大西副院長の講義資料については、こちらをご覧くだい。

モーニングセミナー 2015.5.11
院内感染対策
職業感染(針刺しなど)
この二人の違いが判りますか?
感染対策チーム(ICT)
大西宏明
ICTからの指摘
目的は?
1つ、あるいは、複数
「手を洗ってください」
患者
「リキャップ禁止」
「サージカルマスク着用」
患者
院内の水平感染の予防
職員
患者
抵抗力の弱い患者の保護
「穿刺の際には手袋をして」
患者
「サンダル履きは禁止」
職員
職員自身の身を守る
ICTからの指摘
目的は?
1つ、あるいは、複数
「手を洗ってください」
患者
「リキャップ禁止」
「サージカルマスク着用」
患者
院内の水平感染の予防
職員
患者
抵抗力の弱い患者の保護
「穿刺の際には手袋をして」
患者
「サンダル履きは禁止」
職員
職員自身の身を守る
AIDSおよびHIV感染者の累計数(日本)
HIV:HIVウイルス感染者、AIDS:HIV感染していて日和見感染症を合併しているもの
●人を見たら泥棒と思え
意味
他人を簡単に、信じて受け入れてはいけないというたとえ。
また、人と付き合う場合にも、用心しておいたほうが、よい
ということ。
●人を見たらAIDSと思え
意味
HIV感染者は増えている。でも症状が無いため外見ではわ
からない。町を普通に歩いている人のなかに潜んでいる。
患者の採血などの針を使う処置においても、用心しておい
たほうが、よいということ。
リキャップをしてはいけない!
針刺し事故はリキャップの際に起こりやすい
特に、1年目の医師・看護師
手袋をしていると、針刺し時の血液の混入量
が減る
足に針刺しをしないために、ツッカケ(サンダ
ル)は禁止(CROCSもダメ)
でも、どんなに用心していても
針刺しは起こります
やむをえずリキャップするとき
スクープ法
リキャップをしてはいけない!
針刺し事故はリキャップの際に起こりやすい
特に、1年目の医師・看護師
手袋をしていると、針刺し時の血液の混入量
が減る
足に針刺しをしないために、ツッカケ(サンダ
ル)は禁止(CROCSもダメ)
でも、どんなに用心していても
針刺しは起こります
5.針刺し等汚染事故発生時のフローチャート(図1)
針刺し等汚染事故発生
皮膚に切創、粘膜汚染→石鹸と流水で丁寧に洗う
目に暴露→コンタクトレンズを外し、水道水で洗い流す、擦らない
口腔→十分な含漱を行う
(所属の責任者に口頭で報告)
汚染事故の3ヶ月以内のHCV抗体、HBs抗原、HIV抗体を確認
3ヶ月以内の検査結果がない場合→患者の同意を得て検査実施
受傷者のHBs抗体が不明な場合→検査実施(時間内8300、時間外5901・5902)
汚染源患者の検査結果に応じた対応
HIV抗体
(+)
HBs抗原
(+)
HCV抗体
(+)
梅毒
(+)
HTLV-1
(+)
すべて
陰性
報告のみ
受傷者
HBs抗原(-)
HBs抗体(-)
受傷者
HBs抗原(-)
HBs抗体(+)
詳細は図3
①経過観察
直後(緊急性はない)、2ヶ月、
汚染事故によるウイルスなどの感染リスク
HBV、HCV、HIV 陽性の血液・体液が事故対策上特に重要
血液汚染後の感染率は、概ねHBV30%、HCV3%、HIV0.3%
HIV 対策は最も迅速性を要する(2時間以内に初回の予防内
服)
HBV は強い感染力を持ち、環境表面乾燥血液内で1 週間感
染性を維持する。
HTLV-Ⅰ抗体陽性の血液・体液による汚染でATL が発症する
率は極めて低い。
梅毒血清反応陽性の血液による感染例は未報告であるが、ゼ
ロではない。
汚染源患者の検査結果に応じた対応
HIV抗体
(+)
HBs抗原
(+)
HCV抗体
(+)
梅毒
(+)
HTLV-1
(+)
すべて
陰性
報告のみ
受傷者
HBs抗原(-)
HBs抗体(-)
受傷者
HBs抗原(-)
HBs抗体(+)
詳細は図2
①24時間以内(遅くとも
48時間以内)にHBワクチ
ンと高力価抗HBsヒト免疫
グロブリンを投与
②毎月、6ヶ月後まで追加
調査
報告のみ
詳細は図3
①経過観察
直後(緊急性はない)、2ヶ月、
6ヵ月後
報告→受傷後3日以内にインシデントレポート
労災の手続き→医療安全推進室
感染源が感染症陽性あるいは不明→
感染対策専任師長に連絡(丸岡5329)
詳細は図4
①受傷者に妊娠の可能性がある場合、直ちに妊娠反応検査を行う
②直ちに、HIV担当診療科医師と相談する(不可の場合は、自己決定)
③HIV暴露後予防内服が必要な場合は、可能な限り直ちに予防内服開始
④6週後、3ヶ月、6ヶ月および1年後に追加調査
高松赤十字病院院内感染対策委員会
平成26年6月xx日
8.HIV抗体陽性患者の針刺し後フローチャート(図4)
患者がHIV抗体陽性、または陽性が強く疑われる血液・体液による汚染事故
事故当事者本人が妊娠の可能性
が無い場合
事故当事者本人が妊娠の可能性
のある女性の場合
妊娠反応検査:産婦人科に依頼
時間外は救急外来で検査
判定はできる限り産婦人科医師に依頼
陽性(14週以前)
陰性、または14週以降
妊娠14週以前
抗HIV薬の内服は自己決定
*妊婦に投与した場合の安全
性、特に妊娠初期での胎児へ
の安全性は確認されていない
*担当診療科医師と相談、感染対策室にも連絡
(暴露直後、可能な限り速やかに(できれば2時間以内)に)
担当診療科医師:時間内:血液内科 大西(6511)→井出(6521)→福本(6811)
時間外:内科 当直医
感染対策室:感染対策看護師(丸岡師長5329)
担当診療科医師と相談不可の場合(救急対応中などで)
下記の責任者と相談し、抗HIV薬の内服を自己決定(医療スタッフへの説明を参照)
責任者:日中は感染対策師長:丸岡(5329)
夜間・休日は、当直師長(5900)
の安全性は確認されていない
*担当診療科医師と相談、感染対策室にも連絡
(暴露直後、可能な限り速やかに(できれば2時間以内)に)
担当診療科医師:時間内:血液内科 大西(6511)→井出(6521)→福本(6811)
時間外:内科 当直医
感染対策室:感染対策看護師(丸岡師長5329)
担当診療科医師と相談不可の場合(救急対応中などで)
下記の責任者と相談し、抗HIV薬の内服を自己決定(医療スタッフへの説明を参照)
責任者:日中は感染対策師長:丸岡(5329)
夜間・休日は、当直師長(5900)
事故当事者本人が抗HIV薬の服用を希望する場合
担当診療科医師に相談できた場合:
担当診療科医師は、労災カルテから処方する
担当診療科医師と相談不可の場合:
薬剤部に電話連絡後、手書き処方箋にて受領して服用
処方例(標準的な薬剤の服用方法)
TDF/FTC(ツルバダ)1錠1日1回
RAL(アイセントリス)2錠1日2回
*2014年以降は、基本治療・拡大治療には分けない
高松赤十字病院院内感染対策委員会
翌日、担当診療
科医師を受診し
服用継続の判断
基本服用期間は
4週間
平成26年6月xx日
妊娠の可能性がある場合はどうする?
ここまでのポイント
HIV・AIDS患者は増加している
これらの患者は外観からは判らない
針刺し防止:リキャップ禁止・サンダル禁止
針刺し時の血液混入量を減らす:手袋
針刺ししてしまったらマニュアル確認
HIV対策は最も迅速性を有する
HIV予防内服薬は薬局に1処方分を常備
妊婦・B型肝炎患者はHIV予防内服を注意