Keysight U2000

Keysight Technologies
USBパワーセンサとキーサイト測定器の
互換性
Application Note
目次
キーサイトUSBパワーセンサ
2
USBパワーセンサとキーサイト
3
測定器の互換性
キーサイト測定器のアクセサリとして使用可能な
USBパワーセンサ
今日の多くのパワー測定アプリケーションでは、パワー測定を行うだけでなく、スペクトラム・ア
ナライザ、ベクトル・ネットワーク・アナライザ、信号発生器などの測定器を使用する必要があり
ます。従来のパワー測定手法では、パワーメータとパワーセンサが必要です。この状況では、テス
操作方法
– N5230C PNA-Lベクトル・
5
トシステムのコストが大幅に増加します。これに対してキーサイト・テクノロジーのUSBパワーセ
7
行え、PC/ラップトップを使用しなくても特定のパワー測定アプリケーションを実行できます。
ネットワーク・アナライザ
– E5071C ENAベクトル・
ネットワーク・アナライザ
– N9340x ハンドヘルド・
9
スペクトラム・アナライザ
– N5183A MXG信号発生器
– FieldFox RFアナライザ
13
14
まとめ
15
関連カタログ
15
ンサは、アクセサリとして他の測定器と併用できるので、キーサイト測定器を介してパワー測定が
このアプリケーションノートでは、キーサイトUSBパワーセンサをN5230A PNA-Lと組み合わせ
て信号源パワー校正を実行する方法、およびE5071C ENAベクトル・ネットワーク・アナライザと
組み合わせて周波数コンバーターのスカラー解析を実行する方法について紹介しています。USBパ
ワーセンサにより、N9340A ハンドヘルド・スペクトラム・アナライザやMXG信号発生器がパワー
メータになり、MXG信号発生器を使用した場合は外部レベリングによるユーザーフラットネス補
正(UFC)も実行できます。
キーサイトUSBパワーセンサ
正確なパワー測定には、パワーメータとパワーセンサの両方が必要です。パワーセンサはRF信号
とマイクロ波信号をアナログ信号に変換し、パワーメータが統計処理を行って、結果を10進/ト
レースフォーマットで表示します。現在は、PCとパワーセンサを組み合せれば、USBパワーセン
サがスタンドアロン測定器になり、手頃な価格のパワー測定用ソリューションとなります。パワー
測定の結果は、USBケーブル経由またはSCPIコマンドによってPCに取り込まれ、パワー測定ソフ
トウェア
(Keysight N1918A パワー・アナライザ・マネージャー)で表示できます。パワー測定結
果は、標準SCPIコマンドまたはVIV-COM/IVI-Cドライバーによって読み込まれます。SCPIベース
のコマンドセットにより使いやすいプログラミング環境が提供され、パワーセンサとパワーメータ
を使用した場合と同じ通信方法を使用できます。
キーサイトの3種類のUSBパワーセンサを、ベクトル・ネットワーク・アナライザ、スペクトラム・
アナライザ、信号発生器、ケーブル/アンテナテスター、FieldFox RFアナライザなどのキーサイ
ト測定器で使用できます。
– U2000Aシリーズ USBアベレージ・パワー・センサ
– U2020 Xシリーズ USBピーク/アベレージ・パワー・センサ
– U8480シリーズ USB熱電対パワーセンサ
USBパワーセンサをPC/ラップトップを使用せずに上記の測定器に接続した場合も、パワーセンサ
の電源がオンになり、専用のアプリケーションを実行できます。
図1. キーサイトUSBパワーセンサ
2
USBパワーセンサとキーサイト測定器の互換性
キーサイトUSBパワーセンサは、ベクトル・
ネットワーク・アナライザ、スペクトラム・
アナライザ、信号発生器、ケーブル/アンテ
ナテスター、FieldFox RFアナライザなどの
キーサイト測定器で使用することができます
(表1と図2を参照)。使用可能な測定器にはそ
れぞれ、USBパワーセンサをサポートするた
めのファームウェアが内蔵されています。内
蔵されていない場合、N1918Aパワー解析マ
ベクトル・ネットワーク・
アナライザ(PNA、PNA-X、PNA-L)
信号発生器(EXG、MXG)
信号源パワーを校正して、出力パワーを提供
補正(UFC)が可能になり、測定器がパワーメー
することにより、利得圧縮、相互変調歪みな
タにもなります。パワー測定を表示する内蔵
どが正確に測定できます。
外部レベリングを使ったユーザーフラットネス
ユーザーインタフェース(UI)にはUSBパワー
センサの表示機能が統合されています。2つの
ベクトル・ネットワーク・
アナライザ(ENA)
ネージャーソフトウェアまたはVisual Basic
周波数コンバーターのスカラー解析が可能に
Assistant(VBA)アプリケーションが必要です。
なります。これにはVBAアプリケーションが
USBパワーセンサ測定をサポートし、信号発
生器のディスプレイに結果が表示されます。
必要です。
表1. キーサイトUSBパワーセンサとキーサイト測定器の互換性
キーサイトUSBパワーセンサ
U2000A
シリーズ
○
○
○
○
○1
○
○
○
○
×
○
○
○
○
×
○
○
○
○
×
×
○2
○2
○2
○2
○2
○2
○2
○2
○2
EXG:N517xB
MXG:N518xA/B、N516xA
○
○
○
○
○
○
ハンドヘルド:N9330A/B
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
モデル番号
ベクトル・ネットワー
ク・アナライザ
PNA:E836xA/B/C
PNA:N522xA
PNA-X:N5242A
PNA-L:N5230A/C
ENA:E506xA/B
スペクトラム・
アナライザ
ハンドヘルド:N934xA/B/C
RFスペクトラム・アナライザ:
N9320B
MXA:N9020A
EXA:N9010A
PXA:N9030A
信号発生器
ケーブル/アンテナ
テスター
FieldFoxハンドヘルド・ N991xA マイクロ波コンビネー
アナライザ
1
2
U8480
U2020
Xシリーズ
キーサイト測定器
ション・アナライザ
N992xA マイクロ波ベクトル・
ネットワーク・アナライザ
N993xA マイクロ波スペクトラ
ム・アナライザ
シリーズ
周波数コンバーターのスカラー解析が可能になります。これにはVBAアプリケーションが必要です。
PCのハードウェア要件については、
『Power Analysis Manager N1918A Installation Guide (N1918A-90002)』
を参照してください。
3
ハンドヘルド・アナライザ
(RFスペクトラム・アナライザ、
ケーブル/アンテナテスター)
スペクトラム・アナライザ
(MXA、EXA、PXA)
FieldFoxハンドヘルド・
アナライザ
測定器がパワーメータになります。内蔵ユー
無料のN1918Aパワー解析マネージャーソフ
測定器がパワーメータになります。パワー測
ザーインタフェース(UI)にパワー測定が表示
トウェアを使ってスペクトラム・アナライザ
定 の 表 示 機 能 が 統 合 さ れ、 ユ ー ザ ー イ ン タ
されます。フリーランモードではアベレージ
でパワー測定が可能です。
フェース(UI)にパワー測定が表示されます。
/ピークパワー測定が、連続モードではパル
ス測定がサポートされています。
N5230A/C PNA-Lベクトル・
N5242A PNA-Xベクトル・
E836xA/B/C PNAベクトル・
ネットワーク・アナライザ
ネットワーク・アナライザ
ネットワーク・アナライザ
E507xA/C ENAベクトル・
ネットワーク・アナライザ
* VBAウィザードが必要
N991x/2x/3xA FieldFox
ハンドヘルド・アナライザ
N516/7/8xA/B EXG/MXG
信号発生器
N9330A/Bハンドヘルド・
ケーブル/アンテナ
テスター
N9010/20/30A E/M/PXA
シグナル・アナライザ
* N1918Aソフトウェアが必要
N9320B RFスペクトラム・
アナライザ
N9340A/Bハンドヘルド・
スペクトラム・アナライザ
注記:使用可能な測定器にはそれぞれ、USBパワーセンサをサポートするためのファームウェアが内蔵されています。内蔵されていない場合、N1918Aパワー解析マネージャーまたは
VBAウィザードが必要になります。
図2. USBパワーセンサとキーサイト測定器の互換性
4
操作方法
N5230C PNA-L
N5230C PNA-Lベクトル・
ネットワーク・アナライザ
パワーメータ
GPIB
– 信号源パワーの校正
– 正確な出力パワーにより、利得圧縮、相
互変調歪みなどのデバイスパラメータが
測定できます。
同軸ケーブル
パワーセンサ
信号源パワーの校正により、特定のポイント
のパワーが校正され、測定の不確かさがパワー
メータ/センサのレベルになります。
図3. パワーメータとパワーセンサによる信号源パワーの校正
1
従 来、 信 号 源 パ ワ ー の 校 正 はGPIBイ ン タ
フェースを使用して、パワーメータ/センサ
により行われていました(図3を参照)。このソ
N5230C PNA-L
リューションでは、製造テストでパワーメー
タ/センサの大きなスペースが必要になるほ
USBポート
か、信号源パワーの校正目的のみにパワーメー
ロック機構を備えた
タ/センサを使用することは、かなりのコス
USBミニBコネクタ
ト負担になります。USBパワーセンサにより、
PNAと統合したソリューションが可能になり
ました。信号源パワーの校正プロセスで、パ
ワーメータとパワーセンサをUSBパワーセン
サに置き換えることができます(図4を参照)。
USBパワーセンサは、PNAのUSBポートに直
接接続することができ、USBプラグアンドプ
レイに対応しています。信号源パワーの校正
同軸ケーブル
USBパワーセンサ
図4. USBパワーセンサをUSB mini-BコネクタでPNAのUSBポートに接続
プロセス時に、PNAのパワーメータ設定から
パワーメータ(GPIB経由)やUSBパワーセンサ
(USB経由)を検出するように、PNAを設定で
きます(図5を参照)。
1. 信号源パワーの校正手順の詳細について
は、キーサイト・ウェブサイトのPNA信号
源パワーの校正手順のオンライン・ヘル
プ・ファイル(Power Calibration、Calibrating
Measurementセクション)を参照してくださ
い。手順は、ネットワーク・アナライザの
図5. USBセンサを使用するためのPNAのパワーメータ設定
Helpメニューからすぐに得られます。
5
操作方法(続き)
図6と 図7に、 そ れ ぞ れEPMとUSBパ ワ ー セ
信 号 源 パ ワ ー の 校 正 結 果 は、Microsoft®
ンサの信号源パワーの校正結果を示します。
PNAの信号源を指定のレンジでステップ変化
させ(この例では、1 GHz ∼ 6 GHzの範囲)、
パワー(0 dBm)をパワーメータとUSBパワー
Excelファイルに保存でき、比較のために2つ
の結果を1つのグラフにまとめることができま
す(図8を参照)。結果は、よく一致していて、
±0.05 dBのリミットライン内に収まってい
センサで測定します。各データポイントで、
ます。
測定パワーが指定された確度レベル内に収ま
るまで信号源パワーを調整します。
図6. EPMおよびE9301Aパワーメータ/センサによる信号源パワーの
校正結果
図7. USBパワーセンサによる信号源パワーの校正結果
図8. EPMパワーメータとUSBパワーセンサの信号源パワーの校正データの比較
6
操作方法(続き)
E5071C ENAベクトル・
ネットワーク・アナライザ
– U2000シリーズ USBパワーセンサとVBA
アプリケーションで周波数コンバーター
E5071C ENAシリーズ ネットワーク・アナライザとUSBパワーセンサ
IF±Δf
のスカラー解析が可能です。
ENAには、周波数コンバーターを正確に測定
す る た め の 周 波 数 オ フ セ ッ ト モ ー ド(FOM)
ADC
f1
f1−f2+IF
ポート1
ポート2
オプションがあり、信号源とレシーバーポー
トの周波数オフセットを正確に定義すること
DUT
ができます。レシーバーポートは、ダウンコ
f1
ンバーターまたはアップコンバーター信号を
RF
検出できます。周波数コンバーターの測定に
IF
f1−(f2±f)
FOMを使用する際に、制限があります。最初
に、被試験デバイス(DUT)の局部発振器(LO)
IFBW= 1 kHzのとき、
3 dB BW=1 kHz
f2±Δf
信号を確認し、ネットワーク・アナライザの
Δfは振幅確度に影響を与えます
信号源またはレシーバーポート周波数にロッ
クする必要があります。ロックしないと、こ
図9. FOMモードによるIFBW対LO周波数ドリフト
れらのネットワーク・アナライザに実装され
た中間周波数帯域幅(IFBW)フィルターの形状
により、予測した中間周波数(IF)信号と実際の
IF信号の差が、振幅誤差になります。
図9に、FOMで のENAの 設 定 を 示 し ま す。
IFBWが1 kHzに設定されていて、IFBWフィル
ターの3 dB帯域幅(BW)は約1 kHzです。DUT
E5071C ENAシリーズ ネットワーク・アナライザとUSBパワーセンサ
IF
ADC
の実際の出力周波数にターゲット周波数から
500 Hz( =BW/2)のオフセットがある場合、
振幅結果に3 dBの誤差が生じます。出力信号
f1
f1−f2+IF
USB接続
ポート2
ポート1
がドリフトすると、測定結果も同時に変化し
ます。
FOMの制限を回避するには、USBパワーセン
サとネットワーク・アナライザのVBA
(サン
DUT
f1
IF
RF
プルプログラムを利用可能)を組み合わせて使
f1−(f2±Δf)
用し、センサを「広帯域パワーディテクター」
として使用します(図10を参照)。USBパワー
センサを使用して、その帯域幅におけるすべ
てのパワーを測定します。測定結果は安定度
U200x パワーセンサ
LO
f2±Δf
図10. USBパワーセンサ(広帯域検波)対LO周波数ドリフト
が高く、出力信号のオフセットやドリフトの
影響を受けません(図11を参照)。また、USB
パワーセンサは、USBプラグアンドプレイに
対応しており、ネットワーク・アナライザで
のセットアップが容易に行えます。
7
Δfはパワーメータの測定確度に
影響しません
操作方法(続き)
図11と図12に、それぞれFOM
(青のトレース
を参照)とUSBパワーセンサ(赤のトレースを
参照)による「ロック」LO信号と「ドリフト」
LO信号の測定結果を示します。USBパワーセ
ンサの測定結果は、ロック信号ではFOMの結
果と良好な相関関係があり、ドリフトLO信号
では安定していることを示しています。
USBパ ワ ー セ ン サ に よ る 周 波 数 オ フ セ ッ
ト の 手 順 とVBAの 操 作 の 詳 細 に つ い て は、
『Keysight Simple Scalar Network Analysis
of Frequency Converter Devices using
U2000 USB Power Sensor Series with ENA
Series Network Analyzers, Application
Note』を参照してください。
USBパワーセンサは、FOM
の結果と良く相関しています
設定:
パワー掃引:−30 dBm ∼+10 dBm
IFBW:1 kHz
NOP:51 ポイント
RF:1.4 GHz
LO:1 GHz
ENA FOMポート:400 MHz
図11. 「ロック」LOでの測定結果(RFパワー対IFパワー)
USBパワーセンサは、IF信号を
十分捕捉できますが、FOMモード
は十分捕捉できません
設定:
パワー掃引:−30 dBm ∼+10 dBm
IFBW:1 kHz
NOP:51ポイント
RF:1.4 GHz
LO:1 GHz
ENA FOMポート:400 MHz
赤のトレース:USB パワーメータの結果
青のトレース:ENA FOMの結果
図12. 「ドリフト」LOでの測定結果(RFパワー対IFパワー)
8
操作方法(続き)
N9340A ハンドヘルド・
スペクトラム・アナライザ
手順
1.
N9340Aの電源を入れます。USBパワーセンサをN9340AのUSBポートに接続します
(図13を参照)。
– ハンドヘルド・スペクトラム・アナライ
ザをパワーメータとして使用できます。
– パワー測定の表示が統合され、ユーザー
インタフェース(UI)にパワー測定が表示
されます。
[ ]で囲まれたキーストロークは、測定器のフ
ロントパネルのハードキーを表わします。{ }
で囲まれたキーストロークは、ソフトキーを
表わします。
図13.
2.
HHSAとUSBパワーセンサの接続
[Mode]を押し、[↑]または[↓]キーを使用して{Power Meter}を選択してから[ENTER]を押し
ます(図14を参照)。
図14.
N9340A HHSAがパワーメータに
Power Meterメニュー
– Zeroing:ゼロ調整/校正メニューにアクセスします。
– Meas Disp:測定表示メニューにアクセスし、表示された測定の分解能とフォーマットを
設定します。
–
–
Meas Setup:相対測定の設定や表示オフセットを設定します。
Preset:パワーセンサをプリセットします。
9
手順
3.
{Zeroing ►} を押し、必要に応じて内部または外部ゼロ調整を実行します(図15を参照)。
図15.
パワー測定の確度を向上するために、外部ゼロ調整/内部ゼロ調整を実行して
オフセットとノイズの影響を低減
内部ゼロ調整
内部ゼロ調整では電子式スイッチを使用して、内部測定回路からパワーセンサのヘッドをア
イソレートします。これにより、内部ゼロ調整時にセンサをアクティブなRF信号源に物理的
に接続できるので、RF信号源を外したり、外部信号源をオフにしたりする必要がありませ
ん。こうした機能があるため内部ゼロ調整は便利ですが、内部ゼロ調整が使用できるのは、
ゼロセット(内部)がユーザー要件に適合する場合だけです。
外部ゼロ調整(U2000シリーズ USBアベレージ・パワー・センサのみで使用可能)
外部ゼロ調整では、センサが電子式スイッチを使用しないのでヘッドから測定回路をアイソ
レートできません。この場合は、外部ゼロ調整中に信号源をオフにするか、センサから信号
源を物理的に取り外して、ヘッドのRFパワーを除去する必要があります。通常、外部ゼロ調
整の方がゼロセット性能が優れています。測定ニーズに基づいて、内部ゼロ調整か外部ゼロ
調整を選択する必要があります。
初期設定では、USBセンサがN9340A HHSAに接続されれば、ファームウェアによって内部
ゼロ調整が実行されます。
10
手順
4.
{Return}>{Meas Disp ►} を押します(図16を参照)。
図16. Meas Dispメニューで測定の表示と分解能の設定が可能
Meas Disp(Measurement Display)メニューから以下の測定表示を設定できます。
–
Disp Range:測定のトップレンジとボトムレンジを示します。
Resolution:測定分解能のタイプを4種類のレベル(1、2、3、4)で示します。デフォルト
の分解能は3です。
Disp Mode:表示をメータまたはチャート形式に設定できます。デフォルトの表示モード
–
–
はメータ形式です。
Chart View:表示をチャートビューに切り替えます。
Pause:測定を休止または継続します。
–
–
測定をチャートまたはグラフ形式で表示するには、{Disp Mode}>{Chart}を押します(図17
を参照)。
図17. チャート形式での測定表示
11
手順
5.
{Return}>{Meas Setup} を押します(図18を参照)。
図18. Measurement Setupメニューのメータビュー表示
Meas Setup(Measurement Setup)メニューから相対測定と表示オフセットの設定ができ
ます。
–
Freq:測定しているRF信号の周波数設定が可能です。特に信号間の比較測定を行う場合
は確度を最適化し、測定の不確かさを低減できます。
–
パワーレンジ:パワーレンジをAutoまたはManualに設定できます。測定するパワーレベ
ルが不明の場合は、Autoレンジの使用をお奨めします。
Manualレンジには、LOWERとUPPERのの2つの手動設定があります。LOWERレンジは、
−60 ∼−10 dBmのパワーをカバーし、UPPERレンジは、−10 ∼+20 dBmのパワーをカ
バーしています。
–
Limits:測定結果が設定された上限値または下限値を超えた場合にアラームを発生するか
どうかの設定です。
–
Rel/Offset:Rel(Relative)モードでは、測定結果と基準値の比較ができ、相対読み値(差)
をdBまたは%で表示できます。テストセットアップで信号損失または利得(dB単位)を補
正するために、このオフセットを設定できます。
–
Averaging:AutoまたはManualモードで測定アベレージングを設定し、平均パワーを測定
できます。
アベレージングの目的には、ノイズの低減、必要な分解能の実現、測定結果における
ジッタの低減があります。平均の値を増加すると、測定ノイズが減少しますが、測定時
間が増加します。AveragingのデフォルトはAutoです。
–
Step Detect:測定パワーにおける大きなステップ変化の後のフィルターのセトリング時
間を短縮するために使用します。フィルターを、測定パワーでステップ変化の増加また
は減少を検出するとすぐに再初期化するよう設定できます。
–
Meas interval:新しいパワー測定を連続して捕捉するための時間(sまたはms単位)を設定
できます。
12
操作方法(続き)
N5183A MXG信号発生器
– 外部レベリングを使ってユーザーフラッ
トネス補正(UFC)を実行すれば、パワー
確度とフラットネスが向上します。
– 2つのUSBパワーセンサでデュアル測定が
可能です。
外部レベリングを使ったユーザーフラットネ
ス補正により、信号発生器の出力コネクタで
はなく、テストインタフェースで非常に平坦
な出力パワーが得られます。RF出力コネクタ
とテストインタフェース間に外部デバイス(増
幅器、アッテネータ、カップラー、ディテク
ター、ディバイダー、長いケーブルなど)が配
置されていると、システム全体に利得や損失
が追加され、周波数応答の不整合が生じます。
このため、外部レベリングを使ってUFCを実
行して、このような影響を除去する必要があ
ります。この場合、USBパワーセンサをMXG
に統合してソリューションを実現できます。
MXGのフロントパネルのUSBポートにUSBパ
ワーセンサを接続すると(図19を参照)、リモー
トプログラミング機能を使用できます。MXG
の内蔵UFCパーソナリティーにより、校正配
図19. UFC外部レベリングのためのUSBセンサとMXGの接続図
列、スタート/ストップ周波数、補正対象の
周波数ポイント数を設定できます。これによ
り、測定パワーと校正済みパワーの差がわか
ります。
図19に、UFCプロセスの補正係数を示します。
外部レベリングを使ったUFCとパワー測定の
詳 細 に つ い て は、『Keysight How to Utilize
User Flatness Correction with External
Leveling Using USB Power Sensor on MXG
Signal Generator, Application Note』と
『Keysight N5161A/62A/81A/82A/83A MXG
Signal Generators, User’s Guide』を参照し
図20. MXGで自動的に実行/表示される補正係数
てください。
13
MXGでのデュアル・パワー・
メータ表示機能
US
Bハ
ブ
デュアル・パワー・メータ表示機能を使用し
USBポート
て、2つのパワーセンサの周波数と平均パワー
を表示できます。各チャネルに対して、オン
/オフ、チャネル周波数、チャネルオフセッ
USBパワーセンサ
ト、アベレージング回数、測定単位の設定、
デュアル・パワー・メータ表示機能を制御で
きます。
N5183A MXG
図21. 2つのUSBパワーセンサを外部USBハブ経由でMXGに接続
MXG N518xA/N516xAで2つ のUSBパ ワ ー
センサを使用するには、USBハブ(電源付き)
をMXGの フ ロ ン ト パ ネ ル のUSBポ ー ト に 接
続します(図21を参照)
。MXG Bバージョン、
N518xB、EXG N517xB 信 号 発 生 器 の 場 合、
フロントパネルにUSBポートが2つあります。
このように外部USBハブが必要ない場合、2
つのUSBパワーセンサを直接接続して、信号
発生器で2つのチャネルのパワー測定を同時に
行って結果を収集できます。
図22. MXG信号発生器のデュアル・パワー・メータ表示機能
操作方法
FieldFoxハンドヘルド・アナライザ
– パワー測定の表示が統合され、ユーザー
インタフェース(UI)にパワー測定が表示
されます。
FieldFoxにUSBパワーセンサを接続すれば、
FieldFoxがパワー・メータ・モードに切り替
わり、画面にパワー測定値が表示されます。
パワーメータのUIでは、周波数、アベレージ
ング、単発測定/連続測定、検波モード、ゼ
ロ調整、表示単位など、最小限のパワー測定
設定が可能です。接続されているUSBパワー
図23. FieldFoxのパワーメータ測定UI
センサにより、FieldFoxでアベレージパワー
測定やピークパワー測定が行えます。
図24.
パルス測定モードでRFパルス信号を測定するには、U2020 Xシリーズ
USBピーク/アベレージ・パワー・センサが必要です
14
まとめ
USBパワーセンサは、以下の特長を備えた、小型で、持ち運びが可能な、使いやすいパワーセンサ
です。
– ベクトル・ネットワーク・アナライザ、スペクトラム・アナライザ、信号発生器、ケーブル/
アンテナテスター、FieldFox ハンドヘルド・アナライザなどの他のキーサイト測定器と併用
可能。
– 持ち運びできるため、現場で使用可能。USBパワーセンサは、小型軽量であるため、現場ま
で持ち運んで使用できます。
– USBパワー、プラグアンドプレイインタフェース、内蔵トリガ回路による簡単な測定セット
アップ。
– 優れた性能と品質を低価格で提供。スタンドアロンのUSBパワーセンサにより、パワーメー
タがなくても、PC/ラップトップやその他のキーサイト測定器を介して正確なパワー測定がで
きます。
関連カタログ
[1] 『Keysight U2000 Series USB Power Sensors』、Technical Overview
カタログ番号:5989-6279EN
[2] 『Keysight N9340A Handheld Spectrum Analyzer, Technical Overview』、
カタログ番号:5989-5071EN
[3] 『Keysight N9330A ハンドヘルド・
ケーブル/ アンテナ・テスタ』、Technical Overview
カタログ番号:5989-5522JAJP
[4] 『Keysight Simple Scalar Network Analysis of Frequency Converter Devices using the
U2000 USB Power Sensor Series with the ENA Network Analyzer』、Application Note
カタログ番号:5989-8689EN
15
16 | Keysight | USB パワーセンサとキーサイト測定器の互換性 - Application Note
myKeysight
www.keysight.co.jp/find/mykeysight
ご使用製品の管理に必要な情報を即座に手に入れることができます。
www.axiestandard.org
AXIe(AdvancedTCA® Extensions for Instrumentation and Test)は、
AdvancedTCA®を汎用テストおよび半導体テスト向けに拡張したオープン規格
です。Keysightは、AXIeコンソーシアムの設立メンバーです。
www.lxistandard.org
LXIは、ウェブへのアクセスを可能にするイーサネットベースのテストシステム
用インタフェースです。Keysightは、LXIコンソーシアムの設立メンバーです。
www.pxisa.org
PXI(PCI eXtensions for Instrumentation)モジュラー測定システムは、PCベー
スの堅牢な高性能測定/自動化システムを実現します。
www.keysight.com/go/quality
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© Keysight Technologies, 2012 - 2015
Published in Japan, May 28, 2015
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0000-00DEP
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