対人援助のモラールの向上を目指した 多職種相互乗り入れ型の研修

平成 26 年度 地域協働研究教育センター 地域志向協働研究
対人援助のモラールの向上を目指した
多職種相互乗り入れ型の研修プログラムの開発に関わる研究
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研究代表者 : 吉村
夕里
臨床心理学部教育福祉心理学科 教授
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研究分担者 : 馬場
雄司
総合社会学部総合社会学科 教授
岡本 浄実
臨床心理学部教育福祉心理学科 准教授
桑原 陽
社会福祉法人新生会 社会福祉士(研修担当)
玉木 栄之功 社会福祉法人新生会 介護福祉士(研修担当)
竹内 美江子 洛南福祉会 JACS 所長・精神保健福祉士
村山 史洋
社会福祉法人 向陵会 社会福祉士(研修担当)
山田 明
京都福祉サービス協会 社会福祉士(研修担当)
1. 研究概要
研究目的は対人援助のモラールの向上を目指して、学生、住民が参加する多職種相互乗り入れ(Inter discip
linary)型の研修プログラムの開発と方法論を体系化することである。そのために地域生活に困難を抱える
障がい者や認知症高齢者へのケアリングや相談支援の課題を解決するための事例検討方法と、専門家と非専
門家、職種間のコンフリクトを解決するためのグループマネジメント研修プログラムの開発を二本柱とした
実証研究をボトムアップ形式で行っていく。また、従来から積み重ねてきた障がい福祉サービス事業所や認
知症ケア施設の事例検討へのスーパービジョンや教育研修等の実践を基盤に、主として京都府南部地域の福
祉現場に従事する援助専門職と、住民や学生を対象としたワークショップや研修会を実施して、効果判定と
プログラムの改良を重ねていく。
2. 研究成果
上記の目的を達成するために、平成 26 年度は以下の活動を実施した。
1)学生参加の教育研修
:学生参加の教育研修を研究代表者がスーパーバイザー契約をしている 4 か所の施設と提携して定例実施し、
学生、院生、研究生等実 15 名、援助専門職の現任者実 50 名の参加を得た。具体的には提携先の認知症高齢
者ケア施設(総合ケアセンターサンビレッジ)や、3 障害を対象とする福祉サービス事業所(乙訓ひまわり園)
については 2 か月に 1 回。精神障がいに関する福祉サービス事業所(洛南共同作業所)や精神障がい者ヘル
パー派遣事業所(京都福祉サービス協会)については年3回実施した。学生参加については年度初めやゼミ
等で各事業所の教育研修に参加する学部生や院生を募集することにより、教育研修への関与を図った。
2)公開事例検討会やワークショップ等の開催
:教育研修方法を学生や関係者に公開するために施設主催の講演会(認知症ケア;2014 年 4 月、発達障がい
ケア;6 月)に講師参加したり、本学主催の発達障がい公開事例検討会(2014 年 12 月)、認知症ケア公開研
究会(2015 年 2 月)を開催したりして、援助専門職と住民や学生延 150 名の参加を得た。
3)教材開発
:障がい当事者から援助における支援者/利用者間の葛藤場面のスクリプトを収集して、学生や研究会メン
バーと共に DVD 視覚教材化を図かり(2015 年 9 月及び 2015 年度 2~3 月。延 20 名参加)、視覚障がいに関す
る DVD を 2 本作成して一部については「伏見連続講座」や現場実践主義授業において活用した。
3. 研究成果の地域への還元方法、今後の地域連携への展望等
平成 26 年度は施設主催の講演会に参加したり、教材開発や本学主催の公開事例検討会やワークショップを
行ったりすることにより、学生や住民、対人援助の現任者に対して多職種相互乗り入れ型の地域ケアの具体
的な方法を還元した。今後も同種の活動を行うと共に、学会発表等も通して関係者にも成果を還元する予定。