12. 協力体制 - 長崎大学教育学部

12. 協力体制
○協力体制表
No.
所属・職名
備考
1
長崎大学教育学部附属小学校
校長・安部和隆
2
長崎大学教育学部附属中学校
校長・ 森浩司
3
長崎大学教育学部附属小学校
特別支援コーディネーター・高田敦
4
長崎大学教育学部附属中学校
特別支援コーディネーター・森小夜子
5
長崎大学教育学部附属特別支援学校
6
長崎大学教育学部附属幼稚園
7
長崎県教育庁(教育委員会)特別支援教育室
8
長崎県教育庁(教育委員会)義務教育課
9
長崎県教育センター
10
長崎市教育委員会
長崎市教育研究所
係長・五十嵐大輔
11
長崎市教育委員会
長崎市教育研究所
指導主事・柴田心
12
発達障害支援アドバイザー・田口眞弓
13
長崎大学教育学部
特別支援コーディネーター・濱田裕子
特別支援コーディネーター・下川めぐみ
係長・笹山龍太郎
指導主事・廣瀬忠義
係長・川波寿雄
アドバイザーの統括
支援チーム(指導助言)
教授・平田勝政
専門:障害児教育学
支援チーム(事業総括)
14
長崎大学教育学部
教授
鈴木保巳(副学部長:附属校園担当)
専門:障害児生理学
支援チーム(小集団担当)
15
長崎大学教育学部
教授
専門:障害児心理学
吉田ゆり
資格:臨床心理士、臨床発達
心理士、保育士
支援チーム(保護者相談等)
16
長崎大学教育学部
准教授
専門:教育心理学
内野成美
資格:臨床心理士、学校心理
士、特別支援教育士
支援チーム(個別担当)
17
長崎大学教育学部
准教授
高橋甲介
専門:障害児心理学
支援チーム(理解教育担当)
18
長崎大学教育学部
准教授
石川衣紀
専門:障害児教育学
支援チーム(授業改善担当)
実務家教員(県教委派遣:特
19
長崎大学教育学部
准教授
西川崇
別支援学校教諭)
資格:臨床発達心理士、学校
心理士、特別支援教育士
*太字内は大学支援チーム(支援ラボスタッフ)を示す。
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長崎県の課題と現状及び本事業への期待
長崎県教育庁特別支援教育室
係長
笹山
龍太郎
① 長崎県の現状と課題
本県においては、平成 23 年 10 月に「長崎県特別支援教育推進基本計画」を策定し、全
県的、中・長期的視点に立って、計画的に特別支援教育を推進している。その中で、小・中
学校等の教職員を対象に、
「特別支援教育スキルアップ研修」等を実施し、発達障害等のあ
る特別な配慮が必要な児童生徒への支援の充実を図っている。また、インクルーシブ教育シ
ステム構築に向けた国の動向を踏まえながら、特別な配慮が必要な子ども及びその保護者
に対し、市町教育委員会、関係機関と連携を図りながら、早期からの継続的な教育相談・支
援体制の整備を図っているところである。
このような状況の中、特別支援教育へのニーズは高まり、小・中学校の特別支援学級、通
級指導教室の在籍児童生徒数は年々増加しており、そこで学ぶ児童生徒の障害の重度・重複
化、多様化が進んでいる。また、通常学級に在籍する発達障害等の特別な配慮を要する児童
生徒への理解は高まっているものの、個別の教育支援計画等の作成・活用による教職員の共
通理解のもとの適切な指導や、確実な引継ぎによる支援が十分になされておらず、学習面や
行動面で不適応を示す児童生徒も見受けられる。今後、通常学級、通級指導教室、特別支援
学級の全ての教育の場において、児童生徒の実態に応じた適切な指導及び必要な支援が展
開されるよう教職員の特別支援教育に関する専門性の向上を図ることが重要な課題である
と考える。
② 本事業への期待
本事業の内容である、学習面や行動面で何らかの困難を示す児童生徒の学校生活への不
適応を防ぐための指導方法、早期支援のあり方についての実践的な研究は、本県が掲げる課
題にも対応するものである。長崎大学教育学部には研究機関として、長崎大学教育学部附属
学校にはモデル校として、特に下記の 3 点の取組について、県内の小・中学校等への発信を
期待する。
1) 予防的または早期対応のためのシステムづくり
本事業が取り入れている米国の教育介入に対する応答(RTI:Response to Intervention)
モデルは、県内の小・中学校等においても学校全体で取り組む特別支援教育体制を構築する
ためには重要である。第 1 段階:通常学級全体での支援→第 2 段階:小グループでの支援
→第 3 段階:個別の指導と移行していく支援体制は、発達障害等のある児童生徒の不適応
の予防と早期対応につながる取組であることを明らかにしていただきたい。
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2) 根拠に基づく個別支援プログラムによる取組
対象となる児童生徒に対して作成している個別支援プログラムは、大学の支援チームの
助言等により、根拠に基づく(evidence based)支援プログラムとなっている。発達検査等に
基づくアセスメントや応用行動分析等による個別支援は、県内の小・中学校等においても個
別の教育支援計画等の作成・活用に必要な視点であり、根拠に基づく支援の大切さを提言す
るものである。
3) 放課後補充指導等の取組
放課後、教育学部の支援ラボで行われている学習支援等は、教育課程外ではあるが、その
取組や効果は県内の小・中学校で行われている通級による指導や、取り出しの指導に多くの
示唆を与えるものである。視覚的・聴覚的な刺激の軽減等の配慮による指導にとどまること
なく、対象となる児童生徒の長所を生かす指導や優れた能力を伸ばす指導を展開し、その効
果を広く発信していただきたい。
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長崎県の現状と課題及び本事業への期待
長崎県教育センター 教科・経営研修課
特別支援教育研修班
係 長
川波
寿雄
小学校や中学校において発達障害の可能性のある児童生徒の支援について、当教育セン
ターの事業である「教育支援ネットワーキング事業(※1)
」の取組の中で、
「長崎県教育セ
ンターの指導主事が、直接、園や学校まで出向く「巡回支援(訪問支援)※以下『訪問支援』
と記す」から、現状や課題、本事業に期待することを述べます。
① 現状
長崎県教育センターが実施する「訪問支援」は、特定の児童生徒や、同一校から複数回の
依頼があった場合、近年、十分な検討の上で実施を決定しています。表1のように、
「訪問
支援」における児童生徒数と学校数との数の差が小さくなっていることから、一度訪問した
学校では、校内における支援体制等工夫して行っていることによるものではないかと思わ
れます。
発達障害の可能性のある児童生徒の指導・支援について、
「訪問支援」の助言に頼るだけ
でなく、学校が創意工夫しながら指導力を高めて欲しいと考えています。
表1
「訪問支援」における、県内小学校・中学校の対応児童生徒数と学校数
H21
H22
H23
H24
H25
人数
学校数
人数
学校数
人数
学校数
人数
学校数
人数
学校数
小学校
115
62
123
61
72
40
77
44
88
80
中学校
30
16
28
16
30
16
21
10
20
20
② 課題
1) 特定の発達障害の可能性のある児童生徒に対する指導・支援について、
「訪問支援」
で受けた助言等を、担任、担当する教職員や特別支援教育コーディネーターだけではな
く、他の教職員と共有し指導・支援に活かすこと
2) 特定の発達障害の可能性のある児童生徒に対する指導・支援について、
「訪問支援」
で受けた助言等を、他の児童生徒への指導・支援に活かすこと
3) 1)2)を通して、学校組織として発達障害の可能性のある子どもへの指導・支援力
を高めていくこと
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③ 本事業への期待
支援ラボの成果を学校にフィードバックし、学校での支援に活かす場合、より多くの教職
員で成果を共有する方法や、より多くの児童生徒の支援に活かす方法など、学校組織として
の指導・支援力を高めていくポイント等を示して欲しいと思います。そのために、キーパー
ソンとなる特別支援教育コーディネーターや発達支援アドバイザー、合理的配慮支援員の
役割や身に付けるべき資質や能力ついても具体的課題を明らかに提示して欲しいと思いま
す。
(※1) 長崎県教育センターが発達障害のある子ども等への教育支援の拠点となり、各学校(園)の取
組を支えるという視点から、学習や行動上特別な配慮が必要であると思われる幼児児童生徒につ
いての教育相談を受け、どのような指導や支援を行っていけばよいのかについて助言や援助を行
うもの。
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