学校だより新発田市立赤谷小学校したに向かってしこく平成２７年３月２６日くましくさようなら赤谷小学校Ｎｏ．４４２最終号こにこと『赤谷』の絆を胸に校長小池尚志１４０年の歴史をもつ赤谷小学校は、まもなく閉校を迎えます。閉校を迎える今、赤谷小学校が子どもたちに愛され、保護者に愛され、地域に愛されて現在に至ってきたことを改めて感じています。明治７（１８７４）年、滝谷新田にあった杉原直樹先生の私塾から始まった赤谷小学校は、翌年開設された赤谷校とともに、「地域の子どもたちに教育を」という先人の熱い願いによって産声を上げました。その後、明治３３（１９００）年の赤谷村の大火により、赤谷尋常小学校も類焼しますが、地域の方々の教育にかける思いと努力によって再建されました。赤谷鉱山の開発とともに飯豊鉱山分教場も開設され、昭和２０年前後には児童数が７００名を超えるほどになりました。当時は、児童数の多さから午前・午後の２部制で授業が行われたとも聞いています。昭和３６（１９６１）年には、当時の齋藤廣三校長の強い願いから給食が開始され、これは新発田市内で初の完全給食でした。昭和４９（１９７４）年に１００周年を迎えた赤谷小学校は、地域あげてお祝いし、今も残る「忍耐」の記念碑建立や、記念誌と『赤谷の歴史』の発行、運動会で地域住民が一堂に会して盛り上がった盆踊りなど、学校に対する地域の方々の熱い思いが伝わってきます。赤谷小学校の児童の活躍もめざましく、昭和５８（１９８０）年、器楽部が新潟県及び全国大会で金賞を受賞しています。豊かな自然に恵まれた赤谷小学校は、環境美化活動にも積極的に取り組み、昭和６０（１９８５）年に新潟県知事表彰を受け、それ以後も地域の方々とともに花いっぱい活動に取り組み続けてきました。地域の特色を活かした「赤小田」での米作りは、２０年近くも続いています。そこで収穫した米を使っての「やろもち作り」は、平成９（１９９７）年に地域のシルバーふれあい教室で子どもたちが作り方を教わったことから始まり、赤谷小学校になくてはならない活動の一つになってきました。そして、平成２６年度、最後の１年間。運動会で空高く舞い上げた１４０個の風船、文化と芸能の祭典での「赤谷小学校の歴史」の児童発表、１２月７日に３００人近くの方々から参加していただいた閉校記念式典、閉校記念碑や閉校記念誌の制作など、たくさんの大行事を抱えての１年でしたが、充実した時間でもありました。赤谷小学校を愛する地域の皆様、卒業生、旧職員に支えられて今を迎えられたことに、感謝の気持ちで一杯です。平成２７年３月２３日、第６６回卒業証書授与式が行われました。赤谷小学校最後の卒業生は４名です。私は、式辞の中で卒業生に、あいだみつをさんの詩を紹介し、次のような話をしました。花を支える枝枝を支える幹幹を支える根根はみえねんだなぁあいだみつを子どもたちは、これから成長して一人一人が自分らしい花を咲かせます。そのために枝を広げ、幹を太らせていかなければなりません。けれど、その木の中で一番大事な部分は、実は目に見えない根っこなのです。大地にしっかりと張り巡らせ、自分という木を支えるたくましい根がなければ、どんなに美しい花を咲かせようと思っても倒れてしまいます。見えない「根」こそ、わたしたちの根本なのです。では、子どもたちにとっての「根」とは何でしょうか。私は、ここ赤谷で学んだことが子どもたちにとって大事な根っこになると信じています。赤谷の豊かな自然とその中で過ごした様々な経験、友達との絆、赤谷を愛するたくさんの人との出会いと夢への憧れ等々、赤谷小学校で過ごした６年間、そしてこれからが、子どもたちの生きる源になると信じています。赤谷小学校は閉校になっても、「ふるさと赤谷」はこれからもあり続けます。赤谷という根っこを大事にして、自分の可能性を大きく広げてほしいと願います。最後になりましたが、これまで赤谷小学校を支えてくださった保護者の皆様、地域の皆様、学校の教育活動に積極的にご支援いただいた関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。赤谷小学校は閉校となりますが、赤谷で過ごした思い出は、全ての方々にとってこれからも生き続けることでしょう。そして、「赤谷小学校」の絆でつながれていくことでしょう。赤谷小学校にかかわる全ての人に感謝し、１４０年の幕をここに閉じさせていただきます。卒業式当日、全校児童と保護者、教職員です。この１年間、地域の皆様に支えられて無事終えることができました。そして、赤谷小学校も幕を閉じます。本当にありがとうございました。卒業・閉校を前に、学校にかかわる方々から、子どもたちにプレゼントをいただきました。松田赤谷郵便局長様からは、赤谷小学校が切手になった切手シートを、閉校記念碑を作っていただいた本間石材店様からは、石に赤谷小学校の校章を彫ったペーパーウェイトをいただきました。どちらも世界に一つしかない貴重な記念品です。ありがとうございました。