ウヤク(烏薬)

1506 ウヤク(烏薬)
ウヤク(烏薬)
語 源
クロモジ属 Lindera リンデーラ は、スウェーデンの植物学者で
あり医師のヨハン・リンデル Johann Linder (1678-1723)に由来
する。クロモジ(Lindera umbellata)とは、日本の代表的なクロモジ
属の落葉低木のことで、樹皮の模様から「黒文字」と呼ばれる。
種小名 strychnifolia は、ギリシャ語 strychnos「マチン科の
植物」+ラテン語 folium フォリウム「葉」=「マチンのような葉」
に由来。
また、烏薬の「烏」とはカラスのことだが、これはウヤクの根が
カラスの頭に似ているため、ないしは、実がカラスのように黒い
ことによるという。
基 原
Lindera strychnifolia Fernandez-Villar テンダイウヤク(天台烏薬)
クスノキ科 常緑低木
秦の始皇帝が不老長寿の霊薬をもとめて、徐福という
人を日本に遣わせたという話があり、この霊薬がテン
ダイウヤクであるといわれている。
天台烏薬の「天台」とは、中国南部の浙江省の天台山
地方で良い品質のものが採れるため。
薬用部分
根
産 地
中国(浙江、湖南、安徽、広東、広西など)
主な成分
モノテルペン: ボルネオール(=リンデロール)
セスキテルペン: リンデラン、リンデレン、リンデラクトン、リンデネノンなど
アルカロイド: ディセントリン、ラウロリストシンなど
主な薬効
芳香性健胃、鎮痛
代表的処方
漢方では、芳香健胃整腸薬、月経時の止痛に用いる。
【 弓 帰 調 血 飲】
キュウキチョウケツイン
体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。: 月経不順、産後
の神経症・体力低下
(処方内容) 当帰/地黄/川 /白朮/茯苓/陳皮/烏薬/大棗/香附子/甘草/牡丹皮/益母草/
弓
乾姜/生姜
【烏 薬 順 気 散 】
ウヤクジュンキサン
体力中等度のものの次の諸症: しびれ 、筋力の低下、四肢の痛み、肩こり
(処方内容) 麻黄/陳皮/烏薬/川 /白疆蚕/枳殻/白 /甘草/桔梗/乾姜/生姜/大棗
止
弓
【烏 苓 通 気 散 】
ウレイツウキサン、ウリョウツウキサン
下腹部の痛み、乳腺の痛みに用いる
(処方内容) 烏薬/当帰/芍薬/香附子/山査子/陳皮/茯苓/白朮/檳榔子/延胡索/沢瀉/木香/
甘草/生姜
※参考文献:「生薬単」「日本薬局方」「中薬大辞典」「牧野和漢薬草大図鑑」「和漢薬の事典」
「漢方のくすりの事典」「家庭の民間薬・漢方薬」「日本薬草全書」「一般用漢方製剤承認基準」
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