究極の計算&仕訳集 日商簿記1級 改正対応レジュメ

2015 年 4 月 10 日現在
究極の計算&仕訳集 日商簿記1級
改正対応レジュメ
5678
平成 27 年6月試験より、連結財務諸表に関する会計基準の改正にともない、本書において下記のとおり、
改正点がございます。
恐れ入りますが、本改正レジュメをご確認の上、ご利用いただきますようお願い申し上げます。
TAC出版
1.表示科目の変更
子会社の株主のうち、親会社以外の株主を、従来は「少数株主」として表示していましたが、改正後は
「非支配株主」と表示します。これにともない、下記のように表示科目が変更されます。
改正前
改正後
関連問題
少数株主
少数株主持分
少数株主持分当期首残高
少数株主持分当期変動額
少数株主持分比率
少数株主負担額
非支配株主
非支配株主持分
非支配株主持分当期首残高
非支配株主持分当期変動額
非支配株主持分比率
非支配株主負担額
160 ~ 164 、 ポ イ ン ト ( P
268,269)、165、166、168、
169、171、173、176、178~
183
少数株主損益
非支配株主に帰属する当期純利益
163 、 ポ イ ン ト ( P
268,269)、166、171、173、
176、178~183
2.子会社の一部売却(Q167)
子会社株式の一部を売却したときには、売却した株式の分だけ、親会社の持分を減らし、非支配株主持分
を増やします。そして、この親会社の持分の減少額と売却価額の差額は「資本剰余金」とします。
Q167
以下について、当期(×1年4月1日から×2年3月 31 日まで)の連結修正仕訳を示しなさい。
P社は×1 年3月 31 日にS社の発行済議決権株式の 80%を 8,000 円で取得したことにより支配を獲
得した。P社は×2 年3月 31 日(当期末)に所有するS社株式の4分の1(20%)を 2,500 円で売
却し,500 円の子会社株式売却益を計上した。なお,評価差額に対する税効果会計および資本剰余金か
ら控除する法人税等の計算にあたっては法定実効税率を 40%とし,のれんは計上年度の翌年から 10 年
間の均等償却を行う。なお,会計期間は3月 31 日を決算日とする 1 年である。
(資料1)×1 年3月 31 日現在におけるS社の財政状態
諸資産
諸負債
資本金
利益剰余金
18,500 円
10,000 円
5,000 円
3,500 円
×1 年3月 31 日現在のS社諸資産の時価は 20,000 円,諸負債の時価は 10,500 円である。
(資料2)
×2年 3 月 31 日現在におけるS社の純資産は、資本金 5,000 円、利益剰余金 5,000 円である。なお、
S社は当期に 1,500 円の当期純利益を計上し、剰余金の配当および処分は行われていない。
A167
1.開始仕訳(×1 年3月 31 日⇒支配獲得日における連結修正仕訳)
① 子会社(S社)資産・負債の評価
(*1)
(諸
資
産)
1,500
(諸
負
債)
(繰 延 税 金 負 債)
(評 価 差 額)
(*1)20,000 円-18,500 円=1,500 円
(*2)10,500 円-10,000 円=500 円 ∴評価差額 1,000
(*2)
(*3)
(*4)
500
400
600
(*3)1,000 円×40%=400 円
(*4)1,000 円-400 円=600 円
② 投資と資本の相殺消去
(資本金当期首残高)
5,000
(S 社 株 式)
(利益剰余金当期首残高)
3,500
(非支配株主持分当期首残高)
(評 価 差 額)
600
(*1)
(の
れ
ん)
720
(*1)(5,000 円+3,500 円+600 円)×80%=7,280 円〈P社持分〉
9,100 円〈S社資本〉
8,000 円〈S社株式〉-7,280 円〈P社持分〉=720 円〈のれん〉
(*2)(5,000 円+3,500 円+600 円)×20%=1,820 円〈非支配株主持分〉
9,100 円〈S社資本〉
8,000
1,820
2.期中仕訳(×1 年4月1日から×2 年3月 31 日まで)
① のれんの償却
(*)
(の れ ん 償 却 額)
72
(の
れ
ん)
72
(*)720 円÷10 年=72 円
② 当期純利益の振替え(一部売却前の割合で振り替える)
(非支配株主に帰属
(*)
300
(非支配株主持分当期変動額)
300
する当期純利益)
(*)1,500 円×20%=300 円
③ 子会社株式一部売却の修正
(*1)
(*3)
(S 社 株 式)
2,000
(非支配株主持分当期変動額)
2,120
(*2)
(*4)
(子会社株式売却益)
500
(資本剰余金持分変動 )
380
(*5)
(資本剰余金持分変動 )
152
(法 人 税 等)
152
(*1)8,000 円×1/4=2,000 円〈売却株式の原価〉
(*2)2,500 円〈売却価額〉-2,000 円〈売却株式の原価〉=500 円〈子会社株式売却益〉
(*3)(5,000 円+5,000 円+600 円)×20%=2,120 円〈売却持分〉
10,600 円〈S社資本〉
(*4)2,500 円〈売却価額〉-2,120 円〈売却持分〉=380 円〈持分変動による差額=資本剰余金
の増加〉
(*5)380 円×40%=152 円〈資本剰余金から控除する法人税等〉
(注)一部売却による持分の変動額は、連結株主資本等変動計算書において「資本剰余金」に対する「非
支配株主との取引に係る親会社の持分変動」として記載するが、この仕訳では、学習の便宜上、「資
本剰余金持分変動」としている。
3.その他の変更箇所
番号
修正箇所
改正前
●財務諸表上では、当期純利益に
その他の包括利益の内訳科目を加
減して、包括利益を表示する。
158
ポイント
※1つ目を差替え。2つ目は削除
166
(2)③
持分変動損益
169
1番目の仕訳貸方3行目と
3番目の仕訳貸方2行目
*6〈
持分変動損益
仕訳借方2行目
〉内
のれん
改正後
80
50
資本剰余金持分変動
80
資本剰余金持分変動
50
持分変動額
以上