講義資料については、こちらをご覧くだい。

消化器内科の
“Doing”と“Being”
消化器内科 柴峠光成
高松赤十字病院モーニングセミナー2015
9, April, 2015
まずは自己紹介から…
1965年4月兵庫県洲本市(淡路島)生まれ。
現在49歳(明日いよいよ50歳…)。
2児の父親。
医師歴26年め。高松に赴任して11年。
専門は消化器内科。
【資格】
認定内科医
消化器病専門医・指導医
消化器内視鏡専門医・指導医
肝臓専門医
がん治療認定医
ピロリ菌感染症認定医
ぜんぶわかる人体解剖図(成美堂出版)より
“Doing”と“Being”?
…ホスピスの母と呼ばれるシシリー・ソンダース博士はホスピスケア
の原点は「Not doing, but being」だと言っている。何かをすることでは
なくて、患者と共に居ることだということである。…
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長 柏木 哲夫先生 講演資
料
医療 いのちに向き合う
Doing 施す医療=治療を行う、投薬する
急性期
医療従事者は患者の傍観者
病気を診る
Being 支える医療=楽にする、共に歩む
医療従事者は伴走者、家族のような立場
人として一緒に歩む
終末期
本日の予定
消化器内科のDoing 〜特に緊急内視鏡処置について
チームオンコロジーセミナーの体験から〜チーム医療
の考え方
消化器内科のBeing〜特にがん患者サポートチームに
ついて
消化器内科のDoing
内視鏡治療の進歩
腹部エコーガイド下治療の進歩
血管塞栓療法の進歩
消化性潰瘍治療の進歩(ピロリ菌除菌含む)
慢性肝炎治療の進歩
がん化学療法の進歩
近年、様々な検査法、治療法が発展、普
及
適応や概要を知っておきたい
消化器内科緊急処置
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
内視鏡的消化管止血術
食道・胃静脈瘤硬化療法/結紮療法(EIS/EVL)
内視鏡的胆管ドレナージ(ENBD/ERBD)
経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD/PTGBA)
経カテーテル的血管塞栓術(TAE)
バルーン閉塞下逆行性静脈塞栓術(B-RTO)
イレウス管挿入
内視鏡的異物除去術
高松赤十字病院研修ハンドブックより
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
症例1 79歳男
主 訴:タール便
現病歴:1か月以上前から黒色便を自覚していた。本日午前
5時頃から黒色便に混じって赤味を帯びた便を認めたため、
救急車を要請した。
現 症:眼瞼結膜に貧血、腹部圧痛なし
直腸診でタール便が多量に付着
→上部消化管出血が疑われる
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
初期対応
血管ルート確保、採血(必要に応じ輸血準備)
ソルアセトF 500mL 等細胞外液、または生食500mL
→血圧維持、薬液投与ルート
プロトンポンプ阻害剤注射薬投与
オメプラゾール注20㎎+生食20mL
→胃内pH上昇により、血液凝固促進
緊急内視鏡へ
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
血液検査結果
WBC
6600
/μℓ
ALP
199
IU/L
Ca
8.2
mg/dL
119
mg/dL
RBC
243
X104/μℓ
ChE
90
IU/L
T-Cho
Hb
7.8
g/dL
AST
14
IU/L
TG
91
mg/dL
Ht
23.3
%
ALT
12
IU/L
CK
33
IU/L
Plt
15.6
X104/μℓ
LD
114
IU/L
S-AMY
67
IU/L
9
IU/L
BS
231 mg/dL
γGTP
PT
APTT
99
30.6
%
CRP
0.16
mg/dL
sec
UN
73.7
mg/dL
HBsAg
-
UA
6.7
mg/dL
HCVAb
-
mg/dL
TPAb
-
TP
5.1
g/dL
Cre
1.57
Alb
2.8
g/dL
Na
139 mEq/L
ABO
A
T-Bil
0.3
mg/dL
K
5.5 mEq/L
Rho(D)
+
D-Bil
0.0
mg/dL
Cl
108 mEq/L
不規則性
抗体
-
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
緊急内視鏡
胃角部に潰瘍発見
露出血管から血液噴出
高周波熱凝固で止血
わずかにまだ出血
HSE局注を追加
高周波熱凝固を追加し、止血完了
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
Forrest分類:出血性潰瘍の分類
Ⅰa:噴出性出血
Ⅱa:露出血管
Ⅰb:湧出性出血
Ⅱb:凝血付着
+Takamatsu Red Cross Hospital Department of gastroenterology & hepatology
内視鏡的消化管止血術
1. 機械的止血法
○クリップ止血法 ○結紮法(EVL)
2. 薬剤局注法
○純エタノール ○HSE(高張ナトリウム-エピネフリン液)
3. 熱凝固法
○アルゴンプラズマ凝固(APC) ○ヒータープローブ
○高周波凝固
4. 薬剤散布法
○トロンビン ○アルギン酸ナトリウム
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
止血術後
絶食、補液
内視鏡 2nd lookで止血状態確認
食事再開、食型Up
内服でのプロトンポンプ阻害剤継続
胃潰瘍8週まで、十二指腸潰瘍6週まで
ヘリコバクター・ピロリ感染検査、除菌
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
症例2 84歳女性
主 訴:発熱
現病歴:本日夕より、悪寒戦慄を伴う40℃の発熱あり、救急
外来を受診した。
現 症:体温40.1℃、血圧143/72mmHg、脈拍98bpm
胸部Xp:肺野に異常影無し、心拡大認めず
→細菌感染症を疑う
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
血液・尿検査結果
WBC
13200
/μℓ
CRP
14.22
mg/dL
尿ウロビリ
±
RBC
456
X104/μℓ
UN
17.2
mg/dL
尿蛋白
1+
Hb
12.8
g/dL
UA
3.0
mg/dL
尿糖
-
Ht
38.4
%
Cre
0.72
mg/dL
尿潜血
2+
Plt
14.4
X104/μℓ
Na
136 mEq/L
尿WBC
3+
K
3.7 mEq/L
尿ケトン体
-
103 mEq/L
TP
7.4
g/dL
Cl
T-Bil
3.8
mg/dL
CK
53
IU/L
ALP
2176
IU/L
S-AMY
22
IU/L
AST
111
IU/L
ALT
91
IU/L
258
IU/L
1039
IU/L
LD
γGTP
→胆道感染(急性胆管炎)>尿路感染
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
CT
CT
急性胆管炎重症度判定基準
急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2013より
重症急性胆管炎(GradeⅢ)
以下のいずれかを伴う場合は「重症」
①循環障害(ドーパミン≧5μg/kg/min、もしくはノルアドレナリンの使用)
②中枢神経障害(意識障害)
③呼吸機能障害(PaO2/FiO2比<300)
④腎機能障害(乏尿、もしくはCr>2.0mg/dL)
⑤肝機能障害(PT-INR>1.5)
⑥血液凝固異常(血小板<10万/ mm3)
中等症急性胆管炎
初診時に、以下の5項目のうち2つ該当するものがある場合は「中等症」
①白血球数>12000, or <4000 /mm3
②発熱(体温≧39℃)
早期に胆管ドレナージを
③年齢(75歳以上)
実施する
④黄疸(総ビリルビン≧5mg/dL)
⑤アルブミン<健常値下限×0.73g/dL
上記の項目に該当しないが、初期治療に反応しなかった急性胆管炎も「中等症」とす
る
軽症急性胆管炎
「重症」、「中等症」の基準を満たさないものを「軽症」
緊急ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)
十二指腸乳頭
カニュレーション
EST(乳頭切開術)施行
胆管ドレナージチューブを留置(EBD)
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
ERCP透視画像
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
EST(endoscopic sphincterotomy) :内視鏡的乳頭切開術
大切開(口側隆起上縁まで)大結石の時
中切開(口側隆起2/3まで)通常のEST
小切開(はちまきひだまで)stent留置など
オリンパス社製
パピロトミーナイフ
【 clever cut : KD210Q 】
ナイフの手前1/2が絶縁されている。
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
総胆管結石除去術(1か月後)
EBDチューブを一旦抜去
大口径バルーンで拡張
バルーン鉗子で結石除去
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
EPLBD
大口径
乳頭拡張
バルーン
結石除去
バルーン
総胆管結石除去術
Flower Basket V(回転/ガイドワイヤ式)
Multi-3V
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology & hepatology
消化器内科のDoingの拡大
近年のTopics
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の発達
超音波内視鏡(EUS)を用いた診療の発達
カプセル内視鏡の普及
造影エコー検査の発達
仮想超音波検査の発達
ピロリ菌除菌療法の適応拡大
C型肝炎の抗ウイルス療法の発達
著効率90%以上⁉︎
消化器癌化学療法の発達
大腸癌の化学療法による全生存期間が約3年まで延長!
雨
イメージする言葉は?
ザーザー
川
シトシト
海
ジメジメ
飲み水
冷たい
植物
涼しい
傘
感覚か直観
Sensing or iNtuition
もののみかた
感覚機能(S)を指向する人と 関連した
特徴
現実や事実に目を向ける
事実や具体的なことに焦点があう
実際に起きていることに着目する
注意深く一つひとつ積み上げて結論
に達する
アイデ
アや理論は実際的な応用を通
じ
て理解する
経験から得られた情報を信用する
直観機能(N)を指向する人と 関連した
特徴
これからの可能性について目を向ける
想像をめぐらせ,独特な表現方法を用い
る
デ
ータの背景のパターンや意味に着目
する
ものごとにパターンがある場合,その関
連詳細を記憶する
直観に従い,結論に達する
実践する前にアイデアや理論を明確に
する
ひらめいたことを信頼する
MBTI®タイプ入門
心にも利き手がある
よりよいチーム医療を実践するためには、
自己理解と他者理解を深めることが必要
チームAB (副作用): 大腸癌症例
 患者: 45歳、男性
 主訴:下血、軽度の前胸部痛
 既往歴: 40歳時(5年前)に事故でC5-6の脊髄損傷を起こす。意識は清明。
・腕はわずかに曲げられるが、伸展・突っ張りは困難であり、下肢は完全麻痺。
・便意はなく、摘便や座薬、浣腸などにてベッド上での排便コントロールを行っ
ている。
・膀胱ろうを造設しており、2週間に1度往診があり、診察やカテーテルの交換
を行っている。
 現病歴:
・2015年2月、下血を主訴に当院紹介受診。多発肺・肝転移、胸骨転移を有す
る全周性の狭窄を伴う直腸癌と診断された。腸閉塞回避目的に、速やかに回腸ス
トマが造設された。術後、両下肢にDVTを認め、抗凝固療法が開始された。
・主治医よりご本人・妻に対して根治困難な大腸癌であることが説明された。
・KRAS wildであったことから、抗EGFR抗体薬(セツキシマブ、パニツムマ
ブ)を含めた治療も考慮される状況である。
・主治医は5年目の後期研修医であり、大腸癌治療ガイドラインやNCCNガイド
ラインなどに準じて緩和的な化学療法をするべきか、寝たきりの患者さんへの抗
がん剤治療は行わない方がよいのか・・・と悩んでいる。
チームAB (副作用): 大腸癌症例
 背景:
・愛媛県松山市在住。妻40歳、長男(高1)、長女(中1)の4人暮らし
・10年前に新居を構え、5年前の事故後より介護ベッドなどを利用し、妻がパー
トで働きながら懸命に介護を行っておられる。
・2週に1度の往診、週2回の入浴介助以外は、ご家族で介護されており、子供
たちも父親の介護に積極的に関わっている。
 患者の思い:
・交通事故後、家族に本当によくしてもらっているのに今度はがんになってし
まって・・・と落ち込むとともに申し訳なく感じており、これ以上迷惑はかけた
くないなぁ・・・と思っている。
・あとどれくらい生きられるのか?という不安もあるが、できれば長男の高校卒
業や長女の中学卒業、長男の成人式を見届けたいと思っている。
 妻の思い:
・今まで通り、夫のためにできることはできるだけしてあげたい、と考えている。
・抗がん剤治療は高額だと聞いており、パートの収入で家計をやりくりできるか
どうか不安に感じている。
・抗がん剤治療のための通院や副作用がでたときの対応について、不安あり。
Vision :
患者一人ひとりに寄り添った地域に根差した
チーム医療の概念を普及させ、がんになって
も互いに支え合い、安心して暮らしていける社
会を創る
Mission :
私たちは、患者さんの子供たちの卒業式や成人式を
見届ける希望を共有し、地域と連携をとりながら積
極的抗がん剤治療から看取りまでトータルペインを
最小限にしながら家族と伴走するチームであり続け
る。
各職種の経験、知識に基づき、患者目線を
心がけて意見を出し合った結果…
積極的抗がん剤治療 3年の予後をめざす
変化を伴う長期
経過
費用に対する不安の軽減(身障者であることから利用出来る社会資
源についての情報提供)
妻の仕事と介護のサポート 疲弊しないように
患者ごとの
特殊性
医療者も疲弊しないような協力体制、連携が必要
排泄物による抗がん剤代謝物への曝露への対策
末梢神経障害、皮膚障害について、在宅医療、皮膚科医の積極的関
与を
下肢の完全麻痺、膀胱瘻があり、感染症対策、副作用の早期発見に、
より細やかなサポートが必要
IT活用した情報の共有(サイボウズ)
家族のサポート 包括的な相談窓口の必要性
患者、家族の
思いが多様
思春期の子供たちへの伝え方 看取りに向けて寄り添う
…etc.
1病院だけでなく、地域を巻き込んだチームでの対応が必要
チームオンコロジーのABC
Team C
Community Resource
Team B
Team A
Patient
Base Support
Active Care
Nature Review Clinical Oncology 2010
チームオンコロジーABCの職種配置例
チーム A
医師
看護師
薬剤師
放射線技師
栄養士
リハビリ療法士
病理技師
etc.
チーム B
チーム C
看護師
臨床スピリチャルケア
心理職
福祉職
ソーシャルワーカー
音楽療法士
絵画療法、
アロマセラピー
図書館
倫理士
家族, 友人、遺族
etc.
家族, 友人、遺族
マスコミ
基礎研究者
疫学研究者
製薬メーカー
診断薬メーカー
医療機器メーカー
NPO/NGO
財界
政府
etc.
Nature Review Clinical Oncology 2010
チームオンコロジーABCアプローチ
Active Care
患者に医療を直接提供
問題解決型
EBMとコンセンサス
に基づく治療による患
者満足の向上
患者のたどる道筋の
「地図」を患者の状況
を見極めながら、提示
する責任
EBMの発信
Base Support
Community Resource
患者にを治療の基盤整備を
提供
共感的関わり型
自己決定を促すことで、患
者満足の向上
主観のケア=対話型ケア
患者の取り組みの証人
患者の物語の能動的な聴き
手
患者が状況理解とその意味
付けによるケア
患者及医療従事者を包
括的サポート
地域資源の活用型
医療の公共性およびケア
の社会性を保証による患
者及医療従事者満足の向
上
責任ある市民の視点を発
信
Nature Review Clinical Oncology 2010
チームオンコロジーABC問題点
Active Care
Base Support
Community Resource
各職種のエキスパート不足
各職種の役割を表面的にしか知らない
コミュニケーション不足
リーダーシップスキル不足
Team Bの技法をス
キルとして身につ
けいない
評価的でない傾聴
できない
問題解決を急ぐ
Team Aと患者の
communicationのリエ
ゾンに徹できない
Team Aへのケアを忘れ
がち
EBMの理解不足
断片的ではない、包
括的な知識、情報を
身につけていない
チームオンコロジー
の方向性をつくる努
力不足
Nature Review Clinical Oncology 2010
チーム医療は仲良し医療ではない
個々の医療従事者の能力とビジョン
が問われる患者のための勝負の場
よりよいチーム医療を実践するた
めには、自己理解と他者理解を
深め、協力・連携することが必要
消化器内科研修医の1週間
緊急入院、新入
院、処置予定の
打ち合わせから
外来、病棟業
務、内視鏡、エ
コーの研修、目
白押し!
午後も、検査・治
療にどっぷり
緩和ケアにも携わる
多彩なカンファレ
ンスを通じて、臨
床のアートを学
ぶ!
ある朝のプチミーティング
研修医
練習用
モデル
もあり
〼
最新の超音波装置
優秀な超音波技師
教え上手な
実習医学生
最新の内視鏡機器
優秀な看護師•技師
いざ出陣!!
RFA
上級医の指導のもと、初期研
修医•後期研修医が検査・治療
の助手や術者となることも
ERCP
血管造影
+Takamatsu Red Cross Hospital
Department of gastroenterology &
hepatology
統計に見る日本におけるがんの現状
全部位のがん死亡数(2009年)は34万人で総死亡の約30%を
占めた(1980年以降日本人の死因第1位)。
人口の高齢化に伴い、全部位のがん死亡・罹患数は近年一貫
して増加している。
一方、年齢調整死亡率は減少傾向で、5大がん(胃癌、大腸癌、
肝癌、肺癌、乳癌)でも乳癌以外は近年低下傾向である。
しかし、胃癌、大腸癌の死亡率は、男女とも上位3位までに入っ
ている(男性:肺・胃・大腸、女性:大腸・肺・胃)。
男女とも、がん
による死亡の半
数は消化器がん
消化器内科の現場は、
緩和ケアの実践の場
緩和ケアとは?
がんによる心と身体の苦痛をやわらげ、患者やその家族が自
分らしい生活を送れるようにするケア
がん治療の初期段階から、がん治療と一緒に始める
がんによる苦痛
• 痛み、倦怠感などのさま
ざまな症状
• 落ち込み、悲しみなどの
精神的な苦痛
• 家族・仕事関係の悩み
• せまりくる「死」への恐怖
• 自分の「人生」に対する
問い
Doing
Being
がん対策基本法と
がん診療連携拠点病院
平成18年にがん対策基本法が制定
がん対策基本法に基づき、政府ががん対策推進計画を策定
重点的に取り組むべき課題として「がんと診断された時からの緩和ケアの
推進」が挙げられ、がん連携拠点病院等の重要な指定要件となっている。
香川県におけるがん連携拠点病院等
都道府県がん診療連携拠点病院
香川大学医学部付属病院
地域がん診療連携拠点病院
香川県立中央病院
高松赤十字病院
香川労災病院
三豊総合病院
当院のがん診療に関わる委員会
地域がん診療連携拠点病院委員会
緩和ケア小委員会
=緩和ケアチーム(PCT)
患者図書室小委員会
外来化学療法委員会
当院のPCT
医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床心理士、医療
ソーシャルワーカー等からなるチーム
「がん患者サポートチーム」として活動
緩和ケア外来(内科医師、精神科医師)
緩和ケア相談外来(緩和ケア認定看護師)
PCT病棟ラウンド
PCTカンファレンス
最近の取り組み:「がん患者スクリーニング」と
「がん患者サポートチームの病棟ラウンド」
平成26年7月より開始
すべてのがん患者に対して早期から適切に緩和ケアを提供し、苦痛
を緩和することを目的とする
① 入院患者(全病棟対象)の中でがんの診断・治療目的の入院患者を
拾い上げ
② 該当患者の情報収集し、「がん患者スクリーニング票」に記入し、電
子カルテ上に保存
③ がん患者サポートチームの病棟ラウンド(PCT回診)時に、電子カル
テを参照しながら、病棟看護師(リンクナース)、病棟薬剤師を交え
て、拾い上げたがん患者の身体的・精神的苦痛度を評価
④ PCTの介入が望ましいと評価されたがん患者については、病棟看護
師から、主治医に対してPCTへの介入依頼を提案
緩和ケア外来(身体)
医療用麻薬処方
緩和ケア外来(精神)
病棟
薬剤師
主治医
告知時等立会い依頼
緩和ケア相談外来
病棟
看護師
緩和ケア介入依頼申し込み
緩和ケアチーム
がん患者スクリーニング
(がん患者サポートチーム)
患者・家族
病棟ラウンド
医師
緩和ケア認定看護師
がん看護認定看護師
薬剤師
栄養士
理学療法士
臨床心理士
ソーシャルワーカー
カンファレンス
緩和ケア研修会
がん診療連携拠点病院が年1回開催
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針について
○国立がんセンター及び日本緩和医療学会において、緩
和ケアの普及啓発を牽引する、各都道府県における指導
者の育成を目的とした指導者研修会を開催
緩和ケア
指導者研修会
各都道府県における
緩和ケアの指導者を育成
指導者研修会を
修了
緩和ケア
研修会
○各都道府県において、指導者研修会を修了した医師
を講師として、がん診療に携わる医師を対象とした、
緩和ケアについての基本的な知識を習得することを目的
とした研修会を開催
地域の
緩和ケア指導者
研修会に参加
地域のがん診療に携わる医師
緩和ケア
研修会
都道府県
研修会に参加
地域のがん診療に携わる医師
平成27年度高松赤十字病院
緩和ケア研修会
平成27年5月9日(土)、10日(日)に開催
がん診療連携拠点病院の要件として、がん診療に携
わる全ての医師が研修を終了することが求められてい
ます。特に2年目〜5年目の医師の研修は必須と明記
されています。 ご参加お待ちしております。