国際的な行動

国際的な行動
気候変動に対処するためのパリ合意の役割
JENNIFER MORGAN
科学
2014年は観測史上最も暑い年
世界の年間気温の偏差 1880~2014年
Source: NOAA
360
20世紀の平均より
暑い月が360ヶ月
続いている。
35
2014年、ヨーロッパにおける
熱波が35倍となったのは、
気候変動が原因である可能
性が高い。
10分の7
Image: Thomas Hank/flickr
壊滅的な気候災害の被害額が最も大きかった
年のうち、10分の7は、 2000年以降。
穀物
生産高
干ばつの増加により、インド
で2040年代までに、穀物
生産高の急落が予想される。
最大80%
Image: jopolopy/Flickr
サブサハラ・アフリカで、干
ばつと乾燥の増加により、
耕作地が最大80%減
少する。
6,000 エーカー
キリバス共和国は、海面上昇により安全を脅か
された国民を移動させるため、6,000エーカー
の土地を購入した。
尽きていくカーボン・バジェット(炭素収支):
残りはたった30年分
我々は産業革命
(1861-1880
)以前以来
515PgCを排出し、
すでに炭素予算の
52%を使っている。
Image: Walter/Flickr
世界の炭素予算
は残り485PgC。
このままの排出割
合が続くと、2045
年の終わりまでにこ
の予算を超えてし
まうだろう。
傾向
太陽光パネルはますます安価に
米ドル/MWh
太陽光発電の推移
Solar
PV, historical
1,300
1,200
現在の化石燃料の範囲、指標
1,100
2014年の最も有効なプロジェクト
1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
1990
1995
2000
2005
2010
2014
100
0
Sources: Citi Research 2012; IEA World Energy Outlook 2013; G. F Nemet, “Beyond the learning curve”, Energy Policy 34, 3218-3232 (2006)
クリーン技術への投資は急伸している
2004-14年(単位:10億ドル)
Source: Bloomberg New Energy Finance, Mothers Jones visual
風車は、100倍パワフルになった
ハブの高さ
エッフェル塔
(m)
年
風車の羽の直径
発電量
Sources: Cityfix.com, NY Times, LSE and NCE Cities – Paper 03 Accessibility in Cities: Transport and Urban Form, p 10-11
電気自動車のバッテリーは安価になっている
電気自動車は
従来の乗り物とも
価格競争力を
もつようになる
(テスラギガファクトリー)
Source: Seeing Is Believing: Creating a New Climate Economy in the United States
国連にしかできないこととは?
Image: Image: Simone D. McCourtie / World Bank
パリ合意が果たす6つの核心的役割
1. 低炭素経済への移行が不可避であるという明確なシグナルを発
信する
2. 国際合意を「現実経済」へと結びつける
3. 透明性と説明責任をもたらす。
4. 低炭素、気候レジリエント経済への投資を加速させる。
5. 公平性を明確に示す気候行動のための基礎を築く。
6. 気候変動に脆弱な国々が、レジリエンスを構築し、適応する能力
を持てることを確保する。
IMAGE: NASA
国際合意の重要機能
衡平性
支援
・能力構築
・資金援助
・技術移転、
及び協力
温室効果ガスの
純排出量をゼロに
する世界の目標
Source: ACT 2015 Elements and Ideas for a 2015 Paris Agreement
衡平性
レジリエンス(回復力)
温室効果ガス排出量
適応
緩和
レジリエンス(回復力)を
構築する世界の目標
国別目標案(約束草案)
国別目標案(約束草案)の役割
• 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で、締約国
は、 2015年12月のパリ気候サミット終結までに気候に
関する新たな国際合意を実現することを約束した。
• その目標達成を促進するため、締約国は実施予定の
行動の概要を公的に発表することに同意した。
• これらの約束は、国別目標案(約束草案)として知ら
れる。
国別目標案(約束草案)の役割
• 国別目標案において、締約国は、自国が排出削減を
進めるためのステップについて提案する
• 国別目標案は、国内の特別な優先事項、状況、及び
能力を考慮に入れる
• 合わせて、国別目標案は2015年パリ合意への基盤と
なる。
国別目標案の重要要素
• 国別目標案は以下を満たすべきである。:
–
–
–
–
野心的である
透明性がある
衡平である
タイムリーである
国別目標案に期待されること
• 国別目標案は、各国が気候変動を持続可能な開発や貧
困削減といった他の国内優先事項へと統合する方策を明
言すべきである。
• 民間部門がこれらの努力に貢献するよう、シグナルを発する
べきである。
• 国別目標案は、国内及び国際的な利害関係者が、自らの
行動がいかに将来の国際的な排出削減に貢献していくかを
予期できるよう、明確に提出されるべきである。
米国と中国の新目標が気運をつくる
U.S. Embassy, The Hague/Flickr
米国の気候行動
 気候行動計画
 クリーン電力計画 – 既存の発電
所に対する排出基準及び、新規
発電所向けの基準を確定する。
 気候変動に対する準備とレジリエ
ンス(回復力)に関するタスク・
フォース
 2025年に向けた削減目標として
26-28%を提案 (2005年比)
Image: flickr:Jarod Carruthers
アメリカ合衆国における電力源シフト
容量( GW
)
(石炭)
再生可能
原子力
その他
化石
石油
天然ガス
Source: Seeing Is Believing: Creating a New Climate Economy in the United States
石炭
アメリカ合衆国における電力源シフト
容量( GW
)
再生可能
天然ガス
(石炭)
再生可能
原子力
その他
化石
石油
天然ガス
Source: Seeing Is Believing: Creating a New Climate Economy in the United States
石炭
中国は行動する:
さらに再生可能エネルギーを導入
12 GW
2013年に中国で導入され
た太陽光発電の容量。1年
間の導入量としては世界最
高記録
Image: Wikimedia: Bloomberg
世界で
第1位の
再エネ投資
中国の行動は:
脱石炭へ
2014年、石炭利用は減少
石炭発電所の新設を禁止
北京、上海、 広州地方
Image: Flickr/Jonathan Kos-Read; source: ChinaFAQs
電力部門におけるダイナミックな変化
170.8%
Generation change over last year (%)
昨年1年間の発電量の変化率 %
19.7%
13.2%
12.2%
Solar
太陽光
Wind
風力
Source: China Electricity Council 2015
http://www.cec.org.cn/yaowenkuaidi/2015-03-10/134972.html
Hydro
水力
Nuclear
原子力
Thermal
火力
-0.7%
ヨーロッパで、今後拡大するとみられている
唯一のエネルギー源が再生可能エネルギー
天然ガス
総生産量
Source: Eurostat.
再エネ
原油
原子力
固体燃料
29
THREE ACTIONS TO WATCH FOR CHINA
• エネルギー/石炭/CO2目標と実施の強化
• 炭素価格付け
• 地域の気候政策
インドの大胆な再生可能エネルギー計画
設置済みの
太陽光パネル容量:
以前の2022年目標:
新たな2022年目標:
Image: WRI visual
国が適切なときに国別目標案を
準備できるよう努力する
Image: Shelby Steward/Flickr
2014年: 気運が高まった1年
38カ国が
炭素への価格付けへ
非国家主体
都市は行動する
市長協定
都市に対するグローバルな議定書
228都市で計13Gt削減
4億3600万人が住んでいる
Image: Jim Killock/Flickr
ビジネスは行動する
1000以上の企業が
炭素への価格づけを支持
Image: Jonathan Marks/flickr
NGOは行動する
グローバルなパリ合意を
確実なものにする
国の野心的な行動を促す
都市やビジネスなどから
より大きな野心を引き出す
きっかけになる
Image: Shelby Steward/Flickr
日本への示唆
日本に期待すること
• 日本は環境政策・技術においてリーダーだった。そして
2020年以降の気候レジームは、日本がさらに重要で
信頼のある役割を担うチャンスである。
• 日本は低炭素技術を通じて自国の経済を強化する可
能性を持っている。しかしながら、海外でのビジネスで成
功するためには、国内での成功という基盤が必要だ。
• 原子力の有無にかかわらず、日本は2℃目標に沿った
野心的な削減目標を採用するべきだ。
経済的な利益を伴う行動で
2030年までに必要な量の
温室効果ガス削減は可能
CO2:ギガトン
2030年時点で2℃目標のために
必要な排出レベル
基準
都市
土地利用
エネルギー
短寿命
気候強制力
因子
Source: Emissions estimates: IPCC AR5; New Climate Economy analysis based on expert input and multiple data sources
製造とサービスの
革新
2030年の
潜在能力
成長と気候の動因
都市
土地
利用
エネル
ギー
資源の
効率性/循環性
経済の
拡大
インフラへの
投資
イノベーション
質の高い、レジリエントで、包括的な=より良い成長
日本は太陽光・風力市場でより強い立場をとることができる
インリーグリーン(中国)
ゼネラル・エレクトリック(米国)
トリナ・ソーラー
(中国)
カナディアン・ソーラー
(中国)
その他
その他
シャープ
(日本)
ヴェスタス(デンマーク)
シーメンス(ドイツ)
ジンコ・ソーラー
(中国)
ゴールドウィンド
(中国)
ガメサ
(スペイン)
エネルコン
スズロン (ドイツ)
(インド)
日本の新しい気候経済
よりコンパクトでグリーンな都市に移行する
低炭素モデルの
インフラ更新
建築基準を強化する
低炭素エネルギーを拡大する
グローバルなク
リーン技術市場
を勝ち取るため
に、伝統的な
強みを利用する
途上国の
インフラに賢く
投資する
循環型経済ビジネスの原則を活用し、
資源生産性を転換する
自動車製造業におけるさらなる技術革新を
加速させ、輸出する
LEDなどグリーンの応用分野おいてリーダーシップを維持
する。例えばLED、特殊化学、効率的な電化製品
低炭素事業に対する公的資金を投入する
石炭への投資リスクの増大を避ける
民間部門の資金を活用する
http://japan-clp.jp/event/pdf/Jeremy_NCE%20Japan.pdf
国際合意は、手の届くところにある
Image: COP20 Lima/Flickr
2015年の重要な時期
国別目標案提出
1月
2
3
4
5
G7 サミット
UNFCCC 中間会合
G20サミット
国連総会
6
l7
8
9
10
UNFCCC
中間会合 UNFCCC
中間会合
UNFCCC
統合報告
11
12
COP21
パリ
よりよい合意で、
よりよい未来を。
Image: Wikimedia, Creative Commons
ありがとうございました