人生に最も大きな影響を与える買い物といえば、 それ は家だ。生活の土台であり、 生涯を通じて大事な財産 となりえるからだ。「そんな大切な買い物だからこそ、 お客さまの人生に想いを馳せ、 真摯に向き合った仕事 にこだわる」。 不動産ベンチャー、ジェイ・プラウド代表 の古川氏はそう話す。独自のスタイルを貫き、 業界 イ それが現実なんです。 ええ。でも、 家を持つことにはさまざまな意味がありま す。人生を豊かに暮らすための安心感、社会 的 信 用やマイホームを持つ満 足 感 。そしてな 「顧客の人生に寄り添う仕事」 を追求する不動産ベンチャー 感動を提供し 誇れる未来を創りたい 代表取締役 実際に不動産業を経験して、どのよう に感じましたか。 ― どのような転機でしたか。 当 時 、私が担 当していたお客さまに、独 立 して不 動 産 販 売 業 を 始めた社 長がおられ、 「 新しい事 業 部を任せたいので、 一緒にやらな いか」と声をかけてもらったんです。新規事業 部 門の立ち上 げにあたり「 物 件の仕 入れを 統括してほしい」という誘いでした。 なにも知らないなかでのスタートでしたか ら、最初はかなり大変でした。ただ新しいこと を経験し、不動産の開発・販売にかんする多 くのことを勉強して自分の知識にしていくの は楽しく、 モチベーションも高かったですね。 ― もともと起業志向があったんですか。 両 親が不 動 産 会 社を経 営しており、将 来 は不動産関連の仕事をしたいと考えていまし たが、強く意識したことはありませんでした。 起業したいという気持ちも、学生時代には漠 然としたままでした。 そして、就職活動をするなかで、企業にお ける人の大事さに気づき、人材系の会社で経 験を積みたいと考え、採用コンサルティング会 社に入 社しました。その後 、会 社の上 司と一 緒に独 立し、採 用コンサルティング会 社の設 立に参画。 スタートアップを経験した後、不動 産業界に入る転機が訪れました。 ― 理想の会社を自らの手でつくり 業界イメージを払しょくしたい によりも、 自分の老後や家族の将来を守るこ と。ですから不動産販売とは、 お客さま一人ひ とりの人生に想いを馳せ、人々の未来を創る 仕 事 。そうした私の不 動 産 哲 学に共 鳴して くれた仲間を集め、 この会社をつくりました。 ジェイ・プラウド 徐々に不 動 産ビジネスの奥 深さを知るよ うになると、業界そのものの体質に疑問を感 じるようになりました。たとえば、顧 客 本 位 の視点を忘れ、売上だけを重視。売って終わ 身長:168 cm 体重:62 kg 平均睡眠時間:6時間 平均起床時間:午前 8時 趣味:マリンスポーツ、 格闘技、 旅行 おススメ本: 『燃えよ剣 』司馬遼太郎 (著 ) 、 『壬生義士伝 』浅田次郎 (著 ) 『永遠の0 』百田尚樹 、 (著 ) 今までに訪れた国:20ヵ国 座右の銘:勇言実行 購読雑誌:ダイヤモンド、 プレジデント、Safari 尊敬する人:両親、 兄 好きな食べ物:肉、 魚、 野菜 嫌いな食べ物:なし 古川 勇太 ふるかわ ゆうた 愛媛県生まれ、神奈川県育ち。2006年に駒澤大学 を卒業し、採用コンサルティング会社に入社。支社 の立て直しなどで実績を上げ、採用コンサルティン グ会社の設立に参画。その後、不動産ベンチャー にヘッドハンティングされ、不動産業界に転じる。 2014年3月にジェイ・プラウド株式会社を設立し、代 表取締役に就任。関東を中心に不動産販売事業 を行い、顧客と一緒にライフプランを考え、提案す る姿勢が支持され急成長している。 な感動があるんですよ。 ね。理 想の物 件に出 会えたときって、 お客さ ま自身はもちろん、販売する私たちにも大き これからも不 動 産 販 売を通じて、 そして、 お客さまと感 動をわかちあっていきたいです 今後のビジョンを聞かせてください。 営 業 拠 点を積 極 的に拡 大させます。その うえで、賃 貸や仲 介 、売 買と事 業 領 域 を 広 げ、総 合 不 動 産 業へと進 化していきます。ま ず 来 期に1拠 点 を 新 設し、 4期 以 降で3拠 点 、5拠 点 と 着 実に拡 大 させる 構 想です 。 それを実 現するため、不 動 産 業 界での経 験 がなくても当 社の考えに共 鳴してくれる人 は積 極 採 用したい。新 たなポストを 若い人 材にどんどん任せ、社員みんなが成長できる フィールドをつくります。 ― 起業したときの想いを教えてください。 不動産という大切なものに携わっているこ とを自覚し、社員みんなが自分の仕事や環境 に誇りがもてる会 社にしたいと考えました。 ジェイ・プラウドという社名に、その想いを込 めたんです。 ビジネスの相手に当社の名前 取引先には、 があることを誇りに感じてもらえ、 お客さま にはジェイ・プラウドから購 入 することを 周 囲の方々に誇っていただけるような存在にな りたい。それが、私たちの目標です。 ― 顧客や取引先、 そして社員が 周囲に誇れる存在に りという販 売 方 法でアフターフォローを考え ない。そんな事例も見聞きしました。 でも私は、真摯にお客さまに向き合うこと が成 果につながると考えていました。そうし た良 質な仕 事の積み重ねこそ 、不 動 産 業 界 のイメージ改 善になるのではないかとも。そ の理想を追求し、実現するには、理想の会社 を自 分で興すしかない。そう決心し、 ジェイ・ プラウドを立ち上げたんです。 経営者 データファイル メージの払しょくにもチャレンジする古川氏に、 起業 への想いや今後のビジョン、 事業戦略などを聞いた。 お客さま一人ひとりの 人生に想いを馳せる ― 御社のポリシーを教えてください。 販売からアフターサポートまでを一貫して行 い、住まいを通じてお客さまと一生のお付き合 いをさせていただくことです。単に不 動 産を 販売するのではなく、 お客さまの人生設計の 観点からマイホームの購入をご提案していま す。 ― 具 体 的には、どのよう な 提 案 をしてい るのですか。 家は人生における最も大きな買い物。私は 「 家は持つべき」と考えています。そのおもな 理由は老後の問題があるからです。 いま、賃 貸 物 件でひとり暮らしをされてい るお年寄りが多くおられます。それは年金な どの社会保障制度が機能していて、 それなり の収入があるからこそ可能。しかし、 いまの若 い世 代にも 同じような 老 後が保 証されてい るのかというと、 それは違うでしょう。年金制 度の先行きは不透明ですし、 年後、 年後 に、 まとまった老後の資金を確保できる退職 金というものが存続しているかすらもわから ないからです。老 後もずっと家 賃を払い続け られるような収入が確保できるのか。未知数 な時 代が確 実にやってくるんです。だからこ そ、収入もあり、健康な体でもある今のうち に住まいをしっかりと確保しておくべきだと。 そうした長期的な視点に立ち、 お客さまそ れぞれのライフプランを一緒に組み立てなが ら、状況に応じた不動産の取得を提案する。 それが私たちのミッションです。 ― 30 不安定な老後がやってくることは、頭で はわかっていても、わがこととしてとらえてい る人は少数ですね。 20 70 2015 April vol.59 2015 April vol.59 71 ジェイ・プラウド 新世代リーダーのつくり方 ベンチャー流 ― ― ジェイ・プラウドの創業に参画し た理由を聞かせてください。 代 表 の 古 川 と 前 職 の 会 社 が同 じ だったことです。でも 、仕 事での接 点 はあまりありませんでした。深く知り あうようになったきっかけは、 おたがい に釣りが趣 味で、 よく一緒に海や川に でかけるようになったこと。仕事を離 れた人間同士の付き合いのなかで、信 頼できる人だと感じていたんです。な んでも 腹 を 割って話せて、思ったこと をストレートに言える。そして、 それを 受け止めてくれる器の大きさがあり ました。 古川から起業の決心を聞いたのも、 やはり一緒に釣りに行ったときのこと でした (笑) 。 「 今度、独立する。 一緒に ついてきてくれないか」と言われ、迷う ことなく決めましたね。 かりと向き合い、結 論を出された。そ れが嬉しくて奥さまは涙を流された ということでした。それを 見て、 お客 さまの将来を考え、提案することで、 お客さまの人 生を豊かにできる仕 事 だと、あらためて感じました。私の原 点となる仕事でした。 ― ― 不動産販売の仕事に対する想い を教えてください。 当社の仕事は、単に物件を売ればい いというものではないととらえていま す。お客さまに豊かな人 生を送ってい ただくため、安 心 を 提 供 する使 命が あると考えています。 たとえば、 マイホーム購 入のための 営 業 時には、なにを 心がけてい ますか。 「お客さまは自分の鏡」という気持ち で、自分が明るく笑顔でいることが大 事だと考えています。 ― 登内 哲朗 「 明るく笑顔で」 は、誰でもできる基 本です。でも、 あたり前を継続するの は意 外 と 難しい。ですから 、 いつも 初 心を 忘れず 、基 本 を 大 切にすること を心がけています。 ― 住 宅ローンには団 体 生 命 保 険が含ま れているプランがあります。そうした 住宅ローンを組むことで、家族の大黒 柱に万が一のことがあっても、返済リス クを極小化できるのです。 不動産購入によって人生設計を柔 軟に変えていけることを知ってもらう ことも、私たちの役割です。 ― 人 材 育 成 や 職 場の環 境 づくり で大切にしていることはなんですか。 働きやすい雰 囲 気 をつくることで す。 性善説を大切にした 私は仕事では、 いと思っているんです 。結 果が出 ない ときでも、 ただ叱 咤するのではなく、 まずは本人のヤル気を信じます。その うえで課題解決に一緒に取り組み、 二 人三脚で成 長ステップを上がっていく スタイルです。 ― 新 卒 採 用 も 開 始 するそ うです ね。求める人材像を教えてください。 なによりも 素 直 な 人ですね。そし て謙 虚で明るさがあれば、不 動 産の 知識などまったく必要ありません。 また、自分からものごとを探究して いく 成 長 意 欲があり 、自 分の仕 事に 誇りをもちたい人であれば潜 在 的な 伸びしろは大きい。当社で力を発揮し てくれるはずです。 ― 今後の目標を教えてください。 ジェイ・プラウドをもっと大きくす ることです。名前が浸透すれば、それ だけ多くのお客さまとかかわることが できますから。 不動産販売はお客さまの人生をよ い方向に変え、感動してもらえるすば らしい仕事。お客さまから本当に信頼 されるビジネスパーソンになれるよう、 これからも 誇りをもちながら仕 事に 取り組んでいきます。 これからも一人ひとりのお客さまと しっかりと向き合っていきます。 社です。ですから、もっと多 くのお客 さまに当 社 を 知ってもらうことが目 標です。 今後の目標を教えてください。 どこよりもお客 ジェイ・プラウドは、 さまの将来を本気で考える不動産会 ― これまでに苦 労はありませんで したか。 最初は不動産営業自体初めての経 験で、成果もなかなか上がりませんで した。でも 楽しかったんです 。なぜな ら、周りのサポートもあり、小さなこ とでも日々成長しているという実感が あったからです 。それに、少しでも 成 果が出ると 自 分のことのようにメン バーが喜んでくれたことも励みになり ました。みんなとても 優しく 、 いつも 助けられています。 感しました。お客さまと向き合い、 一緒 になって真 剣に人 生 を 考えることが 求められているんだなと。 ― 山梨県生まれ。ジェイ・プラウド創業メンバーの 1人。ライフプロデュース事業部唯一の女性社員。 とのうち てつろう お客さまとの印 象に残っている エピソードを聞かせてください。 私がいちばん最初に販売したカップ ルのお客さまのことです。 「 彼が優 柔 不 断で、なかなかプロポーズをしてく れない」と彼 女さんがこぼしておられ たんです。しかし、彼 氏さんが家の購 入を決めるとき「 彼女を幸せにしたい から買う!」と宣 言 。突 然プロポーズ さわのぼり えり 沢登 恵莉 ライフプロデュース事業部 課長 したんです。そばで見ていた私もドキ ドキしてしまいました。それをきっか けに、不 動 産 販 売 とはお客さまの人 ライフプロデュース事業部 主任 長野県生まれ。前職の不動産会社でトップ営業の 座にあり、代表の古川氏の右腕としてジェイ・プラウ ドの創業に参画。営業責任者として自ら高い実績 をあげながら若手社員を牽引する。 みんなの支えがあるから成長できた お客さまの豊かな人生設計を一緒に描くこと をミッションとしているジェイ・プラウド。同社 の中核スタッフでもある3人の創業メンバー に、それぞれの目標や志を聞いた。 創業メンバーのひとりとして、ど んなやりがいを感じていますか。 組 織に守られて仕 事をするのでは なく 、 社 員一人ひとりの責 任が重いぶ ん、 自 分が会 社に貢 献できていること を実感できます。 それが、 大きなやりが いです。 会社が成長していることを日々 感じますし、 それに自分が貢献できて いるという確かな手応えがあります。 群馬県生まれ。新年度より、新たな営業チームでマネジメントを任される リーダーとなる。今後のさらなる成長が期待される若手ホープ。 創業メンバーたちの 熱い想いと夢 ― ― 今後の目標を教えてください。 プレーヤーとしては、周囲をうなら せることができるような 成 果 を 出し 続 けていきたいですね。また 、 マネー ジャーとしては、 メンバーが成長できる よう 、その責 任 を 果たしたい。プレー ヤーとしても、 マネージャーとしても、 周囲にいい影響を与えられるよう、自 己成長をとげるのがいまの目標です。 わかばやし ゆうや 安心という価値を 提供する使命がある 生に大きな影響を与える仕事だと実 ジェイ ・プラウド株式会社 設立/2014年3月 事業内容/新築マンシ ョンの分譲および受託販売、 中古マンションの分譲および受託販売、 2015 April vol.59 72 投資用マンションの分譲および受託販売、 新築戸建の分譲および受託販売、 損害保険代理店 URL/http://jproud.co.jp/ 73 ジェイ・プラウドをどんな会社に していきたいですか。 とても雰囲気のいい会社で 当社は、 楽しく働けます。 メンバーが増えても、 この社風は大切にしたいですね。 仕 事をするうえでどうしても辛い 時もあります。 でもそれはあとになれ ば必ず楽しい思い出話になります。 いい ことも悪いことも、全 部プラスの力に 変え、 成長できる会社にしたいです。 原点となった忘れられない仕事 ジェイ ・プラウドの成長を牽引する これまでの仕事で、印象に残った エピソードを聞かせてください。 ある新 婚の若いご夫 婦のお客さま とのエピソードが忘れられません。契 約が決まり、奥さまが泣いて喜んでく ださったんです。 奥さまが家を欲しがっておられる一 方で、ご主人はあまり前向きではあり ませんでした。そこで私は、奥さまの お話 を 聞きながらご夫 婦のライフプ ランを 組み立て 、 一つひとつ丁 寧にご 説 明していきました。すると、少しず つご主 人も家を持つべき必 要 性を理 解してくださり、最 終 的に家の購 入 を決めてくださったのです。ご主人が 自 分たちの老 後までの生 活について 真剣に考え、 ふたりの人生についてしっ ライフプロデュース事業部 主任 若林 祐弥 ジェイ・プラウド 新世代リーダーのつくり方 ベンチャー流
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