BPRの概要 欧州化学物質庁事務局長による化学物質管理政策 最新動向セミナー:REACH、CLP及びBPRの最新動向 2015年4月3日/東京 (日本) 欧州化学物質庁 国際関係担当官 Petteri Mäkelä 新たな規制 • 殺生物性製品規則 (BPR) (EU) 528/2012 o 殺生物性製品指令(98/8/EC)に替わるものである • • 2012年5月に採択 2013年9月1日、運用開始 • ECHAウェブサイト経由での規則本文へのリ ンク http://echa.europa.eu/regulations/biocidal-products-regulation • 以下の法令により規制されていない殺生物 性製品を対象とする: o 農薬、動物用医薬品、化粧品の法令 PUBLIC 2 指令から規則になった理由 • EUの殺生物剤市場の機能を改善す 申請者 る • 人の健康及び環境の高水準の保護 評価を行う所管当局 (ECA) を確保する 作業部会 作業部会 作業部会 • プロセスを簡略化及び効率化する • 動物試験を減らす o o 強制的なデータ共有/費用分担 試験へのより柔軟かつ賢明な取り組みを 奨励する PUBLIC 欧州委員会 3 規則 vs 指令 • 新たな定義には以下が含まれる: 指令 規則 o その場での生成 o 上市 附属書I収載 承認 o ナノマテリアル 附属書I 承認された物質 の一覧表 附属書IA 附属書I 低リスク 製品 簡略化した手順が 適用可能な製品 枠組みの 公式化 殺生物性製品グ ループ 98/8/EC • 処理された成形品に関する要件 • 危険性に基づく除外及び代用 • 相互承認の詳細な手順 • 殺生物性製品の欧州連合認可が可能 • 認可のための調和のとれた「製品概要」 PUBLIC EU 528/2012 4 ECHAとBPR • 加盟国各自で扱うよりもEUレベルで扱ったほうがよい手続 の調整及び業務の集中化 殺生物性製品委員会 欧州委員会 意見 加盟国 評価 IUCLID 産業界 BPC議長 (BPC) ヘ ル プ デ ス ク & 殺 生 物 性 製 品 の 登 録 事務局 ガ イ ダ ン ス 活性物質の承認 審査プログラム 欧州連合認可 その他科学的意見 調整グループ 技術的等価 事務局 代替供給者 データ共有 申請 普及 上訴委員会 PUBLIC 5 基本的な概念 • 活性物質:有害生物に対する、もしくは反する、作 用を有する物質または微生物 ― 承認 o 有害生物: 人間やその活動、もしくは人間が利用したり生産したりする製品、 動物または環境にとって望ましくない存在であったり、有害な影響を与えたり する生物 (病原体を含む) • 殺生物性製品 ― 認可 o 22種類の製品タイプに分けられる (附属書V) PUBLIC 6 主要なグループ及び製品タイプ • 消毒剤 o • ヒト用衛生製品 (1) 、公衆衛生用 (2) 、動物用 (3) 、 食料や飼料の分野 (4) 、飲料水用 (5) 保存 (防腐) 剤 o • 缶詰用 (6) 、フィルム (被膜) 用 (7) 、木材用 (8) 、繊維 用 (9) 、建造材料用 (10) 、液体冷却用 (11) 、スライム 防止剤用 (12) 、金属加工用液体用 (13) 有害生物駆除剤 o • 殺鼠剤 (14) 、鳥駆除剤 (15) 、軟体動物駆除剤 (16) 、 殺魚剤 (17) 、殺虫剤 (18) 、忌避剤 (19) 、その他の脊 椎動物の駆除剤 (20) その他の製品 o 汚染防除製品 (21) 、 死体及び剥製防腐のための液体 (22) PUBLIC 7 法的状況 • 審査プログラム o o 既存の活性物質の製品タイプの組み合わせを、EUの制度に段階的 に導入する 既存の殺生物性製品を認可を行うことにより、EUの制度に段階的に 導入する • 未承認の活性物質及びその結果として未認可の殺生物性製 品は全て、市場から除去しなければならない EU市場は、審査プログラムが終了するまでは移行段階にある。 8 ECHAの役割 • 集中型ITシステム 殺生物性製品の登録 R4BP 3 (全申請の中心) 殺生物性製品用の機能を含むIUCLID 5.6 • 殺生物性製品委員会及び調整グループ EU全域での取り組みのための中心機関 メンバーへの科学的支援及び管理上の支援 品質及び一貫性並びに透明性の確保 • 申請者及び加盟国への支援 ガイダンス及びECHAヘルプデスク/ヘルプネットの提供 加盟国間の一貫した取り組みを推進 • データの共有及び普及並びに技術的等価 REACHの経験で得た便益 • 情報伝達 重要な関係者及び利害関係者との意識向上 9 活性物質の審査―主な手順 所管当局の報告 公開協議 意見を述べる段階 代替品の候補がある場合に限る 加盟国及び申請者 作業部会での討議 有効性 物理化学的方法+分析的方法 人の健康 環境 継続調査 殺生物性製品委員会 (BPC) PUBLIC の意見 欧州委員会の 意思決定 10 審査プログラム • 活性物質の製品タイプのドシエの数: o o o • • 総計: 619 承認: 109 EUレベルで査読中: 144 審査プログラムで対応している 既存の活性物質の数 年間で約50件のドシエを審査 期間は2014年5月14日から2024年 12月31日まで 11 活性物質の承認 すべての新規申請に対するより迅速なプロセス: • 評価段階に1年間 • 意見の形成に270日間 • 評価期間中に期限が延長される可能性 • 最長180日間まで。要求されるデータの性質または特別な事情によ り正当と認められる場合は180日間以上 • 全体で: 申請書の提出からBPCの意見形成まで約2年間 • 欧州委員会の決議の履行が続く PUBLIC 12 活性物質からは除外される「SVHC」 • 以下の物質: o o o CMR (発がん性、変異原性、生殖毒性に分類される) 1Aまたは1Bの物質 PBT (難分解性、生体蓄積性、毒性) またはvPvB (極めて難分解性で高い生 体蓄積性) の物質 ED (内分泌かく乱) の性質を持つ物質 • 例外的に活性物質として承認される「SVHC」: o 曝露が極わずかな物質 o 人もしくは動物の健康、または環境に対する深刻な危険性を管理するために 不可欠な物質 o 承認しないことで、社会に過度の悪影響をもたらす物質 PUBLIC 13 活性物質の代替品 • 活性物質が代替の候補である場合 殺生物性製品が相対評価の対象になる • ECHAによる60日間の公開協議: o 第三者が関連情報を提供 o 主に、予期される利用可能な代替品に関する情報 • 所管当局報告書における基準の明示的な評価 o 基準が満たされているかどうかは、評価の最終結果のみにより確認される PUBLIC 14 データ共有は義務である • R4BPを通してECHAへ提出 • 活性物質の動物試験及び供給者の独占状態を最小限に抑える • 以下に適用される: o 既存の活性物質のすべての毒性及び生態毒性研究に関する脊椎動物試験 のデータ o 代替供給者に関するデータ • 将来の申請者及びデータ所有者は合意点を探さなければばならない • データに対する補償は公正で透明性があり差別的でない方法で決定し、 本規制のために提出される情報にかかる費用は分担する • 交渉が失敗した場合には、ECHAは将来の申請者に参照する権利を与 え、国の裁判所により決定された相応の費用の負担が支払われるものと する PUBLIC 15 活性物質の費用分担 • すべての活性物質製造業者または輸入業者は、2013年9月 1日の時点で、ECHAにドシエまたは利用状を提出していな ければならない • ECHAは、この義務に従った製造業者または輸入業者の一 覧表を作成する • 2015年9月1日から: 活性物質のリスト化された情報源のあ る殺生物性製品のみが市場で入手可能になる • 審査プログラムにおける既存物質のデータ保護は、遅くとも 2025年12月31日に終了する PUBLIC 16 殺生物性製品―2段階の方法 殺生物性製品 活性物質 欧州委員会 加盟国1 加盟国2 加盟国3 EU EUポジティブリスト ステップ1 ステップ2 製品タイプの組み合わせごとに 活性物質を承認 国または欧州連合レベルでの製品認可 PUBLIC 17 欧州連合の認可 • 欧州委員会より与えられる、欧州連合市場全体で有効な認 可 • EU全域の使用条件が類似している単一の殺生物性製品ま たは製品グループが対象 • 以下は除外: o o o 除外基準を満たす物質を含む製品 げっ歯類、鳥類、魚類、その他の脊椎動物を抑制するた めの製品 (製品タイプ14、15、17、20) 防汚製品 (製品タイプ21) 18 欧州連合の認可 変遷 1. ステップ 2013年 9月1日: 製品タイプ1、 3、 4、5、18、 19 新たな活性物 質を含む殺生 物性製品 2. ステップ 2017年 1月1日: 製品タイプ 2、6、13 タイムライン 3. ステップ 2020年 1月1日: 事前提出 適格性確認 - 180日間 提出 残りすべて の製品タイ プ (除外さ れるもの以 外) 検証 - 30日間 評価 - 365日間 ECHA委員会の段階 - 180日間 欧州委員会の決定 19 欧州連合認可の利点 • 使用条件が類似している殺生物性製品を、EU市場に出す ことを促進する o 複数の加盟国市場を対象としている事業者のための簡略化された手続き o 全体的な管理上の負担の軽減 o 欧州連合の市場全体に対し単一の認可を行うことで、製品の安定供給によい影響を 与える o 期限を定めることで、申請者に対しより確実性を与えることになる o 調和化された手続きにより、ドシエの評価における一貫性が改善される 20 殺生物性製品の相互承認 • よりよい施行のために異議申し立てや、権威失墜に対処する 仕組みを含んだ明確な手順 • 選択肢: o 順番に: 製品がひとつの加盟国ですでに認可されている場合の申請 o 並行して: 製品がまだ認可されていない場合の申請 • 加盟国は90日間で調整及び合意を行う • 合意に至らない場合、欧州委員会が決定する o 欧州委員会に言及される意見の不一致について。できればECHAの 意見に基づくもの。 PUBLIC 21 殺生物性製品の簡略化された手続き • 健康及び環境に関して低懸念/より高水準の製品の市場取 引を促進する: o 附属書Iに記載のすべての活性物質 o 懸念物質またはナノマテリアルを含まない o 十分な有効性 o PPE (個人用保護具) を着用する必要がない • 製品認可の利点 o o 手続きがより迅速になる:加盟国による評価は90日間で行われる ひとつの加盟国により認可されると、ECHAへの通知後、その製品を EU市場全体に出すことが可能になる PUBLIC 22 製品の相対評価 • 認可の評価期間中: o 殺生物性製品 o 認可の更新 (加盟国レベルまたはEUレベルのどちらかで) • 以下の代替品候補がある製品は、認可されない: o 著しく低いリスク o 十分に効果的である o 経済的または実務的な不利益がない o 抵抗を最小限にするのに適切な化学的多様性 PUBLIC 23 製品認可の概要 最長10年間の殺生物性製品の認可 その他の加盟国 国の認可 順番での相互承認 その他の加盟国 並行での相互承認 すべてのEU加盟国 欧州連合の認可 PUBLIC 24 処理された成形品 • 定義 o 物質、混合物または成形品 o 殺生物性製品で処理される、または意図 的に殺生物性製品に包含されている • 成形品の処理に使用する殺生物 性製品中の活性物質は、EUにお いて承認される必要がある • 技術的なガイダンスは作成中 PUBLIC 25 処理された成形品 上市するための条件 • o 成形品は、活性物質の承認に関連するすべて の条件に従っていなければならない 未承認の物質/製品タイプの組 み合わせは、以下の場合許可さ • れる o 組み合わせがまだ審査プログラムにある場合 o 承認申請が2016年9月1日以前に提出されて いる場合 PUBLIC 26 処理された成形品―ラベル表示 • 以下の場合、要求される o o 成形品の殺生物特性に関して苦情が寄せられ ている 物質の承認条件に要求されている • 情報は、国の公用語で提供すること o 成形品が殺生物剤を包含しているという記述 o 成形品の殺生物特性 o すべての活性物質及びナノマテリアルの名称 o DMF (フマル酸ジメチル) を包含している靴を 履いてから23日後の皮膚炎 人または環境を保護するために必要な場合は 使用説明 PUBLIC 27 BPR用ITツール 加盟国監督当局 (MSCA) 企業 ドシエ AS/BP ホスト集中型殺生物剤用ITツール 欧州委員会 データセット AS/BP 企業 産業界 当局 ドシエ AS/BP IUCLID 当局 ドシエ AS/BP AS=活性物質 BP=殺生物性製品 R4BP3及びIUCLID:共通のハブ及び ペーパーレスシステム PUBLIC 28 http://echa.europa.eu/regulations/biocidal-products-regulation PUBLIC 29 ECHAヘルプデスクのBPRに関するアドバイス 利用者: 申請者、特に中小企業 トピック: 活性物質の承認、附属書Iへの収載、欧州連合の認可 範囲: アドバイス 伝達手段: ヘルプデスク用コンタクトフォーム http://echa.europa.eu/contact/helpdesk-contact-form PUBLIC 30 殺生物剤ガイダンス http://echa.europa.eu/web/guest/guidance-documents/guidance-on-biocides-legislation PUBLIC 31 BPR及びPICの成果 殺生物剤 • • • • • • R4BP3により殺生物剤関連の申請用ITツールを更新 電子提出・保管システム 規制システムの変更を義務所有者に明確に提示 新たな規制プロセスがうまく機能することを証明 活性物質審査プログラム 2014年の意見数:34件 PIC (事前通報・同意) • 規則の円滑な引継ぎ • 輸出及び輸入の通知用の新しいePIC ITツール • うまく行われた通知管理 • 2014年:約4,600件 PUBLIC 32 ECHAと産業界の課題 (2015年) 殺生物剤 • 活性物質供給者の資格を得るための企業の申請は9月1日まで • 対象に含まれない製品は市場に出せなくなる • 申請数及びそれに伴う手数料収入額並びに不確実な状況にお ける殺生物剤に関連する活動の計画 • 欧州連合の認可 • 企業にとっての新たな機会 • ECHAが管理する新たなプロセス PUBLIC 33 覚えておく価値のあること • BPRは、プロセスを効率化し、意思決定を強化 する • ビジネスの機会ではあるが、企業は自らの義務 とタイムラインを学び、理解する必要がある • ECHAは企業に、支援、ITツール、ガイダンスを 提供する • 処理された成形品及び代替供給品の要件に注 意する ありがとうございました!
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