鈴木先生:2015-0416 臭素シンポジウム 配布資料

車両火災と構造物の被害等
鈴木 淳一
国土技術政策総合研究所
建築研究部 防火基準研究室
1
建築火災の概要(建築物の火災安全設計)
• 建築物の防火規定の火災安全上の目的
• 出火防止:日常的な出火防止
• 火災時の避難安全:地上などの避難場所へ安全に避難
• 周辺への危害の防止:類焼や倒壊等を抑制
• 市街地火災の抑制:一定の受害防止
• 円滑な消防活動:消防活動上の設備
・経路・活動拠点の確保
廊下
• 火災初期
(火気設備、内装制限、消火設備、排煙規定等)
廊下
事務室
事務室
• 火災成長の抑制
• 廊下などへの煙の拡散防止
• 火盛り期
廊下
事務室
防火設備(延焼防止)
崩壊・倒壊防止
(防火区画、構造体の耐火性能要求等)
• 非火災室への延焼の抑制
• 階段室等への煙の拡散防止
• 構造体の崩壊・倒壊防止
廊下
火災室
出火防止・火災成長の抑制
2
建築火災の進展状況(火災フェーズと温度)
火災温度
くん焼
火災
初期
火災
盛期
火災
減衰
耐火設計用の
火災性状
フラッシュ
オーバー
現実の火災
時間
躯体の耐火性
建築基準法
避難安全
感知・通報
救助・本格消火
消防法
3
建築火災の進展状況(実大火災実験等)
部屋の隅角部での火災の成長(ルームコーナー実験)
不燃内装 区画火災
開口噴出火炎
4
想定される火源(身近な可燃物の燃焼性状)
1分後
7分後
6分後
6分30秒後
9分後
8分後
2分後
5
建築火災の進展状況(ビデオ映像)
6
建築火災室内の温度と試験温度
1600
Temperature (℃)
1400
1200
1000
800
600
400
Standard Fire(ISO834)
Hydrocarbon Modified Curve
RABT-ZTV(car)
Experimental results
200
0
0
10
20
ISO834:建築火災用
30
40
Hydrocarbon Curve(Eurocode1)
RABT-ZTV(train)
RWS (Rijkswaterstaat)
S2-A avg.
50 60 70
time (min)
HC:石油火災等用
80
90 100 110 120
RABT:車輌火災用
7
建築屋外加熱度(JIS A 1301) *
1400
1級加熱
2級加熱
3級加熱
Temperature (℃)
1200
1000
800
600
400
200
0
0
5
10
15
time (min)
20
25
30
加熱試験温度 (JIS A1301 建築物の木造部分の防火試験方法)
*試験法が国際標準化される以前の防火構造の試験温度
8
建築基準法の要求耐火時間
最上階から4階分
1時間耐火構造の部材
上から5~14階分
2時間耐火構造の部材
上から15階以上
3時間耐火構造の部材
建築基準法の要求耐火時間
9
車輌の身近な可燃物の燃焼性状
①車輌1台の燃焼、複数台の燃焼
燃焼時の発熱速度
周囲への放射熱
②駐車場内等での燃焼
構造体への影響
構造物への影響、燃焼時間
10
車輌燃焼実験の概要(既往の実験)
• 駐車場などの火災外力
• 自走式駐車場、立体駐車場、地下駐車場等
• 実験車両の例
•
•
•
•
•
•
バイク
軽自動車
中型乗用車
大型乗用車
RV車
ワンボックス車
大型フード
ガスサンプリング CO,
圧力、温度
CO2,
O2
熱電対架台
実験車両
ステ-ジ
ロ-ドセル&球座
参考文献:例えば、原田和典他, 自動車燃焼,日本建築学会学術講演梗概集, 2003
松山賢他, 自動二輪車の可燃物量と燃焼性状日本建築学会学術講演梗概集, 2003
11
バイクの燃焼性状(スクータータイプ)
6000
スクータータイプ
[中型]
発熱速度 [kW]
5000
4000
3000
2000
1000
0
0
300
471sec(7m51s)
508sec(8m28s)
)
座面燃焼時
後部燃焼時
600
900 1200 1500 1800 2100 2400
時間 [sec]
662sec(11m02s) 1200sec(20m00s)
最大発熱速度時
12
車の燃焼性状
中型乗用車
軽乗用車
1BOX
ワゴン車
13
発熱速度HRRと総発熱量THR
6000
6000
5000
5000
4000
4000
3000
3000
2000
2000
1000
THR(MJ)
HRR(kW)
ワンボックス
1000
軽自動車
0
0
0
10
20
30
40
Time(min)
50
60
14
実験車両の重量減少等の一覧
車両総重量
(kg)
最大発熱速度
(MW)
可燃物の割合
(%)
火災継続
時間
軽自動車
573
2.8
14.8
約30分
大型乗用車1
1,660
3.8
14.1
約60分
大型乗用車2
1,728
5.0
13.8
約60分
大型乗用車3
1,716
6.8
16.5
約60分
RV-1
1,742
3.4
11.5
約50分
RV-2
1,704
5.2
13.7
約50分
1BOXワゴン
1,428
4.7
13.6
約40分
車内の内装、バンパ-等の外装、エ
ンジンル-ムの 配線、オイル、タ
イヤ等々の可燃物が燃焼
15
駐車場の実大火災実験
•
•
•
•
•
3層4段駐車場
建築面積:約600m2
延べ面積:約1100m2
鉄骨造
車輌:12台/階
Large Scale Fire Tests of a 4-Story Type Car Park
Part 2: Analysis of the thermal stresses and deflections
Hirashima, Uesuzi
16
駐車場の実大火災実験/着火の状況
17
トンネル火災事例(車両、鉄道)
国内トンネル火災
年
例
発生場所
概
要
1940
西城線(現桜島線)安治川口駅
死者180,負傷者32,ガソリン車脱線横転ディーゼル転換契機
1947
1951
近鉄
国鉄
生駒山トンネル
桜木町駅
死者28,負傷者64,電車の抵抗器の加熱
死者106,負傷者93,弛緩架線にパンタ接触,破損
1956
南海
高野線18号トンネル
全3両全焼 死者1,負傷者42,電車の抵抗器の加熱
1967
国鉄
中央線新宿
脱線したタンク車からジェット燃料流出引火
1968
営団
日比谷線
車両1両全焼,2両焼損,11名負傷,走行中抵抗器から出火
1972
1979
国鉄 北陸トンネル
東名高速道路日本坂トンネル下り車線
7人死亡 2人負傷
1980
国鉄
武蔵野線
高架下の古タイヤ5万本燃焼,復旧に7ヶ月,5億円投入
1987
近鉄
生駒トンネル
死者1,負傷者57,高圧ケーブルから出火,列車停止
1988
JR
上越線越後中里
気動車エンジン消音器内部に滞留していた油に引火
2011
JR
石勝線第1ニニウトンネル
脱線した気動車がトンネル内で火災,全6両全焼
西浦和駅構内
海外トンネル火災
年
1995
1996
死者30,負傷者714,食堂車から出火・停止
例
発生場所
アゼルバイジャン バクー市営地下鉄
ユーロトンネル
概
要
死者約300,負傷者約270,走行中の地下鉄車両で出火
負傷者8,貨物シャトル列車上のトラックから出火
1999
モンブラントンネル
死者39名、負傷者27名
2000
2002
2003
2008
オーストリア カプルン山岳鉄道
エジプト カイロ郊外
韓国 大邱市地下鉄(中央路駅)
ユーロトンネル
死者155,ケーブルカーのトンネル内火災
死者約370,車内給湯用ガス器具爆発,出火後の列車停車の遅れ
死者133,放火による火災,対向列車へも延焼
負傷者14,貨物シャトル列車上のトラックから出火
貨物トラックから出荷
コンクリートの高温特性とコンクリート構造物の耐火性能に関する研究委員会報告書
JCI 2012
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構造部材の火害 RC構造 柱, 梁, 床
激しい火害を受けた柱の爆裂
激しい火害を受けた
梁の爆裂
激しい火害を受けた
床スラブの爆裂
19
構造部材の火害 金属系構造
梁の残留変形
鋼材の変形
デッキプレートの変形
出展: 建物の火害診断及び補修・補強方法 2004, AIJ
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