No. 54 一包化加算について

医療事務の豆知識(54)
2015/5/29
ファーマライズホールディングス(株) 医事リーダー会
『 一包化加算について 』
【一包化の概要・算定要件】
・ 服用時点の異なる2種類以上の内服薬または 1 剤で3種類以上の内服薬を種類にかかわらず、服用
時点ごとに一包化として患者に投与すること。
・ 多種類の薬剤が投与されている患者にしばしば見られる、薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること
又は、心身の特性により錠剤等をシートから取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目
的とし、治療上の必要が認められる場合に、医師の了承を得た上で行うものである。
・ 薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了承を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の
理由を調剤録等に記載すること。
・ 一包化に適さない錠剤(一部の OD 錠。OD 錠の一包化可否は都道府県により異なる)を含む一包化加
算は算定することができない。
吸湿性の高い薬や就寝前服用の便秘薬等を一包化せずにお渡しした場合、その薬剤を除いて一包化
した部分が算定要件を満たしていれば一包化加算算定可能。(都道府県により見解が異なる場合あり)
【算定点数】
投与日数 56 日以下の場合 投与日数が7又はその端数を増すごとに 32 点
57 日以上の場合 投与日数にかかわらず
【例】 A 錠
290 点
1 日 1 回 朝食後×15 日分
B 錠、C 錠 1 日 2 回 朝夕食後×15 日分 →7日分(32 点)×2+端数 1 日分(32 点)=96 点
【加算の同時算定について】
≪同時算定早見表≫
嚥下困難加算
嚥下困難加算
一包化加算
自家製剤加算
計量混合加算
×
×
×
△※
△※
一包化加算
×
自家製剤加算
×
△※
計量混合加算
×
△※
△※
×
△※・・・服用時点が一包化と重ならず、一包化加算の算定に無関係なものに限る。
◎嚥下困難者用製剤加算算定においては一包化加算と同様、原則として治療上の必要が認められる際
医師の了承を得た上、処方せん中のすべての内服薬について一包化または剤形の加工を行うことを
前提としている為、処方せん受付 1 回につき 1 回の算定としている。したがって、2 つの処方における服用
時点の重複の有無にかかわらず、1 枚の処方せんについて、一包化加算と嚥下困難者用製剤加算はど
ちらか一方のみの算定となる。
算定 Q&A
Q.一包化加算を算定している際、一包化算定と無関係な剤について自家製剤加算及び計量混合加算
算定は可能か。
Rp.1 A 錠, B 錠 1 日 3 回 毎食後×14 日分
一包化加算 算定
Rp.2 C 錠, D 錠 1 日 2 回朝夕食後×14 日分
Rp.3 E 散, F 散 1 日 1 回 就寝前×14 日分
計量混合加算 算定
A. 算定可能である。Rp.1 と Rp.2 にて一包化の算定要件を満たしている。 Rp.3 は一包化算定の対象と
なる Rp.1 及び Rp.2 のいずれとも服用時点の重複がなく、一包化加算の算定対象とならないことから
Rp.3 については計量混合加算の算定が可能である。※参考文献:保険薬局業務指針 2014 年版