平成27年度 事業計画 はじめに 東京都清瀬喜望園は、昭和51年 4 月に重度呼吸器障害者の授産施設として開設さ れ、38年が経過した。この間、平成18年度より管理運営に指定管理者制度が導入 され、今年度から平成29年度まで第4期指定管理委託運営が社会福祉法人東京アフ ターケア協会に委託された。また、平成22年度からは、障害者福祉制度の大きな改 変がなされ、授産施設から障害者総合支援法による日中の生活介護支援、夜間の入所 支援を提供する障害者支援施設に移行した。 東京都清瀬喜望園はこのような38年間の変化の中でも、呼吸器障害者を中心に内 部障害者を対象として支援を行ってきた。それは東京都清瀬喜望園が開設された経緯 から、病気が障害という内部障害者を守るための数少ない受入先であり、内部障害者 を支援する施設としての設立の理念を基本とした運営が引き継がれているからであ る。現在、東京都清瀬喜望園は平成32年度以降の建て替えや東京都より示されてい る民間移譲を視野に入れた仮設建設、対象障害を内部障害者に加え知的障害者への拡 大を準備している。特に今年度は新しい障害種別である知的障害者に対する理解やサ ービス提供の方法などを学ぶため、研修や学習を進め、介護職員を中心に他施設への 派遣研修を計画する。 東京都清瀬喜望園は、仮設の建設、仮設への引越しを安全かつスムーズに行い利用 者支援に支障が出ないよう計画、準備を進めていきたいと考えプロジェクトチームを 立ち上げ、利用者の安心、安全を保障していきたいと考えている。 利用者支援に関しては、昨年度より取り組みが開始された終末期の支援、看取り支 援、サービス向上の取り組み、虐待防止の取り組み等を今後も継続できる体制を作り、 利用者のニーズや業務の課題を具体化させ、利用者サービスの改善と質の向上を図り、 利用者満足度の高いサービスを提供して行こうと考えている。 今年度も、開設当初から掲げている運営理念に基づきさまざまな取り組みを行ない、 今まで以上に利用者サービスの向上や職員の処遇の改善が行えるように万全を期し たい。 そして、今後も日本にただ一つの内部障害、主たる呼吸機能障害者を支援する施設 として、職員一同の協力のもと、重要課題達成に向けて業務を推進する。 1 Ⅰ.運営理念 『ひとりを大切に、その人らしい生活を尊重する』 ―内部機能障害者のよりよく生きる権利(ウェルビーイング)を実現します- 人間は障害を理由として、高齢を理由として、よりよく生きる権利(ウェルビーイ ング)を制限されることはありません。 施設で生活するという理由で、地域で、在宅で生活することと違うはずもなく、他 の市民と同じ生活を営む権利を持っています。 そのためには、施設という場にあってもひとりの生き方が尊重され、その人にあっ た生活が営まれなくては基本的な人権が尊重されていないことになります。 清瀬喜望園では、社会人として相互の生き方を尊重する生活やひとりの生き方を尊 重し、その人らしい生活を実現します。 Ⅱ.基本目標 1.利用者の生命、財産、安全を守り、人間的尊厳を尊重します。 2.利用者主体の生活の確立を目指し、より質の高いサービスを提供します。 3.利用者の意思と自己決定を尊重します。 Ⅲ.運営方針 1.呼吸機能障害をはじめとする内部障害者の不安を受け止め、安心して生活できる 福祉・医療サービスを提供する。 2.高齢の呼吸機能障害をはじめとする内部障害者も安心できる介護サービスを提供 する。 3.内部障害と他の障害とを併せ持つ方にも施設サービスを提供する。 4.障害者の生活の質を高めるという観点から、より質の高い、幅広いサービスを提 供する。 5.障害者の人権の尊重や権利擁護をすすめる。 6.地域の呼吸機能障害をはじめとする内部障害者の生活を支援し、情報の発信を行 なう。 7.地域福祉ネットワークに積極的に参加、施設機能の持つ特性を生かし、在宅の呼 吸機能障害者や内部障害者を支援する。 8.障害者自立支援法に対応した新しいニーズを持った障害者の獲得をする。 9.経営の組織化と新しい制度に合わせた事業の展開と人材育成を行なう。 2 Ⅳ.平成27年度基本方針 1.業務を見直し、利用者サービスの質の向上を図る。 重症化、高齢化していく利用者に、よりよい生活を提供する。 2.職責、階層別役割を強化し、職員一人ひとりが専門家(プロフェッショナル) としての意識を持って、組織的に業務を遂行する。 3.中長期の展望に立ち、新しい障害種別の利用者の受け入れとサービス提供を 視野に入れた取り組みを進める。 4.仮設への移動を安全かつスムーズに行うためのプロジェクトチームを立ち上 げ、利用者の安心、安全を保障する。 Ⅴ.重点課題 1.重症者高齢者、多様な重複障害者に対応した介護・支援体制の充実 (1)重症化・高齢化する利用者が安心できる介護、看護、その他のサービスを提供 し、最後まで生きがいと喜びを持てる生活を保障する。 (2)認知力、理解力の低下した利用者に適切な支援を行う。 (3)多様な障害特性に対応した支援内容を提供する。 (4)看取りを希望する利用者に対して、看取り指針に沿った支援を行う。 (5)金銭管理や諸手続きの適切な支援を行ない、制度や社会資源の活用を進める。 2.支援の基本に立ち返り、質の高いサービスの提供 (1)利用者の訴えや要望を丁寧に受け止め、組織的な支援を行うことにより、より 質の高いサービスを提供する。 (2)障害者虐待防止法の理念を踏まえた利用者支援を行う。 (3)倫理規範、行動規範を踏まえた質の高い支援を行う。 (4)業務の基本を守り事故防止に努め、利用者の安全を守る。 3.障害に対応した医療・看護体制の整備 (1)体調変化の早期発見と早期対応に努める。 (2)生活現場と診療所との連携を緊密に行う (3)感染症予防に努める。 (4)他の医療機関との連携を進める。 3 (5)終末期においても、利用者の希望を叶える医療・看護を提供する。 4.日中活動の充実と生きがいづくり (1)リハビリ活動の活性化を図り、ADLや身体機能の低下予防を進める。 (2)行事・日中活動の新しいプログラムの開拓を進め、多様な参加形態を推進する。 (3)高齢化に備えた生産活動の内容の見直しを進める。 (4)自主活動のサポートを強化し、利用者同士の交流や共感を進める。 (5)介護と連動した日中活動の支援を進める。 5.健康管理と食の楽しみ両面での対応 (1)利用者の障害特性や健康状態に対応した栄養マネジメントを生かした食事の提 供を進める。 (2)治療食、ソフト食など、多面的な形態食の提供をする。 (3)食事環境も含めた食の楽しみを追求する工夫を進める。 (4)利用者の食事に対する希望や思いを反映させるため、職員試食を実施する。 6.将来構想を踏まえた施設運営を目指す。 (1)内部障害者を支援する施設として、法人のプロジェクトチームと協働して中長 期計画を策定する。 (2)新しい障害種別の利用者を受け入れるため、重点的な職員研修を行う。 (3)仮設への移動プロジェクトチームを立ち上げる。 (4)重症化高齢化に対応した環境の整備を行う。 (5)効率的な予算執行を行う。 (6)将来構想を踏まえた人材確保と人材育成を進める。 7.地域との関わりを深め、地域福祉に寄与する。 (1)施設機能を公開し、地域住民との交流を深める。 (2)地域や在宅障害者の福祉増進に向け、情報の発信を行う。 (3)他の障害者団体、機関との連携を深める。 (4)ボランティアの受け入れ、活用を積極的に進める。 8.職員一人ひとりの力量を高め、組織的な業務を遂行する。 (1)重度・高齢化に対応した介護等支援の技術を習得する。 (2)職員の専門性を高めるための研修参加と資格取得の支援を行う。 (3)力量や適性の応じた、適切な人材配置や指導を行う。 (4)職員の能力向上のため事例検討会、研究発表会を企画する。 (5)職責および階層に対応した研修を強化する。 (6)研修の成果を着実に業務に反映させる。 4 9.災害や事故を防止する。 (1)年間計画に基づく防災訓練を行う。 (2)防災設備の点検を行う。 (3)災害や事故を防止するため、BCPに基づいた点検や環境整備を実施する。 (4)震災に備えた備蓄品、体制の強化を図る。 (5)職員の労働災害を防止し、健康状態の維持、改善に努める。 (6)地域の防災体制の推進に協力する。 Ⅵ.各課・各係・委員会事業計画 管 理 課 1.第四期指定管理契約の一年目である平成27年度の管理に関する協定に基づき、 適正に業務を遂行する。次年度に計画されている仮設施設への引越しに備え、事 務・業務レベルで必要な準備を進めるため、他部署と連携して利用者支援に努める。 2.今後の事業展開と利用者の高齢化や障害の重度化に対応した適正な人員配置を維 持する。さらに虐待防止と利用者の権利が守られるサービス提供のため、職員の心 身の健康とやる気を高められるよう、労務管理、福利厚生、各種研修派遣や長期出 張研修などの事務をおこなう。 3.老朽化した建物設備の維持管理と必要な軽微修繕は滞りなく進め、利用者事故や 労働災害を防ぐ。 4.利用者の高齢化、障害の重度化に対応した生活の潤いと楽しみに繋がる給食サー ビスを提供する。医療職や介護職等と連携しながら利用者の希望に沿い、日々の状 態に合わせた個別の栄養指導、給食の提供をする。 5.建て替え準備と作業が進む清瀬療護園と調整をはかり、診療所ほかの共通管理に ついて経費按分などの事務連携を進める。 管理課 管理係 1.施設運営にかかる経費の削減と予算の合理的執行を目指す。 (1)次年度に仮設施設への引越しが見込まれるため、現設備の老朽化に対応する必 要最小限の施設設備の改修、消耗品・備品の整備を行う。 5 (2)利用者の高齢化、障害の重度化に対応した生活介護、日中活動支援に必要な、 事務消耗品、治療消耗品、備品等を購入し払い出す。年2回の棚卸を実施し在庫 管理を適正に行い、引越の準備をする。 (3)財務については平成27年4月より新会計基準での管理に移行する。法人経理 規程及び勘定科目の変更に合わせた会計システムの移行処理をする。旧会計での 決算作業と並行して新会計へのバージョンアップソフトの落とし込み、期首残高 等の入力と確認作業を経て新会計での月次処理を開始する。出納業務、毎月の財 務会計処理を、旧基準からの変更に留意しながら誤りなく進める。執行状況を把 握し指定管理料精算報告を四半期ごとにおこない、また補正予算を組む。必要に より決算研修やソフト操作の講習会に参加する (4)保守管理等業者委託契約については、全館冷房の停止や仮設施設の建築計画等 を念頭に内容を一部変更する。園庭の樹木管理の年間契約はせず必要に応じて部 分的に行う。 (5)資産・物品管理台帳を再点検し、購入、更新、廃棄など仮設施設での収納量を 見込んで、物品管理を正確に行う。特に廃棄について、事務処理等と並行して適 正に進める。 (6)施設内の清掃等は年間の予定をもとに実施し、変更等は責任者と連絡を取り対 応していく。床ワックス清掃・除草・ガラス清掃等の特別清掃は、年間計画によ り委託業者と確認し利用者サービスに支障のないように進める。館内のカーテン クリーニング、パッケージエアコンのフィルター清掃については、使用状況や建 替え計画の進捗状況に応じて行う。特に居室について現況を確認し衛生管理を強 化する。 (7)年1回の職員健康診断(夜勤業務者は年2回)を実施する。 (8)レントゲン施設の管理として放射線被爆量のチェックを定期的に実施する。安 全管理を確実に行い危険防止に努める。 2.診療報酬請求について (1)担当医師指導の下に診療所と連携し遅滞なく行う。返戻等あった場合には原因 を速やかに解明し適正に処理を進めていく。 (2)健康保険証、身体障害者受給者証、医療費助成や生活保護医療券等の諸手続き や変更等について、特にまりも会の清瀬療護園の担当職員との連携を密にして遅 滞や過誤のないようにする。 (3)毎月の診療報酬請求・納入・決定報告を速やかに行う。 3.障害福祉サービス報酬の請求事務について (1)障害福祉サービス受給者証の有効期限や程度区分の変更、毎月の入退院、外泊、 欠食等の実績を請求事務に正確に反映させ、加算についてもれなく請求する。利 用者からの届け出書類と事実確認を怠らず、利用実績について問い合わせなどが あった場合は、丁寧に説明し了解を得る。 (2)支払決定額について、事業別の収入サービスごとの内訳を確認し把握する。 6 4.利用者支援、利用者サービスの向上を図る。 (1)車輌の整備を確実に行い、安全で快適な利用者送迎サービスを提供する。 (2)電動アシスト自転車、セニアカーを管理し、利用者が安心して使用できるよう に支援する。 (3)各種荷物の発送、受け取りの代行支援を行う。 (4)自治会ショッピングについて安全に留意した送迎支援を月 2 回おこなう。 (5)院外処方箋の取次支援を行う。 (6)投票所へ行くことが困難かつ希望する利用者に対し、不在者投票の支援を行う。 5.地域との関わりを深め、地域福祉に寄与する。 (1)施設及び備品等の貸出を行い地域住民と交流を常に図る。 (2)ホームページと施設案内(パンフレット)の更新、施設広報誌(こもれび)を 年 2 回発行する。 (3)地元の住民、消防署、障害者団体等との交流を進める。 6.社会の動向や各法令通知等の改正に遅れないよう講習会や研修会に積極的に参加 し、係員個々の力量を高めるよう努力する。 (1)職員の専門性を高めるための各種研修案内を適宜配布し参加を促す。 (2)障害者総合支援法、社会福祉会計基準等の改正など変化する福祉制度に対応す るため、新しい情報の収集に努める。診療報酬請求事務説明会、利用者実績表及 び介護給付費請求事務、会計基準、社会保険、労働基準関係などの各研修会、講 習会に積極的に参加する。 7.職員の労働災害を防止し健康の維持、改善に努める 業務に最適な制服・エプロン・シューズ等を貸与し、清潔保持、食中毒予防、感 染症予防に努めるとともに、職員にとっても良好な労働環境を整える。 8.災害や事故から利用者を守る。 (1)防災委員会の計画に基づき、消防避難訓練を実施する。 (2)防災設備の点検を定期的に実施し、不良個所があれば速やかに改修する。 (3)施設内のバリアフリー化を再点検し、必要個所の修繕を進める。 (4)災害用品について、BCP(事業継続計画)に基づき、整備保管する。使用期限 の到来するものは、新しいものを購入し、入れ替える。保管場所について、従来 複数の倉庫に分散していたが、建替え計画の進捗に伴い、現在の保管倉庫は取り 壊しとなることが見込まれる。災害時に保管場所がわかりやすく活用できるよう、 今後の保管場所について検討を進める。 (5)地域住民の防災体制に協力する取り組みとして、防災懇談会の会場提供等を行 い、喜望園と地域住民の災害対策について、相互理解を深める。 7 管理課 給食係 1.安全で安心な食事 (1)利用者の高齢化・重症化に合わせ、調理の仕方に気を配り、安全で安心、楽し みとなるような食事の提供に努める。 (2)糖尿病食・腎臓病食・嚥下調整食等の多種多様な治療食や食事形態に対応し、 かつ、正確な提供に務める。 (3)季節感のある旬の食材の使用や行事食等を通じて、味だけではなく、目や香り でも楽しめる食事提供を工夫する。また、利用者が極力一人ではなく、テーブルを 囲んで皆で一緒に食べられるよう、利用者同士の交流や共感の場を支援する。 (4)温冷に気を配り、盛り付けにも工夫し、あたたかみのある食事提供を目指す。 (5)終末期の利用者へも、本人の意向を聞き、寄り添った食事作りを工夫する。 (6)朝昼夕の食事提供時のコミュニケーションを大事にし、利用者のその時々の状 態を知り、介助のほとんど必要としない利用者の支援につなげていく。また、給食 懇談会やアンケート等で利用者の希望を知り、検食や試食の意見も取り入れ、より 良い食事作りを目指す。 2.衛生管理 (1)細菌検査の実施や個人衛生点検表等で調理員個々の体調管理に注意し、また、 心身の健康にも気を配る。 (2)手洗い2度洗いや調理器具の洗浄・消毒を徹底し、また、食材の温度管理に注 意し、食中毒防止に努める。 (3)定期的なダクト清掃や側溝清掃、害虫駆除を実施し、厨房内及び食堂内の衛生 管理に努める。 (4)先入れ先出しを徹底し、適切な食品の在庫管理を行う。 3.職員のスキルアップ (1)献立や治療食に対して理解を深め、知識・技術の向上を目指し、調理の専門家 であるという意識を持って業務にあたる。また、不明な点などは、事前に調べ勉強 するなどの気持ちで、利用者に喜ばれるサービスの向上につなげる。 (2)チームワークを大切にし、協力し、あたたかくフォローし合える職場環境作り に努め、効率の良い作業が出来るよう作業工程を見直し、無駄を省き、ミスを防ぐ。 (3)外部研修参加や職場内勉強会の情報は共有し、調理等の業務の基本に返る。ま た、問題点があったら、全員で話し合う機会を作り、業務の進歩につなげる。 (4)仮設の厨房のドライ仕様に対する勉強や見学会を行い、通常業務の見直しをす る。 8 管理課 管理栄養士 1.信頼されるバランスある食事作り (1)生活の場である施設において、家庭的な暖かさと潤いのある、安全でおいしい 食事提供に努める。 (2)季節感や利用者の嗜好、および高齢化、障害の重症化に配慮しつつ、栄養基準 量に基づく栄養バランスの取れた献立作成に努める。 2.利用者個別支援、利用者サービスの向上 (1)障害特性に合わせた治療食対応 内部障害者にとって、食事は健康管理上大切なものである。腎機能障害者に対す る腎臓食、糖尿病の方に対するエネルギーコントロール食などの治療食はもちろん のこと、減塩の対応等も必要に応じて行う。 (2)食形態の工夫 高齢化、障害の重症化に伴い、嚥下や咀嚼に不安のある方も増える傾向にある。 できるだけその方に合わせた嚥下調整食やきざみ方の工夫を行う。嚥下調整食も、 栄養面・食の楽しみの両面から、調理師と協力してレベルアップさせる。 (3)個別対応の食事提供 障害者施設においても、栄養ケアマネジメントに基づく栄養管理が求められてき ている。その足がかりとしての、全体の栄養スクリーニング、および体重管理につ いて、他職種と協力しながら定例化を進める。中でも呼吸器障害の方は重症化、高 齢化に伴い喫食量が減る傾向にある。栄養状態に不安な方がいないか常に気を配り、 他職種と連携し喫食状況や身体の状況などの栄養アセスメントに応じた栄養管理 を進められるよう努める。 看取りを希望する利用者の、個々の希望や状態に寄り添う食事提供を行う。 3.食事環境も含めた食の楽しみの追求 (1)栄養バランスに配慮しつつ、新メニューを取り入れながら、日々の食事にも変 化、楽しみが持てるような献立作成を行う。季節の行事食や施設行事の際には、食 事に制限のある方も含めて、喜んでもらえるよう工夫する。 (2)利用者の食事に対する希望や思いを引出し、食事サービスに反映させるため、 また、利用者と職員とのコミュニケーションの場の位置づけとして、他職種による 検食は、利用者と一緒に喫食する「職員試食」として実施する。嗜好調査及び給食 懇談会は利用者の実状を踏まえ工夫して行う。 (3)食事の楽しみにつながる食器の入れ替えを行う。 4.衛生管理の強化 (1)厨房掃除の定例化をさらに進める。 (2)調理従事者の衛生知識の向上を図り、食中毒防止に努める。個人衛生点検表で、 継続した個人の衛生管理徹底を図る。 9 (3)梅雨時からの食中毒危惧時期及び、ウイルス性胃腸炎(食中毒)流行期には利 用者に注意喚起を行う。 5.災害時や問題が生じた際の行動確認 (1)非常食の在庫・購入管理を徹底し、経管栄養対象者、嚥下調整食対象者にも配 慮したものも備蓄する。 (2)食品自体の安全性に常に気を配り、不具合が生じた場合、早期適切な対応をと る。 6.仮設への移動に向けての準備 (1)仮設では、ドライ仕様や作業区域の明確化など、現在、他の施設でも行われて いる集団給食の規定に即した厨房となり、食事提供も個別配膳を予定している。既 存のやり方とは大きく手順を変えることにもなるため、スムーズに移行できる様、 調理師とも連携して準備を行う。 生活課 1.基本的な取り組み 利用者支援に当たっては、それぞれの専門領域を活かすと同時に、常に自分たちの 役割を認識する。 多様な価値観や状況を受け入れ、より良い解決策を模索していくことが、福祉施設 職員として望まれている。 ・個別支援計画は、利用者個々の特性にあわせて作成し、個別支援計画会議で確認さ れ、その計画に従って支援業務を実施して行く。 ・個別支援計画は、利用者の状態や要望の変化等に沿い変更される。少なくとも、半 年毎に計画の確認や修正(定期モニタリング)を行い、個別支援計画会議で確認する。 ・利用者の抱える課題の解決には、各部署が取り組むが、共通の課題や困難な課題に ついて検討が必要な場合は、カンファレンスを実施、課題解決を進める。 ・カンファレンスは、毎月1回定期的に開催する。また、利用者の状況に応じて、必 要時に適宜開催する。 基本的な業務の枠組み・システムはでき上がっているので、個別支援計画に沿った 支援はもとより、更に、確実に業務を実施していくことや、事故防止のためには、よ り具体的な取り組みも必要。 業務を確実に行う手法として、 ・ チェックリストの活用 ・ 業務の始まりや終わりに、確認を行うための、 「KYM(危険予知ミーティング)」 や「ポイントミーティング・TBM(ツールボックスミーティング)」の実施 ・ 申し送り(口頭、書類を含めて) 10 ・ 指差し呼称(業務の動作化) 等を、意識的に組み込んでいく。 介護のような場面では、事前に決まりきったスケジュールとは限らないので、その 場に適した手法を組み込んでいく。 2.支援に当たって ただ業務をこなすだけではなく、その支援を行う背景にも踏み込み、理解して、よ り適切な支援にしていくことを心がける。 思い込みだけではなく、事実の確認を行う。 支援を考える視点 安心:利用者は安心できているか。 丁寧:その仕事は丁寧か(利用者は快適か) 。 意識化:その行為、支援は意識化されているか(惰性ではないか)。 「その上で、利用者の安全が確保され、仕事のより良い質やスピードが問わ れる。」 生活介護支援係 3~5階の生活棟は、「利用者が主人公」であることを念頭におき、支援者の良心 が通った支援を行うため以下の業務改善に努める。 11 1.高齢化、障害・病気の重篤・重症化による、生活面での支障に対応 (1)支援をしていく上で ①その利用者の、 「障害、病気」を理解し、個別性や心(気持ち)などを総合的に捉 え、「支援とは何か?」を考えながら、業務に当たる。 ②利用者支援の課題を解決するために、利用者支援の個別担当者と課長補佐、係長 が密接に連携するための体制を作っていく。 ③個別担当者は、その利用者の支援内容の中心的な役割を担っていく。 ④個別担当者と係長のどちらかは、利用者カンファレンスに出席、他部署との連携・ 調整を行い、早急に問題を共有して、改善できるようにする。 また定期的見直しを行い、修正していく。 (PDCAサイクル:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善) の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していく。) ⑤個別介護支援表を活用し、支援の共通性を担保していく。 ⑥複雑化していく重症、高齢の利用者に対処していく体制を作る。 ⑦個別支援計画に沿った支援が出来るよう、また職員によって支援内容にばらつき がない様、理解を深めると共に、統一した支援が出来るようにしていく。 (2)「聴く、寄り添う」ことの意味合い ①個別担当者は、利用者の「よりよい生活」「生き甲斐」「喜び」と言ったことに応 えるためには、利用者の声を聴き・寄り添いながら、情報収集や心を察する。 ②個別支援計画のモニタリングだけでなく、個別担当者が定期的に利用者と意図的 な関わりを持つことにより、潜在的なニーズを汲み取っていく。 ③重症、高齢化していく障害者の心を受け止め、理解していくために、研修に積極 的に参加していく。 ④利用者とは、適切なコミュニケーション、関係づくりを行っていく。 (3) 清潔、感染症への理解と対策 ①介護前後の手洗いの徹底。 ②具体的なサービス向上として、1週に1度のリネン、シーツ交換介助の実施を検 討していく。 ③感染症へ理解と対応(消毒等)については、再確認し学ぶ。 2.人生の終末期・看取り 社会情勢の変化もあり、施設内で最後を迎えることも多くなり、喜望園でも例外で はない。今後、看取りへの取り組みは、より重要となっていく。 その為、看取りの意味合いや考え方、基本姿勢や具体的な対応(心身のケア等)に ついては、より勉強・研修を重ねて行き、安心して最後まで利用者が生活できるよう に取り組んでいく。 ①安心した終末期ケアができる環境を、喜望園看護課と協力して作っていく。 ②利用者の終末期ケア対処していくために、緊急時の体制を喜望園看護課と検討し ていく。 12 ③利用者の終末期ケアを理解するための研修等に参加し、より良い支援ができるよ うにしていく。 ④終末期を迎えた利用者に対し、職員が一丸となり対応し、対象利用者の全面的な 受容が行えるよう、体制を整えていく。 3.喜望園利用者の特性を考えた、活動 ①年齢や体力面を考慮し、その人が“できる活動”を提供することを考えて、個別 の活動や、やりがい、生き甲斐へつながる、利用者に寄り添った日中活動の提案。 ②課長補佐と係長は、日中活動担当者と定期的に話し合い、運用の適正化を図る。 また新しいメニューの導入を進めていく。活動がスムーズに行えるよう、事前の 準備や担当者への配慮を怠らない。 ③3階ロビーを、幅広いADLレベルの利用者が集える場として整備していく(例 えば、ボランティアの力を借り、週3回くらいミニ喫茶を開く等)。 ④重症・高齢化していく利用者が、 「今、なにを必要としているか、なにが楽しみと なるのか」をリサーチし、利用者の楽しみとなる活動につなげていけるようにする。 ⑤居室から出られない利用者にも、趣味、好みの音楽、好みの歌手などの聞き取り を行い、楽しみが持てるような活動を提供する。 ⑥年間行事のスケジュールに沿い、実施していく。 4.組織的取り組み (1)職責と階層 ①生活介護支援職員が、担当する利用者サービスを積極的に改善していくための組 織作りを、課長補佐と係長が中心となり進めていく。 ②職責を意識した、課長補佐と係長の勤務体制と業務内容を見直していく。 課長補佐、係長、常勤職員、常勤的非常勤職員、非常勤職員の役割分担を明確化 して、共有していく。その上で、職員全体で、利用者の支援にあたる。 ③階層別役割を明確にしていく。 特にベテラン職員の役割は、非常勤職員と新人職員の見本となることを意識して もらうため、そのための指導を行っていく。 ④指導的職員は、タイムリーに的確なアドバイスを行う。 ⑤自身の職責、階層別役割を理解し、部下の健康管理、悩み事を真摯に受け止め、 対応・相談が出来る体制を作り、迅速に対処するできる運営体制に見直していく。 ・職員間の信頼関係の構築を目指す。 (2)業務に際して ①きちんと業務をこなしていく上で、自己の身体・精神の健康管理に配慮していく。 ②生活介護支援の業務を専門性と捉え、業務は主体性を持って当たる。 ③より良い支援を行うため、職員同士が業務上の声掛けを実施する。 ④職員同士、互いの良い点を認める、見習う。 朝、夕の連絡会にて、良い支援、手法、接し方等を報告し、前向きに評価、取り 入れていく。 13 ⑤3~5階は利用者主体の場と再認識するため、3階ロビーのカウンターは利用者 対応の場とし執務、打合せは職員執務室で行う等、区分けを行う。そのための設備 変更を行う。 ⑥同性介助の基本に立ち返り、業務の見直しを行い、勤務体制や業務の入り方を工 夫する。 ⑦創造的な利用者支援ができる、職場環境を作っていく。 ⑧専門職として、他職種との連携を密にして、利用者支援にあたる。その為の、他 職種との交流の場を作る。 食事に関しては、現場で直接関わる生活介護職員と、給食職員との定期的な情報 交換の場を設ける。 5.専門性とスキルアップ・学び、そして質 様々な課題に対して、プロフェッショナルとしての意識を持ち、対応していく。そ れには、個々人のスキルアップが欠かせない。 (1)業務の向上のために ①利用者支援を向上させるため、共通のテーマ、個人のテーマをきちんと考え、年 間を通じてスキルアップをめざす。 ②定期的勉強会を、継続していく(外部研修の報告、ひもときシートを使用しての 勉強会等)。 外部研修参加後は、2〜3週間以内を目途に、係内で口頭での伝達報告を行うこ とで、自身の記憶の強化と再確認を行う。 ③利用者1人1人の理解を深めるための、勉強会の実施。 ④知的障害者を受け入れ方針のもと、研修参加や、研修成果を園・課・係内へ報告・ 伝達していく(障害の知識、制度や具体的支援方法等)。 ⑤PDCAサイクルの勉強会及び、事例発表会の実施を行うことにより、より質の 高い支援を提供していく。 ⑥介護技術の習得・向上はもとより、「質の高いサービス」についても考えていく。 ⑦社会情勢や法的・制度的の変化などについても注意を払い、業務を振り返ってい く。 14 (2)事故・虐待防止 ①事故を具体的に検証するために、事故報告書の振り返り学習を、定期的に行う。 また、より安全な支援に有効活用できるような資料にしていく。 ②特に酸素関連事故について、個々の職員に対し、手技の定期的なチェックを行う など、研修を行っていく。 ③虐待を防止するために、日常的に不適切な対応や言動に対して、客観的に振り返 られるよう努力する。更に、勉強会等も定期的に行う。 また、新しく受け入れていく障害種別対象者の虐待についても、知識を習得して いく。 ④生活課の会議など、職員が集まる時には、職員行動規範、職員倫理規範を確認す る。 (3)新人職員に対して ①新人職員が、安心して、仕事がしやすい・育ちやすい環境づくりを行う(長期的 成長を見据え、個別的に安易な指摘や言動は行わないようする)。 ②「仕事の教え方4段階」をベースに、進めていく。 「仕事の教え方の4段階」 ①習う準備をする ②仕事の内容を説明する ③実際に行ってみる ④教えた後を確認する 習う側に習おうという心構えをもってもらう 教える側が、習う側に業務を説明・教える 教えられたことが分かった上で、業務を行う 教えたことが伝わったかを、すべての点で確認する ③教育の場では、相手に合わせた指導方法を行う。 6.長期的な視点から ①仮設施設への移動をスムーズに実施へ向け、利用者支援に支障が生じないように プロジェクトチームと協力しながら実行していく。特に利用者の意見や不安に耳を 傾け、その変化に気づけるようにする。 ②中、短期の研修に参加し、新しい分野の受け入れるための専門的知識を習得して いく。またその知識を他の職員に周知していく。 ③現在の環境でできること、できないことを整理していく。また、できないことは どのように変えて行ったらできるのかを話し合う。 ④仮設施設での新しい障害種別対象者の生活環境をシュミレーションし、適切な利 用者支援の内容や勤務体制を構築していく。 ⑤将来構想を見据え、夜勤2名体制となった場合の職員構成と、勤務体制をシュミ レーションしていく。 15 福祉支援係 1.業務の見直しとサービスの向上 (1)重症化、高齢化していく利用者に対し、専門家としてより適切な相談支援体制 を目指しその専門的サービスの向上をはかる。 ①日々の支援や個別の面談を通して信頼関係を構築し、利用者の言葉によく耳を傾 け深層ニーズの探求をおこなう。 ②すべての利用者が最後まで生きがいと喜びを持って生活できるよう支援し、看取 りを希望する利用者に対し、各関係部署との連携をとり、外部関係機関も含めて 組織的に関わり、看取り指針に沿った支援をおこなう。 ③金銭管理や諸手続きについて、家族等の理解を得て協力しながらおこない、必要 に応じて成年後見制度や、他の社会資源を活用し円滑に支援をおこなうことがで きるよう連絡調整をする。 ④ケアプラン作成に関し、関わりのある相談支援事業所との連絡・連携をさらに密 にし、新たな相談支援事業所の開拓も進める。利用者自身によるセルフプラン作 成も含めて滞りなく適切に作成できるよう支援する。 ⑤障害支援区分の認定について、適切な区分認定が図れるよう実施機関と連絡調整 をおこない、利用者の状況を的確に伝えるなど側面から支援する。 (2)中長期的な展望を見据えた取り組みを進める。 ①仮設への移動に関して不安を抱える利用者の訴えを受け止め、不安要素を可能な 限り取り除くことができるよう支援する。 ②施設機能の仮設への移行がスムースにおこなわれるよう、プロジェクトをはじめ とした他部署との協力体制を意識する。 ③新しい障害種別の利用者の受け入れを想定し、情報収集や施設見学、園外研修等 に積極的に参加し、実際のサービス提供の準備をおこなう。 ④入園の問い合わせに対し、建替え工事のスケジュールについてアナウンスしたう えで申込み手続きを進める。 2.生産活動 (1)作業内容や参加利用者の状況を踏まえつつ、円滑に作業が行えるよう状況に応 じた支援を実施する。 (2)作業室の環境を作業内容によって適時整え、参加利用者が安全に作業できるよ う配慮する。 (3)参加利用者数や作業遂行能力等を評価し、実情に見合った作業内容の受注を意 識する。 3.その他 (1)地域移行や退園した利用者に対し、安心して自立生活が送れるよう支援する。 ①適宜連絡を取り合い、必要に応じて訪問支援する。 16 ②その他、状況に応じて相談支援や情報提供等をおこなう。 (2)利用者の希望に沿った季節ごとの行事やイベントの実施により、利用者がメリ ハリのある喜望園生活が送れるよう支援する。 ①行事の実行委員として各部署と協力し、利用者の希望に沿った内容で各行事が開 催されるよう運営する。 (3)行事や日常生活などへのボランティアの幅の広い活用を推進し、地域交流の機 会を図る。 (4)利用者同士の交流が円滑におこなわれるよう、利用者の自主活動へのサポート を強化する。 ①イベントや活動の中で、職員が適宜介入することにより、利用者同士がコミュニ ケーションを取りやすくなるよう配慮する。 ②利用者同士のコミュニケーションが活発化することにより、各種行事や活動だけ でなく、喜望園での生活を楽しむことができるよう支援する。 理学療法士 1. 利用者の機能評価を正確に行い活動しやすい環境を整える。 (1) 機能面と日常生活面の評価を行い、目的に合ったプログラムを作成する。 (2) 穏やかに日々を過ごしていただけるよう、配慮ある対応を心掛ける。 2.他職種との連携について (1) 支援の統一が出来るよう問題点を簡潔にする。 (2) 機能評価を分かりやすく提示し目標を明確にする。 診療所 1.喜望園について (1)例年と同じく喜望園の診療を行う。 (2)利用者の定期検診を年2回行う。 (3)喀痰の細菌検査は年3回行う。 (4)インフルエンザの予防接種は秋に1回行う (5)歯科は週1回、皮膚科は月1回、非常勤の医師により診察が行われている。 (6)レントゲン撮影も非常勤技師により週1回行われている。 (7)近年、喜望園では感染症の集団発生は見ていないが、警戒していきたい。 17 診療所 医療係 1.検査室 喜望園利用者・療護園居住者の診察に必要な臨床検査業務や、健康診断として定期 検査を医師の指導の下に行なう。 1)臨床検査 (1)定期検査 ①喜望園利用者:年 3 回 喀痰検査 年 2 回 血液検査 (心電図、血液ガス、呼吸機能、尿検査 1 回) ②療護園居住者:年 2 回 血液検査、尿検査 (心電図 1 回) (2)疾患別検査 (3)入園時検査 2)健康診断 (1)喜望園職員:血算・生化・尿・心電図・腹囲・視力・血圧・便潜血 生活介護係、給食係:保菌検査の取りまとめと外注(毎月) (2)療護園職員:血算・生化・尿・心電図・腹囲・視力・血圧 (3)両園職員夜勤者:血算・生化・尿 (4)針刺等で肝炎ウイルスなどの感染が疑われる場合、事故発生時とその後のフォ ローアップの検査を行なう。 3)業務向上 迅速かつ安全な検査、それらに伴う検査技術を習得するための研修会・学会等に 参加する。 2.薬局 1)業務(調剤以外) (1)医薬品の安全使用のためのマニュアルの見直しを行う。(6月) (2)棚卸を年2回行う(9月・3月)。向精神薬は月1回行う。 (3)医師と相談し採用薬品の見直しを行う。(4・10月) 2)調剤と服薬について (1)喜望園・療護園の医師の処方による調剤を行う。 (2)喜望園・療護園の利用者について、他病院から処方された薬をチェックし、 利用者個別の服用薬一覧を作成、随時更新する。薬の重複防止や副作用・相互 作用を調べ、医療機関との連携をはかる。 (3)看護師・介護士と連携し、利用者の服薬状況にあわせて、薬を適正に安全に 使用するための工夫・援助を行う。 18 3)職務内容の向上について (1)新しい障害種別の利用者の受け入れに向け、疾患について学習し理解を深め る。 (2)研修へ参加し、その成果を着実に業務に反映させる。 (3)地域の病院や薬局とも常に連携をとりながら業務にあたる。 喜望園 看護課 1.喜望園利用者の健康と安全を守り安心した生活ができるように支援する。 (1)体調不良者を診療所に繋げ、医師の診断に基づいた看護を行う。 また、緊急通院の指示があれば通院付添いを行う。 (2)利用者の高齢化に配慮し、訴えを傾聴し、病気の早期発見と増悪の防止に努め る。 (3)定期、臨時注射、処置及び与薬業務を行う。 (4)酸素、非侵襲的陽圧換気(以下 NIPPV とする:Noninvasive Positive Ventilation) の指示内容を確認し、酸素吸入者、NPPV の酸素飽和度の変動に注意する。 (5)重度化、高齢化に対応した看護しやすい環境の整備を他部署と連携して行う。 (6)人工透析通院者の通院先との情報交換を密に行い体調の変化を見逃さない。 (7)看取りの利用者がいれば他部署と協力しあって看護にあたる。 (8)毎月血圧測定と体重測定を行い異常者は医師につなげる。 (9)感染予防としてインフルエンザ予防接種や肺炎球菌ワクチン接種の予定を立て、 接種の介助を行う。 2.職員の健康診断を検査技師、レントゲン技師と協力して行う。 3.他課との情報交換、情報の共有をはかる。 4.課内学習会を行う。 療護園 看護課 1.健康管理として年2回の定期健診の実施、利用者の観察と適時バイタル 測定を行い異常の早期発見に努める 2.パソコンによる情報共有システム(デスクネッツ)、昼のミーティング、個別ノ ート、健康チェック表による情報を共有する。 3.インフルエンザ予防接種、肺炎球菌ワクチン接種(3 回目)を行う。 4.感染対策、職員の処置毎の手洗い、手袋、エプロン装着等の指導をし、手指消毒 19 を徹底し、感染症マニュアルの見直しを随時行う。また、各種ポスターを常に掲 示し、感染予防に努める。 5.医療情報の必要な利用者には通院及び病院訪問をする。 6.利用者全員の延命書類の整備と看取りの看護の継続をする。 7.厚生労働省喀痰吸引等指導・第三号研修(特定の者対象)を継続する。 8.定時薬、臨時薬の配薬セットを継続する。 防災推進委員会 1.防災推進委員会を定期的に開催し、訓練の実施や防災に関する事項を 協議する 2.訓練 (1)防災計画にのっとり、年5回の総合訓練を行う。 (2)消火訓練、消防設備取扱訓練避難器具取扱訓練等の部分訓練を行う。 月 4月 訓 練 内 容 月 机上訓練 訓 練 内 容 10月 (土曜・休日火災想定)職員のみ 5月 総合訓練(火災) 11月 エアマット、キャリダン取扱訓練 6月 通報活動訓練(夜間・火災)職員のみ 12月 7月 総合訓練(夜間避難訓練) 1月 総合訓練(土曜休日・火災) 8月 消火訓練(屋内消火栓)職員のみ 2月 消火訓練(消火器)職員のみ 9月 総合震災訓練(地震・火災・炊出) 3月 総合訓練(合同・火災) 3.防災設備の点検 (1)防災設備の法定点検(12月予定) (2)防火対象物法定点検(12月予定) (3)消防設備の自主点検(5月、8月、11月、2月予定) (4)建物・危険物の自主点検(5月、8月予定、11月、2月予定) 4.その他 (1)新規採用職員の防災説明会(新人研修) (2)居室のコンセント点検 (3)消防設備等の改修 (4)自衛消防審査会の参加 20 労働安全衛生委員会 1 . 労 働 安全衛生委員会を定期的に開催し、職員の労働災害の防止、健康状 態 の 改 善 について協議する。 2 . 毎 月 の労働安全重点項目を職員用掲示板に掲示し、労働災害のゼロへの 啓 蒙 活 動 を行なう。 月 重 点 項 目 4月 春の交通労働安 全を心がけよう 5月 適度な運動、職場ごとの腰痛対策をしよう 6月 全職員の健康診断を実施し、健康管理の徹底を図る 7月 夏期休暇中の事 故に注意する 8月 職場におけるメンタルヘルス対策をとる 9月 秋の交通労働安全を心がけよう 10月 年次有給休暇の取得状況確認 11月 ノロウィルス等感染症に注意し、うがい、手洗いの励行 12月 安全総合点検を実施し、睡眠を取り、暴飲暴食に注意する 1月 インフルエンザに注意し、うがい、手洗いの励行 2月 花粉症対策を万全にし、早目の準備をしよう 3月 危険な職場環境の点検と改善をはかる 行事委員会 1.行事実施にあたっては利用者の意向や希望を踏まえ、生きがいと喜びに繋がる取 り組みとする。 2.重度化、高齢化で外出の機会が少なくなっている中、近隣への短時間・小外出の 機会を増やしていく。 3.行事の準備や実施に当たっては、実行委員や担当職員任せにしないで、各課・各 係が組織的な取り組みをもって行う。 21 <平成27年度 日 程 行事名 4月 3 日(金) 花見 5 月 1 日(金) しょうぶ湯 6月第 3 週~ 小外出 行事予定表> 内 容 中庭での昼食会、喫茶など コーディネ イト部署 給食係 生活課 あじさい・菖蒲 生活課 7月 2 日(木) 七夕飾り 笹飾り、保育園児との交流 生活課 8 月 26 日(水) 夕涼み会 花火やゲーム、喫茶 生活課 10 月 10 日(土) 喜望園まつり 模擬店、展示、アトラクなど 生活課 10 月第 5 週~ 小外出 近隣・短時間のドライブ 生活課 近隣での食事と園内食事会 生活課 11 月 10(火)~ 秋の食事会 20 日(金) 12 月 22 日(火) ゆず湯 生活課 12 月 28 日(月) 正月飾り 鏡餅その他の飾りつけ 生活課 1 月 20 日(水) 新春の集い 昼食と福引き、アトラクなど 生活課 2 月 3 日(水) 豆まきとひまわり喫茶 生活課 雛人形飾りつけ 生活課 節分豆まき 2 月 24 日(水) ひな飾り サービス向上委員会 1.日常の気づきや疑問を持ちより、多職種間の情報共有を図りながら、利用者ニー ズの掘り起こしと解決の取り組みを進める。 2.利用者満足度調査をおこない、第三者評価の結果とも合わせ、利用者の満足度の 向上に努める。調査に当たっては、利用者の意向を十分反映するため、可能な限 り聞き取りを行う。 3.業務の振り返りセルフチェックを年2回(5月と11月)行い、職員の自覚的な 業務の遂行、ストレスなどに起因する利用者に対する不適切な行為の予防に努め る。 4.職員倫理綱領、職員行動規範に基づいた業務の遂行を見守り、不十分な点につい ての取り組みを行う。 22 リスクマネージメント委員会 1.事故報告、ヒヤリ・ハット報告の報告システムは構築されているので、今後も適 正な実施を進める。 2.報告された内容を、職員全体に共有するため、各職場内での回覧や定期的に(課 長会議にて)報告するとともに、必要に応じて随時、情報を発信、学習会を実施 する。 3.原因究明や再発防止の取り組み状況を確認し、該当職場だけで困難な場合は委員 会として共同で取り組みを進める。 4.これまで蓄積された報告事例の分析を行い、事故の傾向や特徴を再発防止に活か す取り組みを進める。 5.発生した事故等については、必要に応じ「東京都、実施期間、家族・親族」に、 適切に報告して行く。 研修委員会 1.福祉施設職員研修(福祉・保健医療研修) 全国社会福祉協議会、全国社会就労センター、福利厚生センター、東京都福祉保 健局、福祉人材センター、東京都社会福祉協議会、同従事者会等の研修会に福祉施 設職員として派遣する。 2.専門職員研修 職務階層別及び、専門的な知識等の研修に下記の該当者又は担当職員を派遣する。 また上位資格取得のための支援、参加の便宜を図る。 (1)東京都福祉人材センター実施研修予定 新任職員研修 中堅職員研修 指導的職員研修 管理職員研修 (2)社会福祉主事任用資格(日本社会事業学校通信課程) (3)介護職員初任者研修課程受講支援 (4)社会福祉士受験資格取得支援 (5)福利厚生センター海外研修 3.見学研修・園内自主研修 知的障害者を支援する福祉施設の見学を実施する。呼吸機能障害や透析を含む内 部障害者に関する広汎な研修や外部講師を招致しての現場での事例を取り上げた グループスーパービジョンを実施する。 4.OJT制度の実施 23 新規採用職員に対し、OJTリーダー(職場内研修リーダー)制度をとりいれ、 本人の職歴や経験に合わせたプログラムを策定した研修を実施する。業務の基本内 容、ルール、緊急時の対応や各種書類の記入方法をも含めた指導を徹底する。また 改正された組織を生かし、業務上の悩みや疑問に答える体制をとり定期的な面談等 を実施し、達成度を確認しながら支援していく。 5.非常勤職員研修 新規に採用する短時間パート及び非常勤職員(再雇用退職者を除く)に対して、 運営理念、障害者自立支援法等、清瀬喜望園の特徴を「非常勤職員研修プログラム」 を作成し、実施する。 6.係長研修 現場業務の責任者として、目標達成のために上司を補佐し、後輩の指導を含めた 現場業務と、管理業務を両立させることができるよう園内研修を実施する。 5月より隔月開催。 7.新人職員研修 新たに清瀬喜望園に入職した職員に対して、新人職員研修として、清瀬喜望園の 施設全体の研修として3日間の研修を行う。また毎月1回、業務時間外で基礎講座 をおこなう。 8.内部研修 それぞれの部署内で必要に応じて適宜、研修会や講習会を行う。その際、内容と 日時を他部署にも広報し、希望者は参加できるようにする。 9.派遣研修報告会 派遣研修参加に際しては、研修受講復命書を事前事後に提出し上司の指導を受け より意識的な参加を促す。研修復命報告は関係部署にも回覧し、また報告会を7 月・11月・3月の年3回実施し、各回2件から3件の研修成果を職員間で共有す る。 10.実習生の受け入れ 年間受け入れ計画に基づいて実習生を受け入れる。昨年に引き継き、人事院の福 祉施設体験研修、東社協からの教員免許取得のための介護体験等の実習を受け入れ る。受け入れに際しては、実習目的に沿った実習計画を、各指導担当者を中心に作 成し受け入れる。 11. 研修履歴について 派遣研修を一層有効に実施するために、共有サーバー上の「研修履歴」を使用し て研修履歴を集約し、職員個々に必要な研修を把握し計画的な派遣をおこなう。全 体で管理するほか職員各人ごとに年度当初には派遣計画を、年度末には研修履歴を シートに記入し提出する。 24 地域交流・ボランティア委員会 1.2ヶ月に 1 回、定例の委員会を開催し、地域交流・ボランティア事業の活性化を 図る。 2.現在受け入れている様々なボランティア活動を継続する。また、清瀬社協との連 携を強め、新しいボランティアの確保に努める。 4.ボランティア活動への感謝をこめて3月に「感謝の日」を開催する。 5.地域住民との交流、施設機能の開放のために下記の地域交流事業を推進する。 (1)春と秋の2回、地域住民の方へ呼びかけコンサートを開催する。 (2)夏季青少年ボランティア体験の受け入れ。 (3)「きよせふれあいまつり」への参加、協力。 (4)喜望園まつりを地域交流の一環として実施する。 (5)施設設備、施設機能の開放を積極的におこなう。 (6)竹丘地域の緑蔭サロンに参加し、住民との交流や情報交換を密にする。 (7)地域の呼吸機能障害者の活動に連携、協力する。 広報・PR委員会 1 . ホ ー ムページを随時更新し、内容の充実を図る。 2 .広 報 誌「こもれび」を年二回(7 月・1 月)発行し、利用者の家族、関係 機 関 、 障 害者団体、地域住民 へ喜望園の広報活動を行なう。 3 .近 隣 の 住 民 に 施 設 を 知 っ て も ら う こ と の 目 的 で 、見 学 会 を 年 二 回( 9 月 ・ 2 月 ) 実施していく。 個人情報関連委員会 1.個人情報の保護に努め、各課・係の保有する個人情報の管理を適切に行なえるよ うにする。 2.個人情報保護のため、「情報セキュリティ実施基準」等の規程の整備を行う。 3.利用者、職員に個人情報保護法の理念が正しく理解されるよう啓蒙を図る。 4.PCの破棄や管理を適切に行う。 25 業者選定委員会 1.年間契約の業者選定について (1)今年度も入札方式を取り、妥当性のある選定を行なう。 (2)次年度契約について12月より準備を開始する。 2.随時契約の業者選定について (1)経理規定を遵守し、プレゼンテーションや入札方式を取り入れ、複数の見積 もり等を取り選定を行なう。 業務刷新委員会 1 . 定例の委員会開催を実現する。 2.業務マニュアルの整備、整理をする。 3.園内LANの効率的な情報共有の方法をさらに検討していく。 4.緊急時、大規模災害時等の危機管理が必要な事態になった時に、記録や情報をど のようにするかを検討する。 26 東京都清瀬喜望園職員倫理規範 1.援助にあたっては、利用者の人間的尊厳の保持、個性・人格の尊重を基本とする。 2.利用者の生命・安全・財産を守る。 3.利用者の障害の程度、年齢、性別、国籍、宗教等による差別的取り扱いを禁止す る。 4.ノーマライゼーションの理念に基づき、利用者が地域社会の一員とて生活し、通 常の社会的諸活動に参加する権利を保障する。 5.利用者と職員は対等な立場と対等な関係にあることを確認する。 6.利用者主体の生活の確立をめざし、利用者の意思と自己決定権を尊重する。 7.職務上知り得た利用者の秘密やプライバシーを保護する義務を負う。 8.利用者の訴えや相談に対しては、受容的態度と傾聴を基本とする。 9.精神的・心理的な言葉による威嚇や、無視・放任などを含むいかなる体罰や暴力 も禁止する。 10.職員は常に自らの職務の専門性の向上とその研鑽に努力する。 東京都清瀬喜望園職員行動規範 1.施設長行動規範 (1)施設長は、利用者の権利擁護のため、率先して倫理・行動規範を実践し、また 職員が倫理・行動規範を遵守するよう指導する。 (2)施設長は、定期的に利用者援助の場を訪問するとともに、援助の記録に目を通 し、必要な助言をする。 (3)施設長は、委嘱したオンブズマンの活動に積極的に協力する。 2.職員行動規範 (1)利用者へのあいさつや声かけを忘れず、利用者の呼称については「○○さん」 と呼ぶことを原則とし、安易な愛称や呼び捨てはしない。 (2)利用者の居室に入る際は、緊急時を除き、必ずノックし声かけをして了解を得 てから入室する。 (3)援助方針・援助計画をたてるときは、利用者の意向を十分にくみ、意見を尊重 して進める。 (4)行事その他の集団活動、あるいは利用者全体の生活に関わることについては、 27 利用者自治会の参画と話し合いで進めていく。 (5)利用者に対しては同じ目線で話し、からかいや面白半分の扱いをせず、命令調、 大声、高圧的、感情的な言動で接しない。 (6)利用者からの援助の依頼や相談があったときは、それを厭う表情や態度をせず、 会議や打ち合わせを理由に後まわししない。また、待ってもらう場合は大体の 時間を告げ了解を得る。 (7)利用者からのコールに対しては、適切な対応をする。 (8)職員の側に非があったときは、率直に謝罪する。 (9)仕事と私事を区別し、公私混同しない。また、利用者・家族からの贈り物や金 品は受け取らない。 (10)呼吸機能障害者の特性に配慮し、化粧品・整髪料・煙草の匂いには十分気をつ ける。 28
© Copyright 2024 ExpyDoc