SIDS in HPV programme & CCAP

SIDS in HPV programme & CCAP
初期評価プロファイル(SIAP)
C 5 脂肪族炭化水素溶剤カテゴリー-
カ テゴリ ー名 :C 5 Aliphatic Hydrocarbon Solvents Category
物 質名: n-Pentane( CASNo.109-66-0)
2-Methylbutane( Isopentane) (CASNo.78-78-4)
Cyclopentane( CASNo.287-92-3)
構造
SIARの 結論の 要旨
カ テゴリ ー /類 似物質 の正 当性
C 5 脂 肪族炭化 水素溶 剤カ テゴリ ーは 、 SIAM13で 採択さ れた n-ペンタン のデー タを 使った 。
n-ペ ンタンの データ は、 必要に 応じ て他の カテ ゴリー メン バーの 読み 取りと して 使われ る。
1
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
C 5 脂肪族炭化水素溶剤カテゴリーは直鎖(n-パラフィン類、またはn-アルカン類)、側鎖(イ
ソパラフィン類) ま たは 環( ナフテ ン類 )状の 飽和炭 化水 素で構 成さ れてい る。この カテゴ リーに
含 ま れ る 物 質 が 同 じ よ う な 物 化 性 状 で あ り 、 中 性 の 有 機 物 で あ る こ と か ら 、 生 態 影 響 に つ い て 、カ
テ ゴ リ ー ア プ ロ ー チ は 、 合 理 的 で あ る 。 LogKowお よ び ECOSARの 推 定 値 は 測 定 デ ー タ に よ っ て 支
持 さ れ て い る カ テ ゴ リ ー メ ン バ ー 間 で 類 似 の 毒 性 を 示 唆 す る 。 更 に 、 3 つ の カ テ ゴ リ ー メ ン バー は
例 えば、 非極 性麻酔 のよ うな同 様な 活性様 式に よって 作用 する。
哺 乳動物 毒性 につい て、トキシ コキ ネティ クス 研究が 、一 つのカ テゴ リーと して のこれ らの 物質
の 評価を 支持 する 。ガス 取込み 試験が 3 物質に ついて ラッ トで行 われ ている 。n-ペン タン 、2-メチ
ル ブタン (イ ソプレ ン) は同じ 吸入 試験で 評価 され、 2.95-14.75 mg/L( 1000-5000 ppm) で それ
ぞ れ 20%およ び 8.6%の摂 取を示 した 。シク ロペ ンタン の摂 取も吸 入試 験で評 価さ れ、 2.95 mg/L
( 1000 ppm) で 12%の 摂取を 示し た。無 変化 の n-、 イソ または シク ロ-ペンタン はいず れも 急速
に 呼気に より 排気さ れた 。
n-ペ ンタンお よびイ ソペ ンタン は十 分に吸 収さ れ、広く分 配され る。吸収された n-ペ ンタン およ
び イ ソペ ンタ ン は同 じよ う に、 グル ク ロニ ドの よ うな その 後 の抱 合化 を 伴っ て、 対 応す るア ル コー
ル に 酸化 され る 。そ れら の グル クロ ニ ドの 排泄 は 尿経 由で あ ると 予期 さ れる 。シ ク ロペ ンタ ン のト
キ シ コキ ネテ ィ クス に関 す る情 報は な い; しか し 、構 造類 似 体の シク ロ ヘキ サン か ら得 られ る 情報
は 、 シク ロヘ キ サン はシ ク ロヘ キサ ノ ール に酸 化 され るこ と を示 唆す る 。シ クロ ヘ キサ ノー ル の抱
合 と排泄は n-ペ ンタンお よびイ ソペ ンタン と同 じであ る。シク ロヘキ サンが 開環 すると の証 拠は無
く 、 シク ロヘ キ サン とシ ク ロペ ンタ ン のト キシ コ キネ ティ ク スは 類似 し てい ると 予 期さ れる 。 よっ
て 、 シク ロヘ キ サン の生 殖 毒性 に関 す る情 報は シ クロ ペン タ ンの 生殖 毒 性の デー タ ギャ ップ を 埋め
る ために 、こ の評価 で用 いられ る。
工 業用グ レー ドのシ クロ ペンタ ンは 80- 85%の シクロ ペン タンか らな り;残りの 組成は n-ペ ンタ
ン( 3-5%)お よび 2,2-ジ メチル ブタ ン( 10-15%)である。純物質お よび工 業用 グレー ドの シクロ
ペ ンタン のデ ータが 得ら れてお り、 この書 類中 に報告 した 。
ヒ トの健 康
n-ペ ンタンお よびシ クロ ペンタ ンの 急性経 口毒 性試験 はLD 50 値 が 、そ れぞれ 2000 mg/kg bwおよ
び 5000 mg/kg bwよ り 大 きいこ とを 示す。 しか し、 n-ペン タンの 動粘 性率の 値( 3.58×10-7m 2 /s)
に 基 づ き 、n-ペ ン タ ン は 飲 み 込 まれ た 際 に 肺損 傷 の 要 因と な る か もし れ な い ので 、 吸 引 性呼 吸 器 有
害 性 と 考 え ら れ る 。 n-ペ ン タ ン 、 2-メ チ ル ブ タ ン ( イ ソ ペ ン タ ン ) 、 お よ び シ ク ロ ペ ン タ ン の 雌 雄
ラ ットで の急 性吸入 毒性 データ は、大体そ れぞれ 18 mg/L( 6106 ppm)、12.5 mg/L( 4094 ppm)、
お よび 5.6 mg/L( 1960 ppm) 超 のLC 50 値 を 示す 。高い 気中 濃度で は、 これら の物 質全て が麻 酔作
用 を生じ る可 能性を 有す る。 n-ペン タンの ウサ ギにお ける 急性経 皮毒 性デー タは 、 3000 mg/kg bw
の LD 50 値 を示 す。こ れら の化学 物質 は高揮 発性 であり 、吸 入が主 要な ばく露 経路 である 。
2
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
刺 激 性試 験の 結 果は 、こ の カテ ゴリ ー メン バー は 軽度 の皮 膚 刺激 性で あ り、 僅か に 眼刺 激性 であ
る ことを 示唆 する。n-ペ ンタン 、イ ソペン タン 、およ び工 業用グ レー ドのシ クロ ペンタ ン( 80- 85%)
は マ ウス で気 道 刺激 性物 質 では なか っ た。 もし 、 これ らの 物 質が 高圧 液 体状 態で 皮 膚に 接触 し たと
き は凍傷 を生 じる。 n-ペ ンタン もイ ソペン タン もモル モッ トの皮 膚に 感作性 はな かった 。
n-ペ ンタンに よるラ ットの 5- 20 mg/L( 1694- 6777 ppm) ばく露 濃度 での 90 日 間吸入 試験
で 、影 響は見 られず 、20 mg/L( 6660 ppm)の NOAEC の確 定とい う結 果とな った 。n-ペ ンタ ン
の 腎 臓 毒 性 を 評 価 す る よ う に 設 計 さ れ た 経 口 4 週 間 ス ク リ ー ニ ン グ 試 験 で は 、 2000 mg/kg
bw/day ま で を ば く 露 し た ラ ッ ト の 腎 臓 で 組 織 学 的 な 変 化 は 記 録 さ れ な か っ た 。 し か し 、 500
mg/kg bw/day( 2/10)お よび 2000 mg/kg bw/day( 4/10)で 死亡が 報告 された 。n-ペン タンの 神
経 行動学 的影 響を評 価す るラッ トでの 16 週間 試験で 、 8.85 mg/L( 3000 ppm) のばく 露後 に、
何 ら影響 は観 察され なか った。 シク ロペン タン の 28 日吸 入試験 で、 若干の 血液 学的変 化( 赤血
球 数の減 少、平 均赤血球 ヘモグ ロビ ンの減 少、お よび赤血 球の平 均容 積の増 加)は 雄ラット のみ
に 観察さ れ、 最高用 量の 5.3 mg/L( 1793 ppm) のみで 観察 された 影響 である 。こ れらの 影響は
2 週 間のばく 露の回 復期 の後に は存 在しな かっ た。雄 の NOAEC 値お よび LOAEC 値は、そ れぞ
れ 1.12 mg/L( 380 ppm) およ び 5.3 mg/L( 1793 ppm) で あり、 雌の NOAEC は 試験さ れた 最
高 用量の 5.3 mg/L( 1793 ppm) で あ った。 更に 、 30 mg/L( 10200 ppm) ま でのシ クロペ ンタ
ン 濃度で のラ ット の 13 週 間反 復ば く露吸 入試 験は、 血液 学的影 響ま たは神 経機 能的観 察、 臨床
化 学、および 眼科学 を含 む他の 臨床 パラメ ータ への影 響を 何ら示 さな かった 。は じめの 試験 では、
血 液学的 変化 は可逆 的で あり、 そし て 13 週間 にわた る 2 番目の 試験 では血 液学 的変化 は無 かっ
た ので、 関連 性があ ると は考え られ なかっ た。
CNS( 中枢神 経系)影響 を報告 した 試験は 、OECDガイド ライン およ び GLPがで きる以 前に 行わ
れ 、 火 災 危 険 最 小 濃 度 超 (14,000 ppm以 上 )で 行 わ れ た 。 こ れ ら の 濃 度 未 満 で 行 わ れ た 試 験 は CNS
影 響を示 さな かった 。
シ ク ロ ペ ン タ ン お よ び イ ソ ペ ン タ ン は 標 準 的 な Ames試 験 で 陰 性 の 結 果 を 示 し た 。 マ ウ ス リ ン パ
細 胞遺伝 子突 然変異 試験 ( OECD TG 476) で、 代謝活 性化 無しで 、シ クロペ ンタ ンは突 然変 異の
誘 発頻度 の増 加を示 した。またヒト リンパ 細胞 を用い た in vitro 試 験 で、シクロ ペンタ ンは 代謝活
性 化無し に統 計的に 有意 な染色 体異 常増加 を示 した 。しか し、吸入経 路では 、シ クロペ ンタ ンは in
vivo で 10,000 ppmま で 染 色 体 異 常 を 誘 発 し な か っ た 。 CHO細 胞 で の n-ヘ プ タ ン の 染 色 体 異 常 試 験
で は、混ざっ た結果 が見 られた 。し かし 、n-ペ ンタン の吸 入によ る in vivo 骨 髄 小 核試験 は、20 mg/L
( 6777 ppm) ま で の試 験 で 、 いず れ の 染 色体 異 常 誘 発能 も 示 さ なか っ た 。 証拠 の 重 さ によ る 評 価
は 遺伝子 毒性 の僅か な懸 念があ るこ とを示 唆す る。
カ テゴリ ーメ ンバー に関 する生 殖毒 性試験(一 世代、二世 代)は入手 できな かっ た。n-ペン タン
の 20 mg/Lま での 13週間 、亜慢 性吸 入毒性 試験 で、雌 雄の 生殖器 官の 毒性影 響が 評価さ れた 。試験
の 終了時 には 、副睾 丸、精嚢、前立 腺、精 巣あ るいは 卵巣 と子宮 の平 均絶対 重量 につい て、どちら
の 性も対 照と ばく露 した 動物の 間に 統計的 な差 は示さ れな かった 。更 に、n-ヘプ タンば く露 と関連
す ると考 えら れる微 視的 変化も 観察 されな かっ た。シクロ ヘキサ ン( 類似 物質 )を 7000 ppm( 24080
3
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
mg/m 3 )まで 吸入ば く露 した場 合、ラ ットでの 二世代 生殖 毒性試 験で、生殖パラ メータ に影 響は見
ら れなか った 。これ らの 結果に 基づ き、カ テゴ リー物 質は 生殖毒 性物 質であ ると 考えら れな い。
n-ペ ンタンの 経口投 与は、発生毒性 試験で、試 験最高 用量 1,000 mg/kg bw/dayに おいて も母 獣毒
性 および 発生 毒性に 何ら 結果を もた らさな かっ たので、そ の試験 最高 用量が NOAELと 決定さ れた 。
処 理およ び対 照母獣 間の 平均体 重、体重 変化、子宮 重量、補正 体重ま たは子 宮着 床デー タに おいて
統 計的に 有意 差はな かっ た。更に、観察 された 死亡は なく 、処 理に関 連する と考 えられ た有 害な臨
床 的 /死後発生 的な徴 候は なかっ た。対照と 比較 して、処理 群にお いて 成長阻 害ま たは胎 仔死 亡の増
加の証拠はなかった。総合的または個々の胎仔の変異または奇形(外観、臓器、骨格)において、
対 照と比 較し て処理 群に 統計的 に有 意差は 示さ れなか った 。こ れらの 結果に 基づ き、カテゴ リー物
質 は発生 毒性 物質と は考 えられ ない 。
発 がん性 を評 価する 研究 は入手 でき なかっ た。
環境
C 5 脂 肪 族 炭 化 水 素 溶 剤 カ テ ゴ リ ー の メ ン バ ー は 室 温 で 液 体 で あ る 。 融 点 が - 159.9~ - 94.4 ℃
( イ ソ ペ ン タ ン ~ シ ク ロ ペ ン タ ン ) の 範 囲 で あ る 。 沸 点 が 27.9~ 49.3 ℃ の 範 囲 で あ る 。 蒸 気 圧 は
n-ペ ン タ ン 、 イ ソ ペ ン タ ン 、 お よ び シ ク ロ ペ ン タ ン に つ い て 、 そ れ ぞ れ 685、 918お よ び 424 hPa
( 25℃)であ る。水 溶解 度は 38.5~ 156 mg/Lで 、比重 は 0.620 ~ 0.746 g/cm 3 の 範囲 である 。カ テ
ゴ リ ー メ ン バ ー の logKow値 は 、 n-ペ ン タ ン 、 イ ソ ペ ン タ ン 、 シ ク ロ ペ ン タ ン に つ い て 、 そ れ ぞ れ
3.39、 2.72お よび 3.00で ある。
19,064~ 138,564 Pa-m 3 /moleの 範囲の ヘンリ ー則 定数( HLC)に 基づく と、 C 5 脂肪 族炭化 水素
溶 剤カテ ゴリ ーのメ ンバ ーは水 表面 から急 速に 揮発す る可 能性が ある 。大 気中で 、カ テゴリ ーメン
バ ーはヒ ドロ キシラ ジカ ル(・OH)に よって 主に 仲介さ れる 間接的 な光 分解工 程を 経由し て、12 時
間 日およ び ・ OH濃 度 1.5×10 6 ・ OH/cm 3 に 基 づき、 推定半 減期 28~ 32 時 間また は 2.4~ 2.7日 の範 囲
で 分解す る可 能性が ある 。
カ テゴリ ーメ ンバー は、 室温、 中性 の pHで水中 加水分 解ま たは水 中分 解の対 象と なる官 能基 を
持 たない 。こ れらの 飽和 炭化水 素は 、これ らの 条件下 の水 中で安 定で ある。
2つ のカテ ゴリ ーメン バー、n-ペンタ ンおよ びイ ソペン タン は易生 分解 性であ る。そ れに対し て、
シ クロペ ンタ ンは易 生分 解性で はな いが、 本質 的生分 解性 である こと が分か った 。
推 定BCF値が 25~ 81( logBCF = 1.4か ら 1.9)の 範囲で ある ことに 基づ き、カ テゴ リーメ ンバ ー
の 生物蓄 積性 の可能 はな いよう であ る。定 常状 態にお ける Mackayレベ ルⅠ分 配モ デルの 結果 は、
カ テゴリ ーメ ンバー は大 気コン パー トメン ト(99.95 ~ 100%)に 分布す ること を示 す。大 気、水、土
壌 コンパ ート メント への 同等な 放出 速度( 1000 kg/hr)を 仮定す る場 合、カテゴ リーメ ンバ ーは主
に 大気コ ンパ ートメ ント ( 20.3~ 39.1%) お よび 水コン パー トメン ト( 57.9~ 73.6%) および、 若
干 が土壌 コン パート メン ト( 1.6 ~ 3.9%) 、底 質コン パー トメン ト( 0.2~ 2.2%) へ分布す ること
4
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
を Mackayレベ ルⅢモ デル は示唆 する 。
カ テゴリ ーメ ンバー のn-ペ ンタンは 、 4.26 mg/Lの 魚 類測定 96時間 LC 50 を 示 した。 3つのカ テゴ
リ ーメン バー は水生 無脊 椎動物 に対 して、約 2~ 11 mg/Lの 範囲の 測定 48時間 EC 50 値 を 示した。nペ ンタン につ いて測 定さ れた藻 類 72時 間ECr 50 値 は生長 速度 につい て 7.5 mg/Lで あ っ た。ま た、こ
の 試験は バイ オマス につ いて 10.7 mg/Lの 72時 間 ECb 50 値を もたら した 。全て のカ テゴリ ーメ ンバ
ー に関す るこ れらの エン ドポイ ント の推定 毒性 値は約 2~13 mg/Lの 範 囲であ り、 約 2~ 11 mg/Lの
範 囲の実 測デ ータと 一致 する。
用 途 /ばく露
C 5 脂 肪族炭化 水素溶 剤は 、天 然ガス および 原油 から精 製さ れる石 油化 学製品 のプ ロセス の流 れか
ら 得られ る。2002年 U.S.で は 、n-ペ ンタン とイ ソペン タン の国内 生産 および 輸入 の総量 はい ずれも
>十 億ポ ンド 、およ びシ クロペ ンタ ンは >1~10百 万ポンド ( >454~4535.92メ ー トルト ン) と報告
されたが、その生産のどの程度の量が流れにおける成分なのか、副生成分なのかは明確ではない。
U.S.に は 、n-ペ ンタン、 イソペ ンタ ンおよ びシ クロペ ンタ ンの総 生産 量が約 50~ 100百万ポ ンド
( 22,680~45,359メ ート ルトン )と なり、これ ら 3 物質の 純物質 を生 産する いく つかの 製造 施設が
あ る。
n-ペ ンタンは シミ抜 き剤 (濃 度 <20.0%)お よ び発 泡シェ ービ ングジ ェル(濃 度 1.0~ 5.0%)のよ う
な 消費者 製品 に、発泡 ポリ スチロ ール 絶縁体 用発 泡剤(濃 度5.0%)の よう な工業 用製 品に使 われ る。
溶 剤( 純物質 )と して研 究室 、化学 分析 、およ び高揮 発性 非極性 溶剤 が必要 とさ れる他 の場 面でも
使 われる かも しれな い。
イ ソペン タン は発泡 シェ ービン グジ ェル( 濃度 1.0~ 5.0%) のような 消費者 製品 に、ま た発 泡ポ
リ スロー ル絶 縁体用 発泡 剤(濃度 2.5%)のよ うな 工業用 製品 に使わ れる。溶剤(純 物質)とし て研
究 室およ び化 学分析 でも 使われ るか もしれ ない 。ま た 、塩 素化誘 導体 の製造 およ びアミ ルナ フタレ
ン とイソ プレ ン製造 で化 学中間 体と して使 われ る。
シ クロペ ンタ ンは溶 剤ま たは研 究室 用試薬 とし て使わ れる 。産 業的に は、シクロ ペンタ ンは 殺虫
剤 製造お よび 医薬品 工業 におい て、種々の 鎮痛 剤、鎮 静剤 、催眠 薬、抗癌剤 、中 枢神経 抑制 薬およ
び プロス タグ ランジ ンの 製造の ため に使わ れて いる。
ペ ンタン(n-、イソ -、シ クロ -)も、多く の場合 はガソ リン のプロ セス の流れ の成 分であ る。C 5
脂 肪族炭 化水 素の環 境ば く露の 可能 性のあ る発 生源は 、化学 物質お よび 石油の 製造 /加 工施設か らの
放 出、 C 5 脂肪 族炭化 水素 を使う 製造 施設か らの 放出、 お よ び 恐 ら く 生 物 由 来 と 燃 焼 ( バ イ オ マ ス 、
自 動車排 気、火 事、等)の 発生源 を含 むとい うこ ともあ り得 る。International Hydrocarbon Solvent
Consortiumは 3箇所の 製造 施設の n-ペ ンタン、イ ソペン タン および シク ロペン タン の産業 衛生 試料
を 1996年から 2001年の間 にわた り収 集した 。こ の調査 によ り報告 され た平均 濃度 は約 5.3 mg/m 3 ま
た は約 2 ppmで あり 、濃 度範囲 は 0~ 74 mg/m 3 ( 0~ 25 ppm) であ った 。これ らの 結果は 、現 在の
ACGIH TLVの 600 ppm( 8-hrTWA)と、U.S. OSHA 許 容 ばく露 限度 1000 ppmを 十分に 下回 って
5
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
い る。ま た、 1960年代か ら 1997年の 期間に わた る職業 的炭 化水素 溶剤 ばく露 に関 する公 開さ れた
レ ビュー があ る。ペ ンタ ンを使 用す る産業 にお けるペ ンタ ンへの ばく 露デー タが ある 2つ の報 告書
は 、総数 203人 の被験 者に ついて 、 8 時 間 TWA平 均ばく 露濃 度 32 mg/m 3 ( 11 ppm) およ びば く露
範 囲 0~ 567 mg/m 3 ( 0~ 200 ppm) を 報告し た。
ペ ンタン 類へ の非職 業的 なばく 露は 、ほ とんど が n-ペンタ ンとイ ソペ ンタン を含 む発泡 シェ ービ
ン グジェ ルの ような 消費 者製品 の使 用によ るも のであ ろう 。非職 業的 ばく露 は定 量され てい ないが、
適 用には 通常 少量が 使用 される こと 、お よびば く露時 間が 短いこ とを 考える と、ばく 露量は 低い可
能 性が高 い。
勧 告およ び、 勧告と 追加 の奨励 作業 の種類 に関 する理 論的 根拠
ヒ トの健 康:この カテゴ リーの 化学 物質は 追加 作業の 優先 性は低 い。これ らの化 学物質 はヒ トの健
康 に対し て、有害性 を示 す特性 を有 してい る( 眼およ び皮 膚刺激 性( 脱脂作 用)、飲み 込み による
肺 の損傷 性)。これらの 有害性 は、高ば く露レ ベルだ けで 明らか にな ること があ る可逆 的な 急性毒
性 に関連 する ので、 追加 作業の 根拠 とはな らな い。
環 境:これら の化学 物質 類は環 境に 対する 有害 性の可 能性 を示す 特性 を有す る( 魚 、無脊椎 動物お
よ び藻類 に対 する 1お よび 100 mg/Lの 範囲の 急性 毒性) 。
n-ペ ンタン( CASNo.109-66-0)およ び 2-メチル ブタン (イ ソペン タン 、CASNo.87-78-4) は 、
そ れらが 易生 分解性 であ り、限定的 な生物 蓄積 性であ るこ とから 、現 在のと ころ 環境に つい ての追
加 作業の 優先 性は低 い。
シ クロペ ンタ ン( CASNo.287-92-3) は易生 分解 性では ない 。よっ て、 この化 学物 質は追 加作 業
の 候補で ある 。加 盟諸国 はばく 露評 価を行 い、必要 であれ ばリス クア セスメ ント を行う こと を求め
ら れる。
6
一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター