市販直後調査 副作用集計結果

処方箋医薬品 (注意ー医師等の処方箋により使用すること)
市販直後調査
副作用集計結果
市販 直 後 調 査 期 間
2014年5月23日∼2014年11月22日
はじめに
ルセフィ錠2.5mg、同5mg(一般名:ルセオグリフロジン水和物)は、選択的ナトリウム-グルコース
共輸送体2(sodium-glucose cotransporter 2:SGLT2)阻害作用を有し、血中の過剰なグルコース
を尿中に排泄させ、血糖降下作用を示す新規作用機序の2型糖尿病治療剤です。2014年5月23日の
発売から6ヵ月間にわたり市販直後調査を実施してまいりました。先生方におかれましては、本調査に
ご協力を賜り、誠にありがとうございました。このたび本剤の承認以後から2014年11月22日までに
収集された副作用を集計いたしましたので、その概要をご紹介させていただきます。本剤をご使用
いただく際の適正使用の一助としていただければ幸いです。
本剤は承認時の医薬品医療機器総合機構との協議結果に基づき、発売1年後である2015年5月22日
まで、引き続き、市販直後調査と同様の体制で適正使用の推進と安全性情報の収集に努めてまいります。
先生方におかれましては、これまでと同様、本剤をご使用されて副作用等をご経験された場合には、
速やかに医薬情報担当者までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
製造販売:大 正 製 薬 株 式 会 社
発 売:大正富山医薬品株式会社
〔本集計について〕
・ 調査が終了していない症例も含まれており、今後、副作用名、重篤性、因果関係等が変更となる場合があります。
・ 自発報告による症例の集計のため、総使用症例数が明らかではありません。従って、発現頻度は不明です。
・ 大正富山医薬品株式会社およびノバルティス ファーマ株式会社の両社で収集した副作用発現症例を合算しています。
また、臨床試用医薬品で発現した副作用も含まれます。
・ 本集計中の重篤とは、
「医師等から重篤とご報告いただいた」または「社内検討により重篤と判断した」ものです。
・ 報告いただいた副作用名をICH国際医薬品用語集日本語版(MedDRA/J Ver.17.0)の基本語(PT:Preferred Terms)に読み替えて
集計しています。
目 次
Ⅰ.市販直後調査の実施状況
1
Ⅱ.市販直後調査結果の概要
1. 器官別大分類別副作用発現状況
2
2. 重篤度別
3
3. 患者背景別(性別、年齢)
3
4. 副作用発現状況
4
Ⅲ.副作用別集計
1. 低血糖症
6
1.1 患者背景別(性別、年齢)
6
1.2 低血糖症の発現時期
7
1.3 糖尿病薬の併用状況
8
1.4 重篤症例の概要【低血糖症】
9
1.5 非重篤症例の一覧【低血糖症】
2. 体液量減少関連事象(多尿・頻尿を除く)
10
12
2.1 患者背景別(性別、年齢)
12
2.2 体液量減少関連事象の発現時期
13
2.3 重篤症例の概要【脱水】
13
2.4 重篤症例の概要【血栓・塞栓症等】
14
3. 尿路感染・性器感染
16
3.1 患者背景別(性別、年齢)
16
3.2 尿路感染・性器感染の発現時期
17
3.3 重篤症例の概要【尿路感染・性器感染】
18
4. ケトン体増加
4.1 ケトン体増加の報告状況と症例の概要
5. 体重減少
5.1 体重減少の報告状況と症例の概要
6. 薬疹関連事象
19
19
19
19
20
6.1 患者背景別(性別、年齢)
20
6.2 薬疹関連事象の発現時期
21
6.3 薬疹関連事象の発現部位
21
6.4 重篤症例の概要【薬疹】
22
Ⅰ 市販直後調査の実施状況
Ⅰ 市販直後調査の実施状況
販売名
ルセフィ ® 錠2.5mg、ルセフィ® 錠5mg
一般的名称
ルセオグリフロジン水和物
承認(許可)番号〔年月日〕
22600AMX00540000、22600AMX00541000
〔2014 年 3 月 24 日〕
薬効分類
糖尿病用剤(396)
調査実施期間
2014 年 5 月 23 日〜 2014 年 11 月 22 日
副作用収集症例数(件数)
404 例(509 件)
重篤な副作用収集症例数(件数)
26 例(29 件)
【市販直後調査期間中の集積状況を踏まえた添付文書改訂】
2015 年 1 月に使用上の注意を以下の通り改訂し、適正使用推進の情報提供をしました。
(1)「慎重投与」の項に「脱水を起こしやすい患者」に関する注意を追記しました。
血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者および利尿剤併用患者等の「脱水を起こしやすい患者」
においては、本剤の利尿作用により「脱水」を起こすおそれがあることから、
「慎重投与」の項に追記し、
注意喚起しました。
(2)「重大な副作用」の項に「脱水」に関連する注意を追記しました。
SGLT2阻害剤は利尿作用を有し、
脱水関連の事象*が発現すると考えられることから、
「重大な副作用」
の
項に追記し、注意喚起しました。
承認時の国内臨床試験の発現状況
(0.1%
〔1/1262例〕
)
に基づき、
脱水の発現率を記載しました
(自主改訂)
。
* 脱水関連の事象:脱水とともに脱水により生じる可能性がある重篤な事象
(脳梗塞を含む血栓・塞栓症、
糖尿病性ケトアシドーシス、
高浸透圧高血糖症候群等)
(3)「重要な基本的注意」の項の体液量減少を起こしやすい患者への注意に「特に」を追記しました。
「慎重投与」
および
「重大な副作用」
の項の改訂に伴い、
「重要な基本的注意」
の項の体液量減少を起こしやす
い患者への注意に「特に」を追記しました。
(4)「その他の副作用」の項に「尿路感染」
「体位性めまい、浮動性めまい」
「発疹、湿疹、そう痒症」
「多尿」
「亀頭包皮炎」
「倦怠感、脱力感」
「体重減少」を追記しました。
本剤との因果関係が否定できない症例が集積されたことから、
「その他の副作用」
の項に追記しました。
1
Ⅱ 市販直後調査結果の概要
市販直後調査期間中に収集した副作用は 404例509件でした。このうち、重篤例として26例29件(「脳梗塞」
6 件、
「 低血糖症」4 件、
「 脱水」3 件、
「 心筋梗塞」
「メレナ」
「活動性低下」
「発熱」
「過敏症」
「虫垂炎」
「蜂巣炎」
「帯状疱疹」
「感染」
「腎盂腎炎」
「ケトアシドーシス」
「過小食」
「背部痛」
「薬疹」
「紅斑」
「多形紅斑」各 1 件)が
報告されました。
1. 器官別大分類別副作用発現状況
器官別大分類別副作用件数の内訳を図 1 に示します。最も多かったのは皮膚および皮下組織障害の
86 件(そう痒症、発疹等)であり、次いで腎および尿路障害の 73 件(頻尿、夜間頻尿等)、一般・
全身障害および投与部位の状態の 61 件(口渇、倦怠感等)でした。重篤例が最も多く報告されたのは、
代謝および栄養障害の 9 件、次いで神経系障害の 6 件でした。
図1 器官別大分類別副作用発現件数
皮膚および皮下組織障害
86
腎および尿路障害
73
一般・全身障害および投与部位の状態
61
感染症および寄生虫症
57
代謝および栄養障害
46
生殖系および乳房障害
43
神経系障害
40
胃腸障害
38
臨床検査
35
筋骨格系および結合組織障害
14
心臓障害
5
眼障害
2
精神障害
2
血管障害
2
血液およびリンパ系障害
1
耳および迷路障害
1
肝胆道系障害
1
免疫系障害
1
傷害、中毒および処置合併症
1
0
2
重篤 非重篤
10
20
30
40
50
60
70
80
90(件)
Ⅱ 市販直後調査結果の概要
2. 重篤度別
副作用 509 件のうち、非重篤な副作用が480件、重篤な副作用が29件で、重篤な副作用は全体の5.7%
でした。
図2 重篤度別発現件数
非重篤
480件(94.3%)
0
20
重篤
29件(5.7%)
40
60
80
100(%)
3. 患者背景別(性別、年齢)
市販直後調査期間中に収集した副作用発現症例404例の性別、年齢の内訳を図 3、図 4および図 5に示
します。性別は男性 201 例、女性 191 例、不明 12 例でした。年齢別では、60 歳代が 99 例、50歳代
が 96 例と多く、65 歳以上の高齢者が 138例と全体の34.2%を占めました。
図3 男女別発現例数
男性
201例(49.8%)
0
女性
191例(47.3%)
20
40
60
不明
12例(3.0%)
80
100(%)
図4 年齢別発現例数
(例)
100
90
89
重篤 非重篤
80
71
発現例数
60
62
40
20
0
23
2
1
20歳代
30歳代
40歳代
6
10
50歳代
60歳代
25
4
16
3
1
70歳代
80歳代
90歳代
1
不明
年齢
図5 高齢者/非高齢者別発現例数
65歳未満
239例(59.2%)
0
20
65歳以上
138例(34.2%)
40
60
80
不明※
27例(6.7%)
100(%)
※不明には60歳代で高齢者か非高齢者か不明の2例を含む
3
4. 副作用発現状況
副作用の内訳および副作用発現件数一覧を表 1 に示します。
最も報告が多かった副作用は頻尿・夜間頻尿 63 件であり、次いで陰部そう痒症 25 件、口渇 24 件、
低血糖症 24 件でした。重篤な副作用としては、脳梗塞 6 件、低血糖症 4 件、脱水 3 件等でした。
表1 副作用一覧
副作用名
血液およびリンパ系障害
重篤
血小板減少症
心臓障害
1
免疫系障害
副作用名
重篤
1
1
1
1
過敏症
1
1
4
5
感染症および寄生虫症
5
1
1
虫垂炎
1
徐脈
1
1
蜂巣炎
1
1
膀胱炎
1
非重篤
51
計
56
1
1
17
17
1
1
動悸
1
1
せつ
頻脈
1
1
帯状疱疹
1
1
1
1
感染
1
1
回転性めまい
1
1
鼻咽頭炎
1
1
眼障害
2
2
咽頭炎
1
1
眼瞼痙攣
1
1
腎盂腎炎
眼乾燥
1
1
股部白癬
耳および迷路障害
胃腸障害
1
尿道炎
1
1
1
1
29
30
2
2
腹部不快感
1
1
尿路感染
10
10
腹部膨満
3
3
外陰部腟カンジダ症
16
16
腹痛
1
1
性器感染
1
1
真菌性尿路感染
1
1
ダニ皮膚炎
1
1
1
1
下腹部痛
2
2
便秘
11
11
下痢
4
4
傷害、中毒および処置合併症
消化不良
4
4
熱中症
1
1
硬便
2
2
臨床検査
30
30
1
1
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加
1
1
1
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
1
1
放屁
メレナ
1
悪心
7
7
尿中β 2 ミクログロブリン増加
1
1
軟便
1
1
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
2
2
56
58
血中クレアチニン増加
2
2
一般・全身障害および投与部位の状態
2
10
10
血中ブドウ糖減少
2
2
胸痛
1
1
血中カリウム減少
1
1
悪寒
1
1
血中カリウム増加
1
1
1
血圧低下
1
1
無力症
活動性低下
1
薬物相互作用
1
1
血中トリグリセリド減少
1
1
歩行障害
1
1
血中トリグリセリド増加
1
1
空腹
3
3
血中尿酸増加
2
2
12
12
C-反応性蛋白増加
1
1
5
5
グリコヘモグロビン増加
1
1
1
2
ヘマトクリット増加
1
1
24
24
体重減少
6
6
肝胆道系障害
1
1
尿中白血球陽性
1
1
肝障害
1
1
遊離トリヨードチロニン減少
1
1
倦怠感
末梢性浮腫
発熱
口渇
4
計
1
心房細動
心筋梗塞
1
非重篤
1
Ⅱ 市販直後調査結果の概要
副作用名
重篤
非重篤
計
臨床検査(続き)
非重篤
計
生殖系および乳房障害
副作用名
重篤
42
42
遊離サイロキシン増加
1
1
亀頭包皮炎
13
13
血中ケトン体増加
1
1
良性前立腺肥大症
1
1
尿中ケトン体陽性
2
2
前立腺炎
1
1
細菌検査陽性
1
1
陰部そう痒症
25
25
尿量増加
2
2
腟分泌物
1
1
肝酵素上昇
1
1
勃起不全
1
1
9
37
46
外陰腟紅斑
1
1
3
10
13
皮膚および皮下組織障害
82
85
1
1
脱毛症
2
2
4
20
24
水疱
1
1
2
2
冷汗
1
1
1
薬疹
6
7
4
湿疹
6
6
1
紅斑
1
1
2
1
1
2
代謝および栄養障害
脱水
痛風
低血糖症
食欲亢進
ケトアシドーシス
1
食欲減退
4
過小食
1
筋骨格系および結合組織障害
1
3
1
13
14
多形紅斑
1
1
皮下出血
1
1
1
2
多汗症
4
4
筋痙縮
3
3
丘疹
1
1
筋力低下
4
4
点状出血
1
1
筋骨格痛
1
1
そう痒症
21
21
横紋筋融解症
1
1
発疹
16
16
筋骨格系胸痛
1
1
紅斑性皮疹
2
2
1
1
全身性皮疹
4
4
32
38
そう痒性皮疹
4
4
6
皮膚硬化症
1
1
皮膚びらん
1
1
関節痛
背部痛
1
筋骨格硬直
神経系障害
6
脳梗塞
6
浮動性めまい
14
14
体位性めまい
5
5
皮膚剥脱
1
1
味覚異常
1
1
蕁麻疹
5
5
頭痛
2
2
全身性そう痒症
3
3
感覚鈍麻
2
2
血管障害
2
2
閃輝暗点
1
1
起立性低血圧
1
1
傾眠
6
6
蒼白
1
1
一過性脳虚血発作
1
1
視野欠損
1
1
第7脳神経麻痺
1
1
精神障害
2
2
リビドー減退
1
1
気力低下
1
1
腎および尿路障害
71
71
膀胱刺激症状
1
1
排尿困難
1
1
血尿
1
1
夜間頻尿
11
11
頻尿
52
52
多尿
2
2
慢性腎不全
1
1
尿失禁
1
1
尿閉
1
1
腎機能障害
2
2
・副作用名はMedDRA/J Ver.17.0 の基本語(PT)にて記載
・器官別大分類名の数値は副作用発現例数
5
Ⅲ 副作用別集計
1 低血糖症
市販直後調査期間中に収集した低血糖症は 26 例 26 件(血中ブドウ糖減少 2 例 2 件を含む)であり、
そのうち重篤例は 4 例 4 件で全体の 15.4%でした。
図6 重篤度別発現件数
非重篤
22件(84.6%)
0
20
40
重篤
4件(15.4%)
60
80
100(%)
1.1患者背景別(性別、年齢)
市販直後調査期間中に収集した低血糖症の性別、年齢の内訳を図 7、図 8および図 9 に示します。性別
は男性13例、女性 13 例でした。年齢別では、60 歳代と 70 歳代が各 7 例と多く、65 歳以上の高齢者
が 11 例と全体の 42.3%を占めました。
図7 男女別発現例数
男性
13例(50.0%)
0
20
女性
13例(50.0%)
40
60
80
100(%)
図8 年齢別発現例数
(例)
8
重篤 非重篤
7
6
発現例数
5
4
3
6
6
4
4
1
1
1
1
1
1
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳代
2
1
0
年齢
6
Ⅲ 副作用別集計
1 低血糖症
図9 高齢者/非高齢者別発現例数
65歳未満
15例(57.7%)
0
20
65歳以上
11例(42.3%)
40
60
80
100(%)
1.2低血糖症の発現時期
投与開始から発現までの期間を図 10 に示します。発現までの日数が不明の 11 件を除く 15 件中13件
において投与 30 日以内に発現が認められました。重篤例は不明の 2 件を除く 2 件とも投与 30 日以内に
発現が認められました。
図10 投与開始から低血糖症発現までの期間
(件)
5
重篤 非重篤
4
発現件数
3
2
1
0
0
10
20
30
40
50
発現時期
60
70
80
90
(日目)
100
(発現までの期間不明の11件[うち重篤2件]
を除く)
7
1.3糖尿病薬の併用状況
低血糖症 26 例のうち、併用糖尿病薬数の状況を図11 に示します。糖尿病薬併用なしが 6 例、1 剤併用
が 7 例、2 剤併用が 9 例、3 剤併用が 3 例、8剤併用が1例でした。
図11 糖尿病薬の併用数別例数
併用なし
6例
(23.1%)
併用糖尿病薬数
併用あり
20例
(76.9%)
1剤
(7 例)
2剤
(9 例)
3剤
(3 例)
8剤
(1 例)
内訳
例数
インスリン製剤(インスリン)
3
チアゾリジン薬(TZD)
1
DPP-4 阻害薬(DPP-4i)
3
インスリン 2 剤
1
スルホニルウレア剤(SU)
+
ビグアナイド薬(BG)
1
SU+DPP-4i
4
SU+GLP-1受容体作動薬
(GLP-1)
2
BG+DPP-4i
1
SU+BG+DPP-4i
1
SU+TZD+DPP-4i
2
インスリン 2 剤+SU+BG2 剤+
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)+
TZD+DPP-4i
1
糖尿病薬併用あり20例の糖尿病薬の併用状況を図12に示します。インスリンは5例、SUは11例、BGは4例、
α-GIは1例、TZDは4例、DPP-4iは12例、GLP-1は 2例でした(複数併用症例は重複集計)。速効型
インスリン分泌促進薬の併用例はありませんでした。
図12 糖尿病薬の併用状況
(例)
12
重篤 非重篤
10
発現例数
8
4
2
0
9
9
6
3
3
2
2
インスリン
SU
1
BG
3
1
α-GI
1
TZD
3
DPP-4i
2
GLP-1
(配合剤は各成分名で算出)
8
Ⅲ 副作用別集計
1 低血糖症
1.4重篤症例の概要【低血糖症】
番号
1
性別
年齢
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
2型糖尿病
男
(高コレステロール
50代
血症)
1型糖尿病
(不明)
[低血糖]
副作用名
低血糖症
2
男
40代
3
2型糖尿病
(高血圧症,
脂質異常症,
心不全,
女 慢性閉塞性肺疾患,
低血糖症
70代 アルツハイマー型
認知症,
僧帽弁狭窄症,
大動脈弁閉鎖不全)
[心房細動, 狭心症]
4
女
60代
2型糖尿病
(腎機能障害
(eGFR:10))
低血糖症
低血糖症
投与開始
発現から
本剤投与量
から
・
転帰まで 転帰
発現まで
全投与期間
の期間
の期間
2.5mg
・
28日間
2.5mg
・
継続
2.5mg
・
7日間
不明
・
不明
19日目
当日
併用薬剤
(※:併用被疑薬)
インスリン アスパルト※ ・HbA1c 6.0%。 イ プ ラ
グリフロジンL-プロリン
〔7-7-7-0単位〕
か ら 本 剤 に 切 り 替 え。
インスリン デグルデク※
切り替えに際し、用量
〔22単位〕
を変更した薬剤なし。
グリクラジド※〔30mg〕
アカルボース〔300mg〕 ・高 速 道 路 上 で 意 識 を
回復
メトホルミン〔750mg〕
失い、接触事故に至った。
シタグリプチン〔100mg〕 自己血糖測定値35mg/dL。
ピオグリタゾン・メト
・本剤は継続投与。
ホルミン配合剤〔30mg・
500mg〕
ロバスタチン
インスリン リスプロ
不明
不明
回復 インスリン デグルデク
(~ 5日目)(発現月)
〔合計60単位〕
7日目
不明
7日後
不明
処置・治療等
・高血糖で教育入院期 間
中、本剤+インスリン
(110単 位 か ら60単 位
に減量)に処方変更。
・入院中は安定しており、
CGMで120~ 200mg/dL
の間を推移。
・退院時の血糖値60mg/dL。
・自 宅にて血糖値SMBG:
21、CGM:40と なるが
意識もあり、無自覚性
の低血糖であったため
特別な処置なし。
・本剤は継続投与。
・胸痛、冷汗、手のしびれ
を訴える。血圧低下も
ビルダグリプチン〔100mg〕
みられ、救急搬送となり
ドネペジル
入院。
バルサルタン・アムロジ
・本剤中止。
回復 ピン配合剤
フルバスタチン
グリコピロニウム・インダ
カテロール配合剤
グリメピリド※〔用量不明〕・具 体的な症状や血糖値
回復 ビルダグリプチン
不明。
〔用量不明〕
高齢者(65 歳以上)
9
1.5非重篤症例の一覧【低血糖症】
発現時
血糖値
HbA1c(%) (mg/dL)
性別・年齢
1日
投与量
投与開始から
発現までの期間
BMI
体重
(kg)
1
女・60代
2.5
1日目
─
70
111
6.6
2
女・70代
2.5
約3日目
─
─
3
女・60代
2.5
不明
─
4
男・60代
2.5
不明
5
女・70代
2.5
6
女・70代
7
発現時
症状
本剤
処置
副作用
治療
副作用
転帰
─
脂汗
中止
不明
回復
─
58 程度
ふらつき
中止
不明
回復
─
─
─
ふらふらする
継続
不明
不明
─
─
─
─
─
不明
不明
不明
5日目
21.7
42.5
151(空腹時)
8.5
55
手の震え
中止
ブドウ糖
経口摂取
回復
2.5
29日目
─
─
─
97(食後)
動悸
中止
不明
不明
女・70代
2.5
15日目
─
─
─
─
─
継続
不明
不明
8
男・60代
2.5
57日目
─
─
─
─
少し血糖値が
下がった
継続
ブドウ糖
経口摂取
回復
9
女・40代
2.5
2日目
─
─
─
朝のふらつき
空腹感
継続
不明
軽快
10
男・50代
2.5
不明
─
─
─
─
めまい
ふらつき
継続
ブドウ糖
経口摂取
回復
11
女・60代
2.5
15日目
20.5
45.6
128(随時)
6.9
100前後
(空腹時,
SMBG)
汗をかく
中止
なし
回復
12
女・70代
2.5
不明
─
─
─
─
ちょっと
時間が
ずれると
低血糖になる
不明
不明
不明
13
男・50代
2.5
11日目
─
─
─
61(随時)
空腹感
掌の発汗
継続
不明
回復
14
男・50代
2.5
1日目
─
─
─
─
冷や汗
中止
飴を
なめた
回復
15
男・40代
2.5
不明
33.4
96
─
─
汗が出たり
むかむか
していた
不明
ブドウ糖
点滴
回復
16
男・70代
不明
不明
─
─
─
少しふらつき
継続
不明
回復
17
男・40代
2.5
不明
─
─
─
─
低血糖様症状
中止
不明
回復
18
女・40代
2.5
96日目
─
─
─
─
ふるえ
空腹感
継続
ブドウ糖
経口摂取
回復
19
男・50代
2.5
2日目
─
─
─
─
低血糖症状
継続
ブドウ糖
経口摂取
回復
20
男・60代
不明
不明
─
─
─
─
─
中止
不明
回復
21
女・80代
2.5
約1ヵ月目
─
─
167
(随時)
─
中止
不明
回復
22
男・30代
2.5
不明
─
─
─
─
不明
不明
不明
高齢者(65 歳以上)
10
発現前血糖値
(mg/dL)
番号
167(食後)
8.5
─
5.7
324(随時)
─
─
Ⅲ 副作用別集計
1 低血糖症
併用糖尿病薬
備考
インスリン
SU
BG
TZD
DPP-4i
GLP-1
─
─
─
─
─
─
─
─
グリメピリド
〔用量不明〕
メトホルミン
〔用量不明〕
─
─
─
本剤開始時
インスリン注射を中止
─
グリメピリド
〔用量不明〕
─
─
─
リキシセナチド
〔用量不明〕
─
─
グリメピリド
〔1mg/日〕
─
─
─
エキセナチド
〔用量不明〕
─
─
グリメピリド
〔3mg/日〕
─
─
シタグリプチン
〔50mg/日〕
─
─
─
─
─
─
シタグリプチン
〔50mg/日〕
─
インスリン
アスパルト
〔62単位/日〕
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
ピオグリタゾン
〔15mg/日〕
─
─
ビルダグリプチン
(他に 1 剤あり)
から切り替え
─
ピオグリタゾン・
グリメピリド配合剤
〔用量不明〕
─
ピオグリタゾン・
グリメピリド配合剤
〔用量不明〕
シタグリプチン
〔50mg/日〕
─
─
─
グリメピリド
〔0.5mg/日〕
─
─
シタグリプチン
〔100mg/日〕
─
─
インスリン
グラルギン
〔用量不明〕
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
グリメピリド
〔0.5mg/日〕
メトホルミン
〔500mg/日〕
─
ビルダグリプチン
〔50mg/日〕
─
─
─
─
メトホルミン
〔500mg/日〕
─
ビルダグリプチン
〔用量不明〕
─
イプラグリフロジン
中止(切り替え)
─
─
─
─
ビルダグリプチン
〔100mg/日〕
─
─
─
グリベンクラミド
〔5mg/日〕
─
─
ビルダグリプチン
〔50mg/日〕
─
─
─
─
─
─
─
─
─
インスリン
〔用量不明〕
─
─
─
─
─
─
─
グリメピリド
〔用量不明〕
─
─
─
─
─
─
─
─
ピオグリタゾン・
ピオグリタゾン・
アログリプチン配合剤 アログリプチン配合剤
〔用量不明〕
〔用量不明〕
─
─
低血糖症発現に関する注意
◦スルホニルウレア剤またはインスリン製剤と併用する場合は、スルホニルウレア剤またはインスリン製剤の
減量を検討してください。
◦低血糖の症状を患者に説明し、症状が認められた場合は、糖質を含む食品を摂取させるなど指導してください。
11
2 体液量減少関連事象(多尿・頻尿を除く)
市販直後調査期間中に収集した体液量減少関連事象は 47 例 49 件であり、そのうち重篤例は 10 例 11
件で全体の 22.4%でした。
図13 重篤度別発現件数
非重篤
38件(77.6%)
0
20
重篤
11件(22.4%)
40
60
80
100(%)
2.1患者背景別(性別、年齢)
市販直後調査期間中に収集した体液量減少関連事象の性別、年齢の内訳を図 14、図 15および図 16
に示します。性別は男性 27 例、女性 19 例でした。年齢別では、50 歳代と 60 歳代が各 11 例と多く、
65 歳以上の高齢者が 19 例と全体の 40.4%を占めました。
図14 男女別発現例数
男性
27例(57.4%)
0
20
女性
19例(40.4%)
40
60
不明
1例(2.1%)
80
100(%)
図15 年齢別発現例数
(例)
12
重篤 非重篤
10
発現例数
6
8
9
6
4
9
5
5
2
0
1
1
1
20歳代
30歳代
40歳代
3
3
2
50歳代
60歳代
年齢
70歳代
1
1
80歳代
90歳代
不明
図16 高齢者/非高齢者別発現例数
65歳未満
25例(53.2%)
0
12
20
65歳以上
19例(40.4%)
40
60
80
不明
3例(6.4%)
100(%)
Ⅲ 副作用別集計
2 体液量減少関連事象
2.2体液量減少関連事象の発現時期
投与開始から発現までの期間を図 17 に示します。発現までの日数が不明の 20 件を除く 29 件中 17 件
において投与 30 日以内に発現が認められました。重篤例は不明の 4件を除く 7件中 2件において投与
30 日以内に発現が認められました。
図17 投与開始から体液量減少関連事象発現までの期間
(件)
5
重篤 非重篤
4
発現件数
3
2
1
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100 110 120
発現時期
130
140
150
160
170 180
(日目)
(発現までの期間不明の20件[うち重篤4件]
を除く)
2.3重篤症例の概要【脱水】
番号
性別
年齢
1
女
60代
2
男
60代
3
女
90代
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
副作用名
投与開始
発現から
本剤投与量
から
併用薬剤
転帰まで 転帰
・
(※:併用被疑薬)
全投与期間 発現まで の期間
の期間
脱水
2.5mg
・
1日間
2型糖尿病
脱水
2.5mg
・
29日間
6日目
2型糖尿病
脱水
不明
・
不明
不明
2型糖尿病
(高血圧症)
1日目
1日後
イルベサルタン
回復 シタグリプチン
ボグリボース
31日後 回復 シタグリプチン※
不明
軽快
処置・治療等
・投与開始初日、むかつき、吐き
気あり。尿が多量に出る。体 調
不良。
・翌日、体調不良の為、本剤服用
せず。悪寒、ふらつき、むか
つきがあり来院。
・脱水と判断。1000mLの点滴
で回復。
・尿の回数が増え、
体重減少(投
与期間中に4kg減)したこと
から脱水と判断。これ以外の
症状は認められていない。
・本剤中止。
・脱水にて入院し、症状軽快し
退院。
高齢者(65 歳以上)
13
2.4重篤症例の概要【血栓・塞栓症等】
番号
性別
年齢
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
副作用名
投与開始
発現から
本剤投与量
から
転帰まで
・
発現まで
全投与期間
の期間
の期間
1
男
80代
2型糖尿病
脳梗塞
2
男
50代
2型糖尿病
脳梗塞
不明
2.5mg (かなり
不明
・
軽快
経って (発現月)
不明
発現)
3
4
2型糖尿病
(高血圧,
高コレステロール
血症,
動脈硬化,
男
症候性てんかん,
50代
左手足の痙縮,
左片麻痺,
気管支喘息,
アレルギー性鼻炎)
[脳梗塞(急性期)]
男
60代
2型糖尿病
(肺気腫)
[肺気胸]
高齢者(65歳以上)
8日目
118日目
4日後
死亡
118日目
1日後
軽快
2.5mg
・
117日間
ケトアシ
ドーシス
脳梗塞
2.5mg
・
45日間
45日目
併用薬剤
(※:併用被疑薬)
アナグリプチン
回復した アルプラゾラム
17日後 が後遺症 イトラコナゾール
あり ミグリトール
レボセチリジン
2.5mg
・
11日間
脳梗塞
14
転帰
16日後
回復
インスリン
メトホルミン
ビルダグリプチン
処置・治療等
・構語障害、流涎、右顔面
神経麻痺。
・緊急頭部MRIにて左放射
冠および左側頭弁蓋部に
高信号域を認め脳梗塞と
診断し緊急入院となる。
責任病巣であった。
・本剤中止。
・アスピリン[経口]投与、
リハビリテーション。
・軽度顔面神経麻痺が残存。
・MRIにて梗塞巣を発見。
・脳梗塞と診断し入院。
・臨床検査値に異常なし。
・本剤中止。
・肺炎(発熱:37℃台)の
ため入院。
エピナスチン
・入院時体重70.2kg。
オロパタジン
・肺炎に対し、抗菌薬等の
カルボシステイン
点滴投与(1週間)
。
クラリスロマイシン
・点滴治療終了4日後の早
グリメピリド
朝、意識消失。頭部MRI
クロピドグレルソリフェ
にて左内頚動脈閉塞に
ナシン
よる脳梗塞と診断。アテ
サルブタモール
ローム血栓性脳梗塞と
サルメテロール・フルチ
考えられた。
カゾン配合剤
・集中治療室入室。体重
シタグリプチン
65.9kg。
ダントロレン
・エダラボン、濃グリセ
バルプロ酸
リ ン・ 果 糖 投 与 に て 保
ピタバスタチン
存的治療。
ブデソニド・ホルモテロール ・Hb19.2g/dLと血液濃縮
を 認 め、 エ コ ー 上 脱 水
配合剤
が疑われた。
プランルカスト
・入室夕方より、ケトア
プレドニゾロン
シ ド ー シ ス を 呈 し た。
ブロムヘキシン
インスリン持続投与。
メチルプレドニゾロン
・事象発現の要因:脱水が
考えられる。
グリメピリド
ビルダグリプチン
メトホルミン
・左 手 巧 緻 障 害、 し び れ
の症状で入院。
・CT/MRIに て 梗 塞 巣 を
確認。
・検査値で脱水を疑われる
項目なし。
・シロスタゾール
[経口]
投与。
・本剤中止。
Ⅲ 副作用別集計
2 体液量減少関連事象
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
性別
番号
年齢
5
2型糖尿病
(高血圧,
脂質異常症,
男
60代
めまい,
陳旧性小脳梗塞)
[大腸憩室破裂]
6
2型糖尿病
女
(高血圧症,
60代 高コレステロール
血症)
7
男
40代
2型糖尿病
(三枝病変,
B型肝炎,
C型肝炎)
副作用名
脳梗塞
投与開始
発現から
本剤投与量
から
・
転帰まで
発現まで
全投与期間
の期間
の期間
2.5mg
・
40日間
31日目
37日後
転帰
併用薬剤
(※:併用被疑薬)
処置・治療等
不明
アジルサルタン・アムロジ
ピン配合剤※
エプレレノン※
トリクロルメチアジド※
カリジノゲナーゼ
テネリグリプチン
ベタヒスチン
イフェンプロジル
・頭部MRIにて両側性大脳
後頭葉の新鮮梗塞と右小
脳の陳旧性梗塞を指摘。
・自覚症状および他覚的
所見なし。
・アスピリン[経口]投与。
・本剤中止。
アジルサルタン
エゼチミブ ・発現前、
脱水の兆候認めず。
・脳梗塞発症。意識障害が
認められた。
・梗塞病巣は右後頭部。
・発症後検査においても
体液量減少を示唆する
所見なし。
・本剤中止。
・抗脳浮腫療法実施。
脳梗塞
2.5mg
・
不明
不明
(開始
24日後
翌々月)
不明
心筋梗塞
2.5mg
・
継続
41日目
回復
・治療:ステント留置。
当日
高齢者(65歳以上)
体液量減少発現に関する注意
◦本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがありますので、観察を十分に行ってください。
以下のような患者では、体液量減少により脱水を起こしやすいので慎重に投与して
ください。
・血糖コントロールが極めて不良の患者
・高齢者(口渇等の脱水症状の認知が遅れるおそれがあります)
・利尿剤併用患者 等
特に、体液量減少を起こしやすい患者においては脱水の発現とともに、糖尿病性ケトアシドーシス、
高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意してください。
◦本剤服用中は、脱水にならないよう適度な水分補給を継続して行うよう指導してください。
◦発熱、下痢、嘔吐等がある場合や食事が十分に摂れないような場合(シックデイ)は、脱水に
なりやすいので、本剤の休薬を考慮してください。
15
3 尿路感染・性器感染
市販直後調査期間中に収集した尿路感染・性器感染関連事象は 86 例 88 件であり、そのうち重篤例は
1 例 1 件で全体の 1.1%でした。
図18 重篤度別発現件数
非重篤
87件(98.9%)
0
20
40
重篤
1件(1.1%)
60
80
100(%)
3.1患者背景別(性別、年齢)
市販直後調査期間中に収集した尿路感染・性器感染関連事象の性別の内訳を図19 に示します。性別は
男性 23 例、女性 63 例でした。性別ごとの副作用発現状況を図20 に示します。女性で最も多かったのは、
陰部そう痒症の 20 件、次いで外陰部腟カンジダ症と膀胱炎が 16件でした。男性で最も多かったのは、
亀頭包皮炎の 13 件、次いで陰部そう痒症の 5 件でした。年齢別の内訳を図21、22に示します。年代
別では 50 歳代が 24 例と多く、65 歳未満の非高齢者が64例と全体の74.4%を占めました。
図19 男女別発現例数
男性
23例(26.7%)
0
女性
63例(73.3%)
20
40
60
80
100(%)
図20 男女別報告状況
20
陰部そう痒症
16
膀胱炎
16
外陰部腟カンジダ症
女性
8
尿路感染
腎盂腎炎
1
尿道炎
1
真菌性尿路感染
1
尿中白血球陽性
1
細菌検査陽性
1
13
亀頭包皮炎
5
陰部そう痒症
男性
2
尿路感染
膀胱炎
1
尿道炎
1
性器感染
1
0
重篤 非重篤
5
10
発現件数
16
15
20(件)
Ⅲ 副作用別集計
3 尿路感染・性器感染
図21 年齢別発現例数
(例)
25
重篤 非重篤
発現例数
20
15
23
10
19
15
5
10
10
2
1
0
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳代
1
5
90歳代
不明
年齢
図22 高齢者/非高齢者別発現例数
65歳未満
64例(74.4%)
0
20
65歳以上
17例(19.8%)
40
60
80
不明
5例(5.8%)
100(%)
3.2尿路感染・性器感染の発現時期
投与開始から発現までの期間を図 23 に示します。発現までの日数が不明の 36 件を除く 52 件中35件
において投与30日以内に発現が認められました。重篤例1件も投与30日以内に発現が認められました。
図23 投与開始から尿路感染・性器感染関連事象発現までの期間
(件)
6
重篤 非重篤
5
4
発現件数
3
2
1
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
発現時期
90
100
110
120
130
140
(日目)
150
(発現までの期間不明の36件[いずれも非重篤]
を除く)
17
3.3重篤症例の概要【尿路感染・性器感染】
番号
1
性別
年齢
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
2型糖尿病
女 (関節リウマチ,
50代
高血圧,
骨粗鬆症)
副作用名
腎盂腎炎
投与開始
発現から
本剤投与量 から
転帰まで 転帰
・
発現まで
全投与期間
の期間
の期間
2.5mg
・
5日間
5日目
13日後
併用薬剤
(※:併用被疑薬)
セルトリズマブ ペゴル※
メトトレキサート※
タクロリムス※
回復 セレコキシブ
イルベサルタン
ランソプラゾール
リセドロン酸
処置・治療等
・39℃の発熱と血圧低下
(収縮期血圧70前後)
。
敗血症性ショックが認
められた。
・尿培養と血液培養から耐
性のない大腸菌を同定。
・免疫抑制剤を使用して
いたことが重症化の要因
として考えられる。
・メロペネム[点滴]
、
セファ
ゾリン[点滴]投与。
・本剤中止。
尿路感染・性器感染発現に関する注意
◦本剤の尿糖排泄作用により、尿路や性器において易感染の状態となり、尿路感染、性器感染が
発現あるいは悪化する可能性があります。
◦本剤投与により悪化させるおそれがありますので、尿路感染、性器感染の有無を確認し、尿路
感染、性器感染を合併している場合は、本剤投与開始前に適切な処置を行ってください。
◦尿路感染、性器感染の症状を患者に説明し、症状が認められた場合は、すぐに医師・薬剤師に
相談するよう指導してください。
18
Ⅲ 副作用別集計
4 ケトン体増加・ 5 体重減少
4 ケトン体増加
4.1ケトン体増加の報告状況と症例の概要
ケトン体増加に関連する副作用は 3 例 3件報告され、すべて非重篤でした。その概要を以下に示します。
番号
性別
年齢
副作用名
1日量
(mg)
1
女
40代
血中ケトン体増加
2.5
2
女
40代
尿中ケトン体陽性
2.5
3
男
40代
尿中ケトン体陽性
2.5
併用糖尿病薬
シタグリプチン
─
グリメピリド
メトホルミン
アカルボース
リナグリプチン
ピオグリタゾン
投与開始
から発現
までの期間
ケトン体
本剤
処置
転帰
41 日目
血中総ケトン体
242 μmol/L
継続
回復
28 日目
尿中ケトン体
3+
継続
不明
23 日目
尿中ケトン体
2+
継続
回復
ケトン体増加発現に関する注意
◦本剤の尿糖排泄作用により、体内でエネルギー源として利用できるグルコースが少なくなること
で脂質代謝が亢進し、ケトン体産生が増加する可能性があります。
◦症状や血糖値等の臨床検査値を確認し、インスリンの作用不足によるケトン体増加と区別して
ください。
5 体重減少
5.1体重減少の報告状況と症例の概要
体重減少の副作用は 6 例 6 件報告され、すべて非重篤でした。その概要を以下に示します。
投与開始
から発現
までの期間
番号
性別
年齢
副作用名
1日量
(mg)
1
女
60代
体重減少
2.5
シタグリプチン
2 日目
2
男
60代
体重減少
2.5
シタグリプチン
メトホルミン
当日
3
男
60代
体重減少
2.5
4
男
70代
体重減少
5
5
男
70代
体重減少
2.5
─
不明
6
男
70代
体重減少
2.5
─
不明
併用糖尿病薬
─
グリメピリド
メトホルミン
アカルボース
アログリプチン
ピオグリタゾン
体重推移
開始日:70kg
3 日後 :68kg
不明
本剤
処置
転帰
中止
回復
中止
未回復
15 日目
開始日:87.3kg
15 日後:84.3kg
28 日後:83.9kg
56 日後:83.4kg
継続
回復
15 日目
開始日:51.2kg
15 日後:50.8kg
中止
回復
8kg減少
継続
不明
不明
不明
不明
高齢者(65 歳以上)
19
6 薬疹関連事象
市販直後調査期間中に収集した薬疹関連事象は 52 例 52 件であり、そのうち重篤例は 3 例 3 件で全体の
5.8%でした。
図24 重篤度別発現件数
非重篤
49件(94.2%)
0
20
重篤
3件(5.8%)
40
60
80
100(%)
6.1患者背景別(性別、年齢)
市販直後調査期間中に収集した薬疹関連事象の性別、年齢の内訳を図 25、図 26および図 27に示し
ます。性別は男性 28 例、女性 22 例でした。年齢別では、60歳代が17例と多く、65歳以上の高齢者
が 19 例と全体の 36.5%を占めました。
図25 男女別発現例数
男性
28例(53.8%)
0
20
女性
22例(42.3%)
40
60
不明
2例(3.8%)
80
100(%)
図26 年齢別発現例数
(例)
18
重篤 非重篤
15
発現例数
12
9
16
6
3
0
7
5
5
30歳代
40歳代
2
50歳代
8
6
1
2
60歳代
70歳代
80歳代
不明
年齢
図27 高齢者/非高齢者別発現例数
65歳未満
27例(51.9%)
0
20
65歳以上
19例(36.5%)
40
60
不明
6例(11.5%)
80
100(%)
※不明は60歳代で高齢者か非高齢者か不明の6例
20
Ⅲ 副作用別集計
6 薬疹関連事象
6.2薬疹関連事象の発現時期
投与開始から発現までの期間を図 28 に示します。発現までの日数が不明の 18 件を除く 34 件中27件
において投与 30 日以内に発現が認められました。重篤例は3件とも投与30日以内に発現が認められま
した。
図28 投与開始から薬疹関連事象発現までの期間
(件)
5
重篤 非重篤
4
発現件数
3
2
1
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
発現時期
90
100
110
120
130
140
150
160(日目)
(発現までの期間不明の18件を除く)
6.3薬疹関連事象の発現部位
52例52件のうち、全身性は10件、局所性は30件、不明が12件でした。局所性のうち、最も多かった
のが上肢で 15 件、次いで体幹(腹、腰、背中)の9件でした。
図29 薬疹関連事象の発現部位別件数
全身性
10件
(19.2%)
発現部位
不明
12件
(23.1%)
局所性
30件
(57.7%)
上肢
件数
15
体幹(腹、腰、背中)
9
頭部(顔、頭、頚部)
7
下肢
4
※複数箇所発現症例もあり
21
6.4重篤症例の概要【薬疹】
番号
1
22
性別
年齢
使用理由
(基礎疾患)
[既往症]
副作用名
2型糖尿病
(食物アレルギー
(えび,わさび,
女
いちごジャム), 多形紅斑
60代
脂質異常症,
逆流性食道炎,
坐骨神経痛)
2
女
50代
2型糖尿病
3
女
50代
2型糖尿病
(C型肝炎)
投与開始
発現から
本剤投与量
から
転帰まで 転帰
・
発現まで
全投与期間
の期間
の期間
2.5mg
・
9日間
紅斑
2.5mg
・
10日間
薬疹
2.5mg
・
11日間
8日目
5日目
11日目
25日後
38日後
7日後
併用薬剤
(※:併用被疑薬)
処置・治療等
グリメピリド
シタグリプチン
ロスバスタチン
軽快 ニザチジン
リマプロスト
メコバラミン
ロキソプロフェン
・頭部から皮疹が出現し四
肢、
体幹に拡大。発熱あり。
・皮膚科にて薬疹(多形滲
出性紅斑疑い)の診断。
粘膜への皮疹の発現なし。
・ ベ タ メ タ ゾ ン・d-ク ロ
ルフェニラミン配合剤、
プレドニゾロン点滴
(40mg/日:4日間)投与。
・本剤中止。
不明 ビルダグリプチン
・皮疹が全身に広がり紅斑
になった。
・ ベ タ メ タ ゾ ン・d-ク ロ
ルフェニラミン配合剤
[経口]
、フェキソフェナ
ジン[経口]投与。
・本剤中止。
メトホルミン※
・腕に薬疹が発現。
グリチルリチン・グリシ ・本剤中止。
回復
※
ン・L-システイン
シタグリプチン※
患者さまへの説明用資材のご紹介
本剤の服用方法や、注意していただきたい副作用の情報をまとめた
説明用資材「ルセフィ® 錠 を服用される患者さまへ」があります。患者さま
の指導にお役立てください。
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No.00000
X7153
2015年 3月作成