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旧姫街道
歩行者動線(現状)
銀座通りと路地
歩車混在エリア
富岡製糸場周辺エリアまちづくり計画
- 世界遺産を支える都市循環機能の確立 -
日本大学大学院 横河研究室 山口高広
上州富岡駅
1
市庁舎駐車場
市
庁
舎
駐
車
場
工女墓地
おかって市場
新富岡市庁舎
あい愛プラザ
2
ひ
か
り
公
園
龍光寺
駅
前
通
り
諏訪神社
旧
吉
神
野
部
呉 3 4 医
服
院
店
ト
ン
ネ 7
ル
横
丁
2
8 丁
通
り
6
宮本町まちなか交流館
市営宮本町駐車場
お富ちゃん広場
5
城町通り
富岡製糸場
仲町まちなか交流館
市営仲町駐車場(バス専用)
本計画では群馬県富岡市の富岡製糸
場周辺におけるまちづくりの提案を行
う。富岡製糸場という目的地に至るま
でのプロセスといえる周辺において、
回遊する魅力は希薄化し、人や車が循
環できるネットワークは未成熟であ
る。地域住民と観光客、行政を共存さ
せ、歩行者と車を両立させて、世界遺
産の文化的価値の本質を伝えることの
できる建築を思考する。
鏑川(かぶらがわ)
計画範囲概要図 S=1/2000
世界遺産として見られるようになった富岡製糸場
登録名称は「富岡製糸場と絹産業遺産群」
『富岡製糸場』
富岡市富岡
自身の解釈に基づく富岡製糸場の文化的価値
計画対象エリアの調査及び分析
「歴史の積層とその痕跡としての増改築」
富岡製糸場周辺に散在するその場所の魅力の再発見
2
1
3
4
5
群馬県
官営完成期
(1875)
三井末期∼原初期
(1908)
原末期∼片倉初期
(1939)
片倉前期
(1945)
操業停止直前
(1986)
周辺エリアに波及しない富岡製糸場の文化的価値とその要因
上州富岡駅
6
新富岡市庁舎
旧吉野呉服店
7
神部医院
お富ちゃん広場
8
・維持管理及び修復の遅れ ・観光滞在時間の低迷及び宿泊施設の欠落 ・歩車混在
『荒船風穴』
甘楽郡下仁田町南野牧甲
『高山社跡』
藤岡市高山
『田島弥平旧宅』
伊勢崎市境島村甲
銀座通り
トンネル横丁
2 丁通り
まちづくり計画のビジョン
提案 B
「地域住民と観光客、そして行政を紡ぐ建築」
官民の境界を取り払い、行政と地域住民、自治体等が共同で
まちづくりを進めてゆける建築を考える。そして、地域住民に
周辺のまちの魅力を再認識させ、観光客に世界遺産の価値の本
質を認識させ、再びこの富岡の地を訪れたいと思わせる。
「富岡製糸場周辺に散在する場所性の再発見」
富岡製糸場とともに生きてきた周辺の街並みのなかに、一度
廃れ、失われてしまった文化を再発見し、世界遺産を長期的に
支えてゆけるようなまちづくりを考える。
「歩行者と車双方の、都市循環機能の確立」
現状の調査分析及び将来的に変化が予測される都市の動線等
を読み解きながら、歩行者と車がスムーズに循環できるための
ネットワーク、都市循環機能を確立する。
マスタープラン
場所性の集約及び再構築とオリジナル空間の追体験
「敷地 A」
敷地面積 :8259 ㎡
建蔽率 :80% 容積率 :400%
高さ制限 :12m 以下
新富岡市庁舎
上州富岡駅
「敷地 B」
敷地面積 :6263 ㎡
建蔽率 :80% 容積率 :400%
高さ制限 :14m 以下
1
5
おかって市場
3
4
「敷地 C(ほか 9 箇所)
」
総敷地面積 :5863 ㎡
建蔽率 :80% 容積率 :400%
高さ制限 :12m or 14m 以下
6
B
繭倉庫(木)
2
繭倉庫(煉瓦)
繭倉庫(大谷石)
B
新富岡市庁舎
1
上州富岡駅
旧姫街道を境に大別される、北側の駅前エリアと南側の木密
エリアに、それぞれ敷地 A、B を設けて、その 2 点間を回遊で
きるルートを提案する。提案 A に集約及び再構築された木蜜エ
リアの場所性のオリジナル空間を追体験させるように、北側の
駅前エリアへと人を導入する。それにより、歩行者も車も駅前
と木蜜の富岡製糸場前の周辺エリアを循環させる計画を行う。
2
上州富岡駅
B
新富岡市庁舎
1
旧
吉
野
呉
服
店
姫
の
鍵
道
旧姫街道
3
神
部
医
院
B
立体駐車場
ミュージアム
3
旧姫街道
2 丁長屋
5
互
い
庇
の
家
ガレリア
駅の鍵道
おかって市場
レストラン
2
上州富岡駅
4
富岡製糸場
A
NPO 拠点
銀座門
3
トンネル住居
2
ネ
オ
ン
横
丁
プログラム
上州富岡駅
現富岡市庁舎
世界遺産保護の間接民営化
本計画では提案 A をメインに、市庁舎や富岡製糸場の機能、
また駅や他の観光地からの車動線の拠点或は民宿単位の宿泊機
能を、居住者の住宅と商店に複合させる。個々の地域住民にそ
の複合用途を細分化して分譲し、富岡製糸場の保護及び周辺の
まちおこしを間接民営的に行う。
上州富岡駅
他の関連文化財
・駅 ・待ち合わせ場所
・ライブイベント会場
・乗り合いタクシー乗降場
・高山社跡
・渋沢栄一記念館
・荒船風穴
・渋沢栄一の生地
・田島弥平旧宅 ・尾高惇忠の生家
城町の鳥居
・おかって市場(既存の機能を継承)
・駐車場及び駐輪場
・地場産の食材レストラン
・NPO 拠点(富岡まちづくり協議会)
ー
ー
・世界遺産まちづくり部
富岡製糸場課
まちづくり課
商業観光課
・鍵曲の庭(イベント広場)
・レンタサイクル
・大型駐車場
・駐輪場
路
地
回
遊
路
地
回
遊
鍵
曲
の
道
ひ
か
り
公
園
1
2
3
4
5
6
路
地
回
遊
提案 A
・宿泊施設(民宿)
・駐車場及び駐輪場
・タクシー乗降場
6
B
提案 C
富岡市庁舎
・住宅
(居住者)
・商店
あい愛プラザ
A
提案 B
タ乗
ク合
シタ
ク
動シ
線
動
線
新富岡市庁舎
おかって市場
富岡製糸場
上州富岡駅
・地元商材企画開発部及び販売
・富岡製糸場ミュージアム
・トイレ休憩スペース
・車観光企画事業
富岡製糸場
・観光及び見学 ・ショップ
・ミュージアム ・管理事務
仲富
町岡
駐市
車庁
場舎
・駐
宮車
本場
町
駐
車
場
4
5
6
駅
前
通
り
提案 A
動線及び構造計画
車両動線
歩行者専用エリア
東繭倉庫
道路を拡幅し、新たな車両迂
回動線を計画
+5400
+4400
+3400
+2900
2F のボリュームは富岡製糸
場のへの眺望を考慮
+2400
富岡製糸場エントランス
GL(0)
富岡製糸場に向けて上昇していくスラブのレベル。
バリアフリーの回遊動線。
現状の月極と民間の駐車場を
再整備
一般車両やタクシーの乗降が
可能なロータリー
広場を意識した抜けとボ
リュームの消失
木密エリアに整備された休憩
所を兼ねた広場
イベント時や緊急時に駐車場
と連携利用が可能
耐火被覆板を施した鉄骨のキングポストトラスに
SRC 造の耐力壁を付加する。
中央空間で交わる地域住民と観光客
屋外空中通路より臨む富岡製糸場
富岡製糸場
東
繭
倉
庫
MAIN
富岡製糸場の増改築のシステム
に注目する。
提案
既存を考慮しながら 中 心 軸 に 直 交 す
富岡製糸場の倉庫に平 る 路 地 的 な 動 線 を
行な中心軸を設ける。 付加してゆく。
垂直方向にも耐力壁を付加する。緊急避難動線や増
改築に対して合理的な構成。
富岡製糸場の増改築のシステムを踏襲した断面構成ダイアグラム
場所性による全体構成のプロセス
姫街道に直交する路地とその
街並みの変化という場所性を、
全体構成のダイアグラムとする。
トラスの小屋組を利用した展望デッキ
付 加 さ れ た 路 地
的な動線に沿って
室を付加してゆく。
こ れ ら の 操 作 は、各 地 権
者との合意形成をしながら、
段階的に計画される。
多 様 な 動 線 を 創 出
す し、木 密 エ リ ア に
避難動線を確立する。
SUB
MAIN
SUB
主要な空間を補完するように新たな機
能が付加される。
MAIN
富岡製糸場の増改築のシステム
に注目する。
SUB
SUB
通路を付加し、庭等を設けて異なる機
能を滑らかにつなぐ。
観光客
耐力壁を付加し、中央空間に直交する
路地的な動線を構成する。
MAIN
地域
住民
公共
地域
住民
観光客
かつて産業技術を支えた空間を市民の生活空間へと落とし
込み、地域住民と観光客を紡ぐ。
屋外空中通路より臨む富岡製糸場
富岡製糸場エントランス
B
A
商店
C
WC
住居
住居
商店
商店
厨房
C
商店
展望レストラン
ミュージアム & ロビー
イベントスペース
タクシー会社
WC
ロビー
+1000
-600
ギャラリー
-1000
0
WC
住居
商店
住居
屋外空中通路
住居
商店
WC
+2000
住居
住居
ロビー
ホール
トンネルの道
スナック
インフォ
住居
スナック
B
A
2 丁の道
キングポストトラスの小屋組を利用した展望デッキ
中央空間に直交する路地的空間
Plan 1F S=1/500
Plan 2F S=1/500
ミュージアム
ギャラリー
民宿
住居
住居
商店
展望
屋外空中通路
カフェ
スナック
住居
住居
住居
スナック
住居
商店
スナック
ブラウジング
露店
商店
住居
イベントスペース
Section A-A S=1/300
かつて産業を支えていた空間に溢れ出す人々の活動
Section B-B S=1/300
中央空間に直交する路地的空間
Section C-C S=1/500
2 丁の道
トンネルの道