文化政策講演会 日本の文化施設を歩く―官民協働のまちづくりを目指して― 講演にあたって 松本茂章 松本は、自治体文化政策を研究し、なかでも文化施設に関心を持っています。文化施設がどの ように地域と連携しているのか、などについて全国各地を訪ね歩きながら調べてきました。多様 な事例を考察した成果は、自治体職員向け月刊誌『地方自治職員研修』(公職研)の連載「施設 からみる自治体の文化水準」で紹介し、これらの連載原稿を再編集して、2015 年 4 月、単著『日 本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』(水曜社)を刊行しました。本書では、北海道か ら九州まで 80 余りの文化施設を取り上げ、現状と課題を紹介しています。その結果、わが国の 文化施設がいかに多様であり、ユニークな人材が常駐しているか、が分かってきました。さらに は文化施設の存在が、官民協働のまちづくりと深い関係にあることを浮き彫りにすることができ ました。 講演会では、全国各地の文化施設が直面する今日的な課題や悩み、あるいはそこで働く人々の 表情、やりがい、異色の取り組みなどについて、連載時の取材・調査の裏話も含めて、楽しく語 ろうと思っています。東京で講演するので、東京以外の地域を中心にしてお伝えします。 松本茂章(まつもと・しげあき) 公立大学法人 静岡文化芸術大学文化政策学部/大学院文化政策研究科教授。日本文化政策学会 理事、日本アートマネジメント学会関西部会長、NPO 法人世界劇場会議名古屋理事。 専門は政策科学、自治体文化政策、まちづくり政策、文化施設研究。 早稲田大学教育学部地理歴史専修卒業。読売新聞記者、支局長を経て、同志社大学大学院総合 政策科学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(政策科学)。2006 年 4 月から県立高知女子 大学文化学部教授(現在、高知県立大学)、2011 年 4 月から現職。 単著 『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』(水曜社、2006) 『官民協働の文化政策 人材・資金・場』(水曜社、2011) 共編著 中川幾郎・松本茂章『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007) 高田和文・松本茂章『SPAC の 15 年 静岡県舞台芸術センターの創造活動と文化政策をめぐって』 (静岡文化芸術大学、2013) 共著 『呼吸するお寺』(創教出版、2007) 『入門 文化政策 地域の文化を創るということ』(ミネルヴァ書房、2008) 『地域の自律的蘇生と文化政策の役割』(学文社、2011) 『継ぐこと・伝えること』(京都芸術センター、2014)など
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