年間やってこられたのは、口さんに刺激をもらったから優勝された頃です。ニュースや雑誌でご活躍は知っていましたが、縁があり石川県の七尾に帰る途中、六日町の私の店に来て下さったんです。辻口　そうでしたね。北陸新幹線が開通したら金沢には行きやすくなりますし、佐藤さんのところにもまち上げる前でしたが、なかなかゆっね。あの頃私は八海醸造さんとはお佐藤　何年か前に八海醸造さんの酒蔵に来て頂いたことがありましたた是非行きたいですね。くり話す機会もなく今回の対談でお付合いも深くなかったのですが、４佐藤初めてお会いしたのは年ぐらい前﹁モンサンクレール﹂を起会い出来ればと思って指名させて頂年前に八海醸造さんが運営する﹁魚今回是非辻口さんとお話ししたいと沼の里﹂内にお店を立ち上げました。す。レールを起ち上げ、その後も次々ときました。辻口さんとの出会いは私辻口　雇われシェフで﹁ロートンヌ﹂にいた時ですね。いかれる姿を見て、すごいなといつ洋菓子屋を始めて去年で丁度年でも感心していました。と同時に私がさんから刺激を受けてお菓子作りをの出会いが大きな転機でした。辻口すが、その中で年前の辻口さんとド・モンド﹂に及川太平さんと花口 20 庄太郎さんと出場して飴細工部門でいろんな事を手掛けて大きくなって思ったのは、辻口さんがモンサンク佐藤　ロートンヌさんのシェフ・パティシエをされていて、﹁クープ・にとってものすごく大きかったんで 20 辻口　こちらこそご無沙汰しております。佐藤　お忙しいところ時間を頂きましてありがとうございます。 30 お菓子を通して世界平和を “スイーツ育” を全国展開 30 口　博啓氏（株式会社アーシュ・ツジグチ代表取締役） 2015． 4 ●月刊公論　40 虐待やいじめが大きな社会問題にまでなっている。﹁いや、しかし　﹂と辻口さん。世界じゅうの子供たちにスイーツを通して親や友人との絆を創る。それが辻口さんのライフワークでもあり、夢だ。最終的にお菓子で家族が、世界が幸せになる。そんな世の辻口モンサンクレールの起ち上げの時には、シュクレさんからお手めて考えるきっかけになりました。店をやっていきたいかと言う事を改見直すというか、自分はどういうおんでした。ひとつひとつの積み重ねそれをどう表現するかしかありませい、裸一貫で東京に出て来て﹁生きアルバイトで稼いだお金で布団を買で構築したわけではなく、いろんなています。現在のスタイルはひとりりで３０００万円の借金を背負って、ルを構築出来た大きな要因だと思っ中にしたい。スイーツをつくるのではない、愛を創るのです　と。伝いに来て頂き、ありがとうございが、今の﹁踏ん張る力﹂になっている﹂と言う事がひとつのテーマで、ました。ると思います。佐藤手伝いに行った彼女にとってもすごく勉強になったと思います。佐藤　ＮＨＫの朝の連続テレビ小説で監修をされていると聞いていま辻口　そう言って頂けると私も嬉しいですね。モンサンクレールを起のお菓子の指標になっています。なりました。そして今でも自分の店菓子が自分にとってひとつの目標に身近に感じられ、辻口さんの作るおて来られ、ドラマに出てくるお菓子シエ物語﹂と言う書籍を読んで訪ねいています。プロデューサーの方が、辻口　３月日から半年間放映される﹃まれ﹄の製菓指導をさせて頂すが？私もモンサンクレールというお店がち上げてから年ですから、佐藤さ私の半生を描いた﹁スーパーパティ未知の世界ですが、それを新潟でやィアの方々が私自身の軌跡に興味を指導という形でやっています。メデのデザインや役者さんの所作を製菓られているというのは本当に素晴ら 41　●月刊公論 2015． 4 30 持って下さった事も、自分のスタイんの年にはまだまだ届きませんし 17 しいと改めて感じました。私も手探 30 佐藤　浩一氏（株式会社BLANC DE BLANCS代表取締役）発表会の時に、辻口さんがお嬢さんと手をつないでいる写真を雑誌で見て、﹁大きくなったなぁ﹂と嬉しくなりました。辻口　今は中学２年で、手足も長く身長も母親を超えました。佐藤　辻口さんに似て大きくなりそうですね。お菓子づくりも好きですか？。辻口　お菓子づくりは結構好きで、バレンタインデーにチョコレートとか作ってますよ。方々から刺激を受けてきたと感じて辻口　そうですか、モンサンクレール起ち上げの時の写真を使って頂いかなければいけないですね。も連絡する様にと言っている程です辻口　私は仕事が全てなので、自分のスタッフにも何かあればいつで一緒に作れたのは、仕事抜きで楽し娘がプレゼントするチョコレートを佐藤私も娘とは、そういう思い出が沢山あります。歳になって今いますし、佐藤さんが私との出会いいたんですか。出会いと言うのは大まって頂き、周年のパーティーを佐藤　去年、問屋さんやお世話になった方、応援してくれた仲間に集に前向きなイメージを持って下さっ（辻口　博啓）つじぐち　ひろのぶた事は非常に嬉しいですね。なりますよね（笑）。 1967年石川県生れ。1990年﹁全国洋菓子技術コンクール﹂最年少記録（23歳）で優勝。1998年自由が丘にパティスリー﹁モンサンクレール﹂オープン。﹁クープ・ド・モンド﹂をはじめ世界大会に日本代表として出場し、数々の優勝経験を持つ。2013年、2014 年と２年連続で、﹁サロン・デュ・ショコラ・パリ﹂で発表されるショコラ品評会において、最高評価﹁５タブレット﹂を獲得。モンサンクレールをはじめ、コンセプトの異なる12ブランドを展開。近年は砂糖不使用のチョコレート﹁ショコラユニバース﹂を開発、健康を考慮したスイーツづくりに注力する。お菓子教室﹁SUPER SWEETS SCHOOL自由が丘校﹂後進育成のための﹁スーパースイーツ製菓専門学校﹂（石川県）両校の校長を務める。一般社団法人日本スイーツ協会代表理事を務め、スイーツを日本の文化にすべく、﹁スイーツ検定﹂など実施。石川県観光大使。三重県観光大使。金沢大学非常勤講師。産業能率大学客員教授。開きしました。その時私の道のりををやられているのを見て、現在自分は家内のサポートのお陰と感謝して店をずっと切り盛りして来られたの合、本拠は田舎ですし、ひとつのおす。追っかけみたいな感じです（笑）。するのは難しいと思います。私の場もチョコレートの試作を重ねていまいます。でも、いろんな展開をして毎日作っているわけですが、その何単純作業を繰り返しながらお菓子をていますよね。朝起きて仕事をする、当たり前の事を当たり前に繰り返しなって感じる事は、我々は基本的に、んな想いも含めて、私が今この年にいい思い出になると思いますよ。そい時間でした。映像にまとめて披露させて頂きまし辻口　ええっ、ブログも読んで下さってるんですか？。いくには、夫婦というのは難しい部から、そう言う意味では家庭に向かたが、辻口さんがモンサンクレール佐藤　スタッフが﹁今フランスに行ってます﹂﹁辻口さん、韓国のお切にしたいですね。を起ち上げられた時の写真も映像の店どうなんでしょうね？﹂とか、教気ない日常の中にこそ、全てが隠さない男だと思いますね（笑）。辻口　娘さんにとっても、あの時お父さんに教えてもらって渡したチ佐藤　冗談抜きでよくわかります。ョコレートと言うプロセスがとてもパティシエって、時間、常にお菓いていなかったかも知れません。ベ分もありますよね。何かの展示会かとの出会いがなかったら、年も続 30 中で使わせて頂きました。辻口さんースは変わらないけれど店のスタイえてくれて辻口さんの動向に詳しく佐藤　常に辻口さんの姿勢や動向を見習って、例えばショコラティエは東京に住んでいますが、子供の頃 26 ルや我々の仕事はどんどん進化して 30 子の事だけを考える人でないと成功 24 2015． 4 ●月刊公論　42 もの﹂に変えていくという事がとて当たり前の事を﹁当たり前ではないくりを教えるのは当たり前ですが、なりました。お菓子教室でお菓子づれているのではないかと思うように異端児だとは思ってはいないんです。いう意味では、はかり知れない経済や嫉みもありますが、私自身は特にィアに露出するんだ﹂等という妬みます。ある意味﹁何故そこまでメデ理解出来る人が少ないのだとも思いいかと思いますし、私自身の感覚を辻口そう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございます。そう大きいです。みたい﹂と思う若者が増えた功績はか﹁洋菓子の世界で夢を追いかけてる﹂とか﹁メディアばかりだ﹂とか詰めれば突き詰める程﹁変わってい辻口本当にそうなんです。実際に私は誰かを攻撃した事は一度もあ思います。で世界のチャンピオンにもなられた佐藤　私もそう感じます。でも、辻口さんは当然ながら日本のトップると面白くないと思われがちなとこ沢山いますし、そういう人達からす商売をしている以上、当然商売敵はを自身で立ち上げました。２０１１年に﹁日本スイーツ協会﹂ャレンジすることが大事ですから、んです。それでも何か新しい事にチ効果を供給しているとは思いますが、言われてしまう結果になってしまうりません。ただ自分の世界観を突きも大事だと常々思っています。方で、パティシエという職業をこれろはあるのかも知れませんね。﹁異端児﹂と呼ばれる男がだけメジャーにし、日の当たる所に労者はいらっしゃるでしょうが、辻佐藤　例えばどんなところですか。口さんの存在はすごく大きいと思いてくれるお客さんに如何に喜んでも底には﹁お菓子を通じて、お店に来日本の洋菓子業界を変える辻口　私はお菓子業界ではかなり異端児的な見方をされていると認識出してくれたのですから、他にも功ます。例えば﹁パティシエを目指し佐藤　日本スイーツ協会には、会員は何人ぐらいいるんですか。﹁スイーツ育﹂のススメお菓子づくりを通じて人を育てるしています。佐藤でも、攻撃をしているわけじゃなく、多分辻口さんの考えの根辻口　わりと単独行動で、自己主張がはっきりしていて、やる事が変らうか﹂という事が常にあるんだと辻口　現在約７００人です。日本スイーツ協会では﹁スイーツ検定﹂を主催し、合格者には﹁スイーツコンシェルジュ﹂と言う称号を与えています。そのスイーツコンシェルジュが約７００人です。協会では今後、たいと思っています。﹁スイーツ育﹂にも取り組んで行き佐藤　スイーツ育、ですか？。辻口　﹁何気ないお菓子教室﹂の中に﹁これこそが正に、私自身のスイーツ育だ﹂と言うものを発見したんです。誰かにビジネスを学んだわ 43　●月刊公論 2015． 4 たい﹂﹁ケーキ職人ってすごい﹂と（佐藤　浩一）さとう　こういちわっているという風に映るのではな 1960年新潟県南魚沼市生まれ。高校卒業後、東京の洋菓子店に就職、神奈川県横浜市﹁ボン・トクサ﹂、神奈川県相模原市﹁マロン洋菓子店﹂にて、洋菓子・パンの修業。 1984年、新潟県南魚沼市にて独立。修業時代に身につけた技術、忍耐力をもとに﹁パティスリー・シュクレ﹂をOPEN、幾度の店舗改装を経て、昨年創業30周年を迎える。 2011年新潟県南魚沼市で八海醸造株式会社が運営する﹁魚沼の里﹂にバウムクーヘンと和菓子の﹁菓子処さとや﹂をOPEN。2013年﹁魚沼の里﹂に株式会社BLANC DE BLANCSを設立。菓子工房を新設し、八海醸造の直営店﹁千年こうじや﹂等、販路を広げる。い世の中になるためには、スイーツいますし、日本が、世界が、よりよ位を判断する力がないと成功は難しす。何故かと言うと、瞬時に優先順辻口　段取りを間違えると人生の中で成功出来ないと思っているんで佐藤お菓子作りの中でも段取りは重要ですね。番大事だと思っています。りです。段取りは世の中において一がありますよね。そして重要な段取ムを作った時の菌の発生等の衛生学作っていかなきゃいけないと主張しは日常の中に沢山ありますし、親がんです。そういうシチュエーションだよ﹄と言える子供を育てて欲しいね、これ！ ○○くんが作ったの？﹂と訊かれた時に、胸を張って﹃そうった人が包みを開けて﹁わあ、凄いんや、おばあちゃん、友達でもいい菓子をラッピングして、おじいちゃに教えます。最終的には、子供がお彩学でもある一連の事を親御さん達素材が手に入ったら、次は計量、つけではなく、全てテーブルの上からの力を持ってしないと成し得ないといです。尚かつ、自分の中で瞬時にています。それが正に私が考えるス辻口この素材を揃えた時の優先順位はどうなるのかを常に考えさせ学びました。全く形のないものを形さえ思う様になりました。私自身、優先順位を判断したら、その優先順イーツ育です。ユーキャンという会る、そういう子供を創っていかなけにしていくというお菓子作りのプロモノ造りの前に人創りだと思ってい位に対してしっかりとコミュニケー社がこの取り組みに興味を持ってくまり計算です。材料が全部揃って計セスに自分の人生の縮図を感じて自ますが、人創りをするためには生まションしていく力も必要です。組織れて、今年の４月からユーキャンと量が終わったら、手洗い衛生です。分の事業を始めたのです。主婦の方れた時から発育段階において親が子を動かす時には優先順位を伝えてい組んで全国展開して行く事になりまればなりません。優先順位をしっかやいろんな方達に何気なくお菓子づ供をちゃんと指導出来なければいいく力が大事だと思っています。ジェした。何気ない日常の中で、何気な手を洗う事の大切さ、爪の中までちくりを教えていて﹁これはただお菓国は出来ません。と言う事は、親をノワーズの生地を作るとしますね、り把握した上で物事を起こし、最後子を美味しく作れるように教えるだ変えていかなければいけないし、そもう合わせました、無茶苦茶いい生はフィニッション、造形学であり色けじゃなくて、教育にもきっと反映のためにはスイーツ育なんです。例ゃんと洗う、そして空中落下菌の話していける筈だ﹂とふと気づいて、えば１年か月の間に様々な行事がです。卵を割ってカスタードクリースイーツ育を私の人生のライフワー辻口　スイーツ育が目指すのは、親御さんの教育です。それをしてい佐藤　具体的にはどのようなものですか。の選び方、素材を作ってくれた人達ずそれを確認します。それから素材友人の誕生日、クリスマスとか、まあります。父の日、母の日、家族や佐藤そうそう。どこから最初にやるのって事でしょ。沢山いると思うんです。時に、オーブンに火が入っていない、子供との触れ合いさえ知らない親もしい！﹂と思っていざ焼こうとした地が出来ました、そこで﹁うわ、嬉言う事を明確に示す事が必要だし、い当たり前の事が当たり前であると佐藤子供とどう触れ合っていいの想いを親が子供に教えていきます。ですが、プレゼントをします。もらクのひとつにしようと決めました。「お菓子づくりがきちんと教育に反映できると思いました」と語る辻口博啓さん㊨と佐藤浩一さんかないと結果的に日本は滅んでしま 12 2015． 4 ●月刊公論　44 僕の発想で、これからも広めて行きっかりと教育していこうというのが子供に教えていきます。まず親をし辻口子供との触れ合いの仕方をスイーツを通して親御さんに教え、ていますね。かわからない親御さんも最近は増え間で終わる仕事が１時間分とか１ン能力がないから、連携すれば１時懸命やりますが、コミュニケーショ若いスタッフは、各自の仕事は一生ば本当の意味で育って行きません。親にちゃんと理解してもらわなけれッフに言っている事ですが、それをにお菓子の作り方を教えるだけではています。今の話を聞いて、ただ単沼の里﹂のラボでお菓子教室をやっうとしておられますね。実は私も﹁魚点でお菓子を通じた活動をしていこ辻口さんは、もっとグローバルな視になって欲しい﹂とよく言います。な可能性が出てきますよね。ヴァンンを広い視野で見てみるといろいろ辻口　あれはすごくいい取り組みだと思います。販売というポジショりますね。佐藤　お菓子の販売に関しては﹁全日本ヴァンドゥーズ協会﹂もあはテロリストや過激派による凄惨なと世界平和もあると思います。最近全世界に広げていけばその先にきったいと思っています。日本スイーツミュニケーション能力が養われないく出来る事が多くあるんですが、コこれから担うスイーツ育を、全国に、の中で協力し合えば、もっと効率よ協会のスイーツコンシェルジュ達が環境で育ってきたから厨房の中でもニケーションをとってひとつの流れ時間半かかってしまいます。コミュイーツ協会に入って頂きたいですね。など、もっと具体的に落とし込んでいますし、佐藤さんにも是非日本スという事が本当のスイーツ育だと思辻口　殆どの方はそれに気づかないのですが、そこに気づいてあげるものにしたいと改めて思いました。なくお菓子教室の意味をもっと深いライスの作り方、発送時の処理方法ひとつの商品が出た時のＰＯＰやプ使しながら品物を送っていく方法、いけない範囲はもっと広いと思いまドゥーズという人達が考えなければんだ、この世の中に必要とされてい自分は人に喜びを与えられる人間なす。努力してスイーツを作る事で、子供は豊かに育たないと考えていまさい子供のうちから、自分がこの世くことが大事だろうと思います。小仕様がないし、むしろ教育をしてい報復し合って血で血を洗っていてもそんな事件を世界から無くすには、て欲しい。自分の存在価値は何かとという事を常に感じながら仕事をしんを喜ばせ、誰かを幸せにしている房で﹁自分の作ったお菓子がお客さるというのは感じますね。だから厨佐藤全てではありませんが、そういう時代になってきてしまってい辻口そうですね、他人の痛みを知る事は大事ですね。も知らず育ってきています。喧嘩もせず殴られたら痛いという事いし、関わることを嫌がって当然、頃はゲームに没頭して人と関わらな含めて大切なことだと思っています。いと……。威厳を持って接客をするという事もエの葡萄のバッジではないですが、も再認識して頂きたいです。ソムリ深める以外にも接客に対する大切さを持つ事によって、お菓子の知識をスイーツコンシェルジュという称号ツ育を広めていきたいと思います。って頂いて、将来的にはこのスイー佐藤　私でも入れますか。辻口　勿論です。佐藤さんの様な考え方を持ったパティシエの方に入ところまで意識出来る人間にならなり上げにどれだけ貢献したかというに存在価値があるのか、例えば、売この店の役に立っているのか、どこ成長していく中で、自分がどれだけ佐藤来店されたお客さんに心地よく接客するのは当たり前の事です。すよね。いても正直なところもったいないですよ。例えば、インターネットを駆ニュースを目にしたり耳にしますが、そういうことが起こります。子供のる人間なんだと、子供に明確に伝え問われた時に、誰かの役に立ってい信をつけさせてあげる親がいないとていく事が必要だと思います。その辻口そうですね、接客というものをどう捉え、具体的に真剣に考えます。ただ接客だけの教育をやっていかなければいけない事が沢山ありていきます。そしてそれが世界平和に生を受けてよかった、そういう自に繋がると確信しています。ると自信を持って言えるパティシエ若い頃の不遇と逆境がハングリー精神の原点佐藤　正に普段我々が厨房でスタ 45　●月刊公論 2015． 4 15 ためには、素材に対する知識をもっと深めなければいけません。製造と販売はどうしても時には対立しがちですが、両者の関係をどのように結び付けていくかがひとつの重要課題だと感じていますが、佐藤さんはどう思われますか？。す。商品に対する質問に答えられるくり素材の事まで訊きたい方もいまお客様がどんどん変わってきていまわっていかなきゃいけません。第一いし、人間もついていかなきゃ、変佐藤　現代は全ての展開が速くてそれでも対応していかなきゃいけなフを投げた先輩には逆にありがたいく接してくれた先輩よりペティナイられた事もありましたが、今は優しクや卵、鍋、ペティナイフまで投げったばかりの頃も先輩から牛乳パッいじめられましたね。この業界に入知識が必要ですし、状況を察して﹁発すからね。急いでいる方もいれば、もっとゆっ送も出来ます、箱の種類や詰め合わければ、いいヴァンドゥーズつまりたからには威厳を持たせるような組辻口そのためには、スイーツコンシェルジュに対して、資格を取っ来なかったと思います。の出会いがなければここまで成長出と感謝しています。そういう人達とせも出来ますよ﹂のコミュニケーシプロフェッショナルな販売員とは言ョン能力も必要です。それが出来なえません。織にしなければいけないと思います。佐藤　エネルギーになったんですね。る自分を常に想定しつつ、会社全体た臨機応変さ、縦横無尽に進化出来ものではなく、その場その場に応じの接客はマニュアルに落とし込めるて作り上げるかです。本当の意味で多々あります。その部分を如何にしれ故にクレームに繋がるケースもルにはめ込む程怖い事はなくて、そなケースがありますから、マニュア辻口　そして理想を掲げるだけでは駄目だと思います。やはりいろん指し示していけるだろうと思っていル感を持って様々な教育、方向感は出来上がった時に、いろんなスケーす。このように会員が増えて組織がンシェルジュが増えると考えていま取組みで、年間数千人のスイーツコえていくでしょう。ユーキャンとのいのですが、これからもどんどん増ナリストなど、そういった方々が多ーツのイベンター、スイーツジャーやメーカーの商品開発、ＯＬ、スイてしまうところからのスタートですお店をやめなきゃならない、取られ﹁紅屋﹂さんと言う和菓子屋さんがていますね。おじいさんの代からの佐藤　辻口さんは、洋菓子の世界に入った時からハングリーで始まっじゃないと結局は成し得ませんから。こそ本物になれたと思います。本物どうにか這い上がって来られたからい切り叩かれて、叩かれて、最後に辻口　最初から認められたら天狗になっちゃいますからね。最初、思現在の会員約７００人は、コンビニを俯瞰で見ながら操作していく様にね。辻口さんのエネルギーは、その原点から生まれている様に思います。での失敗や、いろんな意味で皆さん﹁こう教えられたからこうです﹂とが叱咤激励をしてくれたお陰で強く意識づけていかなければいけません。ます。それもこれも、いろんな意味言われても、接客の方法も時代と共なれたとも言えます。の番組の中で親父の話をしたら、そ嶋一茂さんが司会をしていたＮＨＫ 18 佐藤　うちのスタッフもヴァンドゥーズ協会の勉強会に参加させていに変化していますし、機械や流通も佐藤　逆境が現在の辻口さんを創った、と言う事ですか。辻口　私が歳の時に失踪した父親と、歳の時に再会しました。長変わって来ている事があまりにも多いので、それらに対応していかなけ辻口振り返ってみると無茶苦茶 35 ますが、実際に出来ているかというと疑問ですね。人にもよりますが、なかなかうまくいかず臨機応変に対万別で、望んでいる事は異なります。ればいけません。応出来ないんです。お客さんは千差「修行中ペティナイフを投げられたこともありました」と㊨辻口博啓さんと佐藤浩一さん 2015． 4 ●月刊公論　46 と名乗っていると言われ、ピンとき市の紅屋という和菓子屋の社長をしました。しかし親父は、石川県七尾非常に似ている﹂と翌日電話がありた父親がいる﹄というあなたの話と﹃紅屋と言う和菓子屋で、生き別れいない”と言い張っているけれど、患者さんがいて、 “自分に身寄りはら﹁末期がんで病院に運び込まれたれを見た江戸川区役所の職員の方かに寝ていましたし。辻口　おじいちゃん子でした。子供の頃はいつもおじいちゃんと一緒いですね。佐藤　辻口さんにとっては、おじいちゃんもすごく大事な人ですよね。佐藤　今後の海外進出の計画は決まっていますか。た親父にすごく感謝しているんです。一緒にこの業界を盛り上げていきたよかったし、そんな旅をさせてくれし、あの時変な方向にも行かなくてなかったら今こんな想いもしてないたのは親父がいたからで、親父がいいます。だって、この世に生を受けしたと思いますが、親父に感謝してわれました。晩年親父はすごく後悔辻口去年ソウルに出店しましたが、これからはパリでもやりたいでました。私も是非協力したいと思いて、共通するところがあるなと感じ今日、日本スイーツ協会の話を伺っーツ教室で私も実践したいと思いま事が、私のこれからのライフワーク辻口スイーツ検定を受けてスイーツコンシェルジュになって頂いて、であり、夢でもあります。ます。ように頑張ります。お忙しいでしょの子供達に親との絆を創ってあげるを作る事がスイーツ育だし、世界中生きていけると思います。その愛情られた愛情を持っているだけで必ず代は応援団長だったとか、同じです。れ合う時間があれば、その時に与え名前が﹁品川武吉（たけよし）﹂だしょう。やって自分のものにしていくか、結で再現されたんだ﹂と思いましたよ。果は後からついてくると思っていま﹁あ、故郷のお父さんのお店を東京一緒においしい酒、八海山を飲みますし、いろんなことを考えています。うが、是非一度魚沼にも来て頂いてす。辻口さんに出来るだけ近づけるいを、魚沼のラボでやっているスイ佐藤　今日、私は刺激を沢山もらいました。今回伺った辻口さんの想ました。品川は母親の旧姓ですからただ、本当に真剣にこの年をどうていたという話はしていましたが、﹁多分親父だと思います﹂と言って、佐藤　辻口さんが﹁和楽紅屋﹂という和スイーツの店を出された時、すぐ病院に行きました。佐藤　年ぶりの再会ですね。辻口　スイーツコンシェルジュのツアーで魚沼に伺うのもいいですね。ていましたね。ら﹁この野郎﹂って腹立たしく思っら言われるのとでは全然違いますかいましたが、自分で言うのと親戚かていましたし、私も同様に言ってはらいろんな親父の悪口を結構言われ和菓子屋だとか、親が多額の借金をった時から感じていました。実家がますが、境遇は似ていると初めて会ケーキ屋のおやじですごく差がありさんは世界チャンピオン、私は町の佐藤私にとって魚沼の里に出した﹁さとや﹂がそうなんです。辻口という気持ちはありましたね。辻口　紅屋という店を出す事で、祖父や父の想いを形にしてあげたい親に裏切られるよう事になったとしあげたいと思うんですよね。いつか頃に父と母の絆というものを作ってなる世の中にしたいんです。子供の辻口最終的には、世界平和というか、お菓子を通して家族が幸せにあるし頑張っていきたいです。辻口こちらこそありがとうございました。これからも宜しくお願いします。ころ本当にありがとうございました。佐藤　ぜひ企画の候補にあげてください。今後も協力出来るようにおすから、これからの年間を精一杯佐藤　そうなりますよね。わかります。していたとか、いろんな面でハングても、子供のうちに少しでも親と触やっていきたいです。 20 佐藤　私も、ちょっと年はとっていますが、まだまだやりたいことは待ちしています。今日はお忙しいとぶ、とかね。スイーツとお酒のマリアージュを学辻口　親父が退院した時、マンションを用意して住ませたかったんでリーに鍛えられてきたとか、高校時辻口　親父は借金を残していなくなったわけですから、従兄弟連中か 20 すが、﹁援助は一切いらない﹂と言 47　●月刊公論 2015． 4 17