ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp/ MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2015年6月23日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年6月11日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳 (要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。 英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 しょうせき ノバルティス、爪および 掌 蹠 の乾癬に対する「コセンティクス®」の 有効性を示す新規データを世界皮膚科学会で発表 • 「コセンティクス」(セクキヌマブ)は、難治性の爪および掌蹠の乾癬の患者さんに 対してプラセボより優れているとする主要評価項目を達成1,2 • 「コセンティクス」を16週間投与した中等症から重症の掌蹠の乾癬患者さんのうち3 しゅしょう 分の1が、 手 掌 および足底の皮膚症状の「寛解」または「ほぼ寛解」を達成し、爪の 症状はほぼ半減1,2 E A P • 「コセンティクス」は、それら部位の乾癬に有効性を示す最初に承認されたIL-17A阻 害薬である。今回の臨床試験の結果は、それら部位の乾癬に対する結果の中でも確実 なもの 2015年6月11日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、本日、「コセンティクス®」(一 般名:セクキヌマブ、以下「コセンティクス」)が、いずれも治療が難しい部位である手 掌*、足底および爪の乾癬の患者さんに対して、2つの臨床試験でプラセボより優れた有効 性を示し、主要評価項目を達成したことを発表しました1,2。試験結果の詳細は、カナダの バ ン ク ー バ ー で 開 催 さ れ た 第 23 回 世 界 皮 膚 科 学 会 ( WCD : World Congress of Dermatology)で初めて発表されました。 P P P P P P 中等症から重症の掌蹠**の乾癬の患者さんを対象としたGESTURE試験では、投与16週目の 手掌および足底の皮膚症状の「寛解」または「ほぼ寛解」の達成率をPalmoplantar Investigator's Global Assessmentにより評価したところ、「コセンティクス」(300 mg)は プラセボに対し優越性を示しました(33.3%対1.5%、p<0.0001)1。同様に、顕著な爪の 乾癬の患者さんを対象とするTRANSFIGURE試験で「コセンティクス」(300 mg)は、 Nail Psoriasis Severity Index(NAPSI)をベースラインと16週目を比較した平均改善度(低 下率)が、プラセボより優れていました(−45.3%対−10.8%、p<0.0001)2。両試験での 「コセンティクス」の安全性プロファイルは、以前報告された第III相臨床試験のものと同 程度でした1-3。 ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン (Vasant Narasimhan)は次のように述べています。「これらの試験は、有効な治療手段 への満たされていないニーズが依然として存在する、手掌、足底および爪の乾癬の患者さ んを対象に実薬とプラセボを前向きに比較検討した最大規模の臨床試験です。これらの結 果から、『コセンティクス』が最も治療が難しいタイプの乾癬の患者さんに対する新しい 標準療法となる証拠がまたひとつ増えました」。 1/3 乾癬の患者さん全体の90%もの方が一生のいずれかの時点で、手掌、足底および爪に乾癬 の症状が発現すると推定されますが、これらの部位は治療が極めて困難で、多くの場合、 症状を管理するには生物学的製剤(細胞が作り出す蛋白質を元にした製剤)による治療が 必要となります4-6。こうした部位に乾癬が発現した患者さんは、身体の他の部位に限局し た乾癬の患者さんより極めて大きな身体的障害に耐えています4,5。患者さんは、歩行困難、 強い灼熱感、ものを掴んだり扱ったりしづらい、皮膚の痛み、リクリエーション活動への 参加や社会・職場での意思疎通の困難を経験することがあります4,5。また、爪の乾癬は、 乾癬の重要な併存疾患である関節症性乾癬の重要な予測因子です7。 「コセンティクス」は、中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認された初めてか つ唯一のインターロイキン-17A(IL-17A)阻害薬です。本剤は2014年12月に世界に先駆 けて日本で承認され、その後2015年1月に米国およびEUで承認を取得し、オーストラリア、 カナダ、チリ、シンガポール、スイスでも承認されました。 GESTURE試験およびTRANSFIGURE試験について GESTURE試験は中等症から重症の掌蹠の乾癬に対する生物学的製剤の試験の中で、対象 例数が最も多く(205例)、投与期間が最も長い(132週間)試験です。また、GESTURE 試験は乾癬を対象とする試験で過小評価されていた患者集団を対象にした研究で、重要な 成績を示しました1, 8-10。 TRANSFIGURE試験は、これまで報告された試験の中で、顕著な爪の乾癬を伴う中等症か ら重症の尋常性乾癬に対して生物学的製剤を投与した最も大規模(198例)かつ長期(投 与期間は132週間)にわたる無作為化コントロール試験です2,11。 なお、日本はいずれの試験にも参加していません。 「コセンティクス」(セクキヌマブ)およびIL-17Aについて 「コセンティクス」は、IL-17Aを選択的に中和するヒト型モノクローナル抗体です12,13。 「コセンティクス」は、乾癬に罹患した皮膚に高濃度に認められる蛋白質であるIL-17Aの 作用を阻害することで効果を発揮します12-14。「コセンティクス」は第III相臨床試験では、 良好な安全性プロファイルを示し、「コセンティクス」投与群(300 mgと150 mg)間の 有害事象の発現率と重症度は同程度でした3。 2015年1月、「コセンティクス」(300 mg)は、中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者 さんに対する全身療法の第一選択薬として欧州で承認され、全身療法または光線療法の適 応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんに対する治療薬として米国で承認さ れた最初で唯一のIL-17A阻害薬となりました。EUおよび米国に加え、「コセンティクス」 はスイス、チリ、オーストラリア、カナダ、シンガポールでも中等症から重症の尋常性乾 癬に対する治療薬として承認されており、日本では2014年12月に中等症から重症の尋常性 乾癬と活動性乾癬性関節炎(PsA)に対する治療薬として治療薬として承認され、2015年2 月27日に新発売いたしました。 セクキヌマブは、海外では乾癬性関節炎(PsA)および強直性脊椎炎(AS)に対する治療 薬としても第III相臨床試験が実施されており、各国規制当局への承認申請は2015年に計画 されています。 乾癬について 乾癬は、プラーク(局面)と呼ばれる厚くて広範囲に及ぶ皮膚病変を特徴とする慢性の免 疫性疾患であり、かゆみ、鱗屑のはがれ、痛みの原因となることが知られています。乾癬 は、身体的・心理的な生活の質の著しい低下を招きます15-17。世界の人口のほぼ3%に当た 2/3 る1億2500万人以上が乾癬に罹患しています18。 一般的でかつ苦痛を伴うこの疾患は、単に美容上の問題ではなく、極めて軽症の症状であ っても患者さんの日常生活に影響を及ぼします17。2003年~2011年に米国国立乾癬財団 (NPF:National Psoriasis Foundation)が5600例の乾癬患者さんを対象に実施した調査に よれば、軽症、中等症、および重症の乾癬の患者さんのうち52%が自身の治療に満足して いませんでした19。調査した患者さんのうち、9.4%~49.2%は治療を受けておらず、10.2% ~55.5%は不十分な治療しか受けていませんでした19。 * ** 手掌:手のひら 掌蹠:手のひらと足の裏 免責事項 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その 内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、 ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 ノバルティスについて ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼 科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅 広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2014年の売上高は580 億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。スイ ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約120,000人の社員を擁しており、世界150カ 国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧くださ い。http://www.novartis.com/ 参考文献 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 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