事業成果報告書 - 美容教育における質保証・向上の研究

平成 26 年度文部科学省 職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業
「職業実践専門課程」の各認定要件等に関する先進的取組の推進
職業実践専門課程の美容分野における質保証・向上を
推進するための学校評価制度の開発と構築
事業成果報告書
平成 27 年 3 月
学校法人 メイ・ウシヤマ学園 ハリウッドビューティ専門学校
はじめに
充 実 が 叫 ば れて い た 職 業 教 育 に つい て 、本 格 的 な質 保 証 を 求 め る 流 れ は、
平 成 18 年の 教 育 基 本 法 の 改 正 か ら始 ま っ た と い っ て よい 。こ の 改 正 で は 、
教 育 の 目 標 の 一 つと し て 「 職 業 及 び 生活 と の 関 連 を 重 視 」の 文 言 が 組 み 込
ま れ た 。「 職 業 教 育 」「 キ ャ リ ア 教 育 」と い っ た 言 葉 が マ スコ ミ で 多 く 見 か
け ら れ る よ う にな っ た の は こ の 頃 から で あ る 。
教 育 基 本 法 の改 正 を 受 け て 、 平 成 20 年 に は 、 中 央 教育 審 議 会 に 「 キ ャ
リ ア 教 育 ・ 職 業教 育 特 別 部 会 」 が 組織 さ れ 、 平 成 23 年 1 月 に 「 今 後 の 学
校 に お け る キ ャリ ア 教 育・職 業 教 育 の 在 り 方 に つ い て( 答 申 )」が 取 り ま と
め ら れ た 。 こ の 中で 、 高 等 教 育 機 関 にお け る 「 職 業 実 践 的な 教 育 に 特 化 し
た 枠 組 み 」 が う たわ れ 、 ① 新 た な 学 校種 の 創 設 、 ② 既 存 の高 等 教 育 機 関 に
お け る 活 用 を 念頭 に 今 後 詳 細 に 検 討す る と い う 方 向 性 が示 さ れ た 。
平 成 25 年 度 に 誕 生 し た 「 職 業 実践 専 門 課 程 」 認 定 制度 は 、 こ れ ら 一 連
の 流 れ を 受 け て 始ま っ た 制 度 で あ る 。こ の 制 度 は 、 上 記 の② の 充 実 の 一 環
と い う 意 味 も あ るが 、 高 等 教 育 機 関 に対 す る 質 保 証 の 在 り方 に 関 す る 国 際
的 な 流 れ と 符 合 すれ ば 、 ① に 向 け た 中間 的 な 位 置 づ け で ある と 考 え る べ き
である。
「 職 業 実 践 専 門課 程 」 認 定 制 度 で は、 学 校 関 係 者 評 価 の実 施 ・ 公 開 を 認
定 要 件 の 一 つ に 挙げ て い る が 、 学 校 関係 者 評 価 は 、 評 価 者が 学 外 の 者 で あ
る と い う 意 味 に おい て 「 外 部 評 価 」 であ る も の の 、 そ の 選任 や 評 価 基 準 の
設 定 は 学 校 が 行 うの で あ る か ら 、 実 質的 に 内 部 評 価 と の 違い は な い 。 高 等
教 育 機 関 の 質 保 証に 関 す る 国 際 的 な 流れ は 第 三 者 に よ る 評価 の 実 施 で あ り 、
第 三 者 評 価 に よ る 本 格 的 な 質 保 証 シ ステ ム が 稼 働 で き な い限 り 、 職 業 教 育
機 関 と し て の 学校 は 、 価 値 あ る 前 進が で き な い と 考 え るべ き で あ る 。
こ の よ う な 認 識の 下 、 本 事 業 は 、 職業 教 育 ・ キ ャ リ ア 教育 に 関 す る 本 格
的 な 質 保 証 を 求 める 流 れ の 中 で 、 職 業実 践 専 門 課 程 の 認 定を 受 け た 学 校 に
対 し て ど の よ う な質 保 証 シ ス テ ム の 適用 が ふ さ わ し い の か ?
どうすれば
職 業 教 育 が 充 実 し、 わ が 国 の 産 業 の 発展 に 貢 献 で き る 人 材を 輩 出 で き る の
か?
に つ い て 検 討 ・ 研 究 す る も ので あ る 。
本 事 業 の 成 果 が、 職 業 教 育 の 本 格 的な 質 保 証 に 貢 献 で きる こ と を 願 っ て
いる。
平 成 27 年 3 月
学 校 法 人 メ イ ・ウ シ ヤ マ 学 園
ハ リウ ッ ド ビ ュ ー テ ィ 専門 学 校
「 職 業 実 践 専 門 課 程 の 美 容 分 野 に お け る 質 保 証 ・ 向上 を 推 進 す る た め の 学 校 評 価 制 度 の開 発 と 構 築 」 研 究 委員 会
委員長
山中
祥弘
目次
1 事業の 目的 ........................................................... 1
1.1 事 業 の 背 景 .............................................................................. 1
1.1.1 職 業 教 育 充 実 の 方 向 性 ................................................................... 1
1.1.2 職 業 実 践 専 門 課 程 .......................................................................... 6
1.1.3 専 修 学 校 の 質 の 保 証 ・ 向 上 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 ................. 9
1.2 事 業 の 目 的 と 概 要 ................................................................... 22
1.2.1 事 業 の 目 的 ................................................................................. 22
1.2.2 事 業 の 概 要 ................................................................................. 22
1.2.3 事 業 の ホ ー ム ペ ー ジ .................................................................... 23
2 調査 .................................................................. 25
2.1 調 査 の 概 要 ............................................................................. 25
2.1.1 調 査 の 目 的 と 概 要 ........................................................................ 25
2.1.2 調 査 の 実 施 対 象 ........................................................................... 26
2.1.3 調 査 の 実 施 方 法 ........................................................................... 26
2.1.4 ア ン ケ ー ト へ の 回 答 状 況 .............................................................. 32
2.2 調 査 の 結 果 ............................................................................. 33
2.2.1 回 答 者 の 属 性 .............................................................................. 33
2.2.2 認 知 度 調 査 の 結 果 ........................................................................ 35
2.2.3 ニ ー ズ 調 査 の 結 果 ........................................................................ 43
2.2.4 全 体 的 な 意 見 .............................................................................. 49
2.3 調 査 の ま と め .......................................................................... 53
2.3.1 認 知 度 調 査 ................................................................................. 53
2.3.2 ニ ー ズ 調 査 ................................................................................. 54
i
3 評価モ デル ......................................................... 56
3.1 評 価 モ デ ル 構 築 の 概 要 ............................................................ 56
3.1.1 評 価 モ デ ル 構 築 の 流 れ ................................................................. 56
3.1.2 評 価 基 準 要 綱 ( 素 案 ) ................................................................. 57
3.2 意 見 聴 取 と そ の 結 果 ................................................................ 64
3.2.1 意 見 聴 取 の 方 法 ........................................................................... 64
3.2.2 意 見 聴 取 の 結 果 ........................................................................... 71
3.2.3 意 見 聴 取 結 果 の ま と め と 反 映 ....................................................... 81
3.3 構 築 し た 第 三 者 評 価 試 行 モ デ ル ............................................... 84
3.3.1 評 価 基 準 要 綱 .............................................................................. 84
3.3.2 自 己 評 価 実 施 要 項 ........................................................................ 84
3.3.3 評 価 実 施 手 引 書 ........................................................................... 84
3.4 モ デ ル 事 業 ............................................................................. 85
3.4.1 モ デ ル 事 業 の 趣 旨 と 規 模 .............................................................. 85
3.4.2 モ デ ル 事 業 の 予 定 ........................................................................ 85
参考資料 ................................................................ 86
専 修 学 校 設 置 基準 ......................................................................... 87
美 容 師 養 成 施 設指 定 規 則 ............................................................. 102
専修学校職業実践専門課程(美容分野)第三者評価試行に係わる要項等 .... 112
評 価 基 準 要 綱 .............................................................................. 113
自 己 評 価 実 施 要項 ....................................................................... 119
評 価 実 施 手 引 書 .......................................................................... 137
ii
コンソーシアム研究委員会名簿
氏名
山中
祥弘
所属
委員長。学校法人メイ・ウシヤマ学園理事長
■教育団体関係者
一色
真司
代 々 木 高 等 学 校 校 長 ・ NPO『 21 世 紀 教 育 研 究 所 』 理 事 長
江夏
健一
ビューティビジネス学会会長
川口
昭彦
独立行政法人
大 学 評 価 ・学 位 授 与 機 構 顧 問
徳重
隆
公益財団法人
全国高等学校定時制通信制教育振興会
本多
浩一
東京都立六本木高等学校
真崎
裕子
特定非営利活動法人
校長
私立専門学校等評価研究機構
■業界関係者
kakimotoarms
柿本
哲
佐藤
友彦
AXIS
長尾
哲治
東京都化粧品装粧品小売協同組合
福島
吉範
ICD 世 界 美 容 家 協 会 理 事 ・ 東 京 美 容 家 集 団 副 会 長
増保
利行
きくや美粧堂
渡邊
雅美
日本美容技術振興センター
江島
夏実
法政大学経営学部講師
上妻
博明
元衆議院内閣調査室長
野嶋
朗
リクルートライフスタイルビューティ総研センター長
花岡
萬之
学事出版
麦谷
眞里
ハ リ ウ ッ ド 大 学 院 大 学 客 員 教 授 ・元 厚 生 労 働 省 審 議 官
代表取締役
取締役
代表取締役社長
副理事長
■有識者
副社長
■事務局
川島鋼太郎
学校法人メイ・ウシヤマ学園
関根
安雄
ハリウッドビューティ専門学校
教務部長
福士寿美江
ハリウッドビューティ専門学校
教務部主任
今井
利絵
ハリウッド大学院大学
教授
小川
朝子
ハリウッド大学院大学
助手
蓑地
章子
ハリウッド大学院大学
助手
iii
事務局長
国際交流センター長
事務局長
1
事業の目的
1.1
事業の背景
1.1.1
職業教育充実の方向性
近 年 の 職 業 教 育 充 実 に 関 す る 国 の 動 き を 見 る と 、ま ず 平 成 18( 2006)
年 12 月 に 、「 教 育 基 本 法 」 が 60 年 ぶ り に 改 正 さ れ 、 教 育 目 標 の 一 つ に
「 職 業 及 び 生 活 の 関 連 重 視 」が 盛 り 込 ま れ た 。そ し て 、平 成 20( 2008)
年には、塩谷立文部科学大臣(当時)が「今後の学校におけるキャリア
教育・職業教育の在り方について」中央教育審議会に諮問した。
中 央 教 育 審 議 会 で は 、 平 成 23( 2011) 年 1 月 31 日 の 第 74 回 総 会 に
おいて「
、 今 後 の 学 校 に お け る キ ャ リ ア 教 育・職 業 教 育 の 在 り 方 に つ い て 」
( 答 申 ) 1 を 取 り ま と め た 。 こ の 答 申 は 表 題 に 明 ら か な よ う に 、「 キ ャ リ
ア教育」
「 職 業 教 育 」そ れ ぞ れ の 、あ る い は 相 互 が 関 連 し て の 充 実 の 方 策
が示されている。そして、そこに示された内容に沿って、職業実践専門
課程(次項参照)の設置など、職業教育充実の施策が進められている。
以下、上記の答申に沿って職業教育充実の方向性を確認してみる。
ま ず 、 答 申 の 第 1 章 に お い て は 、「 キ ャ リ ア 教 育 」「 職 業 教 育 」 と は 何
か が 以 下 の よ う に 明 ら か に さ れ 、現 在 見 受 け ら れ る 課 題 を 踏 ま え た 上 で 、
その基本的方向性や視点がまとめられている。
・キャリア教育
「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態
度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」である。キャリア
教育は、特定の活動や指導方法に限定されるものではなく、様々な教育
活動を通して実践されるものであり、一人一人の発達や社会人・職業人
としての自立を促す視点から、学校教育を構成していくための理念と方
向性を示すものである。
1
この答申の内容や資料は、次のページにまとめられている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shing i/chukyo/chukyo0/toushin/1301877.htm
1
・職業教育
「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態
度を育てる教育」である。専門的な知識・技能の育成は、学校教育のみ
で完成するものではなく、生涯学習の観点を踏まえた教育の在り方を考
える必要がある。また、社会が大きく変化する時代においては、特定の
専 門 的 な 知 識・技 能 の 育 成 と と も に 、多 様 な 職 業 に 対 応 し 得 る 、社 会 的 ・
職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度の育成も重要であり、
このような能力や態度は、具体の職業に関する教育を通して育成してい
くことが極めて有効である。
そ し て 、 同 じ 章 の 第 2 節 で は 、「 キ ャ リ ア 教 育 ・ 職 業 教 育 の 基 本 的 方
向 性 」 と し て 、 下 記 の ( 1) ~ ( 3) の 事 項 が 列 挙 さ れ て い る 。
(1) 幼 児 期 の 教 育 か ら 高 等 教 育 に 至 る ま で の 体 系 的 な キ ャ リ ア 教 育 の 推
進
(2) 実 践 的 な 職 業 教 育 の 重 視 と 職 業 教 育 の 意 義 の 再 評 価
(3) 生 涯 学 習 の 観 点 に 立 っ た キ ャ リ ア 形 成 支 援
こ こ で は 上 記 ( 2) の 内 容 を 確 認 し て み る 。
○職業に必要な専門的な知識・技能は、生涯にわたって継続して修得さ
れていくものである。このため、学校教育で行う職業教育は、専門分
野の基礎的な知識や技能の育成とともに、知識・技能を活用する能力
や、仕事に向かう意欲・態度等を育成することが必要である。特に技
能については、実践がなければ身に付かないものであり、学校教育で
技能を身に付ける場合には、学校の種類によって程度の差はあるもの
の、実践性がより重視されなければならない。
○また、職業教育は、専門分野の学習とその後の進路を固定的にとらえ
るものではなく、特定の専門分野の学習を端緒として、これに隣接す
る分野や関連する分野に応用したり、発展したりしていくことができ
る広がりを持つ教育であるという観点も重要である。
○このような職業教育は、我が国の経済・社会の発展を支えるなど、一
定の役割を果たしてきており、このことを改めて評価し、再認識しな
ければならない。また、今後の社会に必要な人材の需要等も踏まえつ
つ、実践的な職業教育を体系的に整備していくことが必要である。
では、上記の「実践的な職業教育を体系的に整備」という部分は具体
的に、どのようになされるべきか。答申は、第 4 章「高等教育における
2
キャリア教育・職業教育の充実方策」の第 4 節「職業実践的な教育に特
化した枠組みについて」で、以下の項目について述べている。
(1) 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み の 必 要 性
(2) 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み に 関 し て 考 慮 す べ き 4 つ の 観 点
(3) 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み の 構 想
ま ず 、 上 記 の ( 1)「 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み の 必 要 性 」 で
は、
「 雇 用・労 働 を 巡 る 環 境 の 変 化 、知 識・技 能 や 人 材 需 要 の 高 度 化 、職
業の多様化等が進む中、高等教育機関においては、職業教育を通じて、
自立した職業人を育成し、社会・職業へ円滑に移行させること、また、
学生・生徒の多様な職業教育ニーズや様々な職業・業種の人材需要にこ
たえていくことが求められており、このような職業教育の重要性を踏ま
え た 高 等 教 育 を 展 開 し て い く こ と が 必 要 と な っ て い る 」と 指 摘 し て い る 。
続いて、近年の動向として「①現在の高等教育における職業教育の位
置付け「
」②人材育成ニーズと高等教育機関が行う職業教育への期待の高
まり」に着目している、
①においては、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校における職
業教育の位置付けについて、以下のように述べている。
・大学・短期大学:これまでの取組や、前述のように、人材育成に対
する社会的要請、現在の厳しい雇 用 情勢、学生の多様 化に伴う卒業
後の移行支援の 必 要性等を踏まえ、平成23年度か ら 、すべての大
学・短期大学におい て社会的及び職 業 的自立を図るた め に必要な能
力を培うための体制を整えることとしている。
・高等専門学校:現状では、全国的に配置され、高等教育機関として
大 き な 役 割 が あ る が( 工 学 系 新 規 学 卒 技 術 者 の 約 1 2 % を 高 等 専 門
学 校 卒 業 者 が 占 め る )、 高 等 教 育 段 階 に あ た る 4 年 生 の 在 学 者 は 、
18歳人口のう ち 約1%であり、ま た、制度上は分野 の限定がない
も の の 、ほ と ん ど の 学 科 が 工 業 系 と い う 実 情 に あ る 。こ の よ う な 中 、
今後、新分野への 展開が期待され て おり、各高等専門 学校において
も学科再編等が行われている。
・専門学校:設置主体の限定がなく、設置運営等に関する法令の定め
が ゆ る や か で あ る な ど の 制 度 的 特 性 を 有 し て お り 、こ れ を い か し て
産業界等のニーズに即応した柔軟な職業教育を展開できるという
強みを有してい る 反面、全体的な質 の担保の面で課 題 があり、その
教育の質について各学校ごとの差異が大きいという指摘がある。
次に②においては、以下の点が注目されている。
3
・「 新 成 長 戦 略 」 (平 成 2 2 年 6 月 1 8 日 閣 議 決 定 ) に 掲 げ ら れ て い る
とおり、産業構造 の変化に対応し、成長分野をはじ め として実践的
な能力を有する 人 材の育成が急務 と されており、また、将来にわた
っ て 付 加 価 値 を 創 出 し 、持 続 可 能 な 成 長 を 担 っ て い く 人 材 の 育 成 が
強く期待されている。さらに、質の高い人材の育成・確保や人材育
成のスピードが、我が国の経済発 展 や国際競争力、あ るいは地域の
産業振興を決定する重要な要因となっている。
・このような中、特に、経済・社会環境の変化や技術の進展、生活様
式の変化に伴い、異なる分野の知識・技術等を統合・総合させて、
ものづくりや商 品・サービス等を生 み 出していくこと が 求められて
おり、経済・社会活動の基幹をなす中堅人材として活躍する、様々
な職業・業種における実践的・創造的な職業人、あるいは卓越した
知識・技 能を有す るいわば匠の人 材 を、高等教育機関 が育成してい
く必要がある。
・また、新規学卒就職者の離職率の高さや、若年無業者・フリーター
の 数 が な か な か 減 少 し な い こ と 、正 規 労 働 者 に 比 較 し て 職 場 に お い
て職業能力開発の機会を得にくいことが指摘されている非正規労
働者の増加、企業 の人材育成投資 の 低下、さらには学 習活動と職業
生活の積み重ねにより経済成長を牽引する力を有する人材を育成
し て い く 重 要 性 が 指 摘 さ れ る 中 、高 等 教 育 機 関 が 職 業 教 育 の 場 と し
て、積極的な役割を果たしていくことが期待されている。
答申は上記①②を踏まえて、次に「③職業実践的な教育に特化した枠
組 み の 整 備 」に 進 む 。そ こ で は 、
「現在の高等教育における職業教育の位
置付けや課題、また実践的な知識・技能を有する人材の育成ニーズや高
等教育機関が職業教育において果たす役割への期待の高まりを踏まえる
と、高等教育における職業教育を充実させるための方策の一つとして、
職業実践的な教育のための新たな枠組みを整備することが考えられる」
として、その具体的な方策としては「卓越した又は熟達した実務経験を
主な基盤として実践的な知識・技術等を教授するための教員資格、教員
組織、教育内容、教育方法等や、その質を担保する仕組みを具備した、
新たな枠組みを制度化し、その振興を図ること」が挙げられている。
続 く 第 4 節 の (2)、「 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み に 関 し て 考 慮
す べ き 4 つ の 観 点 」の 内 容 は ど う で あ ろ う か 。
「我が国の現状においては、
企業内教育や既存の高等教育機関の職業教育の充実に向けた努力に期待
す る の み で は 、必 ず し も 十 分 な 対 応 が と れ な い と 考 え ら れ る 課 題 が あ る 。
4
具体的には 、これ まで述べてきた 点 も含み、下 記に述 べる 4 つが考えら
れ、新たな枠組みの制度的な整備に当たっては、これらの課題に十分に
対応できるような方策を考慮する必要がある」として、以下①②③④が
掲げられている。
① 経済成長を支える「人づくり」への対応
② 生涯にわたる学習活動と職業生活の両立
③ 教育の質の保証
新たな枠組みを整備するに当たっては、その質を客観的に保証する
仕組みを備えることが重要である。その際、新たな枠組みは、経済・
産業界の動向・人材需要に即応し、最新の実務の知識・経験に基づく
実践的な知識・技術等を教授していく機動性が求められ、そうした要
請に照らして、適切に教育の質を確保することができる仕組みとする
ことが必要である。
④ 進路選択の拡大と職業実践的な教育の適切な評価
こ れ ら 4 つ の 観 点 に 基 づ き 、新 た な 枠 組 み の 具 体 化 を 進 め る に 当 た っ
て今後さらに、早急かつ詳細な検討が行われることが望まれると答申は
記 し て い る 。 第 4 節 ( 3)「 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み の 構 想 」
で は 、現 段 階 ま で に 検 討 し て き た 構 想 の 概 略 と し て 以 下 の 8 つ を 紹 介 し
ている。
1.目的と特徴
2.入学資格・修業年限
3.教育課程、授業方法
4.修了認定方法・卒業要件
5.称号等、他の高等教育機関等との接続
6.教員資格、教員組織等
7.自己点検・評価、第三者評価
教育の質を担保するためにも、教育等の状況について自ら点検及び
評価を行い、その結果を公表することが求められる。
ま た 、第 三 者 評 価 に つ い て は 、産 業 界 等 の 関 与 を 十 分 に 確 保 し つ つ 、
新たな枠組みに適した基準・方法等を構築することが望まれる。評価
の観点は、例えば、教育活動を行う上での組織運営のシステム・体制
の妥当性や、目的に応じた教育の成果(就業状況等)等、職業実践的
な教育に適したものとする。
8.名称、設置者
5
そ の う え で 答 申 は 、今 後 の 検 討 に つ い て 、
「新たな学校種の制度を創設
するという方策とともに、既存の高等教育機関において新たな枠組みの
趣旨をいかしていく方策も検討することが望まれる。また、その際、も
のづくり分野における中核的人材、中小企業や地域における人材の育成
を担っている職業能力開発大学校等の公共職業能力開発施設や、各省の
設置法等に基づき設置されている各省大学校等、各種の職業教育・訓練
機 関 と 相 互 に 、各 々 の 利 用 者 か ら 求 め ら れ て い る 役 割 を 尊 重・発 揮 し て 、
我が国の人材育成や人々の生涯にわたる学習ニーズに、連携・協力しこ
たえていくものとなるようにすることが必要である」としている。
答 申 に 示 さ れ た こ れ ら の 内 容 を 踏 ま え 、文 部 科 学 省 は 平 成 24( 2012)
年に「専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議」を設置
した。その会議においては、現在の専修学校における質保証・向上に係
る取組に関する調査研究を行った上で、新たな枠組みの趣旨をいかして
い く 先 導 的 試 行 と し て 専 修 学 校 に 係 る 検 討 を 行 っ た 。そ の 結 果 、
「専修学
校 の 専 門 課 程 に お け る 職 業 実 践 専 門 課 程 の 認 定 に 関 す る 規 程 ( 平 成 25
年 文 部 科 学 大 臣 告 示 第 133 号 )」 が 平 成 25 年 8 月 30 日 に 公 布 ・ 施 行 と
なったのである。次項では、その「職業実践専門課程制度」設置に至る
経緯と制度の内容について振り返る。
1.1.2
職業実践専門課程
前項末にあるように、
「専修学校の専門課程における職業実践専門課程
の 認 定 に 関 す る 規 程 ( 平 成 25 年 文 部 科 学 大 臣 告 示 第 133 号 )」 が 平 成
25 年 8 月 30 日 に 公 布 ・ 施 行 さ れ た 。 こ れ は 「 今 後 の 学 校 に お け る キ ャ
リ ア 教 育・職 業 教 育 の 在 り 方 に つ い て( 平 成 23 年 1 月 31 日
審 議 会 答 申 )」、「 教 育 振 興 基 本 計 画 ( 平 成 25 年 6 月 14 日
中央教育
閣 議 決 定 )」
及 び 「「 職 業 実 践 専 門 課 程 」 の 創 設 に つ い て ( 平 成 25 年 7 月 12 日
専
修 学 校 の 質 保 証・向 上 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 報 告 )」に お け る 提 言
等を踏まえた結果とされている。
このうち、
「 教 育 振 興 基 本 計 画( 平 成 25 年 6 月 14 日
閣 議 決 定 )」に
おける該当箇所を示すと、
「 1 .社 会 を 生 き 抜 く 力 の 養 成( 4 )生 涯 の 各
段 階 を 通 じ て 推 進 す る 取 組 」の 成 果 目 標 4「( 社 会 的・職 業 的 自 立 に 向 け
た 能 力・態 度 の 育 成 等 )」、基 本 施 策 13「 キ ャ リ ア 教 育 の 充 実 、職 業 教 育
の充実、社会への接続支援、産学官連携による中核的専門人材、高度職
6
人 の 育 成 の 充 実 ・ 強 化 」 の 第 3 項 、「 13-3
各学校段階における職業教
育の取組の推進」における「専修学校においては、学校評価・情報公開
の仕組みの構築や教職員の資質向上などの質保証・向上のための取組を
行う。さらに、高等教育における職業実践的な教育に特化した新たな枠
組 み づ く り に 向 け て 、先 導 的 試 行 な ど の 取 組 を 段 階 的 に 進 め る 。」と い う
部分である。
この動きの結果として生まれた「職業実践専門課程」とは、専修学校
の専門課程であって、職業に必要な実践的かつ専門的な能力を育成する
ことを目的として、専攻分野における実務に関する知識、技術及び技能
について組織的な教育を行うものを、
「 職 業 実 践 専 門 課 程 」と し て 文 部 科
学大臣が認定して奨励する。それによって、専修学校の専門課程におけ
る 職 業 教 育 の 水 準 の 維 持 向 上 を 図 る こ と を 目 的 と す る も の で あ る 。ま た 、
専修学校の専門課程における職業実践専門課程の認定に関する規程の内
容は、以下のように定められた。
---------------------------------------------------------○文部科学省告示第百三十三号
専修学校の専門課程における職業実践専門課程の認定に関する規程を次
のように定める。
平成二十五年八月三十日
文部科学大臣下村博文
専修学校の専門課程における職業実践専門課程の認定に関する規程
(目的)
第一条
この規程は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百
二十四条に規定する専修学校の同法第百二十五条第一項に規定する専
門 課 程( 以 下「 専 修 学 校 専 門 課 程 」と い う 。)で あ っ て 、職 業 に 必 要 な
実践的かつ専門的な能力を育成することを目的として専攻分野におけ
る実務に関する知識、技術及び技能について組織的な教育を行うもの
( 以 下「 職 業 実 践 専 門 課 程 」と い う 。)を 文 部 科 学 大 臣 が 認 定 し て 奨 励
することにより、専修学校専門課程における職業教育の水準の維持向
上を図ることを目的とする。
(認定)
第二条
文部科学大臣は、専修学校専門課程であって、次に掲げる要件
に該当すると認められるものを、職業実践専門課程として認定するこ
とができる。
7
一
修業年限が二年以上であること。
二
専 攻 分 野 に 関 す る 企 業 、団 体 等( 以 下「 企 業 等 」と い う 。)と の
連携体制を確保して、授業科目の開設その他の教育課程の編成
を行っていること。
三
企業等と連携して、実習、実技、実験又は演習の授業を行って
いること。
四
全課程の修了の要件が、次の表の上欄に掲げる学科の区分に応
じ、同表の下欄に掲げるものであること。
【表:省略】
五
企業等と連携して、教員に対し、専攻分野における実務に関す
る研修を組織的に行っていること。
六
学校教育法施行規則第百八十九条において準用する同規則第六
十七条に定める評価を行い、その結果を公表していること。
七
前号の評価を行うに当たっては、当該専修学校の関係者として
企業等の役員又は職員を参画させていること。
八
企業等との連携及び協力の推進に資するため、企業等に対し、
当該専修学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を
提供していること。
(認定の取消し)
第三条
文部科学大臣は、職業実践専門課程として認定をした課程が廃
止されたとき又は前条各号に掲げる要件のうちいずれかに該当しなく
なったと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
(告示)
第四条
文部科学大臣は、第二条の規定により認定をしたときは、当該
認定をした課程の名称その他必要な事項を官報で告示する。これらの
事項に変更があったときも、同様とする。
2 文 部 科 学 大 臣 は 、前 条 の 規 定 に よ り 認 定 を 取 り 消 し た と き は 、そ の 旨
を官報で告示する。
附則
この告示は、公布の日から施行する。
---------------------------------------------------------以上をまとめると、職業実践専門課程の認定要件は、以下のように定
められている。
・修業年限が 2 年以上
8
・企業等と連携体制を確保して、授業科目等の教育課程を編成
・企業等と連携して、演習・実習等を実施
・ 総 授 業 時 数 が 1700 時 間 以 上 ま た は 総 単 位 数 が 62 単 位 以 上
・企業等と連携して、教員に対し、実務に関する研修を組織的に実施
・企業等と連携して、学校関係者評価と情報公開を実施
特に、企業等が参加する「教育課程編成委員会」や「学校関係者評価
委員会」の設置などを求め、企業等との連携による職業教育で大学教育
との相違を鮮明にしている点が特徴といえる。
この要件に即して教育課程を編成し、文部科学大臣の認定を受けた学
校・学 科 の 数 は 、平 成 25 年 度 末( 平 成 26 年 3 月 31 日 )で 全 国 472 校 、
1,373 学 科 に の ぼ っ た 。
また教育課程の編成に当たり、企業・業界団体等との連携体制が確保
で き な い と い う 理 由 で 申 請 を 取 り 下 げ た 学 科 も 30 学 科 あ っ た と い う 。
な お 平 成 26 年 8 月 29 日 現 在 で 、文 部 科 学 大 臣 の 認 定 を 受 け た 学 校・学
科 の 数 は 470 校 、 1,365 学 科 と な っ て い る 。
1.1.3
議
専 修 学 校 の 質 の 保 証・向 上 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会
「職業実践専門課程」の認定開始は、これまで述べてきたように中央
教 育 審 議 会 に よ る 平 成 23( 2011) 年 1 月 の 答 申 :「 今 後 の 学 校 に お け る
キャリア教育・職業教育の在り方について」を直接の契機としている。
しかし、上記「職業実践専門課程」設置の必要を具体的に示したのは、
平 成 24( 2012) 年 に 文 部 科 学 省 に 設 置 さ れ た 「 専 修 学 校 の 質 の 保 証 ・
向上に関する調査研究協力者会議」である。先にもふれたように同会議
は、現在の専修学校における質保証・向上に係る取組に関する調査研究
を行った上で、新たな枠組みの趣旨をいかしていく先導的試行として専
修学校に係る検討を行った。
その結果、高等教育段階の職業教育の充実を図る観点から、専修学校
の専門課程における新たな枠組みの趣旨をいかしていく先導的試行とし
て、企業等との密接な連携により、最新の実務の知識等を身につけられ
るよう教育課程を編成し、より実践的な職業教育の質の確保に組織的に
取 り 組 む 専 門 課 程 を 文 部 科 学 大 臣 が「 職 業 実 践 専 門 課 程 」と し て 認 定 し 、
奨励する仕組みづくりを行うことが必要であると結論づけたのである。
な お こ の 結 論 は 、平 成 25 年 7 月 12 日 に お け る 専 修 学 校 の 質 保 証・向 上
9
に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 報 告 :「『 職 業 実 践 専 門 課 程 』 の 創 設 に つ い
て」においてなされた。
以 下 、 同 会 議 の 設 置 か ら 平 成 25 年 7 月 の 上 記 報 告 に 至 る ま で の 経 緯
を概観する。まず会議設置の趣旨や検討方法などは、下記の要綱として
定 め ら れ 、 調 査 研 究 協 力 者 ( 会 議 メ ン バ ー も 下 記 の 通 り 15 名 ) が 就 任
して活動した。
専修学校の質保証・向上に関する調査研究協力者会議設置要綱
平 成 24 年 4 月 5 日
生涯学習政策局長決定
1. 趣 旨
平 成 23 年 3 月 に ま と め ら れ た 「 専 修 学 校 教 育 の 振 興 方 策 等 に 関 す
る調査研究会議報告」では、教育の質向上に向けた取組とともに、よ
り自由度の高い 学 校種としての特 性 も考慮しつつ、専 修学校のガバナ
ンス改善等に向けた評価と情報公開の取組を促進すること等の必要
性が指摘されている。
ま た 、 平 成 23 年 1 月 の 中 央 教 育 審 議 会 答 申 「 今 後 の 学 校 に お け る
キャリア教育・職業教育の在り方について」では、質の向上に向けた
専修学校の自主的な取組の支援として、教職員の資質向上や、教育活
動の評価への取 組 の促進等が指摘 さ れるとともに、各 学校種を通じた
総合的な視野から高等教育における職業教育を充実させるための方
策等について提言がなされた。
以 上 の 状 況 等 に か ん が み 、専 修 学 校 制 度 の 目 的・役 割 を 踏 ま え つ つ 、
専 修 学 校 固 有 の 課 題 等 へ の 対 応 を 図 る 観 点 か ら 、社 会 の 要 請 に 応 え る
専修学校の質の保証・向上に関する調査研究を行い、もって今後の施
策立案等に資するものとする。
2. 検 討 課 題
専修学校制度の目的・役割を踏まえつつ、専修学校の質保証・向上
に向けた以下のような課題への対応方策等について検討を行う。
1.専 修 学 校 の 自 己 評 価 、 学 校 関 係 者 評 価 等 の 改 善 ・ 充 実 に つ い て
2.教 職 員 の 資 質 向 上 等 に 関 す る 取 組 の 改 善 ・ 充 実 に つ い て
3.質 保 証 等 に 係 る 専 修 学 校 設 置 基 準 の 在 り 方
4.そ の 他
3. 実 施 方 法
別紙の有識者等の協力を得て、調査研究を行う。なお、必要に応じ
10
てその他の関係者の協力を求めるものとする。
専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者
※敬称略、五十音順
座長:◎ 副座長:○
◎黒田壽二
金沢工業大学学園長・総長
○今野雅裕
政策研究大学院大学教授
青山伸悦
日本商工会議所理事・事務局長
小方直幸
東京大学大学院教育学研究科准教授
川越宏樹
学校法人宮崎総合学院理事長
小林光俊
学校法人敬心学園理事長、日本児童教育専門学校校長、
全国専修学校各種学校総連合会会長
小松郁夫
常葉大学教職大学院教授
清水信一
武 蔵 野 東 技 能 高 等 専 修 学 校 校 長 、全 国 高 等 専 修 学 校 協 会
会長
関口正雄
NPO 私 立 専 門 学 校 等 評 価 研 究 機 構 理 事 、 東 京 ス ポ ー
ツ・レクリエーション専門学校長
寺田盛紀
名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授
中村
学 校 法 人 中 村 学 園 理 事 長 、公 益 社 団 法 人 静 岡 県 職 業 教 育
徹
振興会会長
樋口美雄
慶應義塾大学商学部長・商学研究科委員長
前田早苗
千葉大学普遍教育センター教授
吉本
大阪府府民文化部私学・大学課長
馨
吉本圭一
九州大学人間環境学研究院副研究院長・主幹教授・教育
学部長
[計15名]
平 成 24 年 5 月 8 日 に 開 催 さ れ た 「 専 修 学 校 の 質 保 証 ・ 向 上 に 関 す る
調 査 研 究 協 力 者 会 議 ( 第 1 回 )」 で は 、 当 面 の 検 討 課 題 と し て 下 記 の 事
項が取り上げられた。
( 1) 教 育 活 動 の 自 己 評 価 、 学 校 関 係 者 評 価 等 の 改 善 ・ 充 実 に つ い て
○
教育活動の質保証・向上等に向けた具体的な方策
・教育活動の評価に係る自己評価、学校関係者評価等のガイド
ラインの作成 等
( 2) 教 職 員 の 資 質 向 上 等 に 関 す る 取 組 の 改 善 ・ 充 実 に つ い て
○
教職員の資質向上に係る具体的な方策
11
( 3) 単 位 制 ・ 通 信 制 導 入 後 の 検 証 等
( 4) 専 修 学 校 の 設 置 基 準 の 在 り 方
( 5) そ の 他
会 議 は そ の 後 、 第 2 回 ( 平 成 24 年 7 月 3 日 )・ 第 3 回 ( 平 成 24 年 8
月 3 日 )・ 第 4 回 ( 平 成 24 年 9 月 11 日 ) と 開 催 さ れ た が 、 第 5 回 以 降
第 10 回 ( 平 成 25 年 7 月 12 日 に お け る 専 修 学 校 の 質 保 証 ・ 向 上 に 関 す
る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 報 告 :「『 職 業 実 践 専 門 課 程 』 の 創 設 に つ い て 」 が
作成された日)までの会議資料は、文部科学省ホームページに掲載され
て い な い 。 た だ し 、 同 省 ホ ー ム ペ ー ジ 内 に 掲 載 の 「『 職 業 実 践 専 門 課 程 』
の 創 設 に つ い て( 平 成 25 年 7 月 12 日
専 修 学 校 の 質 保 証・向 上 に 関 す
る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 報 告 )」に お い て 、下 記 の 通 り「 専 修 学 校 専 門 課 程
における職業実践的な教育に特化した枠組み」の検討がなされていたこ
とが判明する。
【審議の経過】
○ 第7回 平成25年3月28日
( 1 ) 当 面 の 検 討 課 題 (案 )
(2)専修学校専門課程における職業実践的な教育に特化した枠組みに
係 る 検 討 に つ い て (案 ) に つ い て 審 議
(3)その他
○ 第8回 平成25年4月26日
(1)専修学校専門課程における職業実践的な教育に特化した枠組みに
係る検討(論点メモ)について審議
(2)各国における高等職業教育機関の設置認可・認証評価の動向
-韓・独・米の認可手続きと教員資格を中心に-について寺田委員から
御発表
(3)専修学校専門課程を基礎として職業実践的な教育に特化した枠組
みに向けて
-職業実務卓越型の教員と教育組織-について吉本委員から御発表
(4)その他
○ 第9回 平成25年5月27日
( 1 )専 門 学 校 に お け る 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み に つ い て( 骨
12
子案)について審議
( 2 )「 職 業 実 践 専 門 課 程 ( 仮 称 )」 の 文 部 科 学 大 臣 認 定 に つ い て ( 案 )
について審議
(3)その他
○第10回 平成25年7月12日(金)
( 1 )「 職 業 実 践 専 門 課 程 ( 仮 称 )」 の 創 設 に つ い て
~職業実践的な教育に特化した枠組みの趣旨をいかした先導的試行~
(報 告 )( 案 ) に つ い て 審 議
(2)その他
こ の 間 の 検 討 に お け る 主 な 意 見 と し て は 、下 記 の よ う な も の が あ っ た 。
高等教育段階における職業教育
○ 日 本 の 高 等 教 育 は 、戦 前 で は 学 術 と 職 業 教 育 が 分 か れ て い た が 、戦 後 、
大学が統合され、職業教育が高等教育から外れたような格好で社会的
な 評 価 を さ れ る よ う に な っ た 。高 等 教 育 が 拡 大 し て き た 中 で 、今 後 は 、
高等教育における職業教育が適切に社会に評価される体制を構築して
いくことが必要。
○ 大 学 、専 門 学 校 が 養 成 施 設 と し て 指 定 さ れ 、学 校 教 育 に 関 係 な く 国 家
資格が取得できる傾向が強くなっている。職業の資格枠組みと学校教
育とのレベルの対比を整理し、国家資格と学校教育とが連動する仕組
みづくりが必要。そのような仕組みがないと、職業教育の資格と学校
教育との相互乗り入れはおきてこない。
○ 専 門 学 校 の 中 で「 職 業 実 践 専 門 課 程 」を 認 定 す る こ と は よ い が 、今 後 、
大学、短期大学、高等専門学校における職業教育の機能はどのように
考えるかという議論をしていかないと、高等教育における職業教育の
充実のための議論は専修学校専門課程の中の狭い範囲の議論となって
しまう。質の高い中堅人材養成を目的とした高等教育における職業教
育の充実を図るため、引き続き、学術的な教育と職業教育の対等な評
価をどのように考えるかについて議論が必要ではないか。
○ 諸 外 国 の 高 等 教 育 段 階 の 職 業 教 育 に 係 る 制 度 を 見 る と 、多 く の 国 で は
高等教育の単独法があり、高等教育法制の中に職業教育を位置づけて
い る 。我 が 国 の 場 合 は 学 校 教 育 法 に 高 等 教 育 が 位 置 づ け ら れ て い る が 、
職業教育をどのように位置づけていくのか。
○ 学術に基づく教育と職業に基づく教育が相互に発展していくために
13
も、我が国の職業教育体系を是非確立すべき。
○ 新 た な 枠 組 み の 趣 旨 を い か し て い く 方 策 が 、我 が 国 の 教 育 の 複 線 型 の
試行であることが分かるように表現すべき。
職業実践専門課程
○ 意 欲 の あ る 専 門 学 校 が 、大 変 で あ っ て も 努 力 を し て 職 業 実 践 専 門 課 程
の認定を受け、質の高い実践的な職業教育を行う学校群が形成される
ことを期待。職業実践専門課程の認定に向けた作業は学校全体の質向
上に貢献し、全国の専門学校の一定の質の水準が担保されるという趣
旨からも専門学校全体として大きな一歩を踏み出すことになる。
○ 職 業 実 践 専 門 課 程 は 、学 校 教 育 法 上 、職 業 又 は 実 際 生 活 、教 養 の 向 上
を目的とした専門課程のうち、特に実践的かつ専門的な職業教育を行
う 専 門 課 程 に 焦 点 を 当 て 、業 界 団 体 、職 能 団 体 等 と の か か わ り の 中 で 、
大学等とは異なる固有のハードルを設け、産業界等との連携による実
践的な職業教育が具体的にどのようなものか輪郭付けを行うことに意
味がある。
○ 産業界のニーズを教育内容及び方法等に適切にいかしていく仕組み
が必要。今後の課題として、全国的な分野ごとの産学官コンソーシア
ムのような体制を形成し、そこで人材養成の質・量に関するニーズの
集約を行う。さらに、コンソーシアムの下で地域ごとの産学官連携の
組織から、学校に助言を行い、学校はそれらの助言を踏まえ主体的に
教育活動等の改善に取り組むという新たな仕組みの検討が必要ではな
いか。
○ 高 等 教 育 段 階 に お け る「 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み 」を 実 現
するためには、大学、短大、専門学校それぞれの学校種から検討を進
めることも方法の一つ。専門学校に相当のレベルのところで一つの区
切 り を つ く り 、そ れ ら の 振 興 を 図 る こ と で 次 の 段 階 に つ な が れ ば よ い 。
○ 「 職 業 実 践 的 な 教 育 に 特 化 し た 枠 組 み 」の 実 現 に 向 け た 第 1 ス テ ッ プ
として、学術的な教育の機能と対峙する実践的な職業教育機能に着目
し、専修学校専門課程の中から職業実践的な教育に特化した取組を行
う好事例を「職業実践専門課程」として国が審査、認定する仕組みを
試行してはどうか。
○ 「 職 業 実 践 専 門 課 程 」は 、専 門 学 校 の 質 の 保 証 や 、国 際 通 用 性 を ど の
ように担保するのかということに応えていくための第一段階となるこ
とを期待。
14
○ 日 本 の 学 校 制 度 は 入 り 口 に は 非 常 に 関 心 が あ る が 、出 口 と 接 続 の 問 題
に非常に弱い部分がある。その点、専修学校は他の学校種以上に出口
の職業のニーズを敏感に感じ取って柔軟に対応できるシステムをつく
ることが必要。
○ 積極的に新しいタイプの学校やカリキュラムを考えることを通して、
新しい成長分野で、新しい能力を持った人材を育成し、その仕組みが
きちんと保証されていけば、学校や教員が社会を引っ張っていける存
在になると思う。
○ 企 業・業 界 団 体 等 と の 連 携 に よ る 教 育 課 程 の 編 成 、演 習・実 習 等 の 実
施、教員研修、学校関係者評価などの活動がバラバラで行われるので
はなく、これらの一連の活動を通じ、実践的な職業教育の質保証・向
上につながるものとなることが重要。
○ 学 校 評 価 ガ イ ド ラ イ ン で 示 さ れ た 連 携 の 視 点 (「 専 修 学 校 の 質 保 証 ・
向上に資する取組の実態に関する調査研究事業」調査項目から抽出さ
れ る 専 門 学 校 と 業 界 と の 連 携 の 視 点( イ メ ー ジ ))を 参 考 に 、産 業 界 等
との具体的な連携イメージを持てるのではないか。学校関係者評価委
員会で、専門学校全体が何らかの視点で産業界等との連携に関する工
夫を示すことが可能であり、それ自体が専門学校の水準を向上するこ
とになると考える。
○ 分 野 別 で 、国 家 資 格 を 取 得 す る よ う な 学 校 は 既 に 実 習 等 が 組 み 込 ま れ
ている。一方で、実習等が実施されていないところがある。既に実習
等が組み込まれているのであれば、少しハードルを上げる意味で分野
を超えた対応があってもよいのではないか。
○ 「 職 業 実 践 専 門 課 程 」の 基 準 と し て 示 さ れ て い る 演 習・実 習 等 の 基 準
は 、現 時 点 で は 、ほ と ん ど の 学 校 が 対 応 で き て い な い 。今 回 の 基 準 は 、
学修成果の評価まで踏み込んだ演習・実習等の質を一層高めるための
高いハードルとなるのではないか。
○ 次 の 段 階 で 教 員 資 格 、教 員 組 織 に つ い て 検 討 す る 際 に は 、審 査 に お い
て専門家グループによる評価を行うことを検討する必要があるのでは
ないか。その際、分野特性を踏まえた中立的な代表者が入る形での専
門委員会などを構成し、実務での経験等が評価できる機関などが必要
ではないか。
○ 職 業 実 践 専 門 課 程 の 仕 組 み を 通 じ て 、実 践 的 な 職 業 教 育 を 企 業 等 の 外
に求めていくことは、政策的に労働市場における人材育成の機能を専
門学校に求めていくということになる。このことは、これまで日本で
15
最も欠けていた部分を補っていくというという視点であり、今回の仕
組みは、そのような目的を十分反映しているものとして期待。
教育課程の編成
○ 「 職 業 実 践 専 門 課 程 」に お い て ど の よ う な 人 材 を 育 成 す る の か 。そ の
人材が産業界のニーズとマッチするようにしなければいけない。マッ
チングを図るためには、教育内容・方法の改善・工夫などにおいて、
業界の人が参画した外部的組織の中でつくり上げていくことが必要。
○ 職 業 実 践 型 の 教 育 に 特 化 し た 専 門 課 程 は 、企 業 等 に 理 解 は さ れ る だ ろ
うが、
「 職 業 実 践 専 門 課 程 」か ら 輩 出 さ れ る 人 材 像 は 、わ か り や す い イ
メージをつくっていかないと、なかなか地域の理解を得られないので
はないか。平成23年1月の中央教育審議会の答申で指摘されている
ように、成長戦略としての人材育成が急務であり、例えば、新成長産
業において必要な人材育成を試行錯誤しながら対応していくものと考
える。
○ 「 職 業 実 践 専 門 課 程 」が 地 域 の 理 解 を 得 ら れ る よ う 、例 え ば 、教 育 課
程の編成において、企業や業界団体等の視点に加え、地方公共団体が
まとめた地域の産業構造を踏まえた産業振興のビジョンなどの視点も
入れながら、授業科目を開発、改善していくというメッセージが必要
ではないか。また、教員として企業OBが参画できる仕組みを構築し
ていくとよい。
○ 専門学校と産業界との連携による実践的かつ専門的な職業教育の質
の保証・向上を目指し、学校の自主性を確保した上で、産業界と学校
が教育課程の編成等について協議を行うような連携を強力に推進して
いくため、教育課程編成委員会に多くの企業や公的な業界団体に参画
していただくことが必要。
実習・演習等
○ 職 業 実 践 的 な 教 育 と し て カ リ キ ュ ラ ム の 内 容・方 法 が 重 要 に な る 。平
成23年答申においては職業実践的な授業の割合(4~5割)が提案
されているが、アメリカやドイツのように職業の実務を重視する国で
は、そもそも効果的な職業を行うための科目は「講義」と「実習」と
の連動型がほとんどであり、そのような授業において実習等の割合を
求めていない。我が国の職業実践的な授業とはどのようなものか、イ
メージをはっきりさせた方がよい。
16
○ 専 修 学 校 は 既 に 職 業 実 践 的 で あ り 、職 業 実 践 専 門 課 程 で 設 け る と す れ
ば、専修学校を含めた日本の職業教育の課題として、企業実習、研修
等を組織的に行うことが挙げられる。メカニズムとして日本の職業教
育はこれらを欠いているので、これを導入することが職業教育のカリ
キュラム、就職、学生の職業観育成などの質が向上することとなる。
○ドイツ連邦の基準では、企業と学校の連携による校外実習において、
企業のアウスビルダー(指導員)が毎日、毎月の実習計画に必要な項
目を立て、企業の指導者が指導した内容をチェックしていく仕組みと
なっている。実践的な職業教育において教育課程における専門性を適
切に担保するため、例えば、校外実習でどのようなことを指導したか
を確認するための指導シート等を作成するなど、実習・演習等におけ
る内容を具体的に書類上明確にすべき。
○ 商 業 実 務 分 野 の 簿 記 の 専 門 学 校 の 中 で は 、在 学 し な が ら 企 業 で 3 ~ 4
ヶ月実際に働く間、学校の担任と企業の上司とが評価をしながら実際
に働いて給料も支給されるものもある。このような企業との連携によ
る実習において、企業側が学生に要求することを把握すること、企業
と学校の相互の評価を行うことも効果がある。
○ 実 習 等 は 分 野 に よ っ て 全 く 状 況 が 異 な る 。商 業 、工 業 な ど の 分 野 に よ
る違いも踏まえ、きめ細かな対策を考えた制度にしていただきたい。
教員資格・教員組織
(教員資格関係)
○ 職 業 教 育 の 定 義 と し て 、 ① 職 業 の た め の 教 育 ( 目 的 ・ 目 標 )、 ② 職 業
に よ る 教 育( 教 育 方 法 と 教 育 組 織 )、③ 職 業 の 教 育( 教 育 統 制 と 主 体 と
しての職業)が適切に行われるかどうか。職業による教育の中で職業
を通じて教育する教員をどのように捉えるか。
○ 高 等 教 育 の マ ス 化 、ユ ニ バ ー サ ル 化 が 進 み 、様 々 な 教 育 形 態 が 重 視 さ
れる中で、職業世界とのレルバンスを強化したようなタイプの教員が
配置されている。
「 職 業 実 践 専 門 課 程 」の 教 員 は 、職 業 実 務 卓 越 型 の 教
員 の 一 つ の モ デ ル に な る の で は な い か 。 教 員 に つ い て は 、学 術 研 究 卓
越性、職業実務卓越性、教育資質、マネジメント能力という4構造で
考えるのが適切と考える。
○ 職業教育に関する教員の職業の実務卓越性に関する諸外国の資格と
して、修士、博士というディグリープログラムではなく、英国の継続
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教育カレッジの高等職業教育教員の制度や、オーストラリアの技術継
続教育機関(TAFE)の例が参考になる。例えば、クイーンズラン
ド 政 府 の 「 Become a TAFEteacher」 と い う サ ー テ ィ フ ィ ケ ー ト を 取
得する教授法とアセスメントを学ぶプログラムなど、実質的に職業教
育を行う教員の資質向上を求める仕組みとして職業教育のための履修
証明プログラムが提供されているものがある。一方で、韓国やフィン
ランドのように修士、博士などの教員資格を求める国もある。さらに
英 国 の Sector skills council に よ う に 業 界 か ら 評 価 さ れ る 仕 組 み が 構
築されている。このような諸外国の状況を踏まえ、将来的な課題とし
て、我が国における実務卓越性型の教員に求められる職業に関する専
門性については、単に学歴の高度化ではなくドイツなどのように一定
の職業実務経験を求めるとともに、授業等の指導力については履修証
明プログラム型の短期養成プログラムを検討するなど、何らかの形で
高等職業教育のための教員資格を設定することが可能ではないか。
(教員組織関係)
○ 特 定 の 個 人 が 全 て の 機 能 を 担 う と い う よ り も 、多 様 な 資 質 を 持 つ 教 員
による教育組織の質の保証ということを考えていくべき。最先端の教
育を担う実務家としての兼任教員の機能やその活用規模が大きい分野
がある。例えば、デザイン、医療・保健などの分野では、兼任教員の
機能やその活用規模が大きく、特に先端的な実務卓越性を求めるとい
う場合、これらの教員組織を積極的に評価すべき。ただし、分野によ
る差異もあるため、数値の一律基準を設けることはなじまないのでは
ないか。
○ 教 員 に 求 め ら れ る 資 質 は 、専 修 学 校 団 体 か ら ① 専 門 の 能 力 、② 授 業 力 、
③学生指導力、④カリキュラム作成能力が挙げられている。それを評
価するために、教員組織としては、
本校では教務推進本部を設け、
①研究授業、②授業参観、③学生アンケートなどを実施し、常時定期
的に各学校を巡回しながら、授業全体の標準化を図っている。教員の
評価は非常勤も同様に行う。このように日常的な評価が大事。
(教員資格・教員組織の課題)
○ 教 員 資 格 、教 員 組 織 に つ い て は 、地 域 の 特 性 、職 業 分 野 の 特 性 に よ っ
て大きく異なる。商業実務分野の専門学校では100%専任教員が、
学生の卒業時まで教えている。一方で、医療関係は担任の専任教員が
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クラス運営を行い、専門の授業は病院等の医者などの多くの兼任教員
が教える分野もあり、教員の質の担保については、いろいろな方法が
考えられる。このため、非常に多様なものであるということを踏まえ
て評価していただきたい。
○ 専 門 学 校 の 教 員 と し て は 、そ れ ぞ れ の 職 業 の 専 門 に 関 す る 知 識 、技 術
と教職の専門的な知識等が重要であり、産業界等との連携による分野
ごとのコンソーシアムのような仕組みの中で、マネジメント能力だけ
でなくインストラクション・スキルを含めた指導力などを修得する教
員の資質向上に係る取組を推進する必要があるのではないか。
教員研修
○ 専門学校の場合、修士以上、かつ、5年以上の職務経験がある者は
6%。全体として4割近くが学外での一定の職業経験を有している。
ま た 、教 員 の 研 修 の 機 会 、あ る い は 、上 級 資 格 や 資 格 更 新 の 制 度 な ど 、
教員の資質向上に係る制度的仕組みが全ての教員をカバーしていると
はいえないことが課題としてある。
○ 教員研修の在り方について、理論的知識や、最先端の専門的な知識、
技術及び技能を修得する適切な研修制度もあるが、必ずしもうまくい
っていない。学校経営などに関する研修機会も弱く、研修をどのよう
にしていくかが課題。
○ い く つ か の 国 で 教 員 の 指 導 力 に 関 し 、教 員 資 格 と し て 履 修 証 明 プ ロ グ
ラム型の短期養成プログラムを持っている。それを日本でやるのか、
あ る い は 、 大 学 の よ う に FD( フ ァ カ ル テ ィ ・ デ ィ ベ ロ プ メ ン ト ) を
義務づけるのか。教員の指導力については、分野ごとの固有のアプロ
ーチをとればよいと思う。教員になるための教員講習会を持っている
ものと、そうでない課程もあるので、教員の研修も一律のものを求め
るのは難しいところ。
○ 教 員 資 格・教 員 組 織 は 、次 の 段 階 で 具 体 化 す る と し て も 、教 員 研 修 の
ポ イ ン ト に 、教 員 の 指 導 力 、組 織 と し て の マ ネ ジ メ ン ト 力 と し て の「 教
員 の 資 質 の 向 上 」、「 能 力 開 発 」 と い う 観 点 が 必 要 。 職 業 実 践 的 な 教 育
とは、急速に変化する経済社会のイノベーションに対応するもの。そ
のような観点から、教員の能力開発の必要性を指摘したものになって
いると認識。
○ 教 員 は 、教 育 を す る 者 と し て 、常 に マ ネ ジ メ ン ト を 含 め た 能 力 開 発 が
必要であることについて指摘すべき。
19
○ 教 員 研 修 機 能 と し て 、( 一 般 財 団 法 人 ) 職 業 教 育 ・ キ ャ リ ア 教 育 財 団
において、常に教員がキャリアアップできる研修、職業に共通するキ
ャリア教育を含めた教員として必要な研修の仕組みについて検討する
ことが必要。
その他(国際通用性、他の高等教育機関等との接続、名称等)
○ こ こ で の 議 論 は 非 常 に 重 要 で 、今 後 も 発 展 し て い く と よ い が 、他 の 学
校種との接続を考えたときに、どのような接続が大学との関係で考え
られるのか。大学の役割・機能と、職業実践専門課程の役割・機能は
何かということついて、明確にすることが必要。また、実践的な職業
教育における国際的通用性とは何かということをしっかり考えておく
必要がある。
○ 日 本 の 職 業 教 育 が 低 く 見 ら れ て い る 。国 際 的 に は プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル
ラ イ ン 、ア カ デ ミ ッ ク ラ イ ン の 方 向 が オ ー ソ ラ イ ズ さ れ て い る 。
「職業
実践専門課程」の取組の動きを通じて次の段階に発展できるようにし
ていくことが必要。また、国際社会にキャッチアップしていくことが
必要。
○ 「専門士」
「 高 度 専 門 士 」の 国 際 通 用 性 を 高 め る こ と が 必 要 。
「 専 門 士 」、
「高度専門士」が国内しか通用しない現状に対し、実践的な職業教育
の国際的通用性をどのように確立していくのか、次の段階で議論すべ
き。
○ 英 語 名 称 に つ い て は 、 UNESCO – ISCED (International Standard
Classificationof Education: 国 際 教 育 標 準 分 類 )が 2011 年 に 改 定 さ
れ 、そ の 後 各 国 に お い て 統 計 に 反 映 さ れ て い な い が 、ISCED6 を 学 士
ISCED 7 は 修 士 、 ISCED8 は 博 士 、 ISCED4 は Post-Secondary
Non-Tertiary と さ れ て い る 。 職 業 実 践 専 門 課 程 は 、 こ れ ま で の 定 義
を 踏 ま え る と 、 ISCED5 の Short Cycle TertiaryEducation と い う 趣
旨 に な る の で 、 英 語 名 称 に Tertiary の 用 語 を 使 っ て も 良 い で は な い
か 。 ま た 、 ISCED2011 に 「 General」 と 、「 Vocational」 の 定 義 が 示
さ れ て お り 、 今 後 、 Short Cycle Tertiary General Education か 、
ShortCycle Tertiary Vocational Education が 、 短 大 、 高 専 、 専 門 学
校がどちらに位置づけられるか課題。
○ ASEAN諸国が職業教育においてグローバル連携を図っている中
で 、日 本 の 職 業 教 育 は 国 際 的 に も 評 価 を 高 く 受 け て い る こ と を 踏 ま え 、
アジアにおける職業教育の拠点となることを位置づけ、日本が実践的
20
な職業教育について先導的にASEAN諸国をリードできるシステム
を作り上げていく必要がある。
○ E U 、英 国 等 の 職 業 資 格 の 枠 組 み や 高 等 教 育 資 格 枠 組 み 等 の 認 証 制 度
は学校の中だけの話ではなく、これらの評価が給与等の決定に影響を
及ぼしていくような社会インフラとしての位置づけがなされている。
個別企業が賃金の決定を行う傾向が強い我が国において、このような
仕組みを構築し社会的な位置づけを行うための議論がなされてこなか
ったが、今後は、職業実践専門課程における職業教育の成果が社会で
どのようにいかされ位置づけられていくかが重要。
○ 専 修 学 校 は 必 ず し も 社 会 的 認 知 を 十 分 に 受 け て な い の で 、国 民 に き ち
んと認識されるように名称をしっかりと位置づけることが必要。
○ 専 門 学 校 は 、高 校 生 等 の 進 路 と し て 実 績 が あ る の に 、高 校 の 進 路 指 導
上、専門学校の情報が極めて少なく、認知度が低い。高校生等に分か
りやすい形でアピールする仕組みが必要。
○ 社 会 的 認 知 を 高 め る た め に は 情 報 公 開 が 大 事 。社 会 的 に 信 頼 を 得 る た
め 専 門 学 校 の 財 務 情 報 (事 業 報 告 書 、 財 務 諸 表 等 )等 の 情 報 は 、 学 校 教
育法及び私立学校法において求められているように関係者である企業
等へ提供すべき。
平 成 25 年 7 月 12 日 に 専 修 学 校 の 質 保 証・向 上 に 関 す る 調 査 研 究 協 力
者 会 議 報 告 :「『 職 業 実 践 専 門 課 程 』 の 創 設 に つ い て 」( 前 出 )、 ま た 、 平
成 25 年 8 月 30 日 に 公 布・施 行 さ れ た「 専 修 学 校 の 専 門 課 程 に お け る 職
業 実 践 専 門 課 程 の 認 定 に 関 す る 規 程( 平 成 25 年 文 部 科 学 大 臣 告 示 第 133
号 )」( 前 出 ) の い ず れ も 、 こ の よ う な 議 論 に 基 づ き 策 定 さ れ た こ と が う
かがえる。
今後、本事業のように、職業実践専門課程制度をめぐる調査研究を行
う に あ た っ て は 、同 制 度 の 誕 生 に 向 け 、こ の よ う な 経 緯・議 論 が な さ れ 、
尽くされたことを十分に踏まえ、わが国の将来における職業実践人材の
安定的・発展的育成に努めていきたい。
21
1.2
事業の目的と概要
1.2.1
事業の目的
本事業は、職業実践専門課程に期待される「職業教育の充実」を先導
的に進めるための学校評価制度について研究を深め、評価方法の開発と
その運用制度の構築を行うことを目的としたものである。
その中では特に、職業実践専門課程をもつ学校の教育の質保証・向上
を担保する「第三者評価」のあるべき姿について、産業界、行政、高等
学 校 、有 識 者 か ら 構 成 さ れ る 、
「 美 容 学 校 評 価 研 究 コ ン ソ ー シ ア ム 」を 組
織し、具体的な評価方法の開発、発展的運用のための制度構築に関する
議論を重ねていった。
1.2.2
事業の概要
本事業の実施にあたっては、当初、下図のような計画を立案した。
図 1
本事業が当初立案した計画
1 年目は、本校を中心とした産学官コンソーシアムを組織し、研究委
員会を設置して、職業実践専門課程を対象とした第三者評価制度のモデ
22
ル ( 以 下 、「 評 価 モ デ ル 」) を 構 築 す る 。 2 年 目 は 、 1 年 目 の 成 果 を 全 国
の美容教育機関・美容サロン等に公開し、その成果を参照した学校評価
を展開する(その一つとして、第三者評価制度のモデル事業を行う)と
いうプランを立て、実施した。
なお、1 年目は、評価モデル構築と並行して、学校評価に対するニー
ズがどのようになっているかを明らかにするための調査も実施した。そ
の具体的な内容は章をあらためて説明する。
1.2.3
事業のホームページ
本事業においては、自己評価や学校関係者評価は、学校が主体となっ
て、その運用プロセスも含めて実施するのに対し、第三者評価は、下図
のように、学校が非常に多くのステークホルダーと関係した公益的存在
であり、それらのニーズに従って、制度面・運用面ともに第三者が実施
するものであるとの共通認識で事業を進めた。
図 2
本事業がイメージする第三者評価の位置づけ
したがって、本事業の成果は広く公開することによって、多くの方々
のご意見を採り入れ、発展できるとの考えから、事業成果を公開するた
めの専用のホームページを開設した。
こ の ホ ー ム ペ ー ジ の URL は 次 の と お り で あ る 。
http://www.beauty-hyouka.net/
23
下図はホームページの冒頭部分のキャプチャである。
図 3
本 事 業 の ホ ー ム ペ ー ジ の 冒 頭 部 分 ( 平 成 27 年 2 月 26 日 現 在 )
このホームページには、次の 5 つのメニューを用意している。
1 . 職 業 実 践 専 門 課 程 …職 業 実 践 専 門 課 程 制 度 の 紹 介
2 . 事 業 計 画 ・ 実 績 …事 業 計 画 書 、 成 果 報 告 書 、 委 員 会 等 の 開 催 実 績
3 . ア ン ケ ー ト …本 事 業 で 実 施 す る 調 査 の た め の ア ン ケ ー ト
4 . 連 携 …本 事 業 と 連 携 す る 機 関 に 関 す る 情 報 等
5 . ご 意 見 …本 事 業 に 対 す る 意 見 の 投 稿
な お 、 こ の ホ ー ム ペ ー ジ は 平 成 26 年 11 月 19 日 に オ ー プ ン し た 。 同
年 12 月 9 日 よ り ア ク セ ス ロ グ を 取 り 始 め 、平 成 27 年 2 月 26 日 ま で に 、
500 弱 の ペ ー ジ ビ ュ ー を 記 録 し て い る 。
24
2
調査
2.1
調査の概要
2.1.1
調査の目的と概要
本 事 業 が 構 築 を 目 指 す 第 三 者 評 価 制 度 モ デ ル( 以 下 、
「第三者評価モデ
ル 」)に 対 す る ス テ ー ク ホ ル ダ ー の ニ ー ズ を 明 ら か に す る 目 的 で 調 査 を 行
った。
 認知度調査
本事業がイメージする第三者評価モデルは、職業実践専門課程として
認定された美容専門学校に対して適用されることを前提としているので、
その対象校は、すでに、
①専修学校として認められていること
②美容師養成施設として認められていること
③自己評価を実施し、その結果を公開していること
④職業実践専門課程として認められていること
という 4 つの条件をクリアーして い る必要がある 。す なわち、① は文部
科学省が定める「専修学校設置基準」を満たしていること、②は厚生労
働省が定める「美容師養成施設指定規則」にしたがった指定を受けてい
ること、③は学校教育法に定められた学校の義務を果たしていること、
④は文部科学省によって「職業実践専門課程」として認められているこ
とである。
したがって、第三者評価がアウトプットする情報のユーザーであるス
テークホルダーには、これらの質保証の仕組みの存在と概要を理解して
いてほしい。そこで本事業では、まず、これらの質保証制度の認知度を
調査することにした。
 ニーズ調査
次に、構築を目指す第三者評価モデルに何を求めるかについて調査を
行うことにした。ここで、第三者評価モデルの趣旨を理念的に説明した
うえで、
「 第 三 者 評 価 に 期 待 す る こ と 」を 闇 雲 に た ず ね て も 、美 容 専 門 学
25
校の運営に関する知識を持っていなければ、回答に窮することは明らか
であると想定された。そこで、本事業の実施において連携を図った一般
社団法人専門職高等教育質保証機構において策定された「第三者評価基
準 要 綱( 素 案 )」に 盛 り 込 ま れ た「 評 価 の 観 点 」を 平 易 な 表 現 に 置 き 換 え
た回答項目を設置し、それぞれの観点に対して「重要と思うか」をたず
ねることにし、その回答分布によって、第三者評価に対するニーズを間
接的に明らかにしようとした。このとき、回答者に示す項目はあくまで
「素案」であり、回答者が考える「素案」以外の項目があれば、自由に
回答を寄せられるように工夫した。
2.1.2
調査の実施対象
前 掲 し た 図 2 に 示 す 通 り 、第 三 者 評 価 が ア ウ ト プ ッ ト す る 情 報 の 利 用
価値が高いと考えられるのは、職業実践専門課程として認定された専修
学校の入学、在学、卒業(学修成果)に関わるステークホルダーである
と の 観 点 か ら 、 次 の 3 つ の 対 象 ( 以 下 、「 回 答 者 種 別 」) に つ い て 調 査 を
実施することにした。
(1)
高等学校及び日本語学校(入学する側)
本校に入学実績をもつ高等学校及び日本語学校を対象にした。
(2)
保護者(入学、在学、卒業に関する意思決定に大きな影響を持つ)
現在本校に在学する保護者を対象にした。
(3)
美容サロン(卒業生が就職する側)
本校の卒業生が就職した実績を持つ美容サロンを対象にした。
なお、対象を具体的に選別するうえでは、数より質を重視し、真剣に
回答を寄せてもらうことが期待できることを優先した選別を行った。
2.1.3
調査の実施方法
回 答 者 種 別 ご と に ア ン ケ ー ト の 回 答 書 の 形 を 用 意 し 、FAX に よ る 回 答
か 、ま た は 、本 事 業 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 に 用 意 し た Web フ ォ ー ム に よ る 回
答のいずれかの方法で回答できるようにした。
なお、回答に先立ち、本アンケートの趣旨の説明と、前述①~④に示
した既存の質保証の仕組みの階層構造に関する簡単な説明を示した。以
下 、 高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 向 け の 回 答 書 ( FAX 用 ) の 例 を 示 す 。
26
27
28
29
30
31
回答書の①-2、②-2、③-2、④-2は、前述①~④の質保証の
結果が、各回答者種別に影響を与える(与えた)かどうかについてたず
ねるための質問である。これらは、回答者種別によって、次のように変
えている。
(1)
回答者種別が高等学校・日本語学校の場合
その質保証結果が、在校生の進路指導に影響を与える(与えた)か
(2)
回答者種別が保護者の場合
その質保証結果が、子弟の進学意思決定に影響を与える(与えた)か
(3)
回答者種別が美容サロンの場合
その質保証結果が、卒業生の就職に影響を与える(与えた)か
2.1.4
アンケートへの回答状況
アンケートへの回答状況は下表の通りであった。
表 1
A
B
C
種別
送付数
回収数
高等学校・
アンケートへの回答状況
D
E
F
G
C のうち
C のうち
Web 回 答 率
回収率
Web 回 答
FAX 等 回 答
(= D÷ C)
(= C÷ B)
80
31
13
18
41.9%
38.8%
保護者
59
17
7
10
41.2%
28.8%
美容サロン
46
24
16
8
66.7%
52.2%
185
72
36
36
50.0%
38.9%
日本語学校
合計
※専修学校を中心とした人の流れの観点から、高校と日本語学校は入口側として同一カテゴ
リで取り扱っている。
・ 送 付 数 に 占 め る 高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 の 内 訳 は 、 高 校 60、 日 本 語 学 校 20 で あ る 。
・ 回 収 数 に 占 め る 高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 の 内 訳 は 、 高 校 23、 日 本 語 学 校 8 で あ る 。
32
2.2
調査の結果
2.2.1
回答者の属性
 高等学校・日本語学校の属性
所在地
回答者役職
都道府県
学校数
役職
学校数
茨城県
2
進路指導部
埼玉県
2
校長・学院長
11
3
千葉県
教務部
14
6
東京都
その他
2
不明
1
神奈川県
1
三重県
1
19
専門学校進学割合
割合
学校数
5% 未 満
1
5% 以 上 10% 未 満
1
10% 以 上 30% 未 満
18
30% 以 上
10
1
不明
・所在地はほとんど首都圏である
・専門学校進学割合は比較的高い
・回答者役職は進路指導部が多い
 保護者の属性
住所
年齢
都道府県
人数
年齢
人数
北海道
2
~ 39 歳
0
埼玉県
2
40~ 49 歳
5
千葉県
1
50~ 59 歳
12
東京都
5
60~ 69 歳
0
神奈川県
6
70 歳 以 上
0
愛知県
1
33
性別
職業
性別
人数
職業
人数
男性
9
企業等の経営者・役員
2
女性
8
個人事業主・店主
1
会社員
6
無職
3
その他
5
・住所は東京・神奈川が多いがバラツキがある
・ 年 齢 は 40 代 と 50 代 で す べ て で あ る
・性別はほぼ半々である
・職業は会社員が多いもバラツキがある
 美容サロンの属性
所在地
都道府県
千葉県
東京都
所属美容師数
サロン数
美容師数
1
19
神奈川県
3
大阪府
1
サロン数
5 名以下
0
6~ 10 名
0
11~ 20 名
1
21~ 50 名
4
51~ 100 名
3
101 名 以 上
16
・1 サロンを除いて首都圏(ほとんどが東京)に立地している
・所属美容師数は比較的多い
34
2.2.2
認知度調査の結果
①専修学校設置基準について
専修学校の設置基準に関する認知度及び同基準との適合が意思決定に
与える影響についての調査結果は以下の通りである。
① -1
専修学校には「専修学校設置基準」の適合が必要である

高校・日本語学校は比較的明確に認知されている

保 護 者 、 サ ロ ン で は 「 知 ら な か っ た 」 が 10% 以 上 い る
① -2
2
専 修 学 校 の 認 可 が 進 路 指 導・進 路 決 定・美 容 師 採 用 に 影 響 し た( す
る)
3
2
以 下 、表 示 す る グ ラ フ の 回 答 者 種 別 で 、
「 高 校 」と 表 示 さ れ て い る の は
「 高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 」を 、
「 サ ロ ン 」は「 美 容 サ ロ ン 」を 、そ れ ぞ れ
表している。グラフを簡略的に表示するための省略形であることに注意
されたい。
3 以 下 、 ① -2、 ② -2、 ③ -2、 ④ -2 の グ ラ フ の 凡 例 に お い て 、
「影響した」
と表示されているが、アンケートでは過去における影響と将来における
影 響 を 同 じ 次 元 で 認 識 す る「 影 響 し た( す る )」と い う 表 現 で 質 問 し て い
る。これもグラフを簡略的に表示するための省略形であることに注意さ
れたい。
35

美容サロン(出口側)ほど影響度合いが少ない

美 容 サ ロ ン で は 半 数 以 上 が 、「 影 響 し な い 」 と 回 答 し て い る
①設置基準に関係した自由意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
·
·
·
·
·
高等学校・
日本語学校
·
·
·
·
·
·
·
保護者
·
·
今や専門学校は不合格にならないので、どう選ぶかが指導の重点となっ
ている。最終決定は本人・保護者になる。教師はあくまでも情報を提供
するだけで、断定は決してできないので、選んできた学校にそのまま受
験させているのが現状である。
認可されていない学校は生徒を勧誘する際に質よりもハード面を強調す
る 傾 向 が あ り 、実 質 的 な 説 明 を 後 回 し に す る 傾 向 が 見 ら れ た 。
(特に美容
の学校)そのため、進路指導側としては慎重にならざるを得ない。
より確実な学校であるというイメージになると思います。
5月とか早い時期に無認可の学校を決めてしまう生徒が数年に一度位い
る の も 事 実 。早 期 に 相 談 が あ れ ば ア ド バ イ ス も で き る の で あ る が ・・・。
ごく少数ではありますが、無認可校でも教育の質が高い学校は了解して
います。
説 明 会( ガ イ ダ ン ス )で 認 可 校 か 否 か の 確 認 を す る よ う 指 導 し て い ま す 。
留学生はビザの問題がありますので、入管的にもしっかりした学校に入
学させたいと感じています。
外国人留学生の場合、専門士が取得できるか否かは大きな問題
留学生の進学先として入管からビザの許可が下りるかどうかという点か
ら見ています。
無認可校のデメリット(卒業しても学歴にならない、奨学金やローンの
優遇が受けられない等)について、生徒に確認しつつ進路指導すること
もあります。
専修学校に認められた学校でないと、日本学生支援機構などの奨学金の
貸与がなされないため
業種によっては認可されているかどうかより、実践されている中身が重
要だから。
専修学校として認可を目指す姿勢を応援します。
本人ができれば大学卒業の学歴を希望していたため
36
·
·
·
·
·
美容サロン
·
·
·
·
·
·
専修学校と認可されているということは、きちんとした教育を受けられ
ると考えたから。進学するなら、学歴という意味でも認められるところ
に行かせたかった。
卒業後の就職に影響すると思う
認可されている方が信用できるから
信頼・安心という意味で、認可されている学校の生徒さんが望ましいで
す。
美容師国家試験を取得するかどうかを基準に考えております。厚労省と
文科省の二つの指定があると聞いていましたが、専修学校の定義は知り
ませんでした。
美容師免許の取得が可能であれば短大でも可能な為
サロン側として、これだけは、わかっていたほうがいい事を教えていた
だきたい。私の勉強不足あります。
専修学校の認知度は低いと思われます。
従来通りご縁を大切に考えております
サロンの技術、接客等のレベルを維持するためにも、専修学校卒業生を
採用することにしている
ハリウッド美容専門学校は、全国の養成学校の中でも質が高く、アカデ
ミックな組織と指導力を持っているから、設置基準に適合している。
②美容師養成施設指定規則について
② -1
美容師養成施設には「美容師養成施設指定規則」の適合が必要で
ある

保 護 者 は 「 知 ら な か っ た 」 が 1/3 以 上 い る

高校・日本語学校は比較的明確に認知している
② -2
美容師養成施設であることが進路指導・進路決定・美容師採用に
影響した(する)
37

高等学校・日本語学校、保護者では、相対的に、影響が大きい

サ ロ ン に お け る 影 響 は 相 対 的 に 小 さ い が 、他 の 項 目 に 比 べ れ ば 影
響度合いは大きい
②美容師養成施設指定に関係した自由意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
·
高等学校・
日本語学校
·
·
保護者
·
·
·
·
学校の姿勢が認可に向けて前向きであることはとても重要ですね。
資格がとれなければ、学校に通わせる意味がないから。
指定されていることで安心感がある
認可されている方が信用できるから
·
「美容師養成施設」と上述1の「専修学校」の具体的な違いの理解が
足りませんでした。
厚労省の「美容師養成施設別の合格者数」などを見ていたので、何と
なく知っていました。
美容師免許取得見込みが絶対条件の為
私の勉強不足かもしれませんが、こういう情報の伝達経路があれば、
おしえてほしい。
従来通り美容学校のご縁の生徒さんの内容が最重要と考えます
美容学校イコール養成施設と考えていたため、特に気になりません。
·
美容サロン
美容系に進む場合、美容師免許を持っている・いないについて大いに
影響するという認識である。
メイクやエステなど、美容師資格にこだわらない生徒もいる。生徒は
仕事の詳細を知らない場合が多い。
美容師養成施設としての基準を、生徒はあまり理解していないと思い
ます。
·
·
·
·
③自己評価の実施と公開について
③ -1
専修学校では自己評価の実施と公開の義務がある
38

高校・日本語学校を除いて、認知度は半分以下である

高 校 ・ 日 本 語 学 校 で 「 知 ら な か っ た 」 と 回 答 し た の は 5 校( 高 …
3 校、日…2 校)である
③ -2
自己評価の公開と内容が進路指導・進路決定・美容師採用に影響
した(する)

高等学校・日本語学校、保護者、サロンの順に影響度が大きい

高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 は 約 2/3、 保 護 者 、 サ ロ ン は 半 分 以 下 で あ
る
39
③自己評価の実施・公開に関係した自由意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
高等学校・
日本語学校
· そこを選ぶポイントとしていない
· 自己評価をどのように実施しているのかの方が気になる。
· 専 門 学 校 で あ れ ば 、ど の 学 校 も し っ か り し て い る だ ろ う と い う 安 心 感 か
ら。
· 私個人としましては、自己評価はあまり参考にしていません。
· 専修学校の自己評価はとても大切だと思います。
保護者
· 学 校 の 活 動 内 容 の「 見 え る 化 」は 、単 に 子 供 を 預 け る 親 へ の 安 心 感 だ け
にとどまらず、学校運営にも良い影響を及ぼすと考えます。
· 自 己 評 価 の 公 開 義 務 を 知 ら な か っ た し 、そ も そ も 、学 校 に 限 ら ず 、自 己
評価というものをそれほどあてにしていないので。
· 学生や親が本当に知りたい結果が公開されているかどうかが気になる
· 特に必要を感じないから
美容サロン
· 自己評価に加え、第三者の評価があれば大変参考になりありがたいで
す。
· 自己評価の内容を見たことがありませんでした。
· 自己評価のラインに各学校で違いがあると不安です。
· 多少参考にはなると思いますが、評価には影響しない
· 学校の自己評価に関して、あまり知りませんでした
· 自 校 の 作 品 発 表 会 、コ ン ク ー ル で の 入 賞 、国 家 試 験 合 格 率 を 参 考 に し て
いる
④職業実践専門課程の認定について
④ -1

「職業実践専門課程」の認定制度について
保護者の認知度が非常に低い
40

高 校 ・ 日 本 語 学 校 で 「 知 ら な か っ た 」 と 回 答 し た の は 8 校( 高 …
3 校、日…5 校)である
④ -2
職業実践専門課程であることが進路指導・進路決定・美容師採用
に影響した(する)

保護者、高等学校・日本語学校、サロンの順に影響度大きい

サロンではあまり影響されていない

いずれも「大いに」が少ない
④職業実践専門課程の認定に関係した自由意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
高等学校・
日本語学校
· まだ、職業実践専門課程がどの程度、社会に受け入れられるか判断で
きていないからです。
· まだ認知が低いので、質の高い専門学校だろうという程度の評価であ
る。そうである場合とない場合の具体的な差異を示す広報担当者は少
ないかと思われる。
· まだまだ認知度が低いし、直接影響がないから。
· 私 個 人 と し ま し て は 、こ の よ う な 認 定 に 本 当 の 信 頼 を 置 い て い ま せ ん 。
· まだ認知度が低い。
· 4 - 2 に つ い て 。職 業 実 践 専 門 課 程 の 制 度 開 始 か ら ま だ 日 が 浅 く 、一 部 学
校ではその内容上、この制度にはじめから該当しないこともあると伺
ったので、今のところそれほど重きを置いた指導はしていません。
· もっと分かりやすい名称にならないものだろうか
保護者
· 職業実践専門課程としての認定は、学校を選ぶ過程でかなりのウェイ
トを占めると思います。
· 入学前にその制度があったら、大いに影響したと思う。
· 学校を選んでいる頃に知らなかったのでわからない
· 認定されている方が信用できるから
41
· 名ばかりの学校がある場合がありますが、きちんとしたカリキュラム
にそった授業が大切と思います。
サロン
· 3の意見でも述べさせていただいたのと、信頼できる第三者評価にも
なると思います。
· 先日、初めて美容学校からお話を伺い知ったところです。
· 私の勉強不足かもしれませんが、こういう情報の伝達経路があれば、
おしえてほしい。
· 美容学校に対しては今までのご縁を、そして生徒さんに対しては本人
の資質と考えます
· この認定制度について詳しく知りませんでした。しかし、ハリウッド
美容学校ならどこよりも先に認定されるように思います。
42
2.2.3
ア
ニーズ調査の結果
「目的・目標の設定および入学者選抜」について
⑤ -1
目的・目標の設定および入学者選抜の評価に対するニーズ(2 つ
選択)

各 種 別 と も 、1 位 が「 養 成 人 材 像 」、2 位 が「 学 校 の 目 的・目 標 」。
特に、サロンはその傾向が顕著

高 等 学 校・日 本 語 学 校 、保 護 者 の 場 合 は 、
「 入 学 者 受 入 方 針 」、
「入
学者選抜」にも一定のウェイトあり
⑤ -1「 目 的 ・ 目 標 の 設 定 お よ び 入 学 者 選 抜 の 評 価 」 に 関 係 し た 自 由 意
見は下表の通りであった。
種別
自由意見
·
·
高等学校・
日本語学校
·
·
·
·
保護者
·
何を学ぶのか、どう学ぶのかは、大切だと思うからです。
少 人 数 で あ っ て も 、入 学 者 が そ の 後 の 教 育 に よ っ て ど の よ う に ス キ ル
を 身 に 付 け 、適 切 な 職 業 に 就 い た か と い う 点 が 重 要 で あ る 。本 校 の 場
合大規模校を避ける生徒も多い。
極力ミスマッチを防ぐように入学者選抜を進めていただきたい。
全部重要と考える
転部した者の数を公表してほしい(転科?)
生 徒 に な る 人 が 、学 校 の 有 る べ き 姿 に 共 感 で き る こ と が 大 事 と 思 い ま
す。その意味で学校の意思表示が明確であればある程良いと思いま
す。
学 校 が ど の よ う な 目 標・目 的 を 持 っ た 生 徒 を 求 め て い る か が は っ き り
43
·
·
·
·
サロン
·
·
·
イ
し て い な い と 、入 学 し た 後 で お 互 い の た め に な ら な い 結 果 に な り か ね
ない。
「入学者選抜」は平等で公正でなければならない
人 物 像 や 学 校 の 方 針 が 、当 社 の 求 め る 人 物 像 と 合 っ て い る こ と が 、 重
要かと思います。
入 学 者 の 選 抜 お よ び 受 入 も 大 変 重 要 と 考 え ま す が 、全 国 的 に 学 生 数 が
減 少 す る な か 、定 員 維 持 は 全 国 的 に も 大 き な 課 題 か と 思 わ れ ま す 。ま
た 、定 員 維 持 を 重 要 と す る 関 係 上 、入 学 前 よ り も 、入 学 さ せ た 後 ど の
ように養成していくかが重要と考えます。
卒 業 後 の 美 容 師 と し て の 人 生 が と て も 大 切 に 感 じ ま す 。職 業 認 識 を 持
たせ将来どのような美容師になりたいか?そのためにどのようなサ
ロンで働きたいか?等をあらかじめ考えさせてもらえていると助か
ります。
生 徒 も 、ス タ ッ フ も 十 人 十 色 で す 。学 校 も サ ロ ン も 同 じ で す 。一 番 大
切 に し た い の は 、人 と し て 、社 会 人 と し て の 基 本 を 重 視 し 、育 成 す る
ことが肝心と思います。
勉強不足のため回答は控えさせていただきます
私 ど も に 直 接 関 係 し な い 事 で あ り 、特 に 気 に し て い な い 。た だ 、ど こ
の養成校もすべてクリアしていると思っていました。
「専修学校設置基準および美容師養成施設指定規則」について
⑤ -2
専修学校設置基準および美容師養成施設指定規則の適合性の評価
に対するニーズ(4 つ選択)

「 特 別 支 援 対 応 」以 外 は 、い ず れ か の 種 別 に と っ て の 重 要 性 が 感
じられる結果

高 校 ・ 日 本 語 学 校 は 、「 時 間 割 や 授 業 の 適 切 性 」 → 「 教 育 体 系 の
適切性」の順
44

保 護 者 は 、「 進 路 指 導 」 → 「 履 修 指 導 ・ 学 習 相 談 」 の 順

サ ロ ン は 、「 進 路 指 導 」 → 「 教 育 体 系 の 適 切 性 」 の 順
⑤ -2「 専 修 学 校 設 置 基 準 お よ び 美 容 師 養 成 施 設 指 定 規 則 の 適 合 性 の 評
価」に関係した自由意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
·
高等学校・
日本語学校
·
·
·
保護者
·
·
·
·
·
サロン
·
·
·
現 在 経 済 的 に 進 学 困 難 な 者 も 多 く 、そ う い っ た 対 応 も 注 目 す る 。正 直 、
教員の質はどこも似たり寄ったりなのかと思う面もある。
法 的 な 基 準 で す の で 、ど う し て も 目 に 見 え る 明 確 な 基 準 と な る 気 が し
ます。
全部重要と考える
専 門 の 設 備 と 専 門 教 科 の 適 切 な 指 導 者 は 当 然 必 要 で す し 、そ れ を わ か
りやすく対外的に知らしめるべきと考えます。
本当は8項目すべて重要だと思う。
す べ て 重 要 と 思 う と こ ろ 回 答 を 4 つ ま で に 絞 る と い う の は 、正 直 難 し
い こ と で す ね 。ア ン ケ ー ト 全 体 意 見 で す が 、よ り よ い 学 校 生 活 が 送 れ
る事を期待しております。
認可や指定をうけている以上は、安心できる学校であってほしい
教育体制と進路指導が重要かと思います。
学 生 時 代 は 担 任 や 先 生 の 発 言 が と て も 影 響 力 が あ る と 思 い ま す 。美 容
室 を 離 れ 数 年 、ま た 他 業 種 か ら の 転 職 等 、た た あ る と 思 い ま す が 、現
在の美容業界をリアルに伝えていくことを学生との対話や進路指導
の 中 で 行 っ て い た だ け る と 助 か り ま す 。ま た P C の ス キ ル 等 が 全 く 無
く 、 メ ー ル を 打 つ の が 大 変 と い う ス タ ッ フ も い ま す 、敬 語 等 が 使 え な
い学生も多くなっています。
勉強不足のため回答は控えさせていただきます
卒 業 生 の 質 の 高 さ は 指 導 力 の あ る 教 員 の 確 保 、そ し て 進 路 選 択 の 情 報
提供力が不可欠です。
同 じ ハ リ ウ ッ ド グ ル ー プ で は あ る が 、サ ロ ン の 存 在 を 知 ら な い 学 生 が
あ ま り に も 多 く 感 じ る 。ハ リ ウ ッ ド で 学 ぶ に あ た っ て の 必 要 な 情 報 で
はないでしょうか。
45
ウ
「職業実践専門課程認定要件」について
⑤ -3
職業実践専門課程認定要件の適合性評価に対するニーズ(1 つ選
択)

「企業等との適切な連携」がダントツ

「 委 員 構 成 の 適 切 性 」 も 、 い ず れ の 種 別 か ら も 10% 以 上 の 支 持

「教育活動等の 情 報公開」は、高校・日本語学校、サロ ンからは
10% 以 上 の 支 持 を 受 け て い る が 、 保 護 者 か ら の 支 持 低 い
⑤ -3「 職 業 実 践 専 門 課 程 の 認 定 要 件 の 適 合 性 の 評 価 」 に 関 係 し た 自 由
意見は下表の通りであった。
種別
自由意見
高等学校・
日本語学校
· 実際どのように教育活動されているかを知る機会を増やしてほしい。
· 名前の通り、より実際に即した教育を実施されているかの判断になると
思います。
· 全部重要と考える
保護者
· 実務に即した教育は必要だが、連携する企業の選定について基準があい
まいであり、制度そのものの検討に不十分さを感じる。
· 学校で学んだ事が実際に社会で通用するのかを、企業とコラボで体験で
きる事は理想です。
· 技術を身につけ、就職に活かすのが、最重要だと思うから。
· どのような企業と連携しているか知りたい
サロン
· 職業実践において、企業との連携が重要。
· 勉強不足のため回答は控えさせていただきます
· 学校での教育が一番であるとは思うが、2 年間という教育期間の中でも
っと実地を体験することが、より具体的な就職意識につながるのでは
46
· 委員構成が適切かどうか分かりませんが、企業等との連携は密に行う必
要がある。
エ
「内部質保証」について
⑤ -4

内部質保証の評価に対する期待(2 つ選択)
い ず れ の 種 別 も 、「 改 善 」 → 「 適 切 な 実 施 」 → 「 研 修 の 実 施 」 →
「公開」の順
⑤ -4「 内 部 質 保 証 の 評 価 」に 関 係 し た 自 由 意 見 は 下 表 の 通 り で あ っ た 。
種別
自由意見
·
高等学校・
日本語学校
·
·
·
組 織 が P DCA を 実 践 で き る か 、判 定 基 準 が 具 体 的 に 定 め ら れ て い な い 。
ISO の よ う な 認 証 基 準 に 準 拠 し た 適 合 評 価 が 必 要 。
社会の求めるものも日々変化していくものなので、学校もそれに対応
できるように、評価するだけでなく、教師も研修して最新の要求にこ
たえられるようにしなければいけないと思う。
結果が現場にフィードバックされなければ意味がない
·
·
·
適切な評価と、その結果に基づいた改善が重要。
勉強不足のため回答は控えさせていただきます
自己点検と評価、そして見直しや改善を継続的に実施して欲しい。
·
保護者
サロン
一時的な実施ではその後の継続的な発展は難しいと思われるので、常
に見直しが必要かと思われる。
内 容 の 質 を 保 証 し て い く た め に は 、評 価 後 の 動 き が 大 切 だ と 思 い ま す 。
全部重要と考える
·
47
オ
「学修成果」について
⑤ -5
学修成果の評価に対する期待(2 つ選択)

「 学 生 か ら の 意 見 聴 取 か ら 」は 、い ず れ の 種 別 か ら も 支 持 が 低 い

高 校・日 本 語 学 校 は 、
「 修 了 後 の 進 路 実 績 」→「 資 格 取 得 状 況 等 」
の 順 。保 護 者 も 同 様 で あ る が 、高 校・日 本 語 学 校 に 比 べ て や や 分
散傾向

サロンは「修了生・就職先の意見から」と「資格取得状況等」が
同率 1 位
⑤ -5「 学 修 成 果 の 評 価 」 に 関 係 し た 自 由 意 見 は 下 表 の 通 り で あ っ た 。
種別
自由意見
高等学校・
日本語学校
· 就職先が多くても離職者が多くては意味をなさない。社会に出てからの
耐性を養う成長機関であってほしいという願いもある。
· 学 校 で 学 ん だ こ と が 、即 戦 力 に な っ て い る か ど う か が 重 要 だ と 思 い ま す 。
· 全部重要と考える
· 職業実践専門課程においては、資格が伴う職業であれば取得できなけれ
ば い く ら 満 足 度 が 高 く て も 意 味 が な い 。ま た 、職 業 に つ い て か ら ど う 活
かされているのかの評価があり初めて認められるものと考える。
保護者
· 客 観 的 な 評 価 を す る な ら 資 格 取 得 、進 路 実 績 が 判 断 し や す い 。 し か し 、
修了生、就職先の満足度は別の要素(個々の能力と受入れ先との適合)
があり、多角的な判断が必要。
· 生徒の進路実績が学校の評価そのものになると思います。
· すべて重要だとは思うが、とくに資格はとれなければ意味がないし、就
職して学んだことが役にたたなければしかたないので。
· 卒業生や就職先から「良かった」と言われなければいけないと思う
48
· 専門学校は就職に直結していて、企業(就職先)にも安心して選んでも
らえる人材を育成する場だと思うから。
· 国家試験があるため、合格率は重要。また、卒業後の活躍が最も大切。
· 何の仕事もそうですが、長く続けることが大切です。就職率と離職率を
見 て 、他 校 と 比 べ あ ま り に も 多 い い 人 数 で あ れ ば 現 状 の 美 容 業 界 と 学 校
の方針がずれていることになると思います。
· 勉強不足のため回答は控えさせていただきます
· やはり受け入れた学生の学校評価は大切で、適切に反映している。
サロン
2.2.4
全体的な意見
ア ン ケ ー ト で は 、最 後 に 、
「 全 体 的 な ご 意 見・ご 要 望 」と い う 形 で 、自
由な記述を求めたが、非常に多くの意見をいただいた。次の表はそのす
べてを示している。
種別
自由意見
·
·
·
·
·
·
高等学校・
日本語学校
·
·
·
·
今後も、業界の情報などをお知らせいただければ幸いです。
専 門 学 校 ・ 専 修 学 校 の 実 態 は な か な か 見 え な い 点 が 多 い 。現 在 、資 格 を
目 指 す 生 徒 が 多 く な る 中 、適 切 な 教 育 を 施 す 学 校 を 見 極 め る こ と が 求 め
ら れ て い る 。ニ ー ズ に 適 合 す る 人 材 育 成 も 大 切 だ が 、ニ ー ズ を 作 り 出 せ
る 人 材 を 輩 出 す る よ う な 学 校 が 多 く な っ て ほ し い 。過 剰 な 宣 伝 に よ っ て
大量に入学させ、卒業後に放置するような学校は必要ないのではない
か。
留 学 生 に 対 す る 特 別 支 援 (奨 学 金 ) と 日 本 で の 就 職 が 確 実 と な る 方 法 を
ぜひ考えていただきたいです。
美 容 学 校 の 数 が 増 え て 、各 学 校 の 違 い の 判 断 が や り に く く 感 じ ま す 。特
徴を分かりやすく教えてほしい。
特にありません
生 徒・保 護 者 が 専 門 学 校 選 び を す る 際 、学 校 評 価 へ の 取 り 組 み の 状 況 が
分 か る よ う 、各 校 パ ン フ レ ッ ト 等 で 示 さ れ る と よ り 慎 重 、か つ 的 確 な 学
校 選 び に な る と 思 い ま す 。協 会 に 所 属 す る 全 て の 学 校 で 足 並 み を そ ろ え
情報提供することも必要かと思います。
5 に対する回答は、すみませんがこのような形になってしまいました。
重 要 度 の 程 度 差 は あ り ま す が 、そ れ ぞ れ 重 要 だ と 思 い ま す の で 、こ の よ
うにしました。
い つ も 大 変 お 世 話 に な っ て お り ま す 。御 校 の ま す ま す の ご 発 展 を お 祈 り
いたしております。
夏休み等を利用して、様々な分野の専修学校様のオープンキャンパス
( 学 校 説 明 会 、 学 校 見 学 会 …言 い 方 は ま ち ま ち で す が ) に 伺 う こ と が あ
り ま す 。し か し 、そ の 場 で「 職 業 実 践 専 門 課 程 」制 度 に つ い て 説 明 を 受
け た こ と は 一 度 も あ り ま せ ん 。 こ れ は 何 故 な の で し ょ う か ?専 修 学 校 と
してこの制度の認可校であることは一種のステータスだと思うのです
が …。高 校 生 や そ の 保 護 者 が 最 も 専 修 学 校 に つ い て 知 る の は 、オ ー プ ン
キ ャ ン パ ス 等 の 機 会 だ と 思 い ま す の で 、こ う し た 場 で の 説 明 や ア ピ ー ル
をすれば、この制度の認知度も向上するのではないかと思われます。
専 門 学 校 、特 に 美 容 の 選 考 が 厳 し く な っ て い る よ う に 思 い ま す が 、専 門
職 に 就 く に あ た り 、良 い 傾 向 だ と 思 っ て お り ま す 。そ れ で も 進 ん だ 学 校
で 生 徒 た ち は 充 実 し た 生 活 を 送 っ て お り ま す の で 、安 心 し て お 任 せ し て
います。
49
·
·
·
保護者
·
·
·
·
·
サロン
·
·
『 職 業 実 践 専 門 課 程 ~ 』が 全 て の 職 種 の 専 門 学 校 に 当 て は ま る の か 疑 問
を 感 じ る 。 分 野 ご と に 多 様 性 を 考 慮 し た 制 度 が 必 要 と 思 う 。特 に 企 業
連 携 を 考 え る な ら 受 け 入 れ 先 企 業 の 選 定 が 重 要 で あ り 、す べ て の 分 野 に
適用できるのか疑問を感じる。
結局生徒が卒業後、社会で如何に役に立つか否かで評価が下されます
が 、専 修 学 校 卒 業 と な れ ば き っ と よ り 即 戦 力 と な る こ と が 期 待 出 来 る と
思いますし、そう願います。
5 -2 に ち ょ っ と 書 い て し ま っ た の で す が 、学 生 と 教 職 員 の 方 々 が 気 軽 に
質 問 、意 見 交 換 な ど が で き る 様 、日 頃 か ら コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 取 れ て
い て 、授 業 は 厳 し く も 楽 し い 充 実 し た 学 校 生 活 で あ っ て く れ た ら い い な
ぁ ~ と 思 っ て お り ま す 。今 後 と も よ ろ し く ご 指 導 の 程 、お 願 い 致 し ま す 。
子 ど も が 2 年 間 、藤 原 先 生 、ひ ろ 子 先 生( フ ル ネ ー ム が わ か ら ず 、す み
ま せ ん ) 他 、 多 く の ス タ ッ フ の 皆 様 に お 世 話 に な っ て い ま す 。 27 年 3
月 で 卒 業 後 は 、立 派 な 美 容 師 と し て 生 活 し て ほ し い で す 。あ り が と う ご
ざいました。
我が子を通学させていながら、知識不足で申し訳なく思っております。
し か し 、楽 し く 授 業 は 受 け て お り ま す よ う で 安 心 し て い ま す 。職 業 専 門
学 校 に は 資 格 取 得 と い う 目 標 を 生 徒 に 入 学 時 に 周 知 さ せ 、明 確 な 将 来 を
考え、2 年間無駄なく有意義に学べる様、期待しております。
要望・質問ではないですが、昨今美容を目指す人数が減少している中、
少 子 化 も 一 つ の 要 因 で す が 、何 よ り 業 界 の 魅 力 が 伝 え き れ て い な い よ う
に 思 い ま す 。業 界 発 展 に は 人 材 が 一 番 大 切 で す 。学 校 、サ ロ ン 、メ ー カ
ー 、代 理 店 、メ デ ィ ア( 雑 誌 社 )等 業 界 が 一 丸 と な る こ と が 必 要 だ と 思
っています。
わかりやすい制度が良いと思います。
将来美容師を目指す人財の確保、また、美容学生、教育課程の向上は、
業 界 全 体 の 問 題 で も あ る か と 思 い ま す 。弊 社 で 何 か 授 業 等 で も ご 協 力 で
きることがありましたら、何なりとお申し付けいただければ幸いです。
5 - 3 、5 - 4 、5 - 5 の 意 見 学 校 と 企 業 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 場
を 増 や し 、意 見 交 換 、情 報 交 換 を 増 や し た い 。 ・ 未 来 の 美 容 業 界 の 発
展 ・ ス タ ッ フ 、学 生 の や り が い 、い き が い の 向 上 ・ 美 容 師 を 目 指 す
こ ど も を ふ や す な ど な ど 、た く さ ん 意 見 そ こ か ら 課 題 、改 善 、ア ク シ
ョ ン と い う よ う に サ イ ク ル を ま わ し て い き た い 。必 ず も っ と 楽 し い 業 界
になる と信じています
特にありません。良い勉強をさせていただきました。
ここで、以上の意見についてテキストマイニングを行い、単語の出現
頻 度 を カ ウ ン ト し て み た 。 品 詞 で 「 名 詞 」、「 サ 変 名 詞 」、「 動 詞 」 の 各 出
現頻度をカウントすると、次の図のようになった。
50
図 4
全体の自由意見記述における単語出現頻度
この結果を見ると、次のような傾向がわかる。
●回 答 者 種 別 に 共 通 し て 出 現 頻 度 が 高 い 単 語
・ 名 詞 で は 、「 学 校 」、「 生 徒 」、「 自 己 」
・ サ 変 名 詞 で は 、「 評 価 」、「 専 修 」、「 教 育 」、「 指 導 」、「 入 学 」
・ 動 詞 で は 、「 思 う 」、「 考 え る 」、「 知 る 」
●回 答 者 種 別 ご と に 固 有 に 出 現 頻 度 が 高 い 単 語
○高 校 ・ 日 本 語 学 校 の 場 合
・ 名 詞 で は 、「 留 学 生 」、「 傾 向 」、「 奨 学 」、「 程 度 」、「 無 認 可 」
・ サ 変 名 詞 で は 、「 説 明 」、「 認 知 」、「 実 施 」、「 保 護 」
・ 動 詞 で は 、「 分 か る 」
○保 護 者 の 場 合
・ 名 詞 で は 、「 学 歴 」、「 姿 勢 」、「 実 績 」、「 先 生 」、「 年 間 」、「 分 野 」、
「目標」
・ サ 変 名 詞 で は 、「 安 心 」、「 意 味 」、「 卒 業 」、「 影 響 」、「 期 待 」、「 授
業 」、
「 信 用 」、
「 生 活 」、
「 連 携 」、
「 公 開 」、
「 指 定 」、
「 選 定 」、
「 適 合 」、
「認定」
・ 動 詞 で は 、「 感 じ る 」、「 求 め る 」、「 受 け る 」
○美 容 サ ロ ン の 場 合
・ 名 詞 で は 、「 業 界 」、「 サ ロ ン 」、「 ス タ ッ フ 」、「 国 家 」、「 全 国 」
・ サ 変 名 詞 で は 、「 勉 強 」、「 不 足 」、「 養 成 」、「 回 答 」、「 維 持 」、「 改
善 」、「 参 考 」、「 施 設 」、「 試 験 」
51
・ 動 詞 で は 、「 控 え る 」、「 見 る 」、「 目 指 す 」
以上を総合してみると、保護者の意見の中に特徴的な単語が多いこと
に 気 づ く 。 中 で も 、 サ 変 名 詞 の 「 安 心 」、「 期 待 」、「 信 用 」 や 動 詞 の 「 感
じる」のように、感情を表した単語の出現頻度が高いことや、他の種別
に比べて「就職」という単語の出現頻度が特徴的に高い。これは、多く
の保護者は、子弟が進学する(した)学校が「就職」につながる熱心な
指導を行っているかどうかに対して強い関心があり、第三者評価に対し
てもその点に関する評価を期待していることの現れではないか。
参 考 ま で に 、保 護 者 の 意 見 に 出 現 頻 度 が 高 か っ た「 就 職 」、
「 安 心 」、
「期
待 」、「 信 用 」 を 含 む 文 を 抽 出 す る と 次 の よ う に な っ て い た 。
就職
•
卒業後の就職に影響すると思う
•
技術を身につけ、就職に活かすのが、最重要だと思うから。
•
客観的な評価をするなら資格取得、進路実績が判断しやすい。
しかし、修了生、
就職先の満足度は別の要素(個々の能力と受入れ先との適合)があり、多角的な判
断が必要。
•
すべて重要だとは思うが、とくに資格はとれなければ意味がないし、就職して学ん
だことが役にたたなければしかたないので。
•
卒業生や就職先から「良かった」と言われなければいけないと思う
•
専門学校は就職に直結していて、企業(就職先)にも安心して選んでもらえる人材
を育成する場だと思うから。
安心
•
指定されていることで安心感がある
•
学校の活動内容の「見える化」は、単に子供を預ける親への安心感だけにとどまら
ず、学校運営にも良い影響を及ぼすと考えます。
•
認可や指定をうけている以上は、安心できる学校であってほしい
•
専門学校は就職に直結していて、企業(就職先)にも安心して選んでもらえる人材
を育成する場だと思うから。
•
我が子を通学させていながら、知識不足で申し訳なく思っております。しかし、楽
しく授業は受けておりますようで安心しています。
期待
•
す べ て 重 要 と 思 う と こ ろ 回 答 を 4 つ ま で に 絞 る と い う の は 、正 直 難 し い こ と で す ね 。
アンケート全体意見ですが、よりよい学校生活が送れる事を期待しております。
•
結局生徒が卒業後、社会で如何に役に立つか否かで評価が下されますが、専修学校
卒業となればきっとより即戦力となることが期待出来ると思いますし、そう願いま
す。
•
職業専門学校には資格取得という目標を生徒に入学時に周知させ、明確な将来を考
え、2 年間無駄なく有意義に学べる様、期待しております。
信用
認可されている方が信用できるから
52
2.3
調査のまとめ
2.3.1
認知度調査
表 2 は認知度調査の結果を一表にまとめたものである。
表 2
·
·
·
認知度調査のまとめ
認 知 度 の 記 号 ・ 数 字 は 、 A~ D の 各 制 度 を 「 よ く 知 っ て い る ( い た )」 と 回 答 し た 割 合 。
◎ … 7 5 %以 上 、 ○ … 5 0 %~ 75 % 、 △ … 2 5%~ 5 0 %、 × … 25 % 未 満
影 響 の 記 号 ・ 数 字 は 、 A~ D を 満 た し て い る か が 「 大 い に 影 響 す る ( し た )」「 ど ち ら か と い う
と 影 響 す る ( し た )」 の い ず れ か に 回 答 し た 割 合 。 記 号 は 同 上 。
「 影 響 」 の 意 味 … 高 等 学 校 ・ 日 本 語 学 校 の 場 合 は 「 進 路 指 導 に 対 す る 影 響 」。 保 護 者 の 場 合 は
子 弟 の 「 進 学 の 意 思 決 定 に 対 す る 影 響 」。 美 容 サ ロ ン の 場 合 は 卒 業 生 の 「 採 用 に 対 す る 影 響 」
質保証の仕組みに対する認知度及びそれぞれが意思決定に与える影響
について、種類ごとにまとめると、次のようなことがいえる。
A
専修学校設置基準

保護者の認知度は非常に低いが、子弟の進学意思決定に対する影響
は大きい

美容サロンの認知度は低いが、採用に対する影響も大きいとはいえ
ない
B
美容師養成施設指定規則

高校・日本語学校は専修学校設置基準に比べて認知度・影響とも小
さい

保護者は専修学校設置基準と同様である

美容サロンは専修学校設置基準に比べて認知度・影響とも大きい
C
自己評価実施・公開義務

高校・日本語学校の認知度は他に比べて大きいが半分以下。影響は
小さくない
53

保護者、美容サロンの認知度は極めて小さい。影響度は大きくない
も の の 1/3 以 上 は 何 ら か の 影 響 が あ る
D
職業実践専門課程

認知度は全体に自己評価実施・公開義務と同様の傾向である

影響度は、高校・日本語学校、美容サロンは C に比べて小さいが、
保護者は自己評価実施・公開義務より大きく半分以上が何らかの影
響がある
以上見てきた通り、高等学校・日本語学校は、各質保証の仕組みに対
する認知度は相対的に高く、影響度も一定以上に高いことが明らかにな
った。また、保護者は全体に認知度は低いが、影響度は一定以上の水準
にあることが明らかになった。さらに、美容サロンの認知度は、保護者
より高いが高等学校・日本語学校より低い水準にあり、影響度はいずれ
の仕組みにおいても相対的に低いことが明らかになった。
2.3.2
ニーズ調査
表 3 はニーズ調査の結果を一表にまとめたものである。
表 3

ニーズ調査のまとめ
表 中 の 数 字 は 選 択 し た 割 合 ( %)。 太 字 は 50% 以 上 。 太 字 ・ 網 掛 け は 70% 以 上 を 表 す
54
「目的・目標の設定及び入学者選抜の評価」に対するニーズは、いず
れの種別においても、
「 養 成 人 材 像 」、
「 学 校 の 目 的・目 標 」な ど 理 念 的 な
観点に対するものが大きいことが明らかになった。
「専修学校設置基準及び美容師養成施設指定規則の適合性の評価」に
対するニーズについて、いずれの種別も「学生に対する進路指導」を重
視する傾向にある一方、種別ごとに重視するものの傾向が異なることが
明らかになった。すなわち、高等学校・日本語学校においては「時間割
や授業の適切性」を、保護者においては「履修相談・学習相談」などを
も、美容サロンにおいては「教育体系の適切性」を、それぞれ重視して
いることが明らかになった。
「職業実践専門課程の認定要件に対する適合性」に対するニーズは、
い ず れ の 種 別 も「 企 業 と の 連 携 」を 重 視 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。
「内部質保証の評価」については、いずれの種別も「評価結果に従っ
た改善」を大いに期待していることが明らかになった。
「学修成果の評価」については、いずれの種別も「進路実績」と「資
格取得」を重視していることが明らかになった。
55
3
評価モデル
3.1
評価モデル構築の概要
3.1.1
評価モデル構築の流れ
評 価 モ デ ル の 構 築 は 、一 般 社 団 法 人 専 門 職 高 等 教 育 質 保 証 機 構( 以 下 、
「 機 構 」) と 連 携 し て 行 っ た 。 そ の 全 体 的 な 流 れ は 次 図 の 通 り で あ る 。
【認知度と評価基準の具体的な観点に
対する重要性について】
高等学校・日本語学校、
保護者、美容サロン
調査
参照
参照
評価基準要綱
評価基準要綱
評価基準要綱
関連ドキュメ
(素 案 )の 策 定
(素 案 )の 修 正
の確定
ントの策定
参照
参照
意見聴取
業界、専門学校、
有識者、団体等
評価基準
自己評価
評価実施
要綱
実施要項
手引書
第三者評価試行モデル
【 評 価 の 目 的 、方 針 、基 準 、方 法 、体 制
など全般について】
図 5
評価モデル構築の流れ
すなわち、第一に、専門職大学院(ビューティビジネス分野)の認証
評価機関である機構が、その第三者評価の経験を踏まえ、専門職高等教
育機関としての専門学校の第三者評価に関する基本的な考え方をまとめ
た「評価基準要綱」を策定する。
56
第二に、この「評価基準要綱」も参照した形でアンケートを策定し、
高等学校・日本語学校、保護者、美容サロンといったステークホルダー
に 対 し て 、各 質 保 証 制 度 の 認 知 度 と 第 三 者 評 価 制 度 に 関 す る ニ ー ズ を「 調
査 」 す る 。 一 方 、「 評 価 基 準 要 綱 」 に 関 し て 、 業 界 、 専 門 学 校 、 有 識 者 、
団 体 等 を 対 象 と し た「 意 見 聴 取 」を 行 う 。こ の と き 、
「 調 査 」の 対 象 と な
る前者は、専門学校の運営等に関する専門家ではないので、評価基準の
具 体 的 な 観 点 を 例 示 し て そ の 重 要 性 を 問 う 方 式 を 主 体 と し 、「 意 見 聴 取 」
の対象となる後者は、専門学校の運営等に関する知識を有している者を
選定して、評価の目的、方針、基準、方法、体制など全般に渡る意見を
得ることを企図した。
第三に、本事業の研究委員会において、調査及び意見聴取の結果を参
照 し た 検 討 を 行 い 、「 評 価 基 準 要 綱 」 を 修 正 し 、 同 要 綱 を 確 定 す る 。
第四に、同要綱をベースにした第三者評価試行モデルに必要となるド
キュメントとして、
「 自 己 評 価 実 施 要 項 」及 び「 評 価 基 準 手 引 書 」を 策 定
する。
3.1.2
評価基準要綱(素案)
機構が策定した「評価基準要綱(素案)は次ページ以降に示したよう
なものである。
57
58
59
60
61
62
63
3.2
意見聴取とその結果
3.2.1
意見聴取の方法
3.1.2
に示した「専修学校職業実践専門課程(美容分野) 第三者評
価 試 行 評 価 基 準 要 綱 ( 素 案 )」 に 関 す る 意 見 聴 取 の 概 要 は 次 の 通 り で あ
る。

実施対象
(1)
業界(5機関)
(2)
美容専門学校(5機関)
(3)
有識者(2名)
(4)
教育関係団体(1機関)
合計

13の機関・個人を対象に意見聴取を行った。
実施時期
平 成 26 年 11 月 5 日 ~ 11 月 14 日

実施方法
素案を提示し、意見を聴取するための回答用紙を添えて実施対象へ送
付して、回答用紙に対する記述を求め、回答済み用紙を回収するという
手順で実施した。
なお、回答用紙の内容を次ページ以降に示す。
64
65
66
67
68
69
70
3.2.2
意見聴取の結果
まず、意見聴取の結果を、質問項目のグループごとに示す。

1.「 評 価 の 目 的 」 に つ い て
3 つ 示 し た「 評 価 の 目 的( 1~ 3)」の 重 要 性 に 関 す る 回 答 状 況( 順 位 付
け)は次の図の通りである。
· 1 位 は 1 と 2 に 集 中 し て お り 、両 者 は 甲 乙 付 け 難 い 。3 に 対 す る 相 対
的 な 重 要 性 認 識 は 低 い が 、評 価 そ の も の の 目 的 は 1、2 で あ り 、評 価
結 果 を 公 開 す れ ば 社 会 的 責 任 を 果 た せ る と い う 考 え に 基 づ い て 、3 の
相対的重要性が下がっているのではないかと考えられる。
71

2.「 基 本 的 方 針 」 に つ い て
6 つ 示 し た 基 本 的 方 針 ( 1~ 6) の 重 要 性 に 関 す る 回 答 状 況 ( 重 要 と 思
うものを 3 つまで選択)は次の図の通りである。
· 「評価基準」と「学修成果」は共通に重要と認識されている。
· 他の方針に対する重要性の認識にはバラツキがあるものの、学校側
が「自己評価」を重要視しているのに対し、業界側が「ピア・レビ
ュー」を重要視していることは対照的である。学校側から「自己評
価」を見れば、それは自身が行う手続き・手順そのものであるから
重視せざるを得ず、業界側は自己評価結果を見る立場という視点で
重要性を考えるから「ピア・レビュー」を重要視するということで
はないか。
72

3.「 評 価 基 準 」 に つ い て
 評価基準の重要性について
5 つ示した評価基準(Ⅰ~Ⅴ)の重要性に関する回答状況(重要と思
うものを 2 つまで選択)は次の図の通りである。
· 非常に見解が分かれている。
· 1 位だけ見ればⅠがトップも、Ⅰは 2 位がゼロで、5 位も 4 件あり。
2 位までを見れば、Ⅴがトップも、5 位が 4 件あり。1 位がないⅢだ
が、5 位も 1 件しかない、といった具合である。
· 1 位、5 位に着目しても、回答者種別を反映した特徴も見られない。
· 以上のようなバラツキが見られるということは、裏を返せば、多く
の種類のステークホルダーにとって必要な「評価の基準」がまんべ
んなく盛り込まれていると解釈できる。
73
 基準Ⅰの各観点に関する重要性について
基準Ⅰとして示した 5 つの観点の重要性に関する回答状況は次の図の
通りである。
· Ⅰ -1、 Ⅰ -2 の 重 要 度 は き わ め て 高 い と 認 め ら れ る 。 Ⅰ -3、 Ⅰ -4 の 重
要 度 も 基 本 的 に 高 い と 認 め ら れ る が 、 Ⅰ -5 の 重 要 度 は 総 じ て 高 い と
はいえない。
· Ⅰ -3~ Ⅰ -5 で「 重 要 度 や や 低 い 」
「 重 要 度 低 い 」と 回 答 す る 割 合 は「 学
校 」 が 目 立 つ 。 学 校 側 か ら 見 る と 、 Ⅰ -3~ Ⅰ -5 は 「 入 学 者 の 確 保 の
観 点 か ら 必 然 的 で あ る か ら 」 と い う 理 由 や 、「 あ ま り 他 者 に 評 価 さ れ
たくない」という理由があるのかもしれない。
74
 基準Ⅱの各観点に関する重要性について
基準Ⅱとして示した 8 つの観点の重要性に関する回答状況は次の図の
通りである。
· 「重要度やや低い」が散見される程度で、全体に重要度の認識が高
い。
75
 基準Ⅲの各観点に関する重要性について
基準Ⅲとして示した 3 つの観点の重要性に関する回答状況は次の図の
通りである。
· Ⅲ -2 の 重 要 度 は き わ め て 高 い と 認 め ら れ る 。
· Ⅲ -1、Ⅲ -3 も 全 体 と し て 高 い が 、特 に Ⅲ -3 は「 や や 低 め 」が 目 立 つ 。
76
 基準Ⅳの各観点に関する重要性について
基準Ⅳとして示した 4 つの観点の重要性に関する回答状況は次の図の
通りである。
· Ⅳ -2 の み 、「 重 要 度 低 め 」 の 回 答 が 散 見 さ れ る 。
77
 基準Ⅴの各観点に関する重要性について
基準 V として示した 4 つの観点の重要性に関する回答状況は次の図の
通りである。
· い ず れ も 、総 じ て「 重 要 度 高 め 」の 認 識 で あ る 。
「高い」
「やや高い」
の間に回答者種別の偏りがあるとはいえない。
78

1「 評 価 の 目 的 」 ~ 5.「 評 価 の 体 制 」 の 適 切 性 に つ い て
1「 評 価 の 目 的 」~ 5.「 評 価 の 体 制 」そ れ ぞ れ の 適 切 性 に 関 す る 回 答 状
況は次の図の通りである。
· いずれも、適切と認識されている。
· 「 評 価 の 体 制 」 の み 、 特 に 、 業 界 サ イ ド を 中 心 に 、「 わ か ら な い 」 と
の回答が散見される。.

自由意見記述について
本 意 見 聴 取 で は 、各 設 問 の 中 で 、
「 ~ が『 適 切 で な い 』ま た は『 わ か ら
ない』と回答した場合、その理由等に関して自由意見を記述する欄を設
けていた。以下の表はその欄に自由意見として記述されたものである。
79
表 4
1.
2.
3.
4.
5.
6.
意見聴取における自由意見記述の一覧
評価の目的が「適切でない」または「わからない」と回答した理由等
学校 社会的説明責任の前にステークホルダーへの説明責任が重要
基本的方針が「適切でない」または「わからない」と回答した理由等
団体 「ア 適切である」と回答した上で、さらに付け加えたい「方針」
を 次 の よ う に 考 え ま す 。 (2)の 説 明 文 の 中 で 、「 国 際 通 用 性 」 を う た
っておられます。ところが、当該「学校」の「国際通用性」の「評
価 」を ど の よ う に 行 う か に つ い て 、
「 素 案 」か ら 読 み 取 り に く い よ う
に思います。貴機構が専修学校職業実践専門課程第三者評価の試行
を計画される中で、
「 国 際 通 用 性 」へ の 評 価 を 先 導 的 に 具 体 化 さ れ る
よ う 希 望 い た し ま す 。た と え ば 、
「 基 本 方 針 」の 6 項 目 に 加 え て 、
「国
際通用性を勘案した評価」という項目を追加されるのが、一つの方
法かと思います。
業界 6(透明性の高い開かれた評価)が必要か疑問である
学校 自己評価、学校、学校関係者評価結果等を資料として活用しつつ、
学校運営全般について評価機関が設定する独自の評価基準に基づ
き、専門的、客観的立場から評価する
評価基準が「適切でない」または「わからない」と回答した理由等
団 体 基 準 Ⅰ は 「 目 的 ・ 目 標 の 設 定 お よ び 内 容 」 と し 、「 入 学 者 選 抜 」は 別
の基準として建ててはどうでしょうか。この二つは密接に結びつい
ていることを認識した上で、切り離すことを提案するものです。切
り 離 す 場 合 、「 目 的 ・ 目 標 の 設 定 お よ び 内 容 」 の 「 基 本 的 な 観 点 」は
1-1、 1-2 で あ り 、「 入 学 者 選 抜 」 の 「 基 本 的 な 観 点 」 は 1-3、 1-4、
1-5 と な り ま す 。「 入 学 者 選 抜 」 は 基 準 6 ( ま た は 、 基 準 2 以 降 を 順
に繰り下げる)として別建てとし、項目名は「入学者選抜の基本方
針および実施体制」としてはどうでしょうか。
学 校 平 成 25 年 3 月 に 文 部 科 学 省 が 示 し た「 専 修 学 校 に お け る 学 校 評 価 ガ
イドライン」に沿った内容とすべきである。
評価基準とその観点の全体についての意見・要望・質問等
団 体 3-3( 上 記 3 の こ と ) に 記 載 し た 通 り
評価の方法・手順が「適切でない」または「わからない」と回答した理由等
団 体 「 ア 適 切 で あ る 」と 回 答 し た 上 で 、
( 2 )の 説 明 文 に つ ぎ の よ う な
補足の文言を入れてはどうでしょうか。
「 ・・・ 優 れ た 点 や 改 善 を 要
する点および国際通用性から見た課題等について・・・」というよ
うに下線部を追加するわけです。
評価の体制が「適切でない」または「わからない」と回答した理由等
学校 評価機構の監査機能必置
業界 5 名というのが十分なのか少ないのか、私には判断できませんでし
た
80
3.2.3
意見聴取結果のまとめと反映
本事業研究委員会では、意見聴取の結果をベースに、高等学校・日本
語学校、保護者、美容サロンに対する調査結果も参照しながら、評価基
準要綱(素案)について検討を加えた。

全体について
意見聴取の結果は、評価の目的、方針、基準、方法・手順、体制、い
ずれの面においても適切であるとの意見が大勢を占めた。要綱の基本的
な枠組みを変える必要性はないと結論づけられた。

評価の目的について
意見聴取の結果、
「3
評 価 結 果 の 公 開 に よ る 社 会 的 責 任 の 全 う 」の 順
位は低かった。これは、他の「1
の 質 保 証 」、「 2
基準に基づく評価による教育活動等
評価結果のフィードバックによる教育活動等の改善・
向上」に比しての順位であり、1及び2が基本的に支持されることは十
分に予想された想定内のことである。

評価の方針について
意 見 聴 取 の 結 果 、「 国 際 通 用 性 」 を 取 り 扱 う こ と が 提 案 さ れ た 。「 国 際
通用性」は「専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議」
の中でも論点として取り上げられていることはすでに見た通りである。
構築する評価モデルが、高等教育の質保証における国際的な流れに沿っ
た も の で あ る 点 も 考 慮 し た 検 討 の 結 果 、評 価 基 準 要 綱 に 、
「国際通用性の
ある評価」を方針の一つとして盛り込むのがよいのではないかとの結論
に達した。
しかしながら、国際通用性に関わる具体的な観点を評価基準上に加え
るところまでは行わなかった。専門学校は多様であり、国際通用性の考
え方も多様である。国際人を育てるという考え方、人材育成システムを
輸 出 し よ う と い う 考 え 方 、グ ロ ー カ ル な 人 材 育 成 と い う 考 え 方 な ど 、
「国
際通用性」を意識しつつも、具体的にどのような観点を設定して自己評
価するかは学校の自由であり、基準の一つとして明示することによるマ
81
イナス面のほうが大きいのではないか、
「 国 際 通 用 性 の あ る 評 価 」は 方 針
として掲げておき、その方針に沿った評価は、具体的な評価基準に基づ
く評価の中で考慮するほうが現実的であるといった理由による。

評価の基準について
高等学校・日本語学校、保護者、美容サロンに対するニーズ調査の結
果、提示した評価の観点について、重要性の観点から複数を選択する方
式で、重要度を判断した。しかし、
・ 自 由 意 見 の 中 に は 、「 本 当 は す べ て 選 択 し た い 」「 ど れ も 重 要 」 と い う
ものが散見された
・提示した観点を否定するような意見が皆無であった
・自由意見の中にそれらの観点からこういう評価をしてほしいという提
言にも等しい積極的な意見が散見された
などから、要綱に示した評価基準及びそれぞれの基準の観点は、ステー
クホルダーのニーズを満たしているものと判断された。
意見聴取では、評価基準の各観点について、他の観点とは独立に重要
度を尋ねたが、
「重要度が低い」
「 重 要 度 が や や 低 い 」を 足 し て 50% を 超
えるようなものは皆無で、素案に示した評価基準とその観点はほぼその
ま ま 支 持 さ れ た と 見 て よ い 。ま た 、意 見 聴 取 の 結 果 に お い て 、
「国際通用
性」に関する観点も追加してはどうかという提言があったが、それは前
項に述べた理由により、方針としてのみ取り扱うこととした。他に、評
価基準として、また、評価基準の中の観点として付け加えるべきである
との提言はなく、評価基準については素案の通りとすることにした。

評価の方法・手順について
意見聴取の結果、全員が「適切」と回答しており、委員会でも検討し
たが、素案の通りとすることとした。

評価の体制について
意 見 聴 取 の 結 果 、13 名 中 4 名 が 、適 切 か ど う か「 わ か ら な い 」と 回 答
し た 。 自 由 意 見 に 、「( 評 価 者 の 数 が ) 5 名 と い う の が 十 分 な の か 少 な い
のか判断できな い 」というの があり、他の 3 名も同様の根拠ではないだ
82
ろうか。大 学の第 三者評価の分科 会 では 3 名で編成する例もあり 、評価
者が 3 名~5 名あるいはそれ以外も考えられるが、何名ではよい(よく
な い ) と い う 明 白 な 根 拠 は な い 。 素 案 で は 、「 原 則 と し て 、」 と の こ と わ
り を し て お り 、ま た 、
「 受 審 校 の 数 に よ り 、評 価 委 員 会 の も と に 複 数 の 部
会を置くこともある」としているように、人数については、素案のまま
で運用を開始し、状況によって、人数自体を変えるのか、あるいは、組
織を階層化して対応するなどの柔軟な方策を講じるということでよいの
ではないだろうか。
83
3.3
構築した第三者評価試行モデル
前項で示した検討の結果、研究委員会では、評価基準要綱が確定され
た。また、この要綱に基づき、自己評価実施要項、評価実施手引書を策
定した。以上の 3 つのドキュメント
4と 、 第 三 者 評 価 試 行 プ ロ セ ス の 関
係のイメージは次図の通りである。
評価基準
要綱
参照
評価実施
参照
参照
評価機関
手引書
図 6
3.3.1
参照
第三者評価試行
評価対象校
自己評価
実施要項
第三者評価試行モデルのイメージ
評価基準要綱
第三者評価の基準要綱(第三者評価の方針・基準等に関する考え方)
を示したものである。
3.3.2
自己評価実施要項
第三者評価を受ける学校が実施すべき自己評価の実施要項等をまとめ
たものである。
3.3.3
評価実施手引書
評価担当者が実施すべき事項についてまとめたマニュアルに相当する
ものである。評価する側が行う手続き・手順を示している。第三者評価
報告書の具体的なイメージなども示している。
4
3 つのドキュメントは巻末に示しているので参照していただきたい。
84
3.4
モデル事業
3.4.1
モデル事業の趣旨と規模
構築した第三者評価試行モデルでは、評価委員会を組織して、
( 1) 書 面 調 査
( 2) 訪 問 調 査
( 3) 評 価 結 果 ( 案 ) の 作 成
( 4) 意 見 の 申 立 て へ の 対 応
( 5) 評 価 結 果 の 確 定
という手順を進めることになる。
モデル事業とは、この「試行」そのものを指し、試行的評価に対応す
る 意 思 を 示 し た 学 校 の 中 か ら 3~ 5 校 を 対 象 と し て 、 実 際 に 第 三 者 評 価
試行を行い、制度として確立するためのさまざまな角度からの検証を行
うことである。
3.4.2
モデル事業の予定
平 成 27 年 1 月 の 時 点 で 、 モ デ ル 事 業 の ス ケ ジ ュ ー ル は 次 の よ う な も
のを想定している。
2015 年 (平 成 27 年 ) 1 月 末
2~ 3 月
試行的評価の申請受付
対象学校の自己評価担当者等に
対する研修の実施
8 月末
対象学校から自己評価書の提出締切
9 月~
書面調査および訪問調査の実施
12 月 下 旬
評価結果を確定する前に対象学校に
通知
2016 年 (平 成 28 年 ) 2 月 上 旬
3 月下旬
対象学校からの意見申立ての受付締切
評価結果の確定、公表
85
参考資料
以下のページに、参考資料として、次の 2 つの法令を掲載する。

専修学校設置基準

美容師養成施設指定規則
86
専修学校設置基準
専修学校設置基準(昭和五十一年文部省令第二号)
学 校 教 育 法( 昭 和 二 十 二 年 法 律 第 二 十 六 号 )第 八 十 二 条 の 二 、第 八 十 二 条 の 六 、
第 八 十 二 条 の 七 及 び 第 八 十 八 条 の 規 定 に 基 づ き 、専 修 学 校 設 置 基 準 を 次 の よ う に
定める。
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
組織編制(第二条-第七条)
第三章
教育課程等
第一節
通則(第八条―第十五条)
第二節
昼間学科及び夜間等学科の教育課程等(第十六条―第十九条)
第三節
単位制による昼間学科及び夜間等学科の教育課程等(第二十条―
第二十八条)
第四節
通信制の学科の教育課程等(第二十九条―第三十八条)
第四章
教員(第三十九条―四十三条)
第五章
施設及び設備等(第四十四条―五十二条)
附則
第一章
総則
(趣旨)
第一条
専修学校は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)その他の法
令の規定によるほか、この省令の定めるところにより設置するものとする。
2 こ の 省 令 で 定 め る 設 置 基 準 は 、専 修 学 校 を 設 置 す る の に 必 要 な 最 低 の 基 準 と す
る。
3 専 修 学 校 は 、こ の 省 令 で 定 め る 設 置 基 準 よ り 低 下 し た 状 態 に な ら な い よ う に す
る こ と は も と よ り 、広 く 社 会 の 要 請 に 応 じ 、専 修 学 校 の 目 的 を 達 成 す る た め 多 様
な 分 野 に わ た り 組 織 的 な 教 育 を 行 う こ と を そ の 使 命 と す る こ と に か ん が み 、常 に
その教育水準の維持向上に努めなければならない。
第二章
組織編制
87
(教育上の基本組織)
第二条
専修学校の高等課程、専門課程又は一般課程には、専修学校の目的に
応 じ た 分 野 の 区 分 ご と に 教 育 上 の 基 本 と な る 組 織 ( 以 下 「 基 本 組 織 」 と い う 。)
を置くものとする。
2 基本組織には、教育上必要な教員組織その他を備えなければならない。
(学科)
第三条
基本組織には、一又は二以上の学科を置くものとする。
2 前 項 の 学 科 は 、専 修 学 校 の 教 育 を 行 う た め 適 当 な 規 模 及 び 内 容 が あ る と 認 め ら
れるものでなければならない。
第四条
基本組織には、昼間において授業を行う学科(以下「昼間学科」とい
う 。) 又 は 夜 間 そ の 他 特 別 な 時 間 に お い て 授 業 を 行 う 学 科 ( 以 下 「 夜 間 等 学 科 」
と い う 。) を 置 く こ と が で き る 。
(通信制の学科の設置)
第五条
昼間学科又は夜間等学科を置く基本組織には、通信による教育を行う
学 科( 当 該 基 本 組 織 に 置 か れ る 昼 間 学 科 又 は 夜 間 等 学 科 と 専 攻 分 野 を 同 じ く す る
も の に 限 る 。 以 下 「 通 信 制 の 学 科 」 と い う 。) を 置 く こ と が で き る 。
2 通 信 制 の 学 科 は 、通 信 に よ る 教 育 に よ つ て 十 分 な 教 育 効 果 が 得 ら れ る 専 攻 分 野
について置くことができる。
(同時に授業を行う生徒)
第六条
専 修 学 校 に お い て 、一 の 授 業 科 目 に つ い て 同 時 に 授 業 を 行 う 生 徒 数 は 、
四 十 人 以 下 と す る 。た だ し 、特 別 の 事 由 が あ り 、か つ 、教 育 上 支 障 の な い 場 合 は 、
この限りでない。
第七条 専修学校において、教育上必要があるときは、学年又は学科を異にする
生徒を合わせて授業を行うことができる。
第三章
教育課程等
第一節
通則
(授業科目)
第八条
専修学校の高等課程においては、中学校における教育の基礎の上に、
心身の発達に応じて専修学校の教育を施すにふさわしい授業科目を開設しなけ
ればならない。
88
2 専 修 学 校 の 専 門 課 程 に お い て は 、高 等 学 校 に お け る 教 育 の 基 礎 の 上 に 、深 く 専
門的な程度において専修学校の教育を施すにふさわしい授業科目を開設しなけ
ればならない。
3 前 項 の 専 門 課 程 の 授 業 科 目 の 開 設 に 当 た つ て は 、豊 か な 人 間 性 を 涵 養 す る よ う
適切に配慮しなければならない。
4 専 修 学 校 の 一 般 課 程 に お い て は 、そ の 目 的 に 応 じ て 専 修 学 校 の 教 育 を 施 す に ふ
さわしい授業科目を開設しなければならない。
(単位時間)
第九条
専修学校の授業における一単位時間は、五十分とすることを標準とす
る。
(他の専修学校における授業科目の履修等)
第十条
専修学校の高等課程においては、教育上有益と認めるときは、専修学
校 の 定 め る と こ ろ に よ り 、生 徒 が 行 う 他 の 専 修 学 校 の 高 等 課 程 又 は 専 門 課 程 に お
け る 授 業 科 目 の 履 修 を 、当 該 高 等 課 程 の 修 了 に 必 要 な 総 授 業 時 数 の 二 分 の 一 を 超
えない範囲で、当該高等課程における授業科目の履修とみなすことができる。
2 専 修 学 校 の 専 門 課 程 に お い て は 、教 育 上 有 益 と 認 め る と き は 、専 修 学 校 の 定 め
るところにより、生徒が行う他の専修学校の専門課程における授業科目の履修
を 、当 該 専 門 課 程 の 修 了 に 必 要 な 総 授 業 時 数 の 二 分 の 一 を 超 え な い 範 囲 で 、当 該
専門課程における授業科目の履修とみなすことができる。
(専修学校以外の教育施設等における学修)
第十一条
専修学校の高等課程においては、教育上有益と認めるときは、専修
学 校 の 定 め る と こ ろ に よ り 、生 徒 が 行 う 高 等 学 校 又 は 中 等 教 育 学 校 の 後 期 課 程 に
お け る 科 目 の 履 修 そ の 他 文 部 科 学 大 臣 が 別 に 定 め る 学 修 を 、当 該 高 等 課 程 に お け
る授業科目の履修とみなすことができる。
2 前項により当該高等課程における授業科目の履修とみなすことができる授業
時 数 は 、前 条 第 一 項 に よ り 当 該 高 等 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な す 授 業 時
数と合わせて当該高等課程の修了に必要な総授業時数の二分の一を超えないも
のとする。
3 専 修 学 校 の 専 門 課 程 に お い て は 、教 育 上 有 益 と 認 め る と き は 、専 修 学 校 の 定 め
る と こ ろ に よ り 、生 徒 が 行 う 大 学 又 は 短 期 大 学 に お け る 学 修 そ の 他 文 部 科 学 大 臣
が 別 に 定 め る 学 修 を 、当 該 専 門 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な す こ と が で き
る。
89
4 前項により当該専門課程における授業科目の履修とみなすことができる授業
時 数 は 、前 条 第 二 項 に よ り 当 該 専 門 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な す 授 業 時
数と合わせて当該専門課程の修了に必要な総授業時数の二分の一を超えないも
のとする。
5 第 一 項 及 び 第 二 項 の 規 定 は 、専 修 学 校 に お い て 、当 該 専 修 学 校 の 高 等 課 程 に 相
当する教育を行つていると認めた外国の教育施設に生徒が留学する場合につい
て、前二項の規定は、専修学校において、当該専修学校の専門課程に相当する教
育 を 行 つ て い る と 認 め た 外 国 の 教 育 施 設 に 生 徒 が 留 学 す る 場 合 に つ い て 、そ れ ぞ
れ準用する。
(入学前の授業科目の履修等)
第十二条
専 修 学 校 の 高 等 課 程 に お い て は 、教 育 上 有 益 と 認 め る と き は 、専 修 学
校 の 定 め る と こ ろ に よ り 、生 徒 が 当 該 高 等 課 程 に 入 学 す る 前 に 行 つ た 専 修 学 校 の
高 等 課 程 又 は 専 門 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修( 第 十 五 条 の 規 定 に よ り 行 つ た 授
業 科 目 の 履 修 を 含 む 。) 並 び に 生 徒 が 当 該 高 等 課 程 に 入 学 す る 前 に 行 つ た 前 条 第
一 項 及 び 第 五 項 に 規 定 す る 学 修 を 、当 該 高 等 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な
すことができる。
2 前項により当該高等課程における授業科目の履修とみなすことができる授業
時 数 は 、転 学 等 の 場 合 を 除 き 、当 該 高 等 課 程 に お い て 履 修 し た 授 業 時 数 以 外 の も
の に つ い て は 、第 十 条 第 一 項 並 び に 前 条 第 一 項 及 び 第 五 項 に よ り 当 該 高 等 課 程 に
おける授業科目の履修とみなす授業時数と合わせて当該高等課程の修了に必要
な総授業時数の二分の一を超えないものとする。
3 専 修 学 校 の 専 門 課 程 に お い て は 、教 育 上 有 益 と 認 め る と き は 、専 修 学 校 の 定 め
る と こ ろ に よ り 、生 徒 が 当 該 専 門 課 程 に 入 学 す る 前 に 行 つ た 専 修 学 校 の 専 門 課 程
に お け る 授 業 科 目 の 履 修( 第 十 五 条 の 規 定 に よ り 行 つ た 授 業 科 目 の 履 修 を 含 む 。)
並びに生徒が当該専門課程に入学する前に行つた前条第三項及び第五項に規定
する学修を、当該専門課程における授業科目の履修とみなすことができる。
4 前項により当該専門課程における授業科目の履修とみなすことができる授業
時 数 は 、転 学 等 の 場 合 を 除 き 、当 該 専 門 課 程 に お い て 履 修 し た 授 業 時 数 以 外 の も
の に つ い て は 、第 十 条 第 二 項 並 び に 前 条 第 三 項 及 び 第 五 項 に よ り 当 該 専 門 課 程 に
おける授業科目の履修とみなす授業時数と合わせて当該専門課程の修了に必要
な総授業時数の二分の一を超えないものとする。
(授業の方法)
第十三条
専修学校は、文部科学大臣が別に定めるところにより、授業を、多様
90
な メ デ ィ ア を 高 度 に 利 用 し て 、当 該 授 業 を 行 う 教 室 等 以 外 の 場 所 で 履 修 さ せ る こ
とができる。
2
前 項 の 授 業 の 方 法 に よ る 授 業 科 目 の 履 修 は 、専 修 学 校 の 課 程 の 修 了 に 必 要 な
総授業時数のうち四分の三を超えないものとする。
(昼夜開講制)
第十四条
専修学校は、教育上必要と認められる場合には、昼夜開講制(同一学
科 に お い て 昼 間 及 び 夜 間 の 双 方 の 時 間 帯 に お い て 授 業 を 行 う こ と を い う 。) に よ
り授業を行うことができる。
(科目等履修生)
第十五条
専修学校は、専修学校の定めるところにより、当該専修学校の生徒
以 外 の 者 に 、当 該 専 修 学 校 に お い て 、一 又 は 複 数 の 授 業 科 目 を 履 修 さ せ る こ と が
できる。
第二節
昼間学科及び夜間等学科の教育課程等
(昼間学科及び夜間等学科の授業時数)
第十六条
2
昼間学科の授業時数は、一年間にわたり八百単位時間以上とする。
夜間等学科の授業時数は、一年間にわたり四百五十単位時間以上とする。
(昼間学科及び夜間等学科における全課程の修了要件)
第十七条
昼間学科における全課程の修了の要件は、八百単位時間に修業年限
の年数に相当する数を乗じて得た授業時数以上の授業科目を履修することとす
る。
2 夜 間 等 学 科 に お け る 全 課 程 の 修 了 の 要 件 は 、四 百 五 十 単 位 時 間 に 修 業 年 限 の 年
数を乗じて得た授業時数(当該授業時数が八百単位時間を下回る場合にあつて
は、八百単位時間)以上の授業科目を履修することとする。
(授業時数の単位数への換算)
第十八条
専修学校の高等課程における生徒の学修の成果を証する必要がある
場 合 に お い て 、当 該 生 徒 が 履 修 し た 授 業 科 目 の 授 業 時 数 を 単 位 数 に 換 算 す る と き
は、三十五単位時間をもつて一単位とする。
第十九条
専修学校の専門課程における生徒の学修の成果を証する必要がある
91
場 合 に お い て 、当 該 生 徒 が 履 修 し た 授 業 科 目 の 授 業 時 数 を 単 位 数 に 換 算 す る と き
は 、四 十 五 時 間 の 学 修 を 必 要 と す る 内 容 の 授 業 科 目 を 一 単 位 と す る こ と を 標 準 と
し、専修学校の教育の特性を踏まえつつ、授業の方法に応じ、当該授業による教
育 効 果 、授 業 時 間 外 に 必 要 な 学 修 等 を 考 慮 し て 、次 の 基 準 に よ り 行 う も の と す る 。
一
講 義 及 び 演 習 に つ い て は 、十 五 時 間 か ら 三 十 時 間 ま で の 範 囲 で 専 修 学 校 が 定
める授業時数をもつて一単位とする。
二
実 験 、実 習 及 び 実 技 に つ い て は 、三 十 時 間 か ら 四 十 五 時 間 ま で の 範 囲 で 専 修
学 校 が 定 め る 授 業 時 数 を も つ て 一 単 位 と す る 。た だ し 、芸 術 等 の 分 野 に お け る 個
人 指 導 に よ る 実 技 の 授 業 に つ い て は 、専 修 学 校 が 定 め る 授 業 時 数 を も つ て 一 単 位
とすることができる。
2 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、卒 業 研 究 、卒 業 制 作 等 の 授 業 科 目 の 授 業 時 数 に つ い
ては、これらに必要な学修等を考慮して、単位数に換算するものとする。
第三節
単位制による昼間学科及び夜間等学科の教育課程等
(単位制による昼間学科及び夜間等学科の授業時数)
第二十条
第 十 六 条 第 一 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 百 八 十 三
条 の 二 第 二 項 の 規 定 に よ り 学 年 に よ る 教 育 課 程 の 区 分 を 設 け な い 学 科( 以 下「 単
位 制 に よ る 学 科 」 と い う 。) の う ち 昼 間 学 科 で あ る も の の 一 年 間 の 授 業 時 数 は 、
八百単位時間以上であり、かつ、次の各号に掲げる課程の区分に応じ、当該各号
に定める単位数を修得させるために必要な授業時数を下らないものとする。
一
高等課程又は一般課程
二
専門課程
二十三単位
三十単位
2 第 十 六 条 第 二 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、単 位 制 に よ る 学 科 の う ち 夜 間 等 学 科 で あ
るものの一年間の授業時数は、四百五十単位時間以上であり、かつ、次の各号に
掲 げ る 課 程 の 区 分 に 応 じ 、当 該 各 号 に 定 め る 単 位 数 を 修 得 さ せ る た め に 必 要 な 授
業時数を下らないものとする。
一
高等課程又は一般課程
二
専門課程
十三単位
十七単位
(多様な授業科目の開設等)
第二十一条
単位制による学科を置く専修学校においては、専修学校における
教 育 の 機 会 に 対 す る 多 様 な 要 請 に こ た え 、当 該 専 修 学 校 の 教 育 の 目 的 に 応 じ 、多
様 な 授 業 科 目 の 開 設 、複 数 の 時 間 帯 又 は 特 定 の 時 期 に お け る 授 業 の 実 施 そ の 他 の
92
措置を講ずるよう努めるものとする。
(単位の授与)
第二十二条
単位制による学科においては、一の授業科目を履修した生徒に対
しては、専修学校の定めるところにより、審査、試験その他の専修学校の教育の
特 性 を 踏 ま え た 適 切 な 方 法 で 、学 修 の 成 果 を 評 価 し た 上 、単 位 を 与 え る も の と す
る。
(各授業科目の単位数)
第二十三条
単 位 制 に よ る 学 科 に お け る 各 授 業 科 目 の 単 位 数 は 、専 修 学 校 に お い
て定めるものとする。
2 高 等 課 程 又 は 一 般 課 程 に お け る 授 業 科 目 に つ い て 、前 項 の 単 位 数 を 定 め る に 当
たつては、三十五単位時間の授業をもつて一単位とする。
3 専門課程における授業科目について、第一項の単位数を定めるに当たつては、
一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成すること
を標準とし、専修学校の教育の特性を踏まえつつ、授業の方法に応じ、当該授業
に よ る 教 育 効 果 、授 業 時 間 外 に 必 要 な 学 修 等 を 考 慮 し て 、次 の 基 準 に よ り 単 位 数
を計算するものとする。
一
講 義 及 び 演 習 に つ い て は 、十 五 時 間 か ら 三 十 時 間 ま で の 範 囲 で 専 修 学 校 が 定
める授業時数をもつて一単位とする。
二
実 験 、実 習 及 び 実 技 に つ い て は 、三 十 時 間 か ら 四 十 五 時 間 ま で の 範 囲 で 専 修
学 校 が 定 め る 授 業 時 数 を も つ て 一 単 位 と す る 。た だ し 、芸 術 等 の 分 野 に お け る 個
人 指 導 に よ る 実 技 の 授 業 に つ い て は 、専 修 学 校 が 定 め る 授 業 時 数 を も つ て 一 単 位
とすることができる。
一 の 授 業 科目 に つい て、講 義 若 し くは 演 習又は 実 験 、実 習若 し くは実 技 の う ち二
以 上 の 方 法 の 併 用 に よ り 行 う 場 合 に つ い て は 、そ の 組 合 せ に 応 じ 、前 二 号 に 規 定
する基準を考慮して専修学校が定める時間の授業をもつて一単位とする。
4 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、卒 業 研 究 、卒 業 制 作 等 の 授 業 科 目 に つ い て は 、こ れ
ら の 学 修 の 成 果 を 評 価 し て 単 位 を 授 与 す る こ と が 適 切 と 認 め ら れ る 場 合 に は 、こ
れらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。
(履修科目の登録の上限)
第二十四条
単位制による学科を置く専修学校は、生徒が各年次にわたつて適
切 に 授 業 科 目 を 履 修 す る た め 、単 位 制 に よ る 学 科 に お け る 全 課 程 の 修 了 の 要 件 と
93
し て 生 徒 が 修 得 す べ き 単 位 数 に つ い て 、生 徒 が 一 年 間 又 は 一 学 期 に 履 修 す る 授 業
科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければなら
ない。
(長期にわたる教育課程の履修)
第二十五条
単位制による学科を置く専修学校は、専修学校の定めるところに
より、生徒が、職業を有している等の事情により、修業年限を超えて一定の期間
にわたり計画的に当該単位制による学科の教育課程を履修し卒業することを希
望する旨を申し出たときは、その計画的な履修を認めることができる。
(単位制による学科を置く専修学校における科目等履修生)
第二十六条
単 位 制 に よ る 学 科 を 置 く 専 修 学 校 に お い て は 、第 十 五 条 の 規 定 に よ
り 専 修 学 校 の 授 業 科 目 を 履 修 す る 者 ( 以 下 「 科 目 等 履 修 生 」 と い う 。) に 対 し 、
多様な教育の機会の確保について配慮するよう努めるものとする。
2 高 等 課 程 の 単 位 制 に よ る 学 科 を 置 く 専 修 学 校 は 、当 該 単 位 制 に よ る 学 科 の 生 徒
が当該専修学校に入学する前に科目等履修生として専修学校の高等課程又は専
門 課 程 に お け る 授 業 科 目 を 履 修 し て い る 場 合 、教 育 上 有 益 と 認 め る と き は 、当 該
科 目 等 履 修 生 と し て の 履 修 を 、当 該 入 学 し た 専 修 学 校 の 高 等 課 程 の 単 位 制 に よ る
学 科 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な し 、そ の 成 果 に つ い て 単 位 を 与 え る こ と が で
きる。
3 専 門 課 程 の 単 位 制 に よ る 学 科 を 置 く 専 修 学 校 は 、当 該 単 位 制 に よ る 学 科 の 生 徒
が当該専修学校に入学する前に科目等履修生として専修学校の専門課程におけ
る 授 業 科 目を 履 修し てい る 場 合 、教育 上 有益と 認 め る とき は 、当該科 目 等 履 修生
と し て の 履 修 を 、当 該 入 学 し た 専 修 学 校 の 専 門 課 程 の 単 位 制 に よ る 学 科 に お け る
授業科目の履修とみなし、その成果について単位を与えることができる。
(単位制による学科における全課程の修了要件)
第二十七条
第 十 七 条 第 一 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、単 位 制 に よ る 学 科 の う ち 昼 間
学科における全課程の修了の要件は、当該昼間学科に修業年限の年数以上在学
し 、次 の 各 号 に 掲 げ る 課 程 の 区 分 に 応 じ 、当 該 各 号 に 定 め る 単 位 数 以 上 を 修 得 す
ることとする。
一
高等課程又は一般課程
二十三単位に当該昼間学科の修業年限の年数に相
94
当する数を乗じて得た単位数
二
専門課程
三十単位に当該昼間学科の修業年限の年数に相当する数を乗じ
て得た単位数
2 第 十 七 条 第 二 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、単 位 制 に よ る 学 科 の う ち 夜 間 等 学 科 で あ
る も の に お け る 全 課 程 の 修 了 の 要 件 は 、当 該 夜 間 等 学 科 に 修 業 年 限 の 年 数 以 上 在
学 し 、次 の 各 号 に 掲 げ る 課 程 の 区 分 に 応 じ 、当 該 各 号 に 掲 げ る 単 位 数 以 上 を 修 得
することとする。
一
高等課程又は一般課程
十三単位に当該夜間等学科の修業年限の年数に相
当する数を乗じて得た単位数(当該単位数が二十三単位を下回る場合にあつて
は、二十三単位)
二
専門課程
十七単位に当該夜間等学科の修業年限の年数に相当する数を乗
じて得た単位数(当該単位数が三十単位を下回る場合にあつては、三十単位)
(単位制による学科に係る読替え)
第二十八条
単位制による学科に係る第十条から第十三条までの規定の適用に
ついては、これらの規定中「授業時数」とあるのは「単位数」と、第十条、第十
一条第一項及び第三項並びに第十二条第一項及び第三項の規定中「履修とみな
す」とあるのは「履修とみなし、単位を与える」と、第十一条第二項及び第十二
条第二項の規定中「前項により当該高等課程における授業科目の履修とみなす」
とあるのは「前項により与える」と、第十一条第四項及び第十二条第四項の規定
中「当該専門課程における授業科目の履修とみなす」とあるのは「前項により与
える」と、第十二条第二項及び第四項の規定中「履修した」とあるのは「修得し
た」と、第十三条第二項の規定中「授業の方法による授業科目の履修」とあるの
は「授業の方法により修得する単位数」とする。
第四節
通信制の学科の教育課程等
(通信制の学科の授業時数)
第二十九条
通信制の学科における対面により行う実習、実技、実験、演習又
は 講 義 の 授 業 ( 以 下 「 対 面 授 業 」 と い う 。) の 授 業 時 数 は 、 一 年 間 に わ た り 百 二
十単位時間以上とする。
(通信制の学科における授業の方法等)
第三十条
通 信 制 の 学 科 に お け る 授 業 は 、印 刷 教 材 そ の 他 こ れ に 準 ず る 教 材 を 送
95
付又は指定し、主としてこれらにより学修させる授業(以下「印刷教材等による
授 業 」 と い う 。) と 対 面 授 業 と の 併 用 に よ り 行 う も の と す る 。
2 通 信 制 の 学 科 に お い て は 、前 項 に 掲 げ る 授 業 の ほ か 、第 十 三 条 第 一 項 の 方 法 に
よ る 授 業 ( 以 下 「 遠 隔 授 業 」 と い う 。) を 加 え て 行 う こ と が で き る 。
3 印 刷 教 材 等 に よ る 授 業 の 実 施 に 当 た つ て は 、添 削 等 に よ る 指 導 を 併 せ 行 う も の
とする。
第三十一条
通 信 制 の 学 科 に お け る 授 業 は 、定 期 試 験 等 を 含 め 、年 間 を 通 じ て 適
切に行うものとする。
(通信制の学科における添削等のための組織等)
第三十二条
通 信 制 の 学 科 を 置 く 専 修 学 校 は 、添 削 等 に よ る 指 導 及 び 教 育 相 談 を
円滑に処理するため、適当な組織等を設けるものとする。
(主たる校地から遠く隔たつた場所に設けられる施設における指導の体制等)
第三十三条
通信制の学科を置く専修学校は、主たる校地から遠く隔たつた場
所 に 面 接 に よ る 指 導 を 行 う た め の 施 設 を 設 け る 場 合 に は 、主 た る 校 地 に お い て 指
導 を 行 う 教 員 組 織 と の 連 携 を 図 り つ つ 、当 該 施 設 に お け る 指 導 を 適 切 に 行 う た め
の体制を整えるものとする。この場合において、当該施設は、主たる校地の所在
する都道府県の区域内に置かなければならない。
(授業科目の開設等に関する規定の準用)
第三十四条
第二十一条及び第二十四条から第二十六条までの規定は、通信制
の 学 科 を 置 く 専 修 学 校 に 、第 二 十 二 条 及 び 第 二 十 三 条 の 規 定 は 通 信 制 の 学 科 に 準
用する。
(印刷教材等による授業科目の単位数)
第三十五条
通信制の学科における印刷教材等による授業の授業科目について
単 位 数 を 定 め る に 当 た つ て は 、前 条 に お い て 準 用 す る 第 二 十 三 条 第 二 項 及 び 第 三
項 の 規 定 にか か わら ず、次 の 各 号 に掲 げ る課程 の 区 分 に応 じ 、当該各 号 に 定 める
基準により単位数を計算するものとする。
一
高等課程又は一般課程
三十五時間の学修を必要とする印刷教材等の学修
をもつて一単位とする。
二
専門課程
四十五時間の学修を必要とする印刷教材等の学修をもつて一単
96
位とする。
第三十六条
一 の 授 業 科 目 に つ い て 、印 刷 教 材 等 に よ る 授 業 と 対 面 授 業 又 は 遠 隔
授 業 と の 併 用 に よ り 行 う 場 合 に お い て は 、そ の 組 合 せ に 応 じ 、第 三 十 四 条 に お い
て準用する第二十三条第二項及び第三項並びに前条に規定する基準を考慮して、
当該授業科目の単位数を定めるものとする。
(通信制の学科における全課程の修了要件)
第三十七条
通 信 制 の 学 科 に お け る 全 課 程 の 修 了 の 要 件 は 、次 の 各 号 の い ず れ に
も該当することとする。
一
当 該 通 信 制 の 学 科 に 修 業 年 限 の 年 数 以 上 在 学 し 、次 の イ 及 び ロ に 掲 げ る 課 程
の区分に応じ、それぞれイ及びロに掲げる単位数以上を修得すること
イ
高等課程又は一般課程
十三単位に当該通信制の学科の修業年限の年
数 に 相 当 す る 数 を 乗 じ て 得 た 単 位 数( 当 該 単 位 数 が 二 十 三 単 位 を 下 回 る 場 合 に あ
つては、二十三単位)
ロ
専門課程
十七単位に当該通信制の学科の修業年限の年数に相当する
数 を 乗 じ て 得 た 単 位 数( 当 該 単 位 数 が 三 十 単 位 を 下 回 る 場 合 に あ つ て は 、三 十 単
位)
二
百二十単位時間に当該通信制の学科の修業年限の年数に相当する数を乗じ
て得た授業時数以上の対面授業を履修すること
(通信制の学科に係る読替え)
第三十八条
通信制の学科に係る第十条から第十三条までの規定の適用につい
ては、これらの規定中「授業時数」とあるのは「単位数」と、第十条、第十一条
第 一 項 及 び 第 三 項 並 び に 第 十 二 条 第 一 項 及 び 第 三 項 の 規 定 中「 履 修 と み な す 」と
あるのは「履修とみなし、単位を与える」と、第十一条第二項及び第十二条第二
項 の 規 定 中「 前 項 に よ り 当 該 高 等 課 程 に お け る 授 業 科 目 の 履 修 と み な す 」と あ る
のは「前項により与える」と、第十一条第四項及び第十二条第四項の規定中「当
該専門課程における授業科目の履修とみなす」とあるのは「前項により与える」
と 、第 十 二 条 第 二 項 及 び 第 四 項 の 規 定 中「 履 修 し た 」と あ る の は「 修 得 し た 」と 、
第十三条第二項の規定中「授業の方法による授業科目の履修」とあるのは「授業
の方法により修得する単位数」とする。
第四章
教員
97
(昼間学科又は夜間等学科のみを置く専修学校の教員数)
第三十九条
昼間学科又は夜間等学科のみを置く専修学校における教員の数は、
別表第一に定める数以上とする。
2 前 項 の 教 員 の 数 の 半 数 以 上 は 、専 任 の 教 員( 専 ら 当 該 専 修 学 校 に お け る 教 育 に
従 事 す る 校 長 が 教 員 を 兼 ね る 場 合 に あ つ て は 、当 該 校 長 を 含 む 。以 下 こ の 項 及 び
次 条 第 二 項 に お い て 同 じ 。) で な け れ ば な ら な い 。 た だ し 、 当 該 専 任 の 教 員 の 数
は、三人を下ることができない。
(通信制の学科を置く専修学校の教員数)
第四十条
通 信 制 の 学 科 を 置 く 専 修 学 校 に お け る 教 員 の 数 は 、別 表 第 一 に 定 め る
数と別表第三に定める数とを合計した数以上とする。
2 前 項 の 教 員 の 数 の 半 数 以 上 は 専 任 の 教 員 で な け れ ば な ら な い 。た だ し 、当 該 専
任の教員の数は三人を下ることができない。
(教員の資格)
第四十一条
専 修 学 校 の 専 門 課 程 の 教 員 は 、次 の 各 号 の 一 に 該 当 す る 者 で そ の 担
当する教育に関し、専門的な知識、技術、技能等を有するものでなければならな
い。
一
専修学校の専門課程を修了した後、学校、専修学校、各種学校、研究所、病
院 、 工 場 等 ( 以 下 「 学 校 、 研 究 所 等 」 と い う 。) に お い て そ の 担 当 す る 教 育 に 関
す る 教 育 、研 究 又 は 技 術 に 関 す る 業 務 に 従 事 し た 者 で あ つ て 、当 該 専 門 課 程 の 修
業年限と当該業務に従事した期間とを通算して六年以上となる者
二
学 士 の 学 位 を 有 す る 者 に あ つ て は 二 年 以 上 、短 期 大 学 士 の 学 位 又 は 準 学 士 の
称 号 を 有 す る 者 に あ つ て は 四 年 以 上 、学 校 、研 究 所 等 に お い て そ の 担 当 す る 教 育
に関する教育、研究又は技術に関する業務に従事した者
三
高 等 学 校 ( 中 等 教 育 学 校 の 後 期 課 程 を 含 む 。) に お い て 二 年 以 上 主 幹 教 諭 、
指導教諭又は教諭の経験のある者
四
修 士 の 学 位 又 は 学 位 規 則( 昭 和 二 十 八 年 文 部 省 令 第 九 号 )第 五 条 の 二 に 規 定
する専門職学位を有する者
五
特定の分野について、特に優れた知識、技術、技能及び経験を有する者
六
その他前各号に掲げる者と同等以上の能力があると認められる者
第四十二条
専 修 学 校 の 高 等 課 程 の 教 員 は 、次 の 各 号 の 一 に 該 当 す る 者 で そ の 担
98
当する教育に関し、専門的な知識、技術、技能等を有するものでなければならな
い。
一
前条各号の一に該当する者
二
専 修 学 校 の 専 門 課 程 を 修 了 し た 後 、学 校 、研 究 所 等 に お い て そ の 担 当 す る 教
育 に 関 す る 教 育 、研 究 又 は 技 術 に 関 す る 業 務 に 従 事 し た 者 で あ つ て 、当 該 専 門 課
程の修業年限と当該業務に従事した期間とを通算して四年以上となる者
三
短期大学士の学位又は準学士の称号を有する者で、二年以上、学校、研究所
等 に お い て そ の 担 当 す る 教 育 に 関 す る 教 育 、研 究 又 は 技 術 に 関 す る 業 務 に 従 事 し
た者
四
学士の学位を有する者
五
その他前各号に掲げる者と同等以上の能力があると認められる者
第四十三条
専 修 学 校 の 一 般 課 程 の 教 員 は 、次 の 各 号 の 一 に 該 当 す る 者 で そ の 担
当する教育に関し、専門的な知識、技術、技能等を有するものでなければならな
い。
一
前二条各号の一に該当する者
二
高等学校又は中等教育学校卒業後、四年以上、学校、研究所等においてその
担当する教育に関する教育、研究又は技術に関する業務に従事した者
三
その他前各号に掲げる者と同等以上の能力があると認められる者
第五章
施設及び設備等
(位置及び環境)
第四十四条
専 修 学 校 の 校 地 及 び 校 舎 の 位 置 及 び 環 境 は 、教 育 上 及 び 保 健 衛 生 上
適切なものでなければならない。
(校地等)
第四十五条
専 修 学 校 は 、次 条 に 定 め る 校 舎 等 を 保 有 す る に 必 要 な 面 積 の 校 地 を
備えなければならない。
2 専 修 学 校 は 、前 項 の 校 地 の ほ か 、目 的 に 応 じ 、運 動 場 そ の 他 必 要 な 施 設 の 用 地
を備えなければならない。
(校舎等)
第四十六条
専 修 学 校 の 校 舎 に は 、目 的 、生 徒 数 又 は 課 程 に 応 じ 、教 室( 講 義 室 、
99
演 習 室 、 実 習 室 等 と す る 。)、 教 員 室 、 事 務 室 そ の 他 必 要 な 附 帯 施 設 を 備 え な け れ
ばならない。
2 専 修 学 校 の 校 舎 に は 、前 項 の 施 設 の ほ か 、な る べ く 図 書 室 、保 健 室 、教 員 研 究
室等を備えるものとする。
3 専 修 学 校 は 、目 的 に 応 じ 、実 習 場 そ の 他 の 必 要 な 施 設 を 確 保 し な け れ ば な ら な
い。
(昼間学科又は夜間等学科のみを置く専修学校の校舎の面積)
第四十七条
昼 間 学 科 又 は 夜 間 等 学 科 の み を 置 く 専 修 学 校 の 校 舎 の 面 積 は 、次 の
各号に定める区分に応じ、当該各号に定める面積以上とする。ただし、地域の実
態その他により特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りで
ない。
一
一の課程のみを置く専修学校で当該課程に一の分野についてのみ学科を置
くもの
二
別表第二イの表により算定した面積
一の課程のみを置く専修学校で当該課程に二以上の分野について学科を置
く も の 又 は 二 若 し く は 三 の 課 程 を 置 く 専 修 学 校 で 、当 該 課 程 に そ れ ぞ れ 一 若 し く
は二以上の分野について学科を置くもの
次のイ及びロに掲げる面積を合計し
た面積
イ
これらの課程ごとの分野のうち別表第二イの表第四欄の生徒総定員四十人
までの面積が最大となるいずれか一の分野について同表により算定した面積
ロ
これらの課程ごとの分野のうち前イの分野以外の分野についてそれぞれ別
表第二ロの表により算定した面積を合計した面積
(通信制の学科を置く専修学校の校舎等)
第四十八条
通信制の学科を置く専修学校は、目的、生徒数又は課程に応じ、当
該 通 信 制 の 学 科 に 係 る 第 四 十 六 条 各 項 に 規 定 す る 施 設 を 備 え る ほ か 、特 に 添 削 等
に よ る 指 導 並 び に 印 刷 教 材 等 の 保 管 及 び 発 送 の た め の 施 設 に つ い て 、教 育 に 支 障
のないようにするものとする。
2 通 信 制 の 学 科 を 置 く 専 修 学 校 の 校 舎 の 面 積 は 、当 該 専 修 学 校 の 昼 間 学 科 又 は 夜
間 等 学 科 の 校 舎 に つ い て 前 条 の 規 定 に 準 じ て 算 定 し た 面 積 と 、当 該 専 修 学 校 の 通
信 制 の 学 科 の 校 舎 に つ い て 次 の 各 号 に 掲 げ る 区 分 に 応 じ 、当 該 各 号 に 定 め る 面 積
と を 合 計 し た 面 積 以 上 と す る 。た だ し 、地 域 の 実 態 そ の 他 に よ り 特 別 の 事 情 が あ
100
り、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。
一
一の課程に一の分野についてのみ通信制の学科を置くもの
別表第四イの
表により算定した面積
二
一の課程に二以上の分野について通信制の学科を置くもの又は二若しくは
三の課程にそれぞれ一若しくは二以上の分野について通信制の学科を置くもの
次のイ及びロに掲げる面積を合計した面積
イ
これらの課程ごとの分野のうち別表第二イの表第四欄の生徒総定員四十人
までの面積が最大となるいずれか一の分野について同表により算定した面積
ロ
これらの課程ごとの分野のうち前イの分野以外の分野についてそれぞれ別
表第二ロの表により算定した面積を合計した面積
(設備)
第四十九条
専修学校は、目的、生徒数又は課程に応じ、必要な種類及び数の機
械、器具、標本、図書その他の設備を備えなければならない。
第五十条
夜 間 に お い て 授 業 を 行 う 専 修 学 校 は 、適 当 な 照 明 設 備 を 備 え な け れ ば
ならない。
(他の学校等の施設及び設備の使用)
第五十一条
専修学校は、特別の事情があり、かつ、教育上及び安全上支障がな
い場合は、他の学校等の施設及び設備を使用することができる。
(名称)
第五十二条
専 修 学 校 の 名 称 は 、専 修 学 校 と し て 適 当 で あ る と と も に 、当 該 専 修
学校の目的にふさわしいものでなければならない。
附則
この省令は、平成二十四年四月一日から施行する。
101
美容師養成施設指定規則
美容師養成施設指定規則
(平成十年一月二十七日厚生省令第八号)
最終改正:平成二一年一二月二八日厚生労働省令第一五九号
美容師法 (昭和三十二年法律第百六十三号)第四条第六項 の規定に基づき、美
容師養成施設指定規則を次のように定める。
(この省令の趣旨)
第一条
美 容 師 法 ( 昭 和 三 十 二 年 法 律 第 百 六 十 三 号 。 以 下 「 法 」 と い う 。) 第
四条第三項 に規定する美容師養成施設の指定に関しては、この省令の定めると
ころによる。
(指定の申請手続)
第二条
法第四条第三項 に規定する指定を受けようとする美容師養成施設の
設 立 者 は 、次 の 各 号 に 掲 げ る 事 項 を 記 載 し た 申 請 書 に 、美 容 師 養 成 施 設 の 長 及 び
教 員 の 履 歴 書 を 添 え て 美 容 師 養 成 施 設 を 設 立 し よ う と す る 日 の 四 月 前 ま で に 、厚
生労働大臣に提出しなければならない。
一
美容師養成施設の名称、所在地及び設立予定年月日
二
設立者の住所及び氏名(法人又は団体にあっては、その名称、主たる事務
所の所在地並びに代表者の住所及び氏名)
三
美容師養成施設の長の氏名
四
養成課程の別
四の二
設 立 者 を 同 じ く す る 理 容 師 養 成 施 設 が あ る 場 合 に あ っ て は 、理 容 師 養
成 施 設 指 定 規 則 ( 平 成 十 年 厚 生 省 令 第 五 号 )第 四 条 の 二 第 一 項 に 規 定 す る 同 時
授 業 ( 以 下 「 同 時 授 業 」 と い う 。) の 有 無
五
教員の氏名及び担当課目並びに専任又は兼任の別
六
生徒の定員及び学級数
七
入所資格
八
入所の時期
九
修 業 期 間 、教 科 課 程 及 び 教 科 課 目 ご と の 実 習 を 含 む 総 単 位 数( 通 信 課 程 に
あっては、各教科課目ごとの添削指導の回数及び面接授業の単位数)
九の二
卒業認定の基準
102
十
入学料、授業料及び実習費の額
十一
美容実習のモデルとなる者の選定その他美容実習の実施の方法
十二
校舎の各室の用途及び面積並びに建物の配置図及び平面図
十二の二
設備の状況
十三
設立者の資産状況及び美容師養成施設の経営方法
十四
指定後二年間の財政計画及びこれに伴う収支予算
2 二以上の養成課程を設ける美容師養成施設にあっては、前項第五号から第十
号までに掲げる事項は、それぞれの養成課程ごとに記載しなければならない。
3 通信課程を併せて設ける美容師養成施設にあっては、第一項に規定するもの
のほか、次に掲げる事項を申請書に記載し、かつ、これに通信養成に使用する教
材を添付しなければならない。
一
通信養成を行う地域
二
授業の方法
三
課程修了の認定方法
4 厚 生 労 働 大 臣 は 、法 第 四 条 第 三 項 に 規 定 す る 指 定 を し た と き は 、当 該 指 定 を
受けた美容師養成施設所在地の都道府県知事に指定した内容を通知しなければ
ならない。
(養成施設指定の基準)
第三条
法第四条第三項 に規定する美容師養成施設の指定の基準は、次のと
おりとする。
一
イ
昼間課程に係る基準
学 校 教 育 法 ( 昭 和 二 十 二 年 法 律 第 二 十 六 号 )第 九 十 条 に 規 定 す る 者 で あ る
ことを入所資格とするものであること。
ロ
修業期間は、二年以上であること。
ハ
教科課目及び単位数は、別表第一に定めるとおりであること。
ニ
美容実習のモデルとなる者の選定等について適当と認められるものである
こと。
ホ
美 容 師 養 成 施 設 の 長 は 、専 ら 美 容 師 養 成 施 設 の 管 理 の 任 に 当 た る こ と の で き
る者であって、かつ、美容師の養成に適当であると認められるものであること。
ヘ
教 員 の 数 は 、別 表 第 二 に 掲 げ る 算 式 に よ っ て 算 出 さ れ た 人 数( そ の 数 が 五 人
未満であるときは、五人)以上であり、かつ、教員数の二分の一以上が専任であ
ること。
103
ト
教 員 は 、別 表 第 三 の 上 欄 に 掲 げ る 課 目 に つ い て そ れ ぞ れ 同 表 の 下 欄 に 該 当 す
る者であって、かつ、美容師の養成に適当であると認められるものであること。
チ
同時に授業を行う一学級の生徒数は、四十人以下とすること。
リ
卒業の認定の基準が適当であると認められること。
ヌ
校舎は、教員室、事務室、図書室、同時に授業を行う学級の数を下らない数
の専用の普通教室及び適当な数の専用の実習室を備えているものであること。
ル
普通教室の面積は、生徒一人当たり一・六五平方メートル以上であること。
ヲ
実習室の面積は、生徒一人当たり一・六五平方メートル以上であること。
ワ
建物の配置及び構造設備は、ヌからヲまでに定めるもののほか、学習上、保
健衛生上及び管理上適切なものであること。
カ
学 習 上 必 要 な 機 械 器 具 、標 本 及 び 模 型 、図 書 並 び に そ の 他 の 備 品 を 有 す る も
のであること。
ヨ
入 学 料 、授 業 料 及 び 実 習 費 は 、そ れ ぞ れ 当 該 養 成 施 設 の 運 営 上 適 当 と 認 め ら
れる額であること。
タ
経営方法は、適切かつ確実なものであること。
二
夜間課程に係る基準
イ
前 号 ( ヘ を 除 く 。) に 該 当 す る も の で あ る こ と 。
ロ
教 員 の 数 は 、別 表 第 二 に 掲 げ る 算 式 に よ っ て 算 出 さ れ た 人 数( そ の 数 が 四 人
未満であるときは、四人)以上であり、かつ、教員数の二分の一以上が専任であ
ること。
三
イ
通信課程に係る基準
第 一 号 の イ 、 ハ ( 単 位 数 に 係 る 基 準 を 除 く 。)、 ニ 、 ト 、 リ 、 ヨ 及 び タ に 該 当
するものであること。
ロ
修業期間は、三年以上であること。
ハ
教員は、相当数の者を置くものとし、そのうち、専任の者の数は、生徒二百
人 以 下 の 場 合 は 三 人 、二 百 人 又 は そ の 端 数 を 超 え る ご と に 一 人 を 加 え た 数 で あ る
こと。
ニ
定 員 は 、当 該 養 成 施 設 に お け る 昼 間 課 程 又 は 夜 間 課 程 の 定 員( 昼 間 課 程 と 夜
間課程とを併せて設ける美容師養成施設にあっては、そのいずれか多数の定員)
のおおむね一・五倍以内であること。
ホ
通信課程における授業は、通信授業及び面接授業とし、その方法等は、厚生
労働大臣が別に定める基準によること。
104
2 美容師養成施設のうち、特殊の地域的事情にあること、特定の者を生徒とす
ることその他特別の事情により、入所資格、修業期間、教員の数、同時に授業を
受 け る 一 学 級 の 生 徒 数 、普 通 教 室 の 面 積 又 は 実 習 室 の 面 積 が 前 項 各 号 に 掲 げ る 当
該 基 準 に よ る こ と が で き な い か 、又 は こ れ ら の 基 準 に よ る こ と を 適 当 と し な い も
のについては、厚生労働大臣は、当該養成施設の特別の事情に基づいて、それぞ
れ特別の基準を設定することがある。
(同時授業に関する特例)
第三条の二
美 容 師 養 成 施 設 が 同 時 授 業 を 行 う 場 合 に は 、次 の 表 の 上 欄 に 掲 げ
る規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
【附表省略】
(教科課程の基準)
第四条
法第四条第三項 に規定する指定を受けた美容師養成施設(以下「指
定 養 成 施 設 」 と い う 。) の 教 科 課 程 は 、 教 科 課 程 の 基 準 と し て 厚 生 労 働 大 臣 が 別
に定めるところによらなければならない。
(変更等の承認)
第五条
指 定 養 成 施 設 の 設 立 者 は 、当 該 養 成 施 設 に お け る 生 徒 の 定 員 を 増 加 し
よ う と す る と き 、又 は 第 二 条 第 一 項 第 十 二 号 に 掲 げ る 事 項 を 変 更 し よ う と す る と
きは、二月前までに、その旨を記載した申請書を厚生労働大臣に提出し、その承
認 を 得 な け れ ば な ら な い 。こ の 場 合 に お い て 、厚 生 労 働 大 臣 は 当 該 指 定 養 成 施 設
所在地の都道府県知事に承認した内容を通知しなければならない。
2 指定養成施設において新たに養成課程を設けようとするとき及び新たに同時
授業を行おうとするときも、前項と同様とする。
3 指定養成施設の設立者は、当該養成施設における養成課程の一部を廃止し、
又 は 当 該 養 成 施 設 を 廃 止 し よ う と す る と き は 、二 月 前 ま で に 、次 の 各 号 に 掲 げ る
事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出し、その承認を得なければならな
い 。こ の 場 合 に お い て 、厚 生 労 働 大 臣 は 当 該 指 定 養 成 施 設 所 在 地 の 都 道 府 県 知 事
に承認した内容を通知しなければならない。
一
廃止の理由
二
廃止の予定年月日
三
入所中の生徒があるときは、その処置
105
四
指定養成施設を廃止しようとする場合にあっては、当該養成施設に在学
し 、又 は こ れ を 卒 業 し た 者 の 学 習 の 状 況 を 記 録 し た 書 類 を 保 存 す る 者 の 住 所 及 び
氏名(法人又は団体にあっては、その名称、主たる事務所の所在地並びに代表者
の住所及び氏名)並びに当該書類の承継の予定年月日
(指定養成施設廃止後の書類の保存)
第六条
指 定 養 成 施設 が 廃 止 され る 場合 にお い て 、当 該養 成 施設に 在 学 し 、又
はこれを卒業した者の学習の状況を記録した書類を適切に保存することができ
る者がいないときは、厚生労働大臣が、当該書類を保存しなければならない。
(変更の届出)
第七条
指定養成施設の設立者は、第二条第一項第一号、第二号、第三号、第
五 号 、 第 六 号 ( 学 級 数 に 関 す る 部 分 に 限 る 。)、 第 七 号 、 第 八 号 、 第 九 号 ( 教 科 課
程 に 関 す る 部 分 に 限 る 。)、 第 九 号 の 二 、 第 十 号 若 し く は 第 十 一 号 若 し く は 同 条 第
三項に掲げる事項又は通信課程における通信教材の内容に変更を生じたときは、
その旨を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
2 指定養成施設の設立者は、第二条第一項第四号の二又は第六号に掲げる事項
に つ い て 変 更 ( 生 徒 の 定 員 を 減 ず る 場 合 に 限 る 。) し よ う と す る と き は 、 あ ら か
じめ、その旨を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(収支決算等の届出)
第八条
指 定 養 成 施 設 の 設 立 者 は 、毎 年 七 月 三 十 一 日 ま で に 、次 の 事 項 を 厚 生
労働大臣に届け出なければならない。
一
前年の四月一日からその年の三月三十一日までの収支決算の細目
二
その年の四月一日から翌年の三月三十一日までの収支予算の細目
(入所及び卒業の届出)
第九条
指 定 養 成 施 設 の 設 立 者 は 、毎 年 四 月 三 十 日 ま で に 、前 年 の 四 月 一 日 か
らその年の三月三十一日までの入所者の数及び卒業者の数を厚生労働大臣に届
け出なければならない。
(卒業証書)
第十条
指 定 養 成 施 設 の 長 は 、そ の 施 設 の 全 教 科 課 程 を 修 了 し た と 認 め た 者 に
は、次の事項を記載した卒業証書を授与しなければならない。
106
一
卒業者の本籍、氏名及び生年月日
二
卒業の年月日
三
指定養成施設の名称、所在地及び長の氏名
(報告の徴収及び指示)
第十一条
厚生労働大臣は、指定養成施設につき必要があると認めるときは、
その設立者又は長に対して報告を求めることができる。
2 厚生労働大臣は、指定養成施設の教育の内容、教育の方法、施設、設備その
他 が 適 当 で な い と 認 め る と き は 、そ の 設 立 者 又 は 長 に 対 し て 必 要 な 指 示 を す る こ
とができる。
(指定の取消し)
第十二条
厚 生 労 働 大 臣 は 、指 定 養 成 施 設 が 第 三 条 の 規 定 に よ る 基 準 に 適 合 し
な く な っ た と 認 め る と き 、そ の 設 立 者 が 第 五 条 の 規 定 に 違 反 し た と き 、又 は そ の
設立者若しくは長が前条第二項の規定による指示に従わないとき若しくは定員
を超えて生徒を入所させているときは、その指定を取り消すことができる。
2 第六条の規定は、前項の規定による取消しについて準用する。
附
則
(施行期日)
第一条
この省令は、平成十年四月一日から施行する。
(経過規定)
第二条
こ の 省 令 の 施 行 の 際 現 に 美 容 師 法 施 行 規 則( 平 成 十 年 厚 生 省 令 第 七 号 )
による改正前の美容師法施行規則(昭和三十二年厚生省令第四十三号。以下「旧
規 則 」 と い う 。) 第 九 条 第 一 項 の 規 定 に よ り 提 出 さ れ て い る 申 請 書 は 、 第 二 条 第
一項の規定により提出されているものとみなす。
第三条
指定養成施設(第三条第二項の規定により、入所資格について設定さ
れ た 特 別 の 基 準 が 適 用 さ れ る も の を 除 く 。) は 、 第 三 条 第 一 項 第 一 号 イ の 規 定 に
かかわらず、当分の間、学校教育法第五十七条に規定する者(理容師法及び美容
師 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ( 平 成 七 年 法 律 第 百 九 号 。 以 下 「 改 正 法 」 と い う 。)
附 則 第 五 条 第 二 項 に 規 定 す る 者 を 含 む 。) を 入 所 さ せ る こ と が で き る 。 こ の 場 合
107
に お い て 、指 定 養 成 施 設 の 長 は 、美 容 師 法 施 行 規 則 附 則 第 六 条 第 一 号 に 規 定 す る
講習を実施しなければならない。
第四条
この省令の施行の日の前日において改正法による改正前の美容師法第
四 条 第 四 項の 規 定に よる 指 定 を 受け て いた 美容 師 養 成 施設( 以 下「旧 指 定 養 成施
設 」 と い う 。) に つ い て は 、 平 成 十 一 年 三 月 三 十 一 日 ま で の 間 は 、 第 三 条 第 一 項
第一号ヘ及び第二号ロの規定中「二分の一」とあるのは「三分の一」とし、同条
第 一 項 第 一 号 リ ( 図 書 室 に 関 す る 部 分 に 限 る 。)、 ヌ 及 び ヲ の 規 定 は 適 用 し な い 。
第五条
この省令の施行の日の前日において一年以上継続して旧指定養成施設
に お い て 旧 規 則 別 表 第 二 に 掲 げ る 消 毒 法 ( 実 習 ) 又 は 美 容 理 論 ( 実 習 を 含 む 。)
の 教 員 と し て 勤 務 し て い た 者 で あ っ て 、厚 生 労 働 大 臣 が 認 定 し た 研 修 の 課 程 を 修
了 し た も の は 、第 三 条 第 一 項 第 一 号 ト の 規 定 に か か わ ら ず 、当 分 の 間 、消 毒 法( 実
習 )の 教 員 に あ っ て は 別 表 第 三 に 掲 げ る 衛 生 管 理 又 は 美 容 保 健 の 教 員 と 、美 容 理
論 ( 実 習 を 含 む 。) の 教 員 に あ っ て は 同 表 に 掲 げ る 美 容 技 術 理 論 又 は 美 容 実 習 の
教員となることができる。
第六条
この省令の施行の日の前日において六年以上旧指定養成施設において
旧 規 則 別 表 第 二 に 掲 げ る 美 容 理 論 ( 実 習 を 含 む 。) の 教 員 と し て 勤 務 し て い た 者
は、第三条第一項第一号トの規定にかかわらず、当分の間、別表第三に掲げる美
容技術理論又は美容実習の教員となることができる。
第七条
改正法附則第四条第二項の規定により、厚生大臣の指定がなおその効
力 を 有 す ると さ れる 美容 師 養 成 施設 に つい ては 、旧 規 則 第八 条 、第十 条 及 び 第十
一条の規定は、同項に規定する日までの間は、なおその効力を有する。
附
則
(平成一二年一〇月二〇日厚生省令第一二七号)
抄
(施行期日)
1
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)
の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附
則
(平成一七年九月三〇日厚生労働省令第一五六号)
この省令は、平成十七年十月一日から施行する。
附
則
(平成一九年一二月二五日厚生労働省令第一五二号)
108
この省令は、平成十九年十二月二十六日から施行する。
附
則
(平成二〇年二月二九日厚生労働省令第二一号)
抄
(施行期日)
第一条
この省令は、平成二十年四月一日から施行する。
(美容師養成施設に係る経過措置)
第九条
この省令の施行の日前になされたこの省令による改正前の美容師養成
施 設 指 定 規 則 ( 以 下 「 旧 美 容 規 則 」 と い う 。) 第 二 条 第 一 項 の 規 定 に 基 づ く 申 請
又 は 第 五 条 第 二 項 の 規 定 に 基 づ く 申 請 ( 新 た に 養 成 課 程 を 設 け る 場 合 に 限 る 。)
については、この省令による改正後の美容師養成施設指定規則(以下「新美容規
則 」 と い う 。) 第 二 条 第 一 項 第 九 号 の 二 及 び 第 三 条 第 一 項 第 一 号 リ の 規 定 は 適 用
しない。
第十条
この省令の施行の際現に旧美容規則第三条第一項第一号ト及び別表第
三の規定に基づき関係法規・制度、美容の物理・化学、美容文化論又は美容運営
管 理 の 教 員 と し て 勤 務 し て い た 者 は 、新 美 容 規 則 第 三 条 第 一 項 第 一 号 ト 及 び 別 表
第三の規定にかかわらず、当分の間、当該課目の教員となることができる。
第十一条
この省令の施行の日の前日において美容師法(昭和三十二年法律第
百 六 十 三 号 )第 四 条 第 三 項 の 規 定 に よ る 指 定 を 受 け て い た 美 容 師 養 成 施 設( 以 下
「 既 存 美 容 師 養 成 施 設 」 と い う 。)、 旧 美 容 規 則 第 二 条 第 一 項 の 規 定 に 基 づ き 申 請
を提出しこの省令の施行後に美容師法第四条第三項の規定による指定を受けた
美 容 師 養 成 施 設 及 び 旧 美 容 規 則 第 五 条 第 二 項 の 規 定 に 基 づ き 申 請( 新 た に 養 成 課
程 を 設 け る 場 合 に 限 る 。) を 提 出 し こ の 省 令 の 施 行 後 に 新 美 容 規 則 第 五 条 第 一 項
の 規 定 に よ る 承 認 を 受 け た 美 容 師 養 成 施 設 に つ い て は 、平 成 二 十 一 年 三 月 三 十 一
日までの間は、新美容規則第三条第一項第一号リの規定は適用しない。
第十二条
既存美容師養成施設、旧美容規則第二条第一項の規定に基づき申請
を提出しこの省令の施行後に美容師法第四条第三項の規定による指定を受けた
美 容 師 養 成 施 設 又 は 旧 美 容 規 則 第 五 条 第 二 項 の 規 定 に 基 づ き 申 請( 新 た に 養 成 課
程 を 設 け る 場 合 に 限 る 。) を 提 出 し こ の 省 令 の 施 行 後 に 新 美 容 規 則 第 五 条 第 一 項
の 規 定 に よ る 承 認 を 受 け た 美 容 師 養 成 施 設 の 設 立 者 は 、平 成 二 十 一 年 三 月 三 十 一
日までに同規則第二条第一項第九号の二に規定する卒業認定の基準を厚生労働
大臣に提出し、その承認を得なければならない。
109
第十三条
既存美容師養成施設の設立者は、平成二十年五月三十一日までに新
美容規則第二条第一項第十二号の規定に基づく校舎の各室の用途及び面積並び
に 建 物 の 配 置 図 及 び 平 面 図 に つ い て 変 更 し よ う と す る と き は 、同 規 則 第 五 条 第 一
項 の 規 定 に か か わ ら ず 、そ の 旨 を 記 載 し た 届 出 書 を 厚 生 労 働 大 臣 に 提 出 し な け れ
ばならない。
第十四条
この省令の施行の際現に旧美容規則第五条第一項の規定に基づく申
請 ( 生 徒 の 定 員 を 減 ず る 場 合 に 限 る 。) を 行 っ て い る 者 は 、 新 美 容 規 則 第 七 条 第
二項の規定による届出を行った者とみなす。
第十五条
この省令の施行の日前になされた旧美容規則第五条第二項の規定に
基 づ く 申 請 ( 養 成 施 設 を 廃 止 す る 場 合 に 限 る 。) に つ い て は 、 な お 従 前 の 例 に よ
る。
附
則
(平成二一年一二月二八日厚生労働省令第一五九号)
(施行期日)
第一条
この省令は、平成二十二年一月一日から施行する。
(経過措置)
第二条
この省令の施行の際現に理容師養成施設指定規則第四条第一項第一号
ト及び別表第三衛生管理理容保健の項第五号の規定に基づき理容師養成施設の
衛生管理及び理容保健の課目の教員となることができる者並びに美容師養成施
設指定規則第三条第一項第一号ト及び別表第三衛生管理美容保健の項第五号の
規定に基づき美容師養成施設の衛生管理及び美容保健の課目の教員となること
ができる者は、この省令による改正後の理容師養成施設指定規則(以下「新理容
規 則 」 と い う 。) 第 四 条 第 一 項 第 一 号 ト 及 び 別 表 第 三 並 び に 美 容 師 養 成 施 設 指 定
規 則 ( 以 下 「 新 美 容 規 則 」 と い う 。) 第 三 条 第 一 項 第 一 号 ト 及 び 別 表 第 三 の 規 定
に か か わ ら ず 、平 成 二 十 三 年 三 月 三 十 一 日 ま で の 間 、理 容 師 養 成 施 設 の 衛 生 管 理
又は理容保健の課目及び美容師養成施設の衛生管理又は美容保健の課目に係る
同 時 授 業( 新 理 容 規 則 第 四 条 の 二 第 一 項 に 規 定 す る 同 時 授 業 を い う 。次 条 に お い
て 同 じ 。) の 教 員 と な る こ と が で き る 。
(検討)
第三条
厚生労働大臣は、この省令の施行後五年を目途として新理容規則及び
110
新 美 容 規 則 の 規 定 に つ い て 見 直 し を 行 い 、そ の 結 果 に 基 づ き 必 要 な 措 置 を 講 ず る
ものとする。
111
専修学校職業実践専門課程(美容分野)第三者評価試行に係わる要項等
以下のページに、次の 3 つを掲載する。
 評価基準要綱
 自己評価実施要項
 評価実施手引書
112
評価基準要綱
113
114
115
116
117
118
自己評価実施要項
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評価実施手引書
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平 成 26 年 度 文 部 科 学 省
職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業
職業実践専 門課程の美 容分野にお ける
質保証・向 上を推進す るための
学校評価制 度の開発と 構築
事業成果報告書
発行日
発行者
平 成 27 年 3 月
学校法人メイ・ウシヤマ学園
〒 106- 8541
東 京 都 港 区 六 本 木 6-4- 1
ハリウッドビューティ専門学校
六本木ヒルズ ハリウッドプラザ
■禁無断転載■