仮想ネットワークの使用状況取得による 電力・リソース最適化収容設計手法の提案 中村 景† 永田 翔一†† 内田 哲博†† †慶應義塾大学 理工学部 竹下 秀俊†† 岡本 聡‡† 山中 直明† 大木 英司‡ 情報工学科 〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉 3-14-1 ††慶應義塾大学 大学院理工学研究科 〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉 3-14-1 ‡電気通信大学 大学院情報理工学研究科 〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘 1-5-1 E-mail: [email protected] あらまし 近年,大容量コンテンツの増加やモバイル機器の普及等により,インターネットのトラフィック量は急 激な増加しており,それに伴う消費電力の増加が予想されている.そこで,ネットワーク資源を有効に使用可能な ネットワーク仮想化技術に注目が集まっている.ネットワーク仮想化技術において,従来はネットワーク運用前に 複数の仮想ネットワークの帯域要求を満たすようネットワーク仮想化基盤の帯域を割当て,運用中常にこの帯域を 使用する.一方提案方式は,ネットワーク運用前の帯域割当てに加え,ネットワーク運用中も各仮想リンクの帯域 使用状況を考慮し,帯域割当てを行う.本提案により,帯域の使用効率の向上及び消費電力量の削減が可能である。 キーワード ネットワーク仮想化, 帯域割当 Power/Resource Optimization Resource Allocation Design Method of Getting Resource Utilization Information on Virtual Networks Kei Nakamura† Shoichi Nagata†† Tetsuhiro Uchida†† Naoaki Yamanaka† Hidetoshi Takeshita†† Satoru Okamoto‡† and Eiji Oki‡ †Dept. of Information and Computer Science, Keio University 3-14-1 Hiyoshi, Kohoku-ku, Yokohama-shi, Kanagawa, 223-8522 Japan ††Graduate School of Science and Technology, Keio University 3-14-1 Hiyoshi, Kohoku-ku, Yokohama-shi, Kanagawa, 223-8522 Japan ‡Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications Chofu-shi, Tokyo, 182-8585 Japan 1-5-1 Chofugaoka, E-mail: [email protected] Abstract Traffic growth of the Internet by increasing of rich contents and the spread of mobile devices will lead growing power consumption. To solve this problem, a network virtualization technology which can use network resource effectively has gained attention. In the network virtualization technology, before operating the network, the administrator allocates bandwidth resource in network virtualization infrastructure so as to satisfy the multiple virtual network requests as much as possible. And during the network operation all virtual networks use allocated resource of the infrastructure. Our proposal realizes the bandwidth allocation not only before network operation but also during the network operation according to the bandwidth resource usage. The proposed method enables optimal bandwidth using and can decrease power consumption. Keywords Network Virtualization , Bandwidth Allocation 仮想ネットワークの使用状況取得による 電力・リソース最適化収容設計手法の提案 慶應義塾大学 理工学部 情報工 情報工学科 山中研究室 中村景 永田翔一 内田哲博 竹下秀俊 岡本聡 大木英二 山中直明 研究背景 研究背景 問題点解決手法の提案 理想(最短路 理想 最短路) 最短路 B 一般的な経路設定 一般的な経路設定は, 経路設定は,単一パスで は,単一パスで 要求帯域多い仮想リンクから優先的に最短路を割当 D 各物理リンクは 10Gbps A 割当方法 C 仮想NW1 8G要求 (A-C-D) 仮想NW2 6G要求 (A-C) 仮想NW3 4G要求 (C-D) 4G B 図4. 仮想リンクの帯域要求例 仮想リンクの帯域要求例 6G D CBは2Gbps分 未割当 4G 6G 問題点 8G ① 仮想NW2,3にとっての ACは2Gbps分未割当 A C 8G 最短路に未割当帯域が 図5. 一般鄭 一般鄭な仮想リンクの帯域割当例 存在するのに使用していない点 ② 仮想NW2,3はNW運用中常に迂回路での通信を強いられる点 解決手法の提案 ・動画・音楽等の大容量コンテンツの普及 ・クラウドサービス等により,DC-クライアント間の通信の増加 ・スマートフォンの普及による頻繁なネットワークの利用 ⇒トラフィック量の急激な増加, それに伴う消費電力増加 が予想 ①最短路に未割当帯域を使用していない点 →運用前経路割当においてマルチパス ②運用前に割当られた経路を運用中常に使用する点→運用中の経路変更 最短路の帯域は 要求帯域量に応じて比例配分 提案方式の割当 0.7G 1.3G B 2.3G 1.7G 帯域等のNW資源を効率的に利用可能な, ネットワーク仮想化技術に注目 D 6.7G 3.3G 5.7G 4.3G 2.3G 1.7G 各仮想リンクにとっての最短路の帯域を 余すことなく割当 →帯域の利用効率向上 8:4 = 2:1 に配分 1つの つの仮想ネットワークに着目した運用中の経路使用方法 つの仮想ネットワークに着目した運用中の経路使用方法 1.3G 0.7G C トラフィック量が最短路で通信可能な量以下:短路で通信 トラフィック量が最短路で通信可能な量以上 他の仮想リンクの短路に未使用帯域あり →他の仮想リンクの短い経路を使用 他の仮想リンクの短路に未使用帯域なし →迂回経路を使用 :優先度の高いデータを短路,低いデータを迂回路で通信 8:6 = 4:3 に配分 図6. 提案方式による運用前の仮想NW設計方針 設計方針 提案方式による運用前の仮想 ネットワーク仮想化技術 ・ 物理的なNW機器/リンクを仮想化し,仮想化資源としてリソース化 ・ SLAのQoS要件等に応じ,仮想化資源の割当を行い,仮想NWを設計 B D トラフィック量 割当後 2.3G 1.7G * SLA: Service Level Agreement QoS: Quality of Service 5.7G以上のときのみ A-B-Cで通信 8G A C A C 5.7G 4.3G 5.7G 10G 可能な限り最短路 で通信 →消費電力 削減可能 時間 図8.仮想NW 1のトラフィックと使用経路 図7. 運用中の経路使用方法 特性評価 特性評価 平均帯域使用率 ∑ 17 : 物理ネットワークのリンク数 物理リンクにおける使用帯域 物理リンクで 使用可能な最大帯域 消費電力 各仮想NWに必要なリンク容量等を満足するようNWを構築する際, 複数の仮想リンクの 物理NW上の経路を決定する方法が必要 一般的な帯域割当手法 一般的な帯域割当手法 ∑ リンク消費電力= ∑ リンクの使用帯域を∗ で変換した消費電力 *P. Reviriego, J. A. Hern´andez, D. Larrabeiti, and J. A. Maestro, “Performance evaluation of energy efficient Ethernet” (*) 図9 Energy consumption versus traffic load for 100 Base-TX, 1000Base-T and 10G Base –T EEE 消費電力 帯域使用率 ・ 運用前 要求帯域の多い 仮想リンクから順に 帯域・経路を割当て 0.7 1 0.9 0.6 0.8 0.5 消費電力の割合 平均帯域使用率 各仮想ネットワークの 物理ネットワークでは 単一パスで保証 物理ネットワークの使用可能帯域を全て使用したときの 消費電力を1としたときの消費電力の割合 物理ネットワークの総使用可能帯域を1 としたときの帯域使用率の割合 0.4 0.3 0.2 0.5 0.4 0.3 0.1 0 21:00 23:00 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 ① ② 1日の合計使用帯域は ① / ② : 約11%削減 ① / ③ : 約23%削減 に改善の余地あり 21:00 23:00 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 ③ ① ① ② ③ ② ③ 図11. 時間毎の消費電力の割合 図10. 時間毎の平均帯域使用率 ・帯域使用効率の低下 ・消費電力の増加 0.6 0.2 0.1 0 ・ 運用中:運用中の経路変更無 運用中 運用中の経路変更無 0.7 運用前設計 従来 提案 提案 運用中経路変更 × × ○ 1日の合計消費電力は ① / ② : 約10%削減 ① / ③ : 約37%削減 運用中の経路変更による 平均帯域使用率・消費電力削減が可能 Keio University お問い合わせ先 : [email protected]
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