技術【いも類】 品質向上に資する栽培技術 その他の技術

技術【いも類】
品質向上に資する栽培技術
技術名
技術の特徴
馬鈴しょ原料を長期貯蔵してもポテトチップのカラーを低下させずに芽の伸長を抑制する技術として、エチレンガスを用いた加工
エチレンを用いた加工用馬鈴しょの萌 用馬鈴しょの長期貯蔵技術を開発し、指針を策定した。
なお、供給するエチレンガスのコストは75円/tと試算されるが、原料の減耗や芽を取り除く作業の軽減効果として4,000 ~5,000
芽抑制による高品質貯蔵技術
円/tのコスト減が見込まれることから、経済的な優位性は大きいと考えられる。
開発機関名
ページ
(地独)北海道立総合研究機構農業研究本部
1
開発機関名
ページ
その他の技術
技術名
技術の特徴
1. 施肥量が多いほど多収となるが、窒素を20kg/10a施用することにより、商品価値が高い、長さ30cm以上の葉柄の発生割合
が最も高くなり、30kg施用と同等の総収量が得られる。
2.緩効性被覆肥料(化学肥料)のみの施用や、施用窒素量の50%を有機質肥料と組み合わせることにより追肥を省略でき、慣行
葉柄専用サツマイモ「エレガントサ
(追肥が必要)と同等の収量が得られる。
福岡県農業総合試験場
マー」の葉柄生産に適した施肥と収穫
方法
3.収量性や作業時間および作業強度から、「全刈り」や「葉柄収穫」が収穫方法として適する。「全刈り」は収穫間隔は空くが、作
業時間が短く、作業強度(ほ場における収穫作業の姿勢など)も軽いので、広い面積で栽培する人や足腰の弱い人などに適する。
「葉柄収穫」は、作業時間が長く作業強度も重いが、収穫回数が増え、収穫期ごとの収量を均等化できるので、栽培面積が狭い
場合や安定生産したい場合に適する。
「シモンイモ」茎頂培養における摘出
茎頂の大きさと植物ホルモン条件
2
1.サツマイモ斑紋モザイクウイルス(SPFMV)感染株から摘出した茎頂の大きさが0.5mm 以下であれば、鉢上げ後のRT-PCRの
結果から90%以上がSPFMV フリーである。
熊本県農業研究センター農産園芸研究所
2.培養時の植物ホルモン条件は、ナフタレン酢酸(NAA)を添加せず、ベンジルアデニン(BA)4mg/L を添加することで3 か月後
には、葉が展開し20mm 以上発根した鉢上げが可能な個体が得られる。
5
品目
技術名
機関名
(地独)北海道立総合研究機構農業研究本部
部署名
企画調整部企画課
記入者氏名
山崎 敬之
電話番号
0123-89-2587
e-mail
[email protected]
いも類
エチレンを用いた加工用馬鈴しょの萌芽抑制による高品質貯蔵技術
特徴
馬鈴しょ原料を長期貯蔵してもポテトチップのカラーを低下させずに芽の伸長を抑
制する技術として、エチレンガスを用いた加工用馬鈴しょの長期貯蔵技術を開発
し、指針を策定した。
なお、供給するエチレンガスのコストは75円/tと試算されるが、原料の減耗や芽を
取り除く作業の軽減効果として4,000 ~5,000 円/tのコスト減が見込まれることか
ら、経済的な優位性は大きいと考えられる。
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって
解決が期待される課題)
・ポテトチップス原料用馬鈴しょ長期貯蔵施設における貯蔵条件の設定、品質管
理、品種選定に際して活用する。
・2013 年1 月現在、エチレンは特定防除資材としての指定が保留されている資材
であり、農薬効果を謳って販売しない限り、暫定的に使用者が自分の責任と判断
で使うことが可能である。
特許権、実用新案権の有無
無
登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合
登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合
普及状況
(普及している地域、面積、その他参考
情報※を記載願います。)
開発機関名
加工用バレイショ高品質貯蔵技術開発コンソーシアム(中核機関:酪農学園大
学)、十勝農試、中央農試
備考
1
品目
技術名
機関名
福岡県農業総合試験場
部署名
八女分場
記入者氏名
執行 明久
電話番号
0943-42-0292
e-mail
[email protected]
いも類
葉柄専用サツマイモ「エレガントサマー」の葉柄生産に適した施肥と収穫方法
1. 施肥量が多いほど多収となるが、窒素を20kg/10a施用することにより、商品
価値が高い、長さ30cm以上の葉柄の発生割合が最も高くなり、30kg施用と同等
の総収量が得られる。
特徴
2.緩効性被覆肥料(化学肥料)のみの施用や、施用窒素量の50%を有機質肥料
と組み合わせることにより追肥を省略でき、慣行(追肥が必要)と同等の収量が得
られる。
3.収量性や作業時間および作業強度から、「全刈り」や「葉柄収穫」が収穫方法
として適する。「全刈り」は収穫間隔は空くが、作業時間が短く、作業強度(ほ場に
おける収穫作業の姿勢など)も軽いので、広い面積で栽培する人や足腰の弱い人
などに適する。「葉柄収穫」は、作業時間が長く作業強度も重いが、収穫回数が増
え、収穫期ごとの収量を均等化できるので、栽培面積が狭い場合や安定生産した
い場合に適する。
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって
解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無
・病害虫の発生などから、夏季の冷涼な中山間地域での生産技術として活用でき
る。また、労力および経費をあまり必要としないことから、高齢者や兼業農家の女
性にも適する。
無
登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合
登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合
普及状況
(普及している地域、面積、その他参考
情報※を記載願います。)
福岡県内で数haに普及している。
開発機関名
福岡県農業総合試験場八女分場
備考
平成15年度福岡県成果情報
2
葉柄専用サツマイモ「エレガントサマー」の葉柄生産に適した施肥と収穫方法
[要約]サツマイモの葉柄生産において、施肥量は窒素20kg/10aが適し、緩効性被覆
肥料や有機質肥料の利用により追肥を省略することができる。また、収量性や作業時
間および作業強度から、「全刈り」や「葉柄収穫」が収穫方法として適する。
担当部署
八女分場・中山間地作物チーム
対象作目
野
菜
専門項目
栽
培
連 絡 先
0943-42-0292
成果分類
新技術
[背景・ねらい]
食の多様化が進行している現在、中山間地域の農業活性化のためには、主な担い手であ
る高齢者や女性でも取り組みが容易で、経費をあまり要しない品目の選定とその栽培技術
の確立が望まれている。サツマイモの葉柄(イモヅル)は、近年葉柄専用品種が育成され
たことから剥皮の手間もかからなくなり、また、食物繊維が多いなど機能性食品としても
今後の消費拡大が期待できる品目と考えられる。しかし、葉柄生産に適した肥培管理や収
穫方法などは明らかにされていない。
そこで、葉柄専用品種「エレガントサマー」を用いた葉柄安定生産技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
1.施肥量が多いほど多収となるが、窒素を20kg施用することにより、商品価値が高い
長さ30cm以上の葉柄の発生割合は最も高くなり、30kg施用と同等の総収量が得られる
(図1)。
2.緩効性被覆肥料(化学肥料)のみの施用や、施用窒素量の50%を有機質肥料と組み
合わせることにより、追肥を省略でき、慣行(追肥が必要)と同等の収量が得られる
(図2)。
3.有望な収穫方法の特徴は次の通りである(図3、表1)。
「全 刈 り」:収穫間隔は空くが、作業時間は短く、作業強度(圃場における収穫作
業の姿勢など)も軽いので、広い面積で栽培する人や足腰の弱い人な
どに適する。
「葉柄収穫」:作業時間は長く、作業強度も重いが、収穫回数が増え、収穫期ごとの
収量を均等化できるので、栽培面積が狭い場合や安定生産したい場合
に適する。
[成果の活用面・留意点]
1.病害虫の発生などから夏季の冷涼な中山間地域で活用できる。また、労力および経
費をあまり必要としないことから高齢者や兼業農家の女性にも適する。
2.「主要野菜の栽培技術指針」に登載し、葉柄専用サツマイモの栽培技術として活用
できる。
3.降雨で肥料が溶脱し難いように定植床は広めにマルチングし、梅雨明け後つるが焼
けないように株もと以外のマルチは除去する。
3
[具体的データ]
35
43
4
6
37
収量(t/10a)
収量(t/10a)
6
21
2
4
2
0
0
N-10kg
N-20kg
1回目収穫
図1
N-30kg
2回目収穫
全刈り
N-40kg
3回目収穫
施肥量と収量(14年)
図3
長側枝残し
葉柄収穫
1回目収穫
2回目収穫
3回目収穫
4回目収穫
収穫の方法と収量(14年)
収量(t/10a)
注)1.定 植 期:5月28日
注)1.収穫の方法
2.栽植密度:3300株/10a
全刈り:1回目の収穫は繁茂時に主枝、
3.施肥:基肥(CDU化成S555)+追肥(NK化成
側枝全てを株元で刈り込んで
2号)
切り戻し、その後再び茎葉が
4.収穫:1回目 8月6日、2回目 10月1日、
繁茂した時点で収穫する。
3回目 11月1日
長側枝残し:1回目の収穫は繁茂時に、
5.棒グラフ上の数値は、長さ30cm以上の葉柄の
長さ1m前後の側枝1∼2本
発生割合(%)
だけを残して他の主枝と側枝
は株元から切り戻す。その後
再び茎葉が繁茂した時点で同
6
様に収穫する。
葉柄収穫:長さ20cm以上の葉柄が一定
量揃った段階を収穫時の目安
として、植え付け1ヶ月後から
定期的に、20cm以上の長さの
4
葉柄のみを継続的に収穫する。
2.施肥量、定植期および栽植密度は図1
と同じ
3.収穫:1回目 8月6日、2回目 9月
2
5日、3回目 10月1日、4回目
11月1日
表1
区
せ
独
わ
単
合
機
有
組
み
性
効
緩
収穫方法
全刈り
長側枝残し
葉柄収穫
慣
行
・
追
の
肥
み
区
0
1回目収穫
2回目収穫
3回目収穫
収穫方法と作業時間
および作業強度(14年)
作業時間(時/a)
作業強度
収 穫
調 製
8
15
124
134
182
88
弱
中
強
注)1.調製は、側枝からの葉の取り外しと
図2 施肥法と収量(14年)
葉身の除去を含む
注)1.施肥法(肥料の種類と窒素施用量の割合)
2.「長側枝残し」と「葉柄収穫」は、
慣 行 ・ 追 肥 区 : 基 肥 CDU化成S555(85%)+
収穫作業に収穫後の主枝や側枝の
追 肥 NK化成2号(15%)
再配置の時間を含む
追肥は3回に分けて施用
緩効性のみ:基肥のみLPSS100(15%)+LP
70(65%)+LP180(20%)
組み合わせ:基肥のみLPSS100(15%)+LP
180(35%)+福岡有機1号(50%)
有機単独区:基肥のみ福岡有機1号(100%)
福岡有機1号は有機質100%(植物油かす類など)
2.施肥量は窒素成分で30kg/10a
3.定植期および栽植密度は図1と同じ
[その他]
研究課題名:葉柄専用サツマイモの栽培技術確立
予 算 区 分:経常
研 究 期 間:平成14年度(平成12∼14年)
研究担当者:柴戸靖志、林 三徳、月時和隆
発表論文等:平成14年度 八女分場中山間地作物研究室試験成績概要書
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品目
技術名
機関名
熊本県農業研究センター
部署名
農産園芸研究所
記入者氏名
飯牟禮 和彦
電話番号
096-248-6444
e-mail
[email protected]
いも類
「シモンイモ」茎頂培養における摘出茎頂の大きさと植物ホルモン条件
1.サツマイモ斑紋モザイクウイルス(SPFMV)感染株から摘出した茎頂の大きさ
が0.5mm 以下であれば、鉢上げ後のRT-PCRの結果から90%以上がSPFMV フ
リーである。
特徴
2.培養時の植物ホルモン条件は、ナフタレン酢酸(NAA)を添加せず、ベンジルア
デニン(BA)4mg/L を添加することで3 か月後には、葉が展開し20mm 以上発根し
た鉢上げが可能な個体が得られる。
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって
解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無
登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合
登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合
普及状況
(普及している地域、面積、その他参考
情報※を記載願います。)
開発機関名
シモンイモのウイルスフリー苗を作出する際に活用が想定される。
-
-
-
普及している地域:天草地域
面積:3.75ha
熊本県農業研究センター農産園芸研究所
備考
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