食事療法に関する資料(1.43MB)

食事療法に関する資料
さらに詳細な情報については、以下を参照されたい
健康日本 21(第二次)の推進に関する研究HP
「健康日本 21(第二次)マニュアル・研修会スライド」
http://www.pbhealth.med.tohoku.ac.jp/japan21/study-session
-2.html
農林水産省HP
「食事バランスガイド」
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
「食事バランスガイド」とは?
「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたら良いか
をコマをイメージしたイラストで示したものです。
バランスよく食べて、運動をするとコマは安定して回りますが、食事のバランスが悪いと
コマは倒れてしまいます。あなたのコマはうまく回っていますか?
運動することによって、コマが
運動する
とによ て
が
安定して回転することを表現
水分をコマの軸とし、食事の中で
水分を
の軸とし 食事の中で
欠かせない存在であることを強調
「何を」は5つの料理グループから。
上にある料理ほどしっかり食べる。
※基本形(2200±200kcal)の場合
菓子・嗜好飲料は、
コマを回す「ヒモ」で
表現
SVとはサービング(食事
の提供量の単位)の略
「食事バランスガイド」は健康な方々の健康づくりを目的に作られたものです。糖尿病、 高血圧などで 医師や管理栄養
士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってください。
「食事バランスガイド」の料理グループ
「どれだけ」食べるかは「つ(SV)」で数えます。
料理グループ
主 食
ごはん、パン、
はん、 ン、
麺・パスタなど
を主材料とする
料理
(主に炭水化物
の供給源)
料理例と「つ(SV)」 の数え方
おにぎり1個、ごはん小盛り1杯、食パン1枚が「1つ」。ごは
ん中盛り1杯は「1.5つ」。麺類・パスタ類1人前は「2つ」くら
い。
*1つ(SV)の基準=主材料に由来する炭水化物 約40g
副 菜
主 菜
野菜、いも、豆
類(大豆を除く)、
きのこ、海藻な
どを主材料とす
る料理
(主にビタミン、
ミネラル、食物
繊維の供給源)
小皿や小鉢に入った野菜料理1皿分が「1つ」くらい。中皿
や中鉢に入ったものは「2つ」くらい(サラダはこの量で「1
つ」)。
肉、魚、卵、大
豆及び大豆製
品などを主材料
とする料理
卵1個の料理が「1つ」くらい。魚料理1人前は「2つ」くらい。
肉料理1人前は「3つ」くらい。
(主にたんぱく
質の供給源)
牛乳
・乳製品
牛乳、ヨーグル
ト、チーズなど
(主にカルシウ
ムの供給源)
供給源
果 物
りんご、みかん、
すいか、いちご
など
(主にビタミンC、
カリウムの供給
源)
*1つ(SV)の基準=主材料の重量 約70g
*1つ(SV)の基準=主材料に由来するたんぱく質 約6g
プロセスチーズ1枚、ヨーグルト1パックが「1つ」くらい。牛
乳1本は「2つ」くらい。
*1つ(SV)の基準=主材料に由来するカルシウム
基準 主材料 由来するカ
ウ
約
約100mg
みかん、バナナなど小さい果物1個が「1つ」。りんごなど大
きい果物1個が「2つ」くらい。
*1つ(SV)の基準=主材料の重量 約100g
使ってみましょう!「食事バランスガイド」
1日にとる目安の数(SV)をチェック
●食事の適量(どれだけ食べたら
よいか)は、性別、年齢、
か
性
年齢 活動量
によって異なります。
コマのイラストは2200±200kcal
(基本形)の場合の目安です。
●自分の適量を確認し、毎日の食
事をチ クしてみまし う
事をチェックしてみましょう。
1日に必要なエネルギーと「摂取の目安」
エネルギー
男性
(kcal)
主食 副菜 主菜
牛乳・
乳製品
女性
果物
6~9才
6~9才
70才以上
低い
1400~
4~5 5~6 3~4
2000
2
※2~3
70才以上
2
10~11才
ふつう
ふ
う
以上
10~11才
低い
低い
2200
±200
基本形
5~7 5~6 3~5
2
※2~3
12~17才
2
12~17才
18~69才
18
69才
身体活動量
ふつう
以上
2400~
00
6~8 6~7 4~6 2~3 2~3
※2~4
3000
ふつう
以上
18~69才
単位:つ(SV)
SVとはサービング
(食事の提供量)の略
「低い」・・・・・・・・・1日のうち座っていることがほとんど
「ふつう以上」・・・・「低い」にあてはまらない人
・強いスポーツ等を行っている場合は、さらに多くのエネルギーを必要とするので、
身体活動の程度に応じて適宜調整しましょう。
※牛乳・乳製品の学校給食を含めた子ども向けの摂取量は、成長期に特に必要なカルシウムを
十分にとるために、少し幅をもたせた目安にするのが適当です。
実際に食べた食事内容をチェック
各料理グループからいくつ(SV)をとったかチェックし、目安の数(つ(SV))と比べ
各料理グル
プからいくつ(SV)をと たかチ クし 目安の数(つ(SV))と比べ
てみましょう。食べすぎた料理グループは次の日控えめにするなど、複数の日を平
均して適量の範囲の中に入るようにバランスをとりましょう。
「食事バランスガイド」食事例
「食事バランスガイド」に沿って、1日2,200kcal(1日デスクワークをしてい
る男性、身体活動量が普通の女性の適量)の食事例をご紹介します。
朝ごはん
主食
ごはん(大盛り)
副菜
主菜
牛乳・
乳製品
果物
2
〈朝ごはん〉
1
切干大根の煮物
アスパラガス入り
炒り卵
1
1
2
1
主食
副菜
1
主菜
1
牛乳・
乳製品
6
果物
〈朝~昼ごはん〉
2
1
2
1
2
3
2
4
3
5
4
6
5
7
6
1 2 3 4 5
21 2 1 2
1
巨峰
きのこごはん
4 5
7
1
2
じゃがいもとにんじ
んのサラダ
小松菜のごまあえ
ミニトマト
夕ごはん
6
1
鶏肉の照り煮
昼ごはん合計
3
5
21 2 1 2
いちご
菜めし
4
1 2 3 4 5
1
牛乳
昼ごはん
3
1 2
野菜スープ
朝ごはん合計
2
2
2
2
主食
副菜
主菜
0
1
牛乳・
果物
乳製品
2
〈朝~夕ごはん〉
里いもと白菜の
みそ汁
1
水菜とベーコンの
サラダ
1
さけのちゃんちゃん
焼き
1
1
2
1
3
2
4
3
5
4
5
6
7
6
1 2 3 4 5
2
21 2 1 2
1
ヨーグルト
夕ごはん合計
2
3
2
1
0
単位:つ(SV)
昼ごはん、夕ごはん 『2007年版食育カレンダー』より
監修:足立己幸(女子栄養大学名誉教授)
調理監修:針谷順子 (高知大学教育学部教授)製作・発行:㈱グレイン・エス・ピー
⾷事療法
初診時の⾷事指導のポイント
これまでの⾷習慣を聞きだし、明らかな問題点がある場合はまずそ
の是正から進める。
1.腹八分目とする。
2.⾷品の種類はできるだけ多くする。
3.脂肪は控えめに。
4.⾷物繊維を多く含む⾷品(野菜、海藻、きのこなど)をとる。
5.朝⾷、昼⾷、夕⾷を規則正しく。
6.ゆっくりよくかんで⾷べる。
⾝体活動量の目安
軽労作(デスクワークが多い職業など):25〜30kcal/kg標準体重
普通の労作(⽴ち仕事が多い職業など) :30〜35kcal/kg標準体重
重い労作(⼒仕事が多い職業など):35kcal/kg標準体重〜
⽇本糖尿病学会編・著: 糖尿病治療ガイド2014-2015, p45 文光堂, 2014
1)日本人の長寿を支える「健康な食事」のとらえ方を整理
日本人の長寿を支える「健康な食事」のとらえ方
日本人の長寿を支える「健康な食事」を構成している要因例
社会・経済
「健康な食事」とは、健康な心身の維持・増進に必
要とされる栄養バランスを基本とする食生活が、無理
自然
なく持続している状態を意味する。
文化
食料生産・流通
「健康な食事」の実現のためには、日本の食文化
の良さを引き継ぐとともに、おいしさや楽しみを伴っ
の選択など、幅広い要素から構成される。
「健康な食事」が広く社会に定着するためには、信
頼できる情報のもとで、国民が適切な食物に日常的
にアクセスすることが可能な社会的・経済的・文化的
・無理なく続けられる生活
・栄養、運動、休養のバランスのとれた生活
食物へのアクセス(食物の入手しやすさ)
情報へのアクセス(情報づくり・共有)
・食をめぐる基本情報が共有できる環境
・多様な食品を選択できる環境
・食料へアクセスしやすい環境
(食料品販売店舗との距離や移動手段など)
食の場面
選び方・整え方・食べ方
・入手しやすい適切な価格
・配食(食材宅配)サービスの体制整備
・栄養や健康づくりに関する正しく分かりやすい情報づくり
・食料、食品をめぐる情報のギャップ(生産者
と消費者のもつ情報の正確性や量の差)の解消
・消費者のニーズに合った分かりやすい表示
・心地良い食卓、楽しい食卓(共食など)
・出版文化の発達(料理・食文化関係書の普及)
・適切な情報に基づいた食品や食事の選び方・整え方・食べ方
食 材
調 理
・安全、安心な食品
・目的や対象に応じた
調理方法、盛りつけ方
・多様な食材の利用
・食材や素材の味の
生きる調理方法
教育・体験
・多様なライフスタイルに応じた選び方・整え方・食べ方
・目的や対象に応じた選び方・整え方・食べ方
・望ましい食習慣の形成
・豊かな食体験、学習
・嗜好に合ったメニューを味わえる食事
・旬の食材の利用
・食嗜好の形成
・よく噛んで味わえる食事
・味のバランスや多彩な食感
かした食料の安定供給の確保や食生活に関する教
・生きがいのもてる暮らし
・人と人とのつながり(助け合い、共食など)
な条件が整っていなければならない。
社会全体での「健康な食事」は、地域の特性を生
・地域の食材を生かす工夫や知恵の伝承と、
新たな料理の創造
生活・暮らし
ていることが大切である。おいしさや楽しみは、食材
や調理の工夫、食嗜好や食事観の形成、食の場面
食文化
・日本の優れた食文化
・地域の気候・風土に根ざした
特色のある食文化
・地域特性を生かした食料の安定供給と
持続可能なフードシステム
・良質な食品を供給する生産、加工、流通、販売の
フードシステム
・多様な地域産物と暮らしのつながり(自然との共生)
・手軽さと手間をかけることの
バランス
・食事観の形成
・規則的な食事のリズム
おいしさ
楽しみ
食に関する知識・スキル
・適切な食事を実践するための知識、スキル等
・楽しく食事を続けられるおいしさ
・地域産物の利用
育・体験活動などの取組と、国民一人一人の日々の
・使い勝手のよい道具の
開発・普及
維持・向上に着実に貢献する。
・適切な食事の実践、継続するための食嗜好
栄養バランス
・主食、主菜、副菜がそろうバランスの良い食事
・多様な食品の摂取
・古典的な日本食から減塩した食事
・低精製度の穀類の利用
・たんぱく質の適切な摂取 ・多様な野菜の十分な摂取
・適切なエネルギー及び栄養素
健 康
・健やかな発育・発達
・生活習慣病の予防
・加齢に伴う身体・口腔機能の低下の抑制
・健康寿命の延伸
啓発用スライド(厚生労働省 がん対策健康増進課 栄養指導室作成)
食事観
・適切な食事の実践、継続するための食事観
食嗜好
実践とが相乗的に作用することで実現し、食をめぐる
地域力の維持・向上とともに、国民の健康とQOLの
・楽しみとしての食事
(高齢になっても変わらない食べる楽しみ)
2)生活習慣病の予防に資する「健康な食事」を事業者が提供するための基準を策定
「健康な食事」の食事パターンに関する基準の内容と留意事項
食事パターンの基準の内容
料理Ⅰ(主食)
精製度の低い米や麦等の穀類
を利用した主食。
なお、炭水化物は40~70gであること。
精製度の低い穀類は2割程度であること。
ただし、精製度の低い穀類の割合が多
い場合は、1日1食程度の摂取にとどめる
ことに留意する。
料理Ⅱ(主菜)
魚介類、肉類、卵類、大豆・大
豆製品を主材料とした副食(主
菜)。
なお、たんぱく質は10~17gであ
ること。
料理Ⅲ(副菜)
緑黄色野菜を含む2種類以上
の野菜(いも類、きのこ類・海藻類
も含む)を使用した副食(副菜)。
なお、野菜は100~200gであること。
※1 エネルギー
○単品の場合は、1食当たり、料理Ⅰは300kcal未満、料理Ⅱは250kcal未満、料理Ⅲは150kcal未満であること。
○料理Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを組み合わせる場合は、1食当たりのエネルギー量は650kcal未満であること。
※ 2 食塩
○単品の場合は、料理区分ごとの1食当たりの食塩含有量(食塩相当量)は1g未満であること。
○料理Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを組み合わせる場合は、1食当たりの食塩含有量(食塩相当量)は3g未満であること。
提供上の留意点
・ 「健康な食事」の実現のためには、日本の食文化の良さを引き継ぐとともに、おいしさや楽しみを伴っていることが大切であることから、
旬の食材や地域産物の利用などに配慮すること。
摂取上の留意点
・ 1日の食事においては、料理Ⅰ~Ⅲの組合せにあわせて牛乳・乳製品、果物を摂取すること。
・ 必要なエネルギー量は個人によって異なることから、体重や体格の変化をみながら適した料理の組合せを選択すること。
・ 摂取する食品や栄養素が偏らないよう、特定の食材を用いた料理を繰り返し選択するのではなく、多様な食材や調理法による異なる
種類の料理を選択すること。
啓発用スライド(厚生労働省 がん対策健康増進課 栄養指導室作成)
3)「健康な食事」を普及するためのマークを決定
<基本形>3つの料理
の組合せの場合
料理Ⅰの料理に表示する場合 料理Ⅱの料理に表示する場合
料理Ⅲの料理に表示する場合
3つの料理の組合せ
は、主食、主菜、副菜の
組合せ。
料理Ⅰは主食、料理Ⅱ
は主菜、料理Ⅲは副菜
を表す。
<作品の解説>
マークのデザインは、円を三分割してシンプルな線や面で3つの料理を表現してい
る。
料理Ⅰの主食は、代表的な米を稲穂で表している。料理Ⅱの主菜は、魚のうろこをモ
チーフにした絵柄にし、肉をイメージする赤色を用いることで、たんぱく源となる食品を
主材料とした料理を表している。料理Ⅲの副菜は、野菜の葉を絵柄と色で表している。
啓発用スライド(厚生労働省 がん対策健康増進課 栄養指導室作成)