平成27年春期の県内植木市場における取引動向

平成27年春期の県内植木市場における取引動向
愛知県植木センターでは昭和61年から県内3植木市場において、主に地元から出荷される緑化樹
木を中心に21品目(一般植木、株・玉物、生垣用樹)の取引量を春期(2月~4月)と秋期(10月~11
月)に調査しております。また、平成20年からは近年市場でよく見られる10品目を追加して調査してお
ります。今回は本年春期の取引動向の概要について紹介します。
1 全体取引量〔図-1〕
近年の全体取引量は、平成19年まで減少傾向が続いた後、一時的に増加へ転じましたが、平成22年
から再び減少し、今期は前年同期(20.5万本)より約3.6万本減少の16.9万本となり、前年同期比82%
となりました。
一時増加に転じた際のピーク時(平成21年)と比較すると、6年間で全体取引量は約44%に減少
し、用途別では、一般植木は約65%、株・玉物は約33%、生垣用樹は約60%となり、特に株・玉物が
顕著な減少となっています。
2 用途別の取引動向〔図-1、図-2〕
(1) 一般植木(12品目)
一般植木の取引量は4.0万本で、前年同期(4.9万本)より約0.9万本減少しました。過去10年間ほど、
6万本前後を維持してきましたが、前年同期に4万本台に減少し、今期も大きな減少となりました。
取引量の多い品目は、自然形ではカエデ類やツバキ、キンモクセイ、カシ類などですが、いずれも前年
同期を下回り、特にキンモクセイが半減、カシ類も近年減少しています。仕立物では、イヌツゲは横ば
い、前年同期に大きく減少したイヌマキは増加しました。
(2) 株・玉物(5品目)
株・玉物の取引量は7.9万本で、前年同期(9.4万本)より約1.5万本減少しました。
株・玉物は、サツキ、ツツジ類とイヌツゲで大半を占めますが、ツツジ類が増加したのに対し、近
年著しい減少傾向が続いているサツキが今期も大きく減少し全体量を押し下げました。
(3) 生垣用樹(4品目)
生垣用樹の取引量は5.0万本で、前年同期(6.2万本)より約1.2万本減少しました。
取引量の多い品目は、サザンカとイヌマキで、両種で生垣用樹の約91%を占めていますが、いずれ
も減少しました。前年同期は、イヌマキが近年減少の著しいサザンカを逆転しましたが、今期は、減
少率の大きかったイヌマキに変わって再びサザンカが上回りました。
3 調査追加樹種(10品目)を含む調査結果〔図-3、表-1〕
平成20年から、近年市場でよくみられる樹種を、調査対象として追加(一般植木ではハナミズキ、
シマトネリコなど7種、株・玉物ではドウダンツツジなど3種)しました。
追加樹種を含めた取引上位10品目を見ると、近年大きな減少傾向が続いているサツキが今期も大き
く減少したにもかかわらず1位を保ち、大きく増加したツツジ類が順位を上げました。また、イヌマ
キ(生垣)は大きく減少して順位を下げました。
追加樹種では、前年同期に大きく増加したオタフクナンテンが減少に転じて順位を下げ、大きく増
加したヤマボウシが上位10品目に加わりました。
*調査市場*
農事組合法人 井堀植木生産組合(稲沢市井堀江西町)
矢合植木市場株式会社 (稲沢市矢合町)
福地植木生産組合 (西尾市斉藤町)
図-1 春期取引量の推移 (単位:万本)
H21
6.2
H22
6.5
H23
23.7
20.9
7.4
H24
6.3
H25
6.2
H26
7.9
12.4
11.1
4.0
6.5
0.0
30.5
一般植木
株・玉物
23.7
6.2
7.9
35.0
25.6
6.9
9.4
38.3
7.6
15.3
4.9
H27
8.4
生垣用樹
20.5
5.0
16.9
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
図-2 春期取引量の区分別構成比 (%)
イヌツゲ
2.6%
モッコク
3.2%
モチノキ
2.2%
イヌマキ
2.5%
クロマツ
1.3% ウバメガシ
0.1%
ヒバ類
4.2%
イヌツゲ
28.5%
サツキ
41.2%
キャラボク
0.0%
ツツジ類
29.4%
カエデ類
45.6%
カシ類
8.3%
株・玉物
キンモクセイ
12.1%
モッコク
1.6%
イヌツゲ
1.3%
イヌマキ
1.3%
モチノキ
1.1%
クロマツ
0.7%
ヒバ類
エゴノキ 2.1%
3.9%
イヌマキ
41.4%
生垣用樹
ウバメガシ
0.0%
キャラボク
0.0%
カエデ類
23.0%
カシ類
4.2%
ドウダンツツジ
10.7%
フィリフェラオーレア
3.3%
キャラボク
0.6%
クチナシ
0.2%
サツキ
30.4%
オタフクナンテン
12.3%
キンモクセイ
6.1%
ソヨゴ
7.9%
サザンカ
49.3%
一般植木
図-3 春期取引量(追加樹種含む)の区分別構成比 (%)
ヒメシャラ
1.8%
シャラノキ
2.1%
マサキ
4.2%
カイズカイブキ
5.1%
ツバキ
17.9%
クチナシ
0.2%
キャラボク
0.8%
ハナミズキ
12.3%
ツバキ
9.0%
シマトネリコ
9.9%
ツツジ類
21.6%
イヌツゲ
21.0%
ヤマボウシ
11.7%
株・玉物(追加樹種含む)
一般植木(追加樹種含む)
表-1 春期取引量上位10品目(追加樹種含む)の動き
平成25年
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
品名
サツキ
イヌツゲ
サザンカ
イヌマキ
カエデ類
ドウダンツツジ
ツツジ類
シマトネリコ
オタフクナンテン
キンモクセイ
区分
株
株
生
生
一
株
株
一
株
一
平成26年
前期比
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
品名
サツキ
イヌマキ
サザンカ
イヌツゲ
カエデ類
オタフクナンテン
ツツジ類
シマトネリコ
ドウダンツツジ
ハナミズキ
区分
株
生
生
株
一
株
株
一
株
一
平成27年
前期比
・・・
・・・
・・・
・・・
・前期比単位 ・・・:±20%未満 :+20%以上40%未満 :-20%以上40%未満
:+40%以上 :-40%以上 -:データなし
・区分 一:一般植木 株:株・玉物 生:生垣用樹
品名
サツキ
サザンカ
ツツジ類
イヌツゲ
イヌマキ
カエデ類
オタフクナンテン
ドウダンツツジ
ハナミズキ
ヤマボウシ
区分
株
生
株
株
生
一
株
株
一
一
前期比
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・