活か
した特別プログラムを体験、経験できます。
•
海外から訪れる著名な研究者や経営者、政府関係者などを招いて
開催される学内向けの研究会にも、特別参加することができます。
•
プログラム修了後は、思修館同窓会ネットワークのメンバーに加
入し、講師や新旧の仲間たちとのコミュニティーに参加できます。
京都大学ELPs 事務局
〒 606-8303 京都市左京区吉田橘町 1 橘会館内
TEL:075-753-5158 / FAX:075-753-5154
URL:http://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/elp/
Email:[email protected]